説明

マグネシウム合金製化粧品容器

【課題】 薄型で軽量であり、携帯性に優れたコンパクト等の化粧品容器を提供することを課題とする。
【解決手段】 蓋を含む化粧品容器の容器本体を、マグネシウム合金で形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】この発明は、コンパクト等の化粧品容器に関し、特にマグネシウム合金で形成した化粧品容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧品容器、特にファンデーションを収納するコンパクト容器は、携帯性の観点から薄型であることが要望されている。かかる要望を満足するために、従来は収納する化粧料の量を少なくしたり、ブラシ等の塗布用具を付属させなかったり、或は金属などの剛性が高い材料で形成する等の方法が採られている。しかし、前者の方法では化粧時の使用性が低下し使用上不便となり、又後者の方法では容器が重くなったり、部品数が増加しコストの上昇を招く等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、薄型で軽量であり、携帯性に優れたコンパクト等の化粧品容器を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためにこの発明が採った手段は、蓋を含む化粧品容器の容器本体を、マグネシウム合金で形成したことを特徴とする。
【0005】又、蓋を含む化粧品容器本体を、マグネシウム合金を射出成形して形成したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】この発明の好ましい実施の形態を、以下に詳細に説明する。図面はこの発明を適用したコンパクト容器を示すが、この発明はかかるコンパクト容器に限られるものではなく、口紅容器等のその他の化粧品用の容器に適用することが出来るものである。図面を参照して、この発明にかかるコンパクト容器(1)は、容器本体をマグネシウム合金で形成したことを特徴とする。マグネシウム合金は、流動性に優れ、合成樹脂と同様に射出成形による形成が可能で、薄肉に形成することが出来、従来の金属製化粧品容器の材料である真鍮やステンレススティールに比して軽量である特徴を有している。特に、チクソモールディング法による射出成形によって、薄型化と同時に複雑な形状の成形が可能で意匠の自由度が大きくなると共に、金属製コンパクトと比較して部品点数の削減が可能となる。更に、外観も塗装やメッキなどが可能であり、特に制約がない利点がある。
【0007】化粧品容器の材料として好適なマグネシウム合金は、アルミニウム1.0〜10.0%、亜鉛0.1〜5.0%、マンガン0.1〜0.5%、残部マグネシウムからなる合金であり、更に好ましくは、マグネシウム88.8%、アルミニウム9.0%、亜鉛2.0%、マンガン0.2%からなる合金が最も適しているが、これに限られないことは勿論である。マグネシウムは、実用金属の中で、比重1.74と最も軽い金属であり、最も豊富にある金属で資源枯渇の心配がないと共に、リサイクルも可能である。合成樹脂、真鍮及びマグネシウム合金で形成した蓋の内面に鏡を装着したコンパクト容器について、蓋の肉厚、容器重量、容器部品点数を対比すると、表1の通りである。
【0008】
【表1】


【0009】
【発明の効果】この発明によれば、薄型で軽量であり、携帯性に優れたコンパクト等の化粧品容器を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるコンパクト容器の外観斜視図
【符号の説明】
(1)コンパクト容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】蓋を含む化粧品容器の容器本体を、マグネシウム合金で形成したことを特徴とするマグネシウム合金製化粧品容器。
【請求項2】蓋を含む化粧品容器本体を、マグネシウム合金を射出成形して形成したことを特徴とするマグネシウム合金製化粧品容器。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2000−201728(P2000−201728A)
【公開日】平成12年7月25日(2000.7.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−9849
【出願日】平成11年1月18日(1999.1.18)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)