説明

マスク及び治療用の呼吸に適した物質を供給する方法

マスク10は、本発明の一実施形態に従い、対象者12の1つ又はそれより多くの外口(例えば、鼻孔及び/又は口)への治療用ガス供給に使用することができる。マスク10は、マスクボディ14、封止部16、供給源コネクタ18及び排気バルブ20を含む。マスク10は、チャンバー24が対象者12の1つ又はそれより多くの外口を包みこむ、マスク10及び対象者12の顔22により形成されるよう、その間に、封止界面を有して、対象者12の顔に対向して配置されるよう構成することができる。使用の間、呼吸に適した物質が、供給源コネクタ18を通じて、呼吸に適した物質の供給源から、チャンバー24に、供され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2008年12月30日に出願された米国仮出願第61/141,254号の35 U.S.C.第119条(e)の下で優先権を主張するものであり、その内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、2008年12月30日に出願された米国特許出願第61/141,253号に関連し、その内容全体を、本明細書に組み入れる。
【0003】
本発明は、対象者の気道に、治療用の呼吸に適した物質の供給に関する。
【背景技術】
【0004】
従来のネブライザー、スペーサ及び他の治療用ガス供給機構は、呼吸に適した物質の供給のために、対象者の鼻の穴及び/又は口を包み込むマスクを実装する。通常、これらのマスクは、対象者により大気に吐き出された排気ガスのための、排気バルブを含む。これらのバルブは、通常、マスクの本体に形成されており、介護人(caregiver)が治療を観察するために、マスクを通じて対象者の鼻及び又は口の視界(view)を妨げうる。従来のマスクでは、観察している介護人に、対象者が排気したかどうかについての、適切な指標を供することができない。このことは、呼吸に関して薬が投与されている治療にとって、重要でありうる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一様態は、呼吸に適した物質を供給するために、対象者の気道を実質的に(substantially)封止するためのマスクに関する。一実施様態において、マスクは、マスクボディ、供給源コネクタ(source connector)、マスク封止部及び一方向バルブを含む。マスクボディは、対象者の気道の1つ又はそれより多くの外口を包み込むよう構成され、かつ、呼吸に適した物質が、前記マスクボディにより包みこまれる前記対象者の1つ又はそれより多くの外口に伝えられる、物質開口部を形成する。供給源コネクタは、前記マスクボディ上に配置され、前記マスクボディの前記物質開口部と、前記供給源コネクタ内に形成される供給源接合部分開口部(source interface opening)と、の間のガス流路を形成する導管(conduit)を含む。前記供給源コネクタは、前記マスクボディの前記物質開口部と、前記供給源接合部開口部との間の、ガス流路に、呼吸に適した物質の供給源を接続するよう構成される。マスク封止部は、前記マスクボディに取り付けられ、前記対象者の顔と、前記対象者の前記気道の1つ又はそれより多くの外口の周りの前記マスクボディとの間で、実質的に封止された係合を供するよう構成される。前記一方向バルブは、前記供給源コネクタ上に配置され、前記供給源コネクタにより形成されたガス流路内のガスが、周囲雰囲気に排気できるよう、かつ、周囲雰囲気の流入物からガス流路を実質的に封止するよう、構成される。
【0006】
本発明の他の様態は、呼吸に適した物質の供給のために、対象者の気道を実質的に封止するマスクに関する。一実施様態において、マスクは、対象者の気道の1つ又はそれより多くの外口を包み込むチャンバー(chamber)を形成し、該チャンバーの一部は、前記対象者の顔により形成される、形成手段;供給源接合部分開口部と、該供給源接合部分開口部に呼吸に適した物質の供給源を接続することにより、前記チャンバー内に形成される、物質開口部と、の間で、ガス流路を形成する導管を介して前記チャンバーと連通して、前記呼吸に適した物質の源を設置するための、設置手段;周囲雰囲気から前記導管に流入を許すことなく、前記導管を通じて、前記呼吸に適した物質の前記供給源から前記導管に、前記呼吸に適した物質を供給する、供給手段;及び前記導管内の排気開口部を通じて、周囲雰囲気に、前記対象者により吐き出されたガスを排気する、排気手段、を含む。
【0007】
本発明の他の様態は、呼吸に適した物質を供給するために、対象者の気道を実質的に封止する方法に関する。一実施様態において、方法は、対象者の気道の1つ又はそれより多くの外口を包み込むチャンバー(chamber)であって、該チャンバーの一部は、前記対象者の顔により形成される、チャンバー形成段階;供給源接合部分開口部と、該供給源接合部分開口部に呼吸に適した物質の供給源を接続することにより、前記チャンバー内に形成される、物質開口部と、の間で、ガス流路を形成する導管を介して前記チャンバーと連通して、前記呼吸に適した物質の源を設置する、設置段階;周囲雰囲気から前記導管に流入を許すことなく、前記導管を通じて、前記呼吸に適した物質の前記供給源から前記導管に、前記呼吸に適した物質を供給する、供給段階;及び前記導管内の排気開口部を通じて、周囲雰囲気に、前記対象者により吐き出されたガスを排気する、排気段階を含む。
【0008】
本発明の他の様態は、呼吸に適した物質を供給するために、対象者の気道を実質的に封止するマスクに関する。一実施様態において、マスクは、マスクボディ、前記マスクボディ内に形成される1つ又はそれより多くの排気開口部、第一バルブ部材、及び第二バルブ部材を含む。前記マスクボディは、対象者の気道の1つ又はそれより多くの外口を包み込むよう構成され、前記マスクボディ及び前記対象者の顔は、前記マスクボディにより包みこまれる前記対象者の前記気道の前記1つ又はそれより多くの外口の周りのチャンバーを形成する。前記マスクボディはさらに、呼吸に適した物質の供給源と、前記チャンバーとを接続するよう構成される供給源コネクタを含み、前記呼吸に適した物質のフローは、前記供給源コネクタを通じて前記供給源から前記チャンバーに供給される。前記マスクボディ内に形成される前記1つ又はそれより多くの排気開口部は、前記チャンバー内のガスを、周囲雰囲気に排気する。前記第一バルブ部材は、前記1つ又はそれより多くの排気開口部を介して前記チャンバーに入ることによる周囲雰囲気のガスの流入を阻止するよう、前記1つ又はそれより多くの排気開口部の第一部を覆う。もし、前記チャンバー内の呼気ガスの圧力が、第一圧力と等しい又はそれより大きいなら、前記ガスを排気するために、前記対象者の前記気道の前記1つ又はそれより多くの外口からのガスの呼気が、前記第一バルブ部材により覆われる前記1つ又はそれより多くの排気開口部の第一部の覆いを取るために前記第一バルブ部材を作動する力を加えるよう、前記第一バルブ部材は構成される。前記第二バルブ部材は、前記1つ又はそれより多くの排気開口部を介して前記チャンバーに入ることによる周囲雰囲気のガスの流入を妨げるよう、前記1つ又はそれより多くの排気開口部の第二部を覆う。前記第二バルブ部材は、もし、前記チャンバー内の呼気ガスの圧力が、第二圧力と等しい又はそれより大きいなら、前記対象者の前記気道の前記1つ又はそれより多くの外口からのガスの呼気が、前記第二バルブ部材により覆われる前記1つ又はそれより多くの排気開口部の第二部の覆いを取るために前記第二バルブ部材を作動する力を加えるよう、前記第一バルブ部材は構成される。前記第一圧力は、前記第二圧力より低く、呼気ガスによる前記第一部材の作動は、前記対象者による比較的弱い呼気について、介護人に指標を供し、呼気ガスによる前記第二バルブ部材の作動は、前記対象者によるより強い呼気の間、前記第一バルブ部材の作動と一緒に起こり、比較的強い呼気の間、前記1つ又はそれより多くの排気開口部を通じるガスフローに対する抵抗を減少させる。
【0009】
本発明の他の様態は、呼吸に適した物質の供給のために、対象者の気道を実質的に封止する方法に関する。一実施様態において、方法は、対象者の気道の1つ又はそれより多くの外口を包み込むチャンバーであって、該チャンバーの一部は、前記対象者の顔により形成される、形成段階;1つ又はそれより多くの排気開口部を介して前記チャンバーを入ることによる周囲雰囲気のガスの流入を阻止し、前記1つ又はそれより多くの排気開口部は、前記1つ又はそれより多くの排気開口部の第一部を覆う第一バルブ部材と、前記1つ又はそれより多くの排気開口部の第二部を覆う第二バルブ部材と、により、少なくとも一部分において阻止される、阻止段階;前記チャンバー内の第一圧力で又はそれより高くで、前記チャンバー内のガスを大気に放出するために、前記第一バルブ部材により覆われる前記1つ又はそれより多くの排気開口部の第一部を除覆する、第一除覆段階;前記チャンバー内の第二圧力で又はそれより高くで、前記チャンバー内のガスを大気に放出するために、前記第二バルブ部材により覆われる前記1つ又はそれより多くの排気開口部の第二部を除覆する、第二除覆段階を含む。前記第一除覆段階及び前記第二除覆段階では、前記第一圧力は、前記第二圧力より低く、前記第一除覆段階は、前記対象者による比較的弱い呼気について、介護人に指標を供し、前記第二除覆段階は、比較的強い呼気の間、前記1つ又はそれより多くの排気開口部を通じるガスフローに対する抵抗を減少させるため、前記対象者によるより強い呼気の間、前記第一バルブ部材により覆われる前記1つ又はそれより多くの開口部の第一部の除覆と一緒に起こる。
【0010】
本発明の他の様態は、呼吸に適した物質の供給のために、対象者の気道を実質的に封止するよう構成されるマスクに関する。一実施様態において、マスクは、対象者の気道の1つ又はそれより多くの外口を包みこむチャンバーを形成し、該チャンバーの一分は、前記対象者の顔により形成される、形成手段;周囲雰囲気のガスの流入を、1つ又はそれより多くの排気開口部を介して前記チャンバーに入ることによる阻止する、阻止手段であって、該阻止手段は、前記一つ又はそれより多くの排気開口部の第一部を覆う第一バルブ部材と、前記一つ又はそれより多くの排気開口部の第二部を覆う第二バルブ部材と、を含む、阻止手段;前記チャンバー内の第一圧力で又はそれより高くで、前記チャンバー内のガスを大気に放出するために、前記第一バルブ部材により覆われる前記1つ又はそれより多くの排気開口部の第一部を除覆する、第一除覆段階のための手段;前記チャンバー内の第二圧力で又はそれより高くで、前記チャンバー内のガスを大気に放出するために、前記第二バルブ部材により覆われる前記1つ又はそれより多くの排気開口部の第二部を除覆する、第二除覆段階のための手段;を含む。前記第一除覆段階及び前記第二除覆段階では、前記第一圧力は、前記第二圧力より低く、前記第一除覆手段は、前記対象者による比較的弱い呼気について、介護人に指標を供し、前記第二除覆手段は、比較的強い呼気の間、前記1つ又はそれより多くの排気開口部を通じるガスフローに対する抵抗を減少させるため、前記対象者によるより強い呼気の間、前記第一除覆段階と一緒に起こる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の1つ又はそれより多くの実施形態に従って、治療用ガス供給に使用するためのマスク10を説明する。
【図2】図2は、本発明の1つ又はそれより多くの実施形態に従って、治療用ガス供給に使用するためのマスク10を説明する。
【図3】図3は、本発明の1つ又はそれより多くの実施形態に従って、治療用ガス供給に使用するためのマスク10を説明する。
【図4】図4は、本発明の1つ又はそれより多くの実施形態に従って、治療用ガス供給に使用するためのマスク10を説明する。
【図5】図5は、本発明の1つ又はそれより多くの実施形態に従って、呼吸に適した物質の供給を促進するために、大気から対象者の気道を区分けするための方法を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のこれら及び他の目的、特徴及び特性、さらに、構造の関連する構成要素に関する動作方法及び機能、そして、各部分と製造の経済性との連係は、すべてが本明細書の一部を構成する添付の各図面を参照して、以下の説明及び添付する特許請求の範囲を考察することにより、より明らかになるであろう。ここで、同様の参照符号は種々の図における対応する部分を表している。本発明の一実施様態において、ここで説明される構造的な構成要素は、一定の比率の縮尺で描かれている。しかしながら、図は、説明及び記載だけのためであり、本発明を制限するものではない、ということが、明確に理解され得る。さらに、如何なる一実施形態で示される又は述べられる構造的な特徴は、他の実施様態でも同様に使用することができるということが、理解されるべきである。本明細書及び特許請求の範囲で使用されるような、単数形“a”“an”および“the”は、そうでないことを文脈が明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に従って、対象者12の1つ又はそれより多くの外口(例えば、鼻孔及び/又は口)への治療用ガス供給の使用のための、マスク10を説明する。マスク10は、通常、マスクボディ14、封止部16、供給源コネクタ18及び排気バルブ20を含み得る。マスク10は、チャンバー24が、マスク10と、対象者12の1つ又はそれより多くの外口を包みこむ対象者12の顔と、により形成されるよう、その間に実質的に封止される界面を有する、前記対象者12の前記顔22に対向して配置されるよう構成される。使用の間、呼吸に適した物質が、供給源コネクタ18を通じて、前記呼吸に適した物質の供給源(図不示)からチャンバー24に供給され得る。
【0014】
マスクボディ14は、一実施形態において、封止部16より比較的硬い(rigid)材料(高デュロメーター材料)で作られる。例えば、マスクボディ14は、ポリカーボネート又は他の適切な材料から作ることができる。マスクボディ14は、マスク10に構造的硬直性を供し、いくつかの実施形態において、封止部16を交換するときに持ち続けられる、使い捨てマスクの一部であっても良い。マスクボディ14/封止部構造は、2段階成形又は組立工程により形成することができる。例えば、比較的硬いマスクボディ14は、まず形成され、その後、マスクボディ14の周囲及び/又は中に形成するための射出成形である、封止部16のための第二成形に入れられる。一実施形態において、マスクボディ14及び封止部16は、同様のデュロメーター(例えば、より低い硬さの)で作られ、マスクボディ14及び/又は封止部16は、単一の部品で形成されても良い。
【0015】
封止部16が対象者12の顔22に対向して保持されるときに、封止部16が対象者12の顔22の形に合うよう、封止部16は、比較的柔らかい及び/又は可撓性を有する材料で作ることができる。封止部16は、例えば、シリコーン又はエラストマー材料で作ることができる。一実施形態において、封止部16は、アーチ型又は部分的にチューブ状断面の構成(通常凹形の内表面及び通常凸形の外表面を有する、凹凸の断面としても参照される)を有する。一実施形態において、封止部16は、対象者12の顔22に係合する、通常、丸みのある、凸型の、顔係合表面を有する。一実施形態において、顔係合表面は、より扁平で、凸型の構成を有する。また、マスクボディ14の周囲近辺(around the perimeter)の封止部16の異なる領域は、異なる断面構成を有しても良い。種々の他の封止部構成が、当業者にとって明確であろう。
【0016】
一実施形態において、封止部16は、図1に示されるように、取付領域28で、マスクボディ14に取り付けられる。取付領域28は、示されるように、マスクボディ14及び封止部16の各々のへり(edges)について、いくらか重複部分があるよう、マスクボディ14の周囲又はへりに沿って、かつ、封止部16の周囲又はへりに沿っても良い。したがって、重構造の接続が形成されるよう、封止部16のある材料に係合して、マスクボディ14のある材料が存在する。他の実施形態は、端から端まで、マスクボディ14及び封止部材16を、それらのへりで取り付けることによるといった(例えば、粘着性の接続のように)、重複部分がなく、及び/又はマスクボディ14と封止部16が単一部材として形成されて、熟慮される。
【0017】
一実施形態において、マスクボディ14及び封止部16は、顎32と唇34との間から伸びる、係合領域30内で、対象者12の顔22に係合するよう構成される。示されるように、対象者12の口の反対側の領域30に沿い、鼻36を横切ってかつ鼻36の梁を覆って(over)。この実施形態において、封止部16は、図1で示されるように、通常、楕円形(oblong)又は梨形である。封止部16は、したがって、上方部38(upper portion)、下方部40(lower portion)及び変遷部42(transition portion)を含む。鼻36の梁を横切って、対象者12の顔22に係合するよう構成され得る、上方部38は、下方部40の曲率半径R2よりも比較的小さい曲率半径を有する。比して大きい曲率半径を有する下方部40は、顎32と唇34との間の対象者12の顔22に係合するよう構成することができる。変遷部42は、通常、上方部38から下方部40に伸び、対象者12の、眼の真下の顔22に係合する。対象者12の顔22での封止係合を作り出すのを容易にするために、封止部16の変遷部42は、その横断面内で、より多くの材質を有し、チャンバー24内のガスを、対象者12の眼に届くことから効果的に阻止するために、マスクボディ14から直角に離れて伸びる方向で測定されたとき、上方部38及び下方部40の各々より、長い直線長を有する(即ち、もし封止部16が、直線の構成に展開され、又は真っ直ぐにされたなら)。
【0018】
封止部16及びマスクボディ14の実施形態は、対象者の口及び鼻36を包みこむよう形成され得る一方で、これは制限することを意図しない。一実施形態において、マスク10は、対象者12の気道のより少ない外口を包みこむよう構成することができる(即ち、鼻孔だけ、1つの鼻孔だけ、口だけ、等)。対象者12は、年齢、サイズ、及び/又は必要とされる医療手当が変動し得るので、種々様々なマスクサイズ及び構成の間から適切な選択を必要とするために、当業者は、マスク10の構成が変更することができ、特定のサイズ又は構成に制限されないということを理解するであろう。
【0019】
封止部16とは反対側のマスクボディ14の側面では、マスクボディ14は、供給源コネクタ18を受けるための開口部44を形成する。開口部44を通じて、呼吸に適した物質が、対象者による吸入のために、チャンバー24に供される。また、対象者12により吐き出されたガスは、開口部44を介して、チャンバー24から周囲雰囲気に排気され得る。一実施形態において、開口部44は、供給源コネクタ18と接続するよう構成される。
【0020】
一実施形態において、供給源コネクタ18は、マスクボディ14に接続されたときに、開口部44から、供給源コネクタ18内に形成される供給源接合部分開口部48への、ガス流路を形成する導管46を含む。供給源コネクタ18は、マスクボディ14の開口部44と、供給源接合部開口部48と、の間のガス流路に、呼吸に適した物質の供給源を接続するよう構成され、呼吸に適した物質は、対象者12の吸入のために、供給源接合部開口部48からチャンバー24に供給され得る。一実施形態において、供給源コネクタ18は、比較的硬い材料(例えば、硬質シリコーン樹脂)から形成される。一実施形態において、供給源コネクタ18は、より程度が小さい硬い材料(例えば、可撓性を有するシリコーン)から形成される。一実施形態において、供給源コネクタ18の導管46は、マスクボディ14とは別々に形成され、マスクボディ14にしっかりと取り付けられる。例えば、供給源コネクタ18は、形崩れしないスナップフィット(permanent snap fit)、接着性の、熱溶着の、超音波の溶接及び/又はマスクボディ14に固定される他の方法により、マスクボディ14に形成される開口部33にしっかりと取り付けることができる。
【0021】
一実施形態において、供給源コネクタ18は、呼吸に適した物質の供給源に、選択的かつ開放可能なように係合するよう構成される。一実施形態において、供給源コネクタ18は、供給源に恒久的に取り付けられる及び/又は供給源と一体化して形成されるよう構成される。呼吸に適した物質の供給源は、定量噴霧器と、加圧型定量噴霧器と、噴霧器、ネブライザー、スペーサ、エアゾールディスペンサー及び/又は呼吸に適した物質の他の適切な供給源と連通する静的なチャンバー(static chamber)との、1つ又はそれより多くを含んでも良い。マスクボディ14と呼吸に適した物質の供給源とを正確に接続するために、供給源コネクタ18は、図1で示されるものとは別の種々のサイズ、形、及び構成をとり得るということが、理解されるであろう。
【0022】
排気バルブ20は、供給源コネクタ18上に配置され、対象者12の、包みこまれた1つ又はそれより多くの外口から、周囲雰囲気へと呼気ガスを排気するよう構成される。しかしながら、排気バルブ20は、さらに、周囲雰囲気の流入から、供給源コネクタ18内に形成されるガス流路を実質的に封止するよう構成される。それで、排気バルブ20は一方向バルブである。
【0023】
図2は、マスク10をどのようにして供給源から取り外すことができるかを説明する。図2で説明される実施形態において、供給源は、定量噴霧器に接続されるスペーサである。定量噴霧器は、スペーサ内に呼吸に適した物質を分配するよう構成され、呼吸に適した物質は、スペーサ/定量噴霧器団から、供給源コネクタ18により、中に入れられる(received)(接続されたとき)。図2で説明される実施形態において、供給源コネクタ18の、スペーサへの選択的に取り外し可能な取り付けは、摩擦適合(friction fit)を介して成し遂げられる。
【0024】
図3は、本発明の1つ又はそれより多くの実施形態に従う、マスク10の断面図を示す。図3で示される図において、封止部17は、顔22とマスクボディ14との間のチャンバー24を形成するために、対象者12の顔22と係合している。対象者12による吸入の間、呼吸に適した物質と混合された空気は、供給源コネクタ18及び開口部44を介してチャンバー24内に入れられる。対象者12による排気の間、チャンバー24内の圧力が排気バルブ20を開き、それにより、チャンバー24から周囲雰囲気へと排気ガスを放出する。
【0025】
図2で示される実施形態において、排気バルブ20は、導管46内に形成された排気開口部50と、バルブ部材52とを含む。バルブ部材52の初期位置は、周囲雰囲気のガスの流入から、導管46を実質的に封止するために、排気開口部50を覆っている。一実施形態において、バルブ部材52は、バネバイアス(bias)、磁力、重力、バルブ部材52の材料の弾力性、及び/又は他の力の1つ又はそれより多くにより、この初期位置にバイアスがかけられる。一実施形態において、バルブ部材52は、取り付け側(attached side)54に沿って、供給源コネクタ18に取り付けられるだけである。もしチャンバー24内の圧力が、所定のレベルに達すると、バルブ部材52は、チャンバー24内のガスを大気に放出するように、排気開口部50から離れるように作動する。一実施形態において、排気開口部50から離れるように作動するために、バルブ部材52は、取り付け側54で又は近くで、旋回する。取り付け側54で又は近くでの、バルブ部材52の旋回は、取り付け側54で又は近くで供される蝶番(hinge)により得る。一実施形態において、排気開口部50から離れるよう作動するために、バルブ部材52は、排気開口部50から離れるよう弾性的に曲がる。
【0026】
マスクボディ14上よりは寧ろ、供給源コネクタ18上の排気バルブ20の配置は、マスク10の機能性に、1つ又はそれより多くの強化を供することができる。例えば、通常、マスクボディ14は、介護人が、対象者12による治療の受け取りを視覚的に観察できるために、透明又は半透明材料から形成される。介護人は、例えば、受けている治療の効果に関する示唆、及び/又は対象者12が呼吸の間、適切に酸素が供給されているという示唆のために、包みこまれている1つ又はそれより多くの外口を観察することができる。非制限の例の目的で、介護人は、吸入するために費やされている労力のいくらかの量を示唆する、吸気の間の対象者12の口が開いているかどうか及び/又は対象者12の鼻孔が広がるかどうかを、検討することができる。他の例として、紫又は青になる唇は、対象者12が適切に酸素供給されていないということを示唆し得るので、介護人は、対象者12の唇34の色を観察しても良い。供給源コネクタ18上に排気バルブ20を配置することにより、介護人には、治療の間、対象者12の口及び/又は鼻の実質的に妨げられない視界が供される。
【0027】
一実施形態において、排気開口部50の除覆は、対象者12による呼気について、介護人に指標を供する。図2で説明される実施形態において、対象者12による吸気に由来するチャンバー24内の圧力により、バルブ部材52は、排気開口部を除覆して、排気ガスを周囲雰囲気に排気するよう、排気開口部50から離れるよう作動する。図2で供される説明及び上記記載から理解されるべきであるように、バルブ部材52の作動は、バルブ部材52が、取り付け側54で又は近くで旋回すること又は弾性的に曲がることを含む。この旋回すること又は曲がることは、介護人に観察可能であろうし、対象者12が息を吸っているという、介護人に対する指標(marker)を供する。取り付け側54で又は取り付け側54に沿って、蝶番の実施は、場合によっては、バルブ部材52の可動域を増加させ、対象者12による排気についての、バルブ20により供される可視指標をさらに良くする。呼吸の所定の数に関して与えられる、マスク10を通じて管理された治療に関して(例えば定量噴霧器からの治療、等)、介護人にマーキングのための方法(mechanism)を供すること及び/又は呼吸を数えることは、治療の管理を容易にする。
【0028】
排気開口部50から離れるようにバルブ部材52が作動することが、対象者12が息を吸っているという、介護人に対する指標を供与するという実施形態において、排気バルブ20の少なくとも2つの設計バルブ(design valve)の間に、張力が存在するということが、理解されるであろう。第一設計バルブは、排気について介護人に供された指標の感度であり、第二設計バルブは、排気バルブ20と関連する排気ガスに対する抵抗の減少である。特に、子供、高齢者及び/又はとりわけ弱い対象者にとって、呼気に対して適切に感知できるように、排気開口部50の開口サイズは、縮小しても良い。これにより、呼気の間、チャンバー24内の圧力は増加し、排気開口部50を通じうるガスのフロー速度、バルブ部材への、ガスにより印加される対応する力、それら全てが、呼気に対する指標の感度を良くするであろう。しかしながら、排気開口部50のサイズの縮小により引き起こされる排気開口部20の抵抗の増加に起因する、呼気の間のチャンバー24内の圧力の増加は、1つ又はそれより多くの不利と関連する。これらの不利は、増加した圧力、背圧及び/又は呼気に対する抵抗並びに/若しくは他の不利に起因する、対象者12の不快感(特に、より強い対象者にとって)を含む。
【0029】
図4は、より強い対象者に関して、呼気の間、排気バルブ20の抵抗を減少しながら、排気バルブ20により供される呼気の指標の感度が高められる実施形態を説明する。本実施形態において、図4で示されるように、排気バルブ20は、供給源コネクタ18内に形成される、2つの別々の排気開口部、第一排気開口部66及び第二排気開口部68を含む。それらは、各々、第一バルブ部材70及び第二バルブ部材72により覆われている。
【0030】
一実施形態において、第一排気開口部66の面積は、第二排気開口部より大きい。第一バルブ部材70の外周は、第一排気開口部66のへりに対応し、周囲雰囲気からマスクボディ14及び対象者の顔により形成されるチャンバーへの、第一排気開口部66を通じたガスの流入を阻止するために、第一バルブ部材70が第一排気開口部66を覆う、初期位置を有する。同様に、第二バルブ部材72の外周は、第二排気開口部68のへりに対応し、第二排気開口部68を通じた、周囲雰囲気からのガスの流入を阻止するために、第二バルブ部材72が第一排気開口部68を覆う、初期位置を有する。第一バルブ部材70及び第二バルブ部材72は、各々、取り付けへり(attached edges)74及び76で供給源コネクタに取り付けられる。第一バルブ部材70及び第二バルブ部材72は、第一排気開口部66及び第二排気開口部68から離れて作動するよう、取り付けへり74及び76で又は近くで、旋回する又は弾性的に曲がるよう構成される。一実施形態において、第一バルブ部材70及び第二バルブ部材72の一方又は両方は、取り付け側74及び/又は取り付け側76に沿って配置される蝶番により、排気バルブ20に取り付けられる。
【0031】
一実施形態において、マスクボディ14及び対象者の顔により形成されるチャンバー内の第一圧力で又はそれより高くで、第一バルブ部材70は、チャンバー内から大気にガスを排気するために、第一排気開口部68から離れるよう作動し、それにより、対象者の呼気の指標を供する。第一圧力より高い第二圧力で又はそれより高くで、第二バルブ部材72は、チャンバー内から大気にガスを排気するために、第二排気開口部68から離れるように作動し、それにより、排気バルブ20を通ってチャンバーから外に流れるガスに対する、排気バルブ20の抵抗を減少する。第一排気開口部66及び第二排気開口部68の相対的サイズ差を供することに対する代わりに及び/又はさらに、第一圧力と第二圧力との間の圧力差をさらに調整するために、及び/又は第一バルブ部材70が、呼気に関して適切な指標を供することを保証するために、第一バルブ部材70及び第二バルブ部材72の相対的厚さ及び/又は重さは異なっていても良い。
【0032】
一実施形態において、第一バルブ部材70及び第二バルブ部材72は、別々の材料片から形成される。一実施形態において、第一バルブ部材70及び第二バルブ部材72は、第一バルブ部材70を第二バルブ部材72から区分するアンカー(anchor)を供する、横材77を有する、単一の材料片から形成される。横材77は、取り付けへり74及び76に沿って、所定の位置にバルブ部材70及び72を形成する材料片を支える、剛構造である。
【0033】
より強い及び/又は膨大な呼気の間、排気バルブ20の抵抗を減少しながら、排気バルブ20により供される呼気の指標の感度を高める、図4に示される排気バルブ20の実施形態は、制限することを意図しないということが、理解されるであろう。この特徴の公開の範囲は、もしチャンバー内の圧力が、第一の、相対的に低い圧力と等しい又はそれより高いなら、マスクボディ14と対象者の顔との間に形成されるチャンバー内からガスを排気するために、1つ又はそれより多くの排気開口部の第一部が除覆され、かつ、もしチャンバー兄の圧力が、第一圧力より高い第二圧力と等しい又はそれより高いなら、ガスを排気するために、1つ又はそれより多くの排気開口部の第二部が除覆される、如何なる実施形態を含む。例えば、複数のバルブ部材が単一の排気開口部を覆っても良い。他の例として、1つ又はそれより多くの排気開口部を覆うバルブ部材は、一方が留めてある蓋状のもの(フラップ;flaps)であっても良く、そうでなくても良い(例えば、一方のへりに沿って取り付けられる)。排気バルブ20内に含められるバルブ部材及び/又は排気開口部の数は、2つより多くても良い。排気バルブ20の排気開口部は、各々、離ればなれに配置されても良い(例えば、図4に示されるように隣接しないで)。排気バルブ20は、供給源コネクタ18上よりも寧ろ、マスクボディ14上に形成される1つ又はそれより多くの排気開口部を含んでも良い。
【0034】
図5は、呼吸に適した物質の供給を容易にするために、大気から対象者の気道を区分けすることについての方法78を説明する。下記で提示される方法78の操作は、説明に役立つよう意図される。いくつかの実施形態において、方法78は、述べられない1つ又はそれより多くの追加的操作、及び/又は議論された1つ又はそれより多くの操作無しで、遂行することができる。さらに、方法78の操作が、図5で説明され、下記で述べられる順番は、制限することを意図しない。(図1〜4で示され、上述された)マスク10と同じ又は同様である、マスクの構成要素を参照して、方法78の操作が述べられるが、これは制限することを意図しない。方法78は、この開示の範囲から逸脱することなく、種々の他の文脈内で、実行することができる。
【0035】
操作80において、対象者の気道の1つ又はそれより多くの外口を包み込むチャンバーが、形成される。チャンバーは、対象者の顔により一部が形成される。一実施形態において、操作80は、(図1〜4に示され、上述された)マスクボディ14と同じ又は同様である、マスクボディにより実行される。
【0036】
操作82において、呼吸に適した物質の供給源は、導管を介して、チャンバーと連通して配置される。導管は、供給源と接続するよう構成される供給源接合部分開口部と、チャンバー内に形成される物質開口部と、の間のガス流路を形成する。一実施形態において、操作82は、(図1〜4で示され、上述された)供給源コネクタ18と同じ又は同様である、供給源コネクタにより実行される。
【0037】
操作84において、呼吸に適した物質は、周囲雰囲気からチャンバー及び/又は導管への流入を許すことなく、呼吸に適した物質の供給源から、チャンバーに供給される。これは、1つ又はそれより多くの排気開口部を介して、チャンバーに入ることによる周囲雰囲気のガスの流入を阻止することを含んでも良い。前記1つ又はそれより多くの排気開口部は、導管内及び/又はチャンバー内に形成される1つ又はそれより多くの排気開口部を含んでも良い。一実施形態において、操作84は、(図1〜4で示され、上述された)排気バルブ20と同じ又は同様である、排気バルブにより実行される。
【0038】
操作86において、対象者により吐き出されたガスは、1つ又はそれより多くの排気開口部を通じて、周囲雰囲気に排気される。一実施形態において、操作86は、チャンバー内の第一圧力で又はそれより高くで、1つ又はそれより多くの排気開口部の第一部を除覆する、第一除覆段階及び/又は前記第一圧力よりも高い、チャンバー内の第二圧力で又はそれより高くで、1つ又はそれより多くの排気開口部の第二部を除覆する、第二除覆段階を含む。一実施形態において、操作86は、(図1〜4で示され、上述された)排気バルブ20と同じ又は同様である、排気バルブにより実行される。
【0039】
本発明は、最も実用的で、好ましいと現在考えられていることに基づき、説明の目的のために、詳細に述べられてきたが、そのような詳細は、単に前記目的のためであり、本発明は開示された実施形態に制限されない、それどころか、添付した特許請求の範囲の精神と範囲の中で、修正及び同等の構成をカバーすることが意図される、ということが理解され得る。例えば、本発明は、可能な程度で、如何なる実施形態の1つ又はそれより多くの特徴が、如何なる他の実施形態の1つ又はそれより多くの特徴と組み合わせることができるということを検討するということが理解され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の気道の1つ又はそれより多くの外口を包みこむよう構成されるマスクボディであって、当該マスクボディ及び対象者の顔は、当該マスクボディにより包み込まれる前記対象者の前記気道の前記1つ又はそれより多くの外口を囲むようにチャンバーを形成し、当該マスクボディはさらに、呼吸に適した物質の供給源と、前記チャンバーとを接続するよう構成される供給源コネクタを含み、呼吸に適した物質のフローは、前記供給源コネクタを通じて、前記供給源から前記チャンバーに供される、マスクボディ;
前記チャンバー内のガスを、周囲雰囲気に排気する、前記マスクボディ内に形成される1つ以上の排気開口部;
前記1つ以上の排気開口部を介して前記チャンバーに入ることによる、周囲雰囲気のガスの流入を阻止するよう、前記1つ以上の排気開口部の第一部を覆う第一バルブ部材であって、呼気ガスを排気するために、前記対象者の前記気道の前記1つ又はそれより多くの外口からのガスの排気が、前記第一バルブ部材により覆われる前記1つ以上の排気開口部の前記第一部を除覆するための、前記第一バルブ部材を作動させる力を加えるように、当該第一バルブ部材は構成され、当該第一バルブ部材は、もし前記チャンバー内の呼気ガスの圧力が、第一圧力と等しい又はそれより大きいなら、当該第一バルブ部材により覆われる前記1つ以上の排気開口部の前記第一部を除覆するよう作動を行う、第一バルブ部材;及び
前記1つ以上の排気開口部を介して前記チャンバーに入ることによる、周囲雰囲気のガスの流入を阻止するよう、前記1つ以上の排気開口部の第二部を覆う第二バルブ部材であって、前記対象者の前記気道の前記1つ又はそれより多くの外口からの前記ガスの排気が、前記第二バルブ部材により覆われる前記1つ以上の排気開口部の前記第二部を除覆するための、前記第二バルブ部材を作動させる力を加えるよう、当該第二バルブ部材は構成され、当該第二バルブ部材は、もし前記チャンバー内の呼気ガスの圧力が、第二圧力と等しい又はそれより大きいなら、当該第二バルブ部材により覆われる前記1つ以上の排気開口部の前記第二部を除覆するよう作動を行う、第二バルブ部材;
を含み、
前記第一圧力は、前記第二圧力より低く、呼気ガスによる前記第一部材の前記作動は、前記対象者による比較的弱い呼気について、介護人に指標を供し、呼気ガスによる前記第二バルブ部材の前記作動は、前記対象者によるより強い呼気の間、前記第一バルブ部材の前記作動と一緒に起こり、比較的強い呼気の間、前記1つ以上の排気開口部を通じるガスフローに対する抵抗を減少させる、
呼吸に適した物質の供給のために、対象者の気道を実質的に封止するためのマスク。
【請求項2】
大気への呼気ガスのフローに対する前記マスクの前記抵抗は、前記第二バルブ部材の前記作動により、前記第二圧力に有意に減少される、請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記第一バルブ部材及び前記第二バルブ部材は、同じ排気開口部を覆う、請求項1に記載のマスク。
【請求項4】
前記第一バルブ部材及び前記第二バルブ部材の一方又は両方は、フラップである、請求項1に記載のマスク。
【請求項5】
前記第一バルブ部材及び前記第二バルブ部材の一方又は両方は、各々、旋回することにより、前記1つ以上の排気開口部の前記第一部及び前記第二部の一方又は両方を除覆するよう前記作動を行う、請求項1に記載のマスク。
【請求項6】
前記1つ以上の排気開口部は、前記マスクボディの前記供給源コネクタ上に形成される、請求項1に記載のマスク。
【請求項7】
対象者の気道の1つ又はそれより多くの外口を包み込むチャンバーであって、該チャンバーの一部は、前記対象者の顔により形成される、形成段階;
1つ以上の排気開口部を介して前記チャンバーを入ることによる周囲雰囲気のガスの流入を阻止し、前記1つ以上の排気開口部は、前記1つ以上の排気開口部の第一部を覆う第一バルブ部材と、前記1つ以上の排気開口部の第二部を覆う第二バルブ部材と、により、少なくとも一部分において阻止される、阻止段階;
前記チャンバー内の第一圧力で又はそれより高くで、前記チャンバー内のガスを大気に放出するために、前記第一バルブ部材により覆われる前記1つ以上の排気開口部の第一部を除覆する、第一除覆段階;及び
前記チャンバー内の第二圧力で又はそれより高くで、前記チャンバー内のガスを大気に放出するために、前記第二バルブ部材により覆われる前記1つ以上の排気開口部の第二部を除覆する、第二除覆段階を含み、
前記第一除覆段階及び前記第二除覆段階では、前記第一圧力は、前記第二圧力より低く、前記第一除覆段階は、前記対象者による比較的弱い呼気について、介護人に指標を供し、前記第二除覆段階は、比較的強い呼気の間、前記1つ以上の排気開口部を通じるガスフローに対する抵抗を減少させるため、前記対象者によるより強い呼気の間、前記第一バルブ部材により覆われる前記1つ又はそれより多くの開口部の第一部の除覆と一緒に起こる、
呼吸に適した物質の供給のために、対象者の気道を実質的に封止する方法。
【請求項8】
前記1つ以上の排気開口部を通じて大気へと流れる、前記チャンバー内の呼気ガスにより感じられる抵抗は、前記第二バルブ部材により覆われる前記1つ以上の排気開口部の前記第二部の除覆により、前記第二圧力に有意に減少される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第一バルブ部材及び前記第二バルブ部材は、同じ前記排気開口部を覆う、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第一バルブ部材及び前記第二バルブ部材の一方又は両方は、フラップである、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第一バルブ部材及び前記第二バルブ部材の一方又は両方は、各々、旋回することにより、前記1つ以上の排気開口部の前記第一部及び前記第二部の一方又は両方を除覆するよう前記作動を行う、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記対象者の前記気道の包み込まれた前記1つ又はそれより多くの外口を通じて、吸入のために、呼吸に適した物質の供給源から、前記チャンバーまで、前記呼吸に適した物質を方向づける段階をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
対象者の気道の1つ又はそれより多くの外口を包みこむチャンバーを形成し、該チャンバーの一分は、前記対象者の顔により形成される、形成手段;
周囲雰囲気のガスの流入を、1つ以上の排気開口部を介して前記チャンバーに入ることによる阻止する、阻止手段であって、該阻止手段は、前記一つ又はそれより多くの排気開口部の第一部を覆う第一バルブ部材と、前記一つ又はそれより多くの排気開口部の第二部を覆う第二バルブ部材と、を含む、阻止手段;
前記チャンバー内の第一圧力で又はそれより高くで、前記チャンバー内のガスを大気に放出するために、前記第一バルブ部材により覆われる前記1つ以上の排気開口部の第一部を除覆する、第一除覆段階のための手段;及び
前記チャンバー内の第二圧力で又はそれより高くで、前記チャンバー内のガスを大気に放出するために、前記第二バルブ部材により覆われる前記1つ以上の排気開口部の第二部を除覆する、第二除覆段階のための手段;を含み、
前記第一圧力は、前記第二圧力より低く、前記第一除覆段階は、前記対象者による比較的弱い呼気について、介護人に指標を供し、前記第二除覆段階は、比較的強い呼気の間、前記1つ以上の排気開口部を通じるガスフローに対する抵抗を減少させるため、前記対象者によるより強い呼気の間、前記第一除覆段階と一緒に起こる、
呼吸に適した物質の供給のために、対象者の気道を実質的に封止するよう構成されるマスク。
【請求項14】
前記1つ以上の排気開口部を通じて大気へと流れる、前記チャンバー内の呼気ガスにより感じられる抵抗は、前記第二除覆段階により、前記第二圧力に減少される、請求項13に記載のマスク。
【請求項15】
前記第一バルブ部材及び前記第二バルブ部材は、同じ前記排気開口部を覆う、請求項13に記載のマスク。
【請求項16】
前記第一バルブ部材及び前記第二バルブ部材の一方又は両方は、フラップである、請求項13に記載のマスク。
【請求項17】
前記第一バルブ部材及び前記第二バルブ部材の一方又は両方は、旋回することにより、前記1つ以上の排気開口部を除覆するよう前記作動を行う、請求項13に記載のマスク。
【請求項18】
前記対象者の前記気道の、包み込まれた前記1つ又はそれより多くの外口を通じて、吸入のために、呼吸に適した物質の供給源から、前記チャンバーまで、前記呼吸に適した物質を方向づける手段をさらに含む、請求項13に記載のマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−513809(P2012−513809A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542953(P2011−542953)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055634
【国際公開番号】WO2010/076715
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)