説明

マッサージ機

【課題】片手でも手軽に手の平や指にマッサージを受けることができると共に、必要な患部に局部的なマッサージを受けることができるマッサージ機を得る。
【解決手段】台座1に立設した弾性柱の先端側に中空の球状殻部材14を支持し、球状殻部材14内に振動源を配置した。また、球状殻部材14の外側表面には、半球状突起30を設けると共に、半球状突起30に手の平を当てた際の、指に応じた位置に複数の尖頭状突起32〜33を設けた。更に、半球状突起30に手の平を当てた際の、尖頭状突起32〜33よりも、指の先端側に小尖頭状突起36〜42を設け、半球状突起30と尖頭状突起32〜33との間で、手の指の付け根に応じた位置に付け根用小尖頭状突起44〜45を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手の平や指をマッサージするマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1にあるように、両手で保持するのに手頃な中空球体の表面に多数の突起を均一に配置し、中空球体の内部に振動発生源を内蔵したものが知られている。振動発生源により中空球体が振動し、中空球体を両手で保持することにより、中空球体の表面の突起により、手の平や指にマッサージを施すことができる。
【特許文献1】実開平7−37172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、こうした従来のものでは、両手で中空球体を包み込むように押し付けなければ、突起による指圧マッサージの効果を得ることができず、片手だけで手軽に指圧マッサージを受けることができないという問題があった。また、一定の大きさの突起が均一に中空球体の表面に配置されているので、手の平や指の全体にわたって均一なマッサージを受けることはできるが、必要な患部に局部的なマッサージを受けることができないという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、片手でも手軽に手の平や指にマッサージを受けることができると共に、必要な患部に局部的なマッサージを受けることができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
台座に立設した弾性柱の先端側に中空の球状殻部材を支持し、前記球状殻部材内に振動源を配置し、また、前記球状殻部材の外側表面には、半球状突起を設けると共に、前記半球状突起に手の平を当てた際の、指に応じた位置に複数の尖頭状突起を設けたことを特徴とするマッサージ機がそれである。
【0006】
前記球状殻部材の外側表面に、更に、前記半球状突起に手の平を当てた際の、前記尖頭状突起よりも、指の先端側に小尖頭状突起を設けた構成としてもよい。また、前記球状殻部材の外側表面に、更に、前記半球状突起に手の平を当てた際の、前記半球状突起と前記尖頭状突起との間で、手の指の付け根に応じた位置に付け根用小尖頭状突起を設けた構成としてもよい。前記球状殻部材は、上側半球状殻部材と下側半球状殻部材とを重ね合わせて形成され、前記下側半球状殻部材に前記弾性柱の先端側を固定し、前記上側半球状殻部材に前記振動源を支持した構成としてもよい。また、前記台座には固定重りを設けた構成としてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明のマッサージ機は、片手でも手軽に手の平や指にマッサージを受けることができると共に、必要な患部に局部的なマッサージを受けることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図5に示すように、1は台座で、台座1の底面は底蓋2により閉塞されており、底蓋2には複数の脚部材4が取り付けられている。底蓋2は、金属板で形成されており、固定重りを兼用している。
【0009】
台座1の中央には、コイルスプリングを用いた弾性柱6が立設されており、弾性柱6の下端側には、保持部材8が挿入されている。保持部材8は台座1に取り付けられて、弾性柱6の下端側が台座1に固定されている。
【0010】
弾性柱6にはスポンジ製の中空部材10が被せられると共に、中空部材10には更に蛇腹状の保護カバー12が被せられている。弾性柱6の先端側には球状殻部材14が取り付けられている。
【0011】
球状殻部材14の外周は、ほぼ球状に形成されると共に、内部が中空に形成されており、球状殻部材14は上側半球状殻部材16と下側半球状殻部材18とを重ね合わせて形成されている。
【0012】
球状殻部材14は球状の中心よりも下側で、上側半球状殻部材16と下側半球状殻部材18とに分割されており、上側半球状殻部材16と下側半球状殻部材18とは、複数のビス20により一体的に固定されている。弾性柱6の先端側には、保持部材22が挿入されており、保持部材22が下側半球状殻部材18に取り付けられて、弾性柱6の先端側が下側半球状殻部材18に固定されている。
【0013】
弾性柱6の軸方向中心の延長線上に、球状殻部材14の中心が配置されており、上側半球状殻部材16には振動源24が支持されている。振動源24は電動モータ26を備え、電動モータ26は、回転軸28の軸方向が弾性柱6の軸方向中心の延長線上にあるように配置されている。
【0014】
電動モータ26は、取付板29を介して上側半球状殻部材16の内側に複数のビス27により取り付けられている。電動モータ26の回転軸28には、偏心重り31が取り付けられており、偏心重り31の重心は、回転軸28の軸方向中心から偏心した位置に設けられている。
【0015】
図1〜図4に示すように、上側半球状殻部材16の外側表面には、半球状突起30が設けられている。半球状突起30は少し大きめの半球状の突起であり、手の平のほぼ中央を半球状突起30に当てた際に、手の平で包み込まれる程度の大きさである。この半球状突起30は、弾性柱6の軸方向中心の延長線上から、外れた位置に配置されている。
【0016】
半球状突起30に手の平を当てた際の、指に応じた位置に複数の尖頭状突起32〜34が、上側半球状殻部材16の外側表面に設けられている。本実施形態では、3つの尖頭状突起32〜34が設けられており、尖頭状突起32〜34は円錐状で、先端は球状に丸められている。
【0017】
図3に二点鎖線で示すように、半球状突起30に手の平を当てた際に、指の第2関節と第3関節との間に尖頭状突起32〜34があるように配置されており、図3に破線で示すように、指を折り曲げることにより、指の先端を尖頭状突起32〜34の先端に接触させることができるように配置されている。
【0018】
各尖頭状突起32〜34は、各尖頭状突起32〜34の間に指を挟み込むことができる間隔に設けられており、その際、図2に二点鎖線で示すように、指の側面、特に、人差し指、中指、薬指の側面が各尖頭状突起32〜34の傾斜面に接触するように設けられている。尚、尖頭状突起32〜34の両外側には、小半球状突起35a,35bが設けられている。
【0019】
上側半球状殻部材16の外側表面には、図3に示すように、更に、半球状突起30に手の平を当て、指を伸ばした状態の際の、尖頭状突起32〜34よりも、指の先端側に複数の小尖頭状突起36〜42が設けられている。
【0020】
小尖頭状突起36〜42は、尖頭状突起32〜34よりも、その大きさが小さく、円錐状で、先端は球状に丸められている。図3に二点鎖線で示すように、半球状突起30に手の平を当て、指を伸ばした状態で、指の先端、特に、人差し指、中指、薬指の先端が小尖頭状突起36〜42のいずれかの先端に接触できるように設けられている。
【0021】
更に、図2に示すように、上側半球状殻部材16の外側表面には、半球状突起30に手の平を当て、指を伸ばした状態の際の、指の付け根、特に、人差し指、中指、薬指の付け根が接触するように、付け根用小尖頭状突起44〜46が設けられている。
【0022】
付け根用小尖頭状突起44〜46は、半球状突起30と尖頭状突起32〜34との間に設けられており、付け根用小尖頭状突起44〜46は、円錐状で、先端は球状に丸められている。本実施形態では、3つの付け根用小尖頭状突起44〜46が設けられている。
【0023】
半球状突起30、尖頭状突起32〜34、小半球状突起35a,35b、小尖頭状突起36〜42、付け根用小尖頭状突起44〜46の近傍には、多数の小突起48が設けられている。本実施形態では、半球状突起30、尖頭状突起32〜34、小尖頭状突起36〜42、付け根用小尖頭状突起44〜46、小突起48は、硬質ゴムあるいは合成樹脂等で形成されて、上側半球状殻部材16に貼り付けられている。
【0024】
上側半球状殻部材16には、更に、その両側面に多数の小突起50が設けられており、両手で球状殻部材14を包み込むようにした際には、小突起50が手の平に接触するように配置されている。尚、本実施形態では、半球状突起30、尖頭状突起32〜34、小半球状突起35a,35b、小尖頭状突起36〜42、付け根用小尖頭状突起44〜46、小突起48,50は左右対称に配置されている。
【0025】
次に、前述した本実施形態のマッサージ機の作動について説明する。
まず、電源が投入されて電動モータ26の回転軸28が回転駆動されると、回転軸28と共に偏心重り31が回転して、回転軸28と直交する方向に振動が発生する。これにより、球状殻部材14が弾性柱6の軸方向中心の廻りに、円を画くように振動する。電動モータ26が上側半球状殻部材16に取り付けられ、弾性柱6から離れた位置にあるので、振幅の大きい振動が得られる。球状殻部材14が振動しても、台座1の固定重りが台座1の移動を抑制する。
【0026】
そして、半球状突起30に手の平を当て、図3に二点鎖線で示すように、指を延ばした状態で、指の先端、特に、人差し指、中指、薬指の先端を小尖頭状突起36〜42のいずれかの先端に当てる。その際、人差し指、中指、薬指は尖頭状突起32〜34の間に挟み込んだ状態にして、人差し指、中指、薬指の側面を尖頭状突起32〜34の側面に当てる。
【0027】
振動する球状殻部材14により、半球状突起30を介して、手の平にマッサージを施すことができる。また、振動する球状殻部材14により、尖頭状突起32〜34を介して、人差し指、中指、薬指の側面がさすられ、さすりマッサージを受けることができる。
【0028】
更に、振動する球状殻部材14により、小尖頭状突起36〜42を介して、人差し指、中指、薬指の先端には、指圧マッサージを施すことができる。また、振動する球状殻部材14により、付け根用小尖頭状突起44〜46を介して、指の付け根に指圧マッサージを施すことができる。
【0029】
一方、図3に破線で示すように、半球状突起30に手の平を当て、指を折り曲げた状態で、人差し指、中指、薬指の先端を尖頭状突起32〜34の先端に当てる。振動する球状殻部材14により、尖頭状突起32〜34を介して、人差し指、中指、薬指の先端に、指圧マッサージを施すことができる。
【0030】
このように、片手だけで、手軽に、片手の手の平や指に指圧マッサージやさすりマッサージを受けることができ、また、左右対称に形成されているので、右手でも、左手でも同様にマッサージを受けることができる。
【0031】
また、マッサージを受けたい箇所に、例えば、患部が手の平、指の先端、指の側面、指の付け根等である場合、手の平、指の先端、指の側面、指の付け根等の局部的な箇所に、的確にマッサージを受けることができる。
【0032】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態としてのマッサージ機の正面図である。
【図2】本実施形態のマッサージ機の平面図である。
【図3】本実施形態のマッサージ機の側面図である。
【図4】本実施形態のマッサージ機の背面図である。
【図5】図1のAA断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1…台座 2…底蓋
4…脚部材 6…弾性柱
12…保護カバー 14…球状殻部材
16…上側半球状殻部材
18…下側半球状殻部材
24…振動源 26…電動モータ
28…回転軸 30…半球状突起
31…偏心重り 32〜34…尖頭状突起
35a,35b…小半球状突起
36〜42…小尖頭状突起
44〜46…付け根用小尖頭状突起
48,50…小突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座に立設した弾性柱の先端側に中空の球状殻部材を支持し、前記球状殻部材内に振動源を配置し、また、前記球状殻部材の外側表面には、半球状突起を設けると共に、前記半球状突起に手の平を当てた際の、指に応じた位置に複数の尖頭状突起を設けたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記球状殻部材の外側表面に、更に、前記半球状突起に手の平を当てた際の、前記尖頭状突起よりも、指の先端側に小尖頭状突起を設けたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記球状殻部材の外側表面に、更に、前記半球状突起に手の平を当てた際の、前記半球状突起と前記尖頭状突起との間で、手の指の付け根に応じた位置に付け根用小尖頭状突起を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記球状殻部材は、上側半球状殻部材と下側半球状殻部材とを重ね合わせて形成され、前記下側半球状殻部材に前記弾性柱の先端側を固定し、前記上側半球状殻部材に前記振動源を支持したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記台座には固定重りを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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