説明

マルチアンテナ送信を適応させるための方法及び配置

【課題】MIMOシステムにおいて、プレコーディングを使用する場合に無線チャネルの性能を向上させるためのメカニズムを提供する。
【解決手段】無線チャネルを介した第2のノードへのマルチアンテナ送信を適応させるための第1のノード内での方法。第1のノード及び第2のノードは、無線通信システムに含まれ、少なくとも1つのシンボル・ストリームを取得するステップ(401)と、ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛けることによって作成されるプロダクト構造を有するプレコーディング行列を決定するステップ(403)と、少なくとも1つのシンボル・ストリームを決定されたプレコーディング行列でプレコーディングするステップ(404)と、プレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームを、無線チャネルを介して第2のノードへ送信するステップ(405)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、第1のノード内での方法及び配置と第2のノード内での方法及び配置に関する。特に、無線チャネルを介した第1のノードから第2のノードへのマルチアンテナ送信の適応に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
無線通信システム内のノードの送信機及び/又は受信機で複数のアンテナを使用することにより、無線通信システムの容量及び有効範囲を大幅に増大させることができる。こうした多入力多出力(MIMO)システムは、通信チャネルの空間次元を活用し、例えばいくつかの並列情報担持信号を送信すること、いわゆる空間多重化によって性能を向上させる。送信を現在のチャネル条件に適応させることによって、かなりの追加利得が達成可能である。適応の形の1つが、1つの送信時間間隔(TTI)から他の送信時間間隔へ、同時に送信される情報担持信号の数を、チャネルがサポート可能なように動的に調整することである。これは、一般に送信ランク適応と呼ばれる。他の関連する適応の形は、上記信号の位相及び振幅が現在のチャネル特性により良く適応するように調整されるプレコーディングである。プレコーディングの特殊なケースが、すべての送信信号が受信機側で構成的に追加されるように、各送信アンテナ上で情報担持信号の位相が調整される従来のビーム形成である。
【0003】
信号はベクトル値信号を形成し、調整はプレコーダ行列による乗算とみなすことができる。プレコーダ行列は、チャネル特性に関する情報に基づいて選択される。一般的な方法は、有限及び可算集合、いわゆるコードブックからプレコーダ行列を選択することである。こうしたコードブック・ベースのプレコーディングは、LTE(Long Term Evolution)標準の不可欠部分であり、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)における高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)のためのMIMOでも同様にサポートされる。次に、受信機(例えばユーザ機器、UE)は、通常、コードブック内のすべての異なるプレコーダ行列を評価し、どの要素が好ましいかの信号を送信機(例えばノードB)に送信する。次に、送信機は、どのプレコーダ行列を適用するかを決定する際に、信号送信された情報を使用する。コードブックの索引を信号送信する必要があり、受信機は好適なコードブック要素を選択する必要があるため、コードブックのサイズはできる限り小さくしておくことが重要である。他方で、コードブックが大きくなるほど、現在のチャネル条件により緊密に合致するエントリを見つけられることが確保される。
【0004】
コードブック・ベースのプレコーディングは、チャネル量子化の形と見ることができる。別の方法としては、量子化せずにプレコーダ行列を計算する方法を使用することができる。
【0005】
プレコーダ・コードブックの設計の基本的な目標は、依然としてできる限り高い性能を達成しながらコードブック・サイズを小さいままにしておくことである。従ってコードブック内の要素の設計が、所期の性能を達成するために重要となる。
【0006】
様々なアンテナアレイ構成が、コードブック要素をいかに設計すべきであるかに影響を与える。多くの既存の解決策は、空間的に相関しないチャネル・フェージングを考慮して設計され、各チャネル係数は同じ平均電力でフェージングする。しかし、こうしたチャネル・モデルは、交差偏波アンテナアレイが使用される場合に十分正確ではない。従って、既存の設計は、こうした構成、すなわち実際に重要であると考えられるアンテナ構成には適していない。
【0007】
等電力チャネル係数用に調整された既存の設計が、交差偏波アンテナアレイのセットアップに効果的でない理由を理解するために、わかりやすいように、送信機及び受信機の両方が交差偏波アレイを使用し、この2つの直交偏波が送信側及び受信側で、例えばリンクの両側にある1対の垂直及び水平の偏波アンテナで位置合わせされた2×2MIMOシステムについて考えてみる。たとえ無線チャネルを経験し、受信機に到達した後であっても、垂直及び水平偏波が平均して十分に分離されているため、MIMOチャネル行列は対角線上で重たくなり、すなわち、平均して対角要素の方が非対角要素よりも実質的に多くの電力を有することを意味する。こうしたチャネルの場合、最小サイズの適切なコードブックには、単位ベクトル及び識別行列が含まれる。これによって、1ストリーム送信(ランク1送信)が実行される場合、すべての送信電力を強いチャネルを有するアンテナに割り振ることが可能であり、他方のアンテナで電力が無駄にならないことを確保し、平均して大きな電力を受信機に搬送することができなくなる。後者は、ランク1送信の選択に関した交差偏波セットアップによるためであり、これは、チャネル行列が、通常、ゼロよりも実質的に大きな電力を備えた要素を1つだけ有し、その要素が対角線上にあることを意味する。
【0008】
従って、すべての電力は、上記非ゼロの対角要素に対応するアンテナに割り振られるはずである。しかし、等電力チャネル係数を使用するシナリオを目標とするプレコーダ設計の場合、通常、これはあてはまらない。これは、対角プレコーダ構造又はプレコーダ・コードブック構造によって確保される。3つ以上の送信(Tx)アンテナを備えるMIMOシステムの場合、ブロック対角構造が好適である。
【0009】
上述のように、送信機側に垂直及び水平偏波を備えた交差偏波アレイは、結果として、十分に分離された送信パイプを生じる傾向があり、マルチストリームMIMO送信にとっては魅力的である。この見地から、2つの異なる偏波からの送信が垂直並びに水平の両方の偏波で混合するため、一般的な±45度の交差偏波アレイの使用は魅力的でない。これによって、潜在的にストリーム間干渉が増加するため、MIMO性能を損なう。従って、ブロック対角プレコーダ構造は、既存の配置では非常に一般的なセットアップである±45度の交差偏波用に最適化されない。
【0010】
ブロック対角構造に伴う他の問題は、電力増幅器(PA)間での電力不均衡問題につながることである。すべてのPAは、PA間の電力が共有できるようにPAのポーリングが使用されない限り、最大電力では動作していない。しかし、PAのポーリングは複雑かつ費用がかかる可能性があるため、時折不可能な場合がある。
【0011】
実際には、MIMOスキームがストリームを分離させる偏波のみに依拠している場合、水平と垂直の偏波間での分離角度が変化し、それ故、ストリーム間干渉を増加させる可能性がある。これも、純粋なブロック対角プレコーダが望ましくない可能性があることを意味する。実際には、ブロック対角要素と他の要素との混合が適切な可能性がある。これは一般に、増幅器での電力不均衡問題につながり、ブロック対角要素と非ブロック対角要素との混合により、PAのポーリングに対する既存の技術はもはや有用ではない。
【発明の概要】
【0012】
目的とする問題は、プレコーディングを使用する場合に無線チャネルの性能を向上させるためのメカニズムを提供することである。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、目的は、無線チャネルを介した第2のノードへのマルチアンテナ送信を適応させるための第1のノード内での方法によって達成される。無線チャネルは、少なくとも3つの入力及び少なくとも1つの出力を有する。第1のノード及び第2のノードは無線通信システムに含まれる。方法は、少なくとも1つのシンボル・ストリームを取得するステップと、ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成されるプロダクト構造を有するプレコーディング行列を決定するステップとを含む。方法は、少なくとも1つのシンボル・ストリームを決定されたプレコーディング行列でプレコーディングするステップと、プレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームを、無線チャネルを介して第2のノードへ送信するステップとをさらに含む。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、目的は、無線チャネルを介した第1のノードからのマルチアンテナ送信を受信するための第2のノード内での方法によって達成される。無線チャネルは、少なくとも3つの入力及び少なくとも1つの出力を有する。第1のノード及び第2のノードは無線通信システムに含まれる。上記方法は、第1のノードから搬送される無線チャネルを介した少なくとも1つのシンボル・ストリームに対応する送信を受信するステップを含む。少なくとも1つのシンボル・ストリームは、ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成されるプロダクト構造を有するプレコーディング行列でプレコーディングされる。
【0015】
本発明の第3の態様によれば、目的は、無線チャネルを介した第2のノードへのマルチアンテナ送信を適応させるための、第1のノードでの配置によって達成される。無線チャネルは、少なくとも3つの入力及び少なくとも1つの出力を有する。第1のノード及び第2のノードは無線通信システムに含まれる。第1のノードの配置は、少なくとも1つのシンボル・ストリームを取得するように構成された取得ユニットと、ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成されるプロダクト構造を有するプレコーディング行列を決定するように構成された決定ユニットとを備える。第1のノードの配置は、少なくとも1つのシンボル・ストリームを決定されたプレコーディング行列でプレコーディングするように構成されたプレコーディング・ユニットと、プレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームを無線チャネルを介して第2のノードへ送信するように構成された送信ユニットとをさらに備える。
【0016】
本発明の第4の態様によれば、目的は、無線チャネルを介した第1のノードからのマルチアンテナ送信を受信するための、第2のノードの配置によって達成される。無線チャネルは、少なくとも3つの入力及び少なくとも1つの出力を有する。第1のノード及び第2のノードは無線通信システムに含まれる。第2のノードの配置は、第1のノードから搬送される無線チャネルを介した少なくとも1つのシンボル・ストリームに対応する送信を受信するように構成された受信ユニットを備える。少なくとも1つのシンボル・ストリームは、ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成されるプロダクト構造を有するプレコーディング行列でプレコーディングされる。
【0017】
プロダクト構造を有するプレコーディング行列が使用される。プロダクト構造を有するプレコーディング行列は、ブロック対角行列をブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成される。このプロダクト構造を有する行列を、無線リンクを介して送信する場合にシンボル・ストリームのプレコーディングに使用することによって、PAの均衡化に役立つ。これは、より多くの電力を伝搬チャネル内に放出可能であり、その結果、無線チャネルの性能が向上することを示唆する。
【0018】
これは、上記ユニタリー行列とコードブックを掛け合わせることによって、各行列/ベクトル内の各要素が同じ大きさを有する新しいコードブックが生成されるという事実によって証明される。特に興味深いことは、いわゆるブロック対角化ユニタリー行列を、一般的に配置される±45度偏波アンテナと共に使用することであり、これは同時に、たとえブロック対角及び何らかの非ブロック対角のプレコーダ要素の混合の場合であっても、水平及び垂直方向での偏波送信に対する電力均衡化及び望ましい回転を達成する。
【0019】
この解決策の利点は、プロダクト構造を有する行列の使用により、特に、±45度の偏波アレイと共に使用される際、偏波が完全に分離されていない(例えば、中間交差偏波識別度(XPD))場合、例えばより高いデータ・レート又はより良い信頼性を可能にすることによって、性能が向上することである。PAの使用も最適化されるため、電力消費並びに放熱が減少する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図面の簡単な説明
本発明について、本発明の例示的実施形態を示す添付の図面を参照しながら、より詳細に説明する。
【0021】
【図1】図1は、無線通信システムの実施形態を示す概略ブロック図である。
【図2】図2は、無線通信システムの実施形態を示す概略ブロック図である。
【図3】図3は、第1のノードの実施形態を示す概略ブロック図である。
【図4】図4は、第1のノード内での方法の実施形態を示す流れ図である。
【図5】図5は、第1のノードの配置の実施形態を示す概略ブロック図である。
【図6】図6は、第2のノード内での方法の実施形態を示す流れ図である。
【図7】図7は、第2のノードの配置の実施形態を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
本発明は、以下で説明される実施形態で実施可能な、第1及び第2のそれぞれのノード内での方法及び配置として定義される。
【0023】
図1は、無線通信システム110における第1のノード100を示す。無線通信システム110は、セルラ・システム、及び/又は、例えば、Long Term Evolution(LTE)、Evolved−Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA)、Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMAX)、Universal Terrestrial Radio Access(UTRA)、Wideband Code Division Multiple Access(WCDMA)、GSM、Ultra Mobile Wideband(UMB)、又は、異なる形の送信間での適応を実施し、複数のアンテナを使用する技術を使用する任意の他の無線通信システムなどのシステムとすることができる。第1のノード100は、無線チャネル130を介して、無線通信システム110内の第2のノード120と通信するように配置される。線形時不変MIMOフィルタを使用して、十分に短い送信期間中に、無線チャネルの入出力関係をモデル化することができる。十分に狭帯域な送信の場合、フィルタの記述に単一の行列を使用することができる。こうしたチャネル行列記述は、例えばLTEなどの直交周波数分割多重化(OFDM)システムにおいて、ある副搬送波(又は、チャネルのコヒーレンス帯域幅と比較して狭い帯域幅にまたがる限りは、いくつかの副搬送波)を介したチャネルのモデリングについても保持する。第1のノード100は、例えばLTEの場合のNodeBなどの、任意のタイプの基地局とすることができる。第2のノード120は、例えば携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ラップトップなどのユーザ機器(UE)とすることができる。その逆に、第1のノード100が、例えば携帯電話、携帯情報端末(PDA)などのUE、第2のノード120が、例えばNodeBなどの任意のタイプの基地局とすることもできる。図1の例では、第1のノード100が基地局であり、第2のノード120がユーザ機器である。加えて、第1のノード100及び第2のノード120は、互いに通信し、具体的な階層順序付けのない任意の無線デバイスを構成することができる。
【0024】
第1のノード100は、マルチアンテナ・システムを使用し、すなわち第2のノード120への送信に複数のアンテナを使用する。第2のノード120も、第1のノードの送信の受信にマルチアンテナ・システムを使用する。これは、チャネルへの入力が第1のノード100での送信アンテナに対応し、出力が第2のノード120での受信アンテナに対応するMIMOシステムである。送信機及び受信機のフィルタリング/処理が、チャネルに含まれるものとみなすこともできる。こうしたMIMOセットアップが、単一の受信アンテナのみの特殊なケースを含むこともできることに留意されたい。図2は、第1のノード100及び第2のノード120がそれぞれ、4つのアンテナを備えるマルチアンテナ・システムを使用するいくつかの実施形態を示す。第1のノード100は、無線チャネル130を介して第2のノード120に搬送されることになる情報である情報ビット・シーケンスによって表されている情報担持信号140を取得する。図2は、第1のノード100を送信ノード(Tx)として、第2のノード120を受信ノード(Rx)として、概略的に示し、第1のノード100及び第2のノード120はマルチアンテナ・システム150を使用することが可能であり、結果としてMIMOリンクが生じる。この例では、第1のノード100は、4つの送信アンテナ160 1、2、3、及び4を備え、例えば4つの送信アンテナを備えた基地局であり、第2のノード120は4つの受信アンテナ170 1、2、3、及び4を備え、例えば4つの受信アンテナを備えたユーザ機器である。
【0025】
図2の例では、第1のノード100は、エンコーディング・ユニット162と、ポスト・プレコーディング・ユニット163と、4つの無線送信機ユニット164とを備える。エンコーディング・ユニット162は、送信されることになる情報担持信号140を受信するように配置される。さらにおそらくエンコーディング・ユニット162は、情報ビットをひとつ又はいくつかの情報ビット・シーケンスに逆多重化すること、これらの情報ビット・シーケンスを何らかのチャネル・コード(例えば、ターボ・コード、低密度パリティ・チェック(LDPC)コード、重畳コード)を使用して符号化すること、シンボルを生成するために符号化ビットを変調すること、シンボルを情報担持シンボル・ベクトルのシーケンスにマッピングすること、及び情報担持シンボル・ベクトルをプレコーディングすること、並びに最終的に、可能なポスト・プレコーディング・ユニット163に結果を転送することを実行するように配置することができる。最も単純なケースでは、ポスト・プレコーディング・ユニット163はプレコーディングされた信号を転送するのみである(すなわち、ポスト・プレコーディング・ユニット163はトランスペアレントであり、存在しないように見える)か、又は、例えば、プレコーディングされた信号を第2のノード120へ送信するためのそれぞれの送信アンテナ160 1、2、3、及び4を使用して、無線送信機ユニット164を利用する送信のためにおそらく処理された信号を出力する前に、基底帯域でデジタル・フィルタリングを実行するなどの何らかの方法でこれを処理することが可能である。送信機の基本機能は当業者には周知であり、詳細に説明しないことを理解されよう。この例では、送信機は、空間分割多元接続(SDMA)、SDMAプレコーディング、MIMO、MIMOプレコーディング、及び/又はMIMO−SDMAなどの技術をサポートすることができる。
【0026】
図2の例では、第2のノード120は、前処理ユニット171と、デコーディング復調ユニット172と、4つの無線受信機ユニット174とを備える。第2のノード120は、第1のノード100からプレコーディングされた信号を受信するように配置される。信号は、受信アンテナ170 1、2、3、及び4、前処理ユニット171、並びに無線受信機ユニット174を使用して受信される。前処理ユニット171は、様々な処理ステップを実施することが可能であり、例えば、基底帯域でフィルタリングを実行するか、又は未変更の信号をデコーディング復調ユニット172に転送するのみとすることができる。後者の場合、別の方法としては、前処理ユニット171は存在しない(すなわち、非前処理ユニットに対応してトランスペアレントである)ものとみなすことができる。デコーディング復調ユニット172は、コーディングされた信号を前処理ユニット171から受信するように配置することができる。さらにデコーディング復調ユニット172は、コーディングされた信号をデータ・ビットに復調するようにも配置することができる。受信機の基本機能は当業者には周知であり、本明細書では詳細に説明しないことを理解されよう。
【0027】
第2のノード120の受信機及び第1のノード100の送信機は、どちらも、それぞれ送信機及び受信機として機能する動作モードを変更することができることも留意されたい。
【0028】
プレコーディング
上述のように、第1のノード100のエンコーディング・ユニット162は、コーディング及び変調ユニット300と、例えばプレコーダなどのプレコーディング・ユニット310とに対応する2つの部分にさらに細分化することができる。コーディング及び変調ユニット300並びにプレコーディング・ユニット310の例が、図3に示されている。コーディング及び変調ユニット300は情報ビットを入力として受け取り、情報担持シンボル・ベクトルのシーケンス、すなわちベクトル値情報担持信号を出力として生成する。情報担持シンボル・ベクトルは、1つのシンボル・ストリーム、又は、各ベクトルsの各要素があるシンボル・ストリームに属する並列のいくつかのシンボル・ストリームとしてみることができる。異なるシンボル・ストリームは一般にレイヤと呼ばれ、任意の所与の時点で、送信ランクrに対応するrの異なるこうしたレイヤが存在する。従って、無線チャネル130を介して第2のノード120に送信されることになる信号は、少なくとも1つのシンボル・ストリーム(又はレイヤ)を備える。次に、特定のr×1の情報担持シンボル・ベクトルs内のrのシンボルに、N×rのプレコーダ行列WNT×rが掛けられ、ここでNは、MIMOチャネルの入力の数(例えば、送信アンテナの数、アンテナ・ポートの数など)を示す。上記プレコーディング動作により、結果として生じる出力をポスト処理ユニット163に転送する。第1のノード100は、あるプロダクト構造を有するプレコーディング行列を決定するが、これについては後に詳細に説明する。これは、チャネルの特徴に合致するように、すなわち、N×N MIMOチャネル行列Hに合致するように、プレコーディング行列を選択することによって実施可能である。プレコーダ行列WNT×rは、チャネルHの値に依存する。s内のrの情報担持シンボルは、通常、複素数値である。ランク適応のサポートにより、同時に送信されるシンボル・ストリームの数rを現在のチャネル特徴に合うように設定することができる。プレコーディングに続いて、信号はチャネルHを介して搬送され、N要素を備えるアンテナアレイによって受信される。受信機はおそらく、前処理ユニット171を使用して信号を処理する。信号をN×1ベクトルyに集めること、及びチャネルのコヒーレンス帯域幅と比較して十分に狭い帯域幅を介した信号を考慮に入れることによって、以下のモデルが与えられ、
【数1】


上式で、eは通常、何らかのランダム・プロセスの実現として取得される雑音ベクトルとしてモデル化され、チャネルの出力は前処理ユニット171の出力に対応する(後者はトランスペアレントとすることができる)。このモデルは、通常、副搬送波ベースで適用することができるOFDMシステム(例えばLTE、WiMaXなど)についても明らかに保持する。
【0029】
チャネル行列、H
再度図2を参照すると、第1のノード100はマルチアンテナ・システムを備え、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンテナが水平偏波方向に電波を発し、少なくとも1つの他のアンテナが直交(すなわち垂直)偏波方向にエネルギーを発する。こうした、二重、又は交差偏波アンテナのセットアップは、共偏波アンテナのグループと、そのグループに対して直交するように偏波した他の共偏波アンテナのグループとを含むことができる。「共偏波」とは、アンテナが同じ偏波で送信されることを意味する。理想的な見通し線条件の下で、理想的なアンテナ応答と、受信側の同様の二重偏波アンテナ・セットアップとを想定すると、交差偏波アンテナ・セットアップは、結果としてブロック対角チャネル行列を生じ、これについては以下で詳細に説明する。図2の例では、第1の2つの送信アンテナ160 1及び2が水平に偏波され、残りの2つの3及び4が垂直に偏波される。第2のノード120内の受信アンテナも同様に配置される。送信アレイの共偏波アンテナは、十分に離れた間隔を空けることが可能であるため、フェージングは、共偏波要素に関連付けられたチャネル間ではおおむね相関関係がない。上述のように、チャネルはチャネル行列を使用してモデル化することができる。一般性を失うことなく、送信及び受信のアンテナ要素を適切に再順序付けすることによって、結果として生じる4×4チャネル行列Hは、以下の式に従ったブロック対角構造を有する傾向がある。
【数2】

【0030】
こうしたブロック対角有効チャネル行列を使用すると、第1のノード100内のアンテナ160 1及び2で送信される信号は受信アンテナ170 3及び4には到達せず、従って、送信アンテナ160 3及び4からの信号はアンテナ170 1及び2には到達しない。図2に示されるように、水平に偏波されている第1の2つの送信アンテナ160 1及び2の場合、複素数値チャネル係数h11が、送信アンテナ160 1と受信アンテナ170 1との間の物理チャネルを含む有効チャネルを表し、複素数値チャネル係数h12が、送信アンテナ160 2と受信アンテナ170 1との間の物理チャネルを含む有効チャネルを表し、複素数値チャネル係数h21が、送信アンテナ160 1と受信アンテナ170 2との間の物理チャネルを含む有効チャネルを表し、複素数値チャネル係数h22が、送信アンテナ160 2と受信アンテナ170 2との間の物理チャネルを含む有効チャネルを表す。
【0031】
さらに、図2に示されるように、垂直に偏波されている残りの2つの送信アンテナ160 3及び4の場合、
複素数値チャネル係数h33が、送信アンテナ160 3と受信アンテナ170 3との間の物理チャネルを含む有効チャネルを表し、
複素数値チャネル係数h34が、送信アンテナ160 4と受信アンテナ170 3との間の物理チャネルを含む有効チャネルを表し、
複素数値チャネル係数h43が、送信アンテナ160 3と受信アンテナ170 4との間の物理チャネルを含む有効チャネルを表し、
複素数値チャネル係数h44が、送信アンテナ160 4と受信アンテナ170 4との間の物理チャネルを含む有効チャネルを表す。
【0032】
ブロック対角チャネル行列の一般的な意味は、以下の構造を有する傾向があることであり、
【数3】


上式で、行列は、非対角
【数4】


ブロック
【数5】


(k=1,2,...,K,K≠1)及びおそらく可変サイズである対角
【数6】


ブロック
【数7】


(k=1,2,...,K)に細分化することができる。チャネルは、適切な行及び列置換によって上記のような形にするために再配置可能な場合、ブロック対角となるように定義され、結果として、非対角ブロック
【数8】


内のチャネル係数の平均電力(高速フェージングが平均化されるように、十分に長期間にわたって平均化された場合)が、対角ブロック
【数9】


内のチャネル係数の平均電力よりも、十分に低くなることに留意されたい。こうした十分に低い電力は、例えば、交差偏波アンテナ・セットアップが第1のノード100内で使用され、同様の交差偏波アンテナ・セットアップが第2のノード120内で使用される場合に、発生する。ブロック対角と非ブロック対角とのチャネル係数間の平均電力における相違は、伝搬シナリオに応じて、しばしばおよそ6dBであるか、又はそれよりも大幅に大きい。第2のノード120で使用されるアンテナ・セットアップが、たとえ正確に交差偏波されない場合であっても、電力の相違は依然として大きい可能性がある。
【0033】
プロダクト構造を有するプレコーディング行列
この解決策では、第1のノード100は、あるプロダクト構造を有するプレコーディング行列を決定する。プロダクト構造の観念については後に提示し、プレコーディング及びプレコーディング用のコードブックに関する考察後に明示的に定義する。決定されたプレコーディング行列は、第2のノード120に送信されることになる少なくとも1つのシンボル・ストリーム(すなわち、1つ又は複数のレイヤ)をプレコーディングするために使用されることになる。この決定は、チャネル行列Hを使用してモデル化されたチャネルの特徴に合致するように、プレコーディング行列を選択することによって実行可能である。第1のノード100の交差偏波アンテナ・セットアップが水平及び垂直の偏波アンテナを使用している場合、ブロック対角構造・プレコーダの使用がブロック対角チャネル行列のブロック対角構造に合致するため、ブロック対角構造によるプレコーディングが好適である。しかし、上記アンテナ・セットアップが、例えば±45度に配向された偏波を使用する場合、もはやチャネル行列は、水平及び垂直偏波が使用された場合のブロック対角ではないものと考えられる。この場合、プレコーダを、2行列、1ユニタリー、いわゆるブロック対角化ユニタリー行列と、1ブロック対角行列の製品に分解することを含むため、プレコーダ・プロダクト構造が有益であり、後者の行列は前者と左から掛け合わされる。使用されることが決定されたブロック対角化ユニタリー行列は、±45度の交差偏波アンテナ・セットアップを仮想0/90度の(すなわち水平及び垂直に偏波された)交差偏波アンテナ・セットアップに変形することが可能であり、これによって、ブロック対角となる傾向を有する結果として生じる新しいチャネルがわかる。ブロック対角仮想チャネルが有効に取得されるため、ここでプロダクト構造内のブロック対角プレコーダを使用して、その特徴を合致させることができる。基本的に、ユニタリー行列は偏波を回転させる働きをするため、結果として、送信される信号は垂直及び水平方向に位置合わせされる。こうしたプロダクト構造の利点は、プレコーダが一定の係数要素を有するように作成できることであり、これは、どの正確なプロダクト構造・プレコーダが使用されるかに関わらず、すべてのアンテナ・ポートで同じ電力が使用されることを意味する。それ故、これにより、異なる電力増幅器(PA)上で異なる送信電力を処理しなければならないという問題が解決される。それ故、プロダクト構造は、有益な水平及び垂直偏波における送信を位置合わせするだけでなく、同時に、これら2つの偏波間でのPA電力のポーリングも提供する。
【0034】
コードブック
図2を参照すると、いくつかの実施形態で、第1のノード100はコードブック180を備える。第1のノード100は、第1のノード100に含まれるコードブック180からプロダクト構造を有するプレコーディング行列を選択することによって、あるプロダクト構造を有するプレコーディング行列の決定を実行することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、第2のノード120は、図2に示されるようにコードブック190を備える。第2のノード120は、例えばコードブック190からプレコーディング行列を選択し、選択されたプレコーディング行列を使用するように第1のノードに推奨することができる。これは、推奨されたプレコーディング行列を第1のノード100に搬送することによって実行可能である。次に、第1のノード100は、推奨されたプレコーディング行列の使用を決定するか、又は提供されたチャネル情報を他の方法で活用することができる。
【0036】
コードブック180、190は、例えば、チャネル依存プレコーディング、MIMOプレコーディング、SDMA、プレコーディングを使用するSDMA、MIMO−SDMAなどの各プレコーディング行列が異なる複数の送信モード又は空間処理の形式に対応することが可能なプレコーディング行列を備える。こうした情報は事前に定義することができる。さらにコードブック180、190は、プレコーダ行列/ベクトルに加えて、送信ランク、変調選択、トランスポートブロック・サイズ、電力及び/又はチャネル化コードなどの多くの他のパラメータを備えることができる。いくつかの実施形態では、コードブック180、190は、プレコーダ行列のサイズによって送信ランクが暗黙的に与えられるプレコーダを備える。コードブック180、190は、コードブック180、190が上記プロダクト構造を有する1つ又は複数のプレコーディング行列を備えるという点で、必ずしも0/90度の偏波を備えているとは限らない第1のノードのアンテナ・セットアップに好適である。さらにコードブック180、190は、非プロダクト構造を有するプレコーディング行列を備えることができる。しかし、本発明の方法によれば、第1のノード100又は第2のノード120は、上記プロダクト構造を有するプレコーディング行列をコードブックから自由に選択することができる。コードブック180及び190は、第1のノード100及び第2のノード120が推測的に知ることができる。また、例えば第1のノード100内の送信機は、第2のノード120内の受信機にそのコードブック180について通知することもできる。好適なコードブック構造は、多数のプレコーダ要素がプロダクト構造を使用するという意味で、プロダクト構造も有することになる。すでに示したように、プロダクト構造を使用するプレコーダ要素は、以下のように書き表す事が可能であり、
【数10】


上式で、VはN×Nブロック対角化ユニタリー行列であり、
【数11】


(は以降Wティルドと記載する。)
は、N×rブロック対角行列である。
Wティルドのブロック対角特徴は、プレコーダ行列内のゼロの配置に関係する。ブロック対角プレコーダ行列
【数12】


は、一般に、以下のように書き表すことが可能であり、
【数13】


上式を見ればわかるように、(ブロック領域内の)対角線上でサイズが変化する可能性のある、M×Lブロック
【数14】


(k=1,2,...,K)のみが、非ゼロ要素を含むことができる。プレコーダ行列は、上記の形を達成するようにその列及び行が置換可能な場合、ブロック対角とみなされる。表1のランク2のケースは、プレコーダ行列が以下の構造を有する場合の例を示す。
【数15】


ブロックは、サイズ1×1とすることができることにも留意されたい。従って、識別行列は、ブロック対角構造を有するものとみなすこともできる。
ブロック対角化ユニタリー行列の一例は、以下によって与えられ、
【数16】


これは、最初の2つのアンテナが+45度の偏波方向を有し、残りの2つが−45度の偏波方向を有する、N=4Txアンテナアレイを想定すると、水平及び垂直方向に位置合わせされるように、±45度偏波を回転することになる。表1に示されたセット内のブロック対角要素Wティルドと組み合わされると、送信は、垂直及び水平に偏波されたアンテナを備えたアンテナ・セットアップに適用されるブロック対角コードブックから発せられるものとみなすことができる。ブロック対角化ユニタリーVを表1のWティルド行列と掛け合わせることによって、表2のプレコーダ要素のコードブックが得られる。表を見ればわかるように、各プレコーダ行列内のすべてのスカラ要素は、どのプレコーダ要素が選択されるかにかかわらず、様々なアンテナ・ポート/送信アンテナに対応する信号のすべてが同じ電力を有するという点で、均衡の取れた設計を暗示する同じ絶対値を有する。それ故、PAは、プレコーディング動作の観点から、完全に利用することができる。
【表1】


表1:2つの空間的に分離された(短距離)SU−MIMOモードの交差偏波アンテナ・ペアに特に好適なブロック対角Wティルド行列のセット例。
【表2】


表2:プロダクト・ストラクチャを有するプリコーダ行列Wのコードブック例
【0037】
表2のコードブックは、2つの偏波が十分に分離されている限り、すなわち交差偏波識別度(XPD)が十分に高い場合、良好に働く。中間XPDのシナリオに関する性能を向上させるためには、表3、表4、及び表5のWティルドに関する行列のセットによって例示されるように、2つの偏波の重みのサインを変更できることが有利である。これは、2つの偏波が互いに取り消しあうのを避けるために役立つ。問題は、上記V行列と掛け合わされる場合であっても、PA間の電力の不均衡につながることである。言い換えれば、各プレコーダ行列/ベクトル乗算におけるすべての要素が、同じ大きさを有するとは限らない。この場合、より良い選択は、以下の式と掛け合わせることである可能性がある。
【数17】

【0038】
これにより、すべての要素が同じ大きさを有することが確保され、すべてのPAを完全に使用することができるが、それでもなお、±45度の偏波を垂直及び水平偏波に変換する利点を提供し、これによってマルチストリーム・モードでのストリームの良好な分離が提供される。
【0039】
コードブック及び上記ユニタリー行列は、他の送信アレイサイズ(すなわち、4アンテナ以外)に容易に一般化することが可能であり、プレコーダ要素を右から何らかの可能なユニタリー行列と掛け合わせること、並びに追加の左からの行列掛け合わせも可能である。これには、プレコーダ要素の行及び/又は列の置換が含まれる。これらのコードブックは、より大きなコードブックのサブセットとすることもできる。これに関連して、特にブロック対角化ユニタリー行列Vに関して、上記プロダクト構造を表す多くの等価の方法が存在することに留意されたい。例えば、第1に例示されたVを表す他の等価の形は、
【数18】


又は
【数19】


となる。
【0040】
一般に、ブロック対角化ユニタリー行列の観念は、特定の交差偏波アンテナ・セットアップの場合、垂直及び水平に偏波されたアンテナを備えた交差偏波アンテナ・セットアップからの送信を模倣する仮想交差偏波アンテナ・セットアップを作成し、同時に、プロダクト構造内のブロック対角行列と共に、結果として生じるプロダクト構造・プレコーダ行列のすべてのスカラ要素が同じ絶対値を有することを確保するようなユニタリー(ある換算係数までのユニタリー)行列を意味するように定義される。それ故、ブロック対角化ユニタリー行列は、上述のように偏波を回転させ、PAの使用が均衡のとれたものであることを確保する。さらに、45度のブロック対角化ユニタリー行列の観念は、偏波方向を45度回転させるブロック対角化ユニタリー行列を意味するように定義される。
【表3】


表3:2つの空間的に分離された(短距離)SU−MIMOモードの交差偏波アンテナ・ペアに特に好適なWティルド行列セットのストラクチャ例。表記を簡略化するために、選択されたプリコーディング行列に関係なく合計伝送出力を一定に維持するような行列のスケーリングは、意図的に省略されていることに留意されたい。
【表4】


表4:2つの空間的に分離された(長距離)SU−MIMOモードの交差偏波アンテナ・ペアに特に好適なWティルド行列セットのストラクチャ例。表記を簡略化するために、選択されたプリコーディング行列に関係なく合計伝送出力を一定に維持するような行列のスケーリングは、意図的に省略されていることに留意されたい。
【表5】


表5:2つの空間的に分離された(長距離)SU−MIMOモードの交差偏波アンテナ・ペアに特に好適なWティルド行列セットのストラクチャ例。表記を簡略化するために、選択されたプリコーディング行列に関係なく合計伝送出力を一定に維持するような行列のスケーリングは、意図的に省略されていることに留意されたい。
【0041】
次に、いくつかの実施形態に従って、無線チャネル130を介した第2のノード120へのマルチアンテナ送信を適応させるための第1のノード100内での方法ステップについて、図4に示された流れ図を参照しながら説明する。無線チャネル130は、少なくとも3つの入力及び少なくとも1つの出力を有する。第1のノード100及び第2のノード120は、無線通信システム110に含まれる。この方法は、以下のステップを含む。
401. 第1のノードは少なくとも1つのシンボル・ストリームを取得する。シンボル・ストリームは、無線チャネルを介して第2のノード120へ送信されるように意図される。
402. このステップはオプションである。いくつかの実施形態では、第1のノード100は第2のノード120からチャネル情報を受け取る。チャネル情報は、一般に、統計的に無線チャネルに関する数量である。チャネル情報の例には、チャネル推定、量子化チャネル推定、プレコーダ推奨などが含まれる。具体的に言えば、受信したチャネル情報は、第2のノード120が第1のノード100に対してプレコーディング・ステップで使用することを推奨するプレコーディング行列を含むことができる。上記チャネル情報がチャネル推定を含むいくつかの実施形態では、第1のノード100は、送信に好適なプレコーダ行列を決定するために、このチャネル推定を使用することができる。
403. このステップでは、第1のノード100は、ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成されたプロダクト構造を有するプレコーディング行列を決定する。
いくつかの実施形態では、ブロック対角化ユニタリー行列は45度ブロック対角化ユニタリー行列である。
いくつかの実施形態では、第1のノード100は、オプション・ステップ402で第2のノード120からチャネル情報を受け取っている。これらの実施形態では、このプレコーディング行列を決定するステップは、第2のノード120から受け取ったチャネル情報に基づいて実行される。
このプレコーディング行列を決定するステップは、逆方向リンクで実施された測定、すなわち第2のノード120からの送信によって発生した受信信号の第1のノード100での測定に基づいて決定すること、及び/又はチャネル相互依存の特性を活用することによっても実行可能である。チャネル相互依存とは、チャネル、又はチャネルのある種の特性が、順方向(第1のノード100から第2のノード120への)リンク及び逆方向(第2のノード120から第1のノード100への)リンクで同様であることを意味する。逆方向リンクでの測定はチャネル推定を含むことができる。
いくつかの実施形態では、第1のノード100は、プレコーディング要素を含むプレコーディング・コードブック180を備え、プレコーディング・コードブック180内のプレコーディング要素の少なくとも半分は上記プロダクト構造を有する。この場合、このステップは、コードブック180からのプロダクト構造を有するプレコーディング行列を選択することによって実行可能である。
ブロック対角化ユニタリー行列は、例えば以下と等価とすることができる。
【数20】


又は
【数21】


404. 第1のノード100は、少なくとも1つのシンボル・ストリームを決定されたプレコーディング行列でプレコーディングする。
405. 次に第1のノード100は、プレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームを、無線チャネル130を介して第2のノード120へ送信する。いくつかの実施形態では、第1のノード100内のプレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームの送信は、交差偏波アンテナ・セットアップを備えたマルチアンテナ・システムを使用して実行される。
【0042】
上記の方法ステップを実行するために、第1のノード100は図5に示された配置500を備える。上述のように、第1のノード100及び第2のノード120は、無線通信システム110に含まれる。第1のノードの配置は、無線チャネルを介した第2のノード120へのマルチアンテナ送信を適応させるように配置される。無線チャネル130は、少なくとも3つの入力及び少なくとも1つの出力を有する。上述のように、第1のノード100及び第2のノード120は、無線通信システム110に含まれる。
【0043】
第1のノードの配置500は、少なくとも1つのシンボル・ストリームを取得するように構成された取得ユニット510を備える。
【0044】
第1のノードの配置500は、ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成されたプロダクト構造を有するプレコーディング行列を決定するように構成された決定ユニット520をさらに備える。いくつかの実施形態では、ブロック対角化ユニタリー行列は、45度のブロック対角化ユニタリー行列である。
【0045】
さらに決定ユニット520は、逆方向リンクでの測定に基づいて決定すること、及び/又はチャネル相互依存特性を活用することによって、プレコーディング行列を決定するようにも構成可能である。
【0046】
ブロック対角化ユニタリー行列は、以下と等価とすることができる。
【数22】


又は
【数23】

【0047】
第1のノードの配置500は、少なくとも1つのシンボル・ストリームを決定されたプレコーディング行列でプレコーディングするように構成されたプレコーディング・ユニット530をさらに備える。
【0048】
第1のノードの配置500は、プレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームを、無線チャネル130を介して第2のノード120へ送信するように構成された送信ユニット540をさらに備える。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1のノードの配置500は、プレコーディング・コードブック180を備える。プレコーディング・コードブック180はプレコーディング要素を備えることが可能であり、プレコーディング・コードブック180内のプレコーディング要素の少なくとも半分は、上記プロダクト構造を有する。この場合、決定ユニット520は、プレコーディング・コードブック180からプロダクト構造を有するプレコーディング行列を選択するように、構成可能である。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1のノードの配置500は、第2のノード120からチャネル情報を受信するように構成された受信ユニット550を備える。この場合、決定ユニット520は、第2のノード120から受信したチャネル情報に基づいてプレコーディング行列を決定するように構成することができる。
【0051】
チャネル情報は、第2のノード120がプレコーディングに使用することを第1のノード100に推奨するプレコーディング行列を含むことができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、チャネル情報はチャネル推定を含む。
【0053】
第1のノードの配置500は、交差偏波アンテナ・セットアップを備えたマルチアンテナ・システムをさらに備えることができる。この場合、送信ユニット540は、上記マルチアンテナを使用して、第1のノード100内のプレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームを送信するように構成することができる。
【0054】
次に、いくつかの実施形態に従って、第1のノード100から無線チャネル130を介してマルチアンテナ送信を受け取るための第2のノード100内での方法ステップについて、図6に示された流れ図を参照しながら説明する。無線チャネル130は、少なくとも3つの入力及び少なくとも1つの出力を有する。上述のように、第1のノード100及び第2のノード120は無線通信システム110に含まれる。この方法は、以下のステップを含む。
601. これはオプション・ステップである。第2のノードは、第1のノード100によって送信のプレコーディングのために使用されることが推奨されるプレコーディング行列を選択する。
プレコーディング・コードブック180、190は第2のノード120に含めることができる。この場合、推奨されるプレコーディング行列は、上記のプレコーディング・コードブック180、190から選択することができる。
602. これはオプション・ステップである。第2のノード120は、チャネル情報を第1のノード100に搬送する。第1のノード100は、少なくとも1つのシンボル・ストリームに対応する送信のプレコーディングに使用されるものであるプレコーディング行列を決定する際の基礎としてこのチャネル情報を使用することができる。
オプション・ステップ601が実行される場合、上記搬送されるチャネル情報は、推奨されるプレコーディング行列で表すことができる。
603. 第2のノード100は、第1のノード100から搬送される無線チャネル130を介した少なくとも1つのシンボル・ストリームに対応する送信を受け取る。少なくとも1つのシンボル・ストリームは、ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成されたプロダクト構造を有するプレコーディング行列でプレコーディングされる。いくつかの実施形態では、ブロック対角化ユニタリー行列は、45度のブロック対角化ユニタリー行列である。
プレコーディング行列は、有限サイズのプレコーディング・コードブック180、190に含めることが可能であり、プレコーディング・コードブック内のプレコーディング要素の少なくとも半分は上記のプロダクト構造を有する。
ブロック対角化ユニタリー行列は、以下と等価とすることができる。
【数24】


又は
【数25】


いくつかの実施形態では、プレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームの上記送信の受け取りが、交差偏波アンテナ・セットアップを備えたマルチアンテナ・システムを使用して実行される。
【0055】
上記方法ステップを実行するために、第2のノード120は図7に示された配置700を備える。上述のように、第2のノード120は、無線チャネル130を介して第1のノード100からマルチアンテナ送信を受信するように配置される。無線チャネルは、少なくとも3つの入力及び少なくとも1つの出力を有する。第1のノード100及び第2のノード120は、無線通信システム110に含まれる。
【0056】
第2のノードの配置700は、第1のノード100から搬送される無線チャネル130を介した少なくとも1つのシンボル・ストリームに対応する送信を受信するように構成された受信ユニット710を備える。少なくとも1つのシンボル・ストリームは、ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成されたプロダクト構造を有するプレコーディング行列でプレコーディングされる。いくつかの実施形態では、ブロック対角化ユニタリー行列は、45度のブロック対角化ユニタリー行列である。プレコーディング行列は、有限サイズのプレコーディング・コードブック180、190に含めることが可能であり、プレコーディング・コードブック内のプレコーディング要素の少なくとも半分は上記のプロダクト構造を有する。プレコーディング・コードブック180、190は、第1のノード100又は第2のノード120に含めることができる。
【0057】
ブロック対角化ユニタリー行列は、例えば以下と等価とすることができる。
【数26】


又は
【数27】


いくつかの実施形態では、第2のノードの配置700は、チャネル情報を第1のノード100へ搬送するように構成された搬送ユニット720をさらに備える。第1のノード100は、受信した少なくとも1つのシンボル・ストリームをプレコーディングする際に使用することになるプレコーディング行列を決定するための基礎としてこのチャネル情報を使用することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、搬送されるように配置されたチャネル情報がチャネル推定を含む。
【0059】
第2のノードの配置700は、上記送信をプレコーディングするために第1のノード100によって使用されることが推奨されるプレコーディング行列を選択するように構成された選択ユニット730をさらに備えることができる。
【0060】
搬送ユニット720によって第1のノード100へ搬送されるように配置されたチャネル情報は、選択及び推奨されたプレコーディング行列によって表すことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、プレコーディング・コードブック190は、第2のノード120に含まれる。この場合、推奨されるプレコーディング行列は、上記のプレコーディング・コードブック180、190から選択することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、第2のノードの配置700は、交差偏波アンテナ・セットアップを備えたマルチアンテナ・システムをさらに備える。この場合、さらに受信ユニット710は、上記マルチアンテナを使用して、プレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームの上記送信を受信するように構成することができる。
【0063】
本発明の方法のいくつかの実施形態は、コードブック・プレコーダ要素、送信信号、又はそれらの一部のうちの1つ又はいくつかを、可能なパイロットの前又は後に、ある種のユニタリー行列と掛け合わせること、及びブロック対角コードブックを非ブロック対角要素で拡張することによって、プレコーディング・スキームを修正することを含む無線通信環境において性能を強化するための方法として説明することができる。
【0064】
性能を向上させるために、非ブロック対角要素をブロック対角コードブックに追加することが可能であり、交差偏波識別度は無限ではない。
【0065】
上記コードブック内のすべての要素は、±45度の交差偏波アンテナアレイを仮想垂直及び水平偏波アレイに変換するために、ユニタリー行列と掛け合わせることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、電力増幅器間の電力を均衡にするために、同じユニタリー行列が選択される。
【0067】
本発明の方法のいくつかの実施形態は、コードブックから複数の送信モードのうちのある送信モードを選択するように構成されたプロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを備える無線通信デバイスとして説明することができる。さらに、プロセッサは、コードブック・プレコーダ要素、送信信号、又はそれらの一部のうちの1つ又はいくつかを、可能なパイロットの前又は後に、ある種のユニタリー行列と掛け合わせること、及びブロック対角コードブックを非ブロック対角要素で拡張することによって、上記メモリ内のプレコーディング・スキームを修正するように構成される。
【0068】
本発明の方法のいくつかの実施形態は、コードブック・プレコーダ要素、送信信号、又はそれらの一部のうちの1つ又はいくつかを、可能なパイロットの前又は後に、ある種のユニタリー行列と掛け合わせること、及びブロック対角コードブックを非ブロック対角要素で拡張することによって、プレコーディング・スキームを処理及び修正するための命令を含む命令が格納されたコンピュータ読み取り可能媒体として説明することができる。
【0069】
無線チャネルを介して第1のノードから送信され、第2のノード120によって受信されるマルチアンテナ送信を適応させるための本発明のメカニズムは、図5に示された第1のノードの配置500内のプロセッサ560、又は、図7に示された第2のノードの配置700内のプロセッサ740などの1つ又は複数のプロセッサ、並びに本発明の解決策の機能を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードによって実施可能である。上記プログラム・コードは、例えば、第1のノード100又は第2のノード120にロードされた場合に本発明の解決策を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードを担持するデータ・キャリアの形のコンピュータ・プログラム製品として提供することも可能である。こうしたキャリアの1つは、CD ROMディスクの形とすることができる。しかし、これは、メモリ・スティックなどの他のデータ・キャリアで実行可能である。さらにコンピュータ・プログラム・コードは、サーバ上の純粋なプログラム・コードとして提供すること、及び第1のノード100又は第2のノード120へリモートにダウンロードすることも可能である。
【0070】
「備える」又は「含む」という用語を使用する場合は、非限定的なものとして、すなわち「少なくとも〜からなる」を意味するものと解釈されたい。
【0071】
本発明は、上記で説明した実施形態に限定されるものではない。様々な代替物、修正及び等価物を使用することができる。従って、上記実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線チャネル(130)を介した第2のノード(120)へのマルチアンテナ送信を適応させるための第1のノード(100)内での方法であって、前記無線チャネル(130)が、少なくとも3つの入力及び少なくとも1つの出力を有し、前記第1のノード(100)及び前記第2のノード(120)が、無線通信システム(110)内に含まれ、
少なくとも1つのシンボル・ストリームを取得するステップ(401)と、
ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成されたプロダクト構造を有するプレコーディング行列を決定するステップ(403)と、
前記少なくとも1つのシンボル・ストリームを前記決定されたプレコーディング行列でプレコーディングするステップ(404)と、
前記プレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームを、無線チャネル(130)を介して前記第2のノード(120)に送信するステップ(405)と、
を含む方法。
【請求項2】
前記ブロック対角化ユニタリー行列が、45度のブロック対角化ユニタリー行列である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プレコーディング行列を決定する前記ステップ(403)が、プレコーディング要素を含むプレコーディング・コードブック(180,190)からプロダクト構造を有する前記プレコーディング行列を選択することによって実行され、前記プレコーディング・コードブック(180,190)内の前記プレコーディング要素の少なくとも半分が、前記プロダクト構造を有する、請求項1から2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記ブロック対角化ユニタリー行列が、
【数1】


と等価である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ブロック対角化ユニタリー行列が、
【数2】


と等価である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のノード(120)からチャネル情報を受信するステップ(402)をさらに含み、前記プレコーディング行列を決定するステップ(403)が、前記第2のノード(120)から受信した前記チャネル情報に基づいて実行される、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記受信したチャネル情報が、前記第2のノード(120)が前記プレコーディング・ステップ(404)を使用することを前記第1のノード(100)に推奨するプレコーディング行列を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記受信されたチャネル情報が、チャネル推定を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記プレコーディング行列を決定するステップ(403)が、逆方向リンクでの測定に基づいて決定すること及び/又はチャネル相互依存特性を活用することによって、実行される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のノード(100)内の前記プレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームの前記送信が、交差偏波アンテナ・セットアップを備えるマルチアンテナ・システムを使用して実行される、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
無線チャネル(130)を介して第1のノード(100)からマルチアンテナ送信を受信するための第2のノード(120)内での方法であって、前記無線チャネル(130)は、少なくとも3つの入力及び少なくとも1つの出力を有し、前記第1のノード(100)及び前記第2のノード(120)は、無線通信システム(110)内に含まれ、
前記第1のノード(100)から搬送される無線チャネル(130)を介した少なくとも1つのシンボル・ストリームに対応する送信を受信するステップ(603)であって、少なくとも1つのシンボル・ストリームが、ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成されたプロダクト構造を有するプレコーディング行列でプレコーディングされるステップを含む方法。
【請求項12】
前記ブロック対角化ユニタリー行列が、45度のブロック対角化ユニタリー行列である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プレコーディング行列が、有限サイズのプレコーディング・コードブックに含まれ、前記プレコーディング・コードブック内の前記プレコーディング要素の少なくとも半分が、前記プロダクト構造を有する、請求項11から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ブロック対角化ユニタリー行列が、
【数3】


と等価である、請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ブロック対角化ユニタリー行列が、
【数4】


と等価である、請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のノード(100)へチャネル情報を搬送するステップ(602)であって、チャネル情報は、前記受信された少なくとも1つのシンボル・ストリームがプレコーディングされる際に前記第1のノード(100)によって使用される前記プレコーディング行列を決定するための基礎として、前記第1のノード(100)によって使用されるステップを、
さらに含む、請求項11から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記送信をプレコーディングするために前記第1のノード(100)によって使用されることが推奨される前記プレコーディング行列を選択するステップ(601)をさらに含み、
前記チャネル情報を前記第1のノード(100)に搬送する前記ステップ(602)において、前記搬送されるチャネル情報が、前記推奨されるプレコーディング行列によって表される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記プレコーディング・コードブックが、前記第2のノード(120)に含まれ、前記推奨されるプレコーディング行列が、前記プレコーディング・コードブックから選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記搬送されたチャネル情報が、チャネル推定を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記プレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームの前記送信の前記受信が、交差偏波アンテナ・セットアップを備えるマルチアンテナ・システムを使用することによって実行される、請求項11から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
無線チャネル(130)を介した第2のノード(120)へのマルチアンテナ送信を適応させるための、第1のノード(100)内の配置(500)であって、前記無線チャネル(130)が、少なくとも3つの入力及び少なくとも1つの出力を有し、前記第1のノード(100)及び前記第2のノード(120)が、無線通信システム(110)内に含まれ、
少なくとも1つのシンボル・ストリームを取得するように構成された取得ユニット(510)と、
ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成されたプロダクト構造を有するプレコーディング行列を決定するように構成された決定ユニット(520)と、
前記少なくとも1つのシンボル・ストリームを前記決定されたプレコーディング行列でプレコーディングするように構成されたプレコーディング・ユニット(530)と、
前記プレコーディングされた少なくとも1つのシンボル・ストリームを、無線チャネルを介して前記第2のノード(120)に送信するように構成された送信ユニット(540)と、
を備える第1のノードの配置(500)。
【請求項22】
無線チャネル(130)を介して第1のノード(100)からマルチアンテナ送信を受信するための、第2のノード(120)内の配置(700)であって、前記無線チャネル(130)が、少なくとも3つの入力及び少なくとも1つの出力を有し、前記第1のノード(100)及び前記第2のノード(120)が、無線通信システム(110)内に含まれ、
前記第1のノード(100)から搬送される無線チャネルを介した少なくとも1つのシンボル・ストリームに対応する送信を受信するように構成された受信ユニット(710)であって、少なくとも1つのシンボル・ストリームが、ブロック対角行列を左からブロック対角化ユニタリー行列と掛け合わせることによって作成されたプロダクト構造を有するプレコーディング行列でプレコーディングされる受信ユニット(710)を備える第2のノードの配置(700)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−231523(P2012−231523A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−153980(P2012−153980)
【出願日】平成24年7月9日(2012.7.9)
【分割の表示】特願2010−506131(P2010−506131)の分割
【原出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)