説明

マルチメディアプレーヤ

【課題】 リモコン手段の取付けが可能であり、該リモコン手段を本体に取付けけた場合は、一般的なファンクションボタンとして使え、本体から取り外した場合は、遠隔制御を実現するマルチメディアプレーヤを提供する。
【解決手段】 本体10及びリモコン手段30を含み、該リモコン手段30に幾つかのファンクションボタンが形成され、該本体10に収容部14及び少なくとも一つの受信素子が形成されていて、前記リモコン手段30は着脱可能に前記収容部14内に取付けけられ、且つ該リモコン手段30に前記本体10上の受信素子と対応する信号発信素子が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチメディアプレーヤに関するものであり、特に、リモコン手段を備えているマルチメディアプレーヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多年間、例えば、テレビ、AVプレーヤー、移動/携帯式光ディスクプレーヤなどのマルチメディアプレーヤが、リモコン手段により制御操作することができるようになされている。
マルチメディアプレーヤが製造され始めた当初、例えば、電源スイッチ、メニュー選択、時間設定などのいろいろな機能は、プレーヤの本体上のファンクションボタンによって実現するのが普通だったが、本体内部にそのファンクションボタンと対応する回路ボードを設けることが必要になり、ユーザが対応するボタンを操作すると、回路ボードを介して、プレーヤの主たるシステムに命令を伝送し、また、該主たるシステムの命令に従って、マルチメディアプレーヤが動作を実行する。
【0003】
但し、ユーザが上記のマルチメディアプレーヤを使う時、鑑賞要求を満足させるために、何度も繰り返しファンクションボタンを調節することになって、非常に不便であり、マルチメディアプレーヤ自身の楽しみにも影響を与えるようになる。そこで、プレーヤに対して遠隔制御を実現するため、電子式追加リモコンが開発されたが、専門人員がその改造するプレーヤを分解して関連する線を捜し、そして前記追加リモコンと連結した後に、プレーヤに対して遠隔制御を実現できるようになっている。さらに、このような電子式リモコンの取付けは、必ず専門人員が実施すべきで、取付ける際に、前記プレーヤを分解しなければならないので、機器の完全性を破壊し、また、分解又は組立するのも不便である。
【0004】
このため、上記のような欠点を克服して開発されたのが、プレーヤを分解しなくても遠隔制御の実現が可能なリモコン装置であり、該リモコン装置は、発信機、受信機、及び実施機構(伝動てこ又はカム)から構成され、発信、受信される信号に対して遠隔制御する方法によって、実施機構を動作させ、本体のファンクションボタンを押すこと、または転がることにより、遠隔制御を実現するマルチメディアプレーヤであるが、このような技術に関する内容が特許文献1に記載されている。
【0005】
しかし、遠隔制御機能を実現するため、上記のリモコン装置に複雑な回路ボードを設ける必要があり、さらに、プレーヤの上に、リモコンを設置するスペースを形成しておくようになっている。これらの問題を解決し、且つユーザの要求を満足するため、従来より使用されている大部分のマルチメディアプレーヤは、リモコン手段を備えており、且つ、該リモコン手段に受信素子及び処理回路が設けられ、ユーザは該リモコン手段により、遠隔制御を実現することが可能になって、非常に便利である。但し、実際の要求に基づいて、マルチメディアプレーヤの本体にも、やはりファンクションボタンを形成する必要があるので、実際には、該マルチメディアプレーヤの制御において、同じ機能を二つの制御手段で操作し、これによって、製造コストを増加させている。
【0006】
その他、現在の大部分のマルチメディアプレーヤのリモコン手段は、マルチメディアプレーヤと分離されており、実際の使用時、ユーザにより勝手に放置されてしまうとか紛失されるおそれが生じる。更に、移動又は携帯式光ディスクプレーやに関して言うと、常にユーザにより携帯されて出かけるようになっているが、リモコン手段とプレーヤとが分離されているので、別々に、リモコン手段の収納スペースを準備しなけらばならなくなるので携帯に不便を与えるようになる。
【特許文献1】中国特許出願公開第89102417.4号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は、リモコン手段の取付けが可能で、携帯が便利なマルチメディアプレーヤを提供し、該リモコン手段は一般的なボタンとして使うばかりでなく、プレーヤの本体から取り外した時は、遠隔制御も可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明のマルチメディアプレーヤは、本体及びリモコン手段を含み、該リモコン手段にファンクションボタンが幾つか形成され、該本体に収容部と少なくとも一つの信号受信素子とが形成され、前記リモコン手段は着脱可能に前記収容部内に取り付けられ、且つ該リモコン手段に前記本体上の受信素子と対応する信号発信素子が形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のような構成により、前記リモコン手段を、前記マルチメディアプレーヤに収納することができて、携帯に便利で、更に、一般的なファンクションボタンとしても使用することができて、プレーヤの本体に、別のボタンを設置する必要がなくて、製品全体の構成を簡潔にし、また製造コストを低減することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、例えば、テレビ、AVプレーヤー、移動/携帯式光ディスクプレーヤなど、リモコン手段が使用される各種のマルチメディア製品に応用され得るが、本実施形態においては、携帯式光ディスクプレーヤを例として説明する。
【0011】
以下、図面と実施形態とに基づいて本発明を詳細に説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態の携帯式光ディスクプレーヤ100は本体10、カバー20及びリモコン手段30を含み、リモコン手段30は着脱可能に本体10に取付けられている。
【0012】
カバー20は、略長方形に広がる平板構造で、その左右両端が屈曲して同じ方向に延びて、第一の側壁26と第二の側壁28とを形成し、前後の両端の一方を係合構造(図示せず)を介して、本体10と接続させ、他方を自由端21とし、該カバー20は本体10を完全に覆うように形成されている。
【0013】
本体10の前端(図2の奥側)に受信素子(図示せず)が形成されているが、該受信素子により受信された信号を電気信号に変換して光ディスクプレーヤ100の動作を制御する。該本体10はカバー20と対向する上面16を備え、該上面16の一の側(図2における左側)には、下へ窪んで光ディスク(図示せず)を収容する光ディスク載置部12が形成されている。他の側(図2における右側)は、下へ窪んで収容部14を形成し、該収容部14は、支え部(図示せず)と、該支え部とそれぞれ垂直になされる前壁142、後壁144及び側壁146とから構成された半密閉式スペースであって、その右側には側壁が形成されておらず、開口されている。収容部14の前壁142には、他の受信素子を収容するための据付孔140が形成され、前壁142の両側にはカバー20に対応する部品の形状と組合わさる平らな台が形成されている。
【0014】
図1、図2及び図3に示すように、カバー20上の収容部14と対応する位置に、略楕円状の凹部22が形成され、該凹部22の底部にボタン設置区(図示せず)が形成され、該ボタン設置区が押しボタンモジュール25(図3参照)を収容するのに用いられる。該押しボタンモジュール25は平板状ユニット27と複数のファンクションボタン29とから構成され、該ファンクションボタン29は、例えば、電源スイッチ、前/後曲目選択ボタンなどの常用ボタンである。
【0015】
上記押しボタンモジュール25は一体成形構造で、上記ボタン29は円形のボタンキャップ290と、該ボタンキャップ290と対応する突起292とを備えている。
【0016】
リモコン手段30は、固定のための構造が別に要らなく、そのまま収容部14に収容され得るが、この場合、該収容部14の長さ、幅、深さは、リモコン手段30の長さ、幅、厚さに比べて、それぞれ同じ又はすこし大きいサイズであり、前記リモコン手段30の信号発信口(図示せず)は据付孔140と接触する。リモコン手段30の上面と本体10の上面16とが同じ水平面にあるため、リモコン手段30は、光ディスクプレーヤ100の正常な動作に影響がない。また、上記カバー20を閉じた時、該リモコン手段30はカバー20の第二の側壁28の内側に位置する。
【0017】
リモコン手段30が普通の押しボタンとして用いられる時、ファンクションボタン29を押すと、突起292とリモコン手段30の相応な押しボタンの接触により、リモコン手段30が起動し、更に、発信素子から発信された信号が、据付孔140に収容されている受信素子に受信されると、ファンクションボタン29によるディスクプレーヤ100の動作の制御が実現できる。
【0018】
リモコン手段30を普通の遠隔制御装置として用いる時、カバー20を開け、上記収容部14からリモコン手段30を取り外して、光ディスクプレーヤ100の前方から所定の距離及び範囲内で、リモコン手段30の各ファンクションボタンの操作により、光ディスクプレーヤ100に対して制御操作を行う。さらに、リモコン手段30の発信口からの信号が、本体10の前端に設けられている信号受信素子に受信されることにより、光ディスクプレーヤ100を制御する各性能を実現することが可能となる。該リモコン手段30を使わない時は、前記収容部14の中に収容し、前記カバー20を閉じておけば、前記リモコン手段30がなくなることを防止できる。
【0019】
光ディスクプレーヤ100の本体10がカバー20により完全に覆われているため、リモコン手段30は、別の固定構造が要らなく、そのまま収容部14の中に収容され得るが、例えば、装置に形成されているチャック(chuck)構造などの他の方式を使用して、収容部14に固定されることでも良い。
【0020】
図4は、上記実施形態と異なる形態の光ディスクプレーヤ100’の構成図であるが、該装置は、カバー20’が本体10’の光ディスク載置部(図示せず)を直接覆うように構成されている。
【0021】
上記カバー20’が収容部14’を覆わないので、携帯時にリモコン手段30’が離脱しないように、リモコン手段30’は、装置に形成されているチャック構造を利用して収容部14’に固定される。例えば、収容部14’の前壁142’及び後壁144’がそれぞれ窪んで溝50を形成し、また、前記リモコン手段30’の両端にも溝50と係合する突出部52を形成し、リモコン手段30’を前記溝50に嵌合させて固定する。このような方式において、前記リモコン手段30’を取り外そうとする場合、該リモコン手段30’を前記収容部14’の開口方向に沿って押し出して、収容部14’から離れるようにする。
【0022】
前記リモコン手段30’を前記収容部14’に装着した時、普通のファンクションボタンは、完全に該リモコン手段30’に取って代わる。リモコン手段30’の押しボタンの操作により、リモコン手段30’に形成されている発信口から発信された信号が、据付孔140’に収容されている受信素子に受信され、その後、受信素子により受信された該信号が電気信号に変換され、従って、光ディスクプレーヤ100’に対する制御操作を行う。
【0023】
前記リモコン手段30’を取り外した時、該リモコン手段30’は一般的な遠隔制御装置として、光ディスクプレーヤ100’を遠隔制御するのに用いられる。
【0024】
これ以外、収容部14’の前壁142’、後壁144’或いは側壁146’に係合手段を設け、リモコン手段30’にも前記係合手段と対応する係合手段を設けて、前記リモコン手段30’が前記収容部14’と良好に組合わさるようにする。
【0025】
以上述べてきたことにおいて、携帯式光ディスクプレーヤ100と100’とを比べると、携帯式光ディスクプレーヤ100は押しボタンモジュール25を有し本体10がカバー20により全部覆われているが、携帯式光ディスクプレーヤ100’は、本体に別のファンクションボタンがなく、完全にリモコン手段30’により取って代わられており、本体10’上の光ディスク載置部のみがカバー20’により覆われている。
【0026】
なお、リモコン手段30は、実際の要求に基づいて、光ディスクプレーヤ100の他の位置に取付けることができ、さらに、その他のマルチメディアプレーヤの構造の特徴を考えて、好適な取付け位置を選択することができる。従い、収容部14の構造は、前記リモコン手段30の取付け位置に合せるように適当に変更すべきことになり、そして、リモコン手段30と本体10との接続方式も、上記述べたチャック式に限らず、前記リモコン手段30の取付け位置に合せるように、適当に変更しなければならない。
【0027】
さらに、収容部14に信号受信素子を形成させずに、収容部14の支え部に対応する回路ボートを設けて、リモコン手段30を収容部14に収容した場合、ファンクションボタンを押すと共に、該回路ボートを通して、光ディスクプレーヤ100の制御操作を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第一実施形態の光ディスクプレーヤを示す分解構成図。
【図2】図1に示す光ディスクプレーヤの組立図。
【図3】本発明の第一実施形態の押しボタンモジュールを示す構成図。
【図4】本発明の第二実施形態の光ディスクプレーヤを示す構成図。
【符号の説明】
【0029】
100、100’ 携帯式光ディスクプレーヤ
10、10’ 本体
12 光ディスク載置部
14、14’ 収容部
140、140’ 据付孔
142、142’ 前壁
144、144’ 後壁
146、146’ 側壁
16 上面
20、20’ カバー
21 自由端
22 凹部
25 押しボタンモジュール
26 第一の側壁
27 平板状ユニット
28 第二の側壁
29 ファンクションボタン
290 ボタンキャップ
292 突起
30、30’ リモコン手段
50 溝
52 突出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体及びリモコン手段を含み、該リモコン手段に幾つかのファンクションボタンと、発信素子とが形成され、該本体に収容部及び前記発信素子に対応している少なくとも一つの受信素子が形成され、前記リモコン手段は着脱可能に前記収容部内に据え付けられていることを特徴とするマルチメディアプレーヤ。
【請求項2】
上記収容部の端に収容スペースが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマルチメディアプレーヤ。
【請求項3】
上記本体に受信素子が形成され、該受信素子は上記収容スペースに収容され、且つリモコン手段の発信素子と対応していることを特徴とする請求項2に記載のマルチメディアプレーヤ。
【請求項4】
上記収容部の底部に前記リモコン手段のボタンを押して機能制御を実現するための回路ボードが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマルチメディアプレーヤ。
【請求項5】
上記本体は主体部及び該主体部と近接しているカバーを含むことを特徴とする請求項3或いは4に記載のマルチメディアプレーヤ。
【請求項6】
上記主体部に信号再現ユニットを搭載する載置部と機能制御部とが形成されていることを特徴とする請求項5に記載のマルチメディアプレーヤ。
【請求項7】
上記収容部は上記主体部の機能制御部に設置されていることを特徴とする請求項6に記載のマルチメディアプレーヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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