説明

マルチリーフコリメータ及びこれを備えた放射線治療装置

【課題】被検体に放射線を曝射して治療する技術に関し、放射線の照射野を患部形状に正確に絞ることができる技術を提供する。
【解決手段】放射線源Sからの放射線照射方向に配置されるマルチリーフコリメータに、その軸に沿って送りネジが刻設された湾曲可能なリードワイヤ622と、リードワイヤを軸回転させる駆動ユニット624と、リードワイヤと螺合して軸に沿って移動可能なナット621と、ナットに固定されたリーフブロック61Bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体に曝射する放射線の照射野を絞る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、癌や腫瘍等の患部に放射線を曝射することにより、当該患部の組織細胞を破壊、又は分裂阻止等することで、その治療を目指す放射線治療が広く行われるようになっている。この放射線治療は、患部周辺の正常組織の障害を最小限度に抑えるため、又患部への効果的な放射線照射のため、患部に放射線を正確に照射することが重要である。
【0003】
そこで、発生した放射線は、その照射野が患部形状と同一になるように絞りブロックやマルチリーフコリメータによって絞られる。マルチリーフコリメータの一例を図7及び図8に示す。
【0004】
図7に示すように、マルチリーフコリメータは、複数枚のリーフブロックとこのリーフブロックと対になった移動機構とにより構成される。リーフブロックは、タングステン等の放射線を吸収する材質で組成されている。放射線源Sと放射線を曝射する必要のない箇所との間にリーフブロックを移動させることによって、放射線の照射野Fが所定形状に絞られる。
【0005】
マルチリーフコリメータCは、リーフブロックBを曝射領域を挟んで対向させて備え、かつリーフブロックBを放射線の放射方向と直交して複数並設し、リーフブロックBのそれぞれを任意の量接近又は離反させることで照射野Fを所定形状に絞っている(例えば、「特許文献1」参照。)。
【0006】
移動機構Tは、リーフブロックBの底面にナットNを固定して配している。さらにナットNに挿入されたシャフトAをリーフブロックBの接近又は離反方向に配設し、このシャフトAを軸回転させる駆動ユニットUを備える。ナットNとシャフトAには、それぞれネジ溝が刻設されており、ネジ溝によってナットとシャフトは螺合している。
【0007】
この移動機構は、駆動ユニットUを作動させ、シャフトAを軸回転させる。シャフトAが軸回転すると、シャフトAと螺合しているナットNがシャフトAの軸方向に移動し、ナットNと固定関係を有するリーフブロックBも伴って移動する。
【0008】
マルチリーフコリメータCは、移動量を適切に制御することで所望の照射野F形状に絞られる。移動量は、図示しないポテンショメータやエンコーダ等の検出部を設けて検出している。
【0009】
ここで、シャフトAは、一般的にはアルミやプラスチック等のある程度の剛性を有する材質で組成されており、軸回転を考慮して自在継手等を用いて配設される。放射線治療装置において、マルチリーフコリメータCの設置スペースは限られているため、自在継手を無制限に利用することはできない。従って、駆動ユニットUの設置個所は、ほぼシャフトAの軸線上に限られている。
【0010】
図8は、リーフブロックBが並列する方向と直交する方向からマルチリーフコリメータCを見た側面図である。駆動ユニットUは、リーフブロックBの並設に伴って一列に並列して配設される。マルチリーフコリメータCの設置スペースの都合上、並列に配置された駆動ユニットUの設置数は、その外径に影響を受けて制限された数となる。リーフブロックBと駆動ユニットUは一対であるから、駆動ユニットUの設置数が制限されると、並設するリーフブロックBの数も制限されることになる。
【0011】
リーフブロックBの数が制限されるとリーフブロックB一つ一つが厚くなり、照射野Fの外縁形状は粗くなり、患部形状と近似させにくくなる。そうすると、患部組織近傍の正常組織にも放射線が曝射されたり、又患部組織であっても放射線が曝射されない範囲が生じる。
【0012】
また、シャフトAの自在継手による曲げにも限界があると、ナットNが移動しないシャフトA部分もリーフブロックB近傍に配設されることになる。
【0013】
シャフトAの配設によってリーフブロックBの近傍スペースが消費されると、移動量を検出する検出部は、リーフブロックBから離れた箇所に設置されることになる。リーフブロックBの移動量を検出部に伝達するため、リーブブロックBと検出部との間には、図示しない多数のギアが設けられる。検出部は、これら多数のギアを介するため、バックラッシュ等の影響で、検出した移動量の検出精度は低下する。これにより、本来所望している位置へリーフブロックBが到達していないのにも関わらず駆動ユニットUを停止させてしまうおそれがあり、照射野Fの形状と患部形状とが異なってしまう場合がある。
【0014】
【特許文献1】特開平11−216197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、被検体に放射線を曝射して治療する技術に関し、放射線の照射野を患部形状に精度良く絞ることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するための、請求項1記載の発明は、放射線源からの放射線照射方向に配置され、放射線の照射野を所定形状に絞るマルチリーフコリメータであって、その軸に沿って送りネジが刻設された湾曲可能なリードワイヤと、前記リードワイヤを軸回転させる駆動ユニットと、前記リードワイヤと螺合して前記軸に沿って移動可能なナットと、前記ナットに固定されたリーフブロックと、を備えること、を特徴とする。
【0017】
前記リードワイヤは、前記駆動ユニットから前記ナットへ湾曲して配設され、前記駆動ユニットは、前記ナットの移動軌跡延長線上から外れて設置されるようにしてもよい。
【0018】
また、前記リーフブロックを並列して複数備えるとともに、前記リードワイヤと前記駆動ユニットと前記ナットを前記リーフブロックのそれぞれと対にして複数備え、前記各リードワイヤは、前記駆動ユニットから前記ナットへ湾曲して配設され、前記各駆動ユニットは、前記リーフブロックの並列方向及びこの並列方向と交差する方向に並んで配されるようにしてもよい。
【0019】
また、前記リーフブロックの移動量を検出する検出部を前記リーフブロックの近傍に配置してさらに備えるようにしてもよい。
【0020】
また、前記リーフブロックには、ラック部が刻設され、前記検出部は、前記ラック部と噛合するギアを有し、このギアの回転量から前記移動量を検出するようにしてもよい。
【0021】
また、前記リードワイヤは、前記放射線源を中心とする円弧に沿って配設されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、マルチリーフコリメータにおいて、その軸に沿って送りネジが刻設された湾曲可能なリードワイヤと、リードワイヤを軸回転させる駆動ユニットと、リードワイヤと螺合して前記軸に沿って移動可能なナットと、ナットに固定されたリーフブロックとを備えるようにした。この発明により、リードワイヤを自由に湾曲させることができるため、駆動ユニットのレイアウトが自由になり、駆動ユニットの増加を図ったり、リーフブロック近傍に検出部を設置したりすること等が可能となり、放射線の照射野を精度よく患部形状に近似させて絞ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本実施形態に係る放射線治療装置1の構成例を示す概要図である。放射線治療装置1は、被検体が載置される治療台2、回転架台3、及び該架台3を回動可能に支持する回転支持台4から構成されている。
【0024】
治療台2は、被検体の体軸方向(図1中矢印Aの方向)に移動可能とされた天板21が備えられているとともに、上下動(図1中矢印Bの方向)が可能である。また、この治療台2は、天板21の面が放射線治療装置1の設置面と平行な関係を保つ回転動(図1中矢印C)が可能となっている。
【0025】
回転支持台4は、回転架台3を回動軸41を介して支持している。回転支持台4は、回動軸41を回転させることで、回転架台3を軸回り(図1中矢印Dの方向)に回転可能とする。
【0026】
回転架台3は、略L字状の立体形状を有している。L字形状の片腕部分3aが回転支持台4に支持されている。他方の片腕部分3bには、照射ヘッド5が備えられている。照射ヘッド5には、図示しない放射線源が内設されている。放射線源は、電子加速器や対電子線ターゲット等を含み構成されており、電子加速器で電子を加速させ、対電子線ターゲットに衝突させることで放射線を発生させる。発生する放射線は、光子線(X線、γ線など)、電子線、重粒子線(陽子、ヘリウム、炭素、ネオン、π中間子線、中性子線など)等である。
【0027】
この放射線治療装置1は、天板21に被検体を載置して、回動軸41の軸線(図中一点鎖線)と照射ヘッド5の軸線(図中同じく一点鎖線)とが交差するアイソセンタが、放射線を曝射する患部位置に合致するよう調整する。アイソセンタの位置調整は、治療台2の移動や上下動並びに回転動、回転架台3の軸回り方向への回転によって行われる。患部とアイソセンサが合致すると、発生する放射線の照射野を所定形状に絞り、放射線源から患部へ放射線を曝射する。
【0028】
照射野は、放射線を照射する領域であり、患部形状に合わせて絞られる。照射野の患部形状に合わせた絞りは、照射ヘッド5に内設された図示しない絞りブロックとマルチリーフコリメータ6によって行われる。図2は、照射野を患部形状に合わせて絞るマルチリーフコリメータ6を示す斜視図である。マルチリーフコリメータ6は、放射線源から曝射される放射線の放射方向に設置されている。尚、絞りブロックは、放射線源とマルチリーフコリメータ6との間に配置されている。
【0029】
マルチリーフコリメータ6は、放射線源から曝射される放射線を挟んで対向するリーフブロック61A及び61Bを備える。リーフブロック61A及び61Bは、その断面がテーパ状を有し、その側面が短周長のアーチ状を有する。外周側円弧面61cのアーチは、放射線源を中心とした円弧と同一のカーブ半径を有する。その材質はタングステン等の放射線を吸収する材質である。
【0030】
リーフブロック61A及び61Bは、その側面と直交する方向に複数並設されている。マルチリーフコリメータ6は、一対のリーフブロック61A及び61Bを放射線源を中心とした同一円弧軌道に沿って接近又は離反移動させる移動機構62を備える。移動機構62によって、任意のリーフブロック61A又は61Bを所定移動量接近又は離反移動させることによって照射野Fを適切な形状に絞る。照射野F以外の箇所に放射される放射線は、リーフブロック61A及び61Bによって吸収され、照射野Fを通る放射線のみがマルチリーフコリメータ6を通過する。
【0031】
図3は、マルチリーフコリメータ6の側面図である。ここでは、リーフブロック61Bの部分のみを説明するが、リーフブロック61Aについても同様である。移動機構62は、複数のリーフブロック61A及び61Bと一対一対応で配されている。移動機構62は、リーフブロック61Bの外周側円弧面61cにナット621を固定して備える。ナット621の開口は、リーフブロック61Bの照射野F絞り方向に向く。
【0032】
ナット621には、その開口にリードワイヤ622が挿入されている。リードワイヤ622は、ワイヤ支持部623に遊貫して支持されながら、放射線源Sを中心とした円弧に沿って配設される。すなわち、リーフブロック61Bの外周側円弧面61cに沿って配設される。リードワイヤ622の一端には、駆動ユニット624が接続されている。駆動ユニット624は、図示しないモータと減速機で構成されている。リードワイヤ622の一端は、モータの回転子と接続されている。
【0033】
図4は、ナット621とリードワイヤ622の断面図である。図4に示すように、リードワイヤ622は、その軸622aに沿ってスパイラル状のネジ溝が送りネジ622bとして刻設されている。また、ナット621は、内周壁にネジ溝621aが刻設されている。リードワイヤ622の送りネジ622bとナット621のネジ溝621aは螺合している。
【0034】
このような移動機構62は、駆動ユニット624を駆動させ、モータの回転子を回転させると、リードワイヤ622が軸622a周りに軸回転する。リードワイヤ622が湾曲していれば、軸622aも湾曲する。リーフブロック61Bは、複数並列されているためリードワイヤ622の軸周り方向への回転が不可能となっている。従って、リードワイヤ622が軸回転すると、送りネジ622bと螺合したネジ溝621aを有するナット621は、リードワイヤ622の軸622a方向を移動する。
【0035】
リーフブロック61Bは、ナット621と固定されているため、ナット621とともにリードワイヤ622の軸622a方向に移動する。リードワイヤ622は放射線源Sを中心とした円弧に沿って配設されているため、リーフブロック61Bは、放射線源Sを中心とした円弧に沿って移動する。
【0036】
各駆動ユニット624のモータ回転量を制御することで、各リーフブロック61A及び61Bはそれぞれ独立して所定量移動し、各リーフブロック61A及び61B全体として照射野Fを患部形状に合わせた形状に絞る。
【0037】
ところで、リードワイヤ622は、その湾曲能力によってナット621と駆動ユニット624との間を湾曲して配設されることが可能であり、湾曲しても配設された位置を変位させることなく軸回転が可能である。リードワイヤ622は、ワイヤ支持部623に支持されて円弧状に湾曲した後、さらに自由に湾曲して駆動ユニット624と接続することができる。すなわち、リードワイヤ622によって駆動ユニット624を自由な位置にレイアウトすることが可能となる。
【0038】
例えば、図5は、マルチリーフコリメータ6をリーフブロック61Bの並列方向と直交する方向から見た側面図である。図5に示すように、本実施形態のマルチリーフコリメータ6では、各駆動ユニット624を2次元的に配設する。リーフブロック61Bの並設方向に配設し、さらにリーフブロック61Bの並設方向と直交する方向に多段に配設する。各リードワイヤ622は、各駆動ユニット624の接続端からワイヤ支持部623まで湾曲させて配設する。
【0039】
駆動ユニット624を多段に2次元的に配置することで、限られたスペースにより多くの駆動ユニット624を配することができ、かつリードワイヤ622によってその駆動力を各リーフブロック61Bに伝達することができる。これにより、駆動ユニット624の増設に伴って、同一スペースに断面幅を狭くしたリーフブロック61Bをより多く並設することができる。
【0040】
リーフブロック61A及び61Bの数が多くなり、かつその断面幅が狭いと、各リーフブロック61A及び61Bが絞る照射野Fの形状はよりなめらかなになる。これにより得られる照射野Fは、患部形状により合致した形状に近似させ易くなる。従って、患部以外への無用な曝射をさらに精度よく防止することができると共に、患部への曝射をさらに漏れなく行うことができる。
【0041】
また駆動ユニット624のレイアウトの他の例としては、図6に示すように、駆動ユニット624をナット621の移動軌跡の延長線上から外して配置している。これにより、リードワイヤ622の駆動ユニット624との接続端からナット621が移動しない部分までは、リーフブロック61Bの外周側円弧面61cに沿わず移動軌跡から離脱させている。この部分を離脱させることで生まれた外周側円弧面61c近傍のスペースには、検出部625が設置される。
【0042】
リーフブロック61Bには、その外周側円弧面61cに歯切りを備えたラック部61dを刻設する。検出部625は、図示しないギアと図示しないポテンショメータを備え、ギアの回転量をポテンショメータで検出する。ギアは、リーフブロック61Bのラック部61dと噛合させる。この噛合により、リーフブロック61Bが移動することでギアが回転する。ギアの回転量はリーフブロック61Bの移動量となり、検出部625は、リーフブロック61Bの移動量を直接検出する。尚、検出部625は、ポテンショメータに代えてエンコーダを備えるようにしてもよい。
【0043】
このように、リードワイヤ622を備えるようにすることで、駆動ユニット624を自由な位置にレイアウトすることができ、例えば、リーフブロック61Bの外周側円弧面61c近傍にスペースを作ることができる。このスペースに検出部625を設けることで、リーフブロック61Bと検出部625を結ぶだけの多数の他のギアを排除して、直接リーフブロック61Bの移動量を検出することができるようになる。このため、他のギアを介することによるバックラッシュの影響を受けることなく精度のよい移動量検出を行うことができ、以て照射野を精度よく絞ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施形態に係る放射線治療装置の構成例を示す概要図である。
【図2】本実施形態に係るマルチリーフコリメータを示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係るマルチリーフコリメータの側面図である。
【図4】本実施形態に係る移動機構のうち、ナットとリードワイヤ部分の断面図である。
【図5】本実施形態のマルチリーフコリメータをリーフブロックの並列方向と直交する方向から見た側面図である。
【図6】本実施形態に係る検出部を備えるマルチリーフコリメータを示す側面図である。
【図7】従来のマルチリーフコリメータを示す図である。
【図8】従来のマルチリーフコリメータをリーフブロックの並列方向と直交する方向から見た側面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 放射線治療装置
2 治療台
21 天板
3 回転架台
4 回転支持台
5 照射ヘッド
6 マルチリーフコリメータ
61A リーフブロック
61B リーフブロック
62 移動機構
621 ナット
622 リードワイヤ
623 ワイヤ支持部
624 駆動ユニット
625 検出部
S 放射線源
F 照射野

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源からの放射線照射方向に配置され、放射線の照射野を所定形状に絞るマルチリーフコリメータであって、
その軸に沿って送りネジが刻設された湾曲可能なリードワイヤと、
前記リードワイヤを軸回転させる駆動ユニットと、
前記リードワイヤと螺合して前記軸に沿って移動可能なナットと、
前記ナットに固定されたリーフブロックと、
を備えること、
を特徴とするマルチリーフコリメータ。
【請求項2】
前記リードワイヤは、前記駆動ユニットから前記ナットへ湾曲して配設され、
前記駆動ユニットは、前記ナットの移動軌跡延長線上から外れて設置されること、
を特徴とする請求項1記載のマルチリーフコリメータ。
【請求項3】
前記リーフブロックを並列して複数備えるとともに、前記リードワイヤと前記駆動ユニットと前記ナットを前記リーフブロックのそれぞれと対にして複数備え、
前記各リードワイヤは、前記駆動ユニットから前記ナットへ湾曲して配設され、
前記各駆動ユニットは、前記リーフブロックの並列方向及びこの並列方向と交差する方向に並んで配されること、
を特徴とする請求項1記載のマルチリーフコリメータ。
【請求項4】
前記リーフブロックの移動量を検出する検出部を前記リーフブロックの近傍に配置してさらに備えること、
を特徴とする請求項2又は3記載のマルチリーフコリメータ。
【請求項5】
前記リーフブロックには、ラック部が刻設され、
前記検出部は、前記ラック部と噛合するギアを有し、このギアの回転量から前記移動量を検出すること、
を特徴とする請求項4記載のマルチリーフコリメータ。
【請求項6】
前記リードワイヤは、前記放射線源を中心とする円弧に沿って配設されること、
を特徴とする請求項1記載のマルチリーフコリメータ。
【請求項7】
放射線を照射する放射線源とこの放射線源からの放射線照射方向に配置されて放射線の照射野を所定形状に絞るマルチリーフコリメータを備える放射線治療装置であって、
前記マルチリーフコリメータは、
その軸に沿って送りネジが刻設された湾曲可能なリードワイヤと、
前記リードワイヤを軸回転させる駆動ユニットと、
前記リードワイヤと螺合して前記軸に沿って移動可能なナットと、
前記ナットに固定されたリーフブロックと、
を備えること、
を特徴とする放射線治療装置。
【請求項8】
前記リードワイヤは、前記駆動ユニットから前記ナットへ湾曲して配設され、
前記駆動ユニットは、前記ナットの移動軌跡延長線上から外れて設置されること、
を特徴とする請求項7記載の放射線治療装置。
【請求項9】
前記リーフブロックを並列して複数備えるとともに、前記リードワイヤと前記駆動ユニットと前記ナットを前記リーフブロックのそれぞれと対にして複数備え、
前記各リードワイヤは、前記駆動ユニットから前記ナットへ湾曲して配設され、
前記各駆動ユニットは、前記リーフブロックの並列方向及びこの並列方向と交差する方向に並んで配されること、
を特徴とする請求項7記載の放射線治療装置。
【請求項10】
前記マルチリーフコリメータは、前記リーフブロックの移動量を検出する検出部を前記リーフブロックの近傍に配置してさらに備えること、
を特徴とする請求項8又は9記載の放射線治療装置。
【請求項11】
前記リーフブロックには、ラック部が刻設され、
前記検出部は、前記ラック部と噛合するギアを有し、このギアの回転量から前記移動量を検出すること、
を特徴とする請求項10記載の放射線治療装置。
【請求項12】
前記リードワイヤは、前記放射線源を中心とする円弧に沿って配設されること、
を特徴とする請求項7記載の放射線治療装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−37828(P2007−37828A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−226685(P2005−226685)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】