説明

マルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱

【課題】恒温箱の素材を一種類の断熱材により製造すること並びに恒温箱の内部に収納される温度制御機器である空調機器の取付性の向上を図る。
【解決手段】マルハナバチ類等の送粉昆虫の巣箱2を収納する上面開口の断熱材より成る恒温箱本体3と、この恒温箱本体3の内部空間9を送風昆虫の最適生育環境温度帯に保つ温度制御機器を収納し、恒温箱本体3の上面開口に載置される断熱材より成る温度制御機器収納部6とを備えている。温度制御機器収納部6には底板20を持ち、この底板20が恒温箱本体3の上面開口を閉塞する。それから底板20には、温度制御機器収納部6から恒温箱本体3の内部空間9へ連通する機器取付穴57が形成され、この機器取付穴57に温度制御機器の空調機器を挿入して取付けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マルハナバチ類等の送粉昆虫用の巣箱の温度管理を行なう恒温箱に関する。
【背景技術】
【0002】
マルハナバチは、トマト、ナスなど花蜜を生産しない花にも訪花することから、ハウス栽培のトマト、ナスなどの受粉に利用されている。このマルハナバチは、巣箱内の温度が20度を下回る場合には筋肉をふるわせることで発熱行動を行ない、巣箱内の温度を上昇させ、また31度を上回る場合には羽をふるわせる送風行動を行なうことで巣箱内部の温度を下げようとし、該巣箱内の温度調節行動を行なっている。
【0003】
このような、20℃を下回り、31℃を上回る温度状況となると、本来ならば巣の外で受粉活動を行なうはずの個体まで巣の中に止まり、発熱または送風行動を行なうことになり、巣箱内の温度が前記した温度(20℃から30℃の適温)に該当しない範囲となるハウス内の温度が10℃から28℃の範囲内でしか活動できなくなっていた。すなわちマルハナバチの活動が巣箱内の温度により大きく制限されてしまっていた。ちなみに、自然状態では、巣内の温度が安定していれば、外気温が5℃から37℃ぐらいまでの間で受粉活動が行なわれていた。
【0004】
この対策として、当出願人は、巣箱の温度管理を目的として、特許文献1を提案した。これには、送粉昆虫の巣箱を箱体1に収納し、この箱体1内の温度を温度調節手段10にて制御して送粉昆虫の最適生育環境温度帯に保つ作用を行なわせている。
【0005】
また、当出願人は、メンテナンス性の向上、恒温箱の内部の温度むらの発生を防ぐこと、凝縮水の排水を考えた特許文献2の巣箱の温度管理ができる恒温箱を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−271296号公報
【特許文献2】特開2003−000088号公報
【発明の概要】
【0007】
しかしながら、特許文献2にあって、恒温箱1は、樹脂をコーティングした紙素材とその内側に添着されたウレタン等の断熱材にて製造されていた。樹脂コーティング紙素材は価格が高く、コスト高をまねいていた。また、温度制御機器であるペルチェ素子20はその上下に配されるフィン22とプレート21が、温調制御機器収納部3の底面素材を挟んで設けられているが、恒温箱本体2側のプレート21は、巣箱13の上方で、その上面を覆うように大形であるため、温調制御機器収納部3の底面部材へその下面側からペルチェ素子20を底面部材に形成された穴に挿入し、その穴から突出したペルチェ素子20の部位にフィン22を固定し、そのフィン22とを底面部材に係止させて取付けていた。即ち取付が繁雑であった。
【0008】
そこで、この発明は、恒温箱の素材を一種類の断熱材で製造すると共に、内部に収納される空調機器の恒温箱への取付性の向上を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るマルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱は、マルハナバチ類等の送粉昆虫の巣箱を収納する上面開口の恒温箱本体と、この恒温箱本体の内部空間を送粉昆虫の最適生育環境温度帯に保つ温度制御機器を収納し、前記恒温箱本体の上面開口に載置される温度制御機器収納部とを備え、前記温度制御機器収納部には、底板を持ち、この底板が前記恒温箱本体の上面開口を閉塞すると共に、底板には前記温度制御機器収納部から前記恒温箱本体の内部空間へ連通する機器取付穴が形成され、この機器取付穴に温度制御機器の空調機器を挿入して取付けるようにしたものである(請求項1)。
【0010】
これにより、空調機器が、温度制御機器収納部の底板に形成の機器取付穴に、上方より挿入することにより、温度制御機器収納部に取付られる。そして、空調機器の下方部は、恒温箱本体の内部空間へ露出される。そして、内部空間内の温度制御が行なわれ、送粉昆虫の最適生育環境温度帯に保つことができる。
【0011】
前記温度制御機器収納部に蓋がかぶされて(請求項2)、温度制御機器収納部のみならず、恒温箱本体を水等から保護することができる。
【0012】
前記恒温箱本体、前記温度制御機器収納部、前記蓋は、発泡スチロールなどの断熱材で作られていることから(請求項3)、一つの断熱素材で良いため、安価に提供でき、しかも、水に強く、凝縮水による素材の腐食を防ぐことができる。
【0013】
前記恒温箱本体上に前記温度制御機器収納部が載置され、さらにその上に蓋が載せられて成る恒温箱に、外側から紫外線防止カバーが覆せられたことにある(請求項4)。これにより、恒温箱の素材が紫外線により劣化することを紫外線防止カバーにより保護することができる。紫外線防止カバーの素材を紫外線除去のポリエステル生地を用いている。
【0014】
前記空調機器は、上下方向で、ペルチェ素子を挟んで一対のフィンを設け、この一対のフィンにそれぞれ空気の流れを生じさせるそれぞれの送風機を配置すると共に、前記ペルチェ素子、一対のフィン、一対の送風機を包む金属製のカバーを備えたことにある(請求項5)。これにより、空調機器が一つの個体として構成されることから、温度制御機器収納部の底板に形成の機器取付穴に挿入するだけで取付ができる。
【0015】
前記空調機器は、上下方向に段部が形成されていることから(請求項6)、温度制御収納部の底板に形成の機器取付穴に、その段部が係止して取付が確実となる。
【0016】
前記空調機器を包む金属製のカバーであって、下方部位にドレン穴及びドレン孔に連通のドレンホースが接続されていることにあり(請求項7)、ドレン水の排水を巣箱を迂回して、該巣箱を濡らすことなく、恒温箱本体の底面に導くことができる。
【0017】
前記恒温箱本体の内部底面に、テーパが形成されていると共に、最も低い位置に排水孔を開口したことにあり(請求項8)、底面上に溜まったドレン水をテーパ、排水孔を介して外部へ排水することができる。
【0018】
前記恒温箱本体の底板に足を形成し、ドレン水の排水を良好にしたことにあり(請求項9)、あわせて底板の通気性を良好にもでき、ドレン水の蒸発を促進し、腐敗を防止できる。
【0019】
前記恒温箱に形成の送粉昆虫の出入口と接続する出入口接続路には、硬質の樹脂からなる接続路保護カバーを配したことにあり(請求項10)、マルハナバチ類等の送粉昆虫が発泡樹脂をかじり、出入口接続路に変形が発生するが、出入口保護カバーがあると、かじりが防がれる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、この発明によれば、恒温箱本体と温度制御機器収納部とより成るマルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱にあって、巣箱の温度を制御するための温度制御機器は、温度制御収納部の底板に形成の機器取付穴に、上方より挿入することで容易に取付られる(請求項1)。
【0021】
前記温度制御機器収納部に被せた蓋により、温度制御機器収納部のみならず、恒温箱本体を水やほこり等から保護できる(請求項2)。
【0022】
マルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱である前記恒温箱本体、前記温度制御機器収納部、前記蓋が発泡スチロールなどの一つの断熱材で作られていることから、安価に提供できると共に、水に強く、ドレン水による素材の腐食を防ぐことができる(請求項3)。
【0023】
マルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱は、外側から紫外線防止カバーが被せられているので、紫外線を遮断して断熱材の紫外線による劣化を防ぐことができる(請求項4)。
【0024】
空調機器は上下方向で、ペルチェ素子を挟んで一対のフィンを設け、この一対のフィンそれぞれ空気の流れを発生させるそれぞれの送風機を配置すると共に、前記ペルチェ素子、一対のフィン、一対の送風機を包む金属製のカバーを備えているので(請求項5)、空調機器が一体化されることになり、機器取付穴に挿入するだけで容易に取付ができる。
【0025】
しかも、空調機器には、上下方向中程に段部が形成されているから(請求項6)、機器取付穴に段部が係止して、取付が確実に行なわれる。また取り外しは上方へ引き下げれば、簡単に行なうことができる。
【0026】
空調機器を包む金属製のカバーにあって、恒温箱の内部空間側に配される部位に、ドレン孔とドレン孔に連通のドレンホースが接続されていることにあり、ドレン水を巣箱に当てずにドレンホースから恒温箱本体の内部空間の底面に導き、巣箱を濡らすことを防ぐことができる(請求項7)。
【0027】
恒温箱本体の内部空間の底面に、テーパが形成され、しかも最も低い位置に排水孔を形成しているから、底面に溜まったドレン水をテーパ、排水孔を介して外部へ排水することができる(請求項8)。
【0028】
恒温箱本体の底板外側に足を形成し、ドレン水の排水を良好にすると共に、あわせて底板の通気性を良好にできて、ドレン水の蒸発を促進し、腐敗を防ぐことができる(請求項9)。
【0029】
恒温箱に形成の送粉昆虫の出入口接続路には、硬質の樹脂から成る出入口接続路保護カバーを配しているから、送粉昆虫が発泡樹脂をかじることができず、出入口接続路の変形が防がれる(請求項10)。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明に係る恒温箱の斜視図である。
【図2】同上の断面図である。
【図3】恒温箱本体とその内部空間に収納された巣箱の平面図である。
【図4】出入口接続路となる接続路保護カバーとそれが嵌合される切欠路との装着前の斜視図である。
【図5】巣箱の断面図である。
【図6】温度制御機器収納部の平面図である。
【図7】同上の断面図で、空調機器が取り外されている。
【図8】空調機器とそれが挿入される機器取付穴との装着前の斜視図である。
【図9】この発明の温度コントロールを行なう電気回路図である。
【図10】この発明に係る他の実施例で、紫外線防止カバーを覆せた恒温箱の斜視図である。
【実施例1】
【0031】
図1に恒温箱1の斜視図が、図2に恒温箱1の断面図が示され、恒温箱1は、下方から巣箱2が収納される恒温箱本体3と、その上に載置される温度制御機器5が収納される温度制御機器収納部6と、その上に載せられる蓋7とより成っている。その大きさは縦方向46cm、横方向39cm、高さ方向56cm程である。これら恒温箱1を構成する恒温箱本体3、温度制御機器収納部6及び蓋7は、発泡スチロールで製造されているため、高い断熱性を有している。
【0032】
恒温箱本体3は、図3、図4、図5にも示され、発泡スチロールより製造された箱体で、内部に巣箱2を収容する内部空間9が形成されている。この内部空間9は、図2、図3に示されているごとく、底面11の四角に載台12が形成され、その載台12上に巣箱2が載せられると、底面11との下方隙間13が形成される。
【0033】
また、内部空間9は、対向する2側板15b、15dから突出の内側突起16を持っており、この内側突起16により、収容される巣箱2との間に側方隙間17が形成され、側板15a、15cとの間にも前記載台12とにより側方隙間17が形成される。この4つの側方隙間17と、前記した下方隙間13とにより巣箱2の周囲に、下記する空調空気が流動することになる。
【0034】
さらに、前記内部空間9は、その底面11に中心に向ってテーパが形成され、その中心である最も低い位置に開口し、外部へ連通する排水孔19が底板20に形成されている。
【0035】
また、恒温箱本体3は、その上面開口縁3aに、接続用段部が形成され、またその底板20の下方に、足23を四角及び中心に有し、中心の足23には十文字に割れ溝24が形成されている。
【0036】
26は巣箱2に設けられた送粉昆虫の出入口接続路で、特に図4に示すように前記恒温箱本体3の側板15aに切欠された切欠路27と、これに嵌合するABS樹脂などの硬質の樹脂による出入口接続路保護カバー28とより成っている。この出入口接続路保護カバー28は、貫通孔30と、その前後に設けられた係止板31a、31bとより成っている。
【0037】
巣箱2は、図5にその断面が示され、外側に紙素材による箱体35が、その内側に樹脂より成る巣箱本体36が発泡スチロールの断熱材38を介在して収納されている。巣箱本体36の立壁面39の一つに、出入口40が形成され、前記出入口接続路26と連通している。この出入口40には、図示しないが、開閉ドアが設けされている。41は女王バチが外部へ逃走するのを防止する用具である。42は蜜容器で、43は蜜吸込部である。このような巣箱2に内に、女王バチ1頭と働きバチ数10頭が入れられる。
【0038】
温度制御機器収納部6は、図2のみならず、図6、図7、図8にも示され、発泡スチロールにより製造された箱体で、その下面開口縁6bが前記恒温箱本体3の上面開口縁3aに載置されると共に、上面開口縁6aに前記蓋7が被せられるもので、内部に冷暖房用の空調機器43やそれらを制御する電子機器44とより成る温度制御機器5が収納されている。前記空調機器43としては、電子冷凍素子であるペルチェ素子45を用いており、公知のペルチェ素子45は、通電により生じる熱を吸収する吸熱部と熱を放出する放熱部とを持ち、通電方向を切換えることで、一方が吸熱部に他方が放熱部となるもので、このペルチェ素子45の上下にフィン46とフィン47とが接続されている。
【0039】
この空調機器43は、それを構成する前記ペルチェ素子45と、フィン46、47及び前記フィン46、47に送風する送風機50、51とを金属製のカバー48a、48bが包み込むようにして構成され、両金属製のカバー48a、48bは接合され、これにより空調機器43は一つの個体として構成されている。上方の金属製のカバー48aの大きさ(横方向、縦方向寸法)が下方の金属製のカバー48bよりも大きく、したがって両者の接合部に段部49を有している。53a、53bは、温度センサで、外気温と巣箱側の温度とを検出している。
【0040】
前記金属製のカバー48aは断面コ字形で両端に開口部52を持ち、また上面に送風機50用の開口部53が形成され、送風機50の稼動により、空気を開口部53から吸込み、開口部52から排出される。また、前記金属製のカバー48bは、その両端のスリット54が形成されていると共に、その下面に送風機51用の開口部55が形成され、送風機51の稼動により、空気を開口部55から吸込み、スリット54から排出される。
【0041】
前記空調機器43の金属製のカバー48bは、その底面が一方向へ傾斜しており、最も低い側にドレン孔58を有し、そのドレン孔58にドレンホース59が連通されている。このドレンホース59はその先端が前記底面11に至り、下方隙間に接続されていて、ドレン水を巣箱2を濡らさずに排出させることができる。
【0042】
機器取付穴57は、前記温度制御機器収納部6の底板56のほぼ中央に形成され、貫通している。この機器取付穴57に前記空調機器43が挿入されると、その段部49が係止され装着される。すると、空調機器43の下方部となる金属製のカバー48b及びその内部に在るフィン47、送風機51が前記恒温箱本体3の内部空間9内に露出される。当然ながら、空調機器43上方部となる金属製のカバー48a及びその内部に在るフィン46、送風機50は前記温度制御機器収納部6内に残されている。なお、空調機器43は上方に向けて動かせば、空調機器43は簡単に機器取付穴57から取り出すことができる。
【0043】
また、電子機器44は、電圧を12Vに降圧させるようトランス44aと、前記ペルチェ素子45への通電制御及び送風機50、51の回転制御を司るコントロールユニット44bと、稼動用スイッチ44cと、稼動状態を示すランプ44dとより成っている。60は電源を得るためのプラグである。
【0044】
62は、排気孔であって、温度制御機器収納部6の側板61a、61cに一対が形成され、送風機50の稼動によりフィン46を介して流出した排風を外部へ排出させる。なお、送風機50への外気は、蓋7の中央に形成される吸気孔63から吸込まれる。
【0045】
図9において、前記空調機器43を作動させるための電気回路が示され、恒温箱1の内部空間9の温度が温度センサ53b、外気温が温度センサ53aで検出され、温度情報は、マイクロコンピュータ等のコントロールユニット44bに入力される。それから、ペルチェ素子45の通電回路には、通電方向を切換るリレー65が、稼動制御用のリレー66が設けられている。
【0046】
稼動用スイッチ44cがONとされると、コントロールユニット44bが作動され、ペルチェ素子45に通電され、巣箱2内部空間9内の温度が例えば25℃以下の場合には、フィン47が放熱器となり、温風が恒温箱本体3の内部空間9内に吹出される。それから25℃から30℃までは、適温であるため、ペルチェ素子45は作動されず、30℃を超えると、通電方向を変えてフィン47が冷却器となり、冷風が恒温箱本体3の内部空間9内に吹出される。このようにして、巣箱の温度コントロールが行なわれ、常にマルハナバチ類等の快適な温度条件に保たれる。このような、温度制御は、コントロールユニット44b内に入れられた制御ソフトにより行なわれる。したがって、外部の温度が5℃から37℃ごろまで送粉昆虫の受粉活動が行なわせることができる。
【実施例2】
【0047】
図10において、恒温箱1が発泡スチロールで製造されるため、紫外線に弱く、劣化することになるが、紫外線除去のポリエステル生地により作られた紫外線防止カバー67が恒温箱1に被せられている。これにより、劣化の防止のみならず、汚れの付着も防ぐことができる。
【0048】
なお、この紫外線防止カバー67にあって、前記出入口接続路26に対応する所には、接続路用開口71が、前記排気孔62に対応する所には排気孔用開口72が、前記吸気孔63に対応する所には吸気孔用開口73がそれぞれ形成されている。そして、その他の部分は実施例1と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略した。
【符号の説明】
【0049】
1 恒温箱
2 巣箱
3 恒温箱本体
5 温度制御機器
6 温度制御機器収納部
7 蓋
9 内部空間
11 底面
13 下方隙間
17 側方隙間
19 排水孔
20 底板
26 出入口接続路
28 接続路保護カバー
35 箱体
36 巣箱本体
40 出入口
43 空調機器
45 ペルチェ素子
46 フィン
47 フィン
48a、48b 金属製のカバー
49 段部
50 送風機
51 送風機
56 底板
57 機器取付穴
59 ドレンホース
62 排気孔
63 吸気孔
67 紫外線防止カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルハナバチ類等の送粉昆虫の巣箱を収納する上面開口の恒温箱本体と、この恒温箱本体の内部空間を送粉昆虫の最適生育環境温度帯に保つ温度制御機器を収納し、前記恒温箱本体の上面開口に載置される温度制御機器収納部とを備え、前記温度制御機器収納部には、底板を持ち、この底板が前記恒温箱本体の上面開口を閉塞すると共に、底板には前記温度制御機器収納部から前記恒温箱本体の内部空間へ連通する機器取付穴が形成され、この機器取付穴に温度制御機器の空調機器を挿入して取付けるようにしたことを特徴とするマルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱。
【請求項2】
前記温度制御機器収納部に、中心に空気流動孔を形成の蓋がかぶせられることを特徴とする請求項1記載のマルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱。
【請求項3】
前記恒温箱本体、前記温度制御機器収納部、前記蓋は、発泡スチロールなどの断熱材で作られたことを特徴とする請求項1又は2記載のマルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱。
【請求項4】
前記恒温箱本体上に、前記温度制御機器収納部が載置され、さらにその上に蓋が載せられて成る恒温箱に、外側から紫外線防止カバーが被せられたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のマルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱。
【請求項5】
前記空調機器は上下方向で、ペルチェ素子を挟んで一対のフィンを設け、この一対のフィンにそれぞれ空気の流れを生じさせるそれぞれの送風機を配置すると共に、前記ペルチェ素子、一対のフィン、一対の送風機を包む金属製のカバーを備えたことを特徴とする請求項1記載のマルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱。
【請求項6】
前記空調機器は、上下方向に段部が形成されていることを特徴とする請求項5記載のマルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱。
【請求項7】
前記空調機器を包む金属製のカバーであって、下方部位にドレン孔及びドレン孔に連通のドレンホースが接続されていることを特徴とする請求項5記載のマルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱。
【請求項8】
前記恒温箱本体の内部空間の底面に、テーパが形成されると共に、最も低い位置に排水孔を形成したことを特徴とする請求項1記載のマルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱。
【請求項9】
前記恒温箱本体の底板の外側に足を形成し、ドレン水の排水を良好にしたことを特徴とする請求項1記載のマルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱。
【請求項10】
前記恒温箱本体に形成の送粉昆虫の出入口接続路には、硬質の樹脂からなる出入口接続路保護カバーを配したことを特徴とする請求項1、3又は4記載のマルハナバチ類等の送粉昆虫用の恒温箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−59303(P2013−59303A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201449(P2011−201449)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(505094984)株式会社アグリ総研 (7)