説明

マーカーを含有する流動床食事及びその作製方法

患者の呼気において排出されるマーカーの定量化により、胃内排出の測定における使用のための標識を含有する、標準化食用食品、及び流動床造粒処理を用いる当該食品の作製方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、食用食事、マーカー又は薬物を含む成分を含む流動床標準食事、及びマーカー又は薬物を哺乳類へ確実に送達するための当該食事を使用するための方法、及び一連の高度な標準食事の全体で治療用及び診断用の薬物又はマーカーの吸収を測定するための食事の使用に関する。また、診断又は試験的な方法において使用される食事を検証する方法に関する。さらに、当該食事を使用して、食事及びそのマーカー又は薬物の消化、吸収及び/又は代謝の結果として身体上の(生理学的な)機能を測定してよい。
【背景技術】
【0002】
消費された食料の消化は、口腔中で開始され、ここで、食品が咀嚼により機械的に破壊され、唾液により潤され、且つ唾液中に存在するアミラーゼにより酵素的に処理される。消化は胃内で継続し、ここで、食品は、胃液及び胃内を覆う細胞により分泌される酵素により液化され、糜粥が作製される。糜粥は、肝臓により産生される胆汁塩及び膵臓の消化酵素によるさらなる処理のため、幽門括約筋を介して小腸に入る。小腸により吸収されないか、又は小腸に輸送されない成分は、大腸におけるその後の処理を受ける。
【0003】
糜粥が小腸へ向かう速度(胃内排出速度)は、例えばホルモン、摂取物中の化学信号、及び神経系からの信号等の様々な生理学的因子の結果である。
【0004】
多数の集団は、当該排出速度に影響を及ぼす障害により影響を受ける。例えば、当該速度が加速されると、未消化の食品が、胃から小腸へ時期を早めて放出される。逆に、当該速度が減速されると、胃から小腸の消化への動きは遅延され、「遅延排出」と呼ばれる又は胃不全麻痺として知られる症状が生じる。
【0005】
異内排出速度に関与する障害は、典型的には、食事が胃から排出され、且つ小腸に入る速度を観測することにより診断される。これらの試験では、典型的には、食用食事を使用して、マーカーを動物の内臓に輸送し、且つ胃内排出を当該マーカーにより観測する。現在は、ヒトにおける胃内排出速度を定量化するための定常的(代表的な)方法は、定量的胃部シンチグラフィーである。シンチグラフィーには、少なくとも1つの食用食事を含む食事の摂取、放射性標識化された成分、及び標識付き食品が胃から排出された場合のシンチレーションカメラ(胃の外側に位置される)によりガンマ放出の測定が必要である。
【0006】
胃内排出のシンチグラフィー測定において使用される最も一般的な食事タイプは、典型的には、0.5mCi 99mTc硫黄コロイドを、2つの生卵又は商標名Egg Bcatcr(登録商標)で販売されるConAgra製の製品等の120グラムの液体卵代替物と共に料理することにより作製される。典型的な使用においては、患者は試験の前日夜に絶食する。試験時に、患者は、2枚のパン、30グラムのジャム及び120mlの水と共に、料理された放射標識付き卵成分を消費する。試験食事を消費後すぐに、前部及び後部のカメラを用いるシンチグラフィースキャンを行い、そして2時間では15分毎に、及び6時間までは30分毎にスキャンを取得する。カメラは胃から排出する食事を直接測定するため、胃内排出のシンチグラフィー測定は直接的である。
【0007】
シンチグラフィーの結果は、「排出食事割合(Percent Meal Emptied)」、又は逆に、「保持食事割合(Percent Meal Retained)」として報告することができる。典型的には、保持される食事の%は、各時点で現れるガンマ放出量に基づき、1、2、3及び4時間の時点で計算及び報告される。経時的に、より多くの食事が排出され、それ故、胃からのより少ないガンマ放出が観察されることになる。GI委員会において構築されるシンチグラフィー測定基準は、遅延胃内排出を、健常な個体において約4時間で排出されることが実証されている〜225kcalの食事を利用した場合、4時間の時点で残存する食事が>10%であると規定する。保持される割合が多ければ多いほど、胃内排出速度は遅い。シンチグラフィースキャンにおいては、さらなる2つのパラメータが臨床的に有用である。第一のtLAGは、食事の最初の10%が胃から排出するために要する時間である。第二のt1/2は、成分の半分が胃から排出されるために要する時間である。放射性標識の胃内保持割合は、シンチグラフィー胃内保持曲線を作成する各時点で計算される。当該曲線は、力指数関数的モデルを有する数学的モデルであり、診断結果tLAG及びt1/2は、当該曲線から計算できる。
【0008】
複数の不利点は、従来のシンチグラフィー方法に関連する。第一に、患者は放射性同位体に暴露されなければならない。これは、特に、出産適齢期の女性又は子供にとって問題である。さらに、当該手法は、特別な核医療施設で行う必要がある。最後に、当該手法のための準備は煩雑であり、潜在的に試験手法に誤りが誘導される可能性がある。当該手法の前に、個人は、標識付き食事を調製しなければならない。料理パラメータ又は食事の品質により、一貫性及び食事マトリックスが病院毎に変動する可能性があり、標準化がなされない。例えば、カロリー値、食事のマトリックス、及びシンチグラフィースキャン時間は、試験するセンター毎に変動する。任意の医療試験と同様に、標準化は胃内排出試験手法において非常に重要である。
【0009】
近年、胃内排出速度を測定するための方法は、非放射活性マーカーで標識付けした食用食品を利用するものが報告されている。非放射活性標識付きの食用食品が消化される場合、標識付き成分が作製され、それは患者の呼気中で検出され得る。この方法は、出願人による米国特許5,707,602号に詳細が記載されており、これによる教示は参照により本明細書に組み込まれる。この特許は、高度に富化した13CO2環境下で増殖した栄養補助食品、スピルリナ・プラテンシス、アオコの使用についての記載がある。藻類バイオマスへ組み込まれた13Cは、非放射活性マーカーとして作用する。標識付き藻類の少量を、ロール又は朝食用バーとして焼き、そしてジュース又は水と一緒に患者によって消費される。当該食事は、胃により、およそ1〜2mmの粒子サイズに粉砕され、そして胃から腸まで幽門(pylorous)を介して通過する。腸においては、13C−スピルリナ・プラテンシス消化の標識付き産物は吸収され、且つ代謝され、呼気中に吐き出される標識付き二酸化炭素を生み出す。患者の呼気における13CO2の出現率(13CO2排出率)は、胃内排出速度に相関する。
【0010】
シンチグラフィーと対照的に、上記のマーカーによる胃内排出の測定は間接的である。したがって、胃の排出時間が13CO2曲線から計算できるように、シンチグラフィー胃内保持曲線と、13CO2排出曲線を数学的に相関することが望ましい。例えば、放射活性シンチグラフィー標識及び13CO2方式の両方を同じ食事に同時に投与する場合、シンチグラフィー測定から得られる診断パラメータと患者の13CO2排出率から得られる対応データとの間の関係を発展させる一般的な直線モデルを使用することができる。
【0011】
13CO2排出曲線及びシンチグラフィー減衰曲線の正確な相関のために(予測的な数学的モデルの作成が可能であり、当該モデルから、代理(surrogate)t1/2胃内排出率は、13CO2排出データのみを使用して計算できる)、干渉変数(interfering variables)の数を低減するよう、マーカーを送達する食用食品及び/又は食事マトリックスを標準化することが望ましい。例えば、十分に許容されるマーカー又は薬物(基礎(predicate))が組み込まれる食品及び/又は食事(基礎食事)とは異なる、新規なマーカー又は薬物(代理マーカー)が食用食品及び/又は食事に組み込まれる(代理食事)場合、相関プロセスは、より困難であり、及び/又は予測値が不良である可能性がある。すなわち、基礎及び代理食事では、組成物、質感、及び栄養含量が互いに可能な限り類似することが望ましい。
【0012】
同様に、かかる標準化は、医学界で正確性及び受容性を確保する周知で受容されている検査に対して、新規な診断的又は医学的検査の検証を可能にする。新規な検査が、例えば、間接的対直接的などの異なる手法で生理学的特性を検出し、評価し、又は測定する際に、これが特に重要である可能性がある。
【0013】
新規な医学的検査と伝統的な医学的検査との間の標準化に加え、各個別の方法が標準化されることが望ましい。医学的検査はまた、それが行われる各々の時間と一致して行われることが望ましい。
【0014】
すなわち、診断的マーカー又は治療的薬物と組み合わせた食事を胃へ、又は胃を越えて送達する場合、信頼性、再現性、正確性及び標準化を確保することが望ましい。当該新規な(代理の)マーカーの性能を検証する、及び当該薬物又はマーカーの吸収及び/又は活性を測定する、信頼性のある方法を提供することがさらに望ましい。
【0015】
出願人は、米国特許出願第12/121,116号に記載されるように、凍結乾燥した標準胃内排出検査食事を以前に開発している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
今回、出願人は、胃内検査のために使用することもできる標準胃内排出検査食事の、代替的な製造方法を見つけることを所望する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
いくつかの実施態様は、マーカーで標識付けされる標準化食用食品の製造方法を提供し、且つ当該標準化食用標識付き食事を製造する。ある実施態様によれば、当該方法は、マーカーを提供するステップ、当該マーカーの既知量を、食用食品成分全体に均一に分布させるステップ、及び流動床プロセスの使用を介し、マーカーの、栄養分の、及びカロリーの所望の均質性を有する、最終的な乾燥した保存可能な標準食事を製造するステップ、を含んでなる。当該マーカーは、スピルリナ・プラテンシス等のバイオマスを介して組み込むことができる。かかる食用食品成分は、全卵、例えば、満足できる味、栄養組成物、及びカロリー値のために特に製剤化された液体卵製剤に由来する全卵を含むことができる。
【0018】
ある実施態様によれば、流動床標準食事の製造方法には、食用食品を提供すること、標識を提供すること、当該食品及び標識を流体化すること、及び当該流体化した食品及び標識を凝塊形成し、マーカー、栄養分、及びカロリーが所望の均質性を有する、最終的な乾燥した保存可能な標準食事を製造すること、を含む。他の実施態様によれば、食用食品を、流動床顆粒化チャンバーにおいて流体化される唯一の成分とすることができ、一方、標識は、溶液又は懸濁物に入れられ、且つ流体化食品粉末に噴霧されて最終粒子を形成することができる。あるいは、標識を、流動床顆粒化チャンバーにおいて流体化される唯一の成分とすることができ、一方、食品は、溶液又は懸濁物に入れられ、且つ標識に噴霧されて最終粒子を形成することができる。流体化顆粒化プロセスを介して、食品及び標識の性質に適する様々な順番で行うことができる。
【0019】
方法には、可能であれば含水率が3%未満であるように、前記食品及び標識を乾燥させることがさらに含まれてよい。方法には、乾燥した食品及び標識を包装することがなおさらに含まれてよい。当該食品は、乾燥全卵を含んでなるか、基本的に当該全卵からなるか、又は当該全卵からなり、並びに、前記標識は、乾燥13C標識付きスピルリナ・プラテンシス等の乾燥標識付きバイオマスを含むことができる。ある場合では、凝塊形成には、流体化食品及び標識へ、可能であれば約25グラム/分の速度で、霧状水を適用することが含まれる。凝塊形成プロセスの間、当然この速度を調整することができる。
【0020】
これらの方法により製造される流動床標準食事は、少なくとも約100%の結合能、少なくとも約6.0%(可能であれば少なくとも約4.0%)未満の相対標準偏差、少なくとも約95%の最終生成物の収率、及び/又は少なくとも約0.2のa値を有することができる。ある場合においては、食用食品には食品粒子が含まれ、且つ標識には標識粒子が含まれる。食品粒子は、標識粒子の密度とは異なる(可能であれば、より高い)密度を有することができる。当該食品粒子はまた、標識粒子の含水率とは異なる(可能であれば、より小さい)含水率を有することができる。例えば、食品粒子は、3%未満の含水率を有することができ、且つ標識粒子は、5%未満の含水率を有することができる。また、食品粒子は、標識粒子の粒子サイズとは異なる粒子サイズを有することができる。例えば、食品粒子は、約355〜約1,000ミクロンの粒子サイズを有することができ、且つ標識粒子は、約250ミクロン未満の粒子サイズを有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
出願人は、食品成分全体に均一に分布される既知のマーカーを含有する流動床標準食事を調製するのに使用することができる流動床プロセスを発見した。当該流動床標準食事は、吸収及び代謝の健康の測定のため、及び食物及び基質の消化管運動、吸収、又は代謝の問題に関係する可能性のある異常の診断及び治療的介入の観測のため、標準食事の胃内排出速度の測定等の、(ヒト又はその他の哺乳類における)生理学的プロセスの測定に使用できる。当該方法には、粉末化又は顆粒化した形態等の乾燥形態で食品を提供すること、13C標識付きバイオマス又はその他の化学物質等のマーカーを提供すること、及び流動床処理方法を用いて食品成分を当該マーカーと均一に混合すること、が含まれる。結果物は、経口医薬製品に適する規制基準に対して安全で、効率的で、診断的に信頼でき、標準化され、且つ均一に製造され、並びに臨床応用において容易に使用できる、標準化胃内排出検査食事である。本明細書において、流動床処理及び流動床造粒は同じ意味で使用される。
【0022】
標準食事を調製する記載のプロセスの使用には複数の利点がある。流動床標準食事は、安定な同位体標識付き物質又は薬物等の確実且つ正確に、食用食品マトリックスに組み込まれたマーカーを有するビヒクルを提供する。流動床標準食事はまた、全ての医療的使用者及び投与部位にわたり、検査の標準化を確保する。様々な生物学的マーカー又は薬物、及びその組み合わせが組み込まれ、且つ同じ食事マトリックスから評価されることができる。流動床標準食事には冷凍は不要であり、当該食事の貯蔵をより容易にし、且つ損傷を防ぐ。
【0023】
本発明の実施態様において使用される流動床技術は、本質的には、チャンバー内の大気環境で粒子を流体化する。流体化床は、個体粒子を十分に動かすかなりの速度で、当該粒子を通って上方に通過する大気又は気体の流れを伴う個体粒子の床である。大気が粒子床を通過すると、床に対して特有の性質を与える。例えば、床は液体として機能する。すなわち、湿気又はその他の液体が当該プロセスに導入される場合、流体化床は、様々な粉末もしくは類似物質を混合するか、均質な流体化床混合物を作製するか、含水生成物を乾燥させるか、粒子を凝塊形成するか、粒子の流動特性を向上させて包装を促進するか、又は被覆粒子及び顆粒を作製するために使用することができる。これまで、食品成分及び診断マーカー及び/又はその他の診断的もしくは治療的物質の両方を、ヒトにおける疾患の診断及び観測、及び関連する治療に適する標準食事に組み込むために、流動床造粒が使用されたことは一度もない。
【0024】
出願人は、流動床処理法が、食品成分を13C標識付きバイオマス等のマーカーと均一に混合するために使用でき、それにより、包装、再水和、料理、及び患者への投与に適する、一貫した食品及び13C均質である、粒子、顆粒、ペレットもしくはその他の類似物を作製することができることを発見した。流体化プロセスは、標識が消化の間に食品から分離されないように、13C標識を食品に組み込み及び結合する。食事が対象に投与されると、13C標識は、食品全体に組み込まれ、且つ食品と結合状態を維持する。それ故、13C標識は、食品と共に通過し、消化を受けている食品の真の通過速度を反映する。結合が不十分な場合は、標識は、消化の間に食品から離れ、且つ液相に入る可能性があり、食品よりも迅速に吸収され、不正確な検査結果をもたらす。しかしながら、本発明の実施態様は、標識が食事に結合し、且つ消化プロセスの間結合状態を維持し、正確な検査結果を提供する食事を提供することによりこの問題を回避する。
【0025】
当業者は、流動床造粒の方法により調製される胃内排出食事が機能しないことを想定するはずである。例えば、固相胃内排出検査等の診断的検査において食事が成功するように、消化の間、食事成分にマーカーを結合させたままにするはずである。当業者は、流動床造粒プロセスが、食事及びマーカー成分の両方の結合及び消化特徴にネガティブな影響を与える可能性があることを想定するはずである。例えば、流動床造粒において、食品マトリックス粒子及びマーカー粒子の両方が、乾燥粒子として初めに流体化されるはずである。流動床造粒プロセスの間、粒子は、強大な動的(混合)力、霧状水での再水和(使用される水の量は、乾燥粒子の質量のおよそ50重量%である)、そしてその後の大気がチャンバーを通過する温フィルターを介する再乾燥を受ける。さらに、食品及びマーカーの性質、サイズ及び密度の全てにおける差異は、流動床造粒処理の間に、食品粒子へのマーカー粒子の合体が存在しないことの原因、又は非一貫した合体の原因となる可能性がある。食品のマーカーマトリックスが下手な(rugged)流動床処理手法を受けるために、流動床造粒プロセスが、食品成分特性における非一貫性の原因となることは知られていないはずである。最終生成物の重要な特性に影響があり得る。例えば、食品成分へのマーカーの結合能は、食品又はマーカーのいずれかがプロセスの間に機械的又は化学的に変えられることに影響する可能性がある。しかしながら、出願人は、従来の乾燥食品、例えば、凍結乾燥し、粉砕され製剤化された全卵の流動床造粒処理が、食品へのマーカーの結合能にネガティブな影響を及ぼさないことを発見した。
【0026】
特定の実施態様によれば、食用食品成分は、乾燥粉末又は顆粒化形態である任意の食品があり得る。例えば、食品は、粉砕されているか、又はそうでなければ、適度に均一な粉末若しくは顆粒化形態に崩壊されている噴霧乾燥もしくは凍結乾燥した全卵であってよい。食品は、全卵を含んでよく、例えば、満足のいく味、栄養組成物、及びカロリー値のために特に製剤化された液体卵製剤に由来する全卵がある。液体全卵は、購入することができ、且つ本発明の実施態様において有用な乾燥卵を得るために凍結乾燥プロセスに供することができる。
【0027】
マーカーが組み込まれる標準食事は、獲得されてよく、及び/又は粉末化、粉砕化、もしくは顆粒化状態に作られてよいヒト消費に適する任意の食品タイプであってよい。例えば、胃内排出検査に使用される典型的な食事には、スクランブルエッグ及びレバーが含まれている。当業者に理解されるように、噴霧乾燥プロセス、フリーズドライプロセス、又は適切な粉砕による類似のプロセスに修正可能である任意の食品品目を使用してよい。食品品目は、特別な規制食の必要がある患者に供給するために、選択される可能性があり、例えば、ベジタリアン又はコーシャ基準の下処理される所望の食品がある。
【0028】
ある実施態様によれば、標準食事は卵である。従来のシンチグラフィー法は、放射標識付きの食料品店で購入した卵で作ったサンドイッチからなる食事が提供されている。近年の研究からは、生物学的な13C標識付き食事由来の13CO2排出曲線が、胃内シンチグラフィーから得られるガンマ放出曲線と良好に相関することが示されている。
【0029】
さらに、特別に製剤化された卵は、噴霧乾燥プロセス、凍結乾燥プロセス、又は類似のプロセスに修正可能であり、且つ長期貯蔵期間を有する。好ましくは、卵は全卵であり、黄身及び白身の両方を含む。
【0030】
食事又は食事の食用食品成分に、13C等の安定で生物学的に安全な同位体で標識付けすることができる。当業者に理解されるように、13Cは、ヒト消費に適する任意の供給源から提供されてよい。例えば、13Cを含むオクタン酸を、食事又は食事の食用食品成分と混合してよい。ある実施態様によれば、13Cの供給源はスピルリナ・プラテンシスである。この13C含有食用アオコは、同一出願人による米国特許第6,872,516号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるような13C富化環境において藻類細胞を増殖することにより得てもよい。摂取されると、13C標識付き化合物、バイオマス、又はその他の化学物は、対象に摂取されると、消化、吸収、代謝、又はその他の生理学的プロセスを介して13C標識付き二酸化炭素(13CO2)を発生することになる。13C標識付き二酸化炭素(13CO2)は、対象の呼気サンプルを得ることにより後で回収してもよい。
【0031】
当業者に理解されるように、食事又はその成分に付加される藻類又はその他の13C供給源の量は、様々な因子に依存することになるはずであり、例えば、所望の投薬量、食事物質の量、及び13C供給源などがある。複数の食事が流動床造粒方法により作製することができるのは明らかである。マーカーが食事又はその成分において均一に分布すると、個別の給仕は、重量、容量、又は任意のその他の好適な技術で、バッチを単純に分けることにより作製することができる。
【0032】
流動床標準食事は、様々なマーカー作製でき、且つ幅広い食事タイプに適用でき、且つ全てのタイプ及び量のマーカーを組み込むことができ、マーカーとしては、例えば、13C標識で直接合成されるもの、又は13C−スピルリナ・プラテンシスのようなバイオマスの13C標識付けから得られるものがある。本発明のある実施態様によれば、流動床標準食事は、凍結乾燥され、粉砕され、特に製剤化された全卵及び乾燥粉末化13C標識付きスピルリナ・プラテンシスバイオマスを、0.1グラムの13Cスピルリナ・プラテンシスバイオマスに対して27グラムの卵の比率で用いて調製してよい。卵及びバイオマスを、FL−M−I流動床作製ユニット(Freund Industrial Co.Ltd.製、東京、日本)等の流動床プロセッサに導入してよい。当該卵及びバイオマスを、流動床装置への導入前に任意に混合器で予備混合してもよい。フィルターを通した空気を65℃で導入し、成分を流体化する。流体化後、慎重に制御された霧状水スプレーを25グラム/分の速度でプロセスに導入してよい。卵粒子及び13C−スピルリナ・プラテンシス粒子は、経時的に合体し(スケールによるが、およそ30分以上)、且つ混合物質から構成される均質な粒子を形成する。霧状化スプレーをはずし、流体化粒子を含水率3%未満に乾燥させて、2つの成分の混合粉末/顆粒を形成させてもよい。食品マトリックス及び13C含量が均一な得られた粉末又は顆粒を、より小さい単位に包装された単位用量とし、胃内排出速度の測定のために使用される診断キットの一次検査食事成分として含ませてもよい。各標準化卵食事の均質性及び均一性は、物理的な一貫性及び診断的な信頼性を保証する。
【0033】
試験結果の正確性を確保するため、13Cを食用食事又はその食品成分全体に望ましく均一に分散させる。ある実施態様によれば、食事又はその成分及び13C標識付き基質(例えば、バイオマス基質)を別々に凍結乾燥する。その後、流動床処理チャンバーに導入される一次成分として、凍結乾燥した13C基質の予備的測定量を、特に製剤化した凍結乾燥した卵の予備的測定量と完全に混合する。流動床処理方法は、流動床標準食事の生産に使用される。この実施態様によれば、必要な場合の再構築及び料理以外の現場での調製は、流動床標準食事の投与には必要ない。
【0034】
ある実施態様によれば、大量の液体卵製剤を、凍結乾燥するか、又は噴霧乾燥し、流動床造粒作製プロセスにおける食事成分としての使用に適する、ブランク(未標識の)乾燥卵の「マスター」バッチを得る。好適な液体卵製剤は、Willamette Farms(Newberg,Oregon)等のUSDA認定供給業者から入手できる。好ましくは、液体卵製剤には全卵が含まれる。乾燥後、ブランク卵のバッチを粉砕して、比較的一定な粒子サイズを得ることができ、そしてサブバッチに分類され、且つ保存される。後に、1又は複数のサブバッチのマスターブランク乾燥卵を、流動床標準食事のバッチの作製における使用のために戻すことができる。食品成分と混合されるマーカーは、乾燥粉末、懸濁物、結晶、又はその他の可溶性もしくは分散性形態があり得る。ある場合においては、マーカーには、13C−スピルリナ・プラテンシス等の13C標識付きバイオマスが含まれる。マーカーは、任意の所望量で食品マトリックスに添加することもできる。最後に、マーカー及び粉末化ブランク卵成分の両方は、流動床造粒プロセスを一緒に受け、異内排出検査又はその他の消化もしくは吸収プロセスの測定において使用できる、標準化均一な標識付き食事を提供する。
【0035】
その他の実施態様によれば、食品成分が、流動床造粒チャンバーにおいて流体化される唯一の乾燥成分であってよく、一方、マーカーを、溶液又は懸濁物に入れ、且つ流体化食品粉末に噴霧され、最終粒子を形成させてもよい。あるいは、マーカーが、流動床造粒チャンバーにおいて流体化される唯一の乾燥成分であってよく、一方、食品成分を、溶液又は懸濁物に入れ、且つ流体化食品粉末に噴霧され、最終粒子を形成させてもよい。使用される食品及びマーカーの性質に適する様々な順序が、流体化造粒プロセスを介して提供され得る。
【0036】
出願人は、意図される食品成分、例えば全卵粉末化卵のマスターバッチ、及びマーカー、例えば13C−スピルリナ・プラテンシスのマスターバッチを作製することが、流動床造粒技術を使用する場合に経済的且つ規制的な利益を提供することを見出した。大量の食用食品成分、例えば、特に製剤化された液体全卵は、時間内の特定の点で作製されるか又は得られ、その後巨大なバッチで乾燥される。すなわち、規定された製剤当たりの栄養マトリックス及びカロリー値が均一な、製剤化卵の単一の巨大バッチは、流動床造粒プロセスが開始される直前に、食品成分を繰り返し作製するか又は得るよりも、直ちに得ることができ且つ処理することができる。各々の標準食事製品について、小さく独立して作製された食品及びマーカー成分のバッチを使用することは、質コントロール手法、質コントロール検査、表示、包装、及び安定化検査の諸経費における重複のために経済性が悪い。しかしながら、特定の実施態様は、小さな独立して作製されたバッチの使用が可能である。食品及び/又はマーカー物質の巨大なマスターバッチの作製後、当該マスターバッチを任意の所望数のサブバッチに分け、そして保存することができる。例えば、乾燥卵200キログラムのマスター食品バッチは、741キログラムの特に製剤化された液体卵(27%固体)を獲得することにより作製されてよく、当該卵は噴霧乾燥又は凍結乾燥のいずれかにより乾燥され、その後粉砕される。その後、バッチをバルク中で保護し、低湿度及び低O2で密封包装する。流動床顆粒プロセスにおいて使用されるスケール及び装置によって、流動床標準食事の多数のバッチを、マスター食品製品の単一のロットから作製してもよく、例えば、20キログラムバッチの流動床標準食事の10バッチを、200キログラムのマスター食品バッチの1つのバッチから作製してもよい。同様に、マーカーのマスターバッチを、今後の流動床造粒バッチの使用のために作製し、且つ同様にさらに分割してもよい。
【0037】
所望の時点で、各成分(食品及びマーカー)の1又は複数のサブバッチを、マスターロットから戻すことができ、そして流動床造粒プロセスを介して均一に混合できる。マスターバッチから作製される流動床標準食事サブバッチの数は、診断食事の販売数及び在庫要請に緊密に協調する。言い換えれば、標識付けされ標準化された食事の作製が所望される場合、保存したサブバッチは、新鮮な食品成分及び/又は新鮮なマーカーを各々のバッチの直前に作製又は注文しなければならないことと比べると、より容易に使用できる。それ故、その後マスター食品及びマーカーのサブロットは、一緒に流体化され、流動床標準食事のバッチを提供する。このマーカーを組み込む流動床標準食事新規なバッチは、個別の用量及び包装された単位用量にさらに分割され、個別の患者への投与が意図される胃内排出検査キットに挿入される、一貫したマトリックス、カロリー値、マーカー含量及びマーカー均一性である標準食事を提供する。この作製プロセスは、製造業者が、より一貫した物質を有するマーカーを組み込み、質コントロール要請の煩雑さが少なく、並びに販売数及び在庫要請とより緊密に協調する、高度に標準化され且つ均一な検査食事を一貫して調製することを可能とする。
【0038】
流動床プロセスのさらなる利点は、製造速度である。食品及びマーカー物質のマスターバッチは、調製に多くの時間がかかる。卵の製剤化、乾燥、及び包装は、最終食事製品を作製するために1ヶ月超かかる可能性がある。マーカーの合成及び関連する質検査は、経口医薬がさらにより長いリードタイムを有するような使用のためのマーカーの放出が必要である。しかしながら、これらの物質は、あらかじめ大量に作製され、且つマスターバッチから利用可能状態が維持できるので、物質と組み合わせ、且つ最終流動床標準食事粉末を作製するために使用される流動床造粒プロセスは、4時間未満かかる可能がある。多数のバッチが1日で調製できる。
【0039】
結合回復割合は、13Cマーカー由来の13Cシグナルが、U.S.P.(米国薬局方)胃液を用いるインビトロ(in vitro)消化後に、標準食事の(1又は複数の)食品成分に結合状態を維持する量を決定するために使用される機能的アッセイの終点のことを述べるために使用される用語である。このアッセイにおいて、マーカーを有する食事は、患者へ送達するのと同じ手法で調製される。食事の半分は、消化の前に13C含量が評価される。食事における13C含量に特異的な同位体比質量分析シグナルを決定する。食事の残りの半分は、その後、シミュレートされたインビトロでのヒト胃内消化を受ける。その後、シミュレートされた消化後の残存固体を回収し、そして13C含量を分析する。標識が食事マトリックスの固体成分に結合状態を維持する場合、消化された食事から観察されるシグナルは、未消化食事のものと比較して実質的に同等以上であるべきである。
【0040】
出願人は、流動床処理の方法により調製された特に製剤化された13C標識付き全卵食事における13C標識の結合回復割合を決定するための研究を行い、そして凍結乾燥方法のみを使用して調製した同じ製剤の13C標識付き食事における結合回復割合の結果と比較した。コントロール食事は、107.5%の結合能を有した。実施例4に示されるように、FL−Multiフローコーター流動床プロセッサを用いる2バッチ、及びFLM−15プロセッサを用いて調製される1バッチ(両方ともVector/Freund(東京、日本)製である)の、流動床造粒の方法により調製される検査食事の3つのバッチは、それぞれ107.5%、109.0%、及び106.3%の結合能を有した。すなわち、検査食事バッチは、コントロール食事の結合回復割合と実質的に同等である結合回復割合を有した。それ故、マーカーは流動床造粒の方法により調製される食事において高度に結合状態を維持する。
【0041】
消化食事におけるシグナルは、未消化食事よりもわずかに高いが、これは、使用された卵製剤が、少量のスキムミルク固体を含んでいたためである。スキムミルク固体は、カロリー値及び味に寄与するが、標識の結合に関与せず、且つ残存消化後固体に保持されない。それ故、もともとミルク固体を含有する未消化の物質と比較して、残存する消化後の物質において、13Cの濃度がわずかに高い。平均すると、流動床造粒の方法により調製される流動床標準食事の多数のバッチにわたる割合は、平均するとおよそ107.3%である。それ故、流動床造粒の方法により調製される食事の13Cシグナル及び結合属性は秀逸である。したがって、驚くべきことに出願人は、流動床造粒に関与する、厳しい動的力、再水和、及びその後の乾燥手法が、13Cの結合及びシグナル伝達能、及び食事の消化特徴に損傷を与えないことを発見した。
【0042】
流動床造粒処理による、マーカー含有標準食事の調製における別の予測不能な因子は、存在する場合は、マーカー粒子が食品マトリックス粒子と統合されるか、又は合体する程度である。食品マトリックス全体にわたるマーカーの均一性は、標準食事に関連する、胃内排出、吸収又は代謝機能の測定が意図される食事において所望される特性である。均一性は、診断的信頼性をもたらす。さらに、均一性は、経口医薬製品についての、米国食品医薬品局の要請(又はその他の規制機関のもの)に適合する能力の製品に役立つ。望ましくは、商品流通を意図される製品の完全なバッチにわたる製品のサンプル採取により、サンプルのアッセイ値が、食品医薬品局のGMP要請に適合する、用量均一性が相対標準偏差(RSD)<6.0%であることを実証する。当業者は、食品マトリックス及びマーカー粒子特性における差異のために、例えば密度、含水率、及びサイズのために、流動床生成物においては、低い13C用量均一性RSDを期待しないはずである。出願人による流動床食事の開発において、密度0.4、含水率<3%、及び355ミクロン〜1,000ミクロン(平均して〜558ミクロン)の範囲の粒子サイズである乾燥卵粒子(食品マトリックス)が使用された。乾燥マーカー粒子(13C−バイオマス)は密度0.33、含水率<5%であり、且つ全ての粒子が<250ミクロンであるように、250ミクロンスクリーンを通した。それ故、密度が同等でない非均一粒子の均一な合体は、必ずしも期待されないはずである。しかしながら、出願人は、流動床造粒生成物全体にわたるマーカーの均質性が秀逸であることを確かに発見した。FL−Multiフローコーターを用いる流動床造粒方法により作製した流動床標準食事の2つのバッチの結果は、秀逸な13Cマーカー均一性となった。各バッチから10サンプルを取り、そして含量均一性についてのUSP法905により分析した。各バッチについての各のRSD割合は、3.1%及び3.9%であり、およそ50%が6.0%未満であった。同様に、大スケールFLM−15フローコーターにおいて作製された3つのさらなるバッチは、それぞれ3.0%、2.5%、及び1.4%のRDSという、さらに厳しい均一性を実証した。
【0043】
流動床食事におけるマーカーの所望の目標濃度が、流動床造粒にわたって達成されていないかもしれない可能性があることは、さらなる懸念であった。出願人の特許出願番号12/121,116号(マーカーを組み込む凍結乾燥食用食品、及び作製方法、2008年5月15日出願)に記載されるような、従来の標準食事含有マーカーの調製方法は、マーカーを含有する製剤化液体卵の凍結乾燥の間、凝華を介するプロセスから水のみが失われるので、意図した目標濃度に到達しない可能性が高い。食品マトリックス及びマーカーの固体は、凍結乾燥プロセスの間、失われることも、また機械的に操作されることもない。反対に、流動床造粒処理の間、物質は、チャンバーに導入され、且つおよそ150〜175cfm(立法フィート/分)又はそれ以上の速度で導入される温められた大気を介して流体化される。生成物がチャンバーに存在することを回避するが、製造プロセスの間に流体化大気の漏出が可能であるように、ポリエステルカートリッジフィルターを造粒装置の部分として使用する。それ故、食品マトリックス粒子が漏出するか、造粒装置の異なる成分に優先的に結合するか、そしてそれにより最終生成物における13Cマーカーの終濃度に影響が及ぼされるかは、予測できない。出願人は、驚くべくことに制御された条件下でプロセスを実行し、且つ造粒サイクル全体で連続的にフィルターにパルスを加えることにより、最終生成物の収率(初期物質の重量の和と比較したプロセスの終点での完成品の重量)及び13C濃度の目標の両方が達成可能であることを発見した。例えば、出願人は、FL−Multi 1フローコーターを用いて、500グラムバッチの流動床標準食事(食品成分として乾燥卵、及びマーカー成分として乾燥13Cバイオマスを使用して)を作製した。このプロセスの間、500グラムの乾燥粉砕卵を、1.8グラムの13C標識付きバイオマスと一緒に造粒器に導入した。当該バイオマスは、13Cを42.6重量%含有した。したがって、総出発質量は501.8グラムであった。プロセスの終点で回収される完成品の質量は、488.3グラムであり、又は出発重量の97%であった。完成品の濃度(13Cmg/完成品1g)は、目標濃度の96%であった。出願人は、バッチに添加される13Cマーカーに対してわずかに過剰な調節とすることにより100%の目標を容易に達成することができる。例えば、出願人は、3%過剰な13C標識付きバイオマスを使用して、同じ装置で同じサイズのバッチに対して同じプロセスを繰り返した。このバッチの収率は99%であり、生成物の13C濃度は、目標濃度の101%であった。
【0044】
上記のバッチは、FL−Multi I造粒器の能力のおよそ33%のスケールを用いて作製された。出願人は、流動床造粒器の効率及び収率は、当該流動床システムがその最大能力のおよそ75〜80%で操作される場合に最適化されることに着目した。別の例においては、出願人は、FLM−15流動床フローコーター(Vector/Freund製、東京、日本)を用いてプロセスをスケールアップし、FLM−15フローカーターの表示される80%能力である14.5キログラムのバッチサイズを作製した。当該バッチを、より小さいフローコーターシステム中で使用した14,500グラムの、製剤化し乾燥させた同じ卵を用いて製造し、41.56重量%の13Cを含有する13Cバイオマスを52.2グラム得た。収率は10%であり、且つ完成品の1グラム当たりの13C濃度は、目標濃度の99.6%であった。FLM−15フローコーターにおいて作製される3つの連続バッチは、類似する収率であり、且つ13C濃度は、平均して標的濃度の100.3%であった。
【0045】
最終的に、流動床造粒処理の間、食品及びマーカーマトリックスの両方に水分が導入されるので、生成物を乾燥させて損傷を防ぐことが望ましい。ある実施態様によれば、完成品、特に乾燥製剤化卵ミックスは含水率<3%である。流動床造粒により作製される出願人のバッチは、含水率<3%未満まで連続的に乾燥されることができる(平均=2.3%)。生成物は、チャンバーを流れる連続的に温められた大気等により、流動床造粒機器内でうまく乾燥されてよい。乾燥の関連特性を評価するために、食品保存の当業者は、水分活性として知られる生成物の特性を使用する。記号aで表される水分活性は、食品生成物における水のエネルギー状態の測定値である。低い水分活性は、微生物又は生成物の損傷に関与する可能性のあるプロセスを容易に利用できないことを意味し、望ましい。様々な因子は、水が生成物に「結合」する程度に影響を及ぼす。これらには、双極子−双極子、イオン的、及び水素結合を介して残存する水と相互作用する塩又は糖などの溶解した溶質の束一的な影響、水分子間の水素結合における変化、及び表面相互作用が含まれ、ここで水は、化学的及び疎水的結合を介してデンプン及びタンパク質等の成分上の化学基と直接的に相互作用できる。水分活性計測器は、生成物における自由水(未結合又は活性水とも呼ばれる)の量を測定する。
【0046】
出願人の検査食事における低い水分活性への到達は、以下の点で望ましい。(1)長期貯蔵安定性について検査食事を最適化すること、(2)化学的加水分解を受け易い食品マトリックス及びマーカーの両方において成分の分解可能性を低減すること、(3)検査食事の微生物混入に対する感染し易さを低減すること、及び(4)従来の微生物限度試験及び不所望の微生物に対するスクリーニングの負担及び頻度を低減すること。
【0047】
多くの微生物の増殖を補助するために必要な水分活性は、十分に確立されている。例えば大腸菌及び黄色ブドウ球菌等の周知の病原菌を含む不所望の微生物は、水分活性<0.6の環境で増殖する。流動床造粒方法で調製され、且つ含水率<3%まで乾燥させた出願人の検査食事は、非常に低い(最高の)水分活性レベルを示す。実施例3の記載の通り、13C標識付きバイオマスマーカーを組み込む出願人の検査食事の3つの独立したバッチについてa値は、それぞれ0.16、0.10、及び0.14であった。HLM−15フローコーターで作製される3つのさらなる連続バッチのa値は、それぞれ0.16、0.16、及び0.10であることが示された。出願人の非常に低い水分活性は、流動床食事の生成物保存、安全、及び秀逸な貯蔵可能性を確保する。
【0048】
送達食事が再構成されると、流動床製造プロセスの間に分解を受けやすくない任意のマーカー、同位体、又は薬物がその機能的活性を維持するように、流動床標準食事を使用して、当該マーカー又は薬物を効率的且つ正確に組み込み、そして送達してもよいと解されるべきである。マーカー又は薬物が食事の1成分に組み込まれてもよい、標準食事を調製するために使用される流動床造粒方法は、任意の医療的手法における使用のためのマーカー又は薬物を送達するために使用されてよく、ここで生理的又は診断的測定は、標識付き食用食品の消化後に患者によりなされる。
【0049】
流動床標準食事を使用して、患者又は検査対象における胃内排出を評価してよい。食事を使用するために、臨床職員は、検査の前に、一般的に特定量の飲料用水と共に、標識前の食事を再構成できる。ある場合には、食事は、再構成に続いて、加熱又は料理されてよい。例えば、製剤化され乾燥された全卵を用いる27グラムの13C標識付き粉末の袋を、4オンスの水で再水和し、そしてマイクロ波で1100ワットに設定して1.5分料理し、均一に標識付けされた卵パテを形成してもよい。その後、患者は、例えば標識付き藻類などのマーカーを含む食事を消化する。患者が小腸に食事を排出すると、13C標識と付随する食事成分が吸収及び代謝され、そして標識付き二酸化炭素産物、具体的には13CO2がもたらされる。13CO2は、患者の呼気に排出される。呼気サンプルは当業界で既知の技術で、周期的な時間間隔で回収され、呼気サンプルにおける13CO2量が、当業界で既知の技術により決定される。
【0050】
固相胃内排出測定の正確な結果のために、マーカーは、食用食品成分等の送達ビヒクルに結合状態を維持する。マーカーが解放される場合、マーカーは、液相への固相排出プロセスの前に、実際の固相胃内排出プロセスの代表例よりも早く幽門を通過して腸に入って出て行く可能性がある。解放されたマーカーはまた、通過するか、又は胃壁により吸収され、そして測定されることが意図される消化プロセスに関係のない13CO2シグナルを発生するような手法で、循環及び代謝プロセスに入る。すなわち、製造プロセスは、望ましくは、結合能を失う程度まで原材料の性質を変えない。
【0051】
13Cを用いる診断検査において、投与される13Cの量は既知である。呼気検査において、結果は、もともと取り込まれた量に直接関連する、生成される13CO2の量に基づく。実際の13C投薬量を決定するため、総炭素の重量割合、及びマーカーにおける13Cの割合で見る。これは表1に示されており、13C−標識付き藻類種S.プラテンシスを使用する場合、13C標識標的投薬の3つの異なる量を例示するものである。13Cの標的用量に到達するための食事に組み込まれなければならない13C標識付きS.プラテンシスの量は、以下の式により決定される。
【0052】
標的用量mg13C/(13C−原子%×総炭素%)=mg[13C]−分配S.プラテンシス
【0053】
表1は、上記式がいかに使用されるかの複数の例を提供する。この計算は、13C標識付き分子、又はバイオマス等のより大きな物に利用可能である。
【0054】
表1.3つの13Cの標的用量レベルに到達するための調剤の計算例
【0055】
【表1】

【0056】
S.プラテンシスについて、炭素含量は、一般的に約42%〜44%であり、13C組み込みは上の表に示される通り、約95%である。
【0057】
ある実施態様によれば、食事が胃内排出の評価に使用される場合、基礎99mTc標識又は食事、及び代理マーカー又は食事は、同じ食事マトリックスに組み込まれてよい。この場合、99mTc標識は、放射活性半減期性質が短いので、投与部位で食事マトリックスに添加される。
【0058】
ある実施態様によれば、基礎食事は、13C代理マーカーを含有する流動床食事である。基礎食事が再構成された後、放射標識及び13C代理マーカーが同じ特に製剤化された食品マトリックスにおいて結合するように、料理の直前に食事に99mTc標識を混合する。その後、患者は、二重標識付き食事を取り込み。及び胃内排出を上記のシンチグラフィー法及び呼気検査法で同時に測定する。すなわち、2つの測定が互いに比較され、数学的に補正される。放射標識及び代理マーカーの両方が同じマトリックスに組み込まれているので、この実施態様は、基礎食事タイプ又は基礎マーカーの信頼性のある検証を可能とする。そのようにすることにより、両方の検査は、別々の日に独立に各々の検査を行う必要はなく、同時に投与される。特に製剤化された同じ流動床食事に両方のマーカーを置き、且つ各々の方法を同時に行うことにより、通常の日常的な生物学的変動の効果は排除され、それ故、代理方法の、基礎方法に対する相関が、ヒトにおいて提示される通常の日常的な生物学的変動の不存在下で評価できる。
【0059】
基礎及び代理マーカーの両方の導入に適する流動床食事を確立する利点は、当該食事が、標識の投薬量が異なる検査に使用でき、適切な生理学的又は診断的結論を下すための食事から発生する十分な標識シグナルが存在することを確保することができることである。例えば、確立した放射活性基礎標識と、新規な非放射活性13C代理標識との間の関係を確立する前に、流動床造粒方法を介して食事に組み込まれ、患者における信頼性のある13CO2排出速度を提供する、13Cの適切な用量が決定される。当該シグナルは、容易に測定可能であり、基礎と代理マーカーとの間の数学的関係を確立する信頼性のあるデータを提供する。
【0060】
代理マーカー又は質感、組成物、及び栄養値において基礎食事と類似する薬物の使用を確実に検証するためにおける代理食事の開発、及び商業的に利用可能な食事/送達システムに容易に組み込むことができる代理食事の開発は、検査食事において、安定な非放射活性標識での放射活性標識の代用が可能となるはずである。すなわち、放射線暴露が望ましくない出産適齢期の女性、及び子供における胃運動性等の生理学的症状の評価において、安定な非放射活性マーカーが使用できる。
【0061】
多数の評価は、基礎及び代理マーカーの比較、患者内での胃運動性変動、胃内排出速度の患者間の比較、健常な個体における胃内排出の通常範囲の確立、異常対象から通常を差別化するカットオフ値の確立、治療効果の臨界値の確立等の、本明細書で記載される胃内排出マーカーを含有する流動床標準食事を用いてなされてよい。
【0062】
十分に特徴付けられた基礎方法、例えば、胃内シンチグラフィーに対して検証すると、本明細書で記載されるような、代理の非放射活性標識付き標準化流動床食事は、臨床応用における診断的検査によく適する。しかしながら、以前は大スケールの疫学的研究を行うことが困難である場合にその使用は特に重要である。胃内シンチグラフィーは高価であり、放射活性であり、且つ特別な施設及び装置を必要とする。高価なコストの他にも、子供及び出産適齢期の女性における疫学的研究において使用できない。本明細書に記載の方法により作製される食事は、理想的には、多数の集団が、単純で、便利で、且つ安全に検査され、様々な胃運動性の機能障害の有病率を決定できる研究に適する。例えば、胃内シンチグラフィーの限界のため、非常に限定された数の小規模な研究しか行われていなかったため、医療文献において記載されるような胃不全麻痺の有病率は非常に変動する。本明細書において記載される方法で作製され、且つ検証された13C標識付き標準食事の利用は、胃不全麻痺の真の有病率を統計的に検証するために十分な数で、胃不全麻痺の疑いのある様々な集団に対し便利且つ安全に提供できる。検査が標準化されるので、それを広範な集団及び場所で提供できる。例えば、胃不全麻痺は、主として、糖尿病、非潰瘍性機能的消化不良の患者において、及びGERD(胃食道逆流症)患者のサブセットにおいて発生すると考えられる。ここでは、これらの集団は、外来患者の疫学的応用において安全且つ便利に検査されることができる。
【0063】
理想的には、本発明の臨床応用において使用される代理及び/又は基礎食事の食用食品は、適切な規制標準に適合する制御された食品及び/又は医薬製造環境において調製され、且つ容易且つ信頼性のある再構成技術を有する長期包装安定性を有する。ヒトにおける胃内排出、吸収、又は代謝障害の診断及び観察用で商業的に使用されるために、関連するマーカーを伴う胃内排出食事は、医薬製品が「疾患の診断又は緩和において使用されるはず」であるので、当該製品に利用可能な、現在の適正製造基準に準拠して作製されることが法律により要請される。食品医薬品承認の品質システム及び医薬品製造規制(Food and Drug Administration's Quality System and Drug Manufacturing Regulations)に準拠する。これらの食事は、合法的に頒布され且つ不純物が混入していない製品であることの、特定の安全性、均一性、制御された製造、安定性、標識付け及び包装の要請に適合する。最も重要なことには、製品の診断的一貫性及び信頼性が保証される。ある規制パラメータは、患者に送達されることが意図される投薬の均一性である。食事の最終投薬形態の適切なサンプル採取は、相対標準偏差(%RSD)<0.6%の標識均一性基準に適合する。
【0064】
流動床製造技術は、これらの規制への準拠プロセスを促進する。このタイプの製造環境におけるこれらの流動床標準食事の調製は、食事の原材料が、不正確性をもたらす可能性がある、検査投与部位での無作為な調製がなされないことを保証する。例えば、非一貫性は、食料品店タイプの供給業者における差異、料理法及び時間における差異、及び検査投与技術により、部位毎に発生する可能性がある。さらに、食用食品の調製のための製造プロセスの使用は、より「標準化された」食事の製造だけではなく、規制要請と一致する適切な生物マーカー又は薬物と共に食用食品の広範な商業的使用が可能である。検査する部位で料理されなければならないような食事について、不確定要素を最小限にするために、基礎食事及び代理食事に同じ料理法が適用されることが最良である。流動床標準食事はまた、治療薬物について標準化送達様式として機能することができる。同様に、記載されるような流動床造粒方法により調製される各種の標準食事は、食事組成物を変化させながら、様々の診断的及び/又は治療的薬物の吸収を研究するために使用できる。さらに、マーカー及び/又は治療的及び診断的薬物を組み込む流動床造粒法により調製される標準食事は、食品成分、標識又は薬物の投薬量、及び重量での食品量は、信頼性のあるコントロールと共に送達されなければならない動物の研究用に使用できる。ある実施態様によれば、代理食事及びその代理マーカー又は薬物が、基礎及び基礎マーカー又は薬物との比較により有用であるように確立されていると、均質及び均一な製品を作製するために流動床技術を用いることは、食事の安定性及び安全性ばかりでなく、かかる標準食事で得られる検査結果の再現性も確保する。
【0065】
特定の実施態様は、以下の非限定的な例を参照してさらに記載されることになる。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、実施例に記載される実施態様において多くの変更がなされ得ることを理解するはずである。すなわち、本発明の範囲は、本出願に記載される実施態様に限定されるべきではないが、請求の範囲に記載される実施態様、及びこれらの実施態様の同等物のみに限定されるべきでない。
【実施例1】
【0066】
13C予備標識付き標準化卵食事の調製
液体卵製剤は、Willamette Farms,Inc.,(Canby,OR)から入手した。液体卵を、Oregon Freeze Dry,Inc.,(Albany,OR)で、全卵、水、無脂肪ミルク、砂糖、及び薫製風味剤から製剤化した、凍結乾燥し、乾燥し、粉砕し、低温殺菌し、脱糖した全卵を作製した。41.56重量%の13Cを含有する(同位体比質量分析により決定される)、乾燥し、粉砕した13C標識付きスピルリナバイオマスは、Advanced Breath Diagnostics,LCC(Brentwood,TN)から入手した。14.5キログラム(FLM−15 フローコーター容量の80%と同量である)の乾燥卵、及び52.2のバイオマスを、FLM−15流動床造粒機の処理チャンバーに導入した。流体化は、VPS Corporation (Cranbury,NJ)により行われた。
【0067】
当該処理から得られる食事の数は、以下の式から計算される。
14,500gの乾燥卵粉末/1食事当たり27g=537単位用量食事
【0068】
標準食事の目標13C濃度は、以下の通り計算される。
【0069】
【数1】

【0070】
卵及び13C−スピルリナ粉末を、2−立方フィートPK−V(成形)混合器で、5分間予備混合し、その後、造粒チャンバーに挿入する。これは流動床造粒技術においてしばしば使用される予備混合プロセスである。清浄で、乾燥しており、予備的に重み付けしたポリエステルフィルターを、造粒装置に組み込んだ。混合した粉末を挿入後、およそ55℃でフィルターを通した空気を用いてプロセスを実施した。150〜400cfmの範囲で変化する流量設定を使用し、粉末及び当該プロセスの間に、例えば霧状水が当該プロセスに挿入される期間に出現する産物の流体化を維持した。粉末の流動化後、霧状水を、50〜125グラム/分の間で変動する速度で系に導入される。製造の間、フィルターに、40psiで30秒毎に連続的にパルスを与え、当該フィルターが詰まること、及び/又は当該フィルター上に物質を保持することを回避する。得られた顆粒における物質の満足な均一性を生み出す凝塊形成が十分可能な時間にわたって当該プロセスが行われると、粒子の合体が完了し、且つ霧状水は中断した。流体化生成物を、造粒装置において、連続的で温かい空気流を用いて、含水率3%未満まで乾燥させた(Drying Mettler法での損失(Loss)を測定する)。造粒プロセス全体では、105分かかった。系に充填された14,552.2グラムの物質のうち58グラムのみがフィルター上に保持された(<0.05%)。造粒及び乾燥が完了後、フィルターからの保持された物質の分割量を、造粒チャンバーから回収されたバルク生成物と組み合わせ、そして再び2−立方フィートV混合器を用いて5分間混合した。
【0071】
収率は充填した物質に対して101.4%であり、濃度(mg13C/グラム)は、期待濃度(目標濃度)の98.1%であった。また、処理前に系に充填された粉末化卵のうち14,500グラムは、含水率1%であった。最終生成物は、含水率2.2%であった。含水率の違いによる重量の補正を行い、プロセスは100%の収率であり、且つ最終生成物は、目標13C濃度の99.63%を含有していた。(2.2%含水率での)水分活性は0.14であった。
【実施例2】
【0072】
マーカーの均一な分布の確認
流動床標準食事の500グラムの2バッチを、FLM−Iフローコーターを用いて調製した。当該バッチは、実施例1に記載の方法に従って調製した。2つのバッチを、USP法905:含量均一性に従って、13C均一性について検査した。各々のバッチから、最終バルク顆粒粉末全体から、10のサンプルを無作為に取り出した。各々のサンプルの一定量を、同位体比質量分光器に取り付けられた燃焼チャンバーにおける13C含量について分析し、そして既知の13C標準と比較した。
【0073】
第一バッチには、1.39mg/グラムの顆粒粉末が含まれていた。10サンプルの標準偏差は、0.04であり、且つ相対標準偏差の割合(%RSD)は3.1%であった。第二バッチには、1.47mg/グラムの顆粒化卵が含まれていた。10サンプルの標準偏差は、0.06であり、%RSDは3.9%であった。これらの結果は、13C標識が、食事マトリックスにおいて均一に分布していることを実証する。流動床標準食事における13C標識の均一性は、秀逸であり、且つ市販の医薬製品に必要とされる制限よりも、実質的により厳しかった(およそ50%まで)。
【実施例3】
【0074】
生成物安定性及び安全性を保証するための低水分活性の確認
水分活性(a)は、診断用及び治療用医薬における使用のために調製される標準食事の1つの特質である。生成物の保存、貯蔵安定性、及び生成物の化学的又は微生物的損傷に対する防御のために、低水分活性が望ましい。微生物的汚染及び不所望な生物増殖を回避するため、a値は、<0.6であることが必要である。実施例1及び2で作製した3バッチの流動床標準食事を、校正された市販のAqua Lab 水分活性メーター(Decagon Devices,Inc.,Pullman,WA.)を用いて水分活性を検査した。2つのバッチは、実施例2におけるFL−Multi I造粒器で作製され、1つのバッチは、実施例1におけるFLM−15で作製された。3つ全てのバッチを、含水率<3%まで乾燥させた。それぞれのa値は、0.16、0.10、及び0.14であった。それ故、これらの食事は、0.6制限の4分の1未満のa値を有する。
【実施例4】
【0075】
結合能の評価
実施例1及び2で作製された流動床標準食事の3つのバッチを、結合能についても検査した。コントロール凍結乾燥標準食事も試験した。各々の食事について、27gの重みで、且つ既知量の13Cマーカーを含有する顆粒粉末を、93gの水で再構成し、混合し、且つ料理した。料理した食事を冷却し、重さを量り、且つ4mmのスクリーンを通して回収パンに押し込んだ。スクリーンを通した一定量の物質およそ5グラムを、回収し、一晩100℃で乾燥させ、そして乳鉢及び乳棒で粉砕して微粉末にした。一定量の乾燥粉末10個を、ガス同位体比質量分析で燃焼及び評価し、13C濃度を決定した。
【0076】
スクリーンを通す操作の後、パンに残った卵食事の残存部分を、等量で2つに分割し、インビトロ(in vitro)消化に供した。2.0gのNaCl、800〜2500単位/たんぱく質mgの活性を有する3.2gのブタ胃粘膜由来の精製ペプシン、及び7.0mLの濃塩酸を、ILの水中で溶解することによりU.S.P胃液を調製した。
【0077】
卵食事部分を、丸底フラスコからおよそ0.25inに設置されたステンレス鋼パドル装置を用いて、200±20rpmの固定速度で一定に攪拌しながら、100mLの調製した胃液中37℃で30分間、インキュベートした。消化後、各々のフラスコの成分を、4mm、2mm、及び1mmの積み重ねたスクリーンセットに注ぎ、そしておよそ4L/分の速度で1分間、冷却水道水ですすぎ、そしてスクリーニング積み重ねが流れ出るようにした。各々のスクリーンに残存する消化された食事の重さを記録し、梱包されたアルミニウムサンプルパンに単離した。サンプルを一晩100℃で乾燥させ、過剰な水分を除去した。
【0078】
1mmスクリーン(完全な粉砕プロセス後に、食品粒子の最も小さいサイズの代表である1mmサイズ粒子が到達する)から得られる、2つの消化後乾燥物質の各々から一定量の5個(全部で10個)を、燃焼及び同位体比質量分析により、13Cについて分析した。これらのサンプルの13C含量を、消化前(未消化)サンプルの13C含量と比較した。結合割合を、以下の等式に従って計算した。
(消化後食事の炭素1g当たりの13C)/(消化前食事の炭素1g当たりの13C)×100
【0079】
消化前及び消化後食事の各々から得た一定量の10個の平均値を計算し、サンプルの結合能を決定した。3つの食事についての結合能の値は、107.5%、109%、及び106.3%であった。比較として、凍結乾燥したコントロールは、107.4%の結合能を有した。それ故、流動床造粒は、食品マトリクスに対して干渉するプロセスではなく、むしろ秀逸なマーカー結合特性を提供するプロセスである。
【0080】
本発明の好ましい実施態様を記載してきたが、本願発明の本質及び添付の特許請求の範囲様々から逸脱することなく、前記実施態様に、変化、適用、及び修正を行うことができると解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用食品を提供すること;
標識を提供すること;
当該食品及び標識を流体化させること;及び
当該流体化食品及び標識を凝塊形成させること、
を含んでなる、流動床標準食事の製造方法。
【請求項2】
前記食品及び標識を乾燥させることをさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記食品及び標識を、含水率が3%未満であるように乾燥させることをさらに含んでなる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記乾燥化食品及び標識を包装することをさらに含んでなる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記食品及び標識を予備混合することをさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記食品が乾燥全卵を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記標識が乾燥標識付きバイオマスである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記乾燥標識付きバイオマスが、乾燥13C標識付きスピルリナ・プラテンシス(Spirulina platensis)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記凝塊形成が、霧状水を前記流体化食品及び標識に適用することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記霧状水の適用が、約25グラム/分の速度で霧状水を適用することを含んでなる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記流動床標準食事が、少なくとも約100%の結合能を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記流動床標準食事の13C線量均一性相対標準偏差が約6.0%未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記流動床標準食事の13C線量均一性相対標準偏差が約4.0%未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記食用食品が食品粒子を含み、且つ前記標識が標識粒子を含み、食品粒子は標識粒子の密度とは異なる密度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記食品粒子が、標識粒子の密度より高い密度を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記食用食品が食品粒子を含み、且つ前記標識が標識粒子を含み、食品粒子は標識粒子の含水率とは異なる含水率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記食品粒子が、標識粒子の含水率より少ない含水率を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記食品粒子が3%未満の含水率を有し、且つ前記標識粒子が5%未満の含水率を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記食用食事が食品粒子を含み、且つ前記標識が標識粒子を含み、食品粒子が標識粒子とは異なる粒子サイズを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記食品粒子が約335〜約1,000ミクロンの粒子サイズを有し、且つ前記標識粒子が約250ミクロン未満の粒子サイズを有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記流動床標準食事の最終生成物の収率が少なくとも約95%である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記流動床標準食事のaw値が約0.2未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
目標濃度を確立すること、及び少なくとも95%の目標濃度を得ることをさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
乾燥成分を提供すること;
溶液又は懸濁物中で含水成分を提供すること;
流動床プロセッサを提供すること;
前記流動床プロセッサにおいて乾燥成分を流体化すること;
前記流動床プロセッサにおいて含水成分を霧状化すること;及び
当該流体化乾燥成分及び霧状含水成分を凝塊形成させること、
を含んでなり、前記流体化乾燥成分は、食用食事又は標識のいずれかであり、且つ前記霧状含水成分は、食用食事又は標識の他方である、流動床標準食事の製造方法。
【請求項25】
乾燥食用食品を提供すること;
流動床プロセッサを提供すること;
前記流動床プロセッサにおいて食品を流体化すること;
溶液又は懸濁物中に標識を提供すること;
前記流動床プロセッサにおいて前記標識を霧状化すること;及び
流体化食品及び霧状標識を凝塊形成させること、
をさらに含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
乾燥標識を提供すること;
流動床プロセッサを提供すること;
前記流動床プロセッサにおいて標識を流体化すること;
溶液又は懸濁物中に食用食品を提供すること;
前記流動床プロセッサにおいて食用食事を霧状化すること;及び
霧状食品及び流体化標識を凝塊形成させること、
をさらに含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
凝塊形成した含水成分及び乾燥成分を乾燥させることをさらに含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
含水率が3%未満となるように、前記凝塊形成した含水成分及び乾燥成分を乾燥させることをさらに含んでなる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記食用食品が全卵を含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記標識が標識付きバイオマスである、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記標識付きバイオマスが、13C標識付きスピルリナ・プラテンシス(Spirulina platensis)である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記含水成分の凝塊形成が、霧状水を、約25グラム/分の速度で適用することを含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記流動床標準食事が、少なくとも約100%の結合能を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
前記流動床標準食事の13C線量均一性相対標準偏差が約6.0%未満である、請求項24に記載の方法。
【請求項35】
前記流動床標準食事の13C線量均一性相対標準偏差が約4.0%未満である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記食用食品が食品粒子を含み、且つ前記標識が標識粒子を含み、食品粒子は標識粒子の密度とは異なる密度を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
前記食品粒子が、標識粒子の密度より高い密度を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記食用食品が食品粒子を含み、且つ前記標識が標識粒子を含む方法であって、当該食品粒子は標識粒子の含水率とは異なる含水率を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項39】
前記食品粒子が、標識粒子の含水率より少ない含水率を有する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記食品粒子が3%未満の含水率を有し、且つ前記標識粒子が5%未満の含水率を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記食用食事が食品粒子を含み、且つ前記標識が標識粒子を含み、食品粒子が、標識粒子とは異なる粒子サイズを有する、請求項24に記載の方法。
【請求項42】
前記食品粒子が約335〜約1,000ミクロンの粒子サイズを有し、且つ前記標識粒子が約250ミクロン未満の粒子サイズを有する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記流動床標準食事の、最終生成物の収率が少なくとも約95%である、請求項24に記載の方法。
【請求項44】
前記流動床標準食事のaw値が約0.2未満である、請求項24に記載の方法。
【請求項45】
乾燥全卵を提供すること;
乾燥13C標識付きスピルリナ・プラテンシスバイオマスを提供すること;
流動床プロセッサを提供すること;
前記流動床プロセッサにおいて全卵及び標識付きバイオマスを流体化すること;
流体化卵及び標識付きバイオマスを凝塊形成させること;及び
凝塊形成した卵及び標識付きバイオマスを乾燥させること;
再構成した標準化試験食事を消費用に患者に提供すること;及び
当該患者の13CO2生成を測定すること、
を含んでなる方法により製造される、標準化試験食事を提供することを含んでなる、患者における胃内容排出を評価する方法。

【公表番号】特表2011−522898(P2011−522898A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513656(P2011−513656)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/046867
【国際公開番号】WO2009/152222
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(504416677)アドバンスド ブレス ダイアグノスティクス,リミティド ライアビリティー カンパニー (4)
【Fターム(参考)】