説明

ミキサー用攪拌部材

【課題】一般に、工業用にはミキサーの攪拌機が使用されているが、その装置の構造は未開発の部分が多く、たとえばミキサーを使い終わった時の持ち運び時に、攪拌用の羽根が危険であり、収納時にもスペースをとり、しまいにくかった。
【解決手段】電動攪拌機における羽根、すなわち攪拌部材を折り畳み可能な構成とすることにより、持ち運び時の利便性、収納時の収納性を向上させる。具体的には電動工具本体部と、攪拌用羽根部材と、両者を連結する連結部材とからなる電動ミキサーにおいて、攪拌用波根部材が折り畳み可能に形成してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にミキサーの攪拌羽根部に用いられる攪拌羽根等の攪拌用ミキサー攪拌部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、工業用には少量のモルタルや生コンなどを攪拌する際に攪拌機が使用されており、その作業を電動ミキサーで行うということも普及してきているが、その装置の構造は未開発の部分が多く、様々な改良に各メーカーが取り組みを行っている。その一例として特開2003−144886号公報にはブレード状の羽根部を途中で折り曲げて(注:折り畳みではない)攪拌効率を上げるというものも開示されている。
【特許文献1】特開2003−144886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記公報のものは、攪拌効率を上げるということに着眼しており、あくまでも、ミキサー稼動時の効率を考慮しての出願であった。また、従来のミキサーに取り付けられていた攪拌羽根(その形状にしたがって、攪拌部材を攪拌羽根と呼称することにする)は、一枚の攪拌羽根として、正面から見たときに円形状になっているものが多いので、その機能を果たすためには、十分に外径を大きくせざるを得なかった。また、ブレード状の攪拌羽根についても、攪拌効率をアップさせるというミキサー稼動時における機能的なアプローチはあったが、その攪拌羽根の大きさに着目して、ミキサー停止時における持ち運び、及び収納時に攪拌羽根が邪魔になったりして、ムダな収納スペースを必要とするという課題があった。その典型例の攪拌機が図4に示されており、工具先端部102が従来の攪拌羽根である。この攪拌羽根が回転することにより、攪拌効果が得られる。
【0004】
そこで、本発明は上記の課題に鑑み、ミキサー停止時における持ち運び及び収納時の利便性を向上させ、持ち運び及び収納時におけることができるミキサー用攪拌羽根を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、電動工具本体部と、攪拌用羽根部材と、電動工具本体部に対して攪拌用羽根部材が回転可能に連結する連結部材とからなる電動ミキサーにおいて、攪拌用羽根部材が折り畳み可能に形成してなることを特徴とするミキサー用攪拌部材である。
【0006】
請求項2に係る発明は、前記ミキサー用攪拌部材が、その折り畳み箇所において蝶番により屈曲することを特徴とする請求項1記載のミキサー用攪拌部材である。
【0007】
請求項3に係る発明は、前記折り畳み箇所における蝶番が、その構成部材であるバネ材により、攪拌用羽根部材を開放状態あるいは折り畳み状態に保つように構成してなることを特徴とする請求項2記載のミキサー用攪拌部材である。
【0008】
請求項4に係る発明は、攪拌羽根状あるいはインペラ状に形成してなることを特徴とする請求項1〜請求項3記載のミキサー用攪拌部材である。
【0009】
請求項5に係る発明は、前記攪拌用羽根部材が折り畳み状態の際、その折り畳み形体に合致した蓋体で覆ってなることを特徴とする請求項1〜請求項4記載のミキサー用攪拌部材である。
【0010】
請求項6に係る発明は、工業用ではコンクリート、モルタル等の攪拌用の電動工具に使用されることを特徴とする請求項1〜請求項5記載のミキサー用攪拌部材である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に係る発明のミキサー用攪拌部材においては、非使用時における収納スペースが減少され、持ち運び及び収納時に場所をとらないものとなる。
【0012】
請求項2に係る発明のミキサー用攪拌部材においては、シンプルな蝶番により、折り畳み箇所が開きっぱなしにできるため、他の方法により羽根を折り畳むことにかかるコストよりも比較的低コストになる。
【0013】
請求項3に係る発明のミキサー用攪拌部材においては、実際の攪拌時においてはバネにより開放状態、非攪拌時においてはロックをかけ、折り畳み状態として使い分けることが可能となる。
【0014】
請求項4に係る発明のミキサー用攪拌部材においては、様々な攪拌羽根状あるいはインペラ状に形成してなる形状に本発明のミキサー攪拌部材を応用することができる。
【0015】
請求項5に係る発明のミキサー用攪拌部材においては、この構造により持ち運び時におけるエッジによる傷害の危険性がなくなり、収納時においてもエッジが損傷することがない。
【0016】
請求項6に係る発明のミキサー用攪拌部材においては、これらの用途において、本発明のミキサー用攪拌部材は実際の製品として市場に出回ることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図3を用いて説明する。
【0018】
図1は、本発明のミキサー用攪拌部材の正面図であり、3枚の羽根で構成されている攪拌羽根1である。攪拌羽根1は、使用時において図1に示すように開放状態であり、使用後には、本発明のミキサー用攪拌部材の側面図である図2に示すように各羽根のつなぎ目2において、矢印a,b,cの方向に夫々折り畳まれる。すると折り畳み後には、本発明の折り畳み後の状態を示す図3に示すような形体となりコンパクトな状態となる。
【0019】
このような状態の攪拌羽根1の形体にフィットする蓋体で覆えば、持ち運びする時に危険性がなく、収納時にもスペースをとらない。
【0020】
本実施形態においては3枚羽根の攪拌羽根を取り上げたが、その形体において攪拌羽根状にこだわらず、インペラ状のものでも同様の効果が期待でき、羽根の枚数においても3枚にこだわらず4枚でも何枚でも、実際の使用できる枚数であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、ミキサー用攪拌部材停止時において、これまでにない利便性を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のミキサー用攪拌部材の正面図。
【図2】本発明のミキサー用攪拌部材の側面図。
【図3】本発明の折り畳み後の状態を示す図。
【図4】従来の典型的な攪拌機を示す図。
【符号の説明】
【0023】
1 攪拌羽根
2 つなぎ目
3 蝶番

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具本体部と、攪拌用羽根部材と、電動工具本体部に対して攪拌用羽根部材が連結する連結部材とからなる電動ミキサーにおいて、攪拌用羽根部材が折り畳み可能に形成してなることを特徴とするミキサー用攪拌部材。
【請求項2】
前記ミキサー用攪拌部材が、その折り畳み箇所において蝶番により屈曲することを特徴とする請求項1記載のミキサー用攪拌部材。
【請求項3】
前記折り畳み箇所における蝶番が、該蝶番の構成部材であるバネ材の伸び縮みにより、攪拌用羽根部材を開放状態あるいは折り畳み状態に保つように構成してなることを特徴とする請求項2記載のミキサー用攪拌部材。
【請求項4】
攪拌羽根状あるいはインペラ状に形成してなることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載のミキサー用攪拌部材。
【請求項5】
前記攪拌用羽根部材が折り畳み状態の際、その折り畳み形態に合致した蓋体で覆ってなることを特徴とする請求項1〜請求項4記載のミキサー用攪拌部材。
【請求項6】
工業用ではコンクリート、モルタル等の攪拌用の電動工具に使用されることを特徴とする請求項1〜請求項5記載のミキサー用攪拌部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−312132(P2006−312132A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135460(P2005−135460)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(398061810)日本電産シバウラ株式会社 (197)
【Fターム(参考)】