説明

ミストサウナ装置およびそれを用いたミストサウナシステム

【課題】省エネ化が可能で、設置コストが安いミストサウナ装置を提供する。
【解決手段】浴室に温風を供給する浴室暖房用ユニット2に、外部の熱源機から送られてくる温水が通水する暖房用熱交換器4と、暖房用熱交換器を通る風を発生させて、暖房用熱交換器4と熱交換して暖められた空気を浴室内へ送る暖房用ファン5とを設ける。浴室内にミストを発生させるミスト発生用ユニット3に、浴室内にミストを噴出させるミストノズル7と、外部の熱源機から供給される湯水をミストノズル7に導くミスト発生用配管8とを設ける。暖房用熱交換器4の出側から導出される温水とミスト発生用配管8を通る湯水とを熱交換させて、ミスト発生用配管8を通る湯水を暖める機能を備えた水/水熱交換器をミスト熱交換器10として設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源機から供給される温水を用いて浴室暖房と浴室内のミスト発生とを行うミストサウナ装置およびそれを用いたミストサウナシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、浴室内に温風を送って浴室暖房を行う浴室暖房機の利用が増えてきている。浴室暖房機には、電気によって加熱した空気を温風として浴室内に送るタイプのものや、熱源機から送られてくる温水の熱を利用して加熱した空気を温風として浴室内に送るタイプのもの等がある。
【0003】
電気式の浴室暖房機の場合には、例えばヒータ温度が300℃程度と高いため、最初に浴室を暖めるときには、ヒータのパワーを、例えば200Vで12A程度に大きくしておいて大きなパワーで熱めの温風を浴室内に強風送風し、利用者が浴室に入るときに、そのパワーを6A程度に落とすことにより、利用者が不快に感じるような熱い温風を浴室内に送り込むことを防いでいる。
【0004】
一方、温水式の浴室暖房機の場合は、外部の熱源機から最高60℃〜80℃の温水を浴室暖房機に供給し、浴室暖房機と熱源機との間で循環させるとともに、浴室から暖房機内に空気を導入し、この空気と前記温水との熱交換により温かい空気を形成して浴室内に送り込むようにしている。この方式においては、最初に浴室を暖めるときには、前記温水の熱の放熱により浴室内の温度が急に上昇するが、利用者が浴室に入るときに、浴室内の温度が高くなると、そもそも、浴室内からの空気と温水との間で熱交換が行われなくなる。例えば浴室内温度が10℃の時には、浴室内からの空気と温水との熱交換量が大きいが、浴室内の温度が40℃になると、温水から空気へ放熱が非常に小さくなるので、過剰な熱風が浴室内に送風されることはない。
【0005】
したがって、温水式の浴室暖房機の場合は、浴室暖房用に、出力の切り替え(温度の切り替えや流量の切り替えなど)をしなくても、温水と空気との間で、空気温度に応じて熱交換量が自然に調節される(浴室内の温度が温かくなると、その空気と温水とが自然に熱交換しなくなる)ことにより、快適な状態を作ることができるメリットがある。
【0006】
また、最近では、温風に加えて、加熱された湯水をミスト(霧)にして浴室内に噴出(噴霧)することにより、サウナ感を得られるミストサウナ装置が用いられるようになり、さらに快適な浴室空間を作り出せるようになった。(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0007】
図6には、温水式のミストサウナ装置を用いたミストサウナシステムの一例のシステム系統図が示されている。同図に示すように、ミストサウナ装置1は、通常、浴室30の天井に設けられており、ケーブル38を介して電源に接続されている。また、ミストサウナ装置1は、温水循環路25を介して、熱源機としての給湯器17に接続されており、前記温水循環路25は、往管路23と戻り管24とを有している。
【0008】
給湯器17には、図示されていない循環ポンプが組み込まれており、給湯器17からの温水を、往管路23を介してミストサウナ装置1に送り、ミストサウナ装置1を通った温水を、戻り管24を介して給湯器17に戻す温水循環動作が行われるようになっている。また、ミストサウナ装置1と給湯器17とは、通信線34を介して電気的にも接続されており、給湯器17には給水管40が接続されている。
【0009】
さらに、ミストサウナ装置1には、給水管36とオーバーフロー水管37と、排気管39とが接続され、リモコン装置32,33が電気的に接続されている。リモコン装置32は、ワイヤレスリモコンであり、この図では、浴槽26の壁面付近に置いてある状態が示されている。リモコン装置33は、浴室30の隣の脱衣室31に設けられており、通信線35を介してミストサウナ装置1に接続されている。
【0010】
図5には、従来のミストサウナ装置1の一例が、模式的なシステム構成図により示されている。同図に示すように、このミストサウナ装置1は、前記浴室30に温風を供給する浴室暖房用ユニット2と、前記浴室30内にミストを発生させるミスト発生用ユニット3とを有しており、浴室暖房用ユニット2は、排気室41を介して前記排気管39(図6、参照)に接続されている。排気室41には、換気ファン22が設けられている。
【0011】
浴室暖房用ユニット2には、前記給湯器17から送られてくる温水が通水する暖房用熱交換器(温水コイル)4と、該暖房用熱交換器4を通る風を発生させて、当該暖房用熱交換器4と熱交換して暖められた空気を前記浴室30内へ送る暖房用ファン5とが設けられている。また、浴室暖房用ユニット2には、浴室30側から前記浴室暖房用ユニット2に空気を取り込むための吸気口42と、浴室暖房用ユニット2側から浴室30内へ空気を送るための開閉自在のルーバ43とが設けられており、吸気口42と暖房用熱交換器4との間の空間に、浴室10内の温度を検出する浴室内温度検出手段27が設けられている。
【0012】
前記暖房用熱交換器4は、温水導入管13を介して、前記往管路23(図6、参照)に接続され、該往管路23を介して給湯器17から送られる温水が、暖房用熱交換器4に通水される。温水導入管13には、熱動弁19と温水温度検出手段(温水サーミスタ)29が介設されている。また、暖房用熱交換器4は、温水導出管14を介して、前記戻り管24(図6、参照)に接続され、暖房用熱交換器4を通った温水は、戻り管24を介して給湯器17に戻される。
【0013】
前記ミスト発生用ユニット3には、前記浴室30内にミストを噴出させるミストノズル7(7a,7b)と、外部の前記給水管36(図6、参照)から供給される水を前記ミストノズル7(7a,7b)に導くミスト発生用配管8とが設けられている。ミスト発生用配管8は分岐して分岐配管8a,8bが形成され、その先端側がそれぞれミストノズル7a,7bに接続されている。分岐配管8a,8bには、それぞれ、ミスト電磁弁20a,20bが介設されている。
【0014】
また、ミスト発生用配管8の分岐配管8a,8b側には、オーバーフロー接続管45の一端側が接続されており、このオーバーフロー接続管45の他端側は、前記オーバーフロー水管37(図6、参照)に接続される。オーバーフロー接続管45にはオーバーフロー電磁弁11が介設されている。
【0015】
さらに、ミスト発生用配管8には、ミスト発生用配管8への給水の有無を制御するための給水電磁弁44と、該ミスト発生用配管8を通る水(水道水)を加熱するミスト熱交換器10と、ミスト熱交換器10を通って加熱された水(湯)の温度を検出するミストサーミスタ21とが介設されている。ミスト熱交換器10の一端側には、前記温水導入管13から分岐した分岐管15が接続され、ミスト熱交換器10の他端側には、前記温水導出管14から分岐した分岐管16が接続されている。前記分岐管15には、温水導入管13から導入されて温水導出管14から導出される流水の流量を制御するための流量制御弁18が介設されている。
【0016】
ミスト熱交換器10は、該ミスト熱交換器10を通る水と前記ミスト発生用配管8を通る水とを熱交換させて、ミスト発生用配管8を通る水を暖める水/水熱交換器により形成されている。従来のミストサウナ装置1においては、前記給水管36(図6、参照)を介してミスト発生用配管8に給水される水を、ミスト熱交換器10によって設定温度またはその近傍の温度まで加熱して、この加熱した水をミストノズル7から噴出してミストを発生させるようにしている。
【0017】
以上のように、従来のミストサウナ装置1においては、給湯器17とミストサウナ装置1との間で循環させる温水の温水循環路25に対し、浴室暖房用ユニット2とミスト発生用ユニット3とを並列に接続しており、給湯器17から往管路23を通して送られてくる温水の経路を、浴室暖房用ユニット2側とミスト発生用ユニット3側とに分岐して、その分岐先に設けられたそれぞれのユニット2,3に温水を送る。そして、浴室暖房用ユニット2を通った温水とミスト発生用ユニット3を通った温水は、それぞれ、前記戻り管24を通して給湯器17に戻る。
【0018】
前記浴室暖房用ユニット2側では、暖房用熱交換器4に通される温水の熱により暖められる空気を浴室30内に送り、ミスト発生用ユニット3側では、ミスト熱交換器10に通される温水の熱によって水を加熱して、浴室30にミストを発生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2003―334230号公報
【特許文献2】特開2006―304871号公報
【特許文献3】特開2006―025966号公報
【特許文献4】特開2007―263506号公報
【特許文献5】特開2006―025964号公報
【特許文献6】特開2001―190631号公報
【特許文献7】特開2003―310686号公報
【特許文献8】特開2007―268172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところで、ミスト発生機能を有していない温水利用の浴室暖房機を利用している利用者の中には、その浴室暖房機をミストサウナ装置に買い換えて設置することを希望する利用者が増えてきている。
【0021】
しかしながら、図5に示したような従来のミストサウナ装置1は、給湯器17から送られてくる高い温度の温水によって、浴室暖房とミスト発生とを行うようにするため、給湯器17とミストサウナ装置1とを接続する配管の径を太く(例えば直径10mm程度に)形成する必要があるのに対し、従来の温水利用の浴室暖房機において、浴室暖房機と熱源機とを接続している配管は直径7mm程度である。そのため、この浴室暖房機と熱源機とを接続していた既設の配管を用いて従来のミストサウナ装置1を設置することはできない。そこで、配管を設置し直すことが考えられるが、そのためには、大きな費用と手間がかかるといった問題が生じる。
【0022】
なお、この点、新設の住宅においては、始めから直径10mm程度の配管を用いることにより、ミストサウナ装置1の設置はできるが、当然ながら、配管の径が大きい方がコストが高いため、直径7mm程度の径が小さい配管を用いる場合に比べると、設置コストは高くなる。
【0023】
また、従来のミストサウナ装置1は、給湯器17から送られる温水によって水道水を加熱して湯としてミストを発生させる構成であるため、温水供給に大きなエネルギーが必要となるが、温水を形成して循環させる場合の熱効率は、給湯熱交換器による湯の形成の熱効率に比べて、エネルギー効率が良くないといった問題も有している。
【0024】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、容易に、かつ、安価に、ミストサウナ装置の新設や浴室暖房機からの買い換え設置が可能で、省エネ使用が可能なミストサウナ装置およびそれを用いたミストサウナシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は上記目的を達成するために、次の構成をもって課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明のミストサウナ装置は、浴室に温風を供給する浴室暖房用ユニットと、前記浴室内にミストを発生させるミスト発生用ユニットとを有するミストサウナ装置であって、前記浴室暖房用ユニットには外部の熱源機から送られてくる温水が通水する暖房用熱交換器と、該暖房用熱交換器を通る風を発生させて当該暖房用熱交換器と熱交換して暖められた空気を前記浴室内へ送る暖房用ファンとが設けられ、前記ミスト発生用ユニットには前記浴室内にミストを噴出させるミストノズルと、外部の熱源機から供給される湯水を前記ミストノズルに導くミスト発生用配管とが設けられており、前記暖房用熱交換器の出側から導出される温水と前記ミスト発生用配管を通る湯水とを熱交換させて該ミスト発生用配管を通る湯水を暖める機能を備えた水/水熱交換器が設けられており、前記浴室暖房用ユニットに温水を供給する熱源機と前記浴室暖房用ユニットとの間には、前記熱源機から送られてくる温水を暖房用熱交換器に導く往管路と、該暖房用熱交換器と水/水熱交換器を順に通った温水を前記熱源機に戻す戻り管とを有して、前記熱源機と前記浴室暖房用ユニットとの間で温水を循環させる循環ポンプ組み込みの温水循環路が形成されており、ミスト発生用ユニットの動作終了後にミスト発生用配管に滞留した滞留湯水を排出するための滞留湯水排出用の管路が設けられ、前記ミスト発生用ユニットの動作開始時に、前記滞留湯水排出用の管路を通して前記滞留湯水を排出する制御手段が設けられており、前記水/水熱交換器から前記ミストノズルに至るミスト発生用配管にはミストノズルへの湯水の供給と供給停止の切り替えの動作をするミスト動作用の弁が設けられ、前記滞留湯水排出用の管路の一端側は前記水/水熱交換器と前記ミスト動作用の弁との間のミスト発生用配管に連通接続され、前記滞留湯水排出用の管路の他端側は前記滞留湯水の排出送水端と成していて、前記滞留湯水排出用の管路には当該滞留湯水排出用の管路の開閉を制御駆動する滞留水排出用の弁が設けられており、前記ミストノズルのミスト発生動作中は前記ミスト動作用の弁の開動作と前記滞留水排出用の弁の閉動作が行われ、前記ミスト発生用ユニットの動作終了後から次のミスト発生動作開始時までのミスト発生の停止中は前記ミスト動作用の弁と前記滞留水排出用の弁が閉じられ、ミスト発生動作開始時に前記ミスト動作用の弁が閉じられている状態で前記滞留水排出用の弁が開けられて前記外部の熱源機から前記ミスト発生用配管に供給される湯水によって前回のミスト発生動作終了後に前記ミスト発生用配管に滞留している滞留湯水を押し出して該滞留湯水が前記滞留湯水排出用の管路を通して該滞留湯水排出用の管路の前記排出送水端から排出される構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0026】
なお、本願の特許請求の範囲および明細書において、「湯水」という言葉は、加熱された水(湯)と加熱されない水の両方を含むものである。例えば、第1の発明において、外部の熱源機から供給される湯水とは、外部の熱源機から加熱されずに供給される水である場合もあるし、外部の熱源機によって加熱されて供給される湯である場合もある。
【0027】
また、第2の発明のミストサウナ装置は、前記第1の発明の構成に加え、前記ミスト発生用配管には、水/水熱交換器からミストノズルに至る通路に該通路を通る湯水を温める機能を備えたヒータが設けられ、前記ミストノズルから噴出されるミストの温度を予め定められた設定温度に近づけるために前記ヒータの駆動を制御するヒータ駆動制御手段を有していることを特徴とする。
【0028】
さらに、第3の発明のミストサウナ装置は、前記第1または第2の発明の構成に加え、前記浴室内の温度を検出する浴室内温度検出手段を備え、該浴室内温度検出手段により検出される検出温度が予め定められた浴室暖房設定温度以上の時には、前記検出温度が前記浴室暖房設定温度未満の時よりもミスト発生用ユニットから前記浴室内に噴出するミストの湯水の流量を少なくする動作と前記ミストの湯水の温度を低くする動作と浴室暖房用ユニットから前記浴室に供給する温風の風量を少なくする動作の少なくとも一つを行う浴室内温度対応の温風ミスト低下制御手段が設けられていることを特徴とする。
【0029】
さらに、第4の発明のミストサウナ装置は、前記第1乃至第3のいずれか一つの発明に構成に加え、前記ミスト発生用配管に湯水を導く熱源機に信号接続され、浴室内の温度を検出する浴室内温度検出手段を備え、ミスト発生用ユニットの動作開始時から少なくとも前記浴室内温度検出手段により検出される検出温度が予め定められた浴室暖房設定温度以上に達するまでの期間は、ミスト発生開始時の予め定められた湯温設定値の温度の湯を前記熱源機からミスト発生用配管に供給させるミスト発生用湯水温制御手段を有することを特徴とする。
【0030】
さらに、第5の発明のミストサウナシステムは、前記第1乃至第4のいずれか一つのミストサウナ装置と該ミストサウナ装置の浴室暖房用ユニットに温水を供給する機能を備えた熱源機とを有し、該熱源機と前記ミストサウナ装置との間には、前記熱源機から送られてくる温水を前記ミストサウナ装置の暖房用熱交換器に導く往管路と、該暖房用熱交換器と前記ミストサウナ装置の水/水熱交換器とを通った温水を前記熱源機に戻す戻り管とを有して、該熱源機と前記ミストサウナ装置との間で温水を循環させる循環ポンプ組み込みの温水循環路が形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【発明の効果】
【0031】
本発明のミストサウナ装置において、ミスト発生用ユニットには、外部の熱源機から供給される湯水を、ミスト噴出用のミストノズルに導くミスト発生用配管が設けられている。このように、本発明においては、ミスト発生用配管に外部の熱源機から湯水を供給できるようにしており、ミスト発生用配管には、必要に応じて、加熱された湯を供給したり、加熱されていない水を供給したりできる。また、熱源機の構成に応じ、加熱された湯を供給する場合の湯温も適宜設定できる。
【0032】
また、本発明のミストサウナ装置において、浴室暖房ユニットには、外部の熱源機から送られてくる温水が通水する暖房用熱交換器が設けられ、該暖房用熱交換器の出側から導出される温水と前記ミスト発生用配管を通る湯水とを熱交換させて、該ミスト発生用配管を通る湯水を暖める機能を備えた水/水熱交換器が設けられているので、暖房用熱交換器に通水される温水は、暖房用熱交換器を通った後に、水/水熱交換器に通される。
【0033】
このように、暖房用熱交換器の出側に水/水熱交換器を接続すると、水/水熱交換器を通る温水の温度は暖房用熱交換器の入側に供給される温水の温度よりも低くなるが、この低くなる度合いは、暖房用熱交換器の空気との熱交換量により異なる。つまり、例えば浴室暖房用ユニットに設けられている暖房用ファンの駆動により発生させる風量を大きくして、通風する空気と暖房用熱交換器の熱交換量を大きくすれば、前記水/水熱交換器側に導出される温水の温度は、暖房用熱交換器の熱交換量が小さい場合に比べて低下する。また、その逆に、暖房用熱交換器の熱交換量を小さくすると、前記水/水熱交換器側に導出される温水の温度の低下量は、暖房用熱交換器の熱交換量が大きい場合に比べて小さくなる。
【0034】
そこで、例えば、ミストサウナ装置の動作開始時等、浴室暖房能力を大きくする必要がある場合には、暖房用熱交換器の熱交換量が大きくなるようにすると、暖房用熱交換器に送られてくる温水の熱が多く放熱され、水/水熱交換器に導出される温水温度は低くなるが、そのときには、前記ミスト発生用配管に湯を通すことにより、ミスト発生用配管を通る湯を水/水熱交換器により暖めなくてもミストを発生させることができる。
【0035】
また、浴室内が暖房により暖められてきて浴室内温度が安定した時等、暖房用熱交換器の熱交換量を小さくしてもよい場合には、暖房用熱交換器に送られてくる温水の熱の放熱量が小さい分だけ、水/水熱交換器に導出される温水温度が高いので、ミスト発生用配管に水を通して、ミスト発生用配管を通る水を水/水熱交換器により暖めてミストを発生させることができる。
【0036】
このように、本発明では、ミスト発生用配管に適宜の(温度の)湯水を通すことにより、この湯水を暖める機能を有する水/水熱交換器が、暖房用熱交換器による熱交換を行った温水を用い、前記ミスト発生用配管を通る湯水を温める構成であっても(つまり、従来のように、熱源機から送られる温水を、直接、水/水熱交換器に導かなくても)、水/水熱交換器側にてミスト発生用として適した温度の湯を作り、浴室内にミストを発生させることができる。
【0037】
以上のように、本発明では、外部の熱源機から送られてくる温水を、浴室暖房用として利用した後に、ミスト発生用として適宜利用することができるので、従来のように、外部の熱源機から送られる温水を、暖房用熱交換器と水/水熱交換器とに、別々に供給して、ミスト発生用配管を通る水を、必ず水/水熱交換器によってミスト発生に適した温度に暖める場合に比べ、ミストサウナ装置と外部の熱源機とを接続する配管の径を大きくしなくてもよい。そのため、本発明では、例えば従来のミスト発生機能を有していない浴室暖房機に適用していた配管を用いて、ミストサウナ装置を設置することができるし、ミストサウナ装置を新設する場合にも、その配管の径を小さくできるので、敷設の手間の削減や、敷設工事費の削減ができる。
【0038】
また、本発明によれば、例えばミストサウナ運転開始時等には、ミスト発生用ユニット側に加熱した湯を供給することになるが、熱源機によってミスト用湯水を加熱して湯を形成する場合の効率は95%程度であり、この効率は、熱源機で暖房用に温水を形成して循環させる場合の効率が85%程度であるのに比べて非常に高い。したがって、本発明は、暖房用の温水により水を加熱してミスト用の湯とする従来例に比べ、熱供給効率の高い熱源を用いてエネルギー供給をすることにより、ミストサウナ装置を利用する際のエネルギー費用も少なくでき、ミストサウナシステム全体としても、省エネ利用を可能とすることができる。
【0039】
また、本発明のミストサウナ装置において、ミスト発生用配管には、水/水熱交換器からミストノズルに至る通路に該通路を通る湯水を温める機能を備えたヒータが設けられ、前記ミストノズルから噴出されるミストの温度を予め定められた設定温度に近づけるために前記ヒータの駆動を制御するヒータ駆動制御手段を有しているものにおいては、たとえ、ミスト発生用配管を通る湯水が、水/水熱交換器によって充分に暖められずに、設定温度近傍の温度にならなかった場合でも、ヒータによって設定温度に近づけることができる。したがって、ミストを発生させる湯水の温度を適切な温度にする動作をより確実に行うことができる。
【0040】
なお、ミストサウナ装置においては、ミスト発生用ユニットの動作終了後にミスト発生用配管に滞留した滞留湯水は、衛生上の観点から、ミスト発生用ユニットの動作開始時に浴室内に噴出せずに、外部に排出することが必要である。そこで、従来は、前記滞留湯水を外部に排出するための配管を形成し、この配管を、ミストサウナ装置に接続する必要があった。
【0041】
本発明のミストサウナ装置においては、熱源機と浴室暖房用ユニットとの間で温水を循環させる循環ポンプ組み込みの温水循環路が形成されており、また、ミスト発生用ユニットの動作終了後にミスト発生用配管に滞留した滞留湯水を排出するための滞留湯水排出用の管路が設けられ、前記ミスト発生用ユニットの動作開始時に、前記滞留湯水排出用の管路を通して前記滞留湯水を排出することができるものであり、滞留湯水を例えば前記温水循環路の前記戻り管に導き前記熱源機側に送るようにすれば、ミスト発生用ユニットの動作開始時に、前記滞留湯水を、滞留水導出用通路を介して熱源機に送ることができる。
【0042】
そのため、この構成を備えた本発明のミストサウナ装置を適用すると、従来のような、滞留湯水を外部に排出するための配管を形成する必要はなくなり、配管の設置コストや手間を省くことができ、システム構築コストも削減できる。
【0043】
さらに、本発明のミストサウナ装置において、浴室内の温度を検出する浴室内温度検出手段により検出される検出温度が予め定められた浴室暖房設定温度以上の時には、前記検出温度が前記浴室暖房設定温度未満の時よりもミスト発生用ユニットから前記浴室内に噴出するミストの湯水の流量を少なくする動作と前記ミストの湯水の温度を低くする動作と浴室暖房用ユニットから前記浴室に供給する温風の風量を少なくする動作の少なくとも一つを行う浴室内温度対応の温風ミスト低下制御手段が設けられているものにおいては、浴室内の温度に応じて、ミストの湯水の流量や温度および浴室に供給する温風の温度を可変調節してミストの発生と浴室暖房とを最適化できる。
【0044】
つまり、この構成を有する本発明のミストサウナ装置を適用することにより、例えば、ミストサウナ装置の動作開始時等、浴室温度が低くて、温風量やミスト発生量を多くした方がよい場合には、浴室暖房用の温風の風量やミスト発生量を多くし、かつ、ミスト用湯水の温度を高くし、浴室内が暖められて、利用者が浴室内に入る(浴室を利用する)とき等には、前記温風の風量やミスト量を少なくしたり、ミスト温度を低くしたりして、利用者の快適な浴室利用を提供することができる。
【0045】
さらに、本発明のミストサウナ装置において、ミスト発生用配管に湯水を導く熱源機に信号接続され、浴室内の温度を検出する浴室内温度検出手段を備え、ミスト発生用ユニットの動作開始時から、少なくとも前記浴室内温度検出手段により検出される検出温度が予め定められた浴室暖房設定温度以上に達するまでの期間は、ミスト発生開始時の予め定められた湯温設定値の温度の湯を前記熱源機からミスト発生用配管に供給させるミスト発生用湯水温制御手段を有するものにおいては、以下の効果を奏することができる。
【0046】
つまり、浴室内の温度が浴室暖房設定温度以上に達するまでの、浴室暖房能力を大きくする必要があるときには、暖房用熱交換器に供給される温水の熱の放熱量が大きくて、水/水熱交換器側には温度が低い温水が導出されるが、ミスト発生開始時の予め定められた湯温設定値の温度の湯をミスト発生用配管に供給することにより、水/水熱交換器による加熱を必要としない湯水をミストノズルに送ることができ、適宜の温度のミストを発生させることができる。なお、ミスト発生開始時の予め定められた湯温設定値とは、例えばミスト発生用湯水の設定温度(ミスト設定温度)あるいは、それより多少低めの温度であり、例えばミストサウナ装置に電気的に接続されるリモコン装置によって設定することができる。
【0047】
また、通常、ミストサウナ装置の動作開始時は、浴室暖房能力を大きくするだけではなく、ミスト発生量も多くするのに対し、浴室内が暖められて、利用者が浴室内に入るときには、ミスト発生量が多すぎると不快なため、ミスト発生量も少なくする。そのため、ミスト発生用配管に供給する湯水の温度を設定しても、例えば熱源機によっては、ミスト発生用配管に供給される湯水の流量が、その加熱作動流量に達しないで、加熱されない水がミスト発生用配管に供給されることが考えられる。
【0048】
しかしながら、ミスト発生量を少なくする頃には、浴室暖房能力も大きくする必要が無くなるので、水/水熱交換器に導出される温水温度は高めとなり、しかも、ミスト発生用配管に供給される水の量も少ないため、ミスト発生用配管に温度が低い水が供給されても、水/水熱交換器によって充分に暖められ、その暖められた湯によってミスト発生を良好に行うことができる。
【0049】
さらに、本発明のミストサウナシステムによれば、前記各構成のミストサウナ装置を適用することにより、熱源機からミストサウナ装置の浴室暖房用ユニットに温水を供給し、浴室暖房と浴室内へのミスト発生とを適切に行うことができるシステムを構築でき、利用者に快適な浴室利用を、安価で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るミストサウナ装置の一実施例を示す模式的なシステム構成図である。
【図2】本発明に係るミストサウナシステムの一実施例を示す説明図である。
【図3】前記実施例のミストサウナ装置の制御構成を示すブロック図である。
【図4】前記実施例のミストサウナシステムに適用されている給湯器の構成を模式的に示す説明図である。
【図5】従来のミストサウナ装置の一例を示すシステム説明図である。
【図6】図5のミストサウナ装置を適用したミストサウナシステムの例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき実施例により説明する。なお、本実施例の説明において、従来例と同一名称部分には、同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。
【実施例】
【0052】
図1には、本発明に係るミストサウナ装置の一実施例が模式的に示されている。また、図2には、このミストサウナ装置1を適用したミストサウナシステムの一実施例のシステム系統図が示されている。
【0053】
図2に示すように、本実施例のミストサウナシステムにおいても、従来例と同様に、ミストサウナ装置1は、浴室30の天井に設けられており、ミストサウナ装置1には、配管や通信線等が接続されているが、本実施例では、従来例に設けたオーバーフロー水管37を省略しており、また、従来例に設けた給水管36の代わりに給湯管46を給湯器17に接続して、ミストサウナシステムを構成している。また、本実施例のミストサウナシステムにおいて、給湯器17とミストサウナ装置1とを接続する温水循環路25の直径は7mmであり、従来例の配管の直径(10mm)よりも細い配管により形成されている。
【0054】
また、図1に示すように、本実施例のミストサウナ装置1は、従来例と同様に、浴室暖房用ユニット2とミスト発生用ユニット3とを有し、浴室暖房用ユニット2には、暖房用熱交換器4と暖房用ファン5とが設けられ、ミスト発生用ユニット3にはミストノズル7(7a,7b)とミスト発生用配管8とが設けられているが、本実施例では、以下に述べる特徴的な構成を有している。
【0055】
つまり、本実施例では、暖房用熱交換器4とミスト熱交換器10とを、接続管47を介して直列に接続している。そして、ミスト熱交換器10は、暖房用熱交換器4の出側から導出される温水とミスト発生用配管8を通る湯水とを熱交換させて、該ミスト発生用配管8を通る湯水を暖める機能を備えた水/水熱交換器により形成されている。
【0056】
このように、本実施例では、暖房用熱交換器4とミスト熱交換器10とを直列に接続することにより、給湯器17と前記浴室暖房用ユニット2との間に設ける温水循環路25は、給湯器17から送られてくる温水を暖房用熱交換器3に導く往管路23と、暖房用熱交換器4とミスト熱交換器10とを順に通った温水を給湯器17に戻す戻り管24とを有して、給湯器17と浴室暖房用ユニット2との間で温水を循環させる構成と成している。なお、給湯器17には、この温水を循環させる循環ポンプとしての暖房用ポンプ95(図4、参照)が組み込まれている。
【0057】
また、本実施例では、ミスト発生用配管8の、ミスト熱交換器10(水/水熱交換器)から前記ミストノズル7(7a,7b)に至る通路に、該通路を通る湯水を温める機能を備えたヒータ9が設けられている。ヒータ9は例えば電気ヒータにより形成されており、ミスト発生用配管8には、ヒータ9の配設位置の近傍で、かつ、ヒータ9の配設位置よりもミストノズル7に近い側の位置に、ミスト用湯水温検出手段(ミストサーミスタ)28が設けられている。
【0058】
さらに、本実施例では、ミスト発生用配管8の分岐配管8a,8bへの分岐部に、滞留湯水排出用の管路としての滞留水導出用通路6が接続されている。この滞留水導出用通路6は、ミスト発生用ユニット3の動作終了後にミスト発生用配管に滞留した滞留湯水を、前記戻り管24に導いて排出する通路(管路)であり、該滞留水導出通路6には、滞留水排出用の弁としてのオーバーフロー電磁弁11が介設されている。
【0059】
また、図3には、本実施例のミストサウナ装置1の特徴的な制御構成がブロック図により示されている。同図に示されるように、ミストサウナ装置1には制御装置48が設けられ、この制御装置48は、前記リモコン装置32,33と、前記給湯器17とに、信号接続されている。
【0060】
制御装置48は、ルーバ開閉制御手段50、ファン駆動制御手段51、熱動弁開閉制御手段52、流量制御弁制御手段53、給湯電磁弁制御手段54、温風ミスト低下制御手段55、ミスト電磁弁開閉制御手段56、ミスト発生用湯水温制御手段57、滞留水導出制御手段58、ヒータ駆動制御手段59を有している。
【0061】
ルーバ開閉制御手段50は、ルーバ43の開閉制御を行う手段であり、ミストサウナ運転中は、ルーバ43を開き、ミストサウナ運転終了後に、ルーバ43を閉じる。
【0062】
ファン駆動制御手段51は、暖房用ファン5の駆動の有無と回転数とを制御する手段である。ファン駆動制御手段51は、ミストサウナ運転が開始されてから、温水温度検出手段29により検出される温度が、予め設定されるファン回転開始用設定温度になったときに、暖房用ファン5の回転駆動を開始させる。
【0063】
熱動弁開閉制御手段52は、熱動弁19の開閉制御を行う手段である。熱動弁19を開いた状態として、給湯器17に設けられている温水循環用の暖房用ポンプ95を駆動させることにより、給湯器17とミストサウナ装置1との間で、前記のように温水が循環され、給湯器17から往管路23を介して、ミストサウナ装置1の温水導入管13に温水が送られてくる。暖房用ポンプ95を停止すると、温水循環は停止されるので、このときには、熱動弁19も閉状態とする。
【0064】
流量制御弁制御手段53は、流量制御弁18の開弁量を制御して、温水循環路25の温水循環流量を制御するものである。流量制御弁制御手段53は、熱動弁開閉制御手段52によって熱動弁19を開いて温水循環路25の温水循環を行う際の温水循環量を、流量制御弁18の開弁量制御により制御する。
【0065】
給湯電磁弁制御手段54は、給湯電磁弁12の開閉制御を行う手段である。本実施例において、温水供給用の給湯器17とミスト発生用配管8に湯水を供給する給湯器17とを同じとしており、ミスト発生用配管8は、給湯管46を介し、給湯器17の給湯通路88(図4、参照)に接続されている。給湯電磁弁制御手段54は、ミストノズル7からミストを発生させる時と、ミストサウナ運転終了後にミスト発生用配管8に滞留した滞留水を導出する時に、それぞれ、給湯電磁弁12を開き、これらの動作終了後に、給湯電磁弁12を閉じる。
【0066】
ミスト電磁弁開閉制御手段56は、ミスト電磁弁20a,20bの開閉制御を行う手段である。本実施例において、ミストノズル7aから噴出するミストの湯水の流量を3.0リットル/分とし、ミストノズル7bから噴出するミストの湯水の流量を0.5リットル/分として、ミストノズル7aとミストノズル7bからそれぞれ噴出するミストの湯水の流量を、互いに異なる値としている。
【0067】
なお、ミストノズル7a,7bから噴出するミストの湯水の流量は、特に限定されるものではなく、適宜設定されるものであり、例えば、ミストノズル7a,7bのうち、一方のミストノズル7から噴出するミストの湯水の流量を2.5リットル/分とし、他方のミストノズル7から噴出するミストの湯水の流量を0.5リットル/分としてもよいし、ミストノズル7a,7bのそれぞれから噴出するミスト用の湯水の流量を、例えば2.5リットル/分といった同流量としてもよい。
【0068】
滞留水導出制御手段58は、ミスト発生用ユニット3の動作開始時に、給湯電磁弁制御手段54により給湯電磁弁12を開かせて給湯器17からミスト発生用配管8に湯を供給すると共に、オーバーフロー電磁弁11を開き、前記滞留水導出通路6を通して前記滞留湯水を前記戻り管24に導き、給湯器17側に送る。
【0069】
ヒータ駆動制御手段59は、ミストノズル7(7a,7b)から噴出されるミストの温度を予め定められた設定温度に近づけるために、ヒータ9の駆動を制御する手段である。ヒータ駆動制御手段59は、例えば、ミストサウナ運転開始から予め定められた設定時間経過した以降に、ミスト用湯水温検出手段28により検出される検出温度を時々刻々と取り込む。そして、この検出温度が、ミスト設定温度よりも予め定められた許容範囲を越えて低い状態が、予め定められた設定継続時間以上継続したときに、ヒータ9を駆動させ、前記検出温度がミスト設定温度に達したら、ヒータ9の駆動を停止する。
【0070】
温風ミスト低下制御手段55は、前記浴室内温度検出手段27により検出される検出温度に応じ、ミストの流量と温度と温風流量の少なくとも一つ(通常は、全て)の可変制御を行うものである。温風ミスト低下制御手段55は、浴室内温度検出手段27による検出温度が予め定められた浴室暖房設定温度(例えば45℃)以上の時には、浴室内温度検出手段27による検出温度が前記浴室暖房設定温度未満の時よりも、ミスト発生用ユニットから前記浴室内に噴出するミストの湯水の流量を少なくする動作と、ミストの湯水の温度を低くする動作と、浴室暖房用ユニット2から浴室30に供給する温風の風量を少なくする動作の少なくとも一つを、以下のようにして行う。
【0071】
つまり、ミストの湯水の流量の可変制御は、ミスト電磁弁開閉制御手段56によって、ミスト電磁弁(ミスト動作用の弁)20a,20bの開閉を制御することにより行う。ミストの湯水の流量を多くするときには、ミスト電磁弁20a,20bを両方開き、ミストの湯水の流量を少なくするときには、例えばミスト電磁弁20a,20bの一方のみを開き、他方を閉じる。なお、本実施例では、それぞれのミスト電磁弁20a,20bを開いたときのミスト発生用の湯水の流量を互いに異なる値としているので、どちらのミスト電磁弁20a,20bを開くかによっても、ミストの湯水の流量を可変できる。
【0072】
また、ミストの温度の可変制御は、流量制御弁制御手段53によって、流量制御弁18の開弁量を可変制御することによって、温水循環路25を循環させる温水の循環流量を可変することにより行う。なお、必要に応じ、熱動弁開閉制御手段52によって、熱動弁19の開閉タイミングを制御してもよい。さらに、温風量の可変制御は、ファン駆動制御手段51によって、暖房用ファン5の回転数を可変することにより行う。
【0073】
ミスト発生用湯水温制御手段57は、ミスト発生用ユニット3の動作開始時から、少なくとも前記浴室内温度検出手段27により検出される検出温度が予め定められた浴室暖房設定温度以上に達するまでの期間は、ミスト発生開始時の予め定められた湯温設定値の温度の湯を給湯器17からミスト発生用配管8に供給させるものである。ミスト発生用湯水温制御手段57は、給湯器17の燃焼制御手段に、前記湯温設定値の温度の湯を作り出すように指令を加え、かつ、給湯電磁弁制御手段54に指令を加えて、給湯電磁弁12を開状態として、ミスト発生用配管8に、前記湯温設定値の温度の湯を供給させる。
【0074】
なお、本実施例においては、浴室内温度検出手段27により検出される検出温度が前記浴室暖房設定温度のときには、前記温風ミスト低下制御手段55が、ミスト発生量を小さくする制御を行うが、この制御によって、ミスト発生用配管8に供給される湯水の流量が、給湯器17の最低加熱作動流量(ここでは、3.5リットル/分)未満となるようにしている。そのため、浴室内温度検出手段27により検出される検出温度が浴室暖房設定温度以上の時には、給湯器17から、加熱されない水がミスト発生用配管8に供給されることになる。
【0075】
ただし、浴室内温度検出手段27により検出される検出温度が前記浴室暖房設定温度になって、浴室30内の温度が安定しているときに、ミスト発生用湯水温制御手段57が、ミスト発生用配管8に供給する湯水の温度を低めにする指令を給湯器17に加え、低めの温度の湯水または加熱されていない水をミスト発生用配管8に供給するようにしてもよい。
【0076】
また、本実施例のミストサウナシステムにおいて、ミストサウナ装置1に接続される給湯器17の構成は特に限定されるものではないが、例えば図4に示すように構成されており、以下、その構成を簡単に説明する。
【0077】
この給湯器17は、2つの燃焼室80(80a,80b)を有し、燃焼室80aには、給湯バーナ81が、燃焼室80b内に暖房用バーナ82が配置され、これらの各バーナ81,82に燃料ガスを供給するガス通路(図示せず)が接続されている。給湯バーナ81と暖房用バーナ82の下方側にはそれぞれ、各バーナ81,82の燃焼の給排気を行う燃焼ファン86,87が設けられており、給湯バーナ81と暖房用バーナ82の上方側には、それぞれ、給湯熱交換器83、暖房熱交換器84が配置されている。
【0078】
給湯熱交換器83の入側には給水通路85が、出側には給湯通路88がそれぞれ接続されており、給水通路85は、給水管40(図2、参照。)に、接続されている。給湯通路88は、注湯路89と注湯電磁弁90とを介し、浴槽湯水の追い焚き循環路(図示せず)に接続されている。また、給湯通路88の先端側は、分岐されて、それぞれ必要な給湯先に導かれており、浴室30内のシャワーや、台所内の給湯栓、ミストサウナ装置1のミスト発生用配管8等に、適宜接続されている。
【0079】
暖房熱交換器84の入側には入水通路91が、出側には出水通路92がそれぞれ接続されており、入水通路91と出水通路92にはそれぞれ、温度センサ93,94が設けられている。入水通路91には暖房用ポンプ95の吐出口側が設けられており、暖房用ポンプ95の吸い込み口側には暖房シスターン96を介して暖房用戻り管98が接続されている。この暖房用戻り管98が前記温水循環路25の戻り管24に接続され、前記出水通路92が温水循環路25の往管路23に接続される。
【0080】
なお、暖房シスターン96は、接続管97と電磁弁99とを介して、前記給水通路85に接続されており、また、暖房シスターン96には、オーバーフロー水排出管79が設けられている。暖房シスターン96内の湯水の水位が、湯水位検出手段100により検出され、この検出値が予め定められた最低水位未満になると、給水通路85から暖房シスターン96に給水が行われる。
【0081】
なお、例えば湯水位検出手段100の故障などにより、暖房シスターン96内の水位が低くないにもかかわらず、給水通路85から給水が行われた場合の等を考慮し、暖房シスターン96内の水位が予め定められた溢れ水位に達すると、溢れ水位を越えた分だけ、その量の湯水がオーバーフロー水排出管79から給湯器17の外部に排出されるようになっている。そのため、暖房シスターン96内の水位は、常に、最低水位以上溢れ水位未満の範囲内に保たれる。
【0082】
本実施例のミストサウナ装置1において、浴室暖房用ユニット2による浴室暖房動作を行うときには、給湯器17の暖房用バーナ82により暖房熱交換器84を通る湯水を加熱して温水が作られ、この温水が前記往管路23を介してミストサウナ装置1の温水導入管13に送られる。また、ミストサウナ装置1において、ミスト発生用ユニット3によるミスト発生動作を行うときには、必要に応じ、給湯器17の給湯バーナ1により給湯熱交換器83を通る湯水を加熱して、湯が作られ、この湯が給湯管46を介してミストサウナ装置1のミスト発生用配管8に送られる。
【0083】
なお、給湯器17には、浴室30内の浴槽26への自動湯張り機能や浴槽湯水の追い焚き機能が設けられていることが多く、また、それ以外にも、様々な機能を付加することが可能であるが、それらの構成および機能についての図示および説明は、省略する。
【0084】
本実施例のミストサウナ装置1およびミストサウナシステムは以上のように構成されており、以下に、その動作例について簡単に説明する。ミストサウナ装置1の動作は、リモコン装置32,33の操作に伴い、リモコン装置32,33の指令に従って行われるものであり、ミストサウナ装置1の運転動作中は、リモコン装置32,33に、運転ランプやミストサウナランプが点灯する等の、運転表示が行われる。また、リモコン装置32,33によって、浴室暖房の設定温度、風向き、風量を可変設定したり、ミストサウナ運転の継続時間を、(例えば5分から1時間の間で、5分刻みで)タイマー設定したりすることもできる。
【0085】
また、ミストサウナ装置1の運転スイッチを押すと、ミストサウナ装置1の運転が開始されるが、この運転開始前に、各リモコン装置32,33には、前回の設定内容または初期値が設定されているので、各設定値を変えたい場合には、運転スイッチをオンした後に、各リモコン32,33を操作して、各設定値を変える操作を行ってもよい。
【0086】
ミストサウナ運転開始時に、利用者が、リモコン装置32,33の運転スイッチ(例えばミストサウナボタン)を押すと、リモコン装置32,33から、ミストサウナ運転開始の指令が制御装置48と給湯器17に加えられる。そうすると、浴室暖房用ユニット2側では、制御装置48内のルーバ開閉制御手段50がルーバ43を開き、熱動弁開閉制御手段52が熱動弁19を開き、流量制御弁制御手段53が流量制御弁18の開弁量を最大にする。
【0087】
また、給湯器17は、ミストサウナ運転開始の指令を受けて、暖房用バーナ82を稼動させ、暖房用ポンプ95を駆動させて、温水循環路25に温水を循環させる。この温水の温度は、例えば80℃に設定される。そして、温水は、往管路23を通ってミストサウナ装置1に送られ、温水導入管13を介して暖房用熱交換器4に導入され、暖房用熱交換器4を通った後に、ミスト熱交換器10を通り、温水導出管14を通ってミストサウナ装置1から導出され、戻り管24を通って給湯器17側に戻る温水循環動作を繰り返す。
【0088】
温水温度は、前記暖房用バーナ82の稼動により、前記暖房熱交換器84によって加熱され、徐々に上昇して設定温度に近づき、設定温度(例えば前記の如く80℃)となる。この温水の温度変化は、ミストサウナ装置1の温水温度検出手段29によって、例えば時々刻々と検出される。
【0089】
また、給湯器17は、前記ミストサウナ運転開始の指令を受けたときに、給湯バーナ81を稼動させて湯を作り出し、給湯管46を通して、ミスト発生用の湯水をミストサウナ装置1のミスト用配管8に導入する動作を開始する。なお、ミスト発生用の湯水温は、ミスト設定温度として予め定められてリモコン装置32,33のメモリに格納されている湯温設定値であり、例えば、70℃とする。この温度は、リモコン装置32,33によって可変可能としてもよいが、適正な温度としては、60℃〜70℃程度である。
【0090】
一方、前記ミストサウナ運転開始の指令を受けたミストサウナ装置1の制御装置48は、ミスト発生用配管8のミスト電磁弁20a,20bが閉の状態において給湯電磁弁制御手段54が給湯電磁弁12を開き、滞留水導出制御手段58がオーバーフロー電磁弁11を開く。そうすると、ミスト発生用配管8に滞留していた滞留水が、給湯器17側からミスト発生用配管8に送られてくる湯水に押し出され、滞留水導出用通路6を通って戻り管24に導出される。この滞留水は戻り管24を通って給湯器17に入り、給湯器17の前記暖房シスターン96に導入され、暖房シスターン96の水位に応じ、給湯器17から外部に排出される。
【0091】
なお、滞留水導出制御手段58は、例えばオーバーフロー電磁弁11を10秒間といった、予め定められた時間だけ開いた後、オーバーフロー電磁弁11を閉じる。そうすると、滞留水導出用通路路6を通しての湯水導出は終了する。
【0092】
また、前記温水循環路25を通る温水の温度が上昇し、温水温度検出手段29によって検出される温度が、前記ファン回転開始用設定温度(例えば40℃)に達したら、浴室暖房用ユニット2側において、前記ファン駆動制御手段51が暖房用ファン5を回転させ、ルーバ43から温風を浴室30内に送風開始する。なお、この暖房用ファン5の回転数は、最大とする。
【0093】
また、ミスト発生用ユニット3側では、ミスト用湯水温検出手段28により検出される温度が、例えば40℃に達したら(またはミストサウナ運転開始時の値よりも7℃上昇したら)、ミスト電磁弁開閉制御手段56によって、ミスト電磁弁20a,20bを開き、ミストノズル7a,7bから浴室30内にミストを噴出させる。
【0094】
上記のようにして、浴室30内への温風送風とミスト噴出とが開始され、また、温水循環路25を通って暖房用熱交換器4に供給される温水の温度やミスト発生用配管8に供給される湯の温度は、さらに高くなって、それぞれの設定温度付近の湯が供給され、浴室暖房とミスト発生に利用されるので、浴室30内は、加湿された状態で暖められていく。
【0095】
なお、本実施例においては、ミストサウナ運転開始時には、浴室暖房用ユニット2による浴室暖房能力を高くしておき、それにより、暖房用熱交換器4の出側からミスト熱交換器10側に送られる温水の温度は低くなるが、ミスト発生用配管8に、元々高い温度の湯を通すので、ミスト発生も良好に行われる。
【0096】
また、本実施例においては、ミスト発生用配管8を通る湯の温度の上昇の仕方や湯温の安定度によっては、この湯の加熱をヒータ9によって適宜行うこともできる。つまり、ヒータ駆動制御手段59は、ミスト用湯水温検出手段28により検出される検出温度を時々刻々取り込み、例えばミストサウナ運転開始から予め定められた設定時間が経過してもミスト用湯水温検出手段28による検出温度がミスト設定温度に達しない場合には、前記検出温度がミスト設定温度になるように、ヒータ9を駆動させる。この動作により、ミストノズル7a,7bからは、ミスト設定温度の湯が、より安定的にミストとして浴室30内に噴出される。
【0097】
また、本実施例において、ミストサウナ運転開始から時間がたち、浴室内温度検出手段27により検出される検出温度が浴室設定温度に達すると、温風ミスト低下制御手段55の制御にしたがい、ファン駆動制御手段51が暖房用ファン5の回転数を下げ、流量制御弁制御手段53が流量制御弁18の開弁量を小さくし、ミスト電磁弁開閉制御手段56が、例えばミスト電磁弁20aを閉じることにより、浴室30内に発生させるミスト発生量を下げる。
【0098】
なお、本実施例では、リモコン装置32に、暖房用ファン5の回転数の切り替えスイッチやミスト発生量の切り替えを設けており、これらのスイッチを操作することによっても、暖房用ファン5の回転数やミスト発生量を可変できるようにしている。
【0099】
つまり、浴室30内の温度が低い状態(浴室設定温度に達していない状態)状態であっても、利用者が浴室30内に入り、利用するときがあり、このようなときに、暖房用ファン5が最大の回転数で作動していると、過剰な温風が利用者にかかり、また、ミスト発生量が多すぎても利用者が不快になる可能性がある。そこで、利用者が、暖房用ファン5の回転数を小さくしたい場合には、リモコン装置32を操作して、暖房用ファン5の回転数を小さくしてファン風量を低下させて放熱量を少なくできるようにしたり、ミスト発生量を小さくしたりすることができるようにして、利用者が、浴室30をより快適に利用しやすくしている。なお、リモコン装置33にも同様の機能をもたせてもよい。
【0100】
また、本実施例において、浴室内温度検出手段27により検出される検出温度が例えば48℃といった過剰暖房抑制温度に達すると(温度が上昇しすぎると)、熱動弁開閉制御手段52により熱動弁19を閉じて、温水循環路25の温水循環を停止する安全制御を行う。また、このとき、前記換気ファン22を駆動させて換気を行う。そして、浴室内温度検出手段27により検出される検出温度が、例えば設定温度より2℃低くなったら、熱動弁19を開いて前記と同様に温水循環を行い、換気ファン22を停止させて、浴室30内の温度をより安定にできるようにしている。
【0101】
本実施例のミストサウナ装置1およびミストサウナシステムは、上記のようなミストサウナ運転を適宜行い、前記タイマーの設定時間に達したときや、リモコン装置32,33の運転スイッチがオフされたときには、ミストサウナ運転を終了する。そして、各弁11,18,19,20a,20bおよび、ルーバ43を閉じると共に、暖房用ファン5を予め定められた設定ポストファン時間(例えば2分間)だけ回転させた後、停止させる。
【0102】
本実施例によれば、ミストサウナ装置1の動作開始時は、暖房用熱交換器4の熱交換量が大きくなるようにするので、ミスト熱交換器10に導出される温水温度は低くなるが、そのときには、前記ミスト発生用配管8に湯を通すことにより、ミスト発生用配管8を通る湯をミスト交換器10により暖めなくてもミストを発生させることができる。また、浴室30内が暖房により暖められてきて浴室内温度が安定した時には、暖房用熱交換器4の熱交換量を小さくして、ミスト熱交換器10に導出される温水温度を高くすることにより、ミスト発生用配管8に水を通しても、その水をミスト熱交換器10により暖めて、適宜の温度でミストを発生させることができる。
【0103】
このように、本実施例では、ミスト発生用配管8に適宜の温度の湯水を通すことにより、この湯水を暖める機能を有するミスト熱交換器10が、暖房用熱交換器4による熱交換を行った温水を用いてミスト発生用配管8を通る湯水を温める構成であっても、ミスト発生用として適した温度の湯を作り、浴室30内にミストを発生させることができる。
【0104】
また、本実施例では、給湯器17から送られる給湯の湯をミスト発生用配管8に通してミストを発生させるので、以下のような場合も想定される。つまり、台所で80℃といった高温の湯を使っているときに、ミストサウナ運転が行われると、たとえ、浴室30内の温度が安定してきて、ミスト発生量が小さく制御されている場合でも、給湯器17の給湯流量が最低加熱作動流量(例えば3.5リットル/分)以上となり、高温の湯がミスト発生用配管8にも供給される。
【0105】
この高温の湯が、そのままミストノズル7から浴室内に噴出されると火傷のおそれがあるが、本実施例では、ミストサウナ装置1の暖房用熱交換器4とミスト熱交換器10とを直列に接続しており、暖房用熱交換器4からミスト熱交換器10に導出される湯温は、給湯器17から直接ミスト熱交換器10に導入される場合に比べて低いため、ミスト発生用配管8を通る高温の湯の場合には、その熱がミスト熱交換器10側に放熱されて、例えば60℃に下がる。したがって、80℃の高温の湯がミストノズル7からミストとして噴出されることはなく、前記のような火傷の危険を回避することができる。
【0106】
本実施例のミストサウナ装置1は、前記のように、常に、適温のミストを浴室30内に発生させることができる上に、従来例に比べて、熱エネルギーの必要量を少なくすることができ、ミストサウナ装置1と給湯器17とを接続する配管の径を小さくできるので、暖房機からミストサウナ装置1への買い換え時にも、暖房機と給湯器17とを接続する配管をそのまま利用して、ミストサウナ装置1を設置することができるし、ミストサウナ装置1を利用する際の、長期的な費用(エネルギー費用)も少なくできる。
【0107】
また、本実施例は、ミストサウナ運転開始前に滞留水を温水循環路25に導く構成としたために、従来のミストサウナシステムに必要であったオーバーフロー水管37を配置する必要がないために、この設置費用も設置の手間も必要なく、より安価で、容易に設置可能なミストサウナシステムを構築できる。
【0108】
なお、本発明は上記各実施例に限定されることはなく、様々な態様を採り得る。例えば、前記実施例では、ミストノズル7を2つ設け、ミスト発生用配管8を分岐してそれぞれのミストノズル7a,7bに導くようにしたが、ミストノズル7は、1つでもよいし、3つ以上設けてもよい。ミストノズル7を3つ以上設けた場合には、例えば前記実施例と同様の動作によって、ミスト発生の湯水の流量を制御することができるし、1つのミストノズル7を設けた場合には、例えば、ミスト発生用配管8に流量制御弁を設ければ、ミスト発生の湯水の流量を調整することができる。
【0109】
また、前記実施例では、滞留水導出用通路6を設けて、ミスト発生用ユニット3の動作終了後にミスト発生用配管8に滞留した滞留湯水を、滞留水導出用通路6を介して戻り管24に導出するようにしたが、滞留水導出用通路6を設けずに、従来例と同様に、滞留水を浴室外に導出するためのオーバーフロー水管45等を滞留湯水排出用の管路として設けてもよい。ただし、滞留水導出用通路6を設けて滞留湯水を戻り管24に導出すると、その分だけ、配管設置コストや手間を省くことができる。
【0110】
さらに、前記実施例では、ミスト発生用配管8にヒータ9を介設したが、ヒータ9を設けなくても、ミスト発生用配管8を通る湯水を設定温度に近づけることができるように、ミスト発生用配管8を通る湯水量等を適宜調節できれば、ヒータ9およびヒータ駆動制御手段59は省略することができる。
【0111】
なお、ヒータ9をミスト熱交換器10の出側に、ミスト熱交換器10と近接させて設ける場合には、ミスト熱交換器10を通る温水の温度が低くて、ミスト発生用配管8を通る湯水をヒータ9により加温した場合に、この熱がミスト熱交換器10を通る温水に取られる可能性がある。そこで、例えば、ミスト発生用配管8の途中に仕切りや弁を設ける等して、ヒータ9により暖められた湯の熱がミスト熱交換器10側に取られないようにすると、ヒータ9の熱エネルギーが無駄にならない。
【0112】
さらに、前記実施例では、ミストサウナ装置1の暖房用熱交換器4に温水を供給する熱源機と、ミスト発生用配管8に湯水を供給する熱源機とを同一の給湯器17としたが、暖房用熱交換器4に温水を供給する熱源機とミスト発生用配管8に湯水を供給する熱源機とを別々の熱源機としてもよい。
【符号の説明】
【0113】
1 ミストサウナ装置
2 浴室暖房用ユニット
3 ミスト発生用ユニット
4 暖房用熱交換器
5 暖房用ファン
6 滞留水導出用通路
7,7a,7b ミストノズル
8 ミスト発生用配管
9 ヒータ
10 ミスト熱交換器
11 オーバーフロー電磁弁
12 給湯電磁弁
17 給湯器
18 流量制御弁
19 熱動弁
20a,20b ミスト電磁弁
23 往管路
24 戻り管
25 温水循環路
55 温風ミスト低下制御手段
57 ミスト発生用湯水温制御手段
95 暖房用ポンプ
96 暖房シスターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室に温風を供給する浴室暖房用ユニットと、前記浴室内にミストを発生させるミスト発生用ユニットとを有するミストサウナ装置であって、前記浴室暖房用ユニットには外部の熱源機から送られてくる温水が通水する暖房用熱交換器と、該暖房用熱交換器を通る風を発生させて当該暖房用熱交換器と熱交換して暖められた空気を前記浴室内へ送る暖房用ファンとが設けられ、前記ミスト発生用ユニットには前記浴室内にミストを噴出させるミストノズルと、外部の熱源機から供給される湯水を前記ミストノズルに導くミスト発生用配管とが設けられており、前記暖房用熱交換器の出側から導出される温水と前記ミスト発生用配管を通る湯水とを熱交換させて該ミスト発生用配管を通る湯水を暖める機能を備えた水/水熱交換器が設けられており、前記浴室暖房用ユニットに温水を供給する熱源機と前記浴室暖房用ユニットとの間には、前記熱源機から送られてくる温水を暖房用熱交換器に導く往管路と、該暖房用熱交換器と水/水熱交換器を順に通った温水を前記熱源機に戻す戻り管とを有して、前記熱源機と前記浴室暖房用ユニットとの間で温水を循環させる循環ポンプ組み込みの温水循環路が形成されており、ミスト発生用ユニットの動作終了後にミスト発生用配管に滞留した滞留湯水を排出するための滞留湯水排出用の管路が設けられ、前記ミスト発生用ユニットの動作開始時に、前記滞留湯水排出用の管路を通して前記滞留湯水を排出する制御手段が設けられており、前記水/水熱交換器から前記ミストノズルに至るミスト発生用配管にはミストノズルへの湯水の供給と供給停止の切り替えの動作をするミスト動作用の弁が設けられ、前記滞留湯水排出用の管路の一端側は前記水/水熱交換器と前記ミスト動作用の弁との間のミスト発生用配管に連通接続され、前記滞留湯水排出用の管路の他端側は前記滞留湯水の排出送水端と成していて、前記滞留湯水排出用の管路には当該滞留湯水排出用の管路の開閉を制御駆動する滞留水排出用の弁が設けられており、前記ミストノズルのミスト発生動作中は前記ミスト動作用の弁の開動作と前記滞留水排出用の弁の閉動作が行われ、前記ミスト発生用ユニットの動作終了後から次のミスト発生動作開始時までのミスト発生の停止中は前記ミスト動作用の弁と前記滞留水排出用の弁が閉じられ、ミスト発生動作開始時に前記ミスト動作用の弁が閉じられている状態で前記滞留水排出用の弁が開けられて前記外部の熱源機から前記ミスト発生用配管に供給される湯水によって前回のミスト発生動作終了後に前記ミスト発生用配管に滞留している滞留湯水を押し出して該滞留湯水が前記滞留湯水排出用の管路を通して該滞留湯水排出用の管路の前記排出送水端から排出される構成としたことを特徴とするミストサウナ装置。
【請求項2】
ミスト発生用配管には、水/水熱交換器からミストノズルに至る通路に該通路を通る湯水を温める機能を備えたヒータが設けられ、前記ミストノズルから噴出されるミストの温度を予め定められた設定温度に近づけるために前記ヒータの駆動を制御するヒータ駆動制御手段を有していることを特徴とする請求項1記載のミストサウナ装置。
【請求項3】
浴室内の温度を検出する浴室内温度検出手段を備え、該浴室内温度検出手段により検出される検出温度が予め定められた浴室暖房設定温度以上の時には、前記検出温度が前記浴室暖房設定温度未満の時よりも、ミスト発生用ユニットから前記浴室内に噴出するミストの湯水の流量を少なくする動作と前記ミストの湯水の温度を低くする動作と浴室暖房用ユニットから前記浴室に供給する温風の風量を少なくする動作の少なくとも一つを行う浴室内温度対応の温風ミスト低下制御手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のミストサウナ装置。
【請求項4】
ミスト発生用配管に湯水を導く熱源機に信号接続され、浴室内の温度を検出する浴室内温度検出手段を備え、ミスト発生用ユニットの動作開始時から少なくとも前記浴室内温度検出手段により検出される検出温度が予め定められた浴室暖房設定温度以上に達するまでの期間は、ミスト発生開始時の予め定められた湯温設定値の温度の湯を前記熱源機からミスト発生用配管に供給させるミスト発生用湯水温制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のミストサウナ装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のミストサウナ装置と該ミストサウナ装置の浴室暖房用ユニットに温水を供給する機能を備えた熱源機とを有し、該熱源機と前記ミストサウナ装置との間には、前記熱源機から送られてくる温水を前記ミストサウナ装置の暖房用熱交換器に導く往管路と、該暖房用熱交換器と前記ミストサウナ装置の水/水熱交換器とを通った温水を前記熱源機に戻す戻り管とを有して、該熱源機と前記ミストサウナ装置との間で温水を循環させる循環ポンプ組み込みの温水循環路が形成されていることを特徴とするミストサウナシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−213660(P2012−213660A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−179865(P2012−179865)
【出願日】平成24年8月14日(2012.8.14)
【分割の表示】特願2007−296885(P2007−296885)の分割
【原出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【Fターム(参考)】