説明

ミスト分離装置およびこれを用いたε―カプロラクタムの製造方法

【課題】タール化して固着するミストでもガス流路等が短期的に閉塞することなく長期間使用できるミスト分離装置およびこれを用いてε―カプロラクタムを長期間安定して製造する方法を提供することである。
【解決手段】シクロヘキサノンオキシムを蒸発させる蒸発工程と、得られた蒸発ガスの中のミストを分離するミスト分離工程と、ミストを分離したシクロヘキサノンオキシムの蒸発ガスを触媒の存在下で気相ベックマン転位反応させる反応工程とを含むε―カプロラクタムの製造方法において、前記ミストを分離するために使用されるミスト分離装置20であって、容器2の一端にガス流入口51が、他端にガス流出口32が設けられ、かつ容器内に複数の鎖22を少なくとも一列に容器2の上部から吊下げて、ガスの流れ方向と交差するミスト捕集用スクリーンを形成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミスト分離装置およびこれを用いたε―カプロラクタムの製造方法に関し、特にシクロヘキサノンオキシムを蒸発させて得られるガス中に同伴するミストを分離するのに好適なミスト分離装置およびこれを用いたε―カプロラクタムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ε―カプロラクタムは、工業的に重要な化学原料であり、繊維あるいは樹脂として多岐の用途に使われるナイロンー6の合成に用いられることでよく知られている。ε―カプロラクタムは、主に、シクロヘキサノンオキシムを出発原料とするベックマン転位反応による方法で製造される。この方法には、液相ベックマン転位反応と気相ベックマン転位反応とがある。
【0003】
従来より用いられていた液相ベックマン転位反応による方法は、触媒として使われる硫酸を中和するために多量のアンモニアを必要とし、その結果、利用価値の低い硫酸アンモニウムが副生成物として多量に発生するため、その処理コストや環境の面からも問題があった。このため、副生成物の発生の少ない気相ベックマン転位反応による方法が注目されている(非特許文献1)。この気相ベックマン転位反応は、固体触媒を用いて気相中にてシクロヘキサノンオキシムをベックマン転位させるものである。
【0004】
気相ベックマン転位反応による方法では、反応物を気相条件下で反応させる必要があるため、シクロヘキサノンオキシムを蒸発させるための蒸発工程があり、ついで蒸発したシクロヘキサノンオキシムを熱交換器を通して所定の温度にまで上げた後、触媒の存在下で気相ベックマン転位反応させる。シクロヘキサノンオキシムの蒸発には、特許文献1で、蒸発を連続して円滑に行わせる方法が提案されいる。ところが、シクロヘキサノンオキシムの蒸発工程では、蒸発物に高沸点の不純物等を含むミストが同伴している。このミストは、ある温度以上でタール化するので、熱交換器の細管や配管などを閉塞させるといった問題がある。また、捕捉されずに反応工程まで搬送されると触媒の失活をもたらすといった不具合も生じさせる。そこで、この蒸発工程と反応工程の間には、ミストなどの不純物を除去するためのミスト分離工程が含まれる。
【0005】
ミストの分離については、一般的には、フィルターを用いたもの、遠心力や慣性力を利用したものなどが知られている。例えば、特許文献2、3ではダクト内に多数の邪魔板からなる流路を作ってミストを除去することを提案している。しかしながら、従来のミスト分離器では、シクロヘキサノンオキシムを蒸発して得られるガス中のミストのような場合、ミストがタール化し、固着してガス流路が閉塞し、ガスの圧損が大きくなって長期間の使用が困難となる。
【特許文献1】特開2002−284752号公報
【特許文献2】特開2003−236323号公報
【特許文献3】特開2000−126526号公報
【非特許文献1】和泉好高、他3名著、「カプロラクタムの新製造法」、化学工学会誌、第68巻、第1号、2004年1月発行、p.48〜50。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、タール化して固着するミストでもガス流路等が短期的に閉塞することなく長期間使用できるミスト分離装置、およびこれを用いてε―カプロラクタムを長期間安定して製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ミスト分離工程において、容器内に複数の鎖または棒状物を少なくとも一列に容器上部から吊下げて、ガスの流れ方向と交差するミスト捕集用スクリーンを形成したミスト分離装置を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係るミスト分離装置は、以下の構成を有する。
(1)容器の一端にガス流入口が、他端にガス流出口が設けられ、かつ容器内に複数の鎖または棒状物を少なくとも一列に容器上部から吊下げて、ガスの流れ方向と交差するミスト捕集用スクリーンを形成したことを特徴とするミスト分離装置。
(2)前記鎖または棒状物の吊下げ位置近傍の容器内壁面に邪魔板を設けたことを特徴とする(1)に記載のミスト分離装置。
(3)前記鎖が、該鎖の水平断面における長手方向とガスの流れ方向とが5〜20°の角度をなすように吊下げられており、かつガスの流れ方向に鎖が重ならないように鎖の位置をずらせて、少なくとも2列のミスト捕集用スクリーンが並設されていることを特徴とする(1)または(2)に記載のミスト分離装置。
(4)容器の中心軸が、下流側に向かって上方に傾斜していることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のミスト分離装置。
(5)前記ガス流入口が容器の一端側に挿入されたパイプの先端開口であり、該開口は容器の内壁面に臨んでいることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のミスト分離装置。
【0009】
本発明のε―カプロラクタムの製造方法は、シクロヘキサノンオキシムを蒸発させる蒸発工程と、得られた蒸発ガスの中のミストをミスト分離装置により分離するミスト分離工程と、ミストを分離したシクロヘキサノンオキシムの蒸発ガスを触媒の存在下で気相ベックマン転位反応させてε―カプロラクタムを得る反応工程とを含み、前記ミスト分離装置が上記(1)〜(5)のいずれかに記載のミスト分離装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、容器内に複数の鎖または棒状物を少なくとも一列に容器上部から吊下げて、ガスの流れ方向と交差するミスト捕集用スクリーンを形成したミスト分離装置を用いることにより、ミストは鎖または棒状物に衝突して鎖または棒状物を伝って流下すると共に、鎖または棒状物は上から吊下げられガスの流れに従って自在に動くことができるので、ガスの圧損が増大するのを抑制し、タール化して固着するミストでも長期間使用することができる。
本発明のε―カプロラクタムを製造する方法によれば、ミスト分離工程において前記ミスト分離装置を使用することにより、蒸発物中のミストを効率よく分離除去でき、ミストのタール化などによる配管の閉塞を低減化でき、しかもミスト分離装置にてガスの圧損の増大を抑制することができるので、長期間安定してε―カプロラクタムの製造をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1はこの実施形態に係るε―カプロラクタムの製造工程の概要を示している。また、図2および図3はミストの分離装置の概要を示し、図4は鎖の吊り下げ状態を示す拡大図である。図5は鎖の配列状態を示す断面図である。
【0012】
本発明に係るε―カプロラクタムの製造方法は、図1に示すように、原料であるシクロヘキサノンオキシムを蒸発器1において蒸発させ、得られた蒸発ガスの中の不純物を含むミストをミスト分離装置20により分離し、ついでミストの除去された蒸発ガスを熱交換器3により所定の温度に調整した後、このシクロヘキサノンオキシムの蒸発ガスを反応器4に送り、触媒の存在下で気相ベックマン反応をさせてε―カプロラクタムを製造する。
【0013】
この製造方法において使用するミスト分離装置20は、図2に示すように、円筒形をなす密閉した容器2を備え、該容器2の一端側には略L字形に曲げられたパイプ5が挿入されている。容器2は、両端部が略半球形に形成されており、前記パイプ5の先端開口51は容器2の一端側にある略半球形内壁面に臨んでいる。これにより蒸発ガスを容器2の略半球形内壁面に吹きつけることでミストの一部を捕集する。
【0014】
ミストが蒸発ガスから分離して容器2底部に流下してできたミスト液を底部より効率よく回収できるよう、ガス流れの方向(矢印Aで示す)に対して上方に傾斜させるのが好ましい。傾斜角度θは特に制限されるものではなく、通常5〜20°程度であればよい。また、容器2の他端にはガス流出口32が設けられている。
【0015】
容器2内におけるガスの流路には、ミストを蒸発ガスから分離するために、鎖22が容器2の上部から吊り下げられている。すなわち、容器2内には、図3に示すように、流路の断面を覆うように多数の鎖22を所定の間隔で一列に吊下げて、ミスト捕集用スクリーンを形成している。
【0016】
図4(a)はこの実施形態における鎖22の吊り下げ状態を示す側面図であり、図4(b)はその正面図である。鎖22を構成するリングは、全長(楕円形の長径に相当)が30〜150mmであり、直径が4〜30mmでであるのがよい。
鎖22の間隔は、通常、鎖同士が接触しないよう50〜100mmである。一列当りの鎖22の間隔や吊り下げ個数は、一列当りの鎖22の投影面積が容器2の断面積の20〜40%となるように決定すればよい。ここで、鎖22の投影面積とは、一列に並べた鎖を正面(すなわちガスの上流側)から投影した投影図を作成したとき、容器の断面積において鎖22が占める面積割合をいう。
【0017】
この投影面積が大きいほど、ミスト捕集効率が高いことになる。ミスト捕集効率を高めるために鎖22の投影面積が最大となるのは、図4および図5に示す鎖の場合、図5に示すように、鎖22の水平断面における長手方向とガスの流れ方向Aとのなす角度αが12°であり、かつガスの流れ方向Aに鎖22が重ならないように鎖の位置をずらせて3列のミスト捕集用スクリーンが形成されているときである。この状態では、図5に2点鎖線で示すように、ミストが鎖22に衝突しないですり抜けることができにくくなり、ミストの捕集率が高まる。なお、前記角度12°は、鎖の形状および設置の仕方により変わる。
【0018】
一般には、ガス中のミスト量、鎖22の大きさや間隔、列数(スクリーン数)などによってミスト捕集率は影響を受ける。そのため、通常は、前記角度αが5〜20°の範囲で鎖22を吊下げ、かつガスの流れ方向Aに鎖22が重ならないように鎖の位置をずらせて、少なくとも2列のミスト捕集用スクリーンが並設されるようにすればよい。
列の間隔は10〜15cmであるのがよい。また、列の数を多くしすぎてもミスト分離の効率は上がらずむしろ圧損が増すので、列数は最大で6列程度であるのが適当である。なお、鎖22の間隔を静止した状態で鎖が接触しない範囲で密にすれば、前記スクリーンは1列のみであってもよい。また、鎖22の吊り下げ位置は容器2のガス流出口32近くに配設するのがミストの捕集率を高めるうえで好ましい。
【0019】
なお、鎖22の吊り下げは以下のようにして行なう。すなわち、図4に示すように、容器2の内壁面上部に取り付けたフック取付座25に複数のフック26を溶接などにより所定の間隔で取付け、このフック26に鎖22を引っ掛けて吊り下げるようにする。このようにすると、鎖22の洗浄や交換のために、鎖22を取り外したり、取り付けたりするのが容易になる。フック取付座25は、図3に示すように、吊り下げた鎖22が容器2の断面をほぼ覆うような長さを有している。
【0020】
鎖22の吊下げ位置近傍の容器22内壁面には、その周方向に邪魔板23が立設されている。好ましくは、邪魔板23は鎖22の吊下げ位置の上流側近傍に設けるのがよい。邪魔板23の高さは、鎖22と容器2の内壁面との間の隙間を塞ぐのに充分な高さであればよい。この邪魔板23により、壁面近くの鎖22の隙間からミストを含む蒸発ガスがすり抜けるを防ぐと共に、ミストの捕集効果も加わり、ミストの捕集効率が一層高まる。
【0021】
前記邪魔板23は、図3に示すように、容器2の底部に切り欠き部24が形成されている。そのため、鎖22で捕集され鎖22を伝って流下したミスト液は、切り欠き部24を通って、傾斜した容器2の最底部に流れ、該最底部から排出される。
【0022】
前記したシクロヘキサノンオキシムの蒸発工程では、図1に示すように、ε―カプロラクタム製造の出発原料であるシクロヘキサノンオキシムとこれを希釈する溶剤との混合液とがそれぞれオキシム供給パイプ10およびガス供給パイプ11を経て蒸発器1に送られる。前記溶剤としては、メタノールなどを窒素ガス等と共に使用するのがよい。
【0023】
前記混合液の蒸発は、圧力が133kPa以下の範囲で混合液を蒸発させるのがよく、また、蒸発温度は130〜170℃であるのが適当である。
得られた蒸発ガスは、蒸発ガス供給パイプ13を経て次のミスト分離工程に送られる。一方、蒸発器1内で蒸発せずに蒸発器1の底に溜まった未蒸発液は、蒸発器1から排出され、ポンプ14により循環パイプ12を通って再び蒸発器1内に送られる。
【0024】
前記蒸発工程で得られた蒸発ガスは、ミスト分離工程に送られ、ミスト分離装置20によりミストが分離される。このミストは約140℃でタール化しやすいので、この分離工程でのミストの分離が不十分であると、次の工程での熱交換器3の細管や他の配管でタール化し配管の閉塞をもたらす要因となる。
【0025】
前記分離工程でミストが分離された蒸発ガスは、パイプ21を経て熱交換器3に送られる。熱交換器3は、多数の細管(通常、径が約2〜3cm)を備えており、この細管内に蒸発ガスを通し、細管の外面にスチーム、熱風などの熱媒体を通して熱交換を行なわせ、蒸発ガスを所定の温度に調整する。この調整温度は250〜500℃である。この熱交換器3は複数配設してもよい。
【0026】
熱交換器3により所定の温度に調整されたシクロヘキサノンオキシムの蒸発ガスは原料供給パイプ31を通って反応器4に送られる。反応器4では、ゼオライトまたは非ゼオライト物質などの触媒の存在下、シクロヘキサノンオキシムをε−カプロラクタムに転位させる気相ベックマン転位反応が行われる。この反応は、流動層式の気相接触反応によって行われる。反応温度は、通常250〜500℃程度が好ましく、より好ましくは300〜400℃である。また、反応圧力は特に限定されるものではないが、常圧ないし減圧下であるのが好ましく、通常約5kPa〜0.2MPa、好ましくは約5kPa〜0.1MPaである。
かくして反応器4においてε―カプロラクタムを主成分とする反応生成物がガス状態で生成され、生成ガス排出パイプ41より系外に取り出される。
【0027】
なお、本発明における鎖または棒状物の形状は、特に限定されるものではなく、上から吊り下げることができ、かつ下端が自在に動けるものであれば、いかなるものであっても使用可能である。棒状物としては、例えば丸棒、角棒、細い板状物、あるいは針金などを螺旋状などの任意形状に加工したものなどが挙げられる。また、これらの材質としては、高温雰囲気に耐えうるように、金属、セラミックス、耐熱性プラスチックスなどが例示される。
【0028】
また、容器2としては、上記実施形態で示したようなドラム形等の容器に限定されるものではなく、例えば配管やダクトの一部を容器として利用し、これに上記実施形態と同様にして、鎖または棒状物を吊り下げるようにしてもよい。
【0029】
以下、実施例をあげて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
【実施例1】
【0030】
図2、図3に示すような容器2内に以下の条件で鎖22を吊り下げ、ガスの流れ方向に3列のミスト捕集用スクリーンを形成した。
(1)鎖22を構成するリングの寸法:全長50mm、直径10mm
(2)鎖22間隔:50〜100mm
(3)一列当りの鎖の投影面積:容器の断面積の33%(従って3列で99%)
(4)鎖22の角度α(図5):12°
(5)列の間隔:50mm
このミスト分離装置20を用いて、図1に示す工程に従ってε―カプロラクタムを製造した。運転条件は下記の通りである。
・ガス流量 20,000〜24,500kg/時
・運転圧力 110〜120kPaA
・運転温度 130〜150℃
・ガス成分 シクロヘキサノンオキシム(20%)、メタノール(70%)、窒素(10%)
・流入口ガス条件 飽和状態のガス、ミスト同伴
上記条件下で連続運転を行った。その結果、熱交換器3の上流の1日当りの圧力上昇量は平均0.03kPであった。
【0031】
(比較例1)
ミスト分離装置20内に鎖22を吊り下げなかった以外は、実施例1と同様の条件で連続運転を行った。その結果、熱交換器3の上流の1日当りの圧力上昇量は平均0.1kPaであった。
【0032】
以上の結果から、実施例1ではミスト分離装置20内に鎖22のミスト捕集用スクリーンを形成したことにより、ミストのタール化による熱交換器3での細管の閉塞が減少し、長期にわたる安定した運転が可能となったことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態にかかるε―カプロラクタムの製造工程を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるミスト分離装置の断面図である。
【図3】図2のX−X線断面図ある。
【図4】(a)はこの実施形態における鎖22の吊り下げ状態を示す側面図であり、(b)はその正面図である。
【図5】鎖22の配列状態を示す水平断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1:蒸発器
2:ミスト分離容器
3:熱交換器
4:反応器
20:ミスト分離装置
22:鎖
23:邪魔板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の一端にガス流入口が、他端にガス流出口が設けられ、かつ容器内に複数の鎖または棒状物を少なくとも一列に容器上部から吊下げて、ガスの流れ方向と交差するミスト捕集用スクリーンを形成したことを特徴とするミスト分離装置。
【請求項2】
前記鎖または棒状物の吊下げ位置近傍の容器内壁面に邪魔板を設けたことを特徴とする請求項1記載のミスト分離装置。
【請求項3】
前記鎖が、該鎖の水平断面における長手方向とガスの流れ方向とが5〜20°の角度をなすように吊下げられており、かつガスの流れ方向に鎖が重ならないように鎖の位置をずらせて、少なくとも2列のミスト捕集用スクリーンが並設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のミスト分離装置。
【請求項4】
容器の中心軸が、該容器内を流れるガスの下流側に向かって上方に傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のミスト分離装置。
【請求項5】
前記ガス流入口が容器の一端側に挿入されたパイプの先端開口であり、該開口は容器の内壁面に臨んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のミスト分離装置。
【請求項6】
シクロヘキサノンオキシムを蒸発させる蒸発工程と、得られた蒸発ガスの中のミストをミスト分離装置により分離するミスト分離工程と、ミストを分離したシクロヘキサノンオキシムの蒸発ガスを触媒の存在下で気相ベックマン転位反応させてε―カプロラクタムを得る反応工程とを含み、前記ミスト分離装置が請求項1〜5のいずれかに記載のミスト分離装置であることを特徴とするε―カプロラクタムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−29785(P2007−29785A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−212846(P2005−212846)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】