説明

ミスト吐出機能付シャワーヘッドの固定構造

【課題】容易に安価にミスト吐出機能付シャワーヘッドを設置してミストを浴室に吐出可能とするミスト吐出機能付シャワーヘッドの固定構造を提供する。
【解決手段】ケーシング1に流入口10とシャワー吐出口21とミスト吐出口31と、シャワー流路2と、ミスト流路3と、ミスト発生手段4と、シャワー流路2とミスト流路3とを切り替える切替スイッチ5を設けてミスト吐出機能付シャワーヘッドを構成する。切替スイッチ5の表面に非円形凹部51を形成し、浴室壁Wにケーシング1を保持させる保持腕6を設け、保持腕6の内外に貫通し外側から回転させてねじ込むことで保持腕6の内側のケーシング1の切替スイッチ5に対応する部分に向けてロック部71を突出するロック手段7を設けた。ケーシング1を保持腕6に保持させ、ロック部71を非円形凹部51に嵌入させて保持腕6へのロックを行うと共に回転させてミスト流路3に切り替えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミスト吐出機能付シャワーヘッドの固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、浴室内でミストサウナを行うためのミストサウナ装置が知られている。ミストサウナ装置は、浴室内にミストを吐出して低温又は高温で高湿度の環境を作り出し、身体に掛かる負担を少なくして使用者の発汗を促すものである。
【0003】
ミストサウナ装置は、例えば特許文献1に示されるもののように、装置本体を浴室天井裏等に設置し、天井に形成した開口を介して浴室内にミストを吐出するのであるが、この装置は高価であると共に、設置作業が煩雑で設置に費用がかかるものであった。
【0004】
そこで、ミスト吐出機能を備えた装置を容易に安価に設置することができて、手軽にミストを吐出可能なものが望まれていた。
【特許文献1】特開2003−65554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、容易に安価にミスト吐出機能付シャワーヘッドを設置してミストを浴室に吐出可能とするミスト吐出機能付シャワーヘッドの固定構造を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、ケーシング1に流入口10とシャワー吐出口21とミスト吐出口31とを設け、前記流入口10からシャワー吐出口21に至るシャワー流路2と、前記流入口10からミスト吐出口31に至るミスト流路3とをケーシング1内部に設け、ミスト流路3のミスト吐出口31近傍にミスト発生手段4を設け、流入口10から流入した湯水をシャワー流路2に流すかミスト流路3に流すかを回転により切り替える切替スイッチ5を、その表面に形成した非円形凹部51が外方に臨むようにケーシング1の表面に設けてなるミスト吐出機能付シャワーヘッドの固定構造であって、浴室壁Wに設けられ内部にケーシング1を保持させる保持腕6に、保持腕6の内外に貫通し外側から回転させてねじ込むことで保持腕6の内側のケーシング1の切替スイッチ5に対応する部分に向けてロック部71を突出するロック手段7を設け、ケーシング1を保持腕6に保持させてロック手段7を回転させることで、ロック部71をケーシング1の切替スイッチ5の非円形凹部51に嵌入させて保持腕6へのロックを行うと共に、切替スイッチ5をロック部71と共に回転させてミスト流路3に切り替えて成ることを特徴とするものである。
【0007】
このような構成とすることで、ミスト吐出機能付シャワーヘッドを用いることで、容易に安価にミスト吐出機能を得ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明にあっては、ミスト吐出機能を備えた装置を浴室天井裏等に設置する必要がなく、高価な装置やその設置作業が不要であり、ミスト吐出機能付シャワーヘッドを用いることで、容易に安価にミスト吐出機能を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について図1乃至図4に基づいて説明する。
【0010】
シャワーヘッドは、図1、図2に示すように、外殻となるケーシング1の上端が膨大部1aとなると共に、ケーシング1の膨大部1aよりも下側の部分が前記膨大部1aよりも径の小さい小径部1bとなっている。膨大部1aは、一側面にシャワー吐出口21が設けてあり、また別の側面にミスト吐出口31が設けてある。シャワー吐出口21は、膨大部1aの一側面に形成される略円形状をした面に、多数の小さい孔を穿孔して形成している。
【0011】
ケーシング1の小径部1bは、下方へ行く程径が小さくなる略円筒状をしたもので、その下端部には流入口10が設けてあり、前記流入口10からシャワー吐出口21に至るシャワー流路2がケーシング1内部に設けてある。また、前記シャワー流路2とは別に、前記流入口10からミスト吐出口31に至るミスト流路3がケーシング1内部に設けてある。シャワー流路2とミスト流路3とは上流側(流入口10側)の一部を共有していて、途中から下流側において別々となっている。ケーシング1の流入口10にはシャワーホース8が接続される。
【0012】
また、ミスト流路3のミスト吐出口31近傍にはミスト発生手段4が設けてある。ミスト発生手段4は、ミスト流路3のミスト吐出口31近傍に回転自在に収容された拡散翼(図示せず)により湯水をミスト状とするものである。
【0013】
またケーシング1には、流入口10から流入した湯水をシャワー流路2に流すかミスト流路3に流すかを切り替える切替スイッチ5が設けてある。切替スイッチ5は、表面に形成した非円形凹部51が外方に臨むようにケーシング1の表面に設けるもので、非円形凹部51を回転させることで切り替えを行うものである。非円形凹部51は、内部に後述するロック部71が嵌入されて、ロック部71の回転に伴って回転するようになっている。切替スイッチ5の外端面は、ケーシング1の表面と略面一か、ケーシング1よりも内部に没入されている。切替スイッチ5は、流入口10に接続される共有流路11の下流端の近傍に取り付けてある。そして切替スイッチ5は、非円形凹部51を中心として回転させることで、共有流路11の下流端の位置が変化し、シャワー流路入口20とミスト流路入口30のいずれかに選択的に位置させることができる。
【0014】
浴室壁Wには、上述したケーシング1を保持する保持腕6が設けてある。保持腕6は、内部にケーシング1の小径部1bが上方から挿入されて、法線が水平よりも上側を向く保持腕6内面によりケーシング1を保持するもので、両保持椀の先端間がシャワーホース8の挿通隙間となっている。そして保持椀には、保持したケーシング1が脱落しないようにロックするロック手段7を設けている。
【0015】
ロック手段7は、保持腕6の内外に貫通する孔に配置され、外側から回転させてねじ込むことで、保持腕6の内側のケーシング1の切替スイッチ5に対応する部分に向けて移動するもので、先端に切替スイッチ5の非円形凹部51に嵌入されるロック部71を突出している。本実施形態では、ロック手段7は、保持椀にケーシング1を保持させた時に非円形凹部51が位置する部分(特に高さ位置)において、保持椀に内外に貫通するねじ孔61を螺設し、このねじ孔61に雄ねじ72を形成したロック手段7を外側から螺合させてある。また本実施形態では、ロック部71と非円形凹部51は略正方形状をしているが、特に限定されない。すなわち、嵌合して回転させた時に空回りしない形状であればよい。
【0016】
上記のミスト吐出機能付シャワーヘッドは、ケーシング1の小径部1bを保持腕6に保持させて、ロック手段7を回転させてねじ込むことで、ロック部71をケーシング1の切替スイッチ5の非円形凹部51に嵌入させ、更にロック手段7を回転させることで、ロック部71が嵌入した非円形凹部51を回転させて湯水をシャワー流路2に流す状態からミスト流路3に流す状態へと切り替えるもので、流路の切り替えと同時にケーシング1の保持椀へのロックが行われる。
【0017】
上記構成によれば、ミスト吐出機能を備えた装置を浴室天井裏等に設置する必要がなく、高価な装置やその設置作業が不要であり、ミスト吐出機能付シャワーヘッドを用いることで、容易に安価にミスト吐出機能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態のミスト吐出機能付シャワーヘッド及び保持腕の分離した状態の斜視図である。
【図2】同上において保持腕にてミスト吐出機能付シャワーヘッドを保持した状態を示し、(a)はロック手段によるロックを行っていない状態の一部切欠正面図であり、(b)はロック手段によるロックを行っている状態の一部切欠正面図である。
【図3】同上において切替スイッチによりシャワー流路に切り替えた状態を示し、(a)は断面図であり、(b)は斜視図である。
【図4】同上において切替スイッチによりミスト流路に切り替えた状態を示し、(a)は断面図であり、(b)は斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 ケーシング
1a 膨大部
1b 小径部
10 流入口
11 共有流路
2 シャワー流路
20 シャワー流路入口
21 シャワー吐出口
3 ミスト流路
30 ミスト流路入口
31 ミスト吐出口
4 ミスト発生手段
5 切替スイッチ
51 非円形凹部
6 保持腕
61 ねじ孔
7 ロック手段
71 ロック部
72 雄ねじ
8 シャワーホース
W 浴室壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングに流入口とシャワー吐出口とミスト吐出口とを設け、前記流入口からシャワー吐出口に至るシャワー流路と、前記流入口からミスト吐出口に至るミスト流路とをケーシング内部に設け、ミスト流路のミスト吐出口近傍にミスト発生手段を設け、流入口から流入した湯水をシャワー流路に流すかミスト流路に流すかを回転により切り替える切替スイッチを、その表面に形成した非円形凹部が外方に臨むようにケーシングの表面に設けてなるミスト吐出機能付シャワーヘッドの固定構造であって、浴室壁に設けられ内部にケーシングを保持させる保持腕に、保持腕の内外に貫通し外側から回転させてねじ込むことで保持腕の内側のケーシングの切替スイッチに対応する部分に向けてロック部を突出するロック手段を設け、ケーシングを保持腕に保持させてロック手段を回転させることで、ロック部をケーシングの切替スイッチの非円形凹部に嵌入させて保持腕へのロックを行うと共に、切替スイッチをロック部と共に回転させてミスト流路に切り替えて成ることを特徴とするミスト吐出機能付シャワーヘッドの固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−233066(P2009−233066A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82139(P2008−82139)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(505154956)パナソニック電工バス&ライフ株式会社 (306)
【Fターム(参考)】