説明

ミスト発生装置

【課題】放電電極に結露が発生することを避け、ミストと金属微粒子を安定して放出させ得るミスト発生装置を提供する。
【解決手段】ミスト発生部1で生成されるミストと、放電部8で生成される金属微粒子を混合して放出するミスト発生装置において、放電部8をミストの放出経路から外れた位置に設けた。別の形態では、前記ミストと金属微粒子とを混合して放出する混合室を備え、前記放電部8の直近に配設した送風部7で生成される風で前記金属微粒子を前記混合室に送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、顔等の肌面にミストと金属微粒子を供給してスキンケアを行うミスト発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ミスト発生装置は、微細なスチームミストを発生させるミスト発生部と、金属微粒子を発生させる放電電極とを備え、スチームミストと金属微粒子を混合して肌面に供給することにより、肌面への保水作用と抗菌作用とを得ることが可能である。
【0003】
特許文献1には、スチーム粒子を発生させるスチーム発生部と金属微粒子を発生させる放電電極とを備えた美容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−29427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される美容器では、スチーム発生部からスチーム吐出口までのスチーム放出経路上に放電電極が配設されるため、放電電極に結露が発生して、放電動作が不安定となる。
【0006】
従って、放電電極で金属微粒子を安定して発生させることができないという問題点がある。
この発明の目的は、ミストと金属微粒子を安定して放出させ得るミスト発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のミスト発生装置は、ミスト発生部で生成されるミストと、放電部で生成される金属微粒子を混合して放出するミスト発生装置において、前記放電部を前記ミストの放出経路から外れた位置に設けたことを特徴とする。
【0008】
また、上記構成において、前記ミストと金属微粒子とを混合して放出する混合室を備え、前記放電部の直近に配設した送風部で生成される風で前記金属微粒子を前記混合室に送ることが好ましい。
【0009】
また、上記構成において、前記放電部から前記金属微粒子が送られるノズルを前記混合室とし、前記ミスト発生部のミスト放出口から前記ノズルに前記ミストを出すことが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、前記ノズル内に前記ミスト放出口を開口するとともに、該ミスト放出口の開口方向は、前記ノズルの開口方向に向かいながら、前記ノズルの軸心方向と一致しない方向とすることが好ましい。
【0011】
また、上記構成において、前記ミスト発生部は、前記ミストを発生させる液体貯留部を備え、前記金属微粒子を該液体貯留部に送って、該液体貯留部を前記混合室とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ミストと金属微粒子を安定して放出させ得るミスト発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第一の実施形態のミスト発生装置を示す概略図である。
【図2】第二の実施形態のミスト発生装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1に示すミスト発生装置は、液体貯留部1内に水あるいは化粧水等の液体が供給部2から適宜供給されて貯留される。
【0015】
前記液体貯留部1にはヒーター3が配設され、液体貯留部1内の液体Lを加熱してスチームミストを発生させるようになっている。従って、液体貯留部1とヒーター3でミスト発生部が構成される。
【0016】
前記液体貯留部1内で発生したスチームミストは、液体貯留部1の上部に設けられるミスト放出口4からノズル5内に向かって放出される。前記ミスト放出口4の開口方向は、ノズル5の軸心方向との間で20〜30度程度の角度を有するように開口され、スチームミストがミスト放出口4からノズル5の内周面に向かって斜めに放出されるようになっている。
【0017】
前記ノズル5には送風管6を介して送風部7が接続され、その送風部7で生成される風が送風管6を経て前記ノズル5に案内される。
前記送風部7とノズル5との間で前記送風管6には放電部8が介在される。この放電部8は、電圧印加ユニット9から供給される電圧が、例えば白金で形成される対向する一対の放電電極に印加されて放電動作を行い、その放電電極から白金の金属微粒子が放出される。
【0018】
また、前記送風部7は放電部8の直近に配設され、前記放電部8から放出された金属微粒子は、送風部7から送られる風で前記ノズル5に送られる。
ノズル5に送られた金属微粒子は、ノズル5内でミスト放出口4から放出されるスチームミストと混合され、ノズル5から放出される。
【0019】
次に、上記のように構成されたミスト発生装置の作用を説明する。液体貯留部1では液体Lがヒーター3で加熱されてスチームミストが発生する。液体貯留部1で発生したストームミストは、ミスト放出口4を経てノズル5内に放出される。
【0020】
また、放電部8で発生した金属微粒子は、送風部7からの風でノズル5内に送られ、ノズル5内でミスト放出口4から放出されるスチームミストと混合される。従って、ノズル5内がスチームミストと金属微粒子とを混合する混合室となり、ミスト放出口4の開口方向とノズル5の軸心方向が一致しないため、ノズル5内でスチームミストと金属微粒子がよりよく混合される。そして、ノズル5内で金属微粒子と混合されたスチームミストは、金属微粒子により凝縮され、混合ミストとなってノズル5から放出される。
【0021】
上記のようなミスト発生装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)スチームミストと金属微粒子との混合ミストをノズル5から放出することができる。従って、混合ミストを肌面に供給することにより、肌面への保水作用と抗菌作用とを得ることができる。
(2)液体貯留部1からノズル5の先端までのスチームミストの放出経路から外れた位置に放電部8を位置させた。従って、放電部8での結露を防止して、金属微粒子を安定して発生させることができる。
(3)ノズル5からスチームミストと金属微粒子との混合ミストを安定して供給することができる。従って、安定したスキンケア効果を得ることができる。
(4)ミスト放出口4の開口方向とノズル5の軸心方向との間に一定の角度を有するので、ノズル5内を移動する金属微粒子とスチームミストとを効率よく混合することができる。
(5)放電部8の直近に設けた送風部7から送られる風で金属微粒子を送ることができるので、放電部8で生成された金属微粒子をノズル5内に効率よく放出することができる。
(第二の実施形態)
図2は、ミスト発生装置の第二の実施形態を示す。前記第一の実施形態は、金属微粒子をノズル5に放出する構成としたが、この実施形態は金属微粒子を液体貯留部に放出して、液体貯留部を混合室として作用させるようにしたものである。第一の実施形態と同一構成部分は同一符号を付して説明する。
【0022】
図2に示すように、送風部7から送られる風は、放電部8及び送風管6を経て液体貯留部1内に案内される。放電部8は電圧印加ユニット9からの電圧供給に基づいて放電動作を行い、金属微粒子を放出する。液体貯留部1では、ヒーター3により液体Lが加熱されてスチームミストが生成される。
【0023】
そして、スチームミストと金属微粒子は液体貯留部1内で混合され、液体貯留部1のミスト放出口4を経てノズル5から放出される。
このような構成のミスト発生装置では、第一の実施形態と同様に、放電部8はスチームミストの移動経路上には配設されていないので、放電部8では安定した放電動作が行われ、金属微粒子が安定して生成される。従って、第一の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0024】
また、放電部8で生成された金属微粒子が、送風部7により液体貯留部1内に放出されてスチームミストと混合されるので、液体貯留部1を混合室として利用しながら、スチームミストと金属微粒子を効率よく混合することができる。
【0025】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・ノズル5や液体貯留部1から独立した混合室を設けてもよい。
・スチームミストに代えて、超音波ミストとしてもよい。
・上記実施形態では、一対の放電電極としたが、二対又はそれ以上の複数対の放電電極としてもよい。
・上記実施形態では、送風部7の吐出側に放電部8を設けたが、送風部7の吸入側に放電部8を設けるようにしてもよい。このような構成により、放電部の放電により生成された金属微粒子が送風部で吸引且つ攪拌されてノズルに供給されるので、金属微粒子がより均一に浮遊した気体をノズルに供給して、スチームミストと金属微粒子を効率よく混合することができる。
【符号の説明】
【0026】
1…ミスト発生部(混合室、液体貯留部)、4…ミスト放出口、5…混合室(ノズル)、7…送風部、8…放電部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミスト発生部で生成されるミストと、放電部で生成される金属微粒子を混合して放出するミスト発生装置において、
前記放電部を前記ミストの放出経路から外れた位置に設けたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のミスト発生装置において、
前記ミストと金属微粒子とを混合して放出する混合室を備え、前記放電部の直近に配設した送風部で生成される風で前記金属微粒子を前記混合室に送ることを特徴とするミスト発生装置。
【請求項3】
請求項2に記載のミスト発生装置において、
前記放電部から前記金属微粒子が送られるノズルを前記混合室とし、前記ミスト発生部のミスト放出口から前記ノズルに前記ミストを出したことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項4】
請求項3に記載のミスト発生装置において、
前記ノズル内に前記ミスト放出口を開口するとともに、該ミスト放出口の開口方向は、前記ノズルの開口方向に向かいながら、前記ノズルの軸心方向と一致しない方向としたことを特徴とするミスト発生装置。
【請求項5】
請求項2に記載のミスト発生装置において、
前記ミスト発生部は、前記ミストを発生させる液体貯留部を備え、前記金属微粒子を該液体貯留部に送って、該液体貯留部を前記混合室としたことを特徴とするミスト発生装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−200535(P2012−200535A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70376(P2011−70376)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】