説明

ミツバチの巣箱

【課題】西洋ミツバチと比較して養蜂しづらいと言われる日本ミツバチであっても、合理的に飼育及び採蜜することができる重箱式の巣箱を提供する。
【解決手段】上下に貫通し複数段重ねることができ巣板の成長に伴い下に継ぎ足しが可能且つ上の段から抜き取って採蜜が可能な中箱3と、前記中箱3の下に置く観察窓及び給餌管を付設可能な下箱4と、前記下箱4を支える前面の空いた底枠6と、前記底枠6の前面に被せる出入口付き前板7と、前記中箱3の上に載せる天板を付けた上箱2と、前記上箱に被せる角を丸めた長方形状の蓋体10と、前記蓋体10から中箱3までを覆い害虫の侵入を防止するネット9と、前記ネット9が中箱3に接近しないように取り付ける角を丸めた長方形状の枠板11と、前記枠板11に設けた側周溝に前記ネット9を留めるゴム紐とからなるミツバチの巣箱。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミツバチの養蜂に使用する巣箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
養蜂されるミツバチには、主に日本ミツバチ、西洋ミツバチ、その他外国種ミツバチがある。日本では、日本ミツバチと西洋ミツバチが養蜂されており、作物の受粉に利用される。ミツバチの巣は、中空の六角柱が平面状に多数連続した構造で、複数の巣板が鉛直方向に伸びる。西洋ミツバチの方が飼育しやすく、蜂蜜を多く採集することができる。
【0003】
西洋ミツバチの養蜂は、巣枠に巣礎を張ったものを巣箱の中に入れて行われる。巣礎には六角形のパターンがプリントされており、それに沿ってミツバチがハニカム構造の巣を形成するため、効率的で扱いやすい。
【0004】
日本ミツバチの場合は、蜜が溜まるまでに半年から1年程度の長い時間が掛かり、途中で死んでしまったり、害虫が侵入して巣を食い荒らされてしまうことがあるが、日本ミツバチの蜂蜜の方が品質が良いことから日本ミツバチの養蜂も行われている。
【0005】
尚、特許文献1に記載されているように、日本ミツバチに営巣を行わせて養蜂を行う養蜂用の巣箱の発明も公開されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、通気孔に金網を張っているだけであり、ミツバチの天敵であるスズメバチや、ミツバチの巣を食べてしまうスムシ(蛾の幼虫)からの保護が不十分であるという課題がある。
【0007】
また、瓶詰め等してしまうと本物と偽物の区別が見た目ではしにくいため、蜂蜜の産地や成分の偽造も多くなっており、消費者に如何にして本物の蜂蜜を届けることができるかも問題である。
【0008】
そこで、本発明は、西洋ミツバチと比較して養蜂しづらいと言われる日本ミツバチであっても、合理的に飼育及び採蜜することができる重箱式の巣箱を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、上下に貫通し複数段重ねることができ巣板の成長に伴い下に継ぎ足しが可能且つ上の段から抜き取って採蜜が可能な中箱と、前記中箱の下に置く観察窓及び給餌管を付設可能な下箱と、前記下箱を支える前面の空いた底枠と、前記底枠の前面に被せる出入口付き前板と、前記中箱の上に載せる天板を付けた上箱と、前記上箱に被せる角を丸めた長方形状の蓋体と、前記蓋体から中箱までを覆い害虫の侵入を防止するネットと、前記ネットが中箱に接近しないように取り付ける角を丸めた長方形状の枠板と、前記枠板に設けた側周溝に前記ネットを留めるゴム紐とからなり、前記下箱に水平に通した前記給餌管の上面を空けた横管に足場用のスポンジを入れ、前記横管から前記下箱の外へ上方に湾曲するパイプに、ノズルの先端を斜めにカットした餌容器を下向きに載置することにより、餌が減ると自動的に一定量まで供給することを特徴とするミツバチの巣箱の構成とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、日本ミツバチを養蜂するに際し、日本ミツバチに適した重箱式の巣箱を使用し、当該巣箱を害虫から十分に保護することにより、糖度の高い良品質の蜂蜜を採取することが可能となる。
【0011】
巣箱に網を掛けて害虫の侵入を防止しているが、網が巣箱に接近していると、そこから害虫が箱の繋ぎ目等の隙間に卵を産み、結果として害虫の侵入を許すことになるため、網を巣箱から離して留めることで、害虫の産卵も防止することができる。尚、網を不織布や紙に変えることにより、冬期は保温の効果を得ることもできる。
【0012】
給餌管で餌を供給することにより、出入口を開閉する必要もなく、餌の容器を倒す心配は無くなる上に、ミツバチの群れと最適な距離を保ちつつ、必要な時に適当量を給餌することが可能である。
【0013】
観察窓を設けることで巣箱内部の管理が容易となり、また、出入口の改良により、開閉を素早く出来るようにして害虫の侵入を防止したり、夏場に通気性を向上させたり、春期に女王蜂の逃走を防止することができる。
【0014】
ミツバチは巣板の天井付近にはあまり蜜を溜めないので、その部分を上箱として、採蜜対象となる中箱と分けることで、蜜の無い状態を除外することができる。それ以外にこのスペースは女王蜂の蛹を使った群れを分ける作業にも利用することができる。
【0015】
尚、一番の上の中箱を切り出す際、叩く等してミツバチを下方に追いやる必要があったが、透明な天板から巣板に光を当てることにより、静かにミツバチを移動させることができる。
【0016】
巣箱は何段も積み上げても転倒又は落下を防止する手段を備えており、上部で採蜜してもその刺激が下部のミツバチが集中している部分に伝わりにくいので、安全かつ迅速に作業することができる。
【0017】
日本ミツバチは病気やダニに強く、殺虫剤等を使用しないので、良質の蜂蜜が取れる反面、採取できる量が少ないが、巣箱のサイズを極力小型化することにより、ミツバチを捕獲してから最短で2ヶ月程度で蜂蜜を採取することができる。
【0018】
大型の巣箱は、大量の蜂蜜を採取できる反面、採取する時期の選定が難しく、長期間の保存により劣化する場合もあるが、容積の小さな巣箱の組み合わせにすることで、蜂蜜の溜まる速度も早く、溜まった順に切り出して行けば良いので、生産計画が立てやすい。
【0019】
蜂蜜を瓶詰め等してしまうと偽装を防ぐことが困難となるが、ミツバチの巣そのものであることから本物をアピールすることができ、抜き取った中箱ごと発泡スチロール等に収納するので扱いが容易である。冷凍すれば殺虫するこができ、それを保冷材として用いれば、新鮮な野菜や果物と一緒に宅配することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明であるミツバチの巣箱の斜視図である。
【図2】本発明であるミツバチの巣箱の正面図である。
【図3】本発明であるミツバチの巣箱の断面図である。
【図4】本発明であるミツバチの巣箱の中箱を示す図である。
【図5】本発明であるミツバチの巣箱の積み上げた中箱の固定方法を示す図である。
【図6】本発明であるミツバチの巣箱の下箱を示す図である。
【図7】本発明であるミツバチの巣箱の下箱に給餌管を取り付けた図である。
【図8】本発明であるミツバチの巣箱の給餌管を分解した図である。
【図9】本発明であるミツバチの巣箱の給餌管への給餌方法を示す図である。
【図10】本発明であるミツバチの巣箱の底枠を示す図である。
【図11】本発明であるミツバチの巣箱の底枠に底板を設けた場合の図である。
【図12】本発明であるミツバチの巣箱の底枠から底板を外した状態の図である。
【図13】本発明であるミツバチの巣箱の前板を示す図である。
【図14】本発明であるミツバチの巣箱の底枠に前板を被せた図である。
【図15】本発明であるミツバチの巣箱の前板に横格子板を取り付けた図である。
【図16】本発明であるミツバチの巣箱の横格子板を示す図である。
【図17】本発明であるミツバチの巣箱の上箱に被せる蓋体を示す図である。
【図18】本発明であるミツバチの巣箱の蓋体をネットで覆った図である。
【図19】本発明であるミツバチの巣箱のネットを枠板まで降ろした図である。
【図20】本発明であるミツバチの巣箱のネットをゴム紐で押さえた図である。
【図21】本発明であるミツバチの巣箱の枠板を環状にした場合の図である。
【図22】本発明であるミツバチの巣箱の中箱に隔離材を設けた場合の図である。
【図23】本発明であるミツバチの巣箱の隔離材の周りに覆枠を被せた場合の断面図である。
【図24】本発明であるミツバチの巣箱の覆枠を支柱に連結した側面図である。
【図25】本発明であるミツバチの巣箱の成長した巣板の断面を示す図である。
【図26】本発明であるミツバチの巣箱の中箱を継ぎ足した図である。
【図27】本発明であるミツバチの巣箱の中箱を採蜜した図である。
【図28】本発明であるミツバチの巣箱の採蜜した中箱を収納した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明であるミツバチの巣箱は、上下に貫通し複数段重ねることができ巣板の成長に伴い下に継ぎ足しが可能且つ上の段から抜き取って採蜜が可能な中箱と、前記中箱の下に置く観察窓及び給餌管を付設可能な下箱と、前記下箱を支える前面の空いた底枠と、前記底枠の前面に被せる出入口付き前板と、前記中箱の上に載せる天板を付けた上箱と、前記上箱に被せる角を丸めた長方形状の蓋体と、前記蓋体から中箱までを覆い害虫の侵入を防止するネットと、前記ネットが中箱に接近しないように取り付ける角を丸めた長方形状の枠板と、前記枠板に設けた側周溝に前記ネットを留めるゴム紐とからなり、前記下箱に水平に通した前記給餌管の上面を空けた横管に足場用のスポンジを入れ、前記横管から前記下箱の外へ上方に湾曲するパイプに、ノズルの先端を斜めにカットした餌容器を下向きに載置することにより、餌が減ると自動的に一定量まで供給することを特徴とすることを特徴とする。
【0022】
また、前板に対し、ミツバチを潰さずに塞げるように上面及び表面に取り付けた底枠との間に間隙を残すための突起と、ミツバチの通過を制限するために出入口に取り付けた間隔を拡張可能な横格子板とを設けたことを特徴とする。
【0023】
また、上箱の天板を透明で下面が細かい凹凸状の樹脂板にした上で、前記天板と蓋体との間に黒いシートを挟んで暗さを確保しておき、中箱を抜き取る際に前記蓋体及びシートを取り除いて前記天板を通して内部に光を当てることによりミツバチを下方に移動させることを特徴とする。
【0024】
また、枠板が、2つのL字枠を合わせて取り付けるもの又は環状枠であり、側周溝の直線部を湾曲させることにより、前記側周溝にゴム紐をフィットさせることを特徴とする。
【0025】
また、蓋体に載せたカバーと、下箱に取り付けた支枠と、中箱に取り付けた隔離材の周りに被せた覆枠とを、支持部を介して地面に立てた支柱に連結させることにより、段数が増えても転倒を防止することを特徴とする。
【0026】
また、底枠から下方に銅板を巻いた脚を延ばして土台から浮かし、前記底枠に底板を着脱可能に取り付けることを特徴とする。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明であるミツバチの巣箱の斜視図である。図2は、本発明であるミツバチの巣箱の正面図である。図3は、本発明であるミツバチの巣箱の断面図である。
【0028】
ミツバチの巣箱1は、上箱2及び中箱3及び下箱4からなる箱体と、底枠6及び前板7からなる底体と、蓋体8と、ネット9及び枠板11及びゴム紐13からなる被覆体と、支柱14及びカバー10及び支枠15からなる支持体などで構成される。
【0029】
箱体は、内部が中空で上下に貫通しており、内部にミツバチの巣板20を形成させる。箱体は底体の上に載せられ、箱体の上には蓋体8が被せられる。また、箱体の周囲は被覆体で覆われ、支持体で倒れないように支えられる。
【0030】
上箱2は、箱体の一番上の部分であり、天板2aで上面が塞がれ、天板2aから下方に向けて巣板20が延びていく。尚、巣板20の上部には蜂蜜が貯蔵されない領域があるので、それに合わせて上箱2の高さが決められる。
【0031】
中箱3は、箱体の中間部分であり、複数段重ねることができる。巣板20の成長に伴い最下段の中箱3の下に継ぎ足すことが可能であり、また、最上段の中箱3を抜き取って採蜜することが可能である。尚、転落防止のため留板3aで固定する。
【0032】
下箱4は、箱体の一番下の部分であり、観察窓4bと給餌管5の一方又は両方を設けることができる。観察窓4bを設けた下箱4と、給餌管5を設けた下箱4を、二段重ねにすることも可能である。
【0033】
観察窓4bは、通常は窓蓋4aで塞いでおき、定期的に窓蓋4aを外して内部を観察することができる。尚、巣板20が延びて底などに達しないように、継ぎ箱が必要な時期を判断することもできる。
【0034】
給餌管5は、砂糖水などのミツバチの餌を箱体の外部から内部へ供給するための部材である。尚、餌をやり過ぎると花の蜜を採取せずに餌を貯蔵するようになるので、給餌が必要な場合にだけ取り付ける。
【0035】
底体は、箱体を支えると共に、ミツバチが出入りする箇所である。尚、地面に置けば下面を閉じることができるが、平坦でなく不安定な場合には、土台16などを用意してその上に置く。
【0036】
底枠6は、左板と後板と右板が連設されたコの字型の枠である。前面が空いているので、内部の掃除や通気等が可能である。尚、左板及び右板には手で持つための取っ手として把持板6aが取り付けられる。
【0037】
前板7は、底枠6の空いた前面を塞ぐための蓋であり、スズメバチ等の害虫が侵入するのを防止することができる。尚、下側の一部を凹ませてミツバチが通過できる程度の高さで出入口7aが設けられる。
【0038】
蓋体8は、上箱2の上に載せる部材である。下部は、下面が空いた箱状であり、上箱2に被せることができる。上部は、下部より広い且つ角を丸めた長方形状の上板8aが取り付けられ、ネット9を被せることができる。
【0039】
被覆体は、箱体の周囲を覆って、蛾が箱体に卵を産むのを防止する。蛾は木の継ぎ目などに卵を産み、蛾の幼虫であるスムシがその隙間から内部に侵入すると、巣板20が食い荒らされ、ボロボロになってしまう。
【0040】
ネット9は、蓋体8の上から被せる袋状の網であり、防虫に適した素材及び網目にし、蛾が箱体に接近できないように、箱体から離れた状態にする。尚、巣板20を保護するため、底枠6の方まで覆う必要はなく、中箱3まで覆えれば良い。
【0041】
枠板11は、ネット9が箱体に接近しないように、箱体に取り付ける角を丸めた長方形状の枠材であり、中心部が長方形状に空き箱体が収まる。落下防止用の充填材12を介した上で箱体の周りに取り付ける。
【0042】
ゴム紐13は、ネット9を枠板11に形成した側周溝11aに留めるためのものである。環状に留めるため、側周溝11aは丸みを帯びていることが好ましい。ゴム紐13で留めることで、ネット9を張らせ、箱体に近接するのをより防ぐことができる。
【0043】
支持体は、箱体が転倒しないように支えるもので、地面に立てた支柱14に連結することで、箱体を高く積み上げても転倒の心配が無くなる。留板3aと共に箱体の形状維持に役立つものである。
【0044】
支柱14は、金属等の棒材であり、地面に埋め込んでしっかりと固定する。支持部14aにおいてカバー10と上部で連結し、支持部14bにおいて支枠15を中間部で連結することで、箱体を支える。
【0045】
カバー10は、蓋体8の上に被せてネット9を押さえると共に、支柱14に連結して箱体を支える部材である。カバー10の下面は蓋体8より大きい形状で凹んでおり、蓋体8とカバー10でネット9を挟む。
【0046】
支枠15は、金属等の枠材を箱体の周りに取り付け、支柱14に連結することで、箱体を支える部材である。尚、中箱3までネット9で覆われるので、下箱4に取り付けるのが好ましい。
【0047】
図4は、本発明であるミツバチの巣箱の中箱を示す図である。図5は、本発明であるミツバチの巣箱の積み上げた中箱の固定方法を示す図である。
【0048】
中箱3は、前板と左板と後板と右板が矩形状に連設した木製等の箱であり、上面と下面が空いた状態である。上箱2及び下箱4も同様であるが、上箱2は高さが短く上面に天板2aが付き、下箱4は観察窓及び給餌管を付設可能である。
【0049】
本発明は、従来の巣箱1よりも極力小型化しており、1つの中箱3の寸法例としては、12.5mm×14.0mm×18.0mmの大きさであり、最短で2ヶ月で蜂蜜を採取することが可能である。
【0050】
中箱3は、重箱状に複数段重ねることができ、各箱が落下しないように留板3aで留めるが、繋ぎ目を一周囲むように留める、一面又は複数面に板材を当てて留める、各角をL字状に折った板材で留める、等の方法がある。
【0051】
図6は、本発明であるミツバチの巣箱の下箱を示す図である。図7は、本発明であるミツバチの巣箱の下箱に給餌管を取り付けた図である。
【0052】
下箱4に観察窓4bを付ける場合、下箱4の前面等に内部を観察できる程度の円形等の穴を刳り抜き、ガラス等の透明な板を貼り付けて内外を遮断する。尚、刳り抜いた部分は取っ手を付けて窓蓋4aとして利用する。
【0053】
下箱4に給餌管5を付ける場合、下箱4の一側面に孔を空け、外側から給餌管5を貫通させて反対側の側面の内壁まで押し込み固定する。そして、砂糖水などの餌17aを入れた餌容器17を設置する。
【0054】
給餌管5は、内部に足場用のスポンジ5eを入れ下箱4内に水平に通した上面の空いた横管5bと、横管5bに連設し下箱4外で上方に湾曲するパイプ5aとからなり、パイプ5aに餌容器17を下向きに載置することにより、餌17aを供給する。
【0055】
餌容器17からパイプ5aを介して横管5b内に餌17aが供給され、ミツバチは上面孔5cからスポンジ5eを足場として食事する。尚、足場がないとミツバチが液中に落ちて溺れる可能性がある。
【0056】
図8は、本発明であるミツバチの巣箱の給餌管を分解した図である。図9は、本発明であるミツバチの巣箱の給餌管への給餌方法を示す図である。
【0057】
横管5bの一端は液漏れ防止用のパッキン5gを介した上で端押さえ5fで塞がれ、他端はパイプ5aの水平部が差し込まれ、パイプ5aの水平部を塞ぐように中押さえ5hで押さえる。
【0058】
端押さえ5fの中心から中押さえ5hの中心には軸体5dが通り、端押さえ5fを貫通した軸体5dは下箱4に内壁に固定される。また、端押さえ5fと中押さえ5hの間には複数の円柱状のスポンジ5eが配される。
【0059】
中押さえ5hには軸体5dが通る箇所の周囲に複数の貫通孔5iが空けられ、パイプ5aから来た餌17aを横管5b内に導入する。横管5b内の餌17aはスポンジ5eに吸収されたり絡め取られる。
【0060】
餌容器17は、ペットボトル状の容器に、先端を斜めにカットしたノズル17bで蓋をする。尚、餌容器17は逆様にするので、ペットボトルの口とノズル17bの間にはパッキン17cを介して液漏れ防止対策を施す。
【0061】
パイプ5aの垂直部に餌容器17を下向きにしてノズル17bを差し込むように載置する。餌容器17内の餌17aがノズル17bから流れ出し、パイプ5a及び横管5b内に溜まる。
【0062】
液面の高さがノズル口よりも上になり、斜めになったノズル口が塞がると餌17aの流出が止まる。餌17aが減り、液面が下がると、また同じ高さまで餌17aが供給される。即ち、常に餌17aが一定量となるように自動供給される。
【0063】
一時的に餌17aの供給を止める場合は、パイプ5aの垂直部にから餌容器17を抜いてキャップ5jで蓋をする。また、暫く餌17aの供給を止める場合は、給餌管5を設けた下箱4を取り外せば良い。
【0064】
餌17aの供給を止めた際に、パイプ5a及び横管5b内に餌17aが残っている場合は、パイプ5aの下面に設けたドレーン5kを開放することにより、餌17aを排出することもできる。
【0065】
図10は、本発明であるミツバチの巣箱の底枠を示す図である。
【0066】
底枠6は箱体よりも大きいサイズであるが、底枠6の上には下箱4が載るので、底枠6の上部には下箱4に合わせて突枠6bを形成し、下箱4と突枠6bとを留板3aなどで留めることが可能である。
【0067】
箱体内の環境が悪くなると、ミツバチが逃走する可能性があるため、前板7を外して定期的に内部を掃除をすることが望ましい。湿気が多いとカビ等も生えるし、スムシが発生すると巣板20が食べられてしまう。
【0068】
ただし、底面積は従来の4分の1程度であり、ミツバチが絶えず掃除をするので、スムシは発生しにくい。また、巣板20の下端にミツバチが集中しているので、スムシが巣板20に侵入することはほぼ不可能である。
【0069】
図11は、本発明であるミツバチの巣箱の底枠に底板を設けた場合の図である。図12は、本発明であるミツバチの巣箱の底枠から底板を外した状態の図である。
【0070】
底枠6内に溜まった巣屑は前板7を外して掃除することになるが、底枠6の空いた底面は土台16により固定的に塞がれているので、蝋や害虫の吐く糸などがまとわりついて取り除き難い場合がある。
【0071】
そこで、脚6cにより底枠6を土台16から浮かせて、底枠6の底面に底板6eを着脱可能に取り付ける。底板6eを外せば綺麗に掃除することが可能となり、底が浮くことで、地面から侵入する害虫も防ぐことができる。
【0072】
尚、脚6cは把持板6aを下方に延ばし突出させたもので、脚6cを土台16の上に置いて全体を支える。脚6cの下部には銅板6dを巻き、ミツバチの巣屑を好むナメクジ等が侵入できないようにする。
【0073】
底板6eの奥側に取り付けた掛具6gを底枠6の背面側に回動可能に引っ掛け、底板6eの手前側に取り付けた留具6fを底枠6の側面側に留めることにより、底枠6の底面を塞ぐことができる。
【0074】
尚、留具6fは、バネやゴム等の弾性体を用いて、回動する底板6eを底枠6側に持ち上げるようにする。また、掛具6gは、鉤状の金具により、底板6eを持ち上げた際は外れず、底板6eを降ろした際に外れるようにする。
【0075】
図13は、本発明であるミツバチの巣箱の前板を示す図である。図14は、本発明であるミツバチの巣箱の底枠に前板を被せた図である。
【0076】
図13の上段の図は、前板7の表面を示す図であり、出入口7aを下にした状態である。図13の下段の図は、前板7を裏返して、前板7の裏面を示す図であり、出入口7aを上にした状態である。
【0077】
前板7の上面の両端に上方に尖った上面突起7bを設け、表面の四隅にも垂直方向に尖った表面突起7cを設ける。また、前板7の表面及び裏面には掴みやすいように取っ手7dも設ける。
【0078】
通常は、出入口7aが下の状態で突起のない裏面を底枠6に合わせるが、内部を掃除等するために開けた場合、多数のミツバチが群がって前板7を閉めるとミツバチを潰してしまう可能性があり、閉められずにいるとスズメバチ等が侵入する可能性もある。
【0079】
そこで、前板7を開けた際、上面突起7bを下側に向けて出入口7aが上の状態にし、表面突起7cのある表面を底枠6に合わせ、前板7と底枠6の間及び前板7と土台16の間に小さな間隙を残したまま前面を塞ぐ。
【0080】
上面突起7b及び表面突起7cによりできる間隙は、ミツバチは通過できるが、ミツバチより大きいスズメバチ等は通過できない幅である。尚、上面突起7b及び表面突起7cが棒状であるとミツバチを潰すことがあるので、尖っている方が好ましい。
【0081】
また、前板7を外した際に前板7を置いておくために両面突起7eを設けても良い。前板7に多数のミツバチが群がっていると地面等に置いた際に潰してしまうことがあるためで、すぐに置ければスズメバチ等の襲来に即時に対応することも可能となる。
【0082】
尚、両面突起7eは、取っ手7dの周りに4箇所くらい設ける。金属又はプラスチック製の細い棒を前板7に貫通させ、前板7の表面と裏面に取っ手7dの高さよりも長めに突出させる。
【0083】
図15は、本発明であるミツバチの巣箱の前板に横格子板を取り付けた図である。図16は、本発明であるミツバチの巣箱の横格子板を示す図である。
【0084】
前板7の出入口7aは、働き蜂等よりも大きい女王蜂も通過可能であり、働き蜂は花から蜜を採取して戻ってくるが、女王蜂が逃走してしまうと無王群となり、正常な巣板20が形成されない。
【0085】
そこで、前板7の出入口7aに調整材19で間隔を拡張可能な横格子板18を取り付けることにより、働き蜂は通過できるが女王蜂は通過できないというように、ミツバチの通過を制限する。
【0086】
横格子板18は、出入口7aに当てる逆凹状の板であり、空いた部分に複数の横棒18aを通することにより、通過できる間隙18bを制限するものである。任意に調整材19を取り付けることができる。
【0087】
調整材19は、間欠的に複数の突部19aが形成されており、各突部19aを横棒18aの各間隙18bに押し込むことで、間隙18bを拡げることができる。働き蜂や女王蜂のサイズに合わせて間隙18bを調整することができる。
【0088】
例えば、横棒18aの各間隙18bが3.6mmであった場合に、調整材19を嵌め込むことで、各間隙18bを3.7mmに拡張することができる。尚、全間隙18bを拡張するので、全体的に上下に湾曲する。
【0089】
図17は、本発明であるミツバチの巣箱の上箱に被せる蓋体を示す図である。
【0090】
上箱2の天板2aを、箱体同様に木製にすると、最上段の中箱3を切り取る際に、天板2a等を叩いてミツバチを下方に移動させる必要があるが、ミツバチが怒って箱体内が騒がしくなる。
【0091】
そこで、上箱2の天板2aを透明な樹脂板にし、天板2aを通して内部に光を当てることにより、静かにミツバチを下方に移動させることができる。尚、樹脂板が平滑であると巣板20が貼り付かないため、天板2aの下面に細かい傷を付けて凹凸状にする。
【0092】
また、蓋体8の内部には白い発泡スチロール8bを敷いて保温効果を持たせているが、透明な天板2aであると、箱体内の暗さを確保できない可能性がある。そのため、天板2aと蓋体8との間に黒いシート8cを挟んで暗さを確保する。
【0093】
さらに、箱体内に湿気が溜まると樹脂製の天板2aが曇る可能性もある。上箱2の側面に数箇所の通気孔2bを作っておくことで、通気性を確保することもできる。通気孔2bは、円形の孔に網を張るなどして形成する。
【0094】
図18は、本発明であるミツバチの巣箱の蓋体をネットで覆った図である。図19は、本発明であるミツバチの巣箱のネットを枠板まで降ろした図である。図20は、本発明であるミツバチの巣箱のネットをゴム紐で押さえた図である。
【0095】
蓋体8の上板8aの上から下向きに袋状のネット9を被せ、ネット9の口を枠板11で押さえるが、ネット9は箱体から離すために張らせるので、上板8aと枠板11の形状はほぼ同じであることが望ましい。
【0096】
枠板11は、中箱3との間に充填材12を介した上で、上L字枠11bと下L字枠11cを合わせて取り付けるものであり、側周溝11aの直線部を湾曲させることにより、側周溝11aにゴム紐13をフィットさせることができる。
【0097】
枠板11は、角が湾曲した矩形状の枠であり、側面を一周するように側周溝11aが形成される。上L字枠11bと下L字枠11cに分けることができる。また、充填材12は、梱包材などに使用される高発泡ポリエチレン等の樹脂シートを使用する。
【0098】
上L字枠11bの両端は、下半分が切り欠かれ上半分が弧状の突出した接続片11dであり、下L字枠11cの両端は、上半分が切り欠かれ下半分が弧状に突出した接続片11dである。
【0099】
中箱3に充填材12を巻き、中箱3の一角に上L字枠11bの内側の角を当て、中箱3の対角に下L字枠11cの内側の角を当て、上L字枠11bの接続片11dと下L字枠11cの接続片11dを重ねる。
【0100】
上L字枠11bの接続片11dに空けたネジ穴11eと、下L字枠11cの接続片11dに空けたネジ穴11eを合わせ、ネジ留めすることで、枠板11を中箱3に取り付けることができる。
【0101】
充填材12により隙間が埋められ、枠板11の位置ずれを防止できるが、枠板11の側面を貫通する留穴11fにピンを通し、中箱3に刺すことにより、枠板11の位置をより固定することができる。
【0102】
ゴム紐13は、ゴム製等の紐を環状にして両端を留具13aで調節可能に固定したもので、枠板11を覆うネット9を側周溝11aに沿って留める。環の大きさを絞ることで、締め付けを強くすることができる。
【0103】
側周溝11aの直線部は、直線的ではなく外側に湾曲させた状態で角の湾曲部に繋げることにより、全体として丸みを帯びた形状となり、ゴム紐13で留める際に締め付けのバランスを整えることができる。
【0104】
冬期は、ネット9を不織布や紙等の断熱効果のある素材に代えて、箱体を保温する目的で覆うこともできる。尚、箱体に枠板11を取り付け、ゴム紐13を用いて留めるのは同様である。
【0105】
図21は、本発明であるミツバチの巣箱の枠板を環状にした場合の図である。
【0106】
枠板11をネジ留めにより着脱するのは手間であることから、環状枠11gを用いることも可能である。ただし、中箱3の途中に設けることはできないので、中箱3と別の中箱3の間に挟むように設ける。
【0107】
尚、上下の中箱3が横方向にずれないように、環状枠11gの上側及び下側にL字状の保持板11hを取り付け、上下の中箱3の位置を保持する。また、環状枠11gにおいては上下にずれる心配はないので、充填材12を介す必要はない。
【0108】
図22は、本発明であるミツバチの巣箱の中箱に隔離材を設けた場合の図である。
【0109】
カバー10と枠板11によりネット9を中箱3から離しているが、中箱3の段数が増えると、ネット9をカバー10から枠板11まで張ったとしても弾力があるため接近する可能性が高くなる。
【0110】
そのため、弛みやすい中間部においても中箱3からネット9までの距離を確保することが望ましく、中箱3に隔離材15aを取り付けることにより、中箱3とネット9が直接に接触するのを防止する。
【0111】
隔離材15aは、L字状の金具の角を湾曲させたものであり、枠板11と同等の高さまで突出する。中箱3の四隅に対して、角を跨ぐように、一の側面と隣接する側面に取り付けて、角とネット9の間に空間を設ける。
【0112】
ネット9は、筒状のものでも上側の口を縛れば袋状にすることが可能である。また、下側の口を枠板11を介してゴム紐13で締めたように、カバー10を介して上部をゴム紐13で締めたり、隔離材15aを中間部をゴム紐13で締めることも可能である。
【0113】
図23は、本発明であるミツバチの巣箱の隔離材の周りに覆枠を被せた場合の断面図である。図24は、本発明であるミツバチの巣箱の覆枠を支柱に連結した側面図である。
【0114】
中箱3の段数が増えると、カバー10と支枠15が支柱14に連結していても、その間においても支えがないと不安定になる。また、最上段の中箱3を切り取る際はカバー10を外すので、上部のバランスが不安定になる。
【0115】
そこで、中箱3に隔離材15aを設けた高さにおいて、隔離材15aの周囲をネット9の上から覆うように覆枠15bを取り付け、さらに、覆枠15bを支持部14cを介して支柱14に連結する。
【0116】
尚、覆枠15bは、内部が空いた矩形状の枠であり、内壁には、梱包材などに使用される高発泡ポリエチレン等を利用した緩衝材15cを貼り付け、隔離材15aをしっかりと押さえることができるようにする。
【0117】
覆枠15bは支枠15とは異なり、ネット9の上から覆うことが可能であることから、また、隔離材15aが中箱3の任意の高さに取り付けることが可能であることから、任意の高さにおいて箱体を安定させることができる。
【0118】
図25は、本発明であるミツバチの巣箱の成長した巣板の断面を示す図である。図26は、本発明であるミツバチの巣箱の中箱を継ぎ足した図である。
【0119】
巣板20は、上箱2の天板2aから下方に延びていくため、下箱4に届く前に中箱3を継ぎ足す必要がある。下箱4の観察窓4bで巣板20の先端を確認し、継ぎ箱3bの時期を判断することができる。
【0120】
中箱3の最下段と下箱4の間を切り離し、間に継ぎ箱3bをして新たな中箱3の最下段を形成する。最下段の中箱3とその上の中箱3とを留板3aで固定し、最下段の中箱3と下箱4とを留板3aで固定する。
【0121】
図27は、本発明であるミツバチの巣箱の中箱を採蜜した図である。図28は、本発明であるミツバチの巣箱の採蜜した中箱を収納した図である。
【0122】
ミツバチは、巣板20の上部に蜜を貯蔵するが、天井から約3〜5cmには蜜を溜めない部分が存在する。その部分を上箱2で確保した上で、蜜が最も貯蔵される最上段の中箱3から採蜜を行う。
【0123】
まず、ミツバチは巣板20の下端に密集するが、貯蜜等のために上部に存在する場合もあるため、ミツバチを退かす必要がある。蓋体8を外し、天板2aから内部に光を当てることで、ミツバチは下方に移動する。
【0124】
箱体が縦に長くなっていることに加え、ミツバチを静かに下方へ移動させていることから、採蜜時における上方での刺激が、ミツバチの密集する巣板20の下端付近に伝わりにくいという効果も得られる。
【0125】
次に、巣板20の落下を防止するために、上から二段目の中箱3に素落ち防止棒3dを差し込む。素落ち防止棒3dを2本ほど一側面の外側から内部に貫通させ、反対側の側面の内壁に突き刺して固定する。
【0126】
そして、上箱2と最上段の中箱3を固定する留板3aと、最上段の中箱3と二段目の中箱3を固定する留板3aを取り除き、最上段の中箱3の上側の箱間と下側の箱間に細い糸や針金等を通して巣板20を切断する。
【0127】
そのまま最上段の中箱3を水平に引き抜き、採蜜箱3cとして収納箱21に入れて回収する。収納箱21は、採蜜箱3cを収容することができる軽量かつ断熱効果のある発泡スチロール等を使用した箱である。
【0128】
二段目の中箱3の上には上箱2を載せ、留板3aで固定する。二段目の中箱3内の巣板20は、上箱2内の巣板20に徐々に連結されるので、補修されたら素落ち防止棒3dは取り除く。二段目の中箱3が最上段の中箱3となり、次の採蜜箱3cの対象となる。
【0129】
収納箱21に入れた採蜜箱3cは、冷凍保存する。冷凍することで内部に残ったミツバチ等を殺虫することができる。また、採蜜箱3c内の蜂蜜が保冷材となり、季節の果物や野菜を一緒に入れれば、鮮度を保持しながら保存することができる。
【0130】
蜂蜜は、採蜜箱3cを解凍して、巣板20から搾り出したり、巣板20を細かく砕いて濾過して集める。即ち、巣から直接取るので混ぜ物や品質偽装はない。尚、巣板20の残りカスからは蜜蝋を採取することも可能である。
【0131】
巣箱1が直方体の枠であると、巣板20が幅の長い方向に形成されたり、幅が短い方向に形成されたりと、バラツキが生じることがあり、巣板20の作られ方により蜂蜜の量も変わってしまう可能性がある。
【0132】
そこで、巣箱1を円筒形や多角柱状にすれば、巣板20の形成方向を均一にすることができる。ただし、木製にするのは困難であるため、プラスチック等で巣箱1を形成し、内壁を木製に近い状態にする必要がある。また、円筒形の輸送容器も容易する必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、日本ミツバチ以外に、西洋ミツバチや外国種のミツバチにも利用できる。冷凍したまま収納できるので、各国で採取した蜂蜜を輸出又は輸入することが容易となる。
【符号の説明】
【0134】
1 巣箱
2 上箱
2a 天板
2b 通気孔
3 中箱
3a 留板
3b 継ぎ箱
3c 採蜜箱
3d 素落ち防止棒
4 下箱
4a 窓蓋
4b 観察窓
5 給餌管
5a パイプ
5b 横管
5c 上面孔
5d 軸体
5e スポンジ
5f 端押さえ
5g パッキン
5h 中押さえ
5i 貫通孔
5j キャップ
5k ドレーン
6 底枠
6a 把持板
6b 突枠
6c 脚
6d 銅板
6e 底板
6f 留具
6g 掛具
7 前板
7a 出入口
7b 上面突起
7c 表面突起
7d 取っ手
7e 両面突起
8 蓋体
8a 上板
8b 発泡スチロール
8c シート
9 ネット
10 カバー
11 枠板
11a 側周溝
11b 上L字枠
11c 下L字枠
11d 接続片
11e ネジ穴
11f 留穴
11g 環状枠
11h 保持板
12 充填材
13 ゴム紐
13a 留具
14 支柱
14a 支持部
14b 支持部
14c 支持部
15 支枠
15a 隔離材
15b 覆枠
15c 緩衝材
16 土台
17 餌容器
17a 餌
17b ノズル
17c パッキン
18 横格子板
18a 横棒
18b 間隙
19 調整材
19a 突部
20 巣板
21 収納箱
【先行技術文献】
【特許文献】
【0135】
【特許文献1】特許第4191367号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に貫通し複数段重ねることができ巣板の成長に伴い下に継ぎ足しが可能且つ上の段から抜き取って採蜜が可能な中箱と、
前記中箱の下に置く観察窓及び給餌管を付設可能な下箱と、
前記下箱を支える前面の空いた底枠と、
前記底枠の前面に被せる出入口付き前板と、
前記中箱の上に載せる天板を付けた上箱と、
前記上箱に被せる角を丸めた長方形状の蓋体と、
前記蓋体から中箱までを覆い害虫の侵入を防止するネットと、
前記ネットが中箱に接近しないように取り付ける角を丸めた長方形状の枠板と、
前記枠板に設けた側周溝に前記ネットを留めるゴム紐とからなり、
前記下箱に水平に通した前記給餌管の上面を空けた横管に足場用のスポンジを入れ、前記横管から前記下箱の外へ上方に湾曲するパイプに、ノズルの先端を斜めにカットした餌容器を下向きに載置することにより、餌が減ると自動的に一定量まで供給することを特徴とするミツバチの巣箱。
【請求項2】
前板に対し、ミツバチを潰さずに塞げるように上面及び表面に取り付けた底枠との間に間隙を残すための突起と、
ミツバチの通過を制限するために出入口に取り付けた間隔を拡張可能な横格子板とを設けたことを特徴とする請求項1に記載のミツバチの巣箱。
【請求項3】
上箱の天板を透明で下面が細かい凹凸状の樹脂板にした上で、
前記天板と蓋体との間に黒いシートを挟んで暗さを確保しておき、
中箱を抜き取る際に前記蓋体及びシートを取り除いて前記天板を通して内部に光を当てることによりミツバチを下方に移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のミツバチの巣箱。
【請求項4】
枠板が、2つのL字枠を合わせて取り付けるもの又は環状枠であり、
側周溝の直線部を湾曲させることにより、
前記側周溝にゴム紐をフィットさせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のミツバチの巣箱。
【請求項5】
蓋体に載せたカバーと、
下箱に取り付けた支枠と、
中箱に取り付けた隔離材の周りに被せた覆枠とを、
支持部を介して地面に立てた支柱に連結させることにより、
段数が増えても転倒を防止することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のミツバチの巣箱。
【請求項6】
底枠から下方に銅板を巻いた脚を延ばして土台から浮かし、
前記底枠に底板を着脱可能に取り付けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のミツバチの巣箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−139676(P2011−139676A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2513(P2010−2513)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(309029935)