説明

ミツバチ巣箱用底板

【課題】 従来のミツバチ巣箱は巣屑が底板に溜まりスムシの発生を招いていた、そして歩足昆虫の侵入に対してもミツバチの防御能力に任せていた、又飛翔昆虫に対しても捕獲器を取り付けたり又は巣門を狭くするなどの対策を取っていた。
【解決手段】 本発明は、ミツバチ巣箱用底板が巣門に向けて傾斜しており自動的に巣屑が屋外に放出されるので巣屑が溜まらず掃除不要である、又歩足昆虫の侵入は透視体の釣鐘状筒体によって遮断でき、飛翔昆虫はミツバチ巣箱用底板の略中央部分の最下部に空中に釣り下がった状態に開口部が付いているため侵入し難い、これによって従来のように害敵の被害が殆ど無く、頻繁に巣箱の点検の必要がなくなった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巣箱内に発生する巣屑などを自動的に巣箱の屋外に放出し、害敵昆虫の巣箱への侵入を防御又は侵入を抑制するミツバチ巣箱用底板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の巣箱用底板は落下してくる巣屑などが底板上に溜まっていた。 又巣箱内に様々な歩足昆虫が地面から侵入してきていた。 更に飛翔昆虫も安易に巣門に近づくことが出来た。
従来のミツバチ巣箱用底板には、害敵昆虫侵入防止器(例えば、特許文献1参照)とか蜜蜂用巣箱(例えば、特許文献2参照)などがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2008-322014
【特許文献2】特開平9-266734
【特許文献3】実全昭58-070778 スズメ蜂捕獲器
【特許文献4】特開昭59-220136 熊蜂、スズメ蜂の捕殺器
【特許文献5】実用新案登録3026971 胡蜂捕獲器
【特許文献6】実用新案登録第3049747 養蜂の巣箱装置
【特許文献7】実用新案登録第3026182 養蜂用巣箱の巣門取付器
【特許文献8】実用新案登録第3095222 ミツバチ防御用スズメバチ遮断装置
【特許文献9】特開2044-261095 ミツバチ防御用スズメバチ遮断装置
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来の巣箱底板は巣屑が底板上に溜まり、巣屑に生みつけられるスムシを取り除くために定期的な掃除が必要であった。
【0005】
また、従来の巣箱では歩足昆虫(蟻、蜜蜂ヘギイタダニ等)は安易に巣門又は巣箱の隙間より侵入できたし、飛翔昆虫(ツヅリ蛾、オオスズメ蜂等)も簡単に巣門に近づけた。
【0006】
更に、巣箱底板の掃除を定期的に行うために、巣蜜が入った重い巣箱を頻繁に動かす必要があった。
【0007】
加えて、巣箱内のミツバチの営巣状態を判断するには巣箱を開けて内検するしかなかったので営巣ミツバチの攻撃を受けて刺されることがあった。
【0008】
本発明は、このような従来装置が有していた問題を解決しようとするものであり、従来のように巣箱の点検管理を頻繁に行う必要のないミツバチ巣箱用底板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ミツバチ巣箱の底板部をすり鉢状形成にし、該底板部の最下部に開口を設けたことを特徴とするミツバチ巣箱用底板であって、外郭部に底板を支える支柱を取り付け、同支柱に釣鐘状の筒体を挿着した更に、上記筒体の下部に円環状のたまり部を設けた。上記構造としたことにより、本発明は、巣箱本体との接触面が同寸法の外郭体の内側に巣箱底板全体に巣屑等が転がり落ちていく傾斜を有し、その最下部に巣屑等が自動的に屋外に放出される開口部を有している。開口部はミツバチの巣門と巣屑の排出口とを兼ねる。
開口部下部にはミツバチの離発着が可能で巣屑等は転がり落ちていく表面が滑らかな傾斜台を設けた。上記外郭体外部に支柱取付具を固定し支柱を取り付けた。傾斜台は上記支柱によって外郭体、すり鉢状底板部と共に空中に浮かせ歩足昆虫が開口部より侵入するには外郭体内側壁を登り傾斜している上記すり鉢状底板の裏面側を斜めに降りないと開口部に近づけず歩足昆虫の地面から侵入が困難となった。上記支柱の中間に歩足昆虫が通り抜け出来ない下方最先端部が内部に捲れ上がって底に溶剤が溜まるたまり部を有する透視可素材の釣鐘状筒体を設けたので、地面からの昆虫の侵入を防止できた。
【0010】
上記支柱の最下部のみが地面との接触面とし、上記釣鐘状筒体は地上から歩足昆虫が届かない
高さになるように設置した。上記釣鐘部(透明迷路部)の最上部を上記支柱に結合し、上記釣鐘状筒体の内部に粘着材を塗布することで、雨に濡れることなく更に歩足昆虫の侵入遮断効果は上がった。同じく上記釣鐘状筒体の下部のたまり部にお粘液溶剤(例えばてんぷら油とか自動車用オイルとか)を保持することで昆虫の通行を更に硬固に遮断できた。上記開口部、上記傾斜台は上記巣箱底板の下方略中央」に釣り下がった状態に位置するので、営巣ミツバチも最初は離発着に戸惑うが慣れてくれば問題なくスムーズに出入り出きる様になった。それに反してたまに訪れる飛翔害敵には発見され難く侵入され難かった。
【0011】
上記釣鐘状筒体とは昆虫の透視体を認識する能力が低い事を応用したものである。
【発明の効果】
【0012】
上述したように、本発明のミツバチ巣箱用底板は巣屑等が自動的に屋外に放出されるので底板の掃除が不要で且つ同支柱部に透視可素材の釣鐘状筒体を具備する事で地上から侵入して来る歩足昆虫の遮断が可能となり、開口部と傾斜台は底板略中央下方にあたかも空中に浮かぶ形になるので飛翔昆虫の侵入も殆ど無くなった。
【0013】
これによって、底板にツヅリ蛾が生み付けるスムシの被害も無くなり、自然界の外虫(蟻、ダニ、ゴキブリ、蛞蝓 、百足、はさみ虫、ツヅリ蛾等)の侵入も殆ど無く従来の巣箱より数段巣箱内が清潔で安全になり害敵の被害が無くなった。
【0014】
従って、巣箱の点検回数が減らせ労力軽減が図れた。
【0015】
現在全国的に拡大している蜂児捨て現象の三大要因ではないかと言われている、農薬、ダニ、ウイルス、の内ダニの地上からの巣箱への侵入防止と、巣箱内検時の人的接触感染が疑われるウイルスの拡散減少が期待できる。

【0016】
歩足昆虫遮断装置には従来水使用の遮断方法であったが、本装置は昆虫の透視体を物体と認識しにくい習性を応用したもので、軽量且つ取り扱いが簡単である。
【0017】
本装置の開口部は底板の最下部略中央に在り、雨に濡れにくく、雪が積もっても塞がり難い。
【0018】
従来底板に積もる巣屑やミツバチの死骸やスムシの発生状況は巣箱を開けて内検しないと解りにくかったが、本装置は傾斜台下の地面に巣箱内不要物が自動的に落下してしまうので外部より直視判断が出き、営巣ミツバチの健康状況が解りやすい。
【0019】
又夏場のスズメ蜂の攻撃に対しても、開口部が下向きに開き、傾斜台が斜めに傾斜しているのでミツバチは上方(巣箱内)からの防衛になりスズメ蜂の攻撃を防ぎ易く攻撃をかけ易い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態を示す本装置底板部と巣箱本体の全体斜視図である。
【図2】ミツバチ巣箱用底板の斜視図である。
【図3】図2に図示のミツバチ巣箱用底板のA-A’矢視の断面図である。
【図4】図2に図示の歩足昆虫透視可迷路部B-B’矢視の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1から図4を参照して以下本発明の実施形態例に基づいて構成を説明する。
【0022】
図1は本装置底板部と巣箱本体の斜視図である。
【実施例】
【0023】
図1において、1は巣箱本体で、該巣箱本体1の底辺部2に接する外郭体3を設け該外郭体3の上部外郭体上辺部4(図2)と接合するように設置した。前記外郭体3の内側に傾斜しているすり鉢状底板5を設ける、上記すり鉢状底板5の底板下部6(図3)に開口部7(図3)を設け、該開口部7の下方に傾斜台8を具備する、上記すり鉢状底板5のすり鉢上底板裏面9(図3)に上記開口部7の間口調整のための開口部間口調整板10を設け上記開口部間口調整板10で間口巾を調整するための開口部間口調整板調節孔11を設けスライド可能とした、任意の間口寸法で固定するための開口部間口調整板固定ネジ12で上記開口部7(図3)を任意間口巾で固定可能とした。
【0024】
上記外郭体3の外側面に支柱取付具13を固定して、該支柱取付具13に上記外郭体3を支える支柱14を取付けた。
【0025】
図4は歩足昆虫侵入阻止方法の断面図であって、上記支柱14は地面と接触する部分を支柱最下部15のみとし上記支柱14の支柱最上部16と釣鐘状筒体17の筒体上部18の最上部を結合した。
【0026】
上記筒体下部19の末端を捲れ部20によって捲れ上がらせて、上記筒体下部19下方に円環状に粘液溶剤が溜まるたまり部21を設けたので、地面からの昆虫の侵入を更に強固に防御できた。

【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明によれば、本装置を利用することで営巣群ミツバチ巣箱への殆どの害敵の侵入が無くなり、又底板の掃除も不要となった。更に上記釣鐘状筒体を上下に分し、同釣鐘状筒体の下部をメス型、上部をオス型とした嵌め合い構造として、降雨時には上記釣鐘状筒体のたまり部に雨水が溜まり、昆虫の通路を遮断するようにしても良い。

【符号の説明】
【0028】
1 巣箱本体
2 底辺部
3 外郭体
4 外郭体上辺部
5 すり鉢状底板
6 底板下部
7 開口部
8 傾斜台
9 すり鉢状底板裏面
10 開口部間口調整板
11 開口部間口調整板調節孔
12 開口部間口調整板固定ネジ
13 支柱取付具
14 支柱
15 支柱最下部
16 支柱最上部
17 釣鐘状筒体
18 筒体上部
19 筒体下部
20 捲れ部
21 たまり部
22 外郭体内側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミツバチ巣箱の底板部をすり鉢状形成にし、該底板部の最下部に開口を設けたことを特徴とするミツバチ巣箱用底板。
【請求項2】
上記底板部に底板を支える支柱を取り付け、同支柱に釣鐘状の筒体を挿着したことを特徴とする請求項1に記載のミツバチ巣箱用底板。
【請求項3】
上記筒体の下部に円環状のたまり部を設けたことを特徴とする請求項2に記載のミツバチ巣箱用底板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−16286(P2012−16286A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153745(P2010−153745)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【特許番号】特許第4856267号(P4856267)
【特許公報発行日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(500520673)