説明

ミラーの曇り止め構造

【課題】ミラーへの熱影響を軽減すると共に、利用者の負担を軽減して、ミラーの曇り止めを行うことが可能なミラーの曇り止め構造を提供する。
【解決手段】本発明のミラーの曇り止め構造は、浴室1の壁面1aに取り付けたミラー2の上方に設けた水膜形成ユニット4と、前記水膜形成ユニット4に水を流入させる流入路3とを備え、前記水膜形成ユニット4は、水を溜める貯留部53を上部に有し、前記貯留部53に溜めた貯水W1を前記ミラー2の上端部表面2aに流出させる流出部55を下部に有し、前記流入路3の上流端を、浴室1に設けた吐水装置11に水を供給するための供給路9に接続し、前記流入路3に通水と止水とを切り替える弁を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室用のミラーの曇り止め構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、湿度の高い空間である浴室では、浴室の壁面に取り付けた鏡の表面に結露を生じて、この鏡が曇り、鏡を利用し難くなることがある。そこで、特許文献1等に示すようにヒータの熱を用いて曇りを取り除くものや、特許文献2等に示すように温水及び水を流して曇りを取り除くもの等がある。例えば、特許文献1に示すものでは、防曇鏡の裏面にヒータを取り付け、防曇鏡を裏面側から温めて結露を生じ難くすると共に、結露した場合に、付着した結露水を蒸発させて、曇り止めを行っている。また、特許文献2に示すものでは、水受け器に溜めた温水及び水を鏡に流すことで、鏡の曇りを取り除いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−116046号公報
【特許文献2】特開2002−165684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1等のヒータを用いたものでは、ヒータによって鏡を温めるため、熱の付与が不十分な部位を生じて、曇り止め効果に斑を生じることがある。そして、熱の付与が不十分な部位を解消するために、付与する熱を増加させると、熱による鏡への負担が増して、ヒータ用の電気部品を防水するための防水構造や鏡の劣化を早める恐れがある。また、特許文献2に示すものでは、利用者が温水及び水を水受け器に補給する必要があるため、鏡の利用中に水受け器が空になって、曇りを取り除けなくなる恐れがあると共に、温水及び水の補給作業が負担になり易い。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みて発明したものであって、ミラーへの熱影響を軽減すると共に、利用者の負担を軽減して、ミラーの曇り止めを行うことが可能なミラーの曇り止め構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明のミラーの曇り止め構造は、浴室の壁面に取り付けたミラーの上方に設けた水膜形成ユニットと、前記水膜形成ユニットに水を流入させる流入路とを備え、前記水膜形成ユニットは、水を溜める貯留部を上部に有し、前記貯留部に溜めた貯水を前記ミラーの表面上端部に流出させる流出部を下部に有し、前記流入路の上流端を、浴室に設けた吐水装置に水を供給するための供給路に接続し、前記流入路に通水と止水とを切り替える弁を設けたことを特徴とする。
【0007】
このミラーの曇り止め構造として、前記流出部が、前記表面上端部に弾性的に接触する可撓部を有し、前記貯水から受ける水圧が所定の水圧以上の場合に、前記可撓部が、前記表面上端部との間に前記貯水流出用の隙間を形成するように弾性変形することが好ましい。
【0008】
このミラーの曇り止め構造として、前記流入路を、前記供給路に設けた湯水を混合するための混合部の下流に接続したことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、ミラーへの熱影響(熱によるストレス)を軽減し易くすると共に、利用者の負担を軽減し易くして、ミラーの曇り止めが可能なミラーの曇り止め構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ミラーの曇り止め構造の正面図である。
【図2】同上の側面断面図である。
【図3】貯水タンクの流出部近傍の側面断面図である。
【図4】ミラーの曇り止め構造の変形例の正面図である。
【図5】水膜形成ユニットの変形例の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。なお、以下の説明において水とは、冷水、温水(湯)、冷水と温水を混合した水を含むものである。
【0012】
ミラーの曇り止め構造は、図1に示すように、クリアシャワーユニット5と、流入路3とを備え、浴室1に設けられる。浴室1にはミラーの曇り止め構造に加えて、ミラー2と、吐出装置と、供給路9とが設けてあり、ミラー2は浴室1の壁面1aに取り付けられる。以下、壁面1aに正対する方向Xを前後方向とし、前後方向における左右を、単に左右として定める。そして、左右の寸法を単に幅とし、方向Xに沿った寸法を厚さとする。
【0013】
吐水装置11は、例えば、ミラー2の下部に配置されたカラン11aと、ミラー2の側方(正面視左側)に配置されたハンドシャワー11bとを有し、供給路9から水が供給される。
【0014】
供給路9は、給水配管91及び給湯配管92と、湯水混合装置93とで主体が構成される。給水配管91は、浴室1の床面1bの下方に配設されており、上流が水道管(図示せず)に接続され、下流が湯水混合装置93に接続される。給水配管91は、浴室1の床面1bの下方に配設されており、上流が給湯器(図示せず)に接続され、下流が湯水混合装置93に接続される。
【0015】
湯水混合装置93は、混合部(図示せず)と、混合水流路(図示せず)と、切替部(図示せず)とを内部に備え、混合率操作部94と切替操作部95とを外観に露出して備える。混合部は給水配管91及び給湯配管92が接続されており、給水配管91からの冷水と給湯配管92からの温水(湯)とを混合し、混合水流路に流入する。そして、混合部は、混合率操作部94が操作されることで、前記湯と前記水との混合比率を変更する。混合水流路は下流端が切替部に接続されており、切替部は、切替操作部95が操作されることで、ハンドシャワー11bへの水の供給、カラン11aへの水の供給、両者への水の供給の停止を切り替える。
【0016】
流入路3は、例えば、上流横管部(図示せず)と、縦管部3aと、下流横管部3bと主体で形成される。上流横管部は前後に長尺で、壁面1aを貫通して配置され、上流端が混合水流路に接続されており、混合部で混合された水が流入される。そして、上流横管部の下流端は、壁面1aの後方側(浴室1の外側)に突出して、縦管部3aの上流端に接続される。縦管部3aは上下方向に長尺で、壁面1aによって隠蔽されて浴室1内に露出しない構成となっている。そして、縦管部3aの下流端は、ミラー2の上端を保持する上フレーム22と略同じ高さ位置に位置して、下流横管部3bの上流端に接続される。下流横管部3bは前後に長尺で、壁面1aを貫通して配置される。そして、下流横管部3bの下流端は上フレーム22内に位置して、クリアシャワーユニット5に接続されており、混合部からの水をクリアシャワーユニット5に流入する。
【0017】
また、流入路3には開閉弁(図示せず)が設けられており、開閉弁は流入路3の開成と閉成とを切り替える。そして、開閉弁は、開閉操作部31が操作されることで、前記切替動作を行う。この開閉操作部31は、ミラー2の下端を保持する下フレーム21に露出して設けてあり、カラン11a及び湯水混合装置93の略真上に位置する。
【0018】
クリアシャワーユニット5は上フレーム22に内蔵されて、ミラー2の上方に配置される。そして、クリアシャワーユニット5は、接続流路51と、貯水用タンク52とを備える。接続流路51は、上流が流入路3に接続され、下流が貯水用タンク52に続され、流入路3から流入された水を、貯水用タンク52に流通させる。
【0019】
貯水用タンク52は、ケーシング52aで主体が構成される。ケーシング52aはミラー2の幅と略同寸の幅を有した箱状となっており、上方に接続流路51が配置され、下方に開口を有する。そして、ケーシング52aは内部が、貯留部53と、連通路54と、流出部55とに区画される。
【0020】
貯留部53は上部が接続流路51に接続されており、接続流路51から水が流入される。そして、貯留部53は下部が連通路54の上流端に連通している。連通路54は貯留部53に比べて前後の厚さが狭い流路となっており、後方に下り傾斜して形成される。そして、連通路54は下流端が流出部55に連通している。
【0021】
流出部55は、水膜弁6を備える。水膜弁6はミラー2の幅と略同寸の板状で、連通路54の下方に配置されると共に、ケーシング52aの下方の開口を覆う。そして、水膜弁6は板面を後方に下り傾斜して配置されると共に、上端がケーシング52aに取り付けられる。そのため、水膜弁6は、下端6aとミラー2の上端部表面2aとの前後の間に流出孔55aを形成すると共に、連通路54と流出孔55aの間に搬送部を形成する。搬送部は、図3に示す矢印のごとく、連通路54からの貯水W1(水)を流出孔55aに搬送する。
【0022】
更に、水膜弁6は可撓部61を下端6a備える。可撓部61は、水膜弁6の下端6aから下方に延長して設けられ、可撓部61の下端はミラー2の幅の略全体に亘ってミラー2の上端部表面2aに接触して、流出孔55aを閉塞している。そして、可撓部61は、水膜弁6における可撓部61より上方に位置する搬送部を形成する板状の部位に比べて、板厚が薄く、可撓性を有している。そのため、可撓部61は上端部表面2aに弾性的に接触して、ミラー2(上端部表面2a)との間に水密構造を形成する。そして、可撓部61はケーシング52a及び上フレーム22より下方に突出して設けてある。そのため、可撓部61は左右の端部に水漏れ防止片(図示せず)を有しており、水漏れ防止片によって側方からの貯水W1の漏れを防止している。
【0023】
また、水膜弁6は幅の略全体に亘って貯水用タンク52内の貯水W1の圧力(水圧)を受けている。そして、水膜弁6は、貯水用タンク52内の水量(水圧)が所定値に達することで、可撓部61が前方側に弾性変形して、上端部表面2aとの前後方向における間に流出隙間S(貯水流出用の隙間)が形成されて、流出孔55aが開成状態となる。この流出隙間Sは可撓部61(水膜弁6)の幅の略全体に亘って略スリット状に形成され、貯水用タンク52内の貯水W1が流出隙間Sから流下することで、ミラー2の表面に水膜W2が形成される。
【0024】
すなわち、クリアシャワーユニット5は、ミラー2の表面に水膜W2を形成する水膜形成ユニット4となっている。そして、開閉弁は流入路3の開閉の切替によって、水膜形成ユニット4の流出部55からの貯水W1の流下と停止(通水と止水)を切り替えており、開閉操作部31は、ミラーの曇り止め構造の通水(利用)と止水(利用の停止)とを切り替える操作部となっている。
【0025】
このように、ミラー2の表面に水膜W2を形成する水膜形成ユニット4をミラー2の上部に設けたことで、水膜形成ユニット4で形成した水膜W2によって、ミラー2の曇り止めを行うことができる。そのため、ヒータを用いたものに比べて熱等によるミラー2の負担(ストレス)を軽減し易くなる。そして、水膜を形成して曇り止めを行うため、単に水を流下させて曇り止めを行うものに比べて、水量を抑えて節水を行い易くなると共に、流下させた水のよる虚像の歪み等の鏡の映り具合への影響を生じ難くすることができる。
【0026】
また、水膜形成ユニット4に水を供給する流入路3を設けたことで、利用者は貯水用タンク52への水の補給作業を行わずに済み、利用者の負担を軽減し易くなる。そして、流入路3の上流端を、吐水装置11に水を供給するための供給路9に接続したことで、吐水装置11を介さずに水膜形成ユニット4に水を供給することができる。そのため、吐水装置11の止水に伴い水膜形成ユニット4が停止することが無く、吐水装置11の動作に依らずに水膜形成ユニット4を利用することができる。
【0027】
更に、混合部と切替部の間に流入路3を接続したことで、混合部で混合した水を水膜形成ユニット4に供給することができ、流下させる貯水W1の温度(水温)を調整して水膜W2を形成することができる。そのため、水膜W2や水膜W2からの飛散水や下フレーム21から落下水等が高温状態で利用者に接触することを抑制し易くすることができると共に、熱等によるミラー2へのストレスをより軽減し易くすることができる。そして、水温を調整することができるため、冷水に比べて結露が生じ難い温水(湯)を用いて水膜W2を形成することができ、曇り止めを効果的に行い易くなる。
【0028】
また、流出部55が、水圧で弾性変形して貯水W1流出用の隙間(流出隙間S)を形成する可撓部61を有したことで、水膜形成ユニット4に流出孔55a開閉用のセンサや制御部等の制御用電子部品やこの電子部品用の防水構造を設けずに済む。そのため、水膜形成ユニット4を簡素な(コンパクトな)構成にし易くなると共に、製造コストを安価に抑え易くなる。
【0029】
そして、水膜形成ユニット4を上フレーム22に内蔵したことで、水膜形成ユニット4をミラー2の一構成部材であるかのように目立ち難くすることができ、浴室1における意匠性を向上させ易くなる。更に、流入路3を壁面1a後方側に設けたことで、流入路3の縦管部3bを浴室1の利用者に対して隠蔽することができ、浴室1における意匠性をより向上させ易くなる。
【0030】
なお、水膜弁6は、板厚によって可搬性を持たせたものに限らず、可撓部61を可搬性を有した軟質樹脂で形成し、他の部位を硬質樹脂で形成したもの等であってもよく、前記所定値の水圧で可撓部61のみが流出隙間Sを形成するものであればよい。そして、本例においては、流出隙間S(水膜W2)の前後の厚さは、0.2mm〜1.0mm程度となっているが、ミラー2の表面に薄い水膜W2を形成可能であれば、例示の数値に限定されない。もちろん、流入路3は壁面1a後方に配置したものに限らず、浴室1に設けた上下方向に長尺の手摺に内蔵して隠蔽した構成や、流入路3の外殻が手摺を兼ねた構成であってもよい。
【0031】
また、流入路3は混合水流路に接続されたものに限らず、給湯配管92や給水配管91に接続されたものであってもよく、例えば、図4に示す構成であってもよい。なお、水膜形成ユニット4の構成は、図3に示したクリアシャワーユニット5の構成と略同様であり、説明は省略する。
【0032】
このものでは、流入路3が、縦管部3aと、下流横管部3bとで主体が構成される。そして、流入路3は、給湯配管92に設けた分岐部92aに、縦管部3aの上流端が接続されており、給湯配管92内の水(湯)が流入する。そして、縦管部3a及び下流横管部3bは壁面1a後方に位置しており、流入路3は浴室1内に露出せずに水膜形成ユニット4に接続されて、給湯配管92から供給された水を水膜形成ユニット4に流入させる。なお、開閉操作部31は上フレーム22の側端部に露出して設けてある。
【0033】
このような構造としたことで、冷水に比べて結露を生じ難い温水で水膜W2を形成することができ、効果的に曇り止めを行うことができる。そして、湯水混合装置93より上流に接続したことで、吐水装置11の使用に伴う水量の低下の影響を受け難くすることができると共に、吐水装置11停止時のウォータハンマ等の衝撃を開閉弁等に伝わり難くすることができる。更に、開閉操作部31を上フレーム22に設けたことで、ミラー2の下方に位置するカラン11aや湯水混合装置93の各操作部の操作時に、誤って開閉操作部31を操作する恐れを軽減し易くなると共に、幼児のいたずら等による操作を抑制し易くなる。
【0034】
なお、開閉操作部31は壁面1aに露出して設けてもよい。そして、流入路3は給水配管91に接続してもよい。更に、浴室1に浴槽を設けたものでは、浴槽水張用の吐水装置11に水を供給するための供給路9に、流入路3を接続してもよい。
【0035】
また、クリアシャワーユニット5(水膜形成ユニット4)は、図5に示す構成であってもよい。なお、クリアシャワーユニット5及び流入路3において、図1又は図4に示す構成と略同様の構成の説明は省略し、以下、差異点を説明する。
【0036】
このものでは、貯水用タンク52が上フレーム22の上部に配置されており、浴室1内に露出している。そして、貯留部53は側面上方に接続流路51の下流端が開口しており、流入路3からの水が接続流路51を介して側方から供給される。
【0037】
更に、ケーシング52aは上方に開口した開口部52bを上端に有すると共に、開口部52bの下方が貯留部53に連通しており、外部(浴室1内)から開口部52bを介して貯留部53に水を供給可能となっている。
【0038】
また、連通路54には止水部7が設けてあり、止水部7は、止水片71と、移動用凹部72と、移動操作部(図示せず)とを備える。止水片71は板状で、略水平に板面を向けて連通路54内に配置される。移動用凹部72は、水平方向に沿って形成されたスリット形状で、連通路54と交差して設けられる。そして、移動用凹部72は、連通路54より前方に位置し後端が連通路54に開口した前凹部72aと、連通路54より後方に位置し前端が連通路54に開口した後凹部72bとに区画される。
【0039】
また、移動用凹部72には、止水片71が水平方向に沿った前後にスライド移動自在(摺動自在)に配置されており、止水片71は移動用凹部72内をスライド移動することで、前方位置と後方位置に切り替わる。止水片71は、後方位置で後端が後凹部72b内に位置して、連通路54を閉塞し、貯留部53から流出部55への貯水W1の流通を止める。そして、前方位置では前凹部72a内に収納され、後端が連通路54内に突出せず、連通路54を解放して、貯水W1を流出部55へ流通可能にする。更に、止水片71の前記位置の切替(スライド移動)は、移動操作部を操作することで行われる。
【0040】
このように、貯水用タンク52を浴室1に露出して設けたことで、上フレーム22に内蔵したものに比べて、貯留部53の容量を大きくし易くすることができる。そのため、カラン11aの使用等に伴う流入路3の給水量の低下等の影響を受け難くなり、水膜W2を長時間安定して形成し易くなる。そして、貯留部53に連通した開口部52bを貯水用タンク52の上部に設けたことで、流入路3以外からも水を供給することができる。そのため、ハンドシャワー11bのホース内の残水等を貯留部53に供給して排水を抑えたり、流入路3からの供給量が不足した場合に、水を補充したりすることができる。更に、止水部7を設けたことで、流入路3以外から水を供給する際に、連通路54を閉塞して供給中の水膜W2形成を抑えることができ、外部から水を貯留部53に溜め易くすることができる。
【0041】
なお、開口部52bを設けたものにおいて、開口部52bや貯留部53にヘアキャッチャー等のフィルターを設けることが好ましい。このものでは、外部からの供給時において、供給された水に混入した髪等のゴミを前記フィルターで捕え、ゴミの連通路54への流入を抑制することができる。
【0042】
以上、本発明は前述の各実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 浴室
1a 壁面
11 吐水装置
2 ミラー
2a 上端部表面
3 流入路
4 水膜形成ユニット
53 貯留部
55 流出部
9 供給路
W1 貯水
W2 水膜
S 流出隙間(貯水流出用の隙間)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の壁面に取り付けたミラーの上方に設けた水膜形成ユニットと、前記水膜形成ユニットに水を流入させる流入路とを備え、
前記水膜形成ユニットは、水を溜める貯留部を上部に有し、前記貯留部に溜めた貯水を前記ミラーの表面上端部に流出させる流出部を下部に有し、
前記流入路の上流端を、浴室に設けた吐水装置に水を供給するための供給路に接続し、
前記流入路に通水と止水とを切り替える弁を設けたことを特徴とするミラーの曇り止め構造。
【請求項2】
前記流出部が、前記表面上端部に弾性的に接触する可撓部を有し、
前記貯水から受ける水圧が所定の水圧以上の場合に、前記可撓部が、前記表面上端部との間に前記貯水流出用の隙間を形成するように弾性変形することを特徴とする請求項1に記載のミラーの曇り止め構造。
【請求項3】
前記流入路を、前記供給路に設けた湯水を混合するための混合部の下流に接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のミラーの曇り止め構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−22260(P2013−22260A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160178(P2011−160178)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】