メダルゲ―ム用の台間機

【課題】各ゲ−ム機の機種における受皿の位置に対応してメダルシュ−ト、強いてはそのメダルシュ−トが取り付けられるメダルボックスの位置を自在に調整でき、一方、メダルシュ−トから受皿へのメダルの排出供給のスピ−ドを抑制することができるようにしたメダルゲ−ム用の台間機とする。
【解決手段】前面にメダルシュ−トを取り付けたメダルボックスの位置を上下方向に自在に変更できることとし、前記したメダルボックスの位置を左右方向にも自在に変更できることとし、前記したメダルシュ−トの位置を上下方向あるいは左右方向もしくは上下左右方向に自在に変更できることとし、メダルシュ−トの先端部分にメダルの排出スピ−ドを抑制する当て板を備えていることとする。

【考案の詳細な説明】
【０００１】
【考案の属する技術分野】
本考案はスロットマシン等のメダルゲ−ム機の各台間に設置されるメダル自動貸出用の台間機の改良に関する。
【０００２】
【考案の背景】
一般的に、上記した台間機は幅狭のものとして、前面に少なくとも紙幣やプリペイドカ−ドの挿入口を形成し、加えて一定枚数のメダルをストックしてスタンバイ状態とするメダルボックス及びそのメダルボックスの前面に取り付けられたメダルシュ−トを設けており、このメダルシュ−トはゲ−ム機の受皿に先端が向くよう略９０度に曲成されたものとされている。
【０００３】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の台間機にあっては予めメダルボックスの位置、強いてはメダルシュ−トの位置が固定されているため、各メ−カ−あるいは機種ごとに異なるゲ−ム機の受皿の位置と必ずしも合致するものではなく、各ゲ−ム機に対応させて設計するか、台間機の取り付け位置を調整する等の煩わしさがあった。
【０００４】
また、従来の台間機にあっては格別なメダル供給のスピ−ド抑制機構がないため、メダルシュ−トから受皿へメダルを排出供給する際、勢いよく受皿の外部まで弾きあるいは滑り出してしまうこともあった。
【０００５】
【考案の目的】
そこで、本考案は係る従来の実情、問題点に着目してなされたもので、かかる問題点を解消して、各ゲ−ム機の機種における受皿の位置に対応してメダルシュ−ト、強いてはそのメダルシュ−トが取り付けられるメダルボックスの位置を自在に調整でき、一方、メダルシュ−トから受皿へのメダルの排出供給のスピ−ドを抑制することができるようにしたメダルゲ−ム用の台間機を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本考案に係るメダルゲ−ム用の台間機は前面にメダルシュ−トを取り付けたメダルボックスの位置を上下方向に自在に変更できることを特徴とし、前記したメダルボックスの位置を左右方向にも自在に変更できることを特徴としている。
【０００７】
また、本考案に係るメダルゲ−ム用の台間機は前記したメダルシュ−トの位置を上下方向あるいは左右方向もしくは上下左右方向に自在に変更できることを特徴とし、メダルシュ−トの先端部分にメダルの排出スピ−ドを抑制する当て板を備えていることを特徴としている。
【０００８】
【作用】
上記した構成としたことにより、メダルシュ−トの先端位置は各ゲ−ム機の機種ごとに受皿の位置に適合させて調整することができ、また、受皿へ排出供給されるメダルのスピ−ドを抑制して安定した供給作業がなされることとなるのである。
【０００９】
【考案の実施の形態】
次に、本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。図１は本考案を実施したメダルゲ−ム用の台間機の正面図、図２は同じく右側面図、図３は同じくメダルシュ−トの先端正面図、図４は同じくメダルボックスの取付部の正面図、図５は同じく他の取付部の例を示す部分正面図である。
【００１０】
これらの図にあって１はメダルゲ−ム用の台間機本体を示している。この台間機本体１の前面部の上方には上部開閉扉部２が設けられ、この上部開閉扉部２の上部には錠３が備えられ、専用の鍵によってロックと解除がなされるようになっている。
【００１１】
また、この上部開閉扉部２の前面には紙幣挿入口４が形成され、この紙幣挿入口４は内部の紙幣識別装置や紙幣のスタッカ−と連通されたものとなっている。
図中５は挿入された金額等を表示する表示部を示している。
【００１２】
さらに、台間機本体１の前面で前記した上部開閉扉部２の下方には下部開閉扉部６が設けられ、この下部開閉扉部６も上部に錠７が設けられ、専用の鍵によってロックと解除がなされるようになっている。
【００１３】
この下部開閉扉部６の下方にはメダルボックス８が、そのメダルボックス８と一体化されている取り付けプレ−ト９を介して取り付けられているもので、このメダルボックス８は内部でメダル供給用のホッパ−等で連接され、所定の枚数例えば５０枚のメダルが収容されてスタンバイ状態とされる。
【００１４】
メダルボックス８の取り付けプレ−ト９を介しての下部開閉扉部６への取り付けはビス１０・１０…等の固定手段が用いられるが、下部開閉扉部６には例えば図４として示すような二列の上下方向への平行スリット１１・１１を形成して上下方向の取り付け位置を調整することができるようになっている。
【００１５】
さらに、前記した平行スリット１１・１１には横方向の平行した切り込み部１２・１２…をも形成することで、左右方向へも取り付け位置の調整をすることができるものとしている。
【００１６】
また、前記した平行スリット１１・１１に代えて、図５として示すような板バネ材１３・１３を対向して配備し、その板バネ材１３・１３の相対向する位置にくぼみ部１４・１４…を形成することもできる。この場合、板バネ材１３・１３間に球体状支持体を挟持させることでクリック感を伴いながら位置変更をなすことができることとなる。
【００１７】
一方、前記したメダルボックス８の前部にはメダルをゲ−ム機の受皿へ排出供給するためのメダルシュ−ト１５が一体的に付設されており、このメダルシュ−ト１５は受皿へ先端供給口１６を位置させるため、略９０度に曲成され、かつ、先端供給口１６を最下位置に配している。
【００１８】
このメダルシュ−ト１５には搬送中に周囲へメダルが飛散するのを防止し、塵埃等の落下混入を防止するための天面板１７が設けられ、さらに、先端供給口１６にはメダルが受皿へ排出供給される際のスピ−ドを抑制し、安定した供給を図る当て板１８が備えられている。この当て板１８はメダルシュ−ト１５の内面とメダルの厚さの略半分程度の隙間を形成し、メダルシュ−ト１５の側壁間に架設された軸１９に吊持され、スイング可能なものとされている。
【００１９】
【考案の効果】
本考案に係るメダルゲ−ム用の台間機は上述のように構成されている。そのため、各機種の受皿の位置にメダルシュ−トの先端供給口を自在に適合させることができ、また、メダルの供給スピ−ドを抑制できるので安定したメダルの排出供給作業となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本考案を実施したメダルゲ−ム用の台間機の正面図である。
【図２】右側面図である。
【図３】メダルシュ−トの先端正面図である。
【図４】メダルボックスの取付部の正面図である。
【図５】他の取付部の例を示す部分正面図である。
【符号の説明】
１台間機本体
２上部開閉扉部
３錠
４紙幣挿入口
５表示部
６下部開閉扉部
７錠
８メダルボックス
９取り付けプレ−ト
１０ビス
１１平行スリット
１２切り込み部
１３板バネ材
１４くぼみ部
１５メダルシュ−ト
１６先端供給口
１７天面板
１８当て板
１９軸

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項１】前面にメダルシュ−トを取り付けたメダルボックスの位置を上下方向に自在に変更できることを特徴とするメダルゲ−ム用の台間機。
【請求項２】前記したメダルボックスの位置を左右方向にも自在に変更できることを特徴とする請求項１に記載のメダルゲ−ム用の台間機。
【請求項３】前記したメダルシュ−トの位置を上下方向あるいは左右方向もしくは上下左右方向に自在に変更できることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のメダルゲ−ム用の台間機。
【請求項４】メダルシュ−トの先端部分にメダルの排出スピ−ドを抑制する当て板を備えていることを特徴とするメダルゲ−ム用の台間機。

【図１】