説明

メダルゲーム機

【課題】複数のプレイ領域にメダルを払い出すための構成を小型にでき、面白い態様でメダル払い出しができるメダルゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機1は、複数のプレイヤがそれぞれプレイ可能な複数のプレイ領域F1〜F4と、複数のメダルMを複数のプレイヤから視認可能な状態で貯留する貯留皿15と、貯留皿15の複数のメダルMを、複数のプレイ領域F1〜F4のなかから選択して払い出す払い出し部20Aと、貯留皿15及び払い出し部20Aの間を接続し貯留皿15の複数のメダルMを払い出し部20Aに搬送する接続位置と、貯留皿15及び払い出し部20Aの間を切断する切断位置との間で駆動される接続部23と、メダル払い出し時に、接続部23を制御して切断位置から接続位置へと駆動し、貯留皿15の複数のメダルを払い出し部20Aに搬送し、各プレイ領域F1〜F4に振り分けて払い出す制御部42と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルを払い出すメダルゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のプレイヤが独立してプレイ可能なプレイ領域を有し、各プレイ領域にメダルを払い出すゲーム機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のこのタイプのゲーム機は、大当たりの場合に、そのプレイ領域に大量(例えば数百枚から数千枚)のメダルを払い出すための構成が大型になってしまうために、ゲーム機が大型になってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−245460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、複数のプレイ領域にメダルを払い出すための構成を小型にでき、また面白い態様でメダル払い出しができるメダルゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
請求項1の発明は、複数のプレイヤがそれぞれプレイ可能な複数のプレイ領域(F1〜F4)と、複数のメダル(M)を前記複数のプレイヤから視認可能な状態で貯留する貯留部(15,215)と、前記貯留部の複数のメダルを、前記複数のプレイ領域のなかから選択した前記プレイ領域に振り分けて払い出す払い出し部(20A,20B,220A,220B)と、前記貯留部及び前記払い出し部の間を接続し前記貯留部の複数のメダルを前記払い出し部に搬送する接続位置と、前記貯留部及び前記払い出し部の間を切断する切断位置との間で駆動される接続部(23,223,226A,226B)と、
メダル払い出し時に、前記接続部を制御して前記切断位置から前記接続位置へと駆動し、前記貯留部の複数のメダルを前記払い出し部に搬送し、前記各プレイ領域に振り分けて払い出す制御部(42)と、を備えるメダルゲーム機である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のメダルゲーム機において、前記接続部(23,223)は、前記払い出し部(20A,20B,220A,220B)に設けられており、前記払い出し部から前記貯留部(15,215)に向けて移動するように駆動されて、前記貯留部及び前記払い出し部の間を接続すること、を特徴とするメダルゲーム機である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のメダルゲーム機において、前記払い出し部(20A,20B,220A,220B)は、前記メダル(M)を払い出す払い出し口(21a)と、前記払い出し口の向きを変更するように駆動する駆動部(22)とを備え、前記制御部(42)は、メダル払い出し時に、前記駆動部を制御して、前記払い出し口が前記メダルを払い出す前記プレイ領域(F1〜F4)の方向を向くように駆動すること、を特徴とするメダルゲーム機である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のメダルゲーム機において、前記接続部(23,223)は、前記払い出し部(20A,20B)に設けられており、前記払い出し部から前記貯留部(15,215)に向けて移動するように駆動されて、前記貯留部及び前記払い出し部の間を接続し、前記貯留部は、前記接続部よりも鉛直方向上側の位置に配置されており、前記貯留部を前記接続部の方向に傾斜して、貯留している複数のメダル(M)を前記接続部へと流れ込むようにして移動する傾斜駆動部(17)を備え、前記制御部(42)は、メダル払い出し時に、前記接続部を制御して前記切断位置から前記接続位置へと駆動し、前記傾斜駆動部を制御して前記貯留部を傾斜させて貯留している複数のメダル(M)を前記接続部に移動すること、を特徴、を特徴とするメダルゲーム機である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のメダルゲーム機において、前記接続部(23,223)は、前記払い出し部(20A,20B,220A,220B)に設けられており、前記払い出し部から前記貯留部(15,215)に向けて移動するように駆動されて、前記貯留部及び前記払い出し部の間を接続し、前記貯留部を鉛直方向に駆動する鉛直方向駆動部(16)と、前記貯留部を前記接続部の方向に傾斜して、貯留している複数のメダル(M)を前記接続部へと流れ込むようにして移動する傾斜駆動部(17)とを備え、前記貯留部は、前記接続部が前記接続位置にある状態で鉛直方向に駆動すると、前記接続部に干渉する位置に配置され、かつ、前記接続部が前記切断位置にある状態で鉛直方向に駆動すると、前記接続部から退避した位置に配置され、前記制御部(42)は、メダル払い出し時に、前記接続部を切断位置に配置した状態で、前記鉛直方向駆動部を制御して前記貯留部を前記接続部よりも鉛直方向上側に配置し、前記接続部を制御して前記切断位置から前記接続位置へと駆動し、前記傾斜駆動部を制御して前記貯留部を傾斜させて貯留している複数のメダルを前記接続部に移動すること、を特徴とするメダルゲーム機である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のメダルゲーム機において、前記各プレイ領域(F1〜F4)に設けられ、各プレイヤがメダル投入機(3)から投入したメダルを載置するプッシャ台(4)を備え、前記払い出し部(20A,20B,220A,220B)は、メダル払い出し時に、前記貯留部(15,215)の複数のメダルを前記各プレイ領域(F1〜F4)の各プッシャ台に振り分けて払い出すこと、を特徴とするメダルゲーム機である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のメダルゲーム機において、前記貯留部(15,215)とは異なる流路によって、前記払い出し部(20A,20B,220A,220B)にメダル(M)を供給するメダル供給部(12A,12B,13A,13B)を備え、前記払い出し部は、前記メダル供給部によって供給され前記メダルを前記貯留部よりも少ない量のメダルを貯留し、そのメダルを払い出す払い出し口(21e)を備えること、を特徴とするメダルゲーム機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、複数のメダルをプレイヤから視認可能な状態で貯留して、接続部を接続位置へと駆動して、貯留部の複数のメダルを各プレイ領域に振り分けて払い出す。これによって、メダル払い出しの構成を、接続部を接続位置へと駆動するという簡単な構成にできるので、払い出し装置の構成を小型にできるとともにゲーム機を小型にすることができる。また、接続部を貯留部と払い出し部との間を接続するように駆動して、プレイヤから視認可能な状態で貯留したメダルを払い出すので、目立つようにかつ面白い態様でメダル払い出しをすることができる。さらに、通常プレイ時には、貯留部とメダル払い出し部との構成が分離しているので、ゲーム機内部の構成を簡単に見せ、内部の見た目の煩雑さを軽減することができる。
(2)本発明は、接続部が払い出し部から貯留部に向けて移動するように駆動されて、貯留部と払い出し部とを接続するので、メダル払い出し時に、接続部を貯留部に向けて移動してメダルを払い出すことができる。
【0008】
(3)本発明は、払い出し口の向きをメダルを払い出すプレイ領域の方向を向くように駆動するので、メダル払い出し時に、払い出し口の方向を変更してメダルを払い出すプレイ領域を選択することができる。
(4)本発明は、接続部が、払い出し部に設けられており、払い出し部から貯留部に向けて駆動されて、貯留部と払い出し部とを接続し、貯留部が、接続部よりも鉛直方向上側の位置に配置されており、貯留部を接続部の方向に傾斜して、貯留している複数のメダルを接続部へと流れ込むようにして移動する。このため、メダル払い出し時には、接続部を貯留部に向けて駆動して、貯留部を傾斜してメダルを接続部へと流れ込むようにして移動することができる。これによって、ゲーム機内部の上下方向の空間を有効に利用し、ゲーム機を小型にすることができる。
【0009】
(5)本発明は、貯留部が、接続部が接続位置にある状態で鉛直方向に駆動すると、接続部に干渉する位置に配置され、メダル払い出し時に、接続部を切断位置に配置した状態で、鉛直方向駆動部を制御して貯留部を接続部よりも鉛直方向上側に配置し、接続部を接続位置に駆動し、傾斜駆動部を制御して貯留部を傾斜させて貯留している複数のメダルを接続部へ移動する。これによって、上記(4)の効果に加えて、通常のプレイ時には、接続部を切断位置に配置することで、メダルを貯留した貯留部を接続部に干渉することなく上下に駆動して、プレイヤの興味をひかせることができる。
(6)本発明は、払い出し部がメダル払い出し時に、貯留部の複数のメダルを各プレイ領域の各プッシャ台に振り分けて払い出すので、メダルプッシャゲームのメダル払い出し装置に利用することができる。
【0010】
(7)本発明は、払い出し部がメダル供給部によって供給されたメダルを貯留し払い出す払い出し口を備えるので、メダルの払い出し数量に応じて、メダル払い出しの態様を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態のゲーム機の斜視図である。
【図2】第1実施形態のゲーム機の縦断面図及び開閉接続部の斜視図である。
【図3】第1実施形態の貯留皿及び払い出し装置の動作を説明する縦断面図である。
【図4】第1実施形態のゲーム機のメダル払い出し時の動作を説明する斜視図である。
【図5】第1実施形態のゲーム機のブロック図である。
【図6】第1実施形態のゲーム機の動作を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態のゲーム機の斜視図である。
【図8】第2実施形態の貯留皿、振り子、払い出し装置の動作を説明する縦断面図である。
【図9】第3実施形態のゲームシステムの構成を説明する図である。
【図10】第3実施形態のゲームシステムのブロック図である。
【図11】第3実施形態のゲームシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、複数のプレイ領域にメダルを払い出すための構成を小型にでき、面白い態様でメダル払い出しができるメダルゲーム機を提供するという課題を、ゲーム機が、複数のプレイヤがそれぞれプレイ可能な複数のプレイ領域と、複数のメダルを複数のプレイヤから視認可能な状態で貯留する貯留皿と、貯留皿の複数のメダルを、複数のプレイ領域のなかから選択して払い出す払い出し部と、貯留皿及び払い出し部の間を接続し貯留皿の複数のメダルを払い出し部に搬送する接続位置と、貯留皿及び払い出し部の間を切断する切断位置との間で駆動される接続部と、メダル払い出し時に、接続部を制御して切断位置から接続位置へと駆動し、貯留皿の複数のメダルを払い出し部に搬送し、各プレイ領域に振り分けて払い出す制御部と、を備えることにより解決した。
【0013】
以下、図面等を参照して、本発明のメダルゲーム機の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
図2は、第1実施形態のゲーム機1の縦断面図及び開閉接続部23の斜視図である。
図3は、第1実施形態の貯留皿15及び払い出し装置20Aの動作を説明する縦断面図である。
図4は、第1実施形態のゲーム機1のメダル払い出し時の動作を説明する斜視図である。
【0014】
図1に示すように、ゲーム機1(メダルゲーム機)は、左右方向Xの幅2m程度、奥行方向Yの長さ2m程度、鉛直方向Zの高さ2m程度の直方体の装置であり、主にゲームセンタ等の店舗に設置される。
ゲーム機1は、ケース2と、ステーションSt1〜St4と、プレイ領域F1〜F4と、メダル供給路12A(12A−1〜12A−3),12Bと、メダル振分装置13A(13A−1〜13A−3),13Bと、貯留皿15と、鉛直方向駆動部16(16a.16b)と、傾斜駆動部17と、払い出し装置20A,20B(払い出し部)と、メダル回収孔25とを備えている。
【0015】
ケース2は、ゲーム機1の筐体であり、 ウィンドウ2aを備えている。
ウィンドウ2aは、ゲーム機1内部と外部とを仕切る部材であり、ゲーム機1内部がプレイ領域Fとなっている。ウィンドウ2aは、ゲーム機1内部が視認できるように、透明なガラス、樹脂等により形成される。
ステーションSt1〜St4は、4人のプレイヤが独立してプレイ可能な装置を有する領域である。ステーションSt1は、ゲーム機1の手前側Y1の左側X1の領域であり、ステーションSt2は、手前側Y1の右側X2の領域であり、ステーションSt3は、奥側Y2の左側X1の領域であり、ステーションSt4は、奥側Y2の右側X2の領域である。
【0016】
各ステーションSt1〜St4には、各プレイ領域F1〜F4が対応して設けられている。
なお、プレイ領域Fとは、プレイヤが投入したメダルMで実際にプレイをするゲーム機1内部の領域をいう。実施形態では、ウィンドウ2aよりも内側の領域がプレイ領域Fであり、プレイ領域F内に、プレイ領域F1〜F4が設けられた形態である。プレイ領域F内には、メダルの大量払い出しや回収のために、貯留皿15、鉛直方向駆動部16、傾斜駆動部17、メダル回収孔25等が設けられている。
【0017】
以下、主に、ステーションSt1の構成について説明するが、ステーションSt2〜St4についても、同様な構成である
ステーションSt1は、メダル投入装置3(メダル投入機)と、プッシャ台4と、メダル落下孔5と、外部払い出し口6と、チェッカ7と、スロット8と、ルーレット用射出装置10と、ルーレットストップ孔11と、ルーレット12とを備えている。
メダル投入装置3は、プレイヤがプレイ領域F1にメダルMを投入するための装置であり、ステーションSt1の正面の左側X1及び右側X2にそれぞれ設けられている。メダル投入装置3は、プレイヤが左右方向Xに回転可能であり、メダルMの投入方向を変更することができる。
【0018】
プッシャ台4は、プレイ領域F1内に配置されており、複数のメダルMを載置し、メダルMを手前側Y1に押し出す装置である。プッシャ台4は、往復テーブル4aと、固定テーブル4bとを備えている。
往復テーブル4aは、メダル投入装置3から投入されたメダルM、後述するように払い出しされたメダルM等を、受け止め載置するためのテーブルである。往復テーブル4aは、固定テーブル4bに対して奥行方向Yに往復移動するように、モータ等から構成される駆動装置(図示せず)が設けられている。
固定テーブル4bは、メダル投入装置3から投入されたメダルM、後述するように払い出しされたメダルM、往復テーブル4aから落下したメダルM等を、受け止め載置するためのテーブルである。固定テーブル4b上のメダルMは、往復テーブル4aの往復移動にともなって手前側Y1に押し出され、メダル落下孔5又はチェッカ7に落下する。
【0019】
メダル落下孔5は、固定テーブル4bの手前側Y1に設けられた開口孔であり、外部払い出し口6に連通している。
外部払い出し口6は、メダル落下孔5に落下したメダルMを、外部に払い出す払い出し口である。外部払い出し口6に払い出されたメダルMは、プレイヤが獲得してメダル投入装置3を利用することによって、プレイ領域F1に再び投入することができる。
【0020】
チェッカ7は、固定テーブル4bの手前側Y1に設けられた入賞口である。固定テーブル4b上のメダルMがチェッカ7にうまく入賞した場合には、チェッカ7内部に設けられた光学センサ等の検出部(図示せず)が検出信号を制御部40(後述する)に出力し、制御部40が抽選処理を行う。
スロット8は、3つの数字を揃える抽選装置であり、後述するように、小当たり、中当たり等の抽選を行う。スロット8は、プレイ領域F1,F3をまたがって配置された基台9A上に配置されている。
【0021】
ルーレット用射出装置10は、プレイ領域F1の手前側Y1の右側X2の範囲に配置されている。ルーレット用射出装置10は、メダル振分装置13Aから供給されたメダルMを、左側X1の方向に向けて射出する。
ルーレットストップ孔11は、プレイ領域F1の手前側Y1の左側X1の範囲に配置されている。ルーレットストップ孔11は、ルーレット用射出装置10が射出したメダルMが入賞するように配置されている。ルーレットストップ孔11にうまくメダルMが入賞すると、ルーレット12が止まるようになっている。
ルーレット12は、後述するように、大当たり等の抽選を行う抽選装置である。
【0022】
メダル供給路12A,12Bと、メダル振分装置13A,13Bとは、貯留皿15と、各プレイ領域F1〜F4のルーレット用射出装置10と、各払い出し装置20A,20Bの少量払い出し貯留部21b(後述する)とに、メダルMを供給する装置である。
メダル供給路12A,12Bは、メダルMを運搬するレール状の部材によって構成される。
メダル供給路12Aは、ステーションSt1,St3に対応して設けられており、貯留皿15にメダルMを供給する供給路12A−1と、払い出し装置20Aの少量払い出し貯留部21b(後述する)にメダルMを供給する供給路12A−2と、ルーレット用射出装置10にメダルMを供給する供給路12A−3とを備えている。
同様に、メダル供給路12Bは、ステーションSt2,St4に対応して設けられている。
【0023】
メダル振分装置13A,13Bは、メダル供給路12A,12Bのメダル供給の振り分けをする装置である。
メダル振分装置13Aは、ステーションSt1,St3に対応してメダルMの振り分けを行う。メダル振分装置13Aは、各供給路12A−1〜12A−3にメダルMを振り分ける振分部13A−1〜13A−3から構成される。
同様に、メダル振分装置13Bは、ステーションSt2、St4に対応してメダルMの振り分けを行い、振分部13B−1〜13B−3から構成される。
【0024】
貯留皿15は、大量払い出し(例えば数百枚〜数千枚)をするメダルMを貯留する容器である。貯留皿15には、供給路12A−1,12B−1からメダルMが供給される。貯留皿15は、水平面(XY平面)においてプレイ領域Fのほぼ中央に配置され、鉛直方向Zに移動可能に支持されている。貯留皿15は、透明な樹脂材料等により形成されており、上側に配置された場合であっても、プレイヤが貯留しているメダルMを視認することができる。
ゲーム機1は、実際に払い出されるメダルMを視認可能に貯留することによって、例えばメダル貯留数を数字等で表示するよりも、プレイヤのプレイ意欲を向上させることができる。
【0025】
鉛直方向駆動部16は、貯留皿15を支持するとともに、貯留皿15を鉛直方向Zに駆動する駆動装置である。鉛直方向駆動部16は、2本の送りねじ16a,16bを備えている。
送りねじ16a,16bは、プレイ領域F内に鉛直方向Zに延在するように、並べて配置されている。送りねじ16aは、手前側Y1に配置され、送りねじ16bは、奥側Y2に配置されている。送りねじ16a,16bは、DCモータ等(図示せず)によって鉛直方向Zの軸回りに回転駆動され、貯留皿15を鉛直方向Zに駆動する。
【0026】
傾斜駆動部17は、送りねじ16aと貯留皿15との間に配置されている。傾斜駆動部17は、DCモータ等(図示せず)を備えており、貯留皿15を奥行方向Yの軸回りに回転して傾斜させる。これによって、図3(b)、図4に示すように、傾斜駆動部17は、貯留皿15を払い出し装置20A,20Bの開閉接続部23(後述する)の方向に傾斜して、貯留している複数のメダルMを、開閉接続部23へと流れ込むようにして移動する。
【0027】
図1に示すように、払い出し装置20Aは、ステーションSt1,St3に振り分けて大量払い出し、少量払い出し(例えば数十枚程度)が可能な装置である。払い出し装置20Aは、プレイ領域F1,F3をまたがって配置された基台A9上に配置されている。
なお、実施形態において、払い出しとは、ゲーム機1外部へメダルMを出すことに限らず、プレイ領域FへメダルMを出すことをもいう。
図2(a)に示すように、払い出し装置20Aは、基部21と、回転駆動部22と、開閉接続部23(接続部)とを備えている。
基部21は、円筒状の部材であり、大量払い出し口21aと、少量払い出し貯留部21bと、少量払い出し供給口21dと、少量払い出し口21eと、少量払い出し射出装置21fとを備えている。
大量払い出し口21aは、開閉接続部23から落下して、基部21内部に設けられたスロープ21cを滑落してきたメダルMを、プッシャ台4に払い出すために設けられた開口孔である。
【0028】
少量払い出し貯留部21bは、少量払い出しをするメダルMを貯留する領域である。少量払い出し貯留部21bは、基部21内部のうち、スロープ21cによって分離された下側の空間である。
少量払い出し供給口21dは、少量払い出し貯留部21bにメダルMを供給するための開口孔である。少量払い出し供給口21dは、少量払い出し貯留部21bに連通するように設けられており、供給路12A−2から供給されたメダルMが、少量払い出し貯留部21bに貯留するようになっている。
少量払い出し口21eは、少量払い出し貯留部21bに貯留したメダルMを、払い出すための開口孔である。少量払い出し口21eは、少量払い出し供給口21dとは反対側の部分に設けられている。
少量払い出し射出装置21fは、少量払い出し貯留部21bのメダルMを少量払い出し供給口21dから射出するための装置である。
【0029】
このように、ゲーム機1は、貯留皿15とは異なる流路によってメダルMを貯留し、そのメダルMを出すことができる。これによって、ゲーム機1は、メダルMの払い出し数量に応じて、メダル払い出しの態様を変更することができる。
【0030】
回転駆動部22は、払い出し装置20Aを鉛直方向Zの軸回りに回転駆動するDCモータ等の駆動装置である。回転駆動部22は、払い出し装置20Aを回転駆動することによって、大量払い出し口21a及び少量払い出し口21eの向きや、開閉接続部23の開閉方向を変更する。回転駆動部22は、基部21よりも下側に配置され、基部21を回転駆動して、払い出し装置20A全体を回転する。
【0031】
開閉接続部23は、貯留皿15と払い出し装置20Aとの間を接続し貯留皿15の複数のメダルMを払い出し装置20Aに搬送する接続位置(図3(b)、図4の位置)と、貯留皿15と払い出し装置20Aとの間を切断する切断位置(図1、図3(a)の位置)との間で駆動される。
なお、実施形態で接続の意味は、メダルMの流路を接続することを含み、また、切断の意味は、メダルMの流路を切断することを含む。例えば、開閉接続部23が、貯留皿15に物理的に接触するか否かに関わらず、貯留皿15からメダルMの受け渡しが可能であれば、メダルMの流路を接続する位置にあり、貯留皿15からメダルMの受け渡しが不可能であれば、メダルMの流路を切断する位置にある。
【0032】
開閉接続部23は、基部21よりも上側に設けられている。開閉接続部23は、開閉接続部材23a,23bから構成される。開閉接続部材23a,23bは、円柱状の部材を、中心軸を通る切断面により、2つに分離したような形状である。
図2(b)に示すように、開閉接続部材23a,23bの上面には、中央に向かうに従って下側に傾斜する傾斜面23c,23dが設けられている。
開閉接続部23は、スライダ機構やモータ等から構成される開閉駆動部24(図5参照)によって開閉駆動される。そして、開閉接続部23は、払い出し装置20Aから貯留皿15に向けて水平方向に移動する。これによって、開閉接続部23は、貯留皿15からメダルMの受け渡しが不可能である切断位置(図3(a)の位置)から、貯留皿15と払い出し装置20Aとを接続し貯留皿15からメダルMの受け渡しが可能に位置である接続位置(図3(b)の位置)に配置される。
【0033】
払い出し装置20Bは、払い出し装置20Aと同様な構成であり、ステーションSt2,St4に振り分けてメダルMの大量払い出し、少量払い出しを行う。詳細な説明は、省略する。
メダル回収孔25は、貯留皿15のメダルMを回収するための開口孔である。メダル回収孔25は、プレイヤから見えづらいように、プレイ領域Fの下側に配置され、さらに基台9A,9Bに隠れるように配置されている。メダル回収孔25は、内部のメダルストック部(図示せず)に連通しており、回収したメダルMは、再びメダル供給路12A,12Bからプレイ領域Fに供給される。
【0034】
次に、貯留皿15、開閉接続部23の配置について説明する。
図3(b)に示すように、貯留皿15は、開閉接続部23が接続位置にある状態で、鉛直方向Zに駆動されると、開閉接続部23に干渉する位置に配置されている。一方、図3(a)に示すように、貯留皿15は、開閉接続部23が切断位置にある状態で、鉛直方向Zに駆動されると、開閉接続部23から退避した位置に配置されている。
つまり、開閉接続部23は、切断位置にある状態では、貯留皿15の移動領域A1から退避しており、接続位置にある状態では、貯留皿15の移動領域A1内に移動して、上側にある貯留皿15に接続される。
【0035】
これにより、ゲーム機1は、メダル払い出しを行っていない通常のプレイ時には、開閉接続部23を切断位置に配置し、メダルMを貯留した貯留皿15を開閉接続部23に干渉することなく上下に駆動して、プレイヤの興味をひかせることができる。
ここで、従来のゲーム機は、貯留部のメダルを各プレイ領域に選択して大量払い出しするために、大きな模型等を配置したり、大型な払い出し装置が必要であった。これに対して、実施形態のゲーム機1は、開閉接続部23が貯留皿15に向けて接続位置へと駆動するので、払い出し装置の構成を小型にできるとともに簡単な構成にできるので、ゲーム機1自体を小型にすることができる。
さらに、ゲーム機1は、通常プレイ時には、貯留皿15とメダル払い出し装置20Aとが分離しているので、ゲーム機1内部の構成をすっきりと簡単に見せ、煩雑さを軽減することができる。
【0036】
なお、図2に示すように、貯留皿15のメダルMは、払い出される他に、メダル回収孔25に落下され回収される場合がある。このメダル回収処理は、貯留皿15を下側に駆動して傾斜させることにより行われる。ゲーム機1は、メダル回収孔25がプレイヤから見えづらい位置に配置されているので、メダル回収処理を目立たなく行うことができ、プレイヤのプレイ意欲を維持することができる。このメダル回収処理の詳細は、後述する。
【0037】
図5は、第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
ゲーム機1は、上記ハードウェアに他に、記憶部30と、制御部40とを備えている。
図中、メダル投入装置3B〜3D、チェッカ7B〜7D、スロット8B〜8D、ルーレット用射出装置10B〜10Dは、ステーションSt2〜St4のメダル投入装置、チェッカ、スロット、ルーレット用射出装置であり、それらの構成は、ステーションSt1のメダル投入装置3、チェッカ7、スロット8と、ルーレット用射出装置10と同様である。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部30、制御部40等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0038】
記憶部30は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部30は、プレイ進行に必要な情報を一時的に記憶する記憶したりする。また、記憶部30は、このメダルゲームを進行させるゲームプログラム31を記憶している。
【0039】
制御部40は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。ゲーム機1は、メダル振分制御部41と、払い出し制御部42と、プレイ進行制御部43とを備え、必要に応じてこれら各制御部の間で情報を伝達することができる。
制御部40は、記憶部30に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
メダル振分制御部41は、メダル振分装置13A,13Bを制御して、プレイ領域FのメダルMの振り分け処理を行う制御部である。
払い出し制御部42は、鉛直方向駆動部16、傾斜駆動部17、払い出し装置20A,20B等を制御して、メダル払い出し処理を行う制御部である。
プレイ進行制御部43は、ゲームの進行を統括的に制御するための制御部である。
【0040】
次に、ゲーム機1の動作について説明する。
図6は、第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
なお、以下、主にステーションSt1の動作について説明するが、ステーションSt2〜St4の動作も同様である。
最初に、ステップS(以下、単に「S」という)10において、プレイヤがメダルMをメダル投入装置3から投入すると、メダル投入装置3の検出部(図示せず)が信号を制御部40に出力して、制御部40が処理を開始する。
なお、プレイ開始時には、図1に示すように、払い出し装置20Aの大量払い出し口21a及び少量払い出し供給口21dが内側(右側X2)に向くように配置され、また、貯留皿15は、払い出し装置20Aよりも上側の位置に配置されている。また、開閉接続部23は、閉状態つまり切断位置に配置された状態である。
【0041】
S20において、払い出し制御部42は、鉛直方向駆動部16を制御して、貯留皿15を上下に駆動する。前述したように、貯留皿15は、開閉接続部23が切断位置ある状態では、開閉接続部23に干渉することがないので、大量のメダルMを貯留した貯留皿15を上下に駆動することによって、プレイヤの興味をひかせることができる。
S30において、プレイ進行制御部43は、メダル投入装置3からの出力に基づいて、メダルMの投入枚数をカウントし、メダルMが10枚投入されたか否かを判定する。プレイ進行制御部43は、メダルMが10枚投入されたと判定した場合には(S30:YES)、S40に進み、一方、メダルMが10枚投入されていないと判定した場合には(S30:NO)、S50に進む。
S40において、メダル振分制御部41は、メダル振分装置13Aを制御して、貯留皿15にメダルMを供給する。また、プレイ進行制御部43は、メダル投入枚数を「0」にリセットする。
【0042】
S50において、プレイ進行制御部43は、チェッカ7の検出部(図示せず)の出力に応じて、メダルMがチェッカ7に入賞したか否かを判定する。この場面でメダルMが入賞する場合は、プレイヤがメダル投入装置3からメダルMを投入して、プッシャ台4上のメダルMがチェッカ7に入賞する場合である。
プレイ進行制御部43は、メダルMがチェッカ7に入賞したと判定した場合には(S50:YES)、S60に進み、一方、メダルMがチェッカ7に入賞していないと判定した場合には(S50:NO)、S100に進む。
【0043】
S60において、プレイ進行制御部43は、スロット8を制御して抽選処理を行う。
S70において、プレイ進行制御部43は、スロット8の抽選結果が小当たりであるか否かを判定する。なお、小当たりである場合は、「7」以外の数字が揃った場合、つまりスロット8の表示が「000」、「111」等になった場合である。
プレイ進行制御部43は、小当たりであると判定した場合(S70:YES)、S71に進み、一方、小当たりではないと判定した場合(S70:NO)、S80に進む。
【0044】
S71において、払い出し制御部42は、回転駆動部22を制御して払い出し装置20Aを90度右回り(図1に示す矢印θ1方向)に回転駆動して、少量払い出し口21eをプレイ領域F1のプッシャ台4の方向に向ける。
S72において、払い出し制御部42は、少量払い出し射出装置21fを制御して、少量払い出し貯留部21bに貯留したメダルMを、プッシャ台4に払い出す。その後、払い出し制御部42は、回転駆動部22を制御して払い出し装置20Aを90度左回り(図1に示す矢印θ2方向)に回転駆動して、再び、少量払い出し口21eが内側(右側X2)に向くように配置する。
【0045】
この結果、プッシャ台4に載置されるメダルMが増加するので、プッシャ台4上のメダルMは、往復テーブル4aの往復移動にともなって手前側Y1に移動し、固定テーブル4bから落下する可能性が大きくなる。メダルMは、固定テーブル4bからメダル落下孔5に落下した場合には、外部払い出し口6に払い出され、プレイヤが獲得することができる。
【0046】
なお、奥側Y2のステーションSt3が小当たりとなったために、プレイ領域F3にメダルMを払い出す場合には、払い出し制御部42は、払い出し装置20Aを90度左回りに回転駆動して、少量払い出し口21eをプレイ領域F3の方向に向ける。これによって、払い出し装置20Aは、少量払い出し時に、メダルMを払い出すプレイ領域Fを選択することができる。
【0047】
S80において、プレイ進行制御部43は、スロット8の抽選結果が中当たりであるか否かを判定する。なお、中当たりである場合は、「7」の数字が揃った場合、つまりスロット8の表示が「777」になった場合である。
プレイ進行制御部43は、中当たりであると判定した場合(S80:YES)、S81に進み、一方、中当たりではないと判定した場合(S80:NO)、S90に進む。
【0048】
S90において、メダル振分制御部41は、メダル振分装置13Aを制御して、メダルMを少量払い出し貯留部21bに供給する。これによって、少量払い出し貯留部21bには、メダルMがチェッカ7に入賞し(S50:YES)、抽選処理において、小当たりが外れ(S70:NO)、中当たりが外れる度に(S80:NO)、メダルMが1枚ずつ貯留されていく。
【0049】
S81において、メダル振分制御部41は、メダル振分装置13Aを制御して、ルーレット用射出装置10にメダルMを供給する。
S82において、プレイ進行制御部43は、ルーレット12を回転して、ルーレット用射出装置10を駆動して、メダルMを左側X1に向けて発射する。
S83において、プレイ進行制御部43は、ルーレットストップ孔11にメダルMが入賞すると、入賞したタイミングでルーレット12を止め、その結果、大当たりであるか否かを判定する。なお、大当たりである場合は、図4に示すように、ルーレット12の「○」の部分が、矢印12aに指された状態で止まった場合である。
プレイ進行制御部43は、大当たりであると判定した場合には(S83:YES)、S84に進み、一方、大当たりではないと判定した場合には(S83:NO)、S100に進む。
【0050】
S84において、払い出し制御部42は、鉛直方向駆動部16を制御して、貯留皿15を開閉接続部23よりも鉛直方向上側に配置する。
S85において、払い出し制御部42は、回転駆動部22を制御して払い出し装置20Aを90度右回りに回転駆動して、大量払い出し口21aをプレイ領域F1のプッシャ台4の方向に向ける。
この結果、S84,S85の処理によって、図3(a)に示す配置状態となる。
【0051】
S86において、図3(b)に示すように、払い出し制御部42は、開閉駆動部24を制御して、開閉接続部23を開駆動して接続位置に配置する。
S87において、払い出し制御部42は、傾斜駆動部17を制御して貯留皿15を傾斜する。
図4に示すように、この結果、貯留皿15のメダルMは、開閉接続部材23aに流れ込むにようにして受け渡されて移動し、さらに、開閉接続部材23aから基部21の内部へと流れ込み、その後、大量払い出し口21aから払い出される。
【0052】
このように、ゲーム機1は、開閉接続部23を貯留皿15と払い出し装置20Aとの間を接続するように駆動して、プレイヤから視認可能な状態で貯留したメダルMを払い出すので、目立つようにかつ面白い態様でメダル払い出しをすることができる。
【0053】
大量払い出しが終了すると、払い出し制御部42は、傾斜駆動部17を制御して貯留皿15を再び水平位置に戻し、開閉駆動部24を制御して、開閉接続部23を閉駆動して切断位置に戻す。その後、払い出し制御部42は、回転駆動部22を制御して払い出し装置20Aを90度左回りに回転駆動して、再び、少量払い出し口21eが内側(右側X2)に向くように配置する。
【0054】
なお、奥側Y2のステーションSt3が大当たりとなったために、奥側Y2のステーションSt3のプレイ領域F3にメダルMを払い出す場合には、払い出し制御部42は、払い出し装置20Aを90度左回りに回転駆動して、大量払い出し口21aをプレイ領域F3の方向に向け、開閉接続部23の開閉接続部材23bを接続位置に配置する。これによって、払い出し装置20Aは、大量払い出し時に、メダルMを払い出すプレイ領域Fを選択することができる。
【0055】
S100において、プレイ進行制御部43は、メダル投入装置3の出力に基づいて、プレイ終了したか否かを判定する。プレイ進行制御部43は、所定時間(例えば60秒程度)、メダル投入装置3から出力がない場合にはプレイ終了したと判定し(S100:YES)、S110に進み、一連の処理を終了する。一方、プレイ進行制御部43は、メダル投入装置3からの引き続き出力がある場合には、プレイが継続されプレイ終了していないと判定し(S100:NO)、S20からの処理を繰り返す。
【0056】
以上説明したように、ゲーム機1は、メダル払い出しの構成を簡単な構成にできるので、小型にすることができる。また、ゲーム機1は、目立つようにかつ面白い態様でメダル払い出しをすることができる。さらに、ゲーム機1は、内部の構成を簡単に見せ、煩雑さを軽減することができる。
【0057】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用したメダルゲーム機の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図7は、第2実施形態のゲーム機201の斜視図である。
図8は、第2実施形態の貯留皿15、振り子226A、払い出し装置220Aの動作を説明する縦断面図(第1実施形態の図3に相当する図)である。
図7に示すように、ゲーム機201は、貯留皿15と、振り子226A,226Bと、払い出し装置220A,220Bとを備えている。
【0058】
図8に示すように、振り子226Aは、断面形状が円弧状である円弧部226aが、2本の腕部226b(図7参照)によって、奥行方向Yの軸Y3回りに回転可能に、ケース2に支持されている。振り子226Aは、制御部(図示せず)が、DCモータ等を備える振り子駆動部(図示せず)を制御することによって回転駆動される。
図8(a)に示すように、メダルMの大量払い出し時には、最初に、制御部が、貯留皿15を払い出し装置220Aよりも上側に配置して、払い出し装置220Aと貯留皿15との間に、振り子226Aを配置する。その後、図8(b)に示すように、制御部が、開閉接続部223を開駆動し、また、振り子駆動部を制御して、振り子226Aを図中左回りに回転駆動する。
これによって、ゲーム機201は、開閉接続部223及び振り子226Aによって、貯留皿15と払い出し装置220Aとの間の流路が接続され、メダルMの大量払い出しをすることができる。
【0059】
以上説明したように、ゲーム機201は、開閉接続部223及び振り子226Aによって、貯留皿15と払い出し装置220Aとの間の流路を接続し、メダルMの大量払い出しをすることができる。
これによって、ゲーム機201は、開閉接続部223の高さを第1実施形態の開閉接続部23よりも低くして、払い出し装置220Aを小型にすることができるし、メダル払い出しの態様を面白くすることができる。
【0060】
なお、上記構成から開閉接続部223を削除して、振り子226Aのみによって、貯留皿15と払い出し装置220Aとの間を接続してもよい。この場合、ゲーム機201は、払い出し装置220Aをさらに小型にすることができるし、構成を簡単にすることができる。
払い出し装置220B及び振り子226Bは、払い出し装置220A及び振り子226Aと同様な構成である。詳細な説明は、省略する。
【0061】
(第3実施形態)
次に、本発明を適用したメダルゲームシステムの第3実施形態について説明する。
図9は、第3実施形態のゲームシステム300の構成を説明する図である。
図10は、第3実施形態のゲームシステム300のブロック図である。
ゲーム機301,401は、同一の店舗内に設置されている。
図9、図10に示すように、ゲームシステム300(メダルゲームシステム)は、第1実施形態のゲーム機1と同様な構成を備えるゲーム機301,401が、LAN(Local Area Network)ケーブル等の通信回線360により接続されて構成されている。
なお、図10に示すブロック図において、ゲーム機301のステーションSt301〜St304の各構成(ハードウェア)には、末尾にA〜Dの符号を付して示した。ゲーム機401のステーションSt401〜St404の構成についても、同様である。
【0062】
ゲーム機301は、制御部340に、通信回路(図示せず)を制御して、ゲーム機401との間で情報の送受信をする送受信部344を備えている。
同様に、ゲーム機401は、制御部440に、ゲーム機301との間で情報の送受信をする送受信部444を備えている。
【0063】
ゲームシステム300は、作業者がゲーム機301,401のいずれかをホストコンピュータにするかを選択することによって、選択されたゲーム機の制御部が、このシステムを統括的に制御するようになっている。
本実施形態では、ゲーム機301がホストコンピュータとして選択された場合を例に、以下説明する。
ゲーム機401の送受信部444は、プレイ進行制御部443が、プレイ進行の情報(例えば、メダル投入装置403A〜403Dからの出力情報、大当たりか否かの抽選結果の情報等)を、通信回線360を介して、ゲーム機301に送信する。
【0064】
図11は、第3実施形態のゲームシステム300の動作を示すフローチャートである。
S310において、メダル振分制御部341は、メダル投入装置303A〜303Dからの出力を受け付ける。ゲーム機401は、ゲーム機401のメダル投入装置403A〜403Dの出力情報をゲーム機301に送信する。そして、制御部340は、メダル投入装置303A〜303D,403A〜403Dのいずれかからメダル投入されると、一連の処理を開始する。制御部340は、ゲーム機301の各ハードウェアを制御するともに、通信回線360を介して、ゲーム機401の各ハードウェアを制御する。
【0065】
S320において、払い出し制御部342は、ゲーム機301の貯留皿315を上下に駆動する。また、送受信部344は、貯留皿415の上下駆動に関連する情報を、通信回線360を介して、ゲーム機401に送信する。ゲーム機401は、送受信部444がこの情報を受信すると、払い出し制御部442が貯留皿415を上下に駆動する。
【0066】
S330において、メダル振分制御部341は、メダル投入装置303A〜303D,403A〜403Dのいずれかから、メダルMが10枚投入されたか否かを判定する。メダル振分制御部341は、メダルMが10枚投入されたと判定した場合には(S330:YES)、S340に進み、一方、メダルMが10枚投入されてないと判定した場合には(S330:NO)、S350に進む。
【0067】
S340において、メダル振分制御部341は、貯留皿315にメダルMを供給する。送受信部344は、メダル供給に関連する情報を、ゲーム機401に送信する。送受信部444がこの情報を受信すると、メダル振分制御部441は、貯留皿415にメダルMを供給する。これにより、ゲームシステム300は、ゲーム機301,401におけるメダル供給を同期させ、同じ枚数のメダルMを貯留皿315,415に、順次貯留していくことができる。
【0068】
S350において、プレイ進行制御部343は、ゲーム機301で大当たりが発生したか否かを判定する。プレイ進行制御部343は、ゲーム機301で大当たりが発生したと判定した場合には(S350:YES)、S384に進み、一方、ゲーム機301で大当たりが発生していないと判定した場合には(S350:NO)、S450に進む。
S384〜S387において、払い出し制御部342は、第1実施形態のS84〜S87の処理と同様にして、メダルMを払い出す(図3、図4参照)。そして、S390に進む。
S390において、ゲーム機301の送受信部344は、ゲーム機401に対して、貯留皿415のメダルMを回収させるための情報を送信する。ゲーム機401の送受信部444がこの情報を受信すると、払い出し制御部442は、鉛直方向駆動部416を制御して貯留皿415を下側に駆動し、S391に進む。
S391において、払い出し制御部442は、傾斜駆動部417を制御して貯留皿415をメダル回収孔425(図3のメダル回収孔25、図9参照)の方向に傾斜させる。これにより、ゲーム機401は、貯留皿415のメダルMをメダル回収孔425に回収することができる。
【0069】
以上のS384〜S391の処理によって、ゲームシステム300は、ゲーム機301で大当たりが発生した場合には、ゲーム機301では、貯留皿315のメダルMを大量払い出して、一方、ゲーム機401では、貯留皿415のメダルMを回収することができる。また、メダル回収孔425がプレイ領域F400の下側に配置されており、貯留皿415を鉛直方向下側に駆動してメダル回収するので、プレイヤから目立たないようにメダル回収を行うことができるため、プレイヤのプレイ意欲を維持することができる。
【0070】
S450において、プレイ進行制御部343は、ゲーム機401で大当たりが発生したか否かを判定する。プレイ進行制御部343は、送受信部344が受信するゲーム機401のプレイ進行の情報に基づいて、この判定を行う。
プレイ進行制御部343は、ゲーム機401で大当たりが発生したと判定した場合には(S450:YES)、S484に進み、一方、ゲーム機401で大当たりが発生していないと判定した場合には(S450:NO)、S500に進む。
S484において、プレイ進行制御部343は、ゲーム機401に対して、大量払い出しに関連する情報を送信する。ゲーム機401の送受信部444がこの情報を受信すると、S484〜S487において、払い出し制御部442は、S384〜S387と同様にして、メダルMを払い出す(図3、図4参照)。
S490,S491において、ゲーム機301の払い出し制御部342は、S390,S391と同様にして、貯留皿315を下側に駆動しメダル回収孔325(図9参照)の方向に傾斜させる。これにより、ゲーム機301は、貯留皿315のメダルMをメダル回収孔325に回収することができる。
【0071】
以上のS484〜S491の処理によって、ゲームシステム300は、前述したS384〜S391の処理とは反対に、ゲーム機401で大当たりが発生した場合には、ゲーム機401では、貯留皿315のメダルMを大量払い出して、一方、ゲーム機301では、貯留皿315のメダルMを回収することができる。また、ゲーム機301でのメダル回収についても、ゲーム機401と同様に、プレイヤから目立たないように行うことができる。
【0072】
S500において、プレイ進行制御部343は、メダル投入装置303A〜303D,403A〜403Dから、所定時間、出力がない場合にはプレイ終了したと判定し(S500:YES)、S510に進み、処理を終了する。一方、プレイ進行制御部343は、メダル投入装置303A〜303D,403A〜403Dから引き続き出力がある場合にはプレイ終了していないと判定し(S500:NO)、S320からの処理を繰り返す。
【0073】
以上説明したように、ゲームシステム300は、同じ店舗内で離れて設置されたゲーム機301,401を1つのゲーム機とみなしてプレイできる。これによって、ゲーム機301,401が4人用の小型の装置であっても、8人でのプレイをすることができる。また、各ゲーム機を小型にすることができるので、店舗内の各空きスペースに各ゲーム機を別々に配置することができるため、店舗内の空きスペースを有効に利用することができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0075】
(変形形態)
(1)第3実施形態において、2台のゲーム機は、同一店舗内に配置された例を示したが、これに限定されない。例えば、インターネット等の通信回線を介して、異なる店舗に設置してもよい。これにより、遠隔プレイが可能である。
【0076】
(2)第3実施形態において、2台のゲーム機を接続した例を示したが、これに限定されない。例えば、3台以上のゲーム機を接続した場合であっても、1台のゲーム機をホストコンピュータとして選択すれば、3台以上のゲーム機を利用したプレイが可能である。
このように、より多くのゲーム機を接続してメダル供給を同期させると、各ゲーム機の貯留皿へのメダル供給が多くなり、また、メダル払い出し間の時間を短縮することができるので、プレイ進行のスピードを早めることができる。これにより、プレイが単調になることがなく、プレイヤのプレイ意欲を維持することができる。
【0077】
(3)第3実施形態において、接続されたゲーム機のいずれかがホストコンピュータとなる例を示したが、これに限定されない。例えば、複数のゲーム機を統括して制御するサーバを別途設けてもよい。
【0078】
(4)第3実施形態において、各ゲーム機のプレイヤに対して、他のゲーム機の情報を報知する機能を設けていない例を示したが、これに限定されない。例えば、各メダルゲーム機でのメダル払い出しを、他のメダルゲーム機のプレイヤに報知する払い出し報知部を備えてもよい。この場合、ゲーム機にスピーカ(音声出力部)や、モニタ(表示部)を設けて、各ゲーム機の払い出し関する情報を、他のゲーム機が出力する等すればよい。これにより、各ゲーム機でメダル払い出しがあった場合に、他のメダルゲーム機のプレイヤを悔しがらせたりして競争心をかきたて、プレイ意欲を向上することができる。
【符号の説明】
【0079】
1,201,301,401…ゲーム機 : 3,303A〜303D,403A〜403D…メダル投入装置 : 4…プッシャ台 : 12A,12B…メダル供給路 : 13A,13B…メダル振分装置 : 15,315,415…貯留皿 : 16,316,416…鉛直方向駆動部 : 17…傾斜駆動部 : 20A、20B,220A,220B…払い出し装置 : 21a…大量払い出し口 : 22…回転駆動部 : 23,223…開閉接続部 : 25,325,425…メダル回収孔 : 30…記憶部 : 40,340,440…制御部 : 41,341,441…メダル振分制御部 : 42,342,442…払い出し制御部 : 43,343…プレイ進行制御部 : 226A,226B…振り子 : 300…ゲームシステム : 344,444…送受信部 : 360…通信回線 : F,F1〜F4,F300,F400…プレイ領域 : M…メダル : St1〜St4,St301〜St304,St401〜St404…ステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤがそれぞれプレイ可能な複数のプレイ領域と、
複数のメダルを前記複数のプレイヤから視認可能な状態で貯留する貯留部と、
前記貯留部の複数のメダルを、前記複数のプレイ領域のなかから選択した前記プレイ領域に振り分けて払い出す払い出し部と、
前記貯留部及び前記払い出し部の間を接続し前記貯留部の複数のメダルを前記払い出し部に搬送する接続位置と、前記貯留部及び前記払い出し部の間を切断する切断位置との間で駆動される接続部と、
メダル払い出し時に、前記接続部を制御して前記切断位置から前記接続位置へと駆動し、前記貯留部の複数のメダルを前記払い出し部に搬送し、前記各プレイ領域に振り分けて払い出す制御部と、
を備えるメダルゲーム機。
【請求項2】
請求項1に記載のメダルゲーム機において、
前記接続部は、前記払い出し部に設けられており、前記払い出し部から前記貯留部に向けて移動するように駆動されて、前記貯留部及び前記払い出し部の間を接続すること、
を特徴とするメダルゲーム機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のメダルゲーム機において、
前記払い出し部は、
前記メダルを払い出す払い出し口と、
前記払い出し口の向きを変更するように駆動する駆動部とを備え、
前記制御部は、メダル払い出し時に、前記駆動部を制御して、前記払い出し口が前記メダルを払い出す前記プレイ領域の方向を向くように駆動すること、
を特徴とするメダルゲーム機。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のメダルゲーム機において、
前記接続部は、前記払い出し部に設けられており、前記払い出し部から前記貯留部に向けて移動するように駆動されて、前記貯留部及び前記払い出し部の間を接続し、
前記貯留部は、前記接続部よりも鉛直方向上側の位置に配置されており、
前記貯留部を前記接続部の方向に傾斜して、貯留している複数のメダルを前記接続部へと流れ込むようにして移動する傾斜駆動部を備え、
前記制御部は、メダル払い出し時に、前記接続部を制御して前記切断位置から前記接続位置へと駆動し、前記傾斜駆動部を制御して前記貯留部を傾斜させて貯留している複数のメダルを前記接続部に移動すること、
を特徴とするメダルゲーム機。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のメダルゲーム機において、
前記接続部は、前記払い出し部に設けられており、前記払い出し部から前記貯留部に向けて移動するように駆動されて、前記貯留部及び前記払い出し部の間を接続し、
前記貯留部を鉛直方向に駆動する鉛直方向駆動部と、
前記貯留部を前記接続部の方向に傾斜して、貯留している複数のメダルを前記接続部へと流れ込むようにして移動する傾斜駆動部とを備え、
前記貯留部は、前記接続部が前記接続位置にある状態で鉛直方向に駆動すると、前記接続部に干渉する位置に配置され、かつ、前記接続部が前記切断位置にある状態で鉛直方向に駆動すると、前記接続部から退避した位置に配置され、
前記制御部は、メダル払い出し時に、前記接続部を切断位置に配置した状態で、前記鉛直方向駆動部を制御して前記貯留部を前記接続部よりも鉛直方向上側に配置し、前記接続部を制御して前記切断位置から前記接続位置へと駆動し、前記傾斜駆動部を制御して前記貯留部を傾斜させて貯留している複数のメダルを前記接続部に移動すること、
を特徴とするメダルゲーム機。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のメダルゲーム機において、
前記各プレイ領域に設けられ、各プレイヤがメダル投入機から投入したメダルを載置するプッシャ台を備え、
前記払い出し部は、メダル払い出し時に、前記貯留部の複数のメダルを前記各プレイ領域の各プッシャ台に振り分けて払い出すこと、
を特徴とするメダルゲーム機。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のメダルゲーム機において、
前記貯留部とは異なる流路によって、前記払い出し部にメダルを供給するメダル供給部を備え、
前記払い出し部は、前記メダル供給部によって供給され前記メダルを前記貯留部よりも少ない量のメダルを貯留し、そのメダルを払い出す払い出し口を備えること、
を特徴とするメダルゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−158311(P2010−158311A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1150(P2009−1150)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)