説明

メダル入賞装置及びメダルゲーム機

【課題】メダルを入賞させる形態が新しいメダル入賞装置及びメダルゲーム機を提供する。
【解決手段】入賞装置209A,209B,209Cは、メダルMが滑落する基材パネル5aと、メダルMが入賞する複数の入賞孔296a,296b,296cと、基材パネル5aのうち入賞孔296a,296b,296cにメダルMを導く範囲に配置され、基材パネル5aから突出するように設けられ、突出方向に移動可能に設けられた複数の突出部293a,293b,293cと、突出部293a,293b,293cを突出方向に駆動して、突出部293a,293b,293cの突出量を変更する突出部駆動部294a,294b,294cとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルを入賞させるメダル入賞装置及びメダルゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、メダルプッシャゲーム等のメダルゲーム機には、メダルを入賞させるチャッカーが設けられているものがあった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のゲーム機のチャッカーは、その形態がどのゲーム機でも同じような形態であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−210222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、メダルを入賞させる形態が新しいメダル入賞装置及びメダルゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
・第1の発明は、メダルが滑落する滑落面と、メダルが入賞する複数の入賞部と、前記滑落面のうち前記入賞部にメダルを導く範囲に配置され、前記滑落面から突出するように設けられ、突出方向に移動可能に設けられた複数の突出部と、前記複数の突出部を突出方向に駆動して、前記突出部の突出量を変更する駆動部と、を備えるメダル入賞装置である。
・第2の発明は、第1の発明のメダル入賞装置において、前記入賞部は、前記滑落面に設けられたメダル呼び込み部を備え、前記駆動部は、前記突出部の突出量を、前記滑落面を落下してきたメダルが、前記滑落面から浮き上らずに前記メダル呼び込み部に呼び込まれる状態と、前記滑落面から浮き上がり前記メダル呼び込み部を乗り越える状態との間で、変更すること、を特徴とするメダル入賞装置である。
【0007】
・第3の発明は、第2の発明のメダル入賞装置において、前記滑落面は、鉛直面であり、前記滑落面に向かい合うように配置され、前記メダル呼び込み部との間に隙間を有するように設けられた透明パネルを備え、前記滑落面から浮き上がったメダルは、前記メダル呼び込み部及び前記透明パネル間を通過して落下すること、を特徴とするメダル入賞装置である。
【0008】
・第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明のメダル入賞装置において、前記駆動部は、前記複数の突出部を独立して駆動すること、特徴とするメダル入賞装置である。
【0009】
・第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明のメダル入賞装置と、プレイ進行に応じて、前記駆動部を制御する制御部と、を備えるメダルゲーム機である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、傾斜部を転がってきたメダルを入賞孔に入賞させるので、メダルを入賞させる形態が新しいメダルゲームを提供することができる。また、入賞孔の手前側にはガード部が設けられているので、傾斜部を転がってきたメダル以外のメダルが、入賞孔に入賞してしまうことを防止することができる。
(2)本発明は、傾斜部が突出するように設けられ、ガード部との間に傾斜部を転がってきたメダルが入る間隙を有するように配置された滑落面を備えているので、滑落面を落下してきたメダルを、傾斜部に導き、さらに傾斜部を転がして入賞孔に導くことができる。
【0011】
(3)本発明は、異なる方向に傾斜する2つの傾斜部が滑落面に連設され、メダルを2つの傾斜部のうち一方を転がるように導き、2つの入賞孔が2つの傾斜部に対応して設けられているので、1つの傾斜面に対して、2つの入賞孔を設置することができる。
(4)本発明は、テーブル上に載置されたメダルを落下させるプッシャ台を備え、滑落面がテーブルに連設されており、テーブル上から落下したメダルを滑落するので、上記効果を奏するようにプッシャ台に入賞孔を設けることができる。
【0012】
(5)本発明は、ガード部の上部にひさし部を備えているので、傾斜部を転がってきたメダル以外のメダルが、前記ガード部と傾斜面との間の間隙に入ってしまうことを防止することができる。
(6)本発明は、突出部を駆動して滑落面からの突出量を変更できるので、メダルの入賞孔への入賞しやすさの度合いを調整することができる。
【0013】
(7)本発明は、複数の突出部が滑落面のうち入賞孔にメダルを導く範囲に配置され、突出量を変更できるので、メダルの複数の入賞孔への入賞しやすさの度合いを調整することができる。
(8)本発明は複数の突出部を独立して駆動するので、入賞孔毎に入賞のしやすさを調整することができる。
(9)本発明は、プレイ進行に応じて駆動部を制御するので、プレイ進行に応じて突出部を駆動して、メダルの入賞孔への入賞しやすさの度合いを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態のゲーム機の斜視図である。
【図2】第1実施形態の入賞装置の斜視図である。
【図3】第1実施形態の往復テーブル及び入賞装置の三面図である。
【図4】第1実施形態の入賞装置を拡大して示す斜視図である。
【図5】第1実施形態の突出部の構成を説明する断面図である。
【図6】第1実施形態のゲーム機のブロック図である。
【図7】第2実施形態のゲーム機201の斜視図である。
【図8】第2実施形態の入賞装置付近を拡大して示す斜視図である。
【図9】第2実施形態の入賞装置の構成を説明する縦断面図である。
【図10】第2実施形態のゲーム機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、メダルをさせる形態が新しいメダル入賞装置及びメダルゲーム機を提供するという課題を、入賞装置が、メダルが転がりながら移動する傾斜部と、傾斜部の傾斜方向下側に設けられ、傾斜部を転がってきたメダルが入賞する入賞孔と、入賞孔を覆うように設けられたカバー部と、メダルを滑落させて傾斜部へと導く滑落面とを備えることによって実現した。
【0016】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明のメダルゲーム機の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
図1に示すように、ゲーム機1は、メダルプッシャゲームを行うためのものであり、ゲームセンタ等の店舗に設置される。ゲーム機1は、左右方向Xの幅2m程度、奥行方向Yの長さ1.5m程度、鉛直方向Zの高さ2m程度の大型の装置であり、内部にプレイ領域Fが設けられている。
ゲーム機1は、プレイ領域Fと、ケース2と、ウィンドウ3と、メダル投入装置4と、ゲーム盤面5と、メダル放出口6と、プッシャ台8と、入賞装置9と、メダル貯留部10と、メダル送出装置11と、外部払い出し口12とを備えている。
【0017】
プレイ領域Fは、ウィンドウ3よりも内側の領域である。プレイ領域Fは、プレイヤが投入したメダルMにより実際にプレイが行われる領域であり、メダルMの玉突き現象によりメダルMを手前側Y1に移動するプッシャ台8が設置される。
【0018】
ケース2は、ゲーム機1の筐体である。
ウィンドウ3は、プレイ領域Fとゲーム機1の外部とを仕切るための部材であり、外部からプレイ領域Fが視認できるように、透明なアクリル等により形成される。
メダル投入装置4は、プレイヤがプレイ領域FにメダルMを投入するための装置であり、ゲーム機1の正面に設けられている。メダル投入装置4は、左右方向Xに回転可能であり、プレイヤは、メダル投入装置4を回転させて、メダル投入装置4に挿入したメダルMを、プレイ領域F内のどこに投入するかの狙い定めることができる。
【0019】
ゲーム盤面5は、メダル放出口6から放出されたメダルMをプッシャ台8へと落下させる盤面である。ゲーム盤面5は、基材パネル5aと、複数のピン5bと、透明パネル5cと、スロット5dとを備えている。
基材パネル5aは、透明パネル5cとの間に隙間を有するように配置され、メダル放出口6から放出されたメダルMを、この隙間を通してプッシャ台8へと落下させるための板状の部材である。
【0020】
複数のピン5bは、メダル放出口6から放出されたメダルMを、不規則な方向に変換させながら落下させるための軸体である。ピン5bは、基材パネル5aに打ち付けられている。
透明パネル5cは、メダルMがゲーム盤面5を落下しているときに、プッシャ台8側に飛び出さないようにするための部材である。透明パネル5cは、落下しているメダルMを視認できるように、アクリル等の透明な材料により形成される。
【0021】
スロット5dは、例えば、7セグメントの表示装置を左右に3つ連設した装置であり、制御部30(図6参照)によって制御され、3桁の数字の乱数表示を行う。後述するように、制御部30は、入賞孔96a,96b(図4(a)参照)にメダルMが入賞すると、入賞センサ97a,97b(図6参照)からの検出信号に応じてスロット5dを駆動して抽選を行う。
【0022】
メダル放出口6は、スロット5dの抽選結果に応じて大量のメダルMをゲーム盤面5に放出する開口孔である。メダル放出口6は、基材パネル5aの上側の範囲に設けられている。
【0023】
プッシャ台8は、プレイ領域Fに配置されており、複数のメダルMを載置し、メダルMを手前側Y1に押し出す装置である。プッシャ台8は、往復テーブル8aと、固定テーブル8bとを有している。
往復テーブル8aは、メダル放出口6から落下してきたメダルMや、メダル投入装置4から投入されたメダルM等を受け止め、載置するためのテーブルである。往復テーブル8aは、固定テーブル8bに対して奥行方向Yに往復移動するように、モータ等から構成された駆動装置(移動部)が設けられている。
往復テーブル8aに載置されたメダルMは、往復テーブル8aの往復移動にともない基材パネル5aに当接して玉突きのようにして、往復テーブル8aの移動方向である手前側Y1に徐々に移動し(図2参照)、往復テーブル8aから落下する。
【0024】
固定テーブル8bは、往復テーブル8aの下側に配置され、往復テーブル8aから落下したメダルMや、メダル投入装置4から投入されたメダルMを受け止めて、載置するためのテーブルである。固定テーブル8b上のメダルMは、往復テーブル8aの往復移動にともなって、固定テーブル8bの手前側Y1のメダル落下孔8cに落下すると、ゲーム機1内部のメダル貯留部10に導かれ、貯留される。
【0025】
入賞装置9は、往復テーブルの手前側Y1の部分に設けられている。入賞装置9の構成は、後述する。
メダル貯留部10は、メダル放出口6に放出するメダルM、外部払い出し口12に払い出すメダルMを貯留する部分である。メダル貯留部10は、ケース2内部に設けられている。メダル貯留部10とメダル放出口6との間は、レール10aにより接続されており、メダル貯留部10と外部払い出し口12との間は、レール10bにより接続されており、メダル貯留部10のメダルMは、レール11a,11bを介して、それぞれメダル放出口6、外部払い出し口12に送り出される。
【0026】
メダル送出装置11は、メダル貯留部10のメダルMをメダル放出口6に送り出すための装置である。
外部払い出し口12は、プレイヤが獲得したメダルMが払い出される払い出し口である。外部払い出し口12には、メダル落下孔8cに落下した枚数と同じ枚数のメダルMが、送出装置(図示せず)によってメダル貯留部10から払い出される。外部払い出し口12から払い出されたメダルMは、プレイヤがメダル投入装置4を用いて、プレイ領域Fに再び投入することができる。
【0027】
図2は、第1実施形態の入賞装置9の斜視図である。
図3は、第1実施形態の往復テーブル8a及び入賞装置9の三面図である。
図3(a)は、上面図であり、図3(b)は、正面図であり、図3(c)は、右側面図であり、図3(d)は、右側面図の一部(2点鎖線内)の拡大図である。
図4は、第1実施形態の入賞装置9を拡大して示す斜視図である。
図5は、第1実施形態の突出部93aの構成を説明する断面図である。
【0028】
入賞装置9は、往復テーブル8aの手前側Y1の部分に設けられ往復テーブル8aと一体で奥行方向Yに往復移動する。入賞装置9は、ひさし部91a,91bと、滑落面92と、突出部93a,93bと、突出部駆動部94a,94bと、傾斜部95a,95bと、入賞孔96a,96bと、カバー部98a,98b(覆い部)とを備えている。
なお、入賞装置9は、左右対称の構成であるので、主に左側X1の部分の構成について説明するが、右側X2の部分の構成も同様である。
【0029】
図4(a)に示すように、ひさし部91a,91bは、往復テーブル8aの手前側Y1の縁部の一部が、往復テーブル8a上のメダルMが移動される方向である手前側Y1に、カバー部98a,98bよりも上側に張り出すように延設されて形成されている。ひさし部91a,91bは、滑落面92が形成されている凹部8dの範囲には設けられていない。この凹部8dの範囲は、往復テーブル8aの縁部と滑落面92と上端部とが連接しているので、往復テーブル8aから落下したメダルMは、滑落面92へと導かれる。
【0030】
ひさし部91aは、傾斜部95aを転がってきたメダル以外のメダルが、つまり傾斜部95aを経由してこないメダルMが、カバー部98aと滑落面92との間の間隙90a(後述する)付近に到達しないようにすることができる。このため、ひさし部91aは、間隙90a付近において、メダルMがつかえてしまう等の不具合を防止することができる。
例えば、間隙90a付近に直接メダルMが到達してしまうと、図4(b)に示すように、カバー部98aの縁部98cにメダルMがつかえて移動できなくなったり、図4(c)に示すように、メダルMが間隙90aに直接飛び込もうとすると、滑落面92との間に隙間ができてしまい、間隙90aにつかえてしまう等の不具合が起きる可能性がある。ひさし部91aは、このような不具合を防止することができる。
【0031】
図4(a)に示すように、滑落面92は、往復テーブル8aの手前側Y1に配置された面であり、往復テーブル8aに連設されている。滑落面92は、下側に至る程手前側Y1に至るように傾斜し、往復テーブル8aから落下したメダルMが滑落し、滑落したメダルMを傾斜部95a,95bへと導ようになっている。
【0032】
図5に示すように、突出部93aは、滑落面92のうち傾斜部95aにメダルMを導く範囲に配置され、滑落面92から突出するように設けられている。
突出部93aは、滑落面92の開口孔92a(図4(a)参照)内を、滑落面92の法線方向A(突出方向)に移動可能に設けられている。突出部93aの上部コーナーには、面取り部93cが設けられている。突出部93aが上側に配置されている場合には、往復テーブル8aから落下したメダルMは、面取り部93cによって滑落面92から浮き上がるようにはじかれてしまう(矢印B参照)。このように、突出部93aは、メダルMが傾斜部95aに導かれないようにすることができる。突出部93aは、突出部駆動部94aにより突出量が変更され、メダルMの入賞孔96aへの入賞しやすさの度合いを調整することができる。
【0033】
突出部駆動部94aは、突出部93aを突出方向に駆動して、突出部93aの滑落面92からの突出量を変更する装置である。突出部駆動部94aは、伸張方向が突出方向になるように配置されたソレノイド等を備え、突出部93aを突出方向に駆動する。
突出部駆動部94bは、突出部93bを駆動する突出部駆動部94aと同様な装置である。
突出部駆動部94a,94bは、制御部30(後述する)によって独立駆動さる。これにより、ゲーム機1は、突出部93a,93bが異なる突出量になるように駆動できる。
【0034】
図4(a)に示すように、傾斜部95a,95bは、滑落面92の法線方向に突き出るように設けられている。傾斜部95a,95bは、その上面である傾斜面95c,95dが異なる方向に傾斜している。つまり、傾斜面95cは、左側X1に至る程下側に傾斜しており、一方、傾斜面95dは、右側X2に至る程下側に傾斜している。傾斜部95a,95bは、滑落面92上に左右方向Xに連設されている。滑落面92を滑落してきたメダルMは、傾斜部95a,95bの頭頂部95eにより、2つの傾斜部95a,95bのうち一方を転がるように導かれる。
傾斜部95aに導かれたメダルMは、その裏面が滑落面92に接しながら、重力の作用によって傾斜面95cを傾斜方向下側へと転がりながら移動する。
【0035】
図4(a)に示すように、入賞孔96aは、傾斜部95aの傾斜方向下側の範囲に、滑落面92に設けられた開口孔である。メダルMは、その裏面が滑落面92に接しながら傾斜部95aを転がる。このため、傾斜部95aを転がってきたメダルMは、重力の作用によって落下して確実に入賞するようになっている。
入賞孔96a,96bは、傾斜部95a,95bに対応して設けられている。
【0036】
入賞孔96a,96bの内側には、入賞センサ97a,97b(図6参照)が設けられている。入賞センサ97a,97bは、光学センサ等であり、入賞したメダルMを検知すると、検出信号を制御部30(図6参照)に出力する。
【0037】
カバー部98aは、傾斜部95aよりも手前側Y1に、滑落面92との間に間隙90aを有するように滑落面92に平行に設けられた板状の部材である(図3(d)参照)。カバー部98aは、傾斜部95aよりも手前側Y1に配置され、入賞孔96aの手前側Y1を覆うように配置されている。カバー部98aと滑落面92との間の間隙90aには、傾斜部95a,95bを転がってきたメダルが入るようになっている。
カバー部98aは、入賞孔96aを覆うように配置されているので、傾斜部95aを転がってきたメダルM以外のメダルM、例えば、メダル投入装置4から投入されたメダルMや、メダル放出口6から放出されたメダルMが、直接入賞してしまうことを防止することができる。
【0038】
カバー部98aは、透光性を有する部材及び透光性を有さない隠蔽性(遮光性)を有する材料のいずれによって形成してもよい。透光性を有する部材により形成された場合には、カバー部98aは、メダルMが傾斜部95aをコロコロと転がって入賞孔96aに入賞する態様を、プレイヤが視認することができるので、入賞する態様を面白く見せることができる。一方、隠蔽性を有する部材により形成された場合には、カバー部98aは、傾斜部95aを転がってメダルMが間隙90aに入ることにより、メダルMが入賞したとプレイヤに認識させることができるので、入賞する態様を簡単に見せることができる。
【0039】
次に、ゲーム機1のブロック図について説明する。
図6は、第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
ゲーム機1は、前述したハードウェアの他に、記憶部20と、制御部30とを備えている。
なお、本発明でコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部20、制御部30(後述する)等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
記憶部20は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部20には、ゲーム機1のメダルゲームを実行するゲームプログラム21が記憶されている。
【0040】
制御部30は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部30は、プレイ進行制御部31と、突出部制御部32とを備え、必要に応じてこれら各制御部の間で情報を伝達することができる。
制御部30は、記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
プレイ進行制御部31は、ゲームの進行を統括的に制御するための制御部である。
突出部制御部32は、突出部駆動部94a,94bを制御して、突出部93a,93bを駆動して、突出部93a,93bの突出量を制御する制御部である。
【0041】
次に、ゲーム機1の動作について説明する。
プレイ開始時には、突出部制御部32は、突出部駆動部94a,94bを制御して、往復テーブル8aから落下したメダルMのうち、例えば5枚中1枚が滑落面92から傾斜部95a,95bへと導かれる程度の突出量になるように、突出部93a,93bを駆動する。
図1に示すように、プレイヤによってメダル投入装置4からメダルMが順次、投入されると、図2に示すように、プレイ領域Fのプッシャ台8の往復テーブル8a、固定テーブル8bには、メダルMが載置されていく。
【0042】
往復テーブル8aに載置されたメダルMは、往復テーブル8aの往復移動にともない、手前側Y1に移動し、往復テーブル8aから落下する。図4(a)に示すように、往復テーブル8aのうち、凹部8dの部分から落下したメダルMは、滑落面92へと導かる。そして、突出部93a,93bによってはじかれなかったメダルMは、傾斜部95a,95bのいずれかに導かれ、入賞孔96a,96bのいずれかに入賞する。一方、突出部93a,93bによってはじかれたメダルMは、入賞することなく固定テーブル8bに落下する。
【0043】
入賞センサ97a,97bは、入賞したメダルMを検出すると出力信号を制御部30に出力する。プレイ進行制御部31は、入賞センサ97a,97bの出力に基づいて、スロット5dを駆動して抽選を行い、抽選結果が大当たりの場合(スロット5dが「777」の場合)には、メダル送出装置11を駆動してメダル放出口6からメダルMを大量(例えば50枚程度)払い出しする。これと同時に、突出部制御部32は、所定の時間(例えば30秒間程度)、突出部駆動部94a,94bを制御して、突出部93a,93bの滑落面92からの突出量を0にする。
これによって、所定の時間内は、メダルMが突出部93a,93bにはじかれることなく入賞しやすくなる。この所定期間中には、メダルMが入賞孔96a,96bに入賞する毎に、プレイ進行制御部31は、メダル送出装置11を駆動してメダル放出口6から10枚程度のメダルMを払い出す。このため、プレイヤにとってメダル獲得のチャンスとなる。
【0044】
一方、プレイ進行制御部31は、抽選結果が当たりの場合(7以外の三桁の数字が揃った場合、つまり「000」、「111」等の場合)には、大量払い出しはしないが、突出部制御部32は、突出部駆動部94a,94bのいずいかを制御して、所定の時間( 例えば30秒間程度)、突出部93a,93bのいずれかの滑落面92からの突出量を0にする。例えば、突出部制御部32は、スロット5dの抽選の結果、7以外の奇数の数字が揃った場合には、突出部駆動部94aを制御して突出部93aの突出量を0とし、偶数の数字が揃った場合には、突出部駆動部94bを制御して突出部93bの突出量を0とする。
これによって、所定の時間内は、メダルMが突出部93a,93bのいずれか一方にはじかれることなく入賞しすくなり、プレイヤにとってチャンスとなる。但し、突出部93a,93bのうちいずれか一方のみの突出量が0であるので、前述した大当たりの場合よりも、入賞する可能性は低い。
【0045】
大当たり又は当たりの後、所定時間経過すると、突出部制御部32は、突出部93a,93bを、再び、プレイ開始時の位置に配置する。
このように、ゲーム機1は、プレイ進行に応じて、突出部93a,93bを独立して駆動するので、入賞孔96a,96b毎に入賞のしやすさの度合いを調整することができる。また、プレイの内容を反映して、入賞のしやすさの度合いを調整することができる。
【0046】
以上説明したように、ゲーム機1は、滑落面92を滑落し、さらに傾斜部95a,95bを転がってきたメダルMを入賞孔へと導く新しい態様のメダルプッシャゲームを提供することができる。
【0047】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用したメダルゲーム機の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図7は、第2実施形態のゲーム機201の斜視図である。
図8は、第2実施形態の入賞装置209A,209B,209C付近を拡大して示す斜視図である。
図9は、第2実施形態の入賞装置209Aの構成を説明する縦断面図である。
図10は、第2実施形態のゲーム機201のブロック図である。
【0048】
図7に示すように、ゲーム機201は、メダル投入装置204と、入賞装置209A,209B,209Cと、メダル貯留部210とを備えている。
メダル投入装置204は、ケース2の手前側Y1の操作パネル2aに設けられている。メダル投入装置204にメダルMが投入されると、メダル投入装置204内部に設けられた光学センサ(図示せず)がこのメダルMを検出し、制御部230(図10参照)に検出信号を出力する。
【0049】
入賞装置209A,209B,209Cは、ゲーム盤面5の基材パネル5a(滑落面)に、左側X1から右側X2に向けて、この順番で配置されている。
図8、図9に示すように、入賞装置209Aは、突出部293aと、突出部駆動部294aと、入賞孔296aと、メダル呼び込み部299aとを備えている。
【0050】
突出部293aは、入賞孔296aの上側の範囲、つまり入賞孔296aにメダルMを導く範囲に配置される。突出部293a及び突出部駆動部294aは、第1実施形態の突出部93a及び突出部駆動部94aと同様な形態であり、突出部293aが基材パネル5aの表面の法線方向つまり奥行方向Yに、突出部駆動部294aによって駆動される。突出部293aの突出量が大きい場合には、ゲーム盤面5を落下してくるメダルMは、基材パネル5aから浮き上がるようにはじかれてしまう。突出部293aは、基材パネル5aの表面からの突出量が変更されることにより、メダルMの入賞孔296aへの入賞しやすさの度合いを調整することができる。
【0051】
入賞孔296aは、突出部293aの下側の範囲に、基材パネル5aに設けられた開口孔である。
図8、図9に示すように、突出部293a及び突出部駆動部294aは、第1実施形態の突出部93a及び突出部駆動部94aと同様な装置であり、突出部293aが基材パネル5aの表面の法線方向(突出方向)つまり奥行方向Yに、突出部駆動部294aによって駆動される。入賞孔296aの内側には、入賞センサ297a(図10参照)が設けられている。
メダル呼び込み部299aは、入賞孔296aの周りに設けられた上側が開口したコの字状の枠である。このため、ゲーム盤面5を落下してくるメダルMがメダル呼び込み部299aに当たると、メダル呼び込み部299aは、このメダルMを入賞孔296aに落下させて入賞させることができる。
図9に示すように、メダル呼び込み部299aは、透明パネル5cとの間に間隙を有するように設けられている。このため、基材パネル5aから浮き上がって落下したメダルMは、入賞センサ297aに当たると、この間隙から落下してしまい、入賞させることができない。
【0052】
入賞装置209B,209Cは、入賞装置209Aと同様な装置であり、入賞装置209Bは、突出部293bと、突出部駆動部294bと、入賞孔296bと、メダル呼び込み部299bと、入賞センサ297b(図10参照)とを備え、入賞装置209Cは、突出部293cと、突出部駆動部294cと、入賞孔296cと、メダル呼び込み部299cと、入賞センサ297c(図10参照)とを備えている。
図7に示すように、メダル貯留部210は、メダル落下孔8cから落下したメダルMの他に、メダル投入装置204に投入されたメダルMが貯留されるようになっている。
【0053】
次に、ゲーム機201の動作について説明する。
プレイ開始時には、突出部制御部232は、突出部駆動部294a,294b,294cを制御して、ゲーム盤面5から落下したメダルMのうち、例えば5枚中1枚が入賞孔296a,296b,296cに入賞するように、突出部293a,293b,293cを駆動する。
図7に示すように、プレイヤによってメダル投入装置204にメダルMが順次、投入される毎に、プレイ進行制御部231は、メダル送出装置211を駆動してメダル放出口6から1枚のメダルMを払い出す。
このメダルMは、ゲーム盤面5の基材パネル5aと透明パネル5cとの間を落下し、突出部293a,293b,293cによってはじかれなかったメダルMは、メダル呼び込み部299a,299b,299cに当たって、入賞孔296a,296b,296cのいずれかに入賞する。
【0054】
プレイ進行制御部231は、入賞センサ297a,297b,297cのいずれかの出力に基づいて、スロット5dを駆動して抽選を行い、抽選結果が大当たりの場合には、大量払い出しする。これと同時に、突出部制御部232は、所定の時間(例えば30秒間程度)、全ての突出部駆動部294a,294b,294cを制御して、全ての突出部293a,293b,293cの基材パネル5aからの突出量を0にする。これによって、プレイヤにとってメダル獲得のチャンスとなる。
【0055】
一方、プレイ進行制御部231は、抽選結果が当たりの場合には、大量払い出しはしないが、突出部制御部232は、メダルM入賞した入賞孔296a,296b,296cに対応した突出部駆動部294a,294b,294cを制御して、所定の時間、メダルM入賞した突出部293a,293b,293cの突出量を0にする。例えば、突出部制御部232は、メダルMが入賞孔296aに入賞した場合には、突出部293aの突出量を0にする。
これによって、所定の時間内は、メダルMが突出部293a,293b,293cのいずれかによってはじかれることなく入賞しすくなり、プレイヤにとってチャンスとなる。但し、前述した大当たりの場合よりも、入賞する可能性は低い。
【0056】
このように、ゲーム機201は、複数の突出部293a,293b,293cを独立して駆動するので、入賞孔296a,296b,296c毎に入賞のしやすさを調整することができる。また、ゲーム機201は、プレイ進行に応じて突出部293a,293b,293cを駆動して、メダルMの入賞しやすさの度合いを調整することができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0058】
(変形形態)
(1)第1実施形態において、入賞装置は、往復テーブルの手前側に設けた例を示したが、これに限定されない。例えば、入賞装置は、固定テーブルの手前側に設けてもよい。
【0059】
(2)本実施形態において、入賞孔が滑落面に設けられ、入賞孔に落下した場合にメダル入賞とする例を示したが、これに限定されない。例えば、滑落面とガード部との間の間隙にメダルが入った場合にメダル入賞としてもよい。この場合、この間隙にメダルが入ったことを検出する光学センサ等を設ければよい。これにより、制御部は、間隙にメダルが入った時点でメダル入賞を判定できるので、メダル入賞の検出を迅速に行うことができる。
【符号の説明】
【0060】
1,201…ゲーム機 : 4,204…メダル投入装置 : 5…ゲーム盤面 : 5a…基材パネル : 5c…透明パネル : 5d…スロット : 6…メダル放出口 : 8…プッシャ台 : 8a…往復テーブル : 8b…固定テーブル : 9,209A,209B,209C…入賞装置 : 10,210…メダル貯留部 : 30,230…制御部 : 31,231…プレイ進行制御部 : 32,232…突出部制御部 : 91a,91b…ひさし部 : 92…滑落面 : 93a,93b,293a,293b,293c…突出部 : 94a,94b,294a,294b,294c…突出部駆動部 : 95a,95b…傾斜部 : 96a,96b,296a,296b,296c…入賞孔 : 97a,97b,297a,297b,297c…入賞センサ : 98a,98b…カバー部 : 299a,299b,299c…メダル呼び込み部 : F…プレイ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メダルが滑落する滑落面と、
メダルが入賞する複数の入賞部と、
前記滑落面のうち前記入賞部にメダルを導く範囲に配置され、前記滑落面から突出するように設けられ、突出方向に移動可能に設けられた複数の突出部と、
前記複数の突出部を突出方向に駆動して、前記突出部の突出量を変更する駆動部と、
を備えるメダル入賞装置。
【請求項2】
請求項1に記載のメダル入賞装置において、
前記入賞部は、前記滑落面に設けられたメダル呼び込み部を備え、
前記駆動部は、前記突出部の突出量を、前記滑落面を落下してきたメダルが、前記滑落面から浮き上らずに前記メダル呼び込み部に呼び込まれる状態と、前記滑落面から浮き上がり前記メダル呼び込み部を乗り越える状態との間で、変更すること、
を特徴とするメダル入賞装置。
【請求項3】
請求項2に記載のメダル入賞装置において、
前記滑落面は、鉛直面であり、
前記滑落面に向かい合うように配置され、前記メダル呼び込み部との間に隙間を有するように設けられた透明パネルを備え、
前記滑落面から浮き上がったメダルは、前記メダル呼び込み部及び前記透明パネル間を通過して落下すること、
を特徴とするメダル入賞装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のメダル入賞装置において、
前記駆動部は、前記複数の突出部を独立して駆動すること、
を特徴とするメダル入賞装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のメダル入賞装置と、
プレイ進行に応じて、前記駆動部を制御する制御部と、
を備えるメダルゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−99633(P2013−99633A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−37972(P2013−37972)
【出願日】平成25年2月27日(2013.2.27)
【分割の表示】特願2009−1140(P2009−1140)の分割
【原出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)