説明

メダル遊戯装置

【課題】付加価値遊戯部材をメダルフィールドから抽選装置まで移動させるための構成を刷新する。
【解決手段】当該メダル遊戯装置1の筐体内に形成された遊戯スペース内に配置され、メダルMおよび該メダルMとは異なる形状の遊戯価値部材Bが載置されるメダルフィールド40と、該メダルフィールド40上のメダルMを介して遊技価値部材Bをメダルフィールド40の外側に向けて押すプッシャ50と、メダルフィールド40下流に配置された遊戯価値部材Bの回収口7と、メダルフィールド40から回収口7まで遊戯価値部材Bを案内する遊戯価値部材用ガイド6と、回収口7で遊戯価値部材Bが回収されることを条件とし、該条件の成立に応じて抽選を行う抽選装置9と、を備え、該抽選装置9による抽選の結果に応じた褒賞をプレイヤに付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメダル遊戯装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、プレイヤが当該装置の外部から当該装置内へメダルを投入して遊戯するメダル遊戯装置の構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
メダルを使う遊戯装置として、従来、プッシャを備えたメダル遊戯装置が知られている。このメダル遊戯装置は、当該装置へプレイヤ(遊戯者)がメダルを投入することにより、プッシャが往復動するフィールド(本明細書ではメダルフィールドという)にてプッシャに押圧されたメダルが当該メダルフィールドから落下し、落下したメダル(または落下したメダルに相当する枚数のメダル)がプレイヤに払い出されるように構成されている。
【0003】
また、メダルが所定領域を通過した場合や、メダル以外の付加価値遊戯部材(例えばボール)がメダルフィールドから落下した場合などに抽選処理を行い、所定役(例えば「当たり」役など)が当選した場合には抽選処理に基づく褒賞としてのメダルをメダルフィールド等に払い出すようにして遊戯の興趣性を高めている装置も知られている(特許文献1等参照)。このような付加価値遊戯部材を用いた抽選はプレイヤからよく見える位置で行われることが好適である。例えば特許文献1では、メダルおよび付加価値遊戯部材をメダルフィールドから落下させ、メダル落下溝で受け取った付加価値部材を、受け取り位置よりも高い位置にある抽選装置まで上昇させる構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3481211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のようなメダル遊戯装置においては、落下した付加価値遊戯部材を抽選位置まで上昇させるための複雑で高価な搬送装置が必要である。
【0006】
そこで、本発明は、付加価値遊戯部材をメダルフィールドから抽選装置まで搬送する構成を簡素化したメダル遊戯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はかかる知見に基づくものであり、プレイヤが当該装置の外部から当該装置内へメダルを投入して遊戯するメダル遊戯装置において、当該メダル遊戯装置の筐体内に形成された遊戯スペース内に配置され、メダルおよび該メダルとは異なる形状の遊戯価値部材が載置されるメダルフィールドと、該メダルフィールド上のメダルを介して遊戯価値部材をメダルフィールドの外側に向けて押すプッシャと、メダルフィールド下流に配置された遊戯価値部材の回収口と、メダルフィールドから回収口まで遊戯価値部材を案内する遊戯価値部材用ガイドと、回収口で遊戯価値部材が回収されることを条件とし、該条件の成立に応じて抽選を行う抽選装置と、を備え、該抽選装置による抽選の結果に応じた褒賞をプレイヤに付与する。
【0008】
本発明にかかるメダル遊戯装置においては、遊戯価値部材用ガイドを利用して、遊戯価値部材を、メダルフィールドの側方から回収口まで移動させる。この場合、揚送せずとも、遊戯価値部材は自重によってメダルフィールドの側方から回収口まで自動的に移動することが可能である。これによれば、従来のような搬送装置を用いずとも、遊戯価値部材を所定位置まで移動させて行う抽選などの遊戯を実施することが可能となるから、大掛かりな搬送機構はもちろんのこと、該機構を駆動するための駆動源や動力伝達機構なども不要となる。
【0009】
本発明にかかるメダル遊戯装置においては、遊戯価値部材用ガイドが、回収口に向かって広がる逆テーパ状の回収用スリットで構成されていることが好ましい。このような遊戯価値部材用ガイドによれば、遊戯価値部材が回収口までさらに移動しやすくなる。
【0010】
また、本発明にかかるメダル遊戯装置が、メダルフィールド上の遊戯価値部材を遊戯価値部材用ガイドの方向へ誘導する誘導部材を備えることも好ましい。仮に、遊戯価値部材用ガイドがメダルフィールドの全幅のうちの一部にのみ形成されている場合にも、遊戯価値部材を遊戯価値部材用ガイドまで案内することによって、より確実に当該遊戯価値部材を回収口に到達させることができる。したがって、この場合、メダルフィールドの全幅に遊戯価値部材用ガイドが形成されていなくても足りる。
【0011】
また、本発明にかかるメダル遊戯装置において、誘導部材は、遊戯価値部材を誘導する本体部と該本体部を回動可能に支持する支持部とからなり、本体部を上方に回動させることによってメダルフィールドの上面から当該本体部までの離間距離が変化することも好ましい。この誘導部材によれば、メダルフィールド上におけるメダルの載置状況に応じて離間距離を調節することができる。
【0012】
また、プッシャは、メダルフィールド内を奥行き方向に往復動しており、遊戯価値部材用ガイドは、メダルフィールドの手前両側に配置されており、プッシャにおけるメダルの押し出し面の一部がメダルフィールドの手前両側へ向けてメダルを押し出すように傾斜していることも好ましい。このプッシャによれば、メダルや遊戯価値部材を遊戯価値部材用ガイドに向けて押し出すことができる。
【0013】
また、本発明にかかるメダル遊戯装置において、傾斜盤面および該傾斜盤面の下部に配置された入賞口を有する抽選装置がメダルフィールドの下層に設けられるとともに、回収口と傾斜盤面とがスロープで接続されており、抽選装置は、スロープに沿って回収口から移動した遊戯価値部材を傾斜盤面上で転動させ、入賞口の種別に応じた褒賞をプレイヤに付与することも好ましい。このメダル遊戯装置においては、遊戯価値部材を抽選に直接用いることができる。しかも、このメダル遊戯装置において、当該遊戯価値部材を搬送するための搬送装置は不要である。
【0014】
また、上述したメダル遊戯装置において、メダルフィールドから押し出されたメダルの一部を通過させるメダルチャッカーが抽選装置の両側に配置されていることも好ましい。かかるメダル遊戯装置によれば、プレイヤは、メダルフィールドや抽選装置を見ながらメダルチャッカーも視野内におき、あるいはわずかな視点の移動でメダルチャッカーを目視することができる。
【0015】
さらに、上述したメダル遊戯装置において、メダルフィールドの手前端に、幅方向に伸縮可能であり、当該メダルフィールドの手前端中央部からメダルが落下するのを抑制する落下抑制部が形成されていることも好ましい。このような落下抑制部によれば、抽選装置の両側に配置されているメダルチャッカーの近傍へメダルがより多く落下するように調整することができる。
【0016】
さらに、上述したメダル遊戯装置において、落下抑制部は、メダルフィールドの手前端に沿って移動可能な摺動部をスライドさせることによって幅方向に伸縮可能であることが好ましい。この場合、摺動部を適宜スライドさせて落下抑制部を伸縮させることにより、メダルフィールドの側部からメダルが落下するように調整することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、付加価値遊戯部材をメダルフィールドから抽選装置まで搬送する構成を簡素化したメダル遊戯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲーム装置(メダル遊戯装置)の全体を示す斜視図である。
【図2】ゲーム装置の全体を示す平面図である。
【図3】ゲーム装置のメダルフィールド等を拡大して示す斜視図である。
【図4】傾斜盤面を外して抽選装置の構造例を示すゲーム装置の斜視図である。
【図5】図4に示したゲーム装置からさらにメダルフィールドの一部を構成する天板を外した状態を示す斜視図である。
【図6】ボール回収用スリット(遊戯価値部材用ガイド)、回収口、誘導バー(誘導部材)等を拡大して詳細に示す斜視図である。
【図7】メダルフィールドからボール回収用スリット(遊戯価値部材用ガイド)を通じて回収口へとボールが誘導される様子を示す側面図である。
【図8】ボール回収用スリット(遊戯価値部材用ガイド)等を拡大して詳細に示す平面図である。
【図9】エッジ部(落下抑制部)およびスライド片(摺動部)の構成例を示す側面図である。
【図10】エッジ部(落下抑制部)およびスライド片(摺動部)を拡大して詳細に示す斜視図である。
【図11】エッジ部(落下抑制部)およびスライド片(摺動部)を拡大して詳細に示す斜視図である。
【図12】本実施形態のゲーム装置に用いられるゲーム制御装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1〜図12に本発明にかかるメダル遊戯装置(以下、ゲーム装置ともいう)1の実施形態を示す。本実施形態のゲーム装置1は、メダルMを使った遊戯の興趣性を高めるための遊戯価値部材としてメダルMとは形状の異なるボールBを使うものである(図1等参照)。なお、図1等では、以下の説明で方向や平面を便宜的に規定する3次元(XYZ)座標系を設定しており、例えば、Z軸は鉛直方向、X軸はゲーム装置1の幅方向、Y軸はゲーム装置1の奥行き方向をそれぞれ表している。
【0021】
図1等に示すゲーム装置1は、図示しない筐体内に配置され、一人ないし複数のプレイヤが遊戯することができるメダル遊戯装置を構成する。なお、円形の筐体内に複数のゲーム装置1を周状に配置し、あるいは矩形の筐体の四隅に4機のゲーム装置1を配置する等し、異なるプレイヤ(プレイヤ組)が同時かつ独立に遊戯することができる複数の遊戯スペース(本明細書では、サテライトともいう)を提供することもできる。ゲーム装置1には、照明装置(電飾)や、スピーカ等の音声出力装置(図12の符号89参照)等からなる演出装置を適宜に設けることができ、これらの演出装置によって光や音声、音楽等による演出を実施することも可能である。
【0022】
特に図示はしていないが、筐体には、プレイヤが対面してゲーム操作に用いられるコンソールパネル、該コンソールパネルに付設されたボタン装置(図12中の符号23参照)、メダルMを貯留することができるメダルトレイ(図示省略)等が適宜設けられている。ボタン装置23は、プレイヤの操作に応じた信号をゲーム装置1(例えば図12により後述するゲーム制御装置2)に入力する操作入力部の一例である。さらに、筐体内には、ゲーム装置1の動作(ゲームの進行等)を制御するゲーム制御装置(CPUやメモリ等)2が設けられている。
【0023】
さらに、ゲーム装置1内には、メダルMが載置されるメダルフィールド40と、当該メダルフィールド40を例えばゲーム装置1の奥行き方向(Y軸方向)に往復動(スライド)可能なプレート状のプッシャ50とが設けられている。
【0024】
(プッシャ50)
プッシャ50は、メダルフィールド40内を奥行き方向(前後方向)に往復動してメダルMを押し出し、さらに該メダルMを介してボールBをメダルフィールド40の外側に向けて押すもので、メダルフィールド40に対する立壁面となる押し出し面51(図2等参照)を有している。プッシャ50は、手前側に移動した際、当該押し出し面51にてメダルフィールド40に置かれているメダルMを手前側へと押し出し、当該メダルフィールド40の手前側端部に位置するメダルMから順次落下させる。
【0025】
なお、プッシャ50の押し出し面51は、ゲーム装置1の奥行き方向(Y軸方向)に垂直な平面であってもよいが、例えば本実施形態では、当該押し出し面51の一部がメダルフィールド40の手前両側へ向けてメダルMを押し出すように傾斜している(図2等参照)。また、本実施形態における押し出し面51は、中央部が手前側に突出する先細り形状となっている。
【0026】
なお、本実施形態では平面視V字形である押し出し面51を示しているがこれは好適な一例にすぎない。他の例を示せば、押し出し面51の中央部に丸みが付されていてもよいし、押し出し面51の全体が緩やかに湾曲した形状とされていてもよい。いずれにせよ、本実施形態の押し出し面51は、当該押し出し面51の少なくとも一部がメダルフィールド40の手前両側へ向けて傾斜しており、メダルMを手前両側へ押し出して後述するボール回収用スリット6の方へ移動させるように形成されている。
【0027】
プッシャ50の押し出し面51にはボールセンタリング部材52が設けられている。後述するように、ボールセンタリング部材52は、遊戯価値部材の一例としてのボールBがメダルフィールド40(ただしプッシャ50の上面50aよりも低い部分)へと供給される際、当該ボールBをフィールド幅方向(X軸方向)中央に向けて寄せる。なお、ボールBは、ボール循環装置(ボール搬送装置)(図12中の符号101参照)により搬送された後、鉛直軸(Z方向軸)を中心に回動可能なボール供給台102からプッシャ50の上面へ供給される(図4等参照)。
【0028】
プッシャ50の上面50aには、メダルMが堆積可能である。メダル放出装置のメダル放出ガイド26(図1、図4、図5参照)によって放出されたメダルM、あるいはメダル払い出し装置(図示省略)によって払い出されたメダルMは、当該上面50aに落下するように案内される。プッシャ50が奥側へと移動すると、該プッシャ50の一部がメダルフィールド40の奥の壁部(図1等参照)49に退避した状態となり、上面50aの面積を低減させ、当該上面50aに載っているメダルMの一部を該プッシャ50上から落下させる。
【0029】
プッシャ50の往復動は、例えば、モーター(図12中の符号18参照)の回転運動を所定ストローク量の直線(往復)運動に変換するクランク機構等を用いて実現することができる。なお、ソレノイドなどのアクチュエータや駆動源、さらにはゲーム制御装置(CPUやメモリ等)を用いて、プッシャ50を例えば任意のタイミングで非周期的に動作させることもできる。また、プッシャ50はメダルMをメダルフィールド40から押し出せれば良いため、往復動でなくとも、例えば、カム面でメダルMを押すように回転するカム等、適宜の形態を用いてよい。
【0030】
ここで、メダルフィールド40に堆積しているメダル数が多くなると、プッシャ50の往復動に応じてプッシャ50の押し出し面51から干渉(押圧力)を受けるメダル数が確率的に増えることとなる。メダルMに押圧力が加わり、その押圧力が他のメダルMに伝播することで、メダルMを例えばメダルフィールド40に続く後述の傾斜仕切り板91に送り、該傾斜仕切り板91の手前(傾斜仕切り板91とコンソールパネルとの間)に設けられた溝状の隙間(落下溝)60へ落下させることができる。落下溝60に落下したメダル(または当該落下したメダル数と同数の払い出し用メダル)は、筐体に設けられたペイアウト装置(図12中の符号19参照)及びメダル払い出し口(図示省略)を通じてプレイヤに払い出すことができる。
【0031】
(メダル放出装置)
特に詳しい図示はしていないが、メダル放出装置は、メダル投入装置(図示省略)、メダル放出モーター(図示省略)、上述したメダル放出ガイド26等からなる。プレイヤがメダル投入装置に入れたメダルMは、順次メダル放出装置内に供給され、メダル放出モーターの動力が送り出され、メダル放出ガイド26に沿ってメダルフィールド40へと放出される。
【0032】
また、メダル放出ガイド26の向きを特定の方向に向けるガイド方向調整手段(図示省略)により、メダル放出装置から放出されるメダルMの射出方向を変化させ、プレイヤが狙った方向へメダルMを放出させることができる。プレイヤは、できるだけプッシャ50の押し出し面51近傍にメダルMが配置されるよう、メダルフィールド40へのメダル放出位置を調整するとよい。なお、メダル放出ガイド26の向きをメダル放出モーターなどの駆動手段により、一定間隔で変化させることもできる。
【0033】
なお、1つのメダルフィールド40につき複数のメダル放出装置を設けることで、複数プレイヤが同じメダルフィールド40に対してメダルMを放出してメダル遊戯を楽しむことができる。図面には特に示していないが、本実施形態のゲーム装置1においては1つのメダルフィールド40につき2台のメダル放出装置及び2台のメダル放出ガイド26が設けられている。また、メダルMをメダルフィールド40に投入する方法は上記の方法に限られず、例えば、手動で放出方向を変えられる樋状の部材を用いてメダルフィールド40の上方から落すなど、メダルMをプッシャ50の近傍に投入できるものであれば、適宜の形態を用いればよい。
【0034】
(ボールセンタリング部材52)
ボールセンタリング部材52は、ボール(遊戯価値部材の一例)Bがメダルフィールド40(ただし、プッシャ50の上面50aよりも低い部分)へ供給される際、当該ボールBをメダルフィールド40の幅方向(X軸方向)中央に向けて寄せる(センタリングする)部材である。本実施形態のボールセンタリング部材52は、中央へ向けて低くなるよう傾斜した左右一対のセンタリングレールで形成されている(図3等参照)。このようなボールセンタリング部材52によれば、メダルフィールド40(ただし、プッシャ50の上面50aよりも低い部分)においてボールBが端に寄りがちになるという現象を抑え、サテライト毎のボール配置の偏りを減少させることができる。
【0035】
メダルフィールド40に供給されたボールBは、複数のメダルM上に載置された状態となり(図4等参照)、単独で、あるいはメダルMとともに手前側へ押し出され、誘導バー3によって、両側のボール回収用スリット6のいずれかの方向へ誘導される。ボール回収用スリット6へ誘導されたボールBは、回収口7から回収され、スロープ8によって抽選装置9へと案内される。
【0036】
(誘導バー3)
誘導バー3は、ボールBを誘導する本体部と,該本体部を支持する支持部とからなり、メダルフィールド40のボールBをボール回収用スリット6の方向へ誘導する誘導部材として機能する(図4等参照)。例えば本実施形態の誘導バー3は、途中が曲折した形状の棒状部材31と、該棒状部材31に取り付けられた板状部材32と、棒状部材31を回動可能に支持する支持部材33とで構成されている。
【0037】
棒状部材31は、メダルフィールド40でのボールBの移動領域を規制してボール回収用スリット6の方へと誘導することができる形状に形成されている。例えば本実施形態の棒状部材31は、中央がプッシャ50側(Y軸方向奥側)へ向け突出した頂点となるように折り曲げられ、さらに両側のボール回収用スリット6の近傍で左右それぞれが折り曲げられた形状であり、メダルフィールド40上に略水平に支持されている。もちろん、その他の部分において適宜折り曲げられていてもよい。棒状部材31の両端は、それぞれ支持部材33によって支持されている(図3等参照)。
【0038】
板状部材32は、メダルフィールド40を移動するボールBに直接接触し、ボール回収用スリット6の方へと誘導する(図4等参照)。本実施形態では、左右一対の板状部材32を、頂点を中心として左右対称となるように棒状部材31の奥側(Y軸方向奥側)に固定用ピン34等によって取り付けられている(図6等参照)。板状部材32を透明部材によって構成することも好ましい。
【0039】
支持部材33は、棒状部材31の両端を回動可能に支持する左右一対の部材である。例えば本実施形態では、支持部材33の支持ピン35を中心として棒状部材31の両端を回動可能に支持し、さらに、板状部材32がある高さに保持されるよう、当該棒状部材31の両端を所定の締付力で締め付けている(図6参照)。支持部材33の設置態様は特に限定されないが、本実施形態の支持部材33は、ボール回収用スリット6を構成するガイドフレーム61に固定されている(図6等参照)。
【0040】
後述するように、本実施形態のゲーム装置1においてはボール回収用スリット6がメダルフィールド40の全幅のうちの一部のみ(両側のみ)に形成されているが、上述のごとき誘導バー3によれば、メダルフィールド40上のボールBをこれらボール回収用スリット6まで案内し、より確実に回収口7まで到達させることができる。
【0041】
また、上述のごとき誘導バー3においては、棒状部材31および板状部材32を上方に回動させることによって、メダルフィールド40の上面(ただしプッシャ50の上面50aよりも低い部分における上面のことで、下載置面40bともいう)から板状部材32までの離間距離を変化させることができる。したがって、メダルフィールド40上におけるメダルMの載置状況に応じて離間距離を自在に調節することが可能であり、例えば当該ゲーム装置1の設置店舗毎に店員などのユーザーがメダルMの載置状況に応じて離間距離を調節することが可能である(図6、図7、図10、図11参照)。この場合、支持部材33の適度な締付力で棒状部材31の両端を支持している本実施形態の誘導バー3によれば、ユーザーがある程度の力を加えれば棒状部材31および板状部材32を回動させることができ、特に治具を必要としない。
【0042】
(ボール回収用スリット6)
ボール回収用スリット6は、メダルフィールド40の手前から回収口7までボールBを案内するガイドとして機能する。例えば本実施形態のボール回収用スリット6は、ガイドフレーム61およびボールガイドプレート62によって形成されており、メダルフィールド40から落下したメダルMは通過させ、ボールBのみを回収口7まで案内する(図6、図8等参照)。
【0043】
ガイドフレーム61は、平面視略チャネル形状に形成された板状部材であり、ボールBに接するガイドエッジ61aを有している。ガイドフレーム61は、その上面がメダルフィールド40の手前側端部における下載置面40bと同じ高さとなる位置に配置されており、メダルMが載置されるメダルフィールド40の一部を形成している(図6等参照)。なお、本実施形態ではガイドフレーム61は下載置面40bと別体であるが、これに限られず、一体の部材であってもよい。
【0044】
ボールガイドプレート62は例えば台形の板状部材であり、一辺(例えば斜辺)を、ボールBに接するガイドエッジ62aとして機能させる(図6等参照)。このボールガイドプレート62は、ガイドエッジ62aとガイドフレーム61のガイドエッジ61aとが、回収口7に向かって広がる逆テーパ状のスリットを形成するように配置されている(図8参照)。なお、ボールガイドプレート62の設置態様は特に限定されることはない。例えば本実施形態のボールガイドプレート62は、ガイドフレーム61に対し、該フレーム部材61の上面よりも高くなる位置において固定されている(図6、図7等参照)。なお、本実施形態のボールガイドプレート62には、誘導バー3の支持部材33を貫通させる孔62bが形成されている。
【0045】
本実施形態のボール回収用スリット6によれば、メダルフィールド40から当該ボール回収用スリット6に移動したボールBを、メダルフィールド40とほぼ同じ高さで回収口7まで移動させて回収することができる(図7等参照)。しかも、このボール回収用スリット6は逆テーパ状に形成されており、ボールBを回収口7まで自重の作用のみで(重力以外の外力が存在しない状況下で)自動的に移動させることができる。
【0046】
(回収口7)
回収口7は、メダルフィールド40からボールBを回収して抽選装置9へと送り込むためのボール取り入れ口として形成されている。本実施形態のゲーム装置1において、回収口7は、メダルフィールド40の両側にそれぞれ1つずつが左右対称に形成されているが(図4等参照)、これに限らず、例えば単一の回収口7のみが形成されていてもよい。本実施形態の各回収口7には、スロープ8が接続されている。
【0047】
(スロープ8)
スロープ8は、上述の回収口7と、抽選装置9の傾斜盤面92とを接続する案内路であり、回収口7から回収されたボールBを傾斜盤面92の上部の一時保留装置95まで移動させる(図5等参照)。本実施形態のスロープ8は、左右の各回収口7に対応して左右対称に形成されている。例えば本実施形態のスロープ8は、Y軸方向の奥側に向けて下り傾斜する直線状の第1傾斜路81と、該第1傾斜路81にほぼ直角に接続されて一時保留装置95に向けて下り傾斜する第2傾斜路82とで、抽選装置9を迂回するように形成されている。第1傾斜路81、第2傾斜路82の例えば路壁には、移動するボールBの有無や個数を検出するためのボールセンサ83が設けられている(図5参照)。第1傾斜路81を転動したボールBは、傾斜路壁にぶつかり速度を落とした後、第2傾斜路82を転動して一時保留装置95に案内される。一時保留装置95に案内されたボールBは、抽選装置9における抽選ゲームに供される。
【0048】
本実施形態のスロープ8によれば、抽選装置9の一時保留装置95までボールBを自重の作用のみで(重力以外の外力が存在しない状況下で)移動させることができる。このため、ボールBを上昇させる搬送機構等は不要である。
【0049】
なお、各スロープ8は、一時保留装置95までボールBを自重の作用のみで(重力以外の外力が存在しない状況下で)移動させうるものであることが好ましく、その具体的な形態は特に限定されることはない。スロープ8は、例えば、全経路が傾斜路というわけではなく、経路の一部が平坦路となっている構造のものであっても構わない。ここでは特に詳しい説明はしないが、ばねの弾性力を利用する等して経路の途中にあるボールBを進行方向に付勢する簡素な機構を併用してボールBを一時保留装置95まで移動させるようにしてもよい。
【0050】
(抽選装置9)
抽選装置9は、メダルフィールド40と二層構造をなすように当該メダルフィールド40の下層に設けられており、傾斜盤面92上でボールBを転動させていずれの入賞口93に入賞するかという、スマートボールのごとき抽選ゲーム(一例として、ボーナスゲームの一環としての抽選ゲーム)を演出する。本実施形態の抽選装置9は、傾斜仕切り板91、傾斜盤面92、複数の入賞口93、ピン94、一時保留装置95、揺動バー96等を備える。
【0051】
傾斜仕切り板91は、メダルフィールド40から落下したメダルMを落下溝60まで滑落させる斜面を形成するとともに、当該傾斜仕切り板91の下方に配置されている抽選装置1の空間と、メダルMが滑落する空間とを仕切っている部材である(図1等参照)。本実施形態の傾斜仕切り板91は、例えばガラスやアクリル、ポリカーボネート等、十分な強度を有し、外部から抽選装置9を視認可能とする、可視光線を透過する透明材料からなる。
【0052】
傾斜盤面92は、メダルフィールド40から回収されたボールBを転動させる斜面を形成する(図4等参照)。本実施形態の場合、傾斜盤面92を転動したボールBは、該傾斜盤面92の下部に設けられている複数の入賞口93のいずれかに案内される。また、傾斜盤面92上に配置されている複数のピン94が、ボールBの転動を不規則とし、抽選結果の予測可能性を排除して抽選ゲームの興趣性を向上させる(図4等参照)。
【0053】
入賞口93は、傾斜盤面92の下部に設けられており、ボールBが入賞した当該入賞口93の種別に応じた褒賞(例えば、種別に応じた枚数のメダルMの払い出し)をプレイヤに与える。本実施形態では、傾斜盤面92を転動するボールBは複数ある入賞口93のいずれかに入賞するように構成されているが(図5等参照)、褒賞のない回収口(いわゆる外れ)を入賞口93に併設してもよい。
【0054】
一時保留装置95は、回収口7から回収されたボールBを傾斜盤面92に転動させる際に一時的に保留する装置である。例えば本実施形態では、Y軸を中心に回転可能な略樋形状の一時保留装置95を用い、ボールBの保留状態と放出状態とを切り換えるようにしている(図5参照)。樋形状の一時保留装置95の内側には円弧状のリブからなるストッパ95aが形成されており、この一時保留装置95を回転させる途中で、ストッパ95aによる保留状態が解除されてボールBが放出される。一時保留装置95は、ゲーム制御装置によって動きが自動制御されているものでもよいし、プレイヤの操作(一例として、コンソールパネルに付設されたボタン装置23の押圧動作)に応じて回転動作しボールBを1個ずつ放出するものでもよい。なお、上述した一時保留装置95は好適例にすぎず、保留状態と放出状態とを切換可能なものであれば一時保留装置95の具体的形態が特に限定されることはない。
【0055】
揺動バー96は、一時保留装置95から放出されたボールBを左右に振り分ける部材である。本実施形態の揺動バー96は、それぞれ鉛直軸を中心として平行を保ちながら揺動する一対のバーで構成されており、ボールBを無作為に振り分ける。
【0056】
本実施形態の抽選装置9は、回収口7でボールBが回収されることを条件とし、該条件の成立に応じ、該回収されたボールBを直接用いた抽選ゲームを演出ことができる。しかも、このゲーム装置1においては、メダルフィールド40から回収したボールBを抽選装置9まで揚送する複雑かつ大掛かりな搬送機構、該機構を駆動するための駆動源や動力伝達機構などは不要である。
【0057】
(メダルチャッカー等)
ゲーム装置1は、メダル通過を検出して何らかの処理を実行するための入賞口(本明細書ではこれをメダルチャッカーともいう)を備え、当該メダルチャッカーをメダルMが通過したことに連動して電子制御された懸賞ゲームを行い、一定の条件を満たした場合には多数のメダルMを一度に払い出す等する。例えば本実施形態のゲーム装置1においては、メダルフィールド40から押し出されて斜面を滑落するメダルMの一部を通過させる第1メダルチャッカー11および第2メダルチャッカー12が、上述の抽選装置9の両側に配置されている(図4、図5等参照)。
【0058】
第1メダルチャッカー11は、抽選装置9の両側に配置された例えば一対の円形孔からなる。第2メダルチャッカー12は、該第1メダルチャッカー11の下方(下流)に配置された例えば一対の矩形孔からなる。
【0059】
また、第1メダルチャッカー11と第2メダルチャッカー12の間には、斜面に垂直な軸を中心に回動する一対のバー(本明細書ではフリッパーという)13が設けられている。本実施形態のフリッパー13は、ゲーム制御装置によって動きが自動制御されており、その向きによって、第2メダルチャッカー12へのメダルMの入賞難度を変化させる。
【0060】
第1メダルチャッカー11は、円形孔下方に透過型光センサが設けられており、円形孔に落ちたメダルMの通過を検出することで入賞となる。一方、第2メダルチャッカー12は、矩形孔を塞ぐようにローラー14が設けられており、矩形孔に落ちるメダルMの勢いでローラー14が回転することで入賞となる。なお、第1メダルチャッカー11及び第2メダルチャッカー12のそれぞれに対する入賞に基づく処理は、同じであっても異なっていてもよい。
【0061】
メダルチャッカー11,12等が上述のように配置された本実施形態のゲーム装置1によれば、プレイヤは、メダルフィールド40や抽選装置9を見ながらメダルチャッカー11,12も視野内におき、あるいはわずかな視点の移動でメダルチャッカー11,12を目視することができる。したがって、メダル放出装置によってメダルフィールド40にメダルMを放出しながら、あるいは抽選装置9における抽選ゲームを目視しながら、メダルチャッカー11,12にメダルMが入賞する様子を容易に確認することができる。
【0062】
(エッジ部47等)
本実施形態のゲーム装置1において、メダルフィールド40の手前端には、当該メダルフィールド40の中央部からメダルMが落下するのを抑制するエッジ部47が設けられていることも好ましい。このようなエッジ部47によれば、抽選装置9の両側に配置されているチャッカー11,12の近傍へメダルMがより多く落下するように調整することができる(図3、図4等参照)。本実施形態のエッジ部47は、メダルフィールド40の手前端のうち、上述したボール回収用スリット6の範囲外(ボール回収用スリット6と重なり合わない範囲)に形成されている。
【0063】
さらに、エッジ部47は、メダルフィールド40の手前端に沿って幅方向(X軸方向)に移動可能なスライド片48を備え、このスライド片48をスライドさせることにより、メダル落下抑制部として機能する部分の幅が変更可能となっている(図9、図10、図11参照)。例えば店員などのユーザーは、メダルMの載置状況等に応じてスライド片48を適宜スライドさせて落下抑制部を伸縮させることにより、メダルフィールド40からメダルが落下しやすい位置を調整することができる。
【0064】
(ゲーム制御装置2)
次に、図12を参照して、ゲーム制御装置2の構成例について説明する。ゲーム制御装置2は、例示的に、CPU(制御部)221と、記憶部222と、ブートROM223と、ペリフェラルインタフェース224と、バスアービタ225と、GPU(グラフィックプロセッサ)226と、グラフィックメモリ227と、オーディオプロセッサ228と、オーディオメモリ229と、通信インタフェース(I/F)230とを備える。
【0065】
CPU221は、CISC(Complex Instruction Set Computer、複合命令セットコンピュータ)方式やRISC(Reduced Instruction Set Computer、縮小命令セットコンピュータ)方式のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等である演算・制御能力を備えた制御手段の一例である。CPU221は、後述する記憶部222やグラフィックプロセッサ226、オーディオプロセッサ228等の機能を備えることも可能である。
【0066】
記憶部222には、例示的に、RAM(Random Access Memory)等の主記憶用に使われる高速な記憶手段と、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)、磁気テープ装置、光ディスク装置等の補助記憶手段とが含まれる。
【0067】
記憶部222には、例えば、プログラムとデータとが記憶される。また、記憶部222には、ゲーム装置1をコンピュータとして機能させるOS(Operating System、図示せず)が記憶されており、プログラム等は、OSの各種API(Application Programming Interface)により、ゲーム装置1の各機能にアクセス可能である。
【0068】
プログラムは、ゲーム装置1としての各種機能を実現するゲームプログラムである。プログラムは、サーバからダウンロードしてアップデートしたり、ゲーム開始時にダウンロードしたりすることも可能である。
【0069】
データは、当該ゲームプログラム用の各種データであり、例えば表示装置82に表示する画面を成す画像データや、スピーカ(音声出力装置)89等に出力する音楽データ等の、ゲーム実行に用いられるデータが含まれる。
【0070】
CPU221が、ゲームプログラムや各種データを記憶部222から読み込んで実行することによりゲーム装置1をコンピュータの一例として機能させて上記各種機能を実現することができる。
【0071】
ブートROM223は、ROM(Read Only Memory)やNOR型フラッシュメモリやSRAM等の不揮発性記憶媒体である。ブートROM223は、ゲーム装置1の起動に用いられるプログラムやデータを記憶する。CPU221は、ブートROM223のプログラムやデータを読み出して、CPU221のマイクロコードの設定を行なったり、各部の初期化を行なったり、記憶部222からOS等を起動し、プログラムが実行されるような指示を行なったりする。ブートROM223には、通信I/F230のIPアドレス等を設定したり、各部の動作テストをしたり、メダルの枚数等をカウントしたりするプログラムやデータを記憶しておくこともできる。
【0072】
ペリフェラルI/F224は、各種周辺機器(ペリフェラル)を接続する、USB、IEEE1394、シリアル、パラレル、赤外線、無線等のインタフェースを提供する。ペリフェラルI/F224に接続可能な周辺機器の非限定的な一例は、メダル投入装置、ボタン装置23、表示装置82、メダルホッパー(メダル搬送装置)84、ボール循環装置(ボール搬送装置)101、プッシャ50、及びボールセンサ83等の各種センサ(図12参照)等が挙げられる。
【0073】
各種センサによって検出された情報は、バスアービタ225を介してCPU221に与えられる。CPU221は、与えられた情報を基に、落下溝60に落下したメダルMの枚数、およびメダル投入の有無等を識別することができる。
【0074】
なお、ペリフェラレルI/F224には、スティック型コントローラー、振動装置等のフォースフィードバック装置、タッチパッド、タッチパネル、キーボード、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を接続することもできる。また、ペリフェラルI/F224は、電子スイッチ(図12中の符号17参照)等を制御することもでき、各種周辺機器の電源をオン/オフ制御して消費電力を抑えたりすることもできる。
【0075】
バスアービタ225は、いわゆる「チップセット」等の、各部を接続するバスI/Fを提供する集積回路である。バスアービタ225で接続される各部のバスのスピードは異なっていてもよく、上り/下りで非対称であってもよい。
【0076】
GPU226は、例えば3次元コンピュータグラフィック(CG)を描画する機能をもつグラフィックプロセッサ(画像生成部)である。グラフィックプロセッサは、例示的に、ポリゴンデータのジオメトリ(座標)計算を行なうジオメトリプロセッサ261と、ジオメトリ計算が行なわれたポリゴンをラスタライズ/レンダリング(描画)するレンダリングプロセッサ262とを含む。GPU226は、描画された画像を表示装置82等に出力するため、例えば、RAMDAC(RAM D/Aコンバータ)やHDMIインタフェース等を備えている。なお、ジオメトリプロセッサ261による処理の一部又は全部は、CPU221にて処理してもよい。
【0077】
グラフィックメモリ227は、GPU(グラフィックプロセッサ)226の描画速度に応じた速度で読み書き可能な記憶媒体である。グラフィックメモリ227の一例としては、GDDR(Graphics Double Data Rate(グラフィックス・ダブル・データレート))等が挙げられる。なお、グラフィックメモリ227は、システムLSIのようにグラフィックプロセッサに内蔵されてもよい。また、グラフィックメモリ227は、GPU(グラフィックプロセッサ)226の描画中に、表示装置82等への表示を可能にするデュアルポート構成にしてもよい。
【0078】
オーディオプロセッサ228は、例示的に、音楽や音声、効果音等を出力するPCM(Wave)音源等を備えたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等である。オーディオプロセッサ228は、物理演算音源、FM音源等の計算を行ない、残響や反射等の各種音声効果を計算することもできる。オーディオプロセッサ228の出力は、D/A(デジタル・アナログ)変換され、デジタルアンプ等に接続されて、スピーカ89等で音楽や音声や効果音として再生される。オーディオプロセッサ228は、マイクから入力された音声の音声認識等にも対応することができる。
【0079】
オーディオメモリ229は、音楽や音声、効果音等のデジタルデータを記憶する記憶媒体である。オーディオプロセッサ228とオーディオメモリ229とは、一体化してもよい。
【0080】
通信I/F230は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(ワイド・エリア・ネットワーク)等のネットワークへの接続を可能にする。通信I/F230には、例えば、WiMax(登録商標)、c.Link(登録商標)、HDMI(登録商標)、有線/無線LAN、電話線、携帯電話網、PHS網、電灯線ネットワーク、IEEE1394等の接続方式に準拠したものを適用できる。
【0081】
通信I/F230を介して、ゲーム装置1は、他のゲーム装置1やサーバと通信することができる。これにより、例えば、通信可能に接続されている他のゲーム装置1のプレイヤとの対戦ゲーム(対戦などの競争を行なうゲーム)又は共同ゲーム(協力して課題を解決するゲーム)をすることができる。また、複数のゲーム装置1が通信可能に接続されることで、サーバを介して、獲得メダル数等のゲームスコアの集計や、他の遊戯施設に配置されたゲーム装置1との間で対戦ゲームを行ったり、ランキングを集計したりすることが可能である。
【0082】
表示装置82は、液晶ディスプレイ、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の表示手段(表示部)である。表示装置82には、ゲーム内容の説明や、ゲームの進行状況、個々のサテライトにおける配当等を表示できるほか、保守運用時の設定画面を表示することもできる。
【0083】
なお、ゲーム制御装置2は、一定時間(例えば、1〜数分等)内にいずれかのメダル投入装置(図示省略)からのメダル投入が検出されないと、対応するサテライトが非プレイ状態であると認識して、当該サテライトのゲーム装置1を待機状態(消費電力の抑制等)に制御することができる。
【0084】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、複数のプレイヤが当該装置の外部から当該装置内のメダルフィールドへメダルを投入して遊戯する装置であって、遊戯価値部材を利用した抽選装置を備えるメダル遊戯装置に適用して好適である。
【符号の説明】
【0086】
1…ゲーム装置(メダル遊戯装置)、2…ゲーム制御装置、3…誘導バー(誘導部材)、6…ボール回収用スリット(遊戯価値部材用ガイド)、7…回収口、8…スロープ、9…抽選装置、11…第1メダルチャッカー(メダルチャッカー)、12…第2メダルチャッカー(メダルチャッカー)、13…フリッパー、14…ローラー、17…電子スイッチ、18…モーター、19…ペイアウト装置、23…ボタン装置、26…(メダル放出装置の)メダル放出ガイド、31…棒状部材(本体部)、32…板状部材(本体部)、33…支持部材(支持部)、34…固定用ピン、35…支持ピン、40…メダルフィールド、40b…下載置面、47…エッジ部(落下抑制部)、48…スライド片(摺動部)、49…壁部、50…プッシャ、50a…上面、51…押し出し面、52…ボールセンタリング部材、60…落下溝、61…ガイドフレーム、61a…ガイドエッジ、62…ボールガイドプレート、62a…ガイドエッジ、62b…孔、81…第1傾斜路、82…第2傾斜路、83…ボールセンサ、84…メダルホッパー(メダル搬送装置)、89…スピーカ(音声出力装置)、91…傾斜仕切り板、92…傾斜盤面、93…入賞口、94…ピン、95…一時保留装置、95a…ストッパ、96…揺動バー、101…ボール循環装置(ボール搬送装置)、102…ボール供給台、221…CPU(制御部)、222…記憶部、223…ブートROM、224…ペリフェラルインタフェース、225…バスアービタ、226…GPU(グラフィックプロセッサ)、227…グラフィックメモリ、228…オーディオプロセッサ、229…オーディオメモリ、230…通信インタフェース(I/F)、B…ボール(遊戯価値部材)、M…メダル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが当該装置の外部から当該装置内へメダルを投入して遊戯するメダル遊戯装置において、
当該メダル遊戯装置の筐体内に形成された遊戯スペース内に配置され、前記メダルおよび該メダルとは異なる形状の遊戯価値部材が載置されるメダルフィールドと、
該メダルフィールド上の前記メダルを介して前記遊戯価値部材を前記メダルフィールドの外側に向けて押すプッシャと、
前記メダルフィールド下流に配置された前記遊戯価値部材の回収口と、
前記メダルフィールドから前記回収口まで前記遊戯価値部材を案内する遊戯価値部材用ガイドと、
前記回収口で前記遊戯価値部材が回収されることを条件とし、該条件の成立に応じて抽選を行う抽選装置と、
を備え、該抽選装置による抽選の結果に応じた褒賞をプレイヤに付与する、メダル遊戯装置。
【請求項2】
前記遊戯価値部材用ガイドが、前記回収口に向かって広がる逆テーパ状の回収用スリットで構成されている、請求項1に記載のメダル遊戯装置。
【請求項3】
前記メダルフィールド上の前記遊戯価値部材を前記遊戯価値部材用ガイドの方向へ誘導する誘導部材を備える、請求項1または2に記載のメダル遊戯装置。
【請求項4】
前記誘導部材は、前記遊戯価値部材を誘導する本体部と該本体部を回動可能に支持する支持部とからなり、前記本体部を上方に回動させることによって前記メダルフィールドの上面から当該本体部までの離間距離が変化する、請求項3に記載のメダル遊戯装置。
【請求項5】
前記プッシャは、前記メダルフィールド内を奥行き方向に往復動しており、前記遊戯価値部材用ガイドは、前記メダルフィールドの手前両側に配置されており、前記プッシャにおける前記メダルの押し出し面の一部が前記メダルフィールドの手前両側へ向けて前記メダルを押し出すように傾斜している、請求項1から4のいずれか一項に記載のメダル遊戯装置。
【請求項6】
傾斜盤面および該傾斜盤面の下部に配置された入賞口を有する前記抽選装置が前記メダルフィールドの下層に設けられるとともに、前記回収口と前記傾斜盤面とがスロープで接続されており、前記抽選装置は、前記スロープに沿って前記回収口から移動した前記遊戯価値部材を前記傾斜盤面上で転動させ、前記入賞口の種別に応じた褒賞をプレイヤに付与する、請求項1から5のいずれか一項に記載のメダル遊戯装置。
【請求項7】
前記メダルフィールドから押し出された前記メダルの一部を通過させるメダルチャッカーが前記抽選装置の両側に配置されている、請求項6に記載のメダル遊戯装置。
【請求項8】
前記メダルフィールドの手前端に、幅方向に伸縮可能であり、当該メダルフィールドの手前端中央部から前記メダルが落下するのを抑制する落下抑制部が形成されている、請求項7に記載のメダル遊戯装置。
【請求項9】
前記落下抑制部は、前記メダルフィールドの手前端に沿って移動可能な摺動部をスライドさせることによって幅方向に伸縮可能である、請求項8に記載のメダル遊戯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−45041(P2012−45041A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187135(P2010−187135)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)