説明

メダル遊技機

【課題】興趣に富んだ遊技を楽しむことができるメダル遊技機を提供する。
【解決手段】メダル投入側からのメダル投入によってメダルを蓄積可能な遊技面3Aを有する遊技台3と、前記遊技台3上に配設され、メダル通過口52A,53Aを有するメダル通過規制部材52,53とを備えたメダル遊技機1であって、前記メダル通過規制部材52,53は、前記遊技面3A内で回転可能な回転体からなる。これにより、メダル通過口52A,53Aの各開口方向とメダルMの投入方向とが交差する。このため、メダル通過口52A,53AにメダルMを投入するために高度の技量が必要となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば遊技者によってメダル通過口に投入されたメダルを検出し、この検出結果に基づいて遊技面上に供給したメダルの一部を遊技者に払い戻すメダル遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メダルを用いる遊技機として、メダル落としゲーム機あるいはプッシャーゲーム機と呼ばれるメダル遊技機が知られている。これは、遊技面上をメダル押出装置が前後方向に(遊技者側と反遊技者側との間を)往復移動するように構成されている遊技機である。
【0003】
このようなメダル遊技機においては、遊技者が遊技面上にメダルを投入(投降)すると、この投降されたメダルが遊技面上に蓄積される。そして、メダル押出装置が往復移動する間に遊技面上のメダルがメダル投入側に押し出されて遊技面上から落下し、払い戻しシュートを経て遊技者に払い戻される。
【0004】
しかし、この種のメダル遊技機は、メダル押出装置の動作が前後方向の動作のみであるため、動作パターンが規則的になる。この結果、動作パターンが遊技者に読まれやすく、遊技性を欠くこととなっていた。
【0005】
そこで、遊技性を高めるために、遊技面上に投入されるメダルが通過するメダル通過口を有する押出板と、メダル通過の障害となる回動板からなる複数の羽根板とを備えたメダル遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
このようなメダル遊技機の遊技は、遊技者が押出板の前後動作と羽根板の回動動作のタイミングを見計らい、メダル通過口を通過するようにメダルを遊技面上に投入することにより行われる。ここで、投入したメダルが互いに隣り合う2つの羽根板間を通過すると、遊技者に有利な状態が発生することとなる。例えば、遊技面の上方にメダル供給装置を配設し、メダル通過口におけるメダルの通過に伴ってメダル供給装置から遊技面上に所定枚数のメダルが供給されるようにすることができる。この場合、押出板によって通常より多くのメダルが押し出されることとなるため、これら多くのメダルが遊技面から落下して遊技者に払い戻される。
【特許文献1】特許第3143444号公報([0031]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1のメダル遊技機によると、遊技者が押出板の移動動作と羽根板の回動動作とのタイミングを計りつつメダルを遊技面上に投入しなければならないため、より多くのメダルを獲得する(メダルが払い戻される)ためにはある程度の技量を必要とし、遊戯性を高めることができるが、しかし押出板のメダル通過口が遊技面に対して垂直な面内に配置されているため、メダル通過口の開口方向がメダルの投入方向に一致することとなり、このためメダル通過口にメダルを投入するために高度の技量を必要とせず、興趣に富んだ遊技を楽しむことができないという問題がある。
【0008】
そのため、興趣に富んだ遊技が楽しめるように、メダル通過口にメダルを投入するために高度の技量を必要とするメダル遊技機の出現が従来から要望されていた。
【0009】
従って、本発明の目的は、メダル通過規制部材が遊技面内で回転可能な回転体からなるというきわめて簡単かつ斬新な構成により、メダル通過口にメダルを投入するために高度の技量を必要とし、もって興趣に富んだ遊技を楽しむことができるメダル遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記した目的を達成するため、メダル投入側からのメダル投入によってメダルを蓄積可能な遊技面を有する遊技台と、前記遊技台上に配設され、メダル通過口を有するメダル通過規制部材とを備えたメダル遊技機であって、前記メダル通過規制部材は、前記遊技面内で回転可能な回転体からなることを特徴とするメダル遊技機を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、メダル通過規制部材のメダル通過口にメダルを投入するために高度の技量が必要になり、興趣に富んだ遊技を楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。
〔メダル遊技機の全体構成〕
図1は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機を示す全体図である。図2は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機を示す正面図である。図3は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機を示す部分側面図である。図1〜3において、符号1で示すメダル遊技機は、本体2及びゲーム実施機構3,3,…によって大略構成されている。
【0013】
(本体2の構成)
本体2は、図1に示すように、基台部2A及び本体部2Bを有している。基台部2Aと本体部2Bとの間には、金属製のメダルMを蓄積可能な遊技面3Aを有する遊技台3が配設されている。遊技台3には、周方向に並列する6つのフィールド部3a,3a,…が設けられている。各フィールド部3a,3a,…上には、前後方向(メダル投入側面及び反メダル投入側面)に開口する第1貫通窓100Aと、この貫通窓100Aの両側方に位置する2つの第2貫通窓(図示せず)と、これら各第2貫通窓の上方で遊技面3A上にメダルMを供給するためのメダル供給口100B,100Cとを有し、メダル投入側と反メダル投入側とを画成するような仕切部材100が立設されている。フィールド部3a,3a,…の前端部には、メダルMを払い戻すためのメダル払戻孔3B(図8に示す)がそれぞれ設けられている。フィールド部3a,3a,…の両側部には、メダルMを回収するためのメダル回収孔3C,3D(図8に示す)がそれぞれ設けられている。
【0014】
基台部2Aは、略円環状の基部材4と、基部材4に対向する底面板5と、この底面板5と基部材4との間に周方向に所定の間隔をもって並列する6本の脚部材6,6,…と、これら脚部材6,6,…のうち互いに隣り合う2つの脚部材6,6間に嵌め込まれた蓋部材7,7,…とを有し、全体が例えば鋼板等の金属材料からなる略六角形箱によって形成されている。そして、メダル遊技機1の座部材として機能し、本体部2B及びゲーム実施機構3,3,…を保持するように構成されている。基台部2Aには、メダル払戻孔3Bに連通し、遊技者にメダルMを払い戻すためのメダル払戻口(受皿)8が外部に露呈して配設されている。基台部2Aの上方端面縁部には、周方向に所定の間隔をもって並列する6本の支柱9,9,…が立設されている。基台部2A内には、メダル回収孔3C,3Dに回収シュート101を介してメダル(図示せず)を回収するメダル回収箱102が配設されている。
【0015】
一方、本体部2Bは、6本の支柱9,9,…のうち互いに隣り合う2つの支柱9,9間にそれぞれ嵌め込まれたアクリル製の透明板10,10,…と、これら透明板10,10,…の上方端部に配設された貫通孔11A付きの金属製の天井板11とを有し、全体が略六角形箱によって形成されている。本体部2B内には、フィールド部3a,3a,…に対応し、周方向にアクリル製の透明板(図示せず)によって6分割されたフィールド空間2b,2b,…が形成されている。本体部2Bには、各フィールド空間2b,2b,…(遊技面3A)にメダルMを投入可能なメダルシュート12A,12A,…を有する6対のメダル投入装置12,12,…が配設されている。各対のメダル投入装置12,12,…のメダルシュート12A,12A,…は、水平面及び鉛直面内において所定の角度範囲内で回動し得るように構成されている。
【0016】
(ゲーム実施機構3,3,…の構成)
図4は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のメダル供給装置を説明するために示す正面図である。図5は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のメダル供給装置を説明するために示す平面図である。図6は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のメダル供給装置の固定箱開閉機構を説明するために示す斜視図である。図7は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機の回転反射体の回転駆動機構を説明するために示す斜視図である。図8は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のゲーム実行部を説明するために示す平面図である。図9は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のメダル通過規制部材の回転駆動機構を説明するために示す平面図である。図10は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のメダル通過規制部材の回転駆動機構を説明するために示す断面図である。図11は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のホルダ駆動機構を説明するために示す平面図である。図12は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機の制御回路を説明するために示すブロック図である。図13(a)から(c)は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のメダル投入装置を示す説明図である。
【0017】
ゲーム実施機構3,3,…は各フィールド空間2b,2b,…にそれぞれ配置されている。ゲーム実施機構3,3,…は、図1及び図2に示すように、各フィールド空間2b,2b,…の遊技面3AにメダルMを供給するためのメダル供給部20と、メダルゲームを実行するためのゲーム実行部(ステーション)50,50,…と、各フィールド空間2b,2b,…のメダルMを回収するためのメダル回収部80,80,…と、メダル供給部20・ゲーム実行部50,50,…及びメダル回収部80,80,…を駆動制御するコントロール部90,90,…(図12に示す)とから構成されている。なお、ゲーム実行部50,50,…とメダル回収部80,80,…とコントロール部90,90,…とはそれぞれ略同一に構成されているため、ゲーム実行部50とメダル回収部80とコントロール部90との構成についてのみそれぞれ説明する。
【0018】
<メダル供給部20の構成>
メダル供給部20は、メダル回収箱102内のメダルMを汲み上げるための回転汲上円盤(図示せず)付きのホッパ21,21,…と、コントロール部90によって駆動する第1メダル供給装置22・第2メダル供給装置23,23,…と、各ゲーム実行部50,50,…のメダル供給樋30,30,…を変更するメダル供給路変更装置25とを本体2の上部に設けられる装置収納部200に収納して設けられている。
【0019】
ホッパ21,21,…は同一に構成されているため、一のホッパ21の構成についてのみ説明すると、ホッパ21は、図2に示すように、第1汲上樋26及び第2汲上樋27に連通し、本体2内に配設されている。そして、回転汲上円盤の回転によって第1汲上樋26及び第2汲上樋27にメダルMを押し込むように構成されている。第1汲上樋26は、仕切部材100のメダル供給口100B,100Cに誘導パイプ(図示せず)を介して連通し、脚部材6及び本体部2B内に配設されている。第2汲上樋27は脚部材6及び支柱9内に埋設されている。
【0020】
第1メダル供給装置22は、図4及び図5に示すように、メダル収容固定箱28及び固定箱開閉機構29を有し、天井板11上の装置収納箱(図1及び図2に示す)30内に配設されている。メダル収容固定箱28は、図4に示すように、メダルMが滑落可能な凸状の底面台28A及び底面台28Aに対して昇降する有頭箱(半球)状の蓋体28Bからなり、遊技面3A(図2に示す)の上方に保持されている。そして、コントロール部90の指令による固定箱開閉機構29の駆動によって開閉するように構成されている。これにより、メダル収容固定箱28が閉鎖することによってその内部にメダルMを収容可能な状態となり、一方開放することによってメダル収容固定箱28内に収容されたメダルMが落下することとなる。
【0021】
底面台28Aは、図4に示すように、截頭円錐形状の第1底面部28a及び第1底面部28aに連接する円錐形状の第2底面部28bによって形成されている。底面台28Aの下方には、図1及び図2に示すように、仕切部材100の反メダル投入側に位置する略漏斗状のメダル受板31が配設されている。メダル受板31は、平面略台形状の6枚の受板エレメント31A,31A,…を周方向に組み合わせてなり、全体が金属材料によって形成されている。そして、メダル収容固定箱28から落下するメダルMを受けて落下させるように構成されている。
【0022】
蓋体28Bは、図4に示すように、メダル収容固定箱28の閉状態においてメダルMを収容(貯留)可能な内部空間28cを有し、この内部空間28cに貯留するメダルMをメダル収容固定箱28の開放によって落下させる箱体からなり、固定箱開閉機構29にメダル誘導用の円筒32を介して連結されている。そして、全体がアクリル製の透明部材によって形成されている。円筒32は、第2汲上樋27に誘導パイプ33を介して連通し、天井板11の貫通孔11Aに軸受70を介して昇降自在に挿通されている。誘導パイプ33のメダル供給側には、第2汲上樋27からのメダルMを円筒32に向かって送り出すと同時にパルス信号を出力するメダルカウンタ34が配設されている。
【0023】
固定箱開閉機構29は、図4〜6に示すように、底面台28Aを昇降するための駆動モータ29Aと、この駆動モータ29Aの駆動によって回転するクランクアーム29Bと、このクランクアーム29Bの回転によって揺動(進退)する伝達リンク29Cと、この伝達リンク29Cの進退によって回動する保持リンク29Dとを有し、天井板11に第1ブラケット35及び第2ブラケット36を介して保持されている。そして、駆動モータ29Aの駆動によるクランクアーム29Bの回転によって伝達リンク29Cを進退させ、これに伴い保持リンク29Dを回動させて円筒32を介して蓋体28Bを昇降するように構成されている。これにより、蓋体28Bが上昇すると、メダル収容固定箱28が開放され、蓋体28Bが下降すると、メダル収容固定箱28が閉塞される。
【0024】
駆動モータ29Aは、メダル投入側に突出するモータ軸29aを有し、第1ブラケット35に取り付けられている。クランクアーム29Bは、長孔からなるピン挿通孔29bを有し、モータ軸29aに取り付けられている。伝達リンク29Cは、ピン挿通孔29bを挿通するピン29cを有し、クランクアーム29Bに揺動自在に連結されている。保持リンク29Dは、円筒32を保持する二股リンクからなり、伝達リンク29Cに連結ピン37を介して揺動自在に連結され、かつ第2ブラケット36に枢支ピン38を介して枢支されている。保持リンク29Dの回動2位置は、センサ39,40によって検出される。
【0025】
第2メダル供給装置23,23,…は同一に構成されているため、一の第2メダル供給装置23の構成についてのみ説明すると、第2メダル供給装置23は、図1及び図2に示すように、メダル収容移動箱41,42及び移動箱開閉・移動機構(図示せず)を有し、フィールド空間2bに配設されている。メダル収容移動箱41,42は、仕切部材100の第2貫通窓(図示せず)を挿通させてそのメダル投入側及び反メダル投入側に出没する蒸気機関車等の玩具からなり、フィールド部3aの両側部に配設されている。そして、コントロール部90(図12に示す)からの指令による移動箱開閉機構の駆動によって開閉するように構成されている。これにより、メダル収容移動箱41,42がフィールド空間2b(仕切部材100)に対し、移動箱を開放することによりメダルMを遊技面3A上に供給する。一方、移動箱を閉鎖することにより内部にメダル回収部80から誘導パイプ(図示せず)を介してメダルMを収容可能な状態となる。
【0026】
メダル供給路変更装置25は、図2及び図3に示すように、共通筒43及び駆動機構(図示せず)を有し、仕切部材100の反メダル投入側に配設されている。共通筒43は、メダル受板31の下方に回転自在に配設されている、そして、メダル受板31に常時連通し、メダルMを貯留するように構成されている。また、コントロール部90(図12に示す)の指令による駆動機構の駆動によって回転するように構成されている。これにより、各フィールド部3aのメダル供給口100B,100Cにメダル供給樋30(誘導樋44〜46)を介して連通することとなる。
【0027】
<ゲーム実行部50の構成>
ゲーム実行部50は、図1〜3に示すように、往復台からなるホルダ51と、移動によってメダル通過口52A,53A(図8に示す)におけるメダルMの通過を規制するメダル通過規制部材52,53と、画像を表示するディスプレイ54,55と、ディスコミュージック等の楽曲を流すジュークボックス(図示せず)と、フィールド空間2bを装飾照明するための回転反射体56とを備えている。
【0028】
ホルダ51は、図10に示すように、遊技面3A上に滑車57を介して転動自在に配設され、かつ貫通窓100Aを挿通して仕切部材100の反メダル投入側に出没可能に収容されている。そして、ホルダ駆動機構58(図11に示す)によって仕切部材100のメダル投入側(フィールド部3aの前方端部)と反メダル投入側(フィールド部3aの後方端部)との間を進退し、遊技面3A上のメダルMをメダル投入側に押し出すように構成されている。ホルダ51の後方端部(仕切部材100の反メダル投入側)には、左右方向に延在する長孔51A(図11に示す)が設けられている。
【0029】
ホルダ駆動機構58は、ホルダ51をフィールド部3aの前後方向に進退させるための駆動モータ58Aと、この駆動モータ58Aの駆動によって回転するクランクアーム58Bとを有し、ホルダ51の下方に配設されている。そして、駆動モータ58Aの駆動によるクランクアーム58Bの回転によってホルダ51をフィールド部3aの前後方向に進退させるように構成されている。これにより、ホルダ51がメダル投入側に進行すると、メダル通過規制部材52,53が仕切部材100のメダル投入側に露出し、一方ホルダ51が反メダル投入側に退避すると、メダル通過規制部材52,53が仕切部材100の反メダル投入側に埋没することとなる。
【0030】
駆動モータ58Aは、メダル投入側に突出するモータ軸58aを有し、遊技台3に取り付けられている。クランクアーム58Bは、長孔51Aに挿通するピン58bを有し、ホルダ51の下方に配設され、かつモータ軸58aに連結されている。
【0031】
一方のメダル通過規制部材52は、図8及び図9に示すように、ホルダ51上の左右方向における一方側側部に回転自在に保持されている。メダル通過規制部材52には、放射方向に延在する複数(12個)のメダル通過口52A,52A,…が設けられている。メダル通過規制部材52の下方端面における回転中心部には、図9に示すように回転駆動機構59に連結する従動側歯車52Bが配設されている。他方のメダル通過規制部材53は、図8及び図9に示すように、メダル通過規制部材52の側方に配設され、かつホルダ51上の左右方向における他方側側部に回転自在に保持されている。メダル通過規制部材53には、放射方向に延在する複数(12個)のメダル通過口53A,53A,…が設けられている。メダル通過規制部材53の下方端面における回転中心部には、図9に示すように回転駆動機構59に連結する従動側歯車53Bが配設されている。メダル通過規制部材52,53は、回転駆動機構59によって遊技面3A内で回転するように構成されている。
【0032】
回転駆動機構59は、図9に示すように、メダル通過規制部材52,53を回転させるための駆動モータ60と、この駆動モータ60の駆動によって回転する駆動側歯車61と、この駆動側歯車61の駆動によって回転する共通歯車62と、この共通歯車62の回転によって回転する伝達歯車63・伝達歯車列64とを有し、ホルダ51の下方に配設されている。そして、コントロール部90(図12に示す)によって駆動制御されるように構成されている。これにより、メダル通過規制部材52,53の回転速度を所定の速度に制御したり、調整可能に制御したりすることが可能となる。また、メダル通過規制部材52,53を正転・逆転させたり、断続的に回転させたりすることが可能となる。
【0033】
駆動モータ60は、上方に突出するモータ軸60Aを有し、ホルダ51内に配設されている。駆動側歯車61は、共通歯車62(大歯車62A)に噛合し、モータ軸60Aに固着されている。共通歯車62は、ホルダ51内に保持され、駆動側歯車61に噛合する大歯車62A及び伝達歯車63に噛合する小歯車62Bからなる段付き歯車によって形成されている。伝達歯車63は、共通歯車62の小歯車62B及び従動側歯車52Bに噛合し、ホルダ51内に保持されている。伝達歯車列64は、2つの伝達歯車64A,64Bからなり、ホルダ51内に保持されている。伝達歯車64Aは、共通歯車62の大歯車62Aに噛合する大歯車64a及び伝達歯車64Bに噛合する小歯車64bからなる段付き歯車によって形成されている。伝達歯車64Bは、伝達歯車64Aの小歯車64b及び従動側歯車53Bに噛合し、伝達歯車63に並設されている。
【0034】
一方のディスプレイ54は、ビデオ表示領域又はリール表示領域となる表示画面を有する液晶表示装置からなり、ホルダ51の上方に配設され、かつ仕切部材100に保持されている。他方のディスプレイ55は、ビデオ表示領域となる表示画面を有する液晶表示装置からなり、ディスプレイ54の上方に配設され、かつ仕切部材100に保持されている。ディスプレイ54,55はコントロール部90(図12に示す)によって駆動制御される。
【0035】
回転反射体56は、蓋体28Bの形状に適合し、かつ複数の反射鏡を組み合わせてなる半球状の中空回転反射体からなり、底面台28Aの下方端部に取り付けられている。そして、複数の照明装置65,65,…(図1及び図2に示す)から照明光を受け、回転駆動機構66(図2及び図4・図5・図7に示す)によって回転するように構成されている。
【0036】
照明装置65,65,…は、メダル受板31の周囲に所定の間隔をもって並列し、回転反射体56の下方に配設されている。
【0037】
回転駆動機構66は、図4及び図5・図7に示すように、回転反射体56を回転駆動するための駆動モータ66Aと、この駆動モータ66Aの駆動によって回転する駆動側プーリ66Bと、この駆動側プーリ66Bに対応する従動側プーリ66Cと、この従動側プーリ66Cに駆動側プーリ66Bからの回転力を伝達する伝達ベルト66Dとを有し、天井板11に第3ブラケット67を介して保持されている。
【0038】
駆動モータ66Aは、上方に突出するモータ軸66aを有し、第3ブラケット67に取り付けられている。駆動側プーリ66Bは、第3ブラケット67に回転自在に配設され、かつモータ軸66aに取り付けられている。従動側プーリ66Cは、駆動側プーリ66Bに並列し、底面台28Aに回転シャフト68を介して連結され、かつ第3ブラケット67に回転自在に配設されている。伝達ベルト66Dは、ゴム製の無端ベルトからなり、駆動側プーリ66Bと従動側プーリ66Cとに掛け渡されている。回転シャフト66は、第3ブラケット67に軸受69を介して回転自在に挿通されている。
【0039】
<メダル回収部80の構成>
メダル回収部80は、図2及び図3に示すように、ホッパ21の近傍に位置するメダル回収箱102を備えている。メダル回収箱102は、基台部2A内に配設され、メダル通過規制部材52のメダル通過口52A,52A,…及びメダル通過規制部材53のメダル通過口53A,53A,…を通過したメダルM及びメダル回収孔3C,3Dに落下したメダルMを回収するように構成されている。
【0040】
<コントロール部90の構成>
コントロール部90は、図12に示すように、メダル供給部20及びゲーム実行部50・メダル回収部80を駆動制御するコントローラ91と、各種データ等を格納するメモリ92とを備え、基台部2A(図2に示す)内に配設されている。
【0041】
コントローラ91は、制御ユニットからなり、メダル通過検出装置93に接続されている。メダル通過検出装置93は、メダル通過規制部材52のメダル通過口52A,…及びメダル通過規制部材53のメダル通過口53A,53A,…を通過したメダルMを検出するように構成されている。
【0042】
メモリ92は、コントローラ91が実行する抽選プログラム等の各種プログラムや各種データベースを格納するROM92Aと、コントローラ91が実行するプログラムで用いる各種データを一時的に格納するRAM92Bとを有し、コントローラ91に接続されている。
【0043】
<メダル投入装置12の構成>
メダル投入装置12は、図13(a)から(c)に示すように、メダルMを転動させてフィールド部3aに投入するメダル通路120を有するメダルシュート12Aと、本体2の外側に設けられてメダルMを投入するメダル投入口124を有するメダル投入部12Bと、メダル投入部12Bを有するメダルシュート12Aをフィールド部3aに対して回動自在に指示する支持部材12Cとを有する。
【0044】
メダルシュート12Aは、ステンレス等の複数の板状の金属部材を組み合わせることによって断面内にメダル通路120を形成している。なお、メダルシュート12AにはメダルMの通過を検出する図示しないメダル通過検出層を取り付けるためのメダルカウンタ取付部121が設けられている。
【0045】
メダル投入部12Bは、樹脂材料で形成される膨出形状部122と背面部123とをビス(図示せず)によって組み付けるとともにメダルシュート12Aに取り付けられている。膨出形状部122は、図13(b)に示すようにメダルMの厚みよりサイズを大に開口されたメダル投入口124を有し、その内側にはメダル投入部12B内のメダル通路120に円滑にメダルMを導くように傾斜面125が一体的に形成されている。なお、メダルMの投入や、組み立てにおいて支障がなければ、膨出形状部122と傾斜面125とが別部材で形成されていても良い。
【0046】
図13(c)は、メダル投入装置12から投入されるメダルMを示す説明図である。メダル投入口124から投入されたメダルMは、メダル投入部12Bからメダルシュート12Aのメダル通路120に誘導されて転動することによりフィールド部に投入される。メダルMの投入は膨出形状部122によって開口部分を大にされたメダル投入口124により、複数のメダルMを連続的かつ容易に投入することを可能にする。このことによりフィールド部にメダルMが連続的に投入される。
【0047】
〔メダル遊技機1の動作〕
遊技者のメダル投入によってメダルMがメダル通過規制部材52のメダル通過口52A,52A,…又はメダル通過規制部材53のメダル通過口53A,53A,…を通過すると、メダル通過検出装置93から検出信号がコントローラ91に出力される。この検出信号を受けたコントローラ91がROM92A内の抽選プログラムを実行する。次に、コントローラ91が抽選用の乱数を生成し、この抽選用の乱数に基づき、それぞれの当選役としての「当たり(大当たり,中当たり,小当たり)」とこの「当たり」の発生確率との対応関係を記述した当選確率テーブルに照らして「当たり」を決定する。この抽選においては、「当たり」が決定せず、「当たり」の外れる「はずれ」が決定することもある。そして、コントローラ91がその決定情報に基づいてディスプレイ54に画像表示指令信号を出力する。
【0048】
また、コントローラ91が「当たり(大当たり,中当たり,小当たり)」を決定すると、その「当たり」に対応する制御信号をメダル供給部20やゲーム実行部50に出力する。
【0049】
例えば、コントローラ91が「大当たり」を決定すると、コントローラ91から第1メダル供給装置22及びメダル供給路変更装置25に制御信号が出力される。この場合、第1メダル供給装置22がコントローラ91から制御信号を受けると、固定箱開閉機構29の駆動による蓋体28Bの上昇によってメダル収容固定箱28が開放し、これに伴いメダル収容固定箱28内のメダルMがメダル受板31に落下し、このメダル受板31から共通筒43内に収容される。また、メダル供給路変更装置25がコントローラ91から制御信号を受けると、駆動機構(図示せず)の駆動による共通筒43の回転によって所定のステーションにおけるメダル供給樋30(誘導樋44〜46)に連通する。このため、共通筒43内のメダルMが仕切部材100にメダル供給樋30を経てメダル供給口100B,100Cから遊技面3Aに供給される。
【0050】
また、コントローラ91が「中当たり」を決定すると、コントローラ91から第2メダル供給装置23及びホルダ駆動機構58・回転駆動機構59に制御信号が出力される。この場合、第2メダル供給装置23がコントローラ91から制御信号を受けると、移動箱開閉機構(図示せず)の駆動によってメダル収容移動箱41,42が開放し、これに伴いメダル収容移動箱41,42内のメダルMが遊技面3A上に供給される。同時に、ホルダ駆動機構58及び回転駆動機構59がコントローラ91から制御信号を受けると、ホルダ駆動機構58の駆動によってホルダ51が仕切部材100のメダル投入側に進行し、この進行位置で停止するとともに、回転駆動機構59の停止によってメダル通過規制部材52,53が回転停止する。このため、メダル通過規制部材52のメダル通過口52a,52a,…及びメダル通過規制部材53のメダル通過口53a,53a,…に対して遊技者はメダルMを投入し易くなる。
【0051】
そして、コントローラ91が「小当たり」を決定すると、コントローラ91から第2メダル供給装置23に制御信号が出力される。この場合、第2メダル供給装置23がコントローラ91から制御信号を受けると、「中当たり」の場合と同様に移動箱開閉機構(図示せず)の駆動によってメダル収容移動箱41,42が開放し、これに伴いメダル収容移動箱41,42内のメダルMが遊技面3A上に供給される。
【0052】
なお、遊技者によるメダルMの獲得は、遊技面3A上のメダルMがホルダ51によってメダル払戻孔3Bに押し出された後、このメダル払戻孔3Bから下方に落下してメダル払戻口8に払い戻されることにより達成される。
【0053】
一方、画像表示指令信号を受けたディスプレイ54は、駆動によってその表示画面を3つのリール表示領域とし、これらリール表示領域に画像を所定の時間にわたり連続して移動させ後に停止画像を表示する。この場合、コントローラ91によって「当たり」が決定していると、その画像表示指令に基づき「当たり」に係る組み合わせの図柄がディスプレイ54の表示画面に表示される。また、コントローラ91によって「はずれ」が決定している場合には、その画像表示指令に基づき「当たり」に対応しない組み合わせの図柄がディスプレイ54の表示画面に表示される。これにより、遊技者はディスプレイ54の表示画面を見て、メダルMがメダル通過規制部材52,52,…のメダル通過口52A,52A,…あるいはメダル通過規制部材53,53,のメダル通過口53A,53A,…を通過したことによる抽選結果を知ることができる。
【0054】
(実施の形態の効果)
以上説明した実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
(1)メダル通過規制部材52のメダル通過口52A,52A,…及びメダル通過規制部材53のメダル通過口53A,53A,…が遊技面3A内に配置されるため、メダル通過口52A,52A,…及びメダル通過口53A,53A,…の各開口方向とメダルMの投入方向とが交差することとなり、このためメダル通過口52A,52A,…及びメダル通過口53A,53A,…にメダルMを投入するために高度の技量を必要とし、興趣に富んだ遊技を楽しむことができる。
【0055】
(2)メダル通過規制部材52,53が遊技台3上のメダル投入側と反メダル投入側との間を進退することとなるため、メダル通過口52A,52A,…及びメダル通過口53A,53A,…にメダルMを投入するために高度の技量をさらに必要とし、一層興趣に富んだ遊技を楽しむことができる。
【0056】
(3)メダル通過規制部材52,53が仕切部材100のメダル投入側に出没することとなるため、メダル通過規制部材52,53,…の動作パターンが複雑になり、遊技性を高めることができる。
【0057】
(4)メダル通過規制部材52,53の回転速度を所定の速度に制御したり、調整可能に制御したりすることが可能となり、またメダル通過規制部材52,53を正転・逆転させたり、断続的に回転させたりすることが可能となるためメダル通過規制部材52,53の動作パターンが変化に富んだ動作パターンとなり、遊技性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態に係るメダル遊技機を示す全体図。
【図2】本発明の実施の形態に係るメダル遊技機を示す正面図。
【図3】本発明の実施の形態に係るメダル遊技機を示す部分側面図。
【図4】本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のメダル供給装置を説明するために示す正面図。
【図5】本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のメダル供給装置を説明するために示す平面図。
【図6】本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のメダル供給装置の固定箱開閉機構を説明するために示す斜視図。
【図7】本発明の実施の形態に係るメダル遊技機の回転反射体の回転駆動機構を説明するために示す斜視図。
【図8】本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のゲーム実行部を説明するために示す平面図。
【図9】本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のメダル通過規制部材の回転駆動機構を説明するために示す平面図。
【図10】本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のメダル通過規制部材の回転駆動機構を説明するために示す断面図。
【図11】本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のホルダ駆動機構を説明するために示す平面図。
【図12】本発明の実施の形態に係るメダル遊技機の制御回路を説明するために示すブロック図。
【図13】(a)から(c)は、本発明の実施の形態に係るメダル遊技機のメダル投入装置を示す説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1…メダル遊技機、2…本体、2A…基台部、2B…本体部、2b…フィールド空間、3ゲーム実施機構、3A…遊技面、3a…フィールド部、3B…メダル払戻孔、3C,3D…メダル回収孔、4…基部材、5…底面板、6…基部材、7…蓋部材、8…メダル払戻口、9…支柱、10…透明板、11…天井板、11A…貫通孔、12…メダル投入装置、12A…メダルシュート、12B…メダル投入部、12C…支持部材、20…メダル供給部、21…ホッパ、22…第1メダル供給装置、23…第2メダル供給装置、3、25…メダル供給路変更装置、26…第1汲上樋、27…第2汲上樋、28…メダル収容固定箱、28A…底面台、28a…第1底面、29b…第2底面、28B…蓋体、28c…内部空間、29…固定箱開閉機構、29A…駆動モータ、29a…モータ軸、29B…クランクアーム、29b…ピン挿通孔、29C…伝達リンク、29D…保持リンク、29c…ピン、30…メダル供給樋、31…メダル受板、31A…受板エレメント、32…円筒、33…誘導パイプ、34…メダルカウンタ、35…第1ブラケット、36…第2ブラケット、37…連結ピン、38…枢支ピン、39,40…センサ、41,42…メダル収容移動箱、43…共通箱、44〜46…誘導樋、50…ゲーム実行部、51…ホルダ、51A…長孔、52…メダル通過規制部材、52A…メダル通過口、52B…従動側歯車、53…メダル通過規制部材、53A…メダル通過口、53B…従動側歯車、54,55…ディスプレイ、56…回転反射体、57…滑車、58…ホルダ駆動機構、58A…駆動モータ、58a…モータ軸、58B…クランクアーム、58b…ピン、59…回転駆動機構、60…駆動モータ、60A…モータ軸、61駆動側歯車、62…共通歯車、63…伝達歯車、64…伝達歯車列、64A,64B…伝達歯車、65…照明装置、66…回転駆動機構、66A…駆動モータ、66a…モータ軸、66B…駆動側プーリ、66C…従動側プーリ、66D…伝達ベルト、67…第3ブラケット、68…回転シャフト、69,70…軸受、80…メダル回収部、90…コントロール部、91…コントローラ、92…メモリ、92A…ROM、92B…RAM、93…メダル通過検出装置、100…仕切部材、100A…第1貫通窓、100B,100C…メダル供給口、101…回収シュート、102…メダル回収箱、120…メダル通路、121…メダルカウンタ取付部、122…膨出形状部、123…背面部、124…メダル投入口、125…傾斜面、M…メダル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メダル投入側からのメダル投入によってメダルを蓄積可能な遊技面を有する遊技台と、
前記遊技台上に配設され、メダル通過口を有するメダル通過規制部材とを備えたメダル遊技機であって、
前記メダル通過規制部材は、前記遊技面内で回転可能な回転体からなることを特徴とするメダル遊技機。
【請求項2】
前記メダル通過規制部材を回転可能に保持するホルダをさらに備え、
前記ホルダは、前記遊技台上のメダル投入側と反メダル投入側との間を進退可能な往復台からなる請求項1に記載のメダル遊技機。
【請求項3】
前記遊技台上に立設され、メダル投入側と反メダル投入側とを画成するような仕切部材をさらに備え、
前記仕切部材には、前記ホルダを反メダル投入側に出没可能に収容するための貫通窓が設けられている請求項2に記載のメダル遊技機。
【請求項4】
前記メダル通過規制部材は、所定の回転速度で回転する回転体である請求項1から3のいずれか1項に記載のメダル遊技機。
【請求項5】
前記メダル通過規制部材は、回転速度を調整可能な回転体である請求項1から4のいずれか1項に記載のメダル遊技機。
【請求項6】
前記メダル通過規制部材は、正転・逆転可能な回転体である請求項1から5のいずれか1項に記載のメダル遊技機。
【請求項7】
前記メダル通過規制部材は、断続的に回転可能な回転体である請求項1から6のいずれか1項に記載のメダル遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2006−61495(P2006−61495A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248816(P2004−248816)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)