説明

メチルヘプテノンの製造方法

メチルヘプテノン(2−メチル−2−ヘプテン−6−オン)は、リン酸水素トリス(オキサラト)またはホウ酸水素ビス(オキサラト)の存在下で2−メチル−3−ブテン−2−オールをイソプロペニルメチルエーテルと反応させることによって製造される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、本明細書で以下メチルヘプテノンとも呼ばれる、2−メチル−2−ヘプテン−6−オンの新規な製造方法に関する。触媒、例えばリン酸(DE 1 193 490号明細書を参照されたい)、または有機ホスフェートもしくはホスフィネート(DE 196 49 564号明細書を参照されたい)の存在下で2−メチル−3−ブテン−2−オールのイソプロペニルメチルエーテルとの反応によってメチル−ヘプテノンを製造することは公知である。
【0002】
ホウ酸水素ビス(オキサラト)および、とりわけ、リン酸水素トリス(オキサラト)が反応を触媒するのに特に好適であることが分かった。従って、本発明は、リン酸水素トリス(オキサラト)またはホウ酸水素ビス(オキサラト)の存在下で2−メチル−3−ブテン−2−オールをイソプロペニルメチルエーテルと反応させる工程を含む2−メチル−2−ヘプテン−6−オンの製造方法に関する。
【0003】
本発明の方法は常圧でまたは高圧で実施することができる。好ましくは、反応は高圧で、例えば約10〜約20×10パスカル(Pa)、好ましくは5×10〜約15×10Paの圧力で実施される。さらに、本発明に従った反応は好ましくは溶媒の非存在下で実施される。触媒は純粋な形または溶解した形で添加することができ、アセトンまたはメタノールに溶解した形が好ましい。反応は好適には高温で、例えば約373K〜約450Kの温度で実施される。反応体のモル比は好適には約1:1〜1:3であり、反応体の1つ、例えば、あまり高価でない反応体、イソプロペニルメチルエーテルが過剰に使用され、必要ならば、反応混合物からの所望の反応生成物の単離後にリサイクルされてもよいが、1:2〜1:2.5が好ましい。
【0004】
本発明に従った反応は、回分式でまたは連続モードで、例えば、2つもしくはそれ以上の直列に配置された撹拌タンクでまたは管反応器で実施することができる。
【0005】
触媒、リン酸水素トリス(オキサラト)またはホウ酸水素ビス(オキサラト)は、基質としての2−メチル−3−ブテン−2−オールを基準にして、約1000:1〜約100:1、好ましくは約900:1〜約300:1の基質/触媒比を提供するような量で反応混合物中に存在してもよい。リン酸水素トリス(オキサラト)は、EP 1 227 089号明細書に開示されているように調製することができる。ホウ酸水素ビス(オキサラト)は、EP 784 042号明細書に記載されている手順によって調製することができる。
【0006】
本発明は次に続く実施例によってさらに例示される。
【実施例】
【0007】
反応は、主要部が1.0リットルの公称容積、493K以下の動作温度および20バールの最大圧力のステンレススチール回分式反応器(メジメックス−高圧(Medimex−High Pressure))である装置を用いて実施した。反応器に、加熱システム(ジャケット中に置かれた電気加熱スパイラル)、冷却システム(反応器ジャケット中を流れるグリコール−水混合物)、内部反応器、ジャケットおよび冷却温度の測定のための温度コントロール、ならびに撹拌機を装備した。空気を反応器から除去するために反応器を実験室真空ポンプにつないだ。サンプリングは、サンプリングフラスコに連結されたステンレススチール毛管および薄いスパイラル状ステンレススチール管によって行った。触媒は、メタノール中約12もしくは5.5重量%溶液またはアセトン中6.5重量%溶液(ホウ酸水素ビス(オキサラト))、またはメタノール中約12、10もしくは8重量%溶液またはアセトン中6重量%溶液(リン酸水素トリス(オキサラト))として使用した。
【0008】
195gのMBE(2.22モル)、触媒(表1を参照されたい)および342gのIPM(4.6モル=2.1当量)を混合し、反応器へ装入した。反応器を真空ポンプで短く排気した。反応混合物を撹拌しながら423Kまで加熱し、そして前記温度に維持した。サンプルを、適切な時間間隔でサンプル・バルブおよび毛管によって採取し、酢酸ナトリウムで直接中和した。サンプルをガスクロマトグラフィーによって分析した(標準%)。反応混合物を室温に冷却した後、残りの反応混合物のサンプルを採取し(気相なし)、ガスクロマトグラフィーによって分析した(標準%)。
【0009】
結果を下の表1、2および3に示す。
【0010】
【表1】

【0011】
【表2】

【0012】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸水素トリス(オキサラト)またはホウ酸水素ビス(オキサラト)の存在下で2−メチル−3−ブテン−2−オールをイソプロペニルメチルエーテルと反応させる工程を含む2−メチル−2−ヘプテン−6−オンの製造方法。
【請求項2】
前記反応がリン酸水素トリス(オキサラト)の存在下で実施される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応が高圧下で実施される請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記反応が10〜20×10Paで実施される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記反応が5×10〜約15×10Paで実施される請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒が、基質としての2−メチル−3−ブテン−2−オールを基準にして、約1000:1〜約100:1の基質/触媒比を提供するような量で存在する請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒が、基質としての2−メチル−3−ブテン−2−オールを基準にして、約900:1〜約300:1の基質/触媒比を提供するような量で存在する請求項1または4に記載の方法。
【請求項8】
2−メチル−3−ブテン−2−オール対イソプロペニルメチルエーテルの比が1:1〜1:3である請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
2−メチル−3−ブテン−2−オール対イソプロペニルメチルエーテルの比が1:1〜1:2.5である請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記反応が連続モードで実施される請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2007−520510(P2007−520510A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551772(P2006−551772)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000795
【国際公開番号】WO2005/075400
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】