説明

メッセージ配信システム、サーバ、プログラム及び記録媒体

【課題】送り主から受取人に対して、商品と共に音声や動画による任意のメッセージを送ることができるようにする。
【解決手段】商品の送り主である顧客3は、注文書60に印字されたQRコード61を顧客端末30で読み取ってメッセージ登録ページ130の送信URLにアクセスし、音声や動画によるメッセージをインターネットN上のサーバ100にアップロードする。これに対して、商品の受取人であるユーザ5は、配送伝票70に印字されたQRコード71をユーザ端末50で読み取って再生メッセージ枠150の再生URLに直接アクセスし、音声や動画によるメッセージをインターネットN上で再生して視聴する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を配送する際に併せてメッセージを配信するメッセージ配信システムとサーバ、並びに、コンピュータをサーバとして機能させるプログラムとそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、百貨店や小売店等の販売店では、商品を購入した顧客に対し、指定された送り先に商品を配送するサービスを実施している。この配送サービスでは、顧客から商品の注文を受けると注文書を発行し、注文書に記入された送り主や送り先の情報に基づいて配送伝票を発行して、その配送伝票を商品に貼り付けて送り先に配送している。このような配送サービスを利用する際に、商品を送るだけでなく、送り先の相手にメッセージを伝えたい場合もある。ところが、従来は、別途用意したメッセージカードを付けて送ったり、後日相手に直接電話を掛けたりするしかなく、商品と共に音声や動画によるメッセージを届けることができなかった。
【0003】
なお、下記の特許文献には、インターネットと携帯電話機を利用した情報提供システムが記載されている。このシステムは、利用者の携帯電話機でインターネットにアクセスすることにより、店舗が提供する情報を閲覧できるようにしたものである。しかし、閲覧できる情報は店舗が予め用意したものに限られており、利用者が任意のメッセージを相手に届けることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−236227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、商品の送り主から受取人に対して、商品と共に音声や動画による任意のメッセージを届けられるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、顧客からユーザへの商品の配送時に顧客のメッセージを配信するメッセージ配信システムであって、顧客が所有する顧客端末と、ユーザが所有するユーザ端末と、管理業者が所有する管理業者端末と、配送業者が所有する配送業者端末と、これらの端末からインターネットを介して接続されるサーバと、から構成されており、サーバが、管理業者端末からの指示に基づいて、商品の販売店別に設けたメッセージ登録ページ内に、複数個の登録メッセージ枠とこれに対応する再生メッセージ枠を設定するメッセージ枠設定手段と、メッセージ登録ページにログインした顧客端末からメッセージ登録希望を受け付けた順に登録メッセージ枠を割り当てて、割り当てられた登録メッセージ枠への接続アドレスを当該顧客端末に通知する登録先通知手段と、登録メッセージ枠への接続アドレスにアクセスした顧客端末からアップロードされるメッセージデータを、当該登録メッセージ枠に登録するメッセージデータ登録手段と、登録メッセージ枠に登録されたメッセージデータをユーザ端末で再生可能な再生データに変換し、変換した再生データを当該登録メッセージ枠に対応した再生メッセージ枠に登録する再生データ登録手段と、再生データが登録された再生メッセージ枠への接続アドレスと配送業者端末から送信される注文情報とに基づいて、配送伝票印字用のレイアウトに変換したデータを生成する配送伝票データ生成手段と、を備えてなる、メッセージ配信システムを提供するものである。
【0007】
本発明において、顧客端末とユーザ端末は、それぞれインターネットに接続可能な携帯電話端末やパソコン等の情報通信端末を利用することができる。また、管理業者端末と配送業者端末も同様に、少なくともインターネットに接続可能な動作環境を備えていれば良く、パソコン等の情報通信端末を利用することができる。
【0008】
また、本発明は、顧客からユーザへの商品の配送時に顧客のメッセージを配信するメッセージ配信システムにおいて、顧客が所有する顧客端末、ユーザが所有するユーザ端末、管理業者が所有する管理業者端末、及び配送業者が所有する配送業者端末からインターネットを介して接続されるサーバであって、管理業者端末からの指示に基づいて、商品の販売店別に設けたメッセージ登録ページ内に、複数個の登録メッセージ枠とこれに対応する再生メッセージ枠を設定するメッセージ枠設定手段と、メッセージ登録ページにログインした顧客端末からメッセージ登録希望を受け付けた順に登録メッセージ枠を割り当てて、割り当てられた登録メッセージ枠への接続アドレスを当該顧客端末に通知する登録先通知手段と、登録メッセージ枠への接続アドレスにアクセスした顧客端末からアップロードされるメッセージデータを、当該登録メッセージ枠に登録するメッセージデータ登録手段と、登録メッセージ枠に登録されたメッセージデータをユーザ端末で再生可能な再生データに変換し、変換した再生データを当該登録メッセージ枠に対応した再生メッセージ枠に登録する再生データ登録手段と、再生データが登録された再生メッセージ枠への接続アドレスと配送業者端末から送信される注文情報とに基づいて、配送伝票印字用のレイアウトに変換したデータを生成する配送伝票データ生成手段と、を備えてなる、サーバを提供するものである。
【0009】
本発明において、サーバが、メッセージ登録ページへの接続アドレスと再生メッセージ枠への接続アドレスをそれぞれ光学式読み取りコードに変換する読み取りコード変換手段を更に備えていると良い。この場合、少なくとも顧客端末とユーザ端末は、光学式読み取りコードを撮影して読み取る機能を有している必要がある。ここで、光学式読み取りコードの例としては、例えばJAN、ITF、CODE39、CODE128等のバーコードや、QRコード、PDF417、データマトリックス、MaxiCode等の二次元コードがある。ただし、URLやメールアドレスを設定するために、JANやITFのような数字のみしか扱えないものは除き、数字以外にアルファベットや記号を扱えるものを使用することができる。なお、バーコードよりも情報量の多い二次元コードの方が好ましい。
【0010】
また、本発明において、登録先通知手段としては、顧客端末からのメッセージ登録希望に対して電子メールで通知する方法を採用することができる。
【0011】
また、本発明は、コンピュータを、上述したサーバとして機能させるためのプログラムと、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品の送り主である顧客は、メッセージ登録ページへの接続アドレスにアクセスすることにより、音声や動画によるメッセージデータをインターネット上のサーバにアップロードすることができる。これに対して、商品の受取人であるユーザは、配送伝票やユーザへの送付書類に印字された再生メッセージ枠への接続アドレスに直接アクセスすることにより、音声や動画によるメッセージデータをインターネット上で再生して視聴することができる。したがって、本発明によれば、顧客がユーザに対して任意のメッセージを届けることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明によるメッセージ配信システムを示す全体図である。
【図2】図1のシステムにおけるデータの流れを示す説明図である。
【図3】注文書のレイアウトを示す平面図である。
【図4】メッセージ入力時の携帯電話端末の表示画面を示す説明図で、(a)はQRコード読み取り時の画面、(b)はログイン画面、(c)は送信先選択画面、(d)は案内メールの受信画面、(e)は登録確認メールの受信画面を示す。
【図5】配送伝票のレイアウトを示す平面図である。
【図6】メッセージ再生時の携帯電話端末の表示画面を示す説明図で、(a)はQRコード読み取り時の画面、(b)はログイン画面、(c)はトップ画面、(d)はメッセージメニュー画面、(e)は再生ページ画面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態のメッセージ配信システムSは、商品を配送する際に商品と共に音声や動画によるメッセージを届けるため、インターネットNを利用してメッセージを配信するようにしたシステムである。同図において、1はサーバを管理する管理業者、2は商品を販売する百貨店や小売店等の販売店、3は商品を注文する送り主となる顧客、4は配送伝票を貼付した商品を配送する配送業者、5は商品の送り先となるユーザを表わしている。
【0016】
管理業者1には、インターネットNに接続可能なパソコン等の情報通信端末(以下「管理業者端末」という)10と、管理業者端末10に接続されたプリンタ11が設置されている。また、配送業者4にも同じく、インターネットNに接続可能なパソコン等の情報通信端末(以下「配送業者端末」という)40と、配送業者端末40に接続されたプリンタ41が設置されている。
【0017】
顧客3は、このシステムを利用するために、インターネットNに接続可能でかつ光学式読み取りコードを読み取り可能な、いわゆるバーコードリーダを搭載した携帯電話端末(以下「顧客端末」という)30を所持している。また、ユーザ5も同様に、インターネットNに接続可能でかつ光学式読み取りコードを読み取り可能な携帯電話端末(以下「ユーザ端末」という)50を所持している。なお、顧客端末30とユーザ端末50はインターネットNに接続可能な動作環境を備え、かつ光学式読み取りコードを撮影して読み取る機能を有するものであれば、携帯電話端末に限らずパソコン等の情報通信端末を利用することもできる。
【0018】
インターネットNには、サーバコンピュータ等の情報処理装置からなるサーバ100が接続されている。サーバ100は、管理業者端末10、顧客端末30、配送業者端末40及びユーザ端末50がそれぞれ有するWebブラウザに対して、各種情報の表示や入力を行うWebサーバ110を備えている。
【0019】
また、サーバ100は、以下に説明するシステムとして動作するプログラムをコンピュータに読み込ませることによって、メッセージ枠設定手段111、読み取りコード変換手段112、読み取りコード登録手段113、登録希望受信手段114、登録先通知手段115、電子メール送信手段116、メッセージデータ受信手段117、メッセージデータ登録手段118、再生データ生成手段119、再生データ登録手段120、注文データ受信手段121、及び配送伝票データ生成手段122として機能する。なお、コンピュータをサーバ100として機能させるプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録したものを使用することができる。
【0020】
次に、本実施形態のメッセージ配信システムSの動作について、図2を参照しながらデータの流れに従って説明する。本実施形態のシステムは、百貨店等の販売店2において、商品の販売促進の一環として特定の顧客3にダイレクトメールを送付し、これを受け取った顧客3が商品を注文するパターンを想定したものである。
【0021】
(1)メッセージ格納スペースの設定
サーバ100は、管理業者端末10からの指示に基づいて、商品の販売店2,2,…毎にメッセージ登録ページ130とその接続アドレスとなる送信URL(図2に示す例ではhttp://www.k-cr.jp、…等)を設定する。メッセージ登録ページ130は、インターネットNを介してアクセス可能なWebサーバ110上に設けられ、販売店別に区分されたメッセージ格納スペースになっている。
【0022】
サーバ100は、メッセージ枠設定手段111により、メッセージ登録ページ130内に、登録メッセージ枠140を予め複数個設定する。登録メッセージ枠140とは、メッセージを登録する相手毎に区分したデータフォルダである。また、登録メッセージ枠140,140,…毎に個別の登録用ID(u***1、…)が付与され、各登録メッセージ枠140への接続アドレスとして登録メールアドレス(u***1@k-cr.jp、…)が設定される。
【0023】
サーバ100は、メッセージ枠設定手段111により、登録メッセージ枠140に対応する再生メッセージ枠150をセットで設定する。再生メッセージ枠150とは、送り先のユーザ5がメッセージを再生する際に個別にアクセスするデータフォルダである。また、再生メッセージ枠150,150,…毎に個別の再生用ID(p***1、…)が付与され、各再生メッセージ枠150への接続アドレスとして再生URL(http://www.k-cr.jp/p***1/、…)が設定される。
【0024】
サーバ100は、読み取りコード変換手段112によって、販売店別のメッセージ登録ページ130の送信URLをそれぞれ光学式読み取りコード(図2の例ではQRコード、以下同じ)に変換したデータを生成する。光学式読み取りコードの例としては、このほかに、例えばJAN、ITF、CODE39、CODE128等のバーコードや、PDF417、データマトリックス、MaxiCode等の二次元コードがあるが、URLやメールアドレスを設定するために、JANやITFのような数字のみしか扱えないものは除き、数字以外にアルファベットや記号を扱えるものを使用することができる。そして、変換されたQRコードは、読み取りコード登録手段113によって、各店のメッセージ登録ページ130に登録される。
【0025】
(2)メッセージ登録ページの提供
管理業者1は、販売店2に対して、各店のメッセージ登録ページ130を提供する。その提供方法としては、メッセージ登録ページ130への接続アドレスである送信URLやQRコードをデジタルデータとして電子メール等により送信する方法が考えられる。あるいは、この送信URLやQRコードを紙媒体に印字したものを送付しても良い。
【0026】
(3)ダイレクトメール・注文書の送付
販売店2は、会員登録された顧客3に向けて、商品に関する情報を宣伝したダイレクトメールを送付する。ダイレクトメールの送付は、例えばお中元やお歳暮、母の日や父の日、あるいは入学式や卒業式等の時期に合わせて行なわれる。ここで、販売店2には顧客3に関する住所、氏名、メールアドレス等の顧客データが有ることが前提になっており、販売店2での商品の購買履歴の有無は問わない。なお、顧客データは有るが購買履歴が無い場合とは、リスト会社等に会員登録された個人情報を利用する場合を想定している。
【0027】
販売店2には、パソコン等の情報処理端末(以下「販売店端末」という)20と、販売店端末20に接続されたプリンタ21が設置されている。本実施形態において、販売店2は、封書によるダイレクトメールとこれに同封される商品のカタログと注文書60を発行する。
【0028】
図3に一例を示すように、注文書60には、各店のメッセージ登録ページ130への接続アドレスとなる送信URLとこれを記録したQRコード61のほかに、送り主である顧客3の住所、氏名、顧客ID62と、この顧客3が過去に商品を送ったことのあるユーザ5の住所、氏名等の配送情報63がプリンタ21によって印字される。そして、この注文書60とカタログを同封したダイレクトメールは、販売店2から個々の顧客3に宛てて郵送される。
【0029】
(4)注文書の記入・送付
販売店2からダイレクトメールが送られてくると、顧客3はカタログの中から商品を選び、注文書60に必要事項を記入して注文を行う。注文書60には、既に説明したように送り先のユーザ5の住所や氏名等の宛名情報が予め印字されているので、顧客3は今回送り先として指定したい相手を選んで記入欄にチェックマークを記入し、送りたい商品の商品番号を記入すれば良い。また、送り先の宛名情報に変更や誤りがある場合、あるいは新たに送り先の相手を追加したい場合には、図示したようにそれらの情報を手書きで記入することもできる。
【0030】
注文書60の記入が済んだら、ファクシミリ又は返信封筒により注文書60を配送業者4に送付して注文を行う。なお、返信封筒で注文書60を送る場合には、送る前に注文書60をコピーして手元に控えを残しておくようにする。その理由は、以下に説明するメッセージの入力を行う際に、注文書60に印字されているQRコード61が必要になるからである。
【0031】
(5)メッセージの入力
顧客3は、注文書60に記入する際あるいは注文書60を送付した後で、商品の送り先となるユーザ5に対し音声や動画によるメッセージを届けることができる。メッセージの入力方法は、注文書60に印字されたQRコード61を、図4(a)のように顧客端末30に内蔵されたカメラで撮影して読み取り、QRコード61に記録されたメッセージ登録ページ130の送信URLにアクセスすることにより行う。
【0032】
送信URLにアクセスすると、まず図4(b)のログイン画面が現れるので、顧客3は注文書60に印字された自分の顧客ID62「00010」を入力してログインする。ここで、サーバ100にて顧客ID62による認証が行われ、認証の結果正当なIDであれば、図4(c)の送信先選択画面が開く。この画面においてメッセージの送り先を選択して「送る」ボタンをクリックすると、顧客端末30からインターネットNを介してサーバ100にメッセージ登録希望が送信される。
【0033】
一方、サーバ100では、登録希望受信手段114によりこれを受信して、メッセージ登録希望を受信した順に、メッセージ登録ページ130内の空いている登録メッセージ枠140を割り当てていく。そして、割り当てられた登録メッセージ枠140への接続アドレスを、登録先通知手段115によって顧客端末30に通知する。その通知方法は、図4(d)のように登録メッセージ枠140の登録メールアドレス(u***1@k-cr.jp)から顧客端末30のメールアドレス(****@***.jp)宛に案内メールを送信することにより行われる。そして、顧客3はこの案内メールに対し、音声を録音したデータや動画を撮影したデータ等のメッセージデータを添付して返信することによって、音声や動画によるメッセージを入力することができる。
【0034】
このメッセージの入力は、注文書60の発行日から所定の有効期間内であれば、何回でも行うことができる。ここで有効期間の設定は、注文書60の発行日からでなく、注文書60の発送日から所定期間内(例えば発送日以降1週間以内など)に設定しても良い。この場合には、商品を配送するタイミングに合わせてメッセージの登録を完了することができる。また、注文期限を設定して、注文書60に注文期限を記載したり、注文期限を記載した書類を注文書60に同封したり、あるいは注文書60を送付する封筒に注文期限を記載しても良い。
【0035】
上記のようにしてメッセージを入力すると、サーバ100の電子メール送信手段116によって、図4(e)のように顧客端末30に向けて登録確認メールが送信される。この登録確認メールに記載された接続アドレスをクリックすると、入力したメッセージデータの内容を確認することができる。この後、図示しない登録ボタンをクリックすると、図2に示すようにメッセージデータがサーバ100にアップロードされ、メッセージデータ受信手段117にて受信される。そして、受信したメッセージデータは、メッセージデータ登録手段118によりメッセージ登録ページ130内の該当する登録メッセージ枠140に登録される。登録が完了すると、電子メール送信手段116により、顧客端末30宛てに登録完了メールが送信される。
【0036】
なお、本実施形態では、メッセージの入力に際して図4(b)のログイン画面で顧客ID62を入力させたが、この顧客ID62の入力を省略し、QRコード61のみでログインさせても良い。すなわち、図4(a)のように顧客端末30でQRコード61を読み取った後に、図4(c)の送信先選択画面が直接開くようにすることもできる。
【0037】
また、QRコード61と顧客ID62に加え、パスワードを要求してログインさせるようにしても良い。その方法として、図4(a)でQRコード61を読み取った後、メッセージデータを受信するのに先立って、顧客端末30からサーバ100へ空メールを送信させる。そして、サーバ100はその空メールに対し、登録メッセージ枠140への接続アドレスと共にパスワードを記載した返信メールを、電子メール送信手段116によって顧客端末30へ返信する。これにより、顧客端末30が登録メッセージ枠140への接続アドレスにアクセスする際に、顧客ID62とパスワードの両方を入力してログインさせることもできる。このようにすれば、返信メールを受信した特定の顧客端末30からしかメッセージの入力が行えなくなるので、より一層セキュリティ度が高くなる。
【0038】
(6)メッセージデータの変換
登録メッセージ枠140に入力されたメッセージデータは、ユーザ端末50のキャリアに対応したデータ形式になっていないので、サーバ100においてデータ形式の変換処理が行われる。すなわち、サーバ100では、再生データ生成手段118(図2に示すメッセージデータ変換・格納プログラム)により、登録メッセージ枠140に入力されているメッセージデータを変換し、ユーザ端末50のキャリア毎に再生可能なデータ形式にした再生データを生成する。ここでは、携帯電話端末の通信事業者であるA社、B社、C社のそれぞれのキャリアに適合するように3つの異なる形式の再生データが生成される。生成された再生データは、再生データ登録手段120により、変換前の登録メッセージ枠140に対応した再生メッセージ枠150に登録される。なお、再生データの生成は、全キャリアに対応させるため3社に限られない。
【0039】
(7)注文データの受信
配送業者4は、顧客3から注文書60が送られてくると、注文データをサーバ100に送信する。注文データは配送業者端末40からインターネットNを介してサーバ100に送信される。ここで、注文データとは、注文書60に記入されている商品の送り主である顧客3の住所、氏名、顧客ID62に加え、商品の送り先となるユーザ5の宛名情報(住所、氏名)のほか、ユーザ5を識別するために個別に付与したユニークなユーザID(図2の例では00010a、00010b、00010c)を含むデータである。サーバ100では、注文データ受信手段121によって、配送業者端末40から送信された注文データを受信する。
【0040】
(8)商品の配送
注文データを受信すると、サーバ100は配送伝票用のプリントデータを生成する。すなわち、サーバ100は、配送伝票データ生成手段122(図2に示す配送伝票用プリントデータ生成プログラム)により、再生データと注文データに基づいて配送伝票70に印字するレイアウトに変換した配送伝票データを生成する。ここで、配送伝票データとは、図2に示すように送り主と送り先の宛名情報に加え、再生メッセージ枠150への接続アドレスとして、再生URLが記録されたQRコードを含むイメージ(画像)のPDFデータである。
【0041】
これに対し、配送業者4はサーバ100から配送伝票データをダウンロードする。ダウンロードは、配送業者端末40によりサーバ100からインターネットNを介して行われる。ダウンロードが完了すると、配送業者4では、配送業者端末40に接続されたプリンタ41を使用して配送伝票70を発行する。
【0042】
図5に一例を示すように、配送伝票70の所定箇所には、再生メッセージ枠150の再生URLを記録したQRコード71のほかに、送り主である顧客3の住所、氏名、顧客ID72と、送り先となるユーザ5の住所、氏名、ユーザID73が印字される。そして、この配送伝票70は商品に貼付され、送り先のユーザ5の元へ配送される。
【0043】
本実施形態では配送伝票70の見える位置にQRコード71を印字したが、配送中の不正な使用を防ぐため、QRコード71を隠蔽して送付する方法を採用しても良い。その方法としては、ユーザ5に送付される書類(例えば商品の納品書)にQRコード71を印字し、その書類を商品の箱に入れて送付する方法や、配送伝票70の裏面にQRコード71を印字する方法などが考えられる。配送伝票70の裏面に印字する場合には、例えば、実用新案登録第3112423号公報に記載された配送伝票を利用して両面印字する方法や、特開2006−281739号公報に記載された配送伝票を利用して二つ折りする方法を採用することができる。
【0044】
(9)メッセージの再生
商品が届けられると、ユーザ5は顧客3から送られたメッセージを再生することができる。メッセージの再生は、配送伝票70に印字されたQRコード71を、図6(a)に示すようにユーザ端末50に内蔵されたカメラで撮影して読み取り、QRコード71に記録された再生メッセージ枠150の再生URLにアクセスすることにより行う。
【0045】
再生URLにアクセスすると、まず図6(b)のログイン画面が現れるので、ユーザ5は配送伝票70に印字された自分のユーザID73(ユーザ1であれば00010a)を入力してログインする。ここで、サーバ100にてユーザID73による認証が行われ、認証の結果正当なIDであれば、図6(c)のトップ画面が開く。この画面においてメッセージの項目を選択すると、図6(d)のメッセージメニューが表示されるので、再生ボタンをクリックすると登録済みのメッセージデータを再生して視聴することができる。メッセージデータが再生されると、サーバ100の電子メール送信手段116により、顧客3のメールアドレスにメッセージ内容の再生完了を通知する確認メールが送信される。
【0046】
本実施形態では、メッセージの再生に際して図6(b)のログイン画面でユーザID73を入力させたが、このユーザID73の入力を省略し、QRコード71のみでログインさせても良い。すなわち、図6(a)のようにユーザ端末50でQRコード71を読み取った後に、図6(c)のトップ画面が直接開くようにすることもできる。
【0047】
また、図6(e)の再生ページでは、確認ボタンをクリックすることでメッセージを再度視聴することもできる。一方、このページで消去ボタンをクリックすると、再生メッセージ枠150内のメッセージデータが消去される。また、再生有効期間を経過した場合には、サーバ100において、登録メッセージ枠140内のメッセージデータと、再生メッセージ枠150内の再生データが共に消去される。
【0048】
ここで、再生有効期間の設定は、サーバ100において商品の到着日から所定期間(例えば到着日以降1ヶ月以内など)に設定することができる。商品の到着日の特定は、配送業者4が配送伝票70の配達票を持ち帰って、機械読み取りによる配送完了処理をする際に、配送業者端末40からサーバ100に配送日のデータを送信することにより行えば良い。
【0049】
なお、図6では音声や動画によるメッセージデータを再生して視聴したが、このメッセージデータは、サーバ100からダウンロードしてユーザ端末50に保存しておくことも可能である。
【0050】
以上説明したように、本実施形態のメッセージ配信システムSによれば、商品の送り主である顧客3は、注文書60に印字されたQRコード61を顧客端末30で読み取ることによってQRコード61に記録されたメッセージ登録ページ130にアクセスし、音声や動画によるメッセージデータをインターネットN上のサーバ100にアップロードすることができる。これに対し、商品の受取人であるユーザ5は、配送伝票70に印字されたQRコード71をユーザ端末50で読み取ることによってQRコード71に記録された再生メッセージ枠150に直接アクセスし、音声や動画によるメッセージデータをインターネットN上で再生して視聴することができる。
【0051】
したがって、このメッセージ配信システムSによれば、顧客3がユーザ5に対し、商品の配送に併せて任意のメッセージを届けることができる。また、会員登録されている顧客3に対しダイレクトメールを送付することによって、商品の販売促進とシステムの利用を図ることもできる。
【0052】
なお、本実施形態ではダイレクトメールの形態として封書を採用したが、これに替えて例えば往復ハガキや電子メールやWebによる形態も考えられる。これらの場合、商品の注文方法は、往復ハガキによるダイレクトメールであれば、注文情報を記入した返信ハガキを投函することにより行う。電子メールによるダイレクトメールの場合には、返信メールに注文情報を記入して送信すれば良い。また、Webによるダイレクトメールの場合には、Web画面に表示される申込フォームを印刷し、注文情報を記入して郵便またはファクシミリで送信するか、あるいはWeb画面の申込フォームに注文情報を直接入力して送信すれば良い。
【0053】
また、メッセージの入力時に使用するメッセージ登録ページ130への接続アドレスを、販売店2から顧客3へダイレクトメールを送付する際に注文書60に印字して事前通知したが、これに替えて顧客3からの注文を確認する際に事後通知しても良い。例えば、注文を受けた販売店2から顧客3に対して、ファクシミリで注文確認と接続アドレスを通知する方法が考えられる。また、販売店2から顧客3に対して、電子メールで受注確認と共に接続アドレスを送信する方法や、Web画面に接続アドレスを表示し、顧客3がプリンタで出力して控えておく方法を採用することができる。なお、顧客3から販売店2に電話を掛けて注文を行い、電話口で販売店2から顧客3に接続アドレスを通知することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によるメッセージ配信システムは、例えば以下のような様々な利用形態が考えられる。
A.お中元やお歳暮を送る際に、併せて挨拶を送る形態
B.父の日や母の日のプレゼントを送る際に、併せて感謝の言葉を送る形態
C.入学や卒業祝いのプレゼントを送る際に、併せてお祝いの言葉を送る形態
D.内祝いの品を送る際に、併せてお礼の言葉を送る形態
E.スポーツ観戦のチケット購入時に、併せて選手からのメッセージを届ける形態
F.企業のリクルートのDMを送る際に、併せて会社からのメッセージを送る形態
【符号の説明】
【0055】
S…メッセージ配信システム
N…インターネット
1…管理業者
2…販売店
3…顧客
4…配送業者
5…ユーザ
10…管理業者端末
20…販売店端末
30…顧客端末
40…配送業者端末
50…ユーザ端末
60…注文書
70…配送伝票
100…サーバ
110…Webサーバ
111…メッセージ枠設定手段
112…読み取りコード変換手段
113…読み取りコード登録手段
114…登録希望受信手段
115…登録先通知手段
116…電子メール送信手段
117…メッセージデータ受信手段
118…メッセージデータ登録手段
119…再生データ生成手段
120…再生データ登録手段
121…注文データ受信手段
122…配送伝票データ生成手段
130…メッセージ登録ページ
140…登録メッセージ枠
150…再生メッセージ枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客からユーザへの商品の配送時に顧客のメッセージを配信するメッセージ配信システムであって、
顧客が所有する顧客端末と、ユーザが所有するユーザ端末と、管理業者が所有する管理業者端末と、配送業者が所有する配送業者端末と、これらの端末からインターネットを介して接続されるサーバと、から構成されており、
サーバが、
管理業者端末からの指示に基づいて、商品の販売店別に設けたメッセージ登録ページ内に、複数個の登録メッセージ枠とこれに対応する再生メッセージ枠を設定するメッセージ枠設定手段と、
メッセージ登録ページにログインした顧客端末からメッセージ登録希望を受け付けた順に登録メッセージ枠を割り当てて、割り当てられた登録メッセージ枠への接続アドレスを当該顧客端末に通知する登録先通知手段と、
登録メッセージ枠への接続アドレスにアクセスした顧客端末からアップロードされるメッセージデータを、当該登録メッセージ枠に登録するメッセージデータ登録手段と、
登録メッセージ枠に登録されたメッセージデータをユーザ端末で再生可能な再生データに変換し、変換した再生データを当該登録メッセージ枠に対応した再生メッセージ枠に登録する再生データ登録手段と、
再生データが登録された再生メッセージ枠への接続アドレスと配送業者端末から送信される注文情報とに基づいて、配送伝票印字用のレイアウトに変換したデータを生成する配送伝票データ生成手段と、
を備えてなる、メッセージ配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のメッセージ配信システムにおいて、サーバが、メッセージ登録ページへの接続アドレスと再生メッセージ枠への接続アドレスをそれぞれ光学式読み取りコードに変換する読み取りコード変換手段を更に備えてなる、メッセージ配信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のメッセージ配信システムにおいて、登録先通知手段が、顧客端末からのメッセージ登録希望に対して電子メールで通知するものである、メッセージ配信システム。
【請求項4】
顧客からユーザへの商品の配送時に顧客のメッセージを配信するメッセージ配信システムにおいて、顧客が所有する顧客端末、ユーザが所有するユーザ端末、管理業者が所有する管理業者端末、及び配送業者が所有する配送業者端末からインターネットを介して接続されるサーバであって、
管理業者端末からの指示に基づいて、商品の販売店別に設けたメッセージ登録ページ内に、複数個の登録メッセージ枠とこれに対応する再生メッセージ枠を設定するメッセージ枠設定手段と、
メッセージ登録ページにログインした顧客端末からメッセージ登録希望を受け付けた順に登録メッセージ枠を割り当てて、割り当てられた登録メッセージ枠への接続アドレスを当該顧客端末に通知する登録先通知手段と、
登録メッセージ枠への接続アドレスにアクセスした顧客端末からアップロードされるメッセージデータを、当該登録メッセージ枠に登録するメッセージデータ登録手段と、
登録メッセージ枠に登録されたメッセージデータをユーザ端末で再生可能な再生データに変換し、変換した再生データを当該登録メッセージ枠に対応した再生メッセージ枠に登録する再生データ登録手段と、
再生データが登録された再生メッセージ枠への接続アドレスと配送業者端末から送信される注文情報とに基づいて、配送伝票印字用のレイアウトに変換したデータを生成する配送伝票データ生成手段と、
を備えてなる、サーバ。
【請求項5】
請求項4に記載のサーバにおいて、メッセージ登録ページへの接続アドレスと再生メッセージ枠への接続アドレスをそれぞれ光学式読み取りコードに変換する読み取りコード変換手段を更に備えてなる、サーバ。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のサーバにおいて、登録先通知手段が、顧客端末からのメッセージ登録希望に対して電子メールで通知するものである、サーバ。
【請求項7】
コンピュータを、請求項4〜6のいずれか1項に記載のサーバとして機能させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−159016(P2011−159016A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18702(P2010−18702)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000186566)小林クリエイト株式会社 (169)
【Fターム(参考)】