説明

メディア・ポータル装置、並びに、メディア・サービス処理システム、方法、及びプログラム

【課題】単一のネットワークで又はネットワークを跨いで提供されるメディア・サービスを簡単な手続きで提供するシステム構築やシステムのノードを実現する。
【解決手段】ユーザ端末11,16と、メディア・サービスをユーザ端末に提供する単一又は複数のネットワーク内に存在する複数のアプリケーション・サーバ32,33の間に、シングル・ノードのメディア・ポータル2を導入する。メディア・ポータル2は、複数のアプリケーション・サーバ32,33がユーザに提供するメディア・サービスの一覧を管理し、ユーザ端末11,16に、それらのメディア・サービスの一覧を提供すると共に、ユーザ端末から指定されたメディア・サービスを提供するアプリケーション・サーバへの利用手続き、メディア・サービス提供者からユーザへの追加、変更、削除の通知、ユーザ端末とアプリケーション・サーバの接続等を代行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワークにおいてメディア・サービス事業者等のメディア・サービス提供者からユーザに提供されるメディア・サービスを一元的に管理、処理するメディア・ポータル装置、並びに、メディア・サービス処理システム、方法、及びプログラムに係り、詳しくは、単一又は複数のネットワーク内に存在する複数のメディア・サービス提供者のアプリケーション・サーバがユーザに提供するメディア・サービスの一覧を管理し、ユーザからのアクセスに対してそれらのメディア・サービスの一覧を提供するとともに、ユーザから指定されたメディア・サービスを提供するアプリケーション・サーバへのユーザ登録、メディア・サービス提供者からのユーザへの通知、ユーザ端末とアプリケーション・サーバの接続等を代行するメディア・ポータル装置、並びに、メディア・サービス処理システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のメディア・サービスを提供するシステムとしては、SIP(Session Initiation Protocol)パケットの転送機能を有するSIP/IP(Internet Protocol)コア網と、SIP/IPコア網が導入されていない一般IPネットワークとがある。SIP/IPコア網の代表例としては、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規定されるIMS(IP Multimedia Subsystem)網がある。SIP/IPコア網に接続されているユーザ端末は、メディア・サービスを提供するサーバ(アプリケーション・サーバ)のURI(Uniform Resource Identifier)を指定してセッション要求パケットを直接送付するか、サービス名をセッション要求パケットに記載してSIP/IPコア網に適切なサーバヘの転送を依頼することが可能である。なお、IMSについては、文献「3GPP TS 23.228 V6.4 “3rd Generation Pertnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; IP Multimedia Subsystem(IMS); Stage 2”」に記載がある。
【0003】
図13は、従来のメディア・サービスを提供するシステム構成の一例を示す図である。同図にあるように、各ユーザ端末#1(11),#2(12)は、個別のネットワーク(この例では、携帯キャリア網)#1(21),#2(22)内に各SIPプロキシ・サーバ#1(61),#2(62)を有してなるSIP/IPコア網#1(51),#2(52)内のみにて各アプリケーション・サーバ#1(31),#2(32)が提供するメディア・サービスが利用可能となっている。各ネットワーク及びSIP/IPコア網は、それぞれのゲートウェイ#1(41),#2(42)を介して、IPネットワーク1に接続されている。上述のメディア・サービスの一つにより、一つの携帯キャリア網のユーザ端末が、携帯キャリア網間のゲートウェイ#1(41),#2(42)とIPネットワーク1を経由して、他の携帯キャリア網のユーザ端末と通話することが可能となっている。
【0004】
SIP/IPコア網に接続されているユーザ端末に対するメディア・サービスの他の例としては、SIPサーバと位置情報サーバを連携させて、ユーザ端末から指定された呼び出し先端末の位置情報に対して当該位置情報に関連付けられた呼び出し先端末のIPアドレスを提供する技術(特許文献1)や、SIPサーバにより、SIPを異なるマシンのJava(登録商標) RMI分散オブジェクト(プログラム)間の通信の確立に適用して、ネットワークを通じてアプリケーション・プログラム同士が通信できるようにし、Peer-to-Peer通信の色々なアプリケーションの提供を可能とする技術(特許文献2)、SIPプロキシ・サーバが、電話番号を媒介としてファクシミリ装置等のユーザ端末にIPアドレスを提供し、当該ユーザ端末が、IPネットワークを介してデータ通信を可能とする技術(特許文献3)、SIPを使用し、IPネットワークとIMSの統合を可能として、IP電話の音声及びビデオ・メッセージの預託、検索のために必要なシグナリングを処理する技術(特許文献4)等がある。
【特許文献1】特開2002−152805号公報
【特許文献2】特開2003−022250号公報
【特許文献3】特開2004−147128号公報
【特許文献4】特表2003−515968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来のメディア・サービスを提供するシステムや技術においては、以下に列記するような課題があった。
(a)ユーザ端末は、複数のキャリア網やIPネットワーク上の独立サイトにまたがって、VoIP(Voice over Internet Protocol)やPoC(Push-to-Talk over Cellular)などのメディア・サービスを利用する仕組みがないため、単一の携帯キャリア網等のネットワークの内部で提供されているメディア・サービスのみしか利用できなかった。
【0006】
(b)あるユーザが利用できるメディア・サービスを、ユーザが手動で手続きをせずに自動的に検索・登録・更新する手段がないか、あったとしても複雑かつ高価なシステムにせざるを得なかった。携帯キャリア網がIMSを導入すれば、その範囲内ではメディア・サービスの自動検索をすることができるが、IMSが導入されていないIPネットワークにおいて、複数キャリア網やプロバイダにまたがってメディア・サービスを利用しようとすると、それを実現する仕組みがなかった。
【0007】
(c)SIP/IPコア網が導入されていないネットワークにユーザ端末が接続されている場合、ユーザ端末は、利用したいと思うメディア・サービスを提供し、処理するメディア・サービス提供者のサーバに直接アクセスできる必要があった。また、SIP/IPコア網が導入されていないネットワークにユーザ端末が接続されている場合、メディア・サービスの提供・追加・変更・削除が発生しても、ユーザ端末はそれを知る手段がなかった。
【0008】
(d)複数のキャリア網が提供するメディア・サービスをユーザ端末が利用可能な場合でも、ユーザ端末は、キャリア網ごとにメディア・サービスの利用手続きをとったり、複数のキャリア網のSIP/IPコア網に接続したりしなければならなかった。
【0009】
(e)ユーザ端末は、複数のメディア・サービスを利用する場合、個別に各メディア・サービス提供者(アプリケーション・サーバ)のサイトにアクセスして、利用手続きやアプリケーション・ダウンロードをしたり、メディア・サービスの利用条件について問い合わせたりする必要があった。
【0010】
(f)ユーザが、メディア・サービスを利用するためにメディア・サービス提供者(アプリケーション・サーバ)にアクセスして利用手続きをする場合に、ユーザ個人に関する情報(設定・登録、決済・課金、等)が必要になることがあるが、従来のシステムでは、このユーザ個人に関する情報(ユーザ情報)は、ユーザ端末から提供するか、予めメディア・サービス提供者(アプリケーション・サーバ)がアクセスすることができる管理ノードにユーザ端末が登録し、その管理ノードから提供する必要があった。すなわち、メディア・サービス提供者ごとにユーザ情報を管理していなければならなかった。
【0011】
(g)個々のユーザ端末が、各メディア・サービス提供者のサイトに自らを登録して、メディア・サービスの追加・変更・削除について連絡を受はる方法がある。例えば、メール配信サービスに登録して、メディア・サービスの追加・変更・削除の通知を受ける方法が使われている。しかし、この方法では、興味のあるメディア・サービス提供者全てのサイトに登録しておく必要があること、登録していないメディア・サービス提供者のサイトからは通知が来ないこと、という問題があった。
【0012】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであって、ネットワーク内で、あるいはネットワークをまたいで提供される多様なメディア・サービスを簡単な手続きによって提供できるシステム構築、あるいはシステムを構成するノードを実現し、例えば、IP電話、PTT(Push-to-Talk)、Web会議、電話会議、テレビ会議、自動翻訳、などのメディア・サービスを、個別のメディア・サービス事業者等に登録していない一般のネットワーク・ユーザに対して簡易な手続きで提供するメディア・ポータル装置、並びに、メディア・サービス処理システム、方法、及びプログラムを提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、メディア・ポータル装置に係り、単一のネットワークで、もしくはネットワークをまたいで複数のメディア・サービス提供元が接続され、アクセス手順を含むメディア・サービス提供元毎の利用条件を記載したエントリから成るメディア・サービスの一覧リストを格納する第1のデータ・べースを内蔵するか、もしくは外部に接続し、論理的に単一のノードとしてアクセス可能にネットワーク上に接続したメディア・ポータル装置であって、メディア・サービス提供元の要求に応じて前記第1のデータ・べースに対し前記エントリを追加又は変更又は削除する第1の機能手段と、アクセスしたユーザ端末に対して前記メディア・サービスの一覧リストを提供する第2の機能手段と、アクセスしたユーザ端末から指定されたメディア・サービスを利用する為のメディア・サービス提供元への手続きを当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第3の機能手段と、アクセスしたユーザ端末からのメディア・サービスの利用の要求に応じて当該ユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第4の機能手段とを、有することを特徴としている。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のメディア・ポータル装置に係り、ユーザもしくはユーザ端末毎にユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を格納する第2のデータ・べースを内蔵するか、もしくは外部に接続し、ユーザ端末からの要求に応じて当該ユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を追加又は変更又は削除する第5の機能手段を有するとともに、前記第2のデータ・べースに格納された登録情報及び属性情報の一方又は双方を用いて、前記第3の機能手段が、前記登録されたユーザもしくはユーザ端末の手続きを代行するものであり、同じく前記第4の機能手段が、前記登録されたユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を代行するものであることを特徴としている。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のメディア・ポータル装置に係り、前記第3の機能手段が、メディア・サービスを利用する為にはユーザ端末にアプリケーションをダウンロードする必要がある場合、第1のデータ・べースに格納されているメディア・サービス一覧リストの当該メディア・サービスのエントリの利用条件として記載されたダウンロード手順に従い、当該ユーザ端末に代わってダウンロード先からアプリケーションを取得し、当該ユーザ端末に転送する機能を有するものであることを特徴としている。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、請求項1又は2又は3記載のメディア・ポータル装置に係り、前記第1の機能手段が、前記エントリを追加又は変更又は削除した場合、予め通知の希望を登録したユーザ端末に対して当該メディア・サービスの追加又は変更又は削除を通知する機能を有するものであることを特徴としている。
【0017】
また、請求項5記載の発明は、メディア・サービス処理システムに係り、論理的に単一のノードとしてアクセス可能なメディア・ポータル装置と、このメディア・ポータル装置に単一のネットワークで、もしくはネットワークをまたいで接続された複数のメディア・サービス提供元と、前記メディア・ポータル装置にアクセスするユーザ端末とから構成されたメディア・サービス処理システムであって、
前記メディア・サービス提供元が、前記メディア・ポータル装置に対して、アクセス手順を含む利用条件を記載したエントリの追加又は変更又は削除を要求する機能手段と、前記メディア・ポータル装置が代行するユーザ端末の利用の手続きを許可する機能手段と、前記メディア・ポータル装置を介し前記許可したユーザ端末からの利用の要求に応じてメディア・サービスを提供する機能手段とを有するものであり、
前記ユーザ端末が、前記メディア・ポータル装置に対してメディア・サービスの一覧リストを要求しユーザに提示する機能手段と、前記ユーザにより指定されたメディア・サービスの利用の手続きを前記メディア・ポータル装置に対して指定する機能手段と、前記ユーザにより指定されたメディア・サービスの利用の要求を前記メディア・ポータル装置に対して行う機能手段とを有するものであり、
前記メディア・ポータル装置が、メディア・サービス提供元の要求に応じて前記エントリを追加又は変更又は削除する第1の機能手段と、アクセスしたユーザ端末に対して前記メディア・サービスの一覧リストを提供する第2の機能手段と、アクセスしたユーザ端末から指定されたメディア・サービスを利用する為のメディア・サービス提供元への手続きを当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第3の機能手段と、アクセスしたユーザ端末からのメディア・サービスの利用の要求に応じて当該ユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第4の機能手段とを有するものであることを特徴としている。
【0018】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載のメディア・サービス処理システムに係り、前記ユーザ端末において、前記メディア・ポータル装置に対して当該ユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を追加又は変更又は削除を要求する機能手段を有し、
前記メディア・ポータル装置において、ユーザ端末からの要求に応じて当該ユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を追加又は変更又は削除する第5の機能手段を有するとともに、前記登録情報及び属性情報の一方又は双方を用いて、前記第3の機能手段が、前記登録されたユーザもしくはユーザ端末の手続きを代行するものであり、同じく前記第4の機能手段が、前記登録されたユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を代行するものであることを特徴としている。
【0019】
また、請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載のメディア・サービス処理システムに係り、前記メディア・ポータル装置において、前記第3の機能手段が、メディア・サービスを利用する為にはユーザ端末にアプリケーションをダウンロードする必要がある場合、メディア・サービス一覧リストの当該メディア・サービスのエントリの利用条件として記載されたダウンロード手順に従い、当該ユーザ端末に代わってダウンロード先からアプリケーションを取得し、当該ユーザ端末に転送する機能を有するものであることを特徴としている。
【0020】
また、請求項8記載の発明は、請求項5又は6又は7記載のメディア・サービス処理システムに係り、前記メディア・ポータル装置において、前記第1の機能手段が、前記エントリを追加又は変更又は削除した場合、予め通知の希望を登録したユーザ端末に対して当該メディア・サービスの追加又は変更又は削除を通知する機能を有するものであることを特徴としている。
【0021】
また、請求項9記載の発明は、メディア・サービス処理方法に係り、論理的に単一のノードとしてアクセス可能なメディア・ポータル装置と、このメディア・ポータル装置に単一のネットワークで、もしくはネットワークをまたいで接続された複数のメディア・サービス提供元と、前記メディア・ポータル装置にアクセスするユーザ端末とから構成されたシステムのメディア・サービス処理方法であって、
前記メディア・サービス提供元が、前記メディア・ポータル装置に対して、アクセス手順を含む利用条件を記載したエントリの追加又は変更又は削除を要求する第1段階と、前記メディア・ポータル装置が、メディア・サービス提供元の要求に応じて前記エントリを追加又は変更又は削除する第2段階と、前記ユーザ端末が、前記メディア・ポータル装置に対してメディア・サービスの一覧リストを要求する第3段階と、前記メディア・ポータル装置が、前記ユーザ端末に対して前記メディア・サービスの一覧リストを提供する第4段階と、前記ユーザ端末が、前記メディア・サービスの一覧リストをユーザに提示して前記ユーザにより指定されたメディア・サービスの利用の手続きを前記メディア・ポータル装置に対して指定する第5段階と、前記メディア・ポータル装置が、前記ユーザ端末から指定されたメディア・サービスを利用する為のメディア・サービス提供元への手続きを当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第6段階と、前記メディア・サービス提供元が、前記メディア・ポータル装置で代行するユーザ端末の利用の手続きを許可する第7段階と、前記ユーザ端末が、前記ユーザにより指定されたメディア・サービスの利用の要求を前記メディア・ポータル装置に対して要求する第8段階と、前記メディア・ポータル装置が、前記ユーザ端末からのメディア・サービスの利用の要求に応じて当該ユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第9段階と、前記メディア・サービス提供元が、前記メディア・ポータル装置を介し前記許可したユーザ端末からの利用の要求に応じてメディア・サービスを提供する第10段階とを有することを特徴としている。
【0022】
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載のメディア・サービス処理方法に係り、前記第5段階の前に、前記ユーザ端末が、前記メディア・ポータル装置に対して当該ユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を追加又は変更又は削除を要求する第11段階と、前記メディア・ポータル装置が、前記ユーザ端末からの要求に応じて当該ユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を追加又は変更又は削除する第12段階を有するとともに、
前記第6段階では、前記登録情報及び属性情報の一方又は双方を用いて、前記登録されたユーザもしくはユーザ端末の手続きを代行し、前記第9段階では、前記登録情報及び属性情報の一方又は双方を用いて、前記登録されたユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を代行することを特徴としている。
【0023】
また、請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載のメディア・サービス処理方法に係り、前記第6段階では、メディア・サービスを利用する為にはユーザ端末にアプリケーションをダウンロードする必要がある場合、メディア・サービス一覧リストの当該メディア・サービスのエントリの利用条件として記載されたダウンロード手順に従い、当該ユーザ端末に代わってダウンロード先からアプリケーションを取得し、当該ユーザ端末に転送することを特徴としている。
【0024】
また、請求項12記載の発明は、請求項9又は10又は11記載のメディア・サービス処理方法に係り、前記第2段階では、前記エントリを追加又は変更又は削除した場合、予め通知の希望を登録したユーザ端末に対して当該メディア・サービスの追加又は変更又は削除を通知することを特徴としている。
【0025】
また、請求項13記載の発明は、メディア・サービス処理プログラムに係り、単一のネットワークで、もしくはネットワークをまたいで複数のメディア・サービス提供元が接続され、アクセス手順を含むメディア・サービス提供元毎の利用条件を記載したエントリから成るメディア・サービスの一覧リストを格納する第1のデータ・べースを内蔵するか、もしくは外部に接続し、論理的に単一のノードとしてアクセス可能にネットワーク上に接続したメディア・ポータル装置におけるメディア・サービス処理プログラムであって、
メディア・サービス提供元の要求に応じて前記第1のデータ・べースに対し前記エントリを追加又は変更又は削除する第1手順と、アクセスしたユーザ端末に対して前記メディア・サービスの一覧リストを提供する第2手順と、アクセスしたユーザ端末から指定されたメディア・サービスを利用する為のメディア・サービス提供元への手続きを当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第3手順と、アクセスしたユーザ端末からのメディア・サービスの利用の要求に応じて当該ユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第4手順とを、コンピュータに実行させるためのものである。
【0026】
また、請求項14記載の発明は、請求項13記載のメディア・サービス処理プログラムに係り、前記メディア・ポータル装置がユーザもしくはユーザ端末毎にユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を格納する第2のデータ・べースを内蔵するか、もしくは外部に接続しており、
前記第3手順の前に、ユーザ端末からの要求に応じて当該ユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を追加又は変更又は削除する第5手順を有するとともに、前記第3手順では、前記第2のデータ・べースに格納された登録情報及び属性情報の一方又は双方を用いて、前記登録されたユーザもしくはユーザ端末の手続きを代行し、前記第4手順では、前記第2のデータ・べースに格納された登録情報及び属性情報の一方又は双方を用いて、前記登録されたユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を代行することを特徴としている。
【0027】
また、請求項15記載の発明は、請求項13又は14記載のメディア・サービス処理プログラムに係り、前記第3手順では、メディア・サービスを利用する為にはユーザ端末にアプリケーションをダウンロードする必要がある場合、第1のデータ・べースに格納されているメディア・サービス一覧リストの当該メディア・サービスのエントリの利用条件として記載されたダウンロード手順に従い、当該ユーザ端末に代わってダウンロード先からアプリケーションを取得し、当該ユーザ端末に転送することを特徴としている。
【0028】
また、請求項16記載の発明は、請求項13又は14又は15記載のメディア・サービス処理プログラムに係り、前記第1手順では、前記エントリを追加又は変更又は削除した場合、予め通知の希望を登録したユーザ端末に対して当該メディア・サービスの追加又は変更又は削除を通知することを特徴としている。
【発明の効果】
【0029】
以上で説明した請求項1,5,9,13の発明の構成によれば、第1の効果として、ユーザ端末は、メディア・ポータル装置の単一のノードのアドレス(URI等)のみを知っていれば、利用が許可されている全てのメディア・サービスを利用することが可能となる。ユーザ端末は、利用したいメディア・サービスを指定してメディア・ポータル装置にメディア・サービス利用の要求を送付すれば、メディア・ポータル装置が適切なメディア・サービス提供元(アプリケーション・サーバ等)にメディア・サービス利用の要求を転送してくれるため、複数キャリア網等のネットワークやプロバイダにまたがるメディア・サービスの利用が可能となる。
【0030】
同じく、請求項1,5,9,13の発明の構成によれば、第2の効果として、ユーザ端末が複数キャリア網等(SIP/IPコア網等)のネットワークにまたがったメディア・サービスを利用する場合、メディア・ポータル装置が複数キャリア網等のメディア・サービス提供元ヘの接続を代行してくれるため、ユーザ端末が複数キャリア網等に個別に接続する必要はなくなる。
【0031】
同じく、請求項1,5,9,13の発明の構成によれば、第3の効果として、ユーザ端末は、メディア・ポータル装置にのみアクセスすれば、メディア・サービスを利用する為の手続きをしたり、アプリケーションをダウンロードしたり、メディア・サービスの利用条件について問い合わせたりすることができるようになり、個別のメディア・サービス提供元(アプリケーション・サーバ等)にアクセスする必要がなくなる。
【0032】
また、請求項2,6,10,14の発明の構成によれば、メディア・サービス提供元ごとにユーザ情報を管理していなくとも、メディア・ポータル装置がメディア・サービス提供者に代わって自らに接続されたユーザ端末の属性情報や登録情報を格納した第2のデータ・べースを参照することで、メディア・サービスの手続きや許可、提供等に必要な個人情報が利用できるようになる。
【0033】
また、請求項3,7,11,15の発明の構成によれば、メディア・サービスを利用する為にはユーザ端末にアプリケーションをダウンロードする必要がある場合に、ユーザ端末がメディア・ポータル装置にアクセスしてメディア・サービスを利用する為の手続きさえすれば、メディア・ポータル装置がユーザ端末に代わってアプリケーションをダウンロードして取得してくれるため、ユーザ端末は、メディア・サービスを利用する為に必要なアプリケーションを自動的に入手することができる。
【0034】
また、請求項4,8,12,16の発明の構成によれば、ユーザ端末がメディア・ポータル装置に対してメディア・サービスの追加又は変更又は削除に関する状況を通知するよう要求・登録しておけば、実際にメディア・サービスの追加又は変更又は削除が発生したときに、ユーザ端末は、メディア・ポータル装置経由でその通知を受けることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
この発明は、上述の目的を、PoC、IM(インスタント・メッセージ)、VoIP、画像・映像配信、ホワイト・ボード、ストリミング、Web、メールなどの複数・多様なメディア・サービスをユーザ端末に対して提供するアプリケーション・サーバ群からなるメディア・サービス・システムにおいて、ユーザ端末とアプリケーション・サーバ群との間に「メディア・ポータル」と称するシングル・ノードの装置を導入することで解決するのが趣旨である。メディア・ポータルは、以下の特徴を持つ。
【0036】
(1)メディア・ポータルは、現在利用可能なメディア・サービスの一覧を管理している。即ち、メディア・ポータルは、現在利用可能なメディア・サービスの一覧リストを格納したデータ・べースを内蔵するか、もしくは外部に接続されており、メディア・サービス提供者からの要求に応じて、同リストのエントリを追加・変更・削除できる機能手段を有する。メディア・ポータル側のデータ・べースに格納されているメディア・サービス一覧リストの各エントリには該当するメディア・サービスを利用するための諸条件が記載されている。ネットワークのインフラ側(メディア・サービス提供者側)で新たにメディア・サービスを追加する場合や、既存のメディア・サービスを変更・削除する場合などでは、所定の手続きを経てメディア・ポータルに通知する。
【0037】
(2)メディア・ポータル側のデータ・べースに格納されているメディア・サービス一覧リストの各エントリには、該当するメディア・サービスを指定するメディア・タイプ(MIME(Multipurpose Internet Mail Extension)TYPE)が記載されており、同メディア・タイプをキーワードとしてエントリを検索する機能を有している。このメディア・サービス一覧リストの各エントリには、該当するメディア・サービスを提供するアプリケーション・サーバヘのアクセス手順(URI,IPアドレス/ポート番号、アクセス認証情報、VPN(Virtual Private Network)設定パラメータ等)が記載されている。
【0038】
(3)メディア・ポータルは、既存のIPネットワークによるルーティング(DNS;Domain Name System)により到達可能なシングル・ノードとしてユーザに見えるように設定し、ネットワークに接続する。メディア・ポータルは、論理的(仮想的)なシングル・ノードであってもかまわない。例えば、単一のIPアドレスで到達可能だが、物理的には複数ノードによる分散化や、別なノードヘの転送処理のみを実施する負荷分散処理ノードであってもかまわない。
【0039】
(4)メディア・サービス提供者のアプリケーション・サーバは、メディア・ポータルに対して、アクセス手順を含む利用条件を記載したエントリの追加・変更・削除を要求する機能手段と、メディア・ポータルが代行するユーザ端末の利用手続きを許可する機能手段と、メディア・ポータルを介し、この許可したユーザ端末からの利用の要求に応じてメディア・サービスを提供する機能手段とを有し、メディア・サービスに追加・変更・削除が発生した場合には、全てメディア・ポータルに申告するように設定される。
【0040】
(5)メディア・ポータルは、ユーザ端末の要求に応じてメディア・サービス一覧リストを提供する機能手段を有しており、ユーザ端末が現在利用可能なメディア・サービスを知りたい場合には、メディア・ポータルに問い合わせることで、現在利用可能なメディア・サービス一覧リストを入手できる。また、メディア・ポータルは、メディア・サービスの追加・変更・削除を自動的にユーザ端末に通知する機能手段を有し、ユーザ端末がこの通知を受けたい場合は、予めメディア・ポータルに追加・変更・削除の通知を要求、登録しておくことで、メディア・サービスの追加・変更・削除が発生した場合には、このユーザ端末は自動的にその通知を取得できる。
【0041】
(6)メディア・ポータルは、あるメディア・サービスを利用したいユーザが要求を送付するシングル・ノードであり、同サービスを利用する前に必要となる諸手続き(利用申請・許可、課金・決済、アプリケーション・ダウンロードなど)をユーザに代わって処理する機能手段を有する。例えば、ユーザ端末がある事業者が提供するメディア・サービスを利用する場合、利用に先立って登録(REGISTRATION)をしておくことが必要である。ユーザ端末が、メディア・ポータルにREGISTRATION要求パケットを送付すると、メディア・ポータルは、メディア・サービス事業者等(アプリケーション・サーバ)を検索し、その事業者からエントリに申告されているアドレスにREGISTRATION要求パケットを転送して登録手続きの作業を代行する。こうすることにより、ユーザは利用したいメディア・サービスのサービス名とメディア・ポータルのアドレスのみを知っていれば、そのメディア・サービスを提供する事業者の情報を知らなくても、メディア・サービスを利用することができる。
【0042】
(7)メディア・ポータルは、ユーザ端末とメディア・サービス事業者等(アプリケーション・サーバ)の接続を代行する機能手段を有し、SIP/IPコア網のフロント・エンドに配置させることが可能であり、SIP処理をサポートしていないユーザ端末に対しては、HTML(HyperText Markup Language)/HTTP(HyperText Transfer Protocol)やSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)といった他のプロトコルでのインタフェースを提供し、これらSIP以外のプロトコルを経由してシグナリング処理を代行することができる。メディア・ポータルは、例えば、SIP/IPコア網の外に配置して携帯キャリア網のSIP/IPコア網(例えば、IMS網)のゲートウェイにVPN(Virtual Private Network)接続することにより、SIP/IPコア網の外に配置することが可能である。
【0043】
(8)メディア・ポータルは、各ユーザもしくは各ユーザ端末の登録情報及び属性情報を格納したデータ・べースを内蔵するか、もしくは外部の管理ノードのデータ・べースに接続されている。登録情報にはサービス利用時に必要となる認証情報も含まれる。この管理ノードは、ユーザ(端末)情報を格納して管理する他に、上述のメディア・サービス一覧リストを格納して、各メディア・サービスの利用条件を管理する機能手段を兼ねるものであってもかまわない。メディア・ポータルが外部の管理ノードに接続されている場合、メディア・ポータルは管理ノードヘの接続情報を持っており、あるユーザ(端末)から、あるメディア・サービスの利用要求を受信すると管理ノードに問い合わせる。メディア・ポータルは、所定の手続きを経て登録されたユーザもしくはユーザ端末について、そのアクセス手順(プロトコル名、URI、IPアドレス/ポート番号、アクセス認証情報等)及び登録を希望するシグナリング網(SIP/IPコア網、あるいはその中の特定のSIPプロキシ・サーバ等)及び利用するメディア・タイプ等の登録情報及び属性情報を、上記内部もしくは外部の記憶デバイスであるデータベースに記録するとともに、これらの情報に追加や変更が生じたり、要求されたりした場合には,同記録を追加・変更し、登録が解消(解除)された時点で同記録を消去する機能手段を有する。
【0044】
(9)メディア・サービスを利用するためには、ユーザ端末にアプリケーションをダウンロードする必要がある場合、メディア・ポータルに格納されているメディア・サービス一覧リストの各エントリには該当するアプリケーションのダウンロード手順(URI、取得に必要なプロトコル、アクセス認証情報など)が記載されており、且つ、メディア・ポータルは同ダウンロード手順に従うことでユーザに代わってアプリケーションを取得し、ユーザ端末に転送する機能手段を有する。
【0045】
(10)以上のシステムで用いられるユーザ端末は、メディア・ポータルにアクセスしてメディア・サービスの一覧リストを要求しユーザに提示する機能手段と、ユーザにより指定されたメディア・サービスの利用手続きをメディア・ポータルに対して指定する機能手段と、ユーザにより指定されたメディア・サービスの利用の要求をメディア・ポータルに対して行う機能手段とを有するものとなる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用いて具体的に行う。
【実施例】
【0046】
まず、この発明の一実施例を説明する。図1は、この実施例のメディア・サービス処理を実施するネットワーク構成を示す図である。図1にあるように、この実施例では、ネットワーク#1(21)に接続されたユーザ端末#1(11)と、ネットワーク#2(22)に接続されたアプリケーション・サーバ#2(32)と、ネットワーク#3(23)に接続されたアプリケーション・サーバ#3(33)と、ネットワーク#4(24)に接続されたユーザ情報管理サーバ3と、ネットワーク#5(25)に接続されたメディア・ポータル2及びサービス・リスト4とが、各々ゲートウェイ#1(41)、ゲートウェイ#2(42)、ゲートウェイ#3(42)、ゲートウェイ#4(44)、及びメディア・ポータル2を介してIPネットワーク1に接続されている。メディア・ポータル2は、IPネットワーク1上で単一のURIによってアクセスできるように設定する。
【0047】
図2は、この実施例において、アプリケーション・サーバが特定のSIP/IPコア網にREGISTRATIONされて接続されている場合のメディア・ポータルとアプリケーション・サーバの関係を示した図である。図2において、ネットワーク#2(22)に接続されているアプリケーション・サーバ#2(32)は、図略のSIPプロキシ・サーバを有してなるSIP/IPコア網#2(52)にREGISTRATIONされて接続されている。これらのネットワーク#2(22)及びSIP/IPコア網#2(52)は、ゲートウェイ#2(42)を介してIPネットワーク1に接続されている。一方、メディア・ポータル2は、ネットワーク#5(25)に接続されているとともに、IPネットワーク1に接続されている。アプリケーション・サーバ#2(32)とメディア・ポータル2とは、ゲートウェイ#2(42)とIPネットワーク1を介して接続を図ることになる。
【0048】
図3は、この実施例において、ユーザ端末が特定のSIP/IPコア網にREGISTRATIONされて接続されている場合のメディア・ポータルとユーザ端末の関係を示した図である。ネットワーク#6(26)に接続されているユーザ端末#6(16)は、図略のSIPプロキシ・サーバを有してなるSIP/IPコア網#6(56)にREGISTRATIONされて接続されている。これらのネットワーク#6(26)及びSIP/IPコア網#6(56)は、ゲートウェイ#6(46)を介してIPネットワーク1に接続されている。一方、メディア・ポータル2は、ネットワーク#5(25)に接続されているとともに、IPネットワーク1に接続されている。ユーザ端末#6(16)とメディア・ポータル2とは、ゲートウェイ#6(46)とIPネットワーク1を介して接続を図ることになる。
【0049】
以下に、メディア・サービスの追加・変更・削除要求の処理結果を格納するサービス・リスト4の実施例を記す。図4は、サービス・リスト4の構成例を示すブロック図である。この実施例においては、アプリケーション・サーバから送付されたメディア・サービスの追加・変更・削除要求による処理結果は、メディア・ポータル2に接続されているサービス・リスト4に反映される。サービス・リスト4はデータ・べースにて構成される。サービス・リスト4をメディア・ポータル2内に内蔵することでも、この発明の効果が得られる。あるいは、ネットワーク#5(25)内の独立したノードとして、あるいは、ネットワーク#5(25)の外に設置されたIPネットワーク1経由でアクセスできるノードとして、実現することも可能である。サービス・リスト4に登録された各メディア・サービスの属性が記載されている各エントリには、該当するメディア・サービスのメディア・タイプ、アプリケーション・サーバヘのアクセス手順、メディア・サービス利用の諸条件、ユーザ端末アプリケーションのダウンロード手順等が記載されている。
【0050】
図5は、サービス・リスト4の各エントリに記載されるサービス情報の一例を示す図である。図4及び図5に示すように、サービス・リスト4の各エントリには、以下を記載することが可能である。
1)サービス登録番号。
2)メディア・タイプ:例えば、MIME TYPE(例:audio,video)。
3)サーバ・アクセス方法:URIもしくはIPアドレス、ポート番号、認証情報(例:ユーザID、パスワード)。
4)セッション要求の転送先:URIもしくはIPアドレス、ポート番号、認証情報(例:ユーザID、パスワード)。
5)メディア・サービス利用に必要なユーザ登録情報の指定:例えば、事業者URI、サービス名、サービス・オプション、ユーザID、パスワード。
6)利用可能なメディア・サービス種類:例えば、音声のみ、低音質、等。
7)利用に必要なリソース:例えば、ユーザ端末プロファイル(ユーザ端末のCPU能力、ユーザ端末のメモリ容量)、ユーザ端末アプリケーションの必要性(ユーザ端末アプリケーションの指定、ユーザ端末アプリケーションで必要となるパラメータ情報)。
8)利用制限:例えば、利用時間、参加人数。
9)ユーザ端末アプリケーションのダウンロード手順:ダウンロード・サイトのURI、取得に必要なプロトコル(例:HTTP,FTP(File Transfer Protocol))、アクセス認証情報(例:ユーザID、パスワード)。
サービス・リスト4は、データ・べース検索の機能を有しており、例えば、メディア・タイプを指定すると、該当するメディア・サービスのエントリを出力する機能手段を有する。
【0051】
以下に、ユーザもしくはユーザ端末の登録情報や属性情報を格納するユーザ情報管理サーバ3の実施例を記す。図6は、ユーザ情報管理サーバ3の構成例を示すブロック図である。この発明の一実施例として、メディア・ポータル2はユーザ情報管理サーバ3にアクセスすることが可能なようにシステムを設定する。
【0052】
図7は、ユーザ情報管理サーバ3に格納されるユーザもしくはユーザ端末の登録情報や属性情報の一例を示す図である。ユーザ情報管理サーバ3には、例えば、図6及び図7に示すように、以下の情報が格納される。
11)ユーザID:ユーザを識別するID情報。
12)登録情報:ユーザが登録しているメディア・サービスに関連する情報:(例)ユーザが契約している事業者名(URI:Uniform Resource Identifier)、ユーザが登録しているメディア・サービス名、同メディア・サービスの付随情報(例:ユーザID、パスワード、サービス・オプション)、ユーザが接続を希望するシグナリング網(例:SIP/IPコア網、IMS網)。
13)属性情報:ユーザ端末の設定情報(例:ユーザ端末のURI、ユーザ端末が利用できるアプリケーション、プロトコル、ネットワーク・アクセス回線、ユーザ端末のCPU処理能力、記憶容量、回線速度、ユーザ端末へのアクセス方法(URIもしくはIPアドレス、ポート番号))。
14)個人情報:ユーザ個人に関する情報(例:興味がある、もしくは利用を許可するメディア・サービスのカテゴリ、アクセス許可リスト、アクセス拒否リスト、バディ・リスト)。
ユーザ情報管理サーバ3は、メディア・ポータル2からの検索要求に応じて、上記の情報を返す機能を有する。
【0053】
なお、ネットワーク#1、もしくはネットワーク#2、もしくはネットワーク#3の例として、IMSなどのSIP/IPコア網がありうる。例えば、ネットワーク#2がIMSに準拠したSIP/IPコア網の場合、ゲートウェイ#2としてP−SCSFとすることが可能である。ネットワークの数および種類、ユーザ端末の数、アプリケーション・サーバの数、ユーザ情報管理サーバ3の数、メデイア・ポータルの数、サービス・リストの数については、この実施例以外の任意の構成がありうることは明らかである。また、同じネットワーク内に複数のアプリケーション・サーバやユーザ端末、ユーザ情報管理サーバ、メディア・ポータル、及びサービス・リストのどの組み合わせを配置しても、この発明の効果が得られることも明らかである。
【0054】
以下に、上述の実施例の動作例について説明する。図8は、各メディア・サービスの提供者もしくはアプリケーション・サーバがメディア・ポータルに対してメディア・サービスの追加・変更・削除を登録する手順の例を示すシーケンス図である。ネットワーク#2(22)に接続されているアプリケーション・サーバ#2(32)の管理者は、今までメディア・ポータル2に登録されていなかったメディア・サービス「A」を追加することにした。そこで、メディア・ポータル2のURIに対して、メディア・サービス追加の要求を発行する[1]。
【0055】
メディア・サービス追加の要求では、まず、アプリケーション・サーバ#2(32)がメディア・ポータル2にコネクションを開設する。その一つの方法として、予めネットワーク#2(22)とネットワーク#5(25)の事業者の間での合意に基づいて、ゲートウェイ#2(42)とメディア・ポータル2の間でVPNを設定し、同VPN経由でアプリケーション・サーバ#2(32)とメディア・ポータル2の間にTCP(Transmission Control Protocol)セッションを開設することが可能である。コネクションを開設した後、アプリケーション・サーバ#2(32)からメディア・サービス追加要求を発行する。メディア・サービス追加要求には、例えば、HTTPのPUTメソッドを利用することが可能である。他のプロトコル、あるいは、HTTPの他のメソッドで実現することも可能であることは、容易に類推できる。メディア・サービス追加要求に含まれる情報としては、サービス・リスト4のURI、追加されるメディア・サービスのメディア・タイプ、同メディア・サービスを利用するためにアクセスすべきアプリケーション・サーバ#2(32)のURI、メディア・サービス利用の条件を記したパラメータ群、がある。なお、メディア・タイプの表現方法として、IETF(Internet Engineering Task Force)で規定されるMIME Typeを利用することも可能である。
【0056】
アプリケーション・サーバ#2(32)からメディア・サービス追加要求を受理したメディア・ポータル2は、サービス・リスト4に対してデータ・べースのエントリを追加するよう要求する[2]。サービス・リスト4はエントリを追加し、同エントリに対して割り振られたID番号をサービス登録番号とする。サービス・リスト4はサービス登録番号とエントリ登録の成否を合わせてメディア・ポータル2に対して応答する[3]。応答を受けたメディア・ポータル2は、サービス登録番号とエントリ登録の成否を合わせてアプリケーション・サーバ#2(32)に返信する[4]。
【0057】
メディア・サービスを変更する場合も。メディア・サービスを追加する場合と同様の手続きをとる。やはり、アプリケーション・サーバ#2(32)とメディア・ポータル2の間でコネクションを張った後、アプリケーション・サーバ#2(32)からメディア・サービス変更要求を発行する。メディア・サービス変更要求には、メディア・サービス追加時に得られたサービス登録番号と変更内容が含まれる。サービス登録番号でメディア・サービスを特定した上で、変更内容にて登録情報を変更する。
【0058】
メディア・サービスを削除する場合も、メディア・サービスを追加する場合と同様の手続きをとる。やはり、アプリケーション・サーバ#2(32)とメディア・ポータル2の間でコネクションを張った後、アプリケーション・サーバ#2(32)からメディア・サービス削除要求を発行する。メディア・サービス削除要求には、メディア・サービス追加時に得られたサービス登録番号が含まれる。サービス登録番号でメディア・サービスを特定した上で、登録情報を削除する。
【0059】
次に、ユーザ端末がメディア・サービスを利用するための手順の例を以下に記す。
『REGISTRATION』
図9のシーケンス図に、ユーザ端末が、メディア・ポータルに対してREGISTRATIONを実施する手順を示す。まず、ユーザ端末#1(11)からメディア・ポータル2に対してREGISTRATIONを発行する[21]。REGISTRATIONを受信したメディア・ポータル2は、REGISTRATIONの情報に基づいてユーザ情報管理サーバ3に対してユーザ情報の登録もしくは更新を要求する[22]。ユーザ情報管理サーバ3は登録結果を返信する[23]。このとき、既に登録されているユーザ情報がREGISTRATIONを特定のシグナリング網にも登録するようにしている場合、それに従って特定のシグナリング網に対してもREGISTRATIONを発行する。図9による例では、ゲートウェイ#2(42)に対してREGISTRATIONを発行する[24]。ゲートウェイ#2(42)はREGISTRATIONの結果をメディア・ポータル2に返信する[25]。以上の後にメディア・ポータル2はユーザ端末#1(11)に対して処理結果を通知する[26]。
【0060】
この操作では、ユーザ端末#1(11)はメディア・ポータル2に対して、同ユーザ端末へのアクセス方法(例:URIもしくはIPアドレス、ポート番号、アクセス認証情報)を登録する。また、必要に応じて、ユーザ端末が利用するメディア・サービスを登録する。さらに、接続を希望するシグナリング網があれば、それも登録する。シグナリング網の例として、SIP/IPコア網のゲートウェイ、あるいはSIPプロキシ・サーバを指定することが可能である。
【0061】
REGISTRATIONをすることにより、メディア・ポータル2経由で他のユーザ端末から要求されるメディア・サービスヘの接続要求を受信することが可能となる。また、メディア・ポータル2経由でアプリケーション・サーバからのアクセスを受けることも可能となる。従って、メディア・ポータル2以外の手段によって他ユーザ端末からのメディア・サービス接続要求やアプリケーション・サーバからの接続要求を受信する手段があれば、REGISTRATION手続きは不要となることも有り得る。メディア・ポータル2ヘのREGISTRATIONは、ユーザ端末からのREGISTRATION解除要求によって解消することが可能である。その際、登録内容も消去する。
【0062】
『セッション要求』
図10のシーケンス図に、ユーザ端末が、アプリケーション・サーバに対してセッション要求を実施する手順を示す。まず、メディア・サービスを利用したいユーザがセッション要求を発行する。ユーザ端末#1(11)がメディア・ポータル2に対してセッション要求を発行すると[5]、メディア・ポータル2は要求されているメディア・サービスに関するサービス情報をサービス・リスト4に対して問い合わせる[6]。問い合わせ結果を受け[7]、セッションを開始するにはさらにユーザ情報も提供する必要があると判断される場合は、ユーザ情報管理サーバ3に対して必要なユーザ情報を問い合わせる[8]。ユーザ情報の問い合わせ結果も取得すると[9]、必要な情報をセッション要求パケットに挿入した上でアプリケーション・サーバ#2(32)に対してセッション要求を発行する[10]。アプリケーション・サーバ#2(32)からの応答を受信したメディア・ポータル2は[11]、要求元であるユーザ端末#1(11)に対してセッション開設の結果を通知する[12]。
【0063】
セッション要求の発行の一例として、SIPのプロトコルによるINVITEパケットを送付することが可能である。SIPのINVITEパケットでは、セッション要求の送付先となるノードのURI、メディア・サービスを指定するメディア・タイプ、メディア・サービスヘの参加を依頼する相手ユーザのURI、メディア・サービスの開設で必要となるパラメータ群、などが記載される。INVITEパケットの数、セッション要求の送付先URI、メディア・タイプ、相手ユーザのURIなどは複数であることも可能である。セッション要求の送付先URIにメディア・ポータル2のそれを記載することで、セッション要求がメディア・ポータル2に送付される。
【0064】
セッション要求を受信したメディア・ポータル2は、指定されたメディア・タイプを処理するアプリケーション・サーバ#2(32)にセッション要求を転送する。その際、直接アプリケーション・サーバ#2(32)にセッション要求を転送することも有り得るが、それが不可能な場合にはアプリケーション・サーバ#2(32)にセッション要求パケットを転送するためのシグナリング網へのゲートウェイ#2(42)にセッション要求を転送することも有り得る。例えば、あるオペレータの管理下にあるアプリケーション・サーバにセッション要求を送付するためには、そのオペレータが管理するSIP/IPコア網もしくはIMS網に配置されたゲートウェイに同セッション要求を転送する。
【0065】
アプリケーション・サーバの中には、セッション要求を受け付ける際にユーザ情報の確認を要求するものも有り得る。その場合、セッション要求を受信したメディア・ポータル2は、セッション要求の発行元であるユーザのユーザ情報をユーザ情報管理サーバ3に問い合わせ、その結果をセッション要求と合わせてアプリケーション・サーバ#2(32)に伝達する。
【0066】
『アプリケーション・ダウンロード』
図11のシーケンス図に、ユーザ端末が、アプリケーションをダウンロードする手続きを実施する手順を示す。まず、メディア・ポータル2が受信したセッション要求が指定するメディア・タイプについて、メディア・ポータル2がサービス・リスト4にサービス利用条件について問い合わせると[6]、ユーザ端末#1(11)に予めアプリケーションをダウンロードしておくよう指定されているため、その旨を返答することがある[7]。この場合は、メディア・ポータル2は、ユーザ情報管理サーバ3もしくはユーザ端末#1(11)に対して指定されたアプリケーションが既にダウンロードされているかどうかを問い合わせる[8]。もし未だダウンロードされていない場合は、その旨が同アプリケーションのダウンロード手順と共に返答される[9]。
【0067】
メディア・ポータル2は、ユーザ端末#1(11)に対してセッション拒否を返信する[13]。同セッション拒否パケットには、拒否の理由としてアプリケーションがダウンロードされていないこと、及び同アプリケーションのダウンロード手順を記載して、ユーザもしくはユーザ端末#1(11)がアプリケーションをダウンロードできるようにする。ユーザ端末#1(11)は、得られたダウンロード手順に従って、ダウンロード・サーバ5に対してアプリケーションのダウンロードを要求し[14]、アプリケーションの転送を受ける[15]。
【0068】
図12のシーケンス図に、ユーザ端末が、アプリケーションをダウンロードする手続きを実施する別の手順を示す。この実施例では、アプリケーションのダウンロードをメディア・ポータル2が代行し、メディア・ポータル2が入手したアプリケーションをユーザ端末#1(11)に送付することを可能とするものである。この場合は、メディア・ポータル2からセッション拒否を返信した[13]後、メディア・ポータル2がダウンロード・サーバ5に対してアプリケーションのダウンロードを要求し[16]、受信したアプリケーション[17]をユーザ端末に転送する[18]。
【0069】
この実施例では、メディア・サービスの登録及び通知とREGISTRATION及びセッション要求の処理を同じメディア・ポータル2のノードで処理する構成を説明した。しかし、前者、すなわちメディア・サービスの登録及び通知と、後者、すなわちREGISTRATION及びセッション要求の処理は、別ノードにて処理することによっても、この発明の効果が得られる。その場合は、例えば、セッション要求の処理に際して、後者のノードが前者のノードに対して指定されたメディア・サービスを処理するアプリケーション・サーバヘのアクセス方法を問い合わせることになる。
【0070】
以上の実施例により、以下が実現される。
(A)ユーザ端末は、メディア・ポータルの単一のURIのみを知っていれば、利用が許可されている全てのメディア・サービスを利用することができる。ユーザ端末は、利用したいメディア・サービスのメディア・タイプ(MIME TYPE等)を指定してメディア・ポータルにセッション開始要求を送付すると、メディア・ポータルが適切なアプリケーション・サーバに同セッション開始要求を転送してくれる。アプリケーション・サーバもしくはメディア・サービス事業者等が、メディア・ポータルに対してメディア・サービスの追加・変更・削除の要求をすることによって、メディア・ポータルがメディア・タイプに対応するメディア・サービスの利用方法を把握しているからである。
【0071】
(B)ユーザ端末は、メディア・ポータルに対してメディア・サービスの追加・変更・削除に関する状況を通知するよう要求・登録しておくことができ、実際にメディア・サービスの追加・変更・削除が発生したときに、メディア・ポータル経由でユーザ端末に通知することができる。(A)と同様の理由による。
【0072】
(C)ユーザ端末が複数のキャリア網にまたがったメディア・サービスを利用する場合、メディア・ポータルが複数のキャリア網ヘの接続を代行するため、ユーザ端末が複数のキャリア網のSIP/IPコア網に個別に接続する必要はなくなる。アプリケーション・サーバもしくはメディア・サービス事業者等が、メディア・サービスをメディア・ポータルに登録する際に、アプリケーション・サーバヘのアクセス方法を指定するからである。メディア・ポータルは、ユーザ端末から受信したセッション要求を、同アクセス方法に従ってアプリケーション・サーバに転送することができる。
【0073】
(D)ユーザ端末は、メディア・ポータルにアクセスして利用手続きやアプリケーション・ダウンロードをしたり、メディア・サービスの利用条件について問い合わせたりすることができるようになり、個別のアプリケーション・サーバにアクセスする必要がなくなる。アプリケーション・サーバもしくはメディア・サービス事業者等が、メディア・サービスをメディア・ポータルに登録する際に、メディア・サービス利用条件やアプリケーションのダウンロード方法を指定するからである。メディア・ポータルは、問い合わせてきたユーザに対してこれらの情報をユーザ端末に提供し、あるいはユーザ端末に代わってアプリケーションをダウンロード・サーバから取り寄せて、ユーザ端末に転送することができる。
【0074】
(E)メディア・サービス提供者ごとにユーザ情報を管理していなくとも、メディア・ポータルがメディア・サービス提供者に代わって自らに接続されたユーザ端末の属性情報や登録情報を格納したデータ・べースを参照することで、メディア・サービスに必要な個人情報が利用できるようになる。こうすることで、顧客を持たないメディア・サービス提供者が、容易に多数のユーザに対してメディア・サービスを提供することができる。
【0075】
(F)ユーザはメディア・ポータル一箇所に登録しておけば、全てのメディア・サービスに関する追加・変更・削除の通知を受けられるようになる。メディア・ポータルが全てのメディア・サービスの追加・変更・削除に関する情報を管理しているからである。
【0076】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述の実施の形態ないし実施例では、システムを構成する各装置の構成を、機能手段もしくは機能もしくは手順により説明したが、これらの機能手段もしくは機能もしくは手順をコンピュータのプログラムで構成し、このプログラムを当該装置のコンピュータにインストールして実行させることで、この発明を実施することが可能である。このプログラムは、インターネットや電子メール等のデータ通信手段により配布することが可能であり、また、このプログラムを種々の記憶媒体に記憶させて保存したり、配布したり、提供したりすることも可能である。また、上述の実施の最良の形態ないし実施例での携帯キャリア網やSIP/IPコア網、IMS網等はネットワークの一例であり、これらに限られるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0077】
この発明は、様々なネットワークからなるメディア・サービスの処理システムに好適に利用可能であるとともに、そのネットワークを媒介手段として提供される様々なサービスを対象とするサービス処理システムに好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】この発明の一実施例のメディア・サービス処理を実施するネットワーク構成を示す図である。
【図2】同ネットワーク構成において、アプリケーション・サーバが特定のSIP/IPコア網にREGISTRATIONされて接続されている場合のメディア・ポータルとアプリケーション・サーバの関係を示した図である。
【図3】同ネットワーク構成において、ユーザ端末が特定のSIP/IPコア網にREGISTRATIONされて接続されている場合のメディア・ポータルとユーザ端末の関係を示した図である。
【図4】同ネットワーク構成におけるサービス・リストの構成例を示すブロック図である。
【図5】同ネットワーク構成におけるサービス・リストの各エントリに記載されるサービス情報の一例を示す図である。
【図6】同ネットワーク構成におけるユーザ情報管理サーバの構成例を示すブロック図である。
【図7】同ネットワーク構成におけるユーザ情報管理サーバに格納されるユーザもしくはユーザ端末の登録情報や属性情報の一例を示す図である。
【図8】同ネットワークにおける各メディア・サービスの提供者もしくはアプリケーション・サーバがメディア・ポータルに対してメディア・サービスの追加・変更・削除を登録する手順の例を示すシーケンス図である。
【図9】同ネットワークにおけるユーザ端末が、メディア・ポータルに対してREGISTRATIONを実施する手順を示すシーケンス図である。
【図10】同ネットワークにおけるユーザ端末が、アプリケーション・サーバに対してセッション要求を実施する手順を示すシーケンス図である。
【図11】同ネットワークにおけるユーザ端末が、アプリケーションをダウンロードする手続きを実施する手順を示すシーケンス図である。
【図12】同ネットワークにおけるユーザ端末が、アプリケーションをダウンロードする手続きを実施する別の手順を示すシーケンス図である。
【図13】メディア・サービスを提供する従来のシステム構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 IPネットワーク(ネットワーク)
2 メディア・ポータル(メディア・ポータル装置)
3 ユーザ情報管理サーバ(第2のデータベース)
4 サービスリスト(第1のデータベース)
5 ダウンロード・サーバ(ダウンロード先)
11,16 ユーザ端末
21,22,…26 ネットワーク
32,33 アプリケーション・サーバ(メディア・サービス提供元)
52,56 SIP/IPコア網(ネットワーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のネットワークで、もしくはネットワークをまたいで複数のメディア・サービス提供元が接続され、アクセス手順を含むメディア・サービス提供元毎の利用条件を記載したエントリから成るメディア・サービスの一覧リストを格納する第1のデータ・べースを内蔵するか、もしくは外部に接続し、論理的に単一のノードとしてアクセス可能にネットワーク上に接続したメディア・ポータル装置であって、
メディア・サービス提供元の要求に応じて前記第1のデータ・べースに対し前記エントリを追加又は変更又は削除する第1の機能手段と、アクセスしたユーザ端末に対して前記メディア・サービスの一覧リストを提供する第2の機能手段と、アクセスしたユーザ端末から指定されたメディア・サービスを利用する為のメディア・サービス提供元への手続きを当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第3の機能手段と、アクセスしたユーザ端末からのメディア・サービスの利用の要求に応じて当該ユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第4の機能手段とを、有することを特徴とするメディア・ポータル装置。
【請求項2】
ユーザもしくはユーザ端末毎にユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を格納する第2のデータ・べースを内蔵するか、もしくは外部に接続し、ユーザ端末からの要求に応じて当該ユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を追加又は変更又は削除する第5の機能手段を有するとともに、前記第2のデータ・べースに格納された登録情報及び属性情報の一方又は双方を用いて、前記第3の機能手段が、前記登録されたユーザもしくはユーザ端末の手続きを代行するものであり、同じく前記第4の機能手段が、前記登録されたユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を代行するものであることを特徴とする請求項1記載のメディア・ポータル装置。
【請求項3】
前記第3の機能手段が、メディア・サービスを利用する為にはユーザ端末にアプリケーションをダウンロードする必要がある場合、第1のデータ・べースに格納されているメディア・サービス一覧リストの当該メディア・サービスのエントリの利用条件として記載されたダウンロード手順に従い、当該ユーザ端末に代わってダウンロード先からアプリケーションを取得し、当該ユーザ端末に転送する機能を有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のメディア・ポータル装置。
【請求項4】
前記第1の機能手段が、前記エントリを追加又は変更又は削除した場合、予め通知の希望を登録したユーザ端末に対して当該メディア・サービスの追加又は変更又は削除を通知する機能を有するものであることを特徴とする請求項1又は2又は3記載のメディア・ポータル装置。
【請求項5】
論理的に単一のノードとしてアクセス可能なメディア・ポータル装置と、このメディア・ポータル装置に単一のネットワークで、もしくはネットワークをまたいで接続された複数のメディア・サービス提供元と、前記メディア・ポータル装置にアクセスするユーザ端末とから構成されたメディア・サービス処理システムであって、
前記メディア・サービス提供元が、前記メディア・ポータル装置に対して、アクセス手順を含む利用条件を記載したエントリの追加又は変更又は削除を要求する機能手段と、前記メディア・ポータル装置が代行するユーザ端末の利用の手続きを許可する機能手段と、前記メディア・ポータル装置を介し前記許可したユーザ端末からの利用の要求に応じてメディア・サービスを提供する機能手段とを有するものであり、
前記ユーザ端末が、前記メディア・ポータル装置に対してメディア・サービスの一覧リストを要求しユーザに提示する機能手段と、前記ユーザにより指定されたメディア・サービスの利用の手続きを前記メディア・ポータル装置に対して指定する機能手段と、前記ユーザにより指定されたメディア・サービスの利用の要求を前記メディア・ポータル装置に対して行う機能手段とを有するものであり、
前記メディア・ポータル装置が、メディア・サービス提供元の要求に応じて前記エントリを追加又は変更又は削除する第1の機能手段と、アクセスしたユーザ端末に対して前記メディア・サービスの一覧リストを提供する第2の機能手段と、アクセスしたユーザ端末から指定されたメディア・サービスを利用する為のメディア・サービス提供元への手続きを当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第3の機能手段と、アクセスしたユーザ端末からのメディア・サービスの利用の要求に応じて当該ユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第4の機能手段とを有するものであることを特徴とするメディア・サービス処理システム。
【請求項6】
前記ユーザ端末において、前記メディア・ポータル装置に対して当該ユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を追加又は変更又は削除を要求する機能手段を有し、
前記メディア・ポータル装置において、ユーザ端末からの要求に応じて当該ユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を追加又は変更又は削除する第5の機能手段を有するとともに、前記登録情報及び属性情報の一方又は双方を用いて、前記第3の機能手段が、前記登録されたユーザもしくはユーザ端末の手続きを代行するものであり、同じく前記第4の機能手段が、前記登録されたユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を代行するものであることを特徴とする請求項5記載のメディア・サービス処理システム。
【請求項7】
前記メディア・ポータル装置において、前記第3の機能手段が、メディア・サービスを利用する為にはユーザ端末にアプリケーションをダウンロードする必要がある場合、メディア・サービス一覧リストの当該メディア・サービスのエントリの利用条件として記載されたダウンロード手順に従い、当該ユーザ端末に代わってダウンロード先からアプリケーションを取得し、当該ユーザ端末に転送する機能を有するものであることを特徴とする請求項5又は6記載のメディア・サービス処理システム。
【請求項8】
前記メディア・ポータル装置において、前記第1の機能手段が、前記エントリを追加又は変更又は削除した場合、予め通知の希望を登録したユーザ端末に対して当該メディア・サービスの追加又は変更又は削除を通知する機能を有するものであることを特徴とする請求項5又は6又は7記載のメディア・サービス処理システム。
【請求項9】
論理的に単一のノードとしてアクセス可能なメディア・ポータル装置と、このメディア・ポータル装置に単一のネットワークで、もしくはネットワークをまたいで接続された複数のメディア・サービス提供元と、前記メディア・ポータル装置にアクセスするユーザ端末とから構成されたシステムのメディア・サービス処理方法であって、
前記メディア・サービス提供元が、前記メディア・ポータル装置に対して、アクセス手順を含む利用条件を記載したエントリの追加又は変更又は削除を要求する第1段階と、前記メディア・ポータル装置が、メディア・サービス提供元の要求に応じて前記エントリを追加又は変更又は削除する第2段階と、前記ユーザ端末が、前記メディア・ポータル装置に対してメディア・サービスの一覧リストを要求する第3段階と、前記メディア・ポータル装置が、前記ユーザ端末に対して前記メディア・サービスの一覧リストを提供する第4段階と、前記ユーザ端末が、前記メディア・サービスの一覧リストをユーザに提示して前記ユーザにより指定されたメディア・サービスの利用の手続きを前記メディア・ポータル装置に対して指定する第5段階と、前記メディア・ポータル装置が、前記ユーザ端末から指定されたメディア・サービスを利用する為のメディア・サービス提供元への手続きを当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第6段階と、前記メディア・サービス提供元が、前記メディア・ポータル装置で代行するユーザ端末の利用の手続きを許可する第7段階と、前記ユーザ端末が、前記ユーザにより指定されたメディア・サービスの利用の要求を前記メディア・ポータル装置に対して要求する第8段階と、前記メディア・ポータル装置が、前記ユーザ端末からのメディア・サービスの利用の要求に応じて当該ユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第9段階と、前記メディア・サービス提供元が、前記メディア・ポータル装置を介し前記許可したユーザ端末からの利用の要求に応じてメディア・サービスを提供する第10段階とを有することを特徴とするメディア・サービス処理方法。
【請求項10】
前記第5段階の前に、前記ユーザ端末が、前記メディア・ポータル装置に対して当該ユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を追加又は変更又は削除を要求する第11段階と、前記メディア・ポータル装置が、前記ユーザ端末からの要求に応じて当該ユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を追加又は変更又は削除する第12段階を有するとともに、
前記第6段階では、前記登録情報及び属性情報の一方又は双方を用いて、前記登録されたユーザもしくはユーザ端末の手続きを代行し、前記第9段階では、前記登録情報及び属性情報の一方又は双方を用いて、前記登録されたユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を代行することを特徴とする請求項9記載のメディア・サービス処理方法。
【請求項11】
前記第6段階では、メディア・サービスを利用する為にはユーザ端末にアプリケーションをダウンロードする必要がある場合、メディア・サービス一覧リストの当該メディア・サービスのエントリの利用条件として記載されたダウンロード手順に従い、当該ユーザ端末に代わってダウンロード先からアプリケーションを取得し、当該ユーザ端末に転送することを特徴とする請求項9又は10記載のメディア・サービス処理方法。
【請求項12】
前記第2段階では、前記エントリを追加又は変更又は削除した場合、予め通知の希望を登録したユーザ端末に対して当該メディア・サービスの追加又は変更又は削除を通知することを特徴とする請求項9又は10又は11記載のメディア・サービス処理方法。
【請求項13】
単一のネットワークで、もしくはネットワークをまたいで複数のメディア・サービス提供元が接続され、アクセス手順を含むメディア・サービス提供元毎の利用条件を記載したエントリから成るメディア・サービスの一覧リストを格納する第1のデータ・べースを内蔵するか、もしくは外部に接続し、論理的に単一のノードとしてアクセス可能にネットワーク上に接続したメディア・ポータル装置におけるメディア・サービス処理プログラムであって、
メディア・サービス提供元の要求に応じて前記第1のデータ・べースに対し前記エントリを追加又は変更又は削除する第1手順と、アクセスしたユーザ端末に対して前記メディア・サービスの一覧リストを提供する第2手順と、アクセスしたユーザ端末から指定されたメディア・サービスを利用する為のメディア・サービス提供元への手続きを当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第3手順と、アクセスしたユーザ端末からのメディア・サービスの利用の要求に応じて当該ユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を当該メディア・サービス提供元の前記利用条件及びアクセス手順に従って代行する第4手順とを、コンピュータに実行させるためのメディア・サービス処理プログラム。
【請求項14】
前記メディア・ポータル装置がユーザもしくはユーザ端末毎にユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を格納する第2のデータ・べースを内蔵するか、もしくは外部に接続しており、
前記第3手順の前に、ユーザ端末からの要求に応じて当該ユーザもしくはユーザ端末についての登録情報及び属性情報の一方又は双方を追加又は変更又は削除する第5手順を有するとともに、前記第3手順では、前記第2のデータ・べースに格納された登録情報及び属性情報の一方又は双方を用いて、前記登録されたユーザもしくはユーザ端末の手続きを代行し、前記第4手順では、前記第2のデータ・べースに格納された登録情報及び属性情報の一方又は双方を用いて、前記登録されたユーザ端末とメディア・サービス提供元の接続を代行することを特徴とする請求項13記載のメディア・サービス処理プログラム。
【請求項15】
前記第3手順では、メディア・サービスを利用する為にはユーザ端末にアプリケーションをダウンロードする必要がある場合、第1のデータ・べースに格納されているメディア・サービス一覧リストの当該メディア・サービスのエントリの利用条件として記載されたダウンロード手順に従い、当該ユーザ端末に代わってダウンロード先からアプリケーションを取得し、当該ユーザ端末に転送することを特徴とする請求項13又は14記載のメディア・サービス処理プログラム。
【請求項16】
前記第1手順では、前記エントリを追加又は変更又は削除した場合、予め通知の希望を登録したユーザ端末に対して当該メディア・サービスの追加又は変更又は削除を通知することを特徴とする請求項13又は14又は15記載のメディア・サービス処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−209554(P2006−209554A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−22255(P2005−22255)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】