説明

メモリスタックに格納されたインターリーブされたデータを効率的にアロケート及びアロケート解除する方法及び装置

メモリスタックに格納されたインターリーブされたデータを効率的にアロケート及びアロケート解除する方法及び装置(10)。装置は、プロセッサ(22)とメモリスタックを少なくとも一つ有するメモリ(12)とを備えている。プロセッサは、複数のデータブロックを受信しインターリーブする。各データブロックは、特定のトランスポートチャンネル(TrCH)にアロケートされ、指定された伝送タイミングインターバル(TTI)を有する。プロセッサは、インターリーブされたデータブロックを各データブロックのTTIに基づいて、より大きいTTIを有するデータブロックがより小さいTTIを有するデータブロックよりも先にメモリスタックにアロケートされかつ後にスタックからアロケート解除されるよう、メモリスタックに格納する。一つの実施形態においては、メモリは共通/共有アップリンクチャンネル用の第1メモリスタックと、専用アップリンクチャンネル用の第2メモリスタックと、共通/共有ダウンリンクチャンネル用の第3メモリスタックと、専用ダウンリンクチャンネル用の第4メモリスタックとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリへのデータの格納及び格納されたデータの取り込みに関する。より詳細には、本発明はメモリスタックに格納されたインターリーブされたデータを効率的にアロケート及びアロケート解除する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターリーブは、ワイヤレスインターフェースにおいてデータ通信を行うに際してエラーへの抵抗性を改善するための、当産業における技能を有する当業者にはよく知られた処理である。多くのインターリーバはデータバッファを備えており、データバッファとは、インターリーブ後またはインターリーブ解除前に一時的にデータを保持するメモリ領域である。
【0003】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の仕様書によると、第1インターリーバのデータバッファは、伝送(TX)トランスポート処理から出力されたデータを8ラジオフレームまで保持する。図1は、従来技術に係るデータバッファ100における典型的なデータブロックアロケートを示している。データバッファ100は、典型的には8つの等量のメモリ領域105、110、115、120、125、130、135、140に分割されており、これらはまとめて循環バッファとして機能する。各10msのラジオフレームの間、メモリ領域105、110、115、120、125、130、135、140の一つがTX複合処理により消費され、これによりその領域がTXトランスポートから来る新しいデータのために開放される。
【0004】
データバッファマネジャー(図示せず)は、メモリ領域105、110、115、120、125、130、135、140の位置に関するデータを格納し、メモリ領域105、110、115、120、125、130、135、140のそれぞれにアロケートされた格納容量に関する勘定を維持している。データバッファ100内にデータを格納するためのアロケートの要求は、要求する格納領域のサイズと有効期限とを示す必要があり、これらがデータバッファ管理情報を構成する。有効期限は、現在のフレームに対するラジオフレームとして指定される。データバッファマネジャーは、データバッファ管理情報を用いて、そのデータを格納するのに適当な領域を探す。
【0005】
データのインターリーブ処理を行うのに、メモリポインタとデータバッファを管理する関連機能とが用いられる。メモリポインタは、あるフレームにおいて使用される隣接データセグメント中の、次に利用可能なメモリ位置を示すのに用いられる。メモリ断片化はよくある問題であり、データバッファをオーバーサイズ化だけで対応できる。
【0006】
第1インターリーバメモリは典型的には8つの等量セグメントに区割りされており、これは、新しく到着したデータがどのようなデータでも用いられることのできる8つまでのフレームに対応している。一つのメモリセグメントは、インターリーブされたデータを、一つのフレームのデータに対応するだけ保持する。伝送においては、トランスポートブロックセットが到着すると8つまでのセグメント全てに格納容量がすぐにアロケートされる。続く8つのフレームのそれぞれの間、メモリセグメントが一つ消費され、そして開放され利用可能になる。受信においては、データが受信されるに伴い、トランスポートチャンネルの伝送タイミングインターバル(TTI)の各フレームにメモリが、8フレームまでアロケートされる。そして、トランスポートチャンネルが復号された後は、メモリがすぐに開放される。
【0007】
ユニバーサル地上ラジオアクセス(UTRA: Universal terrestrial radio access)標準は、ワイヤレスエアインターフェースによって伝送されるデータの処理における第1インターリーブステップについて記述している。この標準は、符号化されたデータは80ms(8フレーム)までバッファされてよいとしている。メモリ断片化を回避するため、このデータの格納には10msのフレームに含まれるデータ量の8倍のメモリが要求される。標準から、10msのフレームで到着するデータの最大量の8倍が一度に第1インターリーババッファに格納されなければならないということはありえないことがわかる。この制限は、技術明細(TS)25.306に、同期のTTIで受信される同時ビット数として記載されている。
【0008】
従って、大容量のメモリを必要としない、第1インターリーババッファのメモリアロケートの新しい最適化方法及び装置が必要とされている。
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、ワイヤレス通信システムにおいて用いられる、メモリスタックに格納されたインターリーブされたデータを効率的にアロケート及びアロケート解除するための方法及び装置に関する。装置は、インターリーバ、ワイヤレス伝送/受信ユニット(WTRU),基地局(Node-Bなど)、または集積回路(IC)であってよい。装置は、プロセッサと、メモリスタックを少なくとも一つ含むメモリとを備えている。プロセッサは、複数のデータブロックを受信し、インターリーブする。各データブロックは、特定のトランスポートチャンネル(TrCH)にアロケートされ、指定されたTTIを有している。プロセッサは、各データブロックのTTIに基づいて、より大きいTTIを有するデータブロックがより小さいTTIを有するデータブロックよりも、先にメモリスタックにアロケートされかつ後にスタックからアロケート解除されるよう、インターリーブされたデータブロックをメモリスタックに格納する。
【0010】
一つの実施例においては、メモリは共通/共有アップリンクチャンネル用の第1メモリスタックと、専用アップリンクチャンネル用の第2メモリスタックと、共通/共有ダウンリンクチャンネル用の第3メモリスタックと、専用ダウンリンクチャンネル用の第4メモリスタックとを備えている。
【0011】
専用チャンネルから受信されたデータブロックと、共通/共有チャンネルから受信されたデータブロックとは、メモリスタックの別の領域に格納されてよい。
【0012】
アップリンクチャンネルから受信されたデータブロックと、ダウンリンクチャンネルから受信されたデータブロックとは、メモリスタックの別の領域に格納されてよい。同じTTIを有するデータブロックは、一緒にグループ化され、並べられてよい。
【0013】
メモリは、書き込み及び読み込み操作をそれぞれ行うため、メモリスタック中のセグメントの位置を示すために用いられる書き込みポインタ及び読み込みポインタを備えてよい。データブロックがプロセッサに受信されるに従い、メモリスタックは、トランスポートチャンネルのTTIの各フレームに8フレームまでアロケートされてよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、例として示され添付の図と共に理解されるべき、以下に示す望ましい実施例の記述により、より詳細に理解される。
【0015】
同じ数字は一貫して同じ要素を意味する図面を参照して本発明を記述する。本発明は、インターリーバ及びインターリーブ解除部の双方として実施されてよいが、簡単化のため、ここではインターリーバ側についてのみ説明する。
【0016】
これ以降、「WTRU」という用語は、ユーザ装置(UE)、移動局、固定または移動加入者ユニット、ページャ、またはワイヤレス環境で機能し得る他の如何なる種類の装置をも含むが、これらに限定されるものではない。これ以降、「Node-B」という用語に言及するときは、この用語は基地局、サイトコントローラ、アクセスポイント、または他の如何なる種類のワイヤレス環境インターフェース装置をも含むが、これらに限定されるものではない。
【0017】
本発明は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)に適用される時分割複信(TDD: Time Division Duplex)、周波数分割複信(FDD: Frequency Division Duplex)、TDSCDMA (Time Division Synchronous CDMA)と、CDMA2000並びにCDMA一般とに適用可能であるが、他のワイヤレスシステムにも適用可能であるよう想定されている。
【0018】
本発明の特徴は、ICに組み込まれてもよいし、相互連結要素を多数有する回路に設定されてもよい。さらに、本発明は、コンピュータにより実装される一連のインストラクションをプロセッサで実行することにより実装される一連の方法ステップを含むプロセスでもよい。
【0019】
本発明は、TrCHデータセグメントのスタックを最適に整理することにより第1インターリーババッファのサイズを縮小する。第1インターリーババッファの最適化は、第1インターリーババッファから10msフレームで受け取るTTI分のデータを処理する能力に依存する。フレーム速度要素(ソフトウェアおよびハードウェア)は全て、10msフレームの開始時またはその近傍においてプロセス開始をトリガされ、その同じ10msフレームの終わりまでにプロセスを完了しなければならない。これにより、遅延の余分なフレームが導入されず、従って第1インターリーババッファのスタック要求サイズを減らすことができる。
【0020】
図2は、本願発明に基づいて作用するインターリーバ10のブロック図である。インターリーバは、WTRU及び/またはワイヤレス通信システムのNode-Bに統合されてよい。インターリーバ10は、スタックを一つまたはそれ以上有するメモリ12と、コントローラ14と、フレーム関連プロセッサ16と、TrCH関連プロセッサ22とを備えている。メモリ12は、書き込み及び読み込み操作をそれぞれ行うためにメモリ12のスタック中のスタックセグメントの位置を示すために用いられる書き込みポインタ(WP)18及び読み込みポインタ(RP)20を備えている。フレーム関連プロセッサ16は、読み込みポインタ20によって示されるメモリ12の特定箇所に格納されたデータを取り込む。
【0021】
複数のチャンネルからのトランスポートブロックは、互いに時間的に揃えられる。専用チャンネル(DCH)も互いに揃えられる。DCHは、以下の関係を満たすラジオフレームにおいてのみ始まることができる。
【0022】
接続フレーム番号(CFN) mod Fi = 0 式(1)
ここでFiは、{1,2,4,8}のセットからの、TrCh“i”のTTI値である。従って、WTRUの中では、DCHは全て互いに揃っている。
【0023】
共通チャンネルも、互いに揃っている。共通チャンネルは、放送チャンネル(BCH)と、ページングチャンネル(PCH)と,フォワードアクセスチャンネル(FACH)と,ランダムアクセスチャンネル(RACH)と,アップリンク共有チャンネル(USCH)と,ダウンリンク共有チャンネル(DSCH)とを有する。共通チャンネルは、以下の関係を満たすラジオフレームにおいてのみ始まることができる。
【0024】
システムフレーム番号(SFN) mod Fi = 0 式(2)
ここでFiは、{1,2,4,8}のセットからの、TrCh“i”のTTI値である。
【0025】
高次の層が層1に新しいチャンネルコンフィギュレーションを通知するとき、そのチャンネルは、1)共通/共有、2)専用、3)アップリンク、または4)ダウンリンクの4つのタイプのいずれかに属するものとして識別される。チャンネルのタイプは、チャンネルの最初のインターリーブされたデータがどのスタックにアロケートされるかを決定するのに用いられる。メモリ12には、全部で4つのスタックがあることが望ましい。2つの別々のスタックは、アップリンク及びダウンリンク処理用にそれぞれ提供され、そして2つの別々のスタックは、DCH及び共通/共有チャンネル用にそれぞれ提供される。従って、一つのスタックは共通/共有TX(アップリンク)チャンネル用に、一つのスタックは専用TX(アップリンク)チャンネル用に、一つのスタックは共通/共有RX(ダウンリンク)受信チャンネル用に、そして一つのスタックは専用RX(受信)チャンネル用に提供されている。DCHと共通チャンネルのためのスタックは、これらは必ずしも互いに揃っていないため、別々に提供されている。
【0026】
図3は、本発明に係るメモリ12のスタックのデータブロックの典型的なアロケーションを示す。揃ったTTI周期を有するトランスポートブロックのグループは各々、メモリ12のこのスタックに割り当てられる。
【0027】
LIFO(Last-in First-out)スタック処理が、メモリ12の各スタックにおける、TrCHデータブロックのアロケート及びアロケート解除に適用される。データブロックは、各データブロックのTTIによって、メモリ12のスタックにアロケート及びアロケート解除される。
【0028】
大きいTTIを有するデータブロックは、小さいTTIを有するデータブロックよりも先にアロケートされかつ後にスタックからアロケート解除される。従って、TTIが80msのデータブロックは、TTIが40ms、20ms、10msであるデータブロックよりも先にアロケートされかつ後にアロケート解除され、TTIが10msのデータブロックは、TTIが20ms、40ms、80msのデータブロックよりも後にアロケートされかつ先にアロケート解除される。20msのデータブロックと40msのデータブロックも、同様にアロケート及びアロケート解除される。これにより、スタックの最適化が可能であり、それは、2つの揃った同じTTIのトランスポートチャンネルを取ると、そのインターリーブされたデータの寿命は互いに同じフレームで始まりかつ終わるためである。例えば、TTIが40msであるトランスポートブロックは、TTIを揃える要件を満たすために、フレーム4つごとに始まる。従って、40msのTTIを有するトランスポートブロックの開始ブロック及び終了ブロックは、4フレーム毎に該当する。これにより、効率的にトランスポートブロックをまとめて同じスタック領域にグループ化することができる。
【0029】
本発明がスタック最適化を可能にするもう一つの理由は、トランスポートチャンネルの寿命の終わりが常に短いTTIの寿命と同期するからである。例えば、40msTTIのトランスポートチャンネル(チャンネルA)のインターリーブされたデータは、フレーム1で始まりフレーム4で(フレーム4を含む)終わる。20msTTIのもう一つのチャンネル(チャンネルB)は、TTIを揃える制限を保証するため、奇数番号のフレームで始まらなければならない。つまり、チャンネルBはフレーム1またはフレーム3またはその両方で始まらなければならない。もしチャンネルBがフレーム3で始まると、チャンネルAの寿命はチャンネルBの終了点に同期する。従って、チャンネルAがアロケート解除されるとき、チャンネルBも同時にメモリ12のスタックからアロケート解除される。
【0030】
共通チャンネルは、DCHとは揃っていない(つまり、20msのDCHが20msTTIの共通チャンネルと同じ開始及び終了フレームを有するという保証はない)。従って、DCHと共通チャンネルとのビットを一緒に、同じスタックに物理的に貯めることは、断片化の増加という結果をもたらす。この問題を解決する一つの方法は、共通及び専用チャンネルに異なるメモリを用いることである。前述の通り、本発明は、望ましくはDCHと共通チャンネルとに別々のスタックを用いるため、各スタックは互いに揃ったトランスポートチャンネルのみを格納する。
【0031】
または、前もって分かっているコンフィギュレーションに基づいて共通/共有チャンネルの要件を制限することも可能である。特に、フォワードアクセスチャンネル(FACH)は、同期TTIに受信できる同時ビット数についてTS25.306に記載されている制限で示されるデータ量を決して要しない場合がある。これらの場合、WTRUまたはNode-Bが処理できなければならないデータ量につきより厳しい制限を設け、従って、第1インターリーババッファスタックのサイズの減少を許容する。
【0032】
図3を参照すると、伝送されるべきデータブロックを有する6つのチャンネル、チャンネル1からチャンネル6がある。これらのチャンネルのTTIは、揃っている。従って、これらは全てが共通チャンネルであるか、全てが専用チャンネルである。チャンネル1及び2のデータブロックは80msのTTIを持ち、チャンネル3のデータブロックは40msのTTIを持ち、チャンネル4のデータブロックは20msのTTIを持ち、チャンネル5及び6のデータブロックは10msのTTIを持っている。チャンネル1及び2のデータブロックは、最大のTTIを有するため最初に第1領域12aにアロケートされ、第1領域12aは、メモリ12のスタックの「最下」(つまり、LIFO処理の文脈で最初にアロケートされる位置)と指定される。次に、チャンネル3のデータブロックは、メモリ12のスタックで領域12aに隣接した第2領域12bにアロケートされる。チャンネル4のデータブロックは、第3領域12cにアロケートされ、チャンネル5及び6のデータブロックは、メモリ12のスタックの「最上部」(つまり、LIFO処理の文脈で最後にアロケートされる位置)である第4領域12dにアロケートされる。ここでは、4つの領域12aから12dが特に記載されているが、当産業における技能を有する当業者には、領域の数がいくつでも、多くても少なくても、実行可能であることが理解されるであろう。
【0033】
データブロックは、メモリ12のスタックのアロケートと逆の順番でアロケート解除される。同じTTIを有するデータブロックは、まとめてグループ化され、メモリ12のスタックの同じ領域に隣接してアロケートされ、メモリ12のスタックから同時にアロケート解除される。図3に示されるように、メモリ12のスタックの最上部には空間があり、利用可能な格納容量の100%未満がこの例では利用されていることを示している。最悪の場合では、スタック格納容量の全てが利用される。
【0034】
図4は、図3のトランスポートブロックがメモリ12のスタックにアロケートされる際のトランスポートブロックの寿命を示している。より詳細には、図3は、図4のフレーム14の間のメモリ12のスタックのスナップショットである。図4の各ブロックは、特定のトランスポートチャンネルにアロケートされなければならないデータのTTI一つの長さを示している。チャンネル1及び2のトランスポートブロックはフレーム9で領域12aにアロケートされ、チャンネル3のトランスポートブロックはフレーム13で領域12bにアロケートされ、チャンネル4のトランスポートブロックはフレーム13で領域12cにアロケートされ、チャンネル5及び6のトランスポートブロックはフレーム14で領域12dにアロケートされている。チャンネル4,5及び6のデータは、同じ終了点(フレーム14)を有し、フレーム14の終わりでメモリ12のスタックからアロケート解除される。このとき、これらのコンフィギュレーションが変わる、またはTTIが20msまたは10msの新しいチャンネルが追加されることが可能である。TTIが40msまたは80msの新しいチャンネルがフレーム15で始まることは、3GPP TDD及びFDD標準(TS25.221及び25.222)のTTI揃えルールに反するので、不可能である。
【0035】
本発明は、第1インターリーバスタックの量を大幅に減少する。最小のオーバーヘッド追加処理で、スタック格納容量の大きな減少が達成される。第1インターリーババッファはTDD WTRUで最大のスタックバッファであるため、これは重要である。10msに到着し得るコード化されたデータの最大量の8倍の格納容量を要求するバッファの代わりに、本発明は10msに到着し得るコード化されたデータの最大量の、せいぜい2倍の格納容量を要求する。
【0036】
本発明は、共有チャンネルに対応し、如何なる組み合わせのトランスポートチャンネルにおけるトランスポートデータのアロケートにも対応する。DCIと共有チャンネルとの揃ったTTIにおけるトランスポートビットの最大総数に比べ、共通チャンネルのトランスポートデータサイズと要求処理量とは非常に小さいため、WTRUがたとえ共有チャンネルに対応していなくても、第1インターリーババッファスタック要求を約50%減少することが可能である。共有及び共通チャンネル専用のスタックは、共有チャンネルが取り除かれると、劇的に小さくなる。共有チャンネルビットの最大同時受信可能数は、DCHビットの最大同時受信可能数に匹敵する。共有チャンネルへの対応を撤回すると、共通チャンネルビットの最大数を限定要因として使用することができる。共通チャンネルビットの最大数は、共有チャンネルビットの最大数よりももっと小さいことが予想されるため、スタックの共有/共通チャンネルの部分はサイズが減少する。
【0037】
図5は、本発明に係る、スタックにデータをアロケートする方法ステップを含むプロセス500のフローチャートである。ステップ505では、複数のTrCHからの複数のデータブロックが受信され、インターリーブされる。インターリーブされたデータは、メモリスタック(つまりバッファ)に格納される。メモリスタックにインターリーブされたデータを格納するとき、より大きいTTIを有するデータブロックは、より小さいTTIを有するデータブロックよりも先にアロケートされる(ステップ510)。格納されたデータブロックは、フレーム毎に読み込まれる。インターリーブされたデータブロックをアロケート解除する際には、より小さいTTIを有するデータブロックがより大きいTTIを有するデータブロックよりも先にアロケート解除される(ステップ515)。
【0038】
本発明は好ましい実施形態を参照して図示及び記述されたが、当産業における技能を有する当業者には、ここで上述された発明の範囲を逸脱することなく形状及び詳細における様々な変更が可能であることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来技術にかかる、典型的なデータブロックアロケーションを示す図である。
【図2】本発明にかかる第1インターリーバのブロック図である。
【図3】本発明にかかる、典型的なスタックのデータブロックのアロケーションを示す図である。
【図4】本発明にかかる、スタックに格納されたデータブロックを示す図である。
【図5】本発明にかかる、データをアロケートしアロケート解除する方法ステップを有するプロセスのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信システムにおいて、メモリスタックに格納されたデータをアロケート及びアロケート解除する方法であって、
(a)複数のデータブロックを受信及びインターリーブするステップであって、各データブロックは指定された伝送タイミングインターバル(TTI)を有する、受信及びインターリーブステップと、
(b)インターリーブされたデータブロックを各データブロックの指定されたTTIに基づいて格納するステップであって、より大きいTTIを有するデータブロックはより小さいTTIを有するデータブロックよりも先にメモリスタックにアロケートされかつ後にメモリスタックからアロケート解除される、格納ステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
専用チャンネルから受信されたデータブロックと共通/共有チャンネルから受信されたデータブロックとは、メモリスタックの別々の領域に格納されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アップリンクチャンネルから受信されたデータブロックとダウンリンクチャンネルから受信されたデータブロックとは、メモリスタックの別々の領域に格納されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各データブロックは、特定のトランスポートチャンネル(TrCH)にアロケートされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ワイヤレス通信システムは、時分割複信(TDD)通信システムであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ワイヤレス通信システムは、周波数分割複信(FDD)通信システムであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
同じTTIを有するデータブロックはまとめてグループ化されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ワイヤレス通信システムにおいて、メモリスタックに格納されたデータをアロケート及びアロケートするインターリーバであって、
(a)複数のデータブロックを受信及びインターリーブするプロセッサであって、各データブロックは指定された伝送タイミングインターバル(TTI)を有するプロセッサと、
(b)メモリスタックを少なくとも一つ有するメモリであって、前記プロセッサはインターリーブされたデータブロックを各データブロックのTTIに基づいて、より大きいTTIを有するデータブロックがより小さいTTIを有するデータブロックよりも先にメモリスタックにアロケートされかつ後にスタックからアロケート解除されるよう、メモリスタックに格納するメモリと
を備えたことを特徴とするインターリーバ。
【請求項9】
専用チャンネルから受信されたデータブロックと共通/共有チャンネルから受信されたデータブロックとは、前記メモリスタックの別々の領域に格納されることを特徴とする、請求項8に記載のインターリーバ。
【請求項10】
アップリンクチャンネルから受信されたデータブロックとダウンリンクチャンネルから受信されたデータブロックとは、前記メモリスタックの別々の領域に格納されることを特徴とする、請求項8に記載のインターリーバ。
【請求項11】
各データブロックは、特定のトランスポートチャンネル(TrCH)にアロケートされることを特徴とする、請求項8に記載のインターリーバ。
【請求項12】
前記ワイヤレス通信システムは、時分割複信(TDD)通信システムであることを特徴とする、請求項8に記載のインターリーバ。
【請求項13】
前記ワイヤレス通信システムは、周波数分割複信(FDD)通信システムであることを特徴とする、請求項8に記載のインターリーバ。
【請求項14】
同じTTIを有するデータブロックはまとめてグループ化され揃えられることを特徴とする、請求項8に記載のインターリーバ。
【請求項15】
前記メモリは、共通/共有アップリンクチャンネル用の第1メモリスタックと、専用アップリンクチャンネル用の第2メモリスタックと、共通/共有ダウンリンクチャンネル用の第3メモリスタックと、専用ダウンリンクチャンネル用の第4メモリスタックとを備えたことを特徴とする、請求項8に記載のインターリーバ。
【請求項16】
前記メモリは、書き込み及び読み込み操作をそれぞれ行うため前記メモリスタック中のセグメントの位置を示すために用いられる書き込みポインタ(WP)及び読み込みポインタ(RP)を備えたことを特徴とする、請求項8に記載のインターリーバ。
【請求項17】
データブロックが前記プロセッサによって受信されるに従い、前記メモリスタックはトランスポートチャンネルのTTIの各フレームに8フレームまでアロケートされることを特徴とする、請求項8に記載のインターリーバ。
【請求項18】
ワイヤレス通信システムにおいて、メモリスタックに格納されたデータをアロケート及びアロケート解除するワイヤレス伝送/受信ユニット(WTRU)であって、
(a)複数のデータブロックを受信及びインターリーブするプロセッサであって、各データブロックは指定された伝送タイミングインターバル(TTI)を有するプロセッサと、
(b)メモリスタックを少なくとも一つ有するメモリであって、前記プロセッサはインターリーブされたデータブロックを各データブロックのTTIに基づいて、より大きいTTIを有するデータブロックがより小さいTTIを有するデータブロックよりも先にメモリスタックにアロケートされかつ後にスタックからアロケート解除されるよう、メモリスタックに格納するメモリと
を備えたことを特徴とするWTRU。
【請求項19】
専用チャンネルから受信されたデータブロックと共通/共有チャンネルから受信されたデータブロックとは、前記メモリスタックの別々の領域に格納されることを特徴とする、請求項18に記載のWTRU。
【請求項20】
アップリンクチャンネルから受信されたデータブロックとダウンリンクチャンネルから受信されたデータブロックとは、前記メモリスタックの別々の領域に格納されることを特徴とする、請求項18に記載のWTRU。
【請求項21】
各データブロックは、特定のトランスポートチャンネル(TrCH)にアロケートされることを特徴とする、請求項18に記載のWTRU。
【請求項22】
前記ワイヤレス通信システムは、時分割複信(TDD)通信システムであることを特徴とする、請求項18に記載のWTRU。
【請求項23】
前記ワイヤレス通信システムは、周波数分割複信(FDD)通信システムであることを特徴とする、請求項18に記載のWTRU。
【請求項24】
同じTTIを有するデータブロックはまとめてグループ化され揃えられることを特徴とする、請求項18に記載のWTRU。
【請求項25】
前記メモリは、共通/共有アップリンクチャンネル用の第1メモリスタックと、専用アップリンクチャンネル用の第2メモリスタックと、共通/共有ダウンリンクチャンネル用の第3メモリスタックと、専用ダウンリンクチャンネル用の第4メモリスタックとを備えたことを特徴とする、請求項18に記載のWTRU。
【請求項26】
前記メモリは、書き込み及び読み込み操作をそれぞれ行うため前記メモリスタック中のセグメントの位置を示すために用いられる書き込みポインタ(WP)及び読み込みポインタ(RP)を備えたことを特徴とする、請求項18に記載のWTRU。
【請求項27】
データブロックが前記プロセッサによって受信されるに従い、前記メモリスタックはトランスポートチャンネルのTTIの各フレームに8フレームまでアロケートされることを特徴とする、請求項18に記載のWTRU。
【請求項28】
ワイヤレス通信システムにおいて、メモリスタックに格納されたデータをアロケート及びアロケート解除する基地局であって、
(a)複数のデータブロックを受信及びインターリーブするプロセッサであって、各データブロックは指定された伝送タイミングインターバル(TTI)を有するプロセッサと、
(b)メモリスタックを少なくとも一つ有するメモリであって、前記プロセッサはインターリーブされたデータブロックを各データブロックの指定されたTTIに基づいて、より大きいTTIを有するデータブロックがより小さいTTIを有するデータブロックよりも先にメモリスタックにアロケートされかつ後にメモリスタックからアロケート解除されるよう、メモリスタックに格納するメモリと
を備えたことを特徴とする基地局。
【請求項29】
専用チャンネルから受信されたデータブロックと共通/共有チャンネルから受信されたデータブロックとは、前記メモリスタックの別々の領域に格納されることを特徴とする、請求項28に記載の基地局。
【請求項30】
アップリンクチャンネルから受信されたデータブロックとダウンリンクチャンネルから受信されたデータブロックとは、前記メモリスタックの別々の領域に格納されることを特徴とする、請求項28に記載の基地局。
【請求項31】
各データブロックは、特定のトランスポートチャンネル(TrCH)にアロケートされることを特徴とする、請求項28に記載の基地局。
【請求項32】
前記ワイヤレス通信システムは、時分割複信(TDD)通信システムであることを特徴とする、請求項28に記載の基地局。
【請求項33】
前記ワイヤレス通信システムは、周波数分割複信(FDD)通信システムであることを特徴とする、請求項28に記載の基地局。
【請求項34】
同じTTIを有するデータブロックはまとめてグループ化され揃えられることを特徴とする、請求項28に記載の基地局。
【請求項35】
前記メモリは、共通/共有アップリンクチャンネル用の第1メモリスタックと、専用アップリンクチャンネル用の第2メモリスタックと、共通/共有ダウンリンクチャンネル用の第3メモリスタックと、専用ダウンリンクチャンネル用の第4メモリスタックとを備えたことを特徴とする、請求項28に記載の基地局。
【請求項36】
前記メモリは、書き込み及び読み込み操作をそれぞれ行うため前記メモリスタック中のセグメントの位置を示すために用いられる書き込みポインタ(WP)及び読み込みポインタ(RP)を備えたことを特徴とする、請求項28に記載の基地局。
【請求項37】
データブロックが前記プロセッサによって受信されるに従い、前記メモリスタックはトランスポートチャンネルのTTIの各フレームに8フレームまでアロケートされることを特徴とする、請求項28に記載の基地局。
【請求項38】
ワイヤレス通信システムにおいて、メモリスタックに格納されたデータをアロケート及びアロケート解除する集積回路(IC)であって、
(a)複数のデータブロックを受信及びインターリーブするプロセッサであって、各データブロックは指定された伝送タイミングインターバル(TTI)を有するプロセッサと、
(b)メモリスタックを少なくとも一つ有するメモリであって、前記プロセッサはインターリーブされたデータブロックを各データブロックのTTIに基づいて、より大きいTTIを有するデータブロックがより小さいTTIを有するデータブロックよりも先にメモリスタックにアロケートされかつ後にスタックからアロケート解除されるよう、メモリスタックに格納するメモリと
を備えたことを特徴とするIC。
【請求項39】
専用チャンネルから受信されたデータブロックと共通/共有チャンネルから受信されたデータブロックとは、前記メモリスタックの別々の領域に格納されることを特徴とする、請求項38に記載のIC。
【請求項40】
アップリンクチャンネルから受信されたデータブロックとダウンリンクチャンネルから受信されたデータブロックとは、前記メモリスタックの別々の領域に格納されることを特徴とする、請求項38に記載のIC。
【請求項41】
各データブロックは、特定のトランスポートチャンネル(TrCH)にアロケートされることを特徴とする、請求項38に記載のIC。
【請求項42】
前記ワイヤレス通信システムは、時分割複信(TDD)通信システムであることを特徴とする、請求項38に記載のIC。
【請求項43】
前記ワイヤレス通信システムは、周波数分割複信(FDD)通信システムであることを特徴とする、請求項28に記載の基地局。
【請求項44】
同じTTIを有するデータブロックはまとめてグループ化され揃えられることを特徴とする、請求項38に記載のIC。
【請求項45】
前記メモリは、共通/共有アップリンクチャンネル用の第1メモリスタックと、専用アップリンクチャンネル用の第2メモリスタックと、共通/共有ダウンリンクチャンネル用の第3メモリスタックと、専用ダウンリンクチャンネル用の第4メモリスタックとを備えたことを特徴とする、請求項38に記載のIC。
【請求項46】
前記メモリは、書き込み及び読み込み操作をそれぞれ行うため前記メモリスタック中のセグメントの位置を示すために用いられる書き込みポインタ(WP)及び読み込みポインタ(RP)を備えたことを特徴とする、請求項38に記載のIC。
【請求項47】
データブロックが前記プロセッサによって受信されるに従い、前記メモリスタックはトランスポートチャンネルのTTIの各フレームに8フレームまでアロケートされることを特徴とする、請求項38に記載のIC。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−537673(P2007−537673A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513194(P2007−513194)
【出願日】平成17年5月3日(2005.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/015173
【国際公開番号】WO2005/114865
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】