説明

メモ帳

【課題】 メモ帳の原料を使用済みの紙材とし、しかも広告宣伝表示も特別に形成することなく、今日の環境に適合したメモ帳を提供せんとする
【解決手段】 片面側のみに印刷された使用済みの用紙を、印刷面7に営業名称・製品・サービス等の宣伝広告や各種情報となり得る表示が印刷されている部分が含まれるように同一の寸法に整えてメモ紙1とした。メモ紙1の白紙面を記述面6に揃えて積層し、その一側端部を仮着したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメモ帳に関し、詳しくは宣伝広告機能を有するメモ帳に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メモ帳はメモ記載可能なスペースを有する同一形状の紙片を積層して一側端部糊付け等して仮止めし、1枚づつ引き離し可能としたものが基本的な構成である。
そして、メモ帳を宣伝広告の媒体として利用したものも種々提案されている
【0003】
メモ帳に広告宣伝機能を持たせたものとして、特開平08−90955はメモ帳の表紙カバーから切り抜き線により離間した広告部の一部を起立させて広告部の機能を発揮させたものであり、また、特開2004−306520はメモ用紙の表面及び/又は裏面に広告欄を設けたものであり、そして、実用新案登録第30272968号はメモを記入した後、不要になった頁を切り離した後においても、残りの紙片に同じ文字等が現れると共にインデックス付きの広告情報が印刷されていることを特徴とするものである。
【特許文献1】特開平08−90955
【特許文献2】特開2004−306520
【特許文献3】実用新案登録第30272968号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の様に従来のメモ帳は、メモ帳を製造する目的のための必要な材料を用意して、それらの材料を加工・組み立てて作成したものである。
即ち、メモ帳の制作のための原料を加工したこと、及びその構成材の一部に宣伝広告を表示して付加価値を高めたものである。
【0005】
そこで、本発明はメモ帳の原料を使用済みの紙材とし、しかも広告宣伝表示も特別に形成することなく、今日の環境に適合したメモ帳を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のメモ帳は、片面側のみに印刷された使用済みの用紙を、印刷面に営業名称・製品・サービス等の宣伝広告や各種情報となり得る表示が印刷されている部分が含まれるように同一の寸法に整えてメモ紙とし、白紙面を記述面に揃えて積層し、その一側端部を仮着したことを特徴とするものである。
【0007】
本発明に用いる用紙は印刷斑等の使用不適な用紙や、理由は不問の廃棄処分予定の用紙であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に使用するメモ用の紙原料は使用済みや使用に耐えない等の廃棄処分に付される印刷物を再利用し資源の再利用・有効利用に適うものであって、メモ紙としての使用した後に、更にリサイクルの行程へ再々利用できるものであり、環境に有益となる効果が得られるものである。
【0009】
そして、使用済み等であっても片面のみに印刷されているから、反対面は白紙の状態でありメモ等の記載欄として充分に利用可能で、メモ帳の機能を発揮できる効果を有するのである。
【0010】
また、本来の目的を終えた印刷面には、会社名や製品等の商品・サービスの内容や各種情報が表示されているものがあり、斯かる部分が印刷面に含まれるように定形の大きさに切断等し、白紙面を記述面に揃えて積層してメモ帳を製作したため、使用時には裏面の印刷面が目に写り、宣伝広告や各種情報が無意識のうちに目に映り看取されるのであって、宣伝広告や情報の提供の効果が発揮されるのである。
【0011】
さらに、この様に印刷面を加工等して改変する必要がなくそのまま使用可能であり、資源の再利用において問題となる特別の加工費用等が発生しない効果があり、付加価値を有し再利用の促進が図られる効果も有するのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施の形態を示す平面図であり、複数の同一のメモ紙1を積層し、一側に穿設した透孔2、2へ、卓上基台4に着脱可能に起設した逆U字状の係止軸5、5を通して、卓上基台4にメモ紙1の積層体3を装置すると共に、使用したメモ紙1を係止軸5、5にガイドされて横のスペースへ裏返して並置するものであり、公知のメモ帳を示している。
【0013】
また、卓上基台を利用しないメモ帳であってもよく、例えば、メモ紙1の積層体3は一側面に背糊が施されてバラけずに一纏まりとし、最上面のメモ紙に記述して使用済みメモ紙を捲って裏返したり、或いは剥ぎ取って次のメモ紙を現すような他の公知の構成であってもよい。
そして、積層体2を一纏めとするのに、メモ紙1の裏面一側近傍、或いは上下に亘る一端部付近を粘着面とし、順次上下のメモ紙1を一体化する他の公知手段を利用した積層体2としても良いことは言うまでもない。
さらに、積層するメモ紙1の形状が正方形に限定されるものでなく長方形や他の多角形或いは楕円形等自由に形成し選択できる。
【0014】
メモ紙1は一面が白紙の状態でメモ等の記帳が可能な面6と、他方の面には印刷等の表示がされている面7を有するものであって、例えばチラシ等の片面のみ印刷された紙を一定の寸法に切断し、白紙の面を上面にして積層体3を形成し、一端面を貼着してメモ帳を形成している。
【0015】
片面が印刷されたメモ紙1は、使用目的を終えた印刷物や印刷に不具合があって使用不能となった印刷物等で、回収されて廃棄処分やリサイクル工程に移行しようとするものを利用する。
また、一定の寸法に整えたメモ紙1の印刷面7(積層した場合の裏面)は、原料として利用した印刷物の印刷がそのまま残ることになるけれど、印刷面7には、企業名・店舗名等の事業者名、製品・商品の商標名・製品の写真とその特徴説明、或いは他の情報が残るように調整して切断してある。
【0016】
図2は、メモ紙を作成刷する一実施の形態を示す印刷物の平面図であり、印刷物は新聞に挿入して配布するチラシ8である。
チラシ8は旅行案内の広告を内容とするものであり、裏面には印刷が施されず白紙となっているため、メモ等の記帳が可能な面6となる。
このチラシ8を四等分した大きさのメモ帳を形成するとすれば、縦横の中央線9A、9Bで切断すれば目的の大きさのメモ紙1を4枚得られることになる。
【0017】
切断して分割される各メモ紙1A、1B、1C、1Dには旅行を主催する会社の名称・住所等10Aが印刷されているメモ紙1Aとなり、また、旅行プラン10B、10Cが印刷されているメモ紙1B、1Cとなったり、或いは他の情報10Dが印刷されているメモ紙1Dとなるのである。
【0018】
会社名等10Aが裏面に印刷されているメモ紙1Aは、該メモ紙1Aに記述して使用後に、新たなメモ紙に代えるために捲れば、裏面の印刷面7が現れるため、使用者(利用者)はその会社名等10Aを無意識のうちにみることになって、再度の宣伝広告の機能が発揮されるのである。
また、旅行プラン10B、10Cは、旅行に関する情報として見ることになり、計画する場合の参考に供されることになる。
【0019】
会社名、住所、電話等は頻繁に変更されるものでないから、使用済みの印刷物での表示をそのまま再使用しても支障が生じることはない。
また、旅行プラン等も季節と関係するものもあるが、情報としての価値はあり、さらに、印刷に不都合があっても、誤植や間違った内容に起因するものでなければ、看取可能であれば単なる宣伝や情報としての充分な価値がある。
【0020】
図面の実施の形態では、旅行会社のチラシを例にあげて説明したけれど、他の業種の商品やサービスについての広告に関するもので、片面のみ印刷されたものであれば、メモ紙の形成材料として利用できるものである。
また、会社名等の事業・営業の主体者の名前・住所や電話番号が含まれている部分であれば、常に利用可能である。
そして、特定の宣伝・広告でなくても、知識的または趣味的に興味をそそる情報としての価値が認められれば、メモ紙として利用できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に一実施の形態を示すメモ帳の平面図である。
【図2】メモ紙を成形するチラシの平面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 メモ紙
2 透孔
3 積層体
4 卓上基台
5 係止軸
6 記帳が可能な面
7 印刷面
8 チラシ
9A、9B 中央線
10A 会社名等
10B、10C 旅行プラン
10D 他の情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面側のみに印刷された使用済みの用紙を、印刷面に営業名称・製品・サービス等の宣伝広告や各種情報となり得る表示が印刷されている部分が含まれるように同一の寸法に整えてメモ紙とし、白紙面を記述面に揃えて積層し、その一側端部を仮着したことを特徴とするメモ帳。
【請求項2】
用紙が印刷斑等の使用不適な用紙である請求項1記載のメモ帳。
【請求項3】
用紙が廃棄処分予定の用紙である請求項1記載のメモ帳。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−284798(P2008−284798A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132601(P2007−132601)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(591142079)マルト印刷工業株式会社 (6)