メルトブロウン不織布バックシートを含む使い捨て衣類
【課題】透湿度、必要な空気透過率、及び十分な引張り強度を有する使い捨て衣類を提供する。
【解決手段】使い捨て衣類において、弾性レッグカフ32は不織布ウェブからなり、不織布ウエブは第一の層と第二の層とを含み、第一の層は約3μmから約10μmの平均繊維直径を有するファインファイバーからなり、不織布ウエブは約3g/m2から約60g/m2の坪量、少なくとも約15cm3/cm2/秒の空気透過率値、及び少なくとも7、000g/m2/24時間の透湿度を有する。
【解決手段】使い捨て衣類において、弾性レッグカフ32は不織布ウェブからなり、不織布ウエブは第一の層と第二の層とを含み、第一の層は約3μmから約10μmの平均繊維直径を有するファインファイバーからなり、不織布ウエブは約3g/m2から約60g/m2の坪量、少なくとも約15cm3/cm2/秒の空気透過率値、及び少なくとも7、000g/m2/24時間の透湿度を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使い捨て衣類に関する。より詳細には、本発明はメルトブロウン不織布バックシートを有する使い捨て衣類に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
幼児や他の失禁に悩む個人は、尿や他の身体からの滲出物を収容して保持するために、おむつ等の使い捨て衣類を着用する。使い捨て衣類は、排出物を保持する機能、及び着用者の体及び着用者の衣類や寝具類から排出物を隔離する機能のいずれか、あるいは両方の機能を持つ。基本設計が異なる多くの使い捨て衣類が当業者業界では周知である。使い捨て衣類の例としては、プルオンおむつやトレーニングパンツなどの使い捨ておむつ(大人用及び子供用)、使い捨て下着、及び使い捨て吸収パッドなどがある。
また、吸収した液体が使い捨て衣類を貫通したり、近接する衣類、寝具類などを汚すことを防止する為に、使い捨て衣類の外側が可撓性の液体不透過性シートで覆われても良い事も周知である。このような液体不透過性シートは、ポリエチレンフィルムなどで構成されることが多い。このシートにより液体が使い捨て衣類を貫通することが防止される一方で、このようなプラスチックフィルムは着用者及び又はユーザーにとって不快なものとなりやすい。プラスチックフィルムは、透湿度が不充分であり、空気透過率がほとんどなく、そのため、着用者の皮膚に望ましくない刺激が生じる場合がある。
【0003】
十分な透湿度を提供するアプローチの1つは、ミクロ孔質ポリフィルムを使用することである。しかしながら、この方法は着用者に限られた透湿度しか提供せず、必要なレベルの50%未満の場合もある。しかも空気透過率は全くあるいはほとんどない。
もう一つのアプローチは不織布材を使用することである。旭化成工業が1990年2月16日に出版した、平均直径が0.5〜2.5μmのファインファイバーでできた、メルトブロウン不織の液体不浸透性シートを含む衛生用品を開示した、日本公開公報第H03−240151号を参照されたい。このような小さな繊維を含むシートは、衣類の中に液体を保持する可能性があるが、このようなシートは孔が小さすぎるため、必要なレベルの空気透過率を持たない。また、このシートは引張り強度が低い傾向がある。
前述の内容に基づき、使い捨て衣類とするために必要な透湿度、必要な空気透過率、及び十分な引張り強度を提供できる、メルトブローイングで形成した不織布バックシートを具備した使い捨て衣類に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、メルトブロウン不織布ウェブを含むバックシートを備えた使い捨て衣類に関する。メルトブロウンウェブは、平均繊維直径が約3μm〜約10μmのファインファイバーから成る。バックシートは坪量が約3g/m2〜約60g/m2で、空気透過率値が少なくとも約15cm3/cm2/秒である。
別の観点では、本発明はメルトブロウン不織布ウェブを含むバックシートを備えた使い捨て衣類に関する。メルトブロウン不織布ウェブは、約3μm〜10μmの平均繊維直径を有するファインファイバーから成る。不織布ウェブは230gf/mm〜650gf/mmのウェブ弾性率を有する。バックシートは、約15cm3/cm2/秒の空気透過率を有する。
本発明はまた、液体透過性トップシート、トップシートと組合された液体不透過性バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に置かれる吸収性コアを含む使い捨て衣類にも関する。バックシートはメルトブロウン不織布ウェブを含む。メルトブロウン不織布ウェブは、約3g/m2〜約60g/m2までの範囲の坪量を有する。メルトブロウン不織布ウェブは、約3μm〜10μmの平均繊維直径を有するポリオレフィンのファインファイバーから製造されており、少なくとも約15cm3/cm2/秒の空気透過率を有する。
【0005】
本発明のこれら及び他の性質、観点及び利点は、本開示を読むことにより当業者にとって明らかとなるであろう。
本明細書は、本発明の特徴を示し、発明を明確に主張する請求項を記述するが、発明は添付図面との関連で示される好ましい実施態様の以下の説明により、より良く理解されるであろうと考えられており、図面においては、実質的に同じ要素を示すために同様の表記が使用されている。
全ての引例は、全体を参照し、本明細書に組み入れている。いかなる参照の引用も、特許請求した発明に対する従来技術の可用性についての決定を容認するものではない。本明細書の図は、必ずしも一定の比率の縮尺で描かれていない。
【0006】
ここで、「含む」という用語は、最終結果に影響を与えない他の構成要素や工程を付加できることを意味する。この用語は、用語「から成る」及び「から本質的に成る」を包含する。
ここで、「使い捨て」という用語は、洗濯されない、又は、衣類としての復元や再使用を目的としていない衣類を意味している(すなわち、それらは、一度使用した後、廃棄されるか、好ましくは、リサイクル、堆肥化、あるいは環境上適切な方法で廃棄されるように作られている)。
ここで、「使い捨て衣類」という用語は、プルオンおむつやトレーニングパンツなどの使い捨ておむつ(大人用及び子供用)、使い捨ての下着、及び使い捨て吸収パッドを包含する物品を指す。
【0007】
本発明には、液体不透性及び透湿度/空気透過率の両方を備えるバックシートを必要とする、各種使い捨て衣類を包含することができる。本発明のバックシートは、、少なくとも約15cm3/cm2/秒の空気透過率値と組み合せた約3g/m2〜約60g/m2の範囲の坪量を有する不織布ウェブを含む。これらの組合せた特性を有する不織布ウェブは、衣類に使用した場合に望ましい液体不透性及び透湿度/空気透過率、ならびに柔軟性や可撓性などのその他の顕著な利点を提供する。
本明細書における不織布ウェブは、メルトブローイング工程により、平均繊維直径が約3μm〜約10μmのポリオレフィンのファインファイバーから製造される。メルトブローイング工程で製造された不織布ウェブは、柔らかい感触を提供するが、これらのウェブの強度は他の工程で製造されたウェブより劣ることは既知である。これらのメルトブロウンシートは、衣類の製造工程で簡単に破壊されやすい。小さな繊維で製造されたウェブも簡単に破壊されると考えられている。
更に、メルトブローイング工程で製造されたウェブは、たとえば、マルチカラー登録されたグラフィックなどの望ましい印刷ができ、外観を良くして消費者に受け入れやすくすることができると考えられる。これは、このようなウェブはポリフィルムやその他の種類の不織品よりも高いウェブ弾性率を有しているためであり、これにより引張り制御が簡単に行え、容易にグラフィックスを予定位置に調整することができる。メルトブロウン不織布ウェブを製造する工程の非制限的な例としては、1976年8月31日にバンティン(Buntin)らに発行された米国特許第3,978,185号、1986年11月11日にマッカミッシユ(McAmish)らに発行された米国特許第4,622,259号に開示されている。このようなウェブは一般的に単一層のウェブである。
【0008】
好ましくは、本明細書におけるファインファイバーでできた不織布ウェブは、ポリオレフィンファインファイバー、スチレン系熱可塑性エラストアーファインファイバー、及びこれらの混合物などの合成ファインファイバーから成る群から選択され、より好ましくは、合成ファインファイバーは、ポリプロピレン(PP)ファインファイバー、ポリエチレン(PE)ファインファイバー、及びエチレン/プロピレンのランダムなコポリマーから形成されたファインファイバーから成る群から選択され、更により好ましくは、合成ファインファイバーがポリプロピレン(PP)ファインファイバーである。
好ましくは、本明細書において有用なポリオレフィンファインファイバーは、平均繊維直径が約3μm〜約5μmである。理論によって限定するものではないが、このようなファインファイバーでできた不織布ウェブは、望ましい液体不透性及び/又は布のような感触を提供し、且つ必要な透湿度も保持すると考えられている。一つの好ましい実施態様において、不織布ウェブは50質量%を超えるポリプロピレンファインファイバーを含む。
好ましくは、本明細書で有用な不織布ウェブは、坪量が約10g/m2〜約30g/m2で、更に好ましくは、約15g/m2〜25g/m2である。
【0009】
更に、本発明の不織布ウェブは少なくとも約15cm3/cm2/秒の空気透過率値であり、より好ましくは、少なくとも約20cm3/cm2/秒である。空気透過率値は、日本工業規格番号L1096の6.27節、「空気透過率」において説明されているフレーザータイプのテスタを使用して決定する。空気透過率値は、上記の方法に従って測定され、試料を通過する空気量(単位:cm3/cm2/秒)として得られる。
一つの実施態様においては、本明細書で使用されている不織布ウェブは、少なくとも7,000g/m2/24時間、好ましくは少なくとも9,000g/m2/24時間の透湿度を有する。透湿度は、日本工業規格番号L1099に説明されている試験により決定する。
別の実施態様では、本発明の不織布ウェブは好ましくは少なくとも約1.0kgf、より好ましくは少なくとも約1.3kgの最大引張り強度値がある。最大引張り強度値は、日本工業規格番号L1085の5.4節「引張り強度と伸張率」に従って測定され決定される。試料は長さ30cm、幅5cmである。測定試料の保持距離(つまり、2つの保持グリップ間の距離)は20cmである。引張り速度は20cm/分である。最大引張り強度値は、試料が完全に破壊される前に測定された引張り強度値(Kgf)の最高値と説明されている。
【0010】
本発明の不織布ウェブは、好ましくは230gf/mm〜650gf/mmのウェブ弾性率、更に好ましくは300gf/mm〜550gf/mmのウェブ弾性率を有する。本明細書で使用する時、「ウェブ弾性率」とは、材料の応力/ひずみ曲線で1%のひずみと5%のひずみの間を結ぶ直線の斜度として定義された機械的性質を指す。ウェブ弾性率は本明細書において後述する方法によって測定できる。上記のウェブ弾性率を有する不織布ウェブは、不織布ウェブにおいて顕著なひずみのバラツキを起こさない、あるいは少なくとも、処理中張力がかかっている間、ひずみのバラツキを少なくする。そのため、このような不織布ウェブによって、不織布ウェブの処理操作を容易にすることができる。
また別の実施態様では、本発明の不織布ウェブの平均防水性値は少なくとも250mmH2O、好ましくは、少なくとも400mmH2O、更に好ましくは、少なくとも500mmH2Oである。防水性値は、日本工業規格番号L1092の「繊維製品の防水性試験方法」と題する節に説明された「静水圧試験法」によって決定する。防水性値は、上記の方法に従って測定した静水頭部値の平均値(単位:mmH2O)として得られる。
【0011】
本発明の不織布ウェブは、バックシートとして使用される場合は好ましくは単一層ウェブである。ここで、「単一層」とは一つの層を含み、化学的あるいは物理的な手段によって接合されていないウェブを指す。
本発明の別の実施態様においては、本発明の不織布バックシートは、単一層ウェブの二層構造として使用してもよい。ここで、「二層構造」とは2つの単一層ウェブの少なくとも一部が接合されている構造を指す。このような二層構造は、好ましくは、単一層ウェブの少なくとも一部を折り畳むことによって形成される。第二の層は、スパンボンディングあるいはカーディング工程などの従来の工程で製造されるファブリックとすることもできる。
本発明の不織布ウェブは、更に多数の個別結合スポットあるいはエリアで形成されるパターンでエンボス加工することができる。本明細書において「エンボス加工」とは、本発明の使い捨て吸収性製品に形成する前に、加圧及び/又は加熱したウェブの一部を指す。ここで、「パターン」とは、エンボス加工したウェブの部分に予定された配列があることを指す。エンボス加工したパターンは、スポット、格子、斜線、破線、その他の公知の技術でのあらゆるパターンが可能である。公知の技術のいかなるエンボス加工工程も、このようなエンボスパターンなどの形成に使用できる。
【0012】
当業者には周知の通り、エンボス加工は、成分繊維をまとめて保持し、不織布ウェブ又は不織布層内に成分繊維を結合することによって不織布ウェブあるいは層に完全性を付与する。エンボス加工パターンは、着用中にウェブと衣類あるいは寝具との間に発生する摩擦に対するウェブの強度を高めると考えられている。このような摩擦に対するウェブの強度の向上はマーチンデール(Martindale)摩擦試験によって確認できる。
好ましくは、エンボス加工パターンは、不織布シート面積の少なくとも約0.5%のエンボス加工面積(又は結合面積)を形成する。更に好ましくは、エンボス加工面積は、不織布シート面積の約1.0%〜10%である。
好ましい実施態様において、不織布ウェブは、更に更にメルティングなどの物理的手段によって接合され、ウェブの外側を覆う、1つ以上の他のウェブを含むことができる。他のウェブと接合した場合、接合した表面には、好ましくはエンボス加工は含まない。
【0013】
更に本発明の不織布ウェブは、平均屈曲力値(“BFV”)が約80mgcm2/cm未満であり、好ましくは約50mgcm2/cm未満であり、更に好ましくは、約20mgcm2/cm未満である。BFV測定の手順は以下に記載の方法で測定する。
本発明の不織布ウェブは、好ましくは鮮やかで明瞭な色を出しやすく、グラフィックス背景として効果的な、高度なレベルの白さを有する。不織布の白さ(W)の値は好ましくは85以上である。白(W)の値は本明細書に記載の方法によって測定する。
本発明の不織布ウェブは、インクを使用してグラフィックスを印刷しても良い。グラフィックスはグラビア、オフセット、及びフレキソグラフィックスなどの、既知の方法で印刷してもよい。フレキソグラフィックスが好ましい。印刷に使用可能なインクの例としては、FPOTやP−BEST(製造元:大阪印刷インク製造株式会社)及びXS−787(製造元:大日本インク化学工業株式会社)などがある。不織布ウェブの空気透過率及び/又は透湿度を保持するためには、好ましくはインクの坪量が20g/m2より少なく、更に好ましくは0.3g/m2〜5g/m2の間とする。
【0014】
好ましい実施態様において、本発明の使い捨て衣類は図1に示されているように一体型使い捨ておむつ20である。本明細書において「一体型」とは、個々のホルダーやライナーのような、個別で扱われるパーツを必要としない、調整された実体を形成するよう、一体化した個別パーツで形成された衣類を指す。本明細書において、「おむつ」とは、一般的に幼児や失禁に悩む人々が着用する衣類であって、着用者の胴体下部に着用するものを指す。しかしながら、本発明は、失禁用パンツ、失禁用下着、おむつのホルダー及びライナー、トレーニングパンツ等の、その他の使い捨て衣類にも適用可能であることが理解される。
【0015】
図1は、おむつ20の構造を明確に示すため、表面を一部切りとり、おむつ20の一部を着用者に向け、内側表面40を手前に向けた、平らな、非収縮状態(つまり、弾性を生み出す収縮部分を引き出した状態)でのおむつ20の平面図である。図1に示すように、おむつ20は、好ましくは液体透過性トップシート24;トップシートと接合した液体不透過性バックシート26:及びトップシート24とバックシート26との間に置かれた吸収性コア28を含む封じ込み組み立て22を含んでいる。吸収性コア28は、向かい合う長手方向縁部60一組、内側表面及び外側表面を有する。好ましくは、おむつは更にサイドパネル30;伸縮性レッグカフス32;伸縮性ウエストバンド34;及び好ましくは一組の固定部材37とランディング部材38を備えた締着装置36を含む。バックシート26は、吸収性コア28により吸収され、収容された滲出物によりベッドシーツや下着など、おむつ20と接触する物品が濡れることを防止する。
おむつ20は、内側表面40(図1では、手前向き)、内側表面40と向かい合う外側表面42、後部腰部区域44、後部腰部区域44と向かい合う前部腰部区域46、後部腰部区域44と前部腰部区域46との間に配置された股領域48、及び、側部エッジを50、末端部エッジを52とする、おむつ20の外周あるいは末端部によって画定される周囲を有する。おむつ20の内側表面40は、おむつ20の使用中着用者の体に近接する位置を占める部分、(つまり、内側表面40は一般的に少なくともトップシート24とトップシート24に接合されたその他の構成部分で形成される)を含む。
【0016】
外側表面42は、着用者の体から離れて配置された部分(つまり、一般的に外側表面42は、少なくともバックシート26と、バックシート26に接合されたその他の構成部分で形成される)を含む。本明細書において「接合された」とは、要素を他の要素に直接固着することによって要素が別の要素に直接固定されるような構成配置、及び要素を中間体に固着し、次に中間体を別の要素に固着することによって間接的に要素を別の要素に固定される構成配置を含む。後部腰部区域44及び前部腰部区域46は、周囲の末端部エッジ52から股領域48へと広がる。
おむつ20は、長手方向中心線100と横断方向中心線110の2本の中心線も有する。本明細書において、「長手方向」とは、おむつ20の平面における直線、軸あるいは方向を指し、これは、一般的におむつ20を着用している場合に、立っている着用者を左右に二分する垂直な平面に揃う(つまり、概ね平行である)。本明細書において、「横断方向」とは、一般的に長手方向と垂直であるおむつの平面内にある置換え可能な直線、軸あるいは方向を指し、着用者はこれによって前後に二分される。
【0017】
トップシート24及びバックシート26の長さ及び幅は、一般的に吸収性コア28の長さ及び幅よりも大きい。トップシート24及びバックシート26は、吸収性コア28のエッジを超えて広がり、おむつ20の外周を形成する。トップシート24、バックシート26、吸収性コア28は、各種の周知構成配置に組み上げて良いが、代表的な収容アセンブリ構成配置は、一般に1975年1月14日にブエル(Buell)に発行された、「使い捨ておむつ用収縮可能なサイド部分(Contractible Side Portions for Disposable Diaper)」と題する、米国特許第3,860,003号;及び1992年9月29日にブエル(Buell)らに発行された、「予備配列された弾力的な可撓性ヒンジを有する動的に弾性的なウエスト構造部分を含む吸収性の製品(Absorbent Article With Dynamic Elastic Feature Having A Predisposed Resilient Flexural Hinge)」と題する米国特許第5,151,092号に説明されている。
本発明のバックシート26は、吸収性コア28の外側表面に近接して配置され、好ましくは公知の技術のいかなる好適な取り付け手段を使用して外側表面に接合される。たとえば、バックシート26は、1枚の連続した接着剤の層、パターン配列された接着剤層あるいは個別の線、螺旋、又はスポットの接着剤の配列により吸収性コア28に固定されてもよい。基準を満たした接着剤はミネソタ州、セントポールのH.B.ヒューラーカンパニーにより製造されており、HL−1258として販売されている。
【0018】
好適な接着手段の例には、接着剤フィラメントの開放パターン網が包含される。1986年3月4日にミネトラ(Minetola)らに発行された「使い捨て排泄物―収容衣類(Disposable Waste Containment Garment)」と題する米国特許第4,573,986号を参照のこと。渦巻きパターンに巻かれる接着剤フィラメントの線を幾つか備えた、別の適切な取り付け手段は、以下の特許に示される装置と工程により図示される。すなわち、1975年10月7日にスプラーグJr.
(Sprague, Jr.)に発行された米国特許第3,911,173号、1978年11月22日にジーカー(Ziecker)らに発行された米国特許第4,785,996号、及び1989年6月27日にウェレニック(Werenicz)に発行された米国特許第4,842,666号である。
或いは、取り付け手段は、加熱接着、圧力接着、超音波接合、動的機械的接着、又は当業者に周知であるような他の好適な取り付け手段、又はこれらの取り付け手段の組合せを含んでもよい。
【0019】
吸収性コア28は、着用者の皮膚に対して一般に圧縮性があり、形状合致で、着用者の皮膚に刺激がなく、また尿及び他の特定の体からの滲出物のような液体を吸収かつ保持できる部材でもよい。図1に示すように、吸収性コア28は、外側に面する(又は衣類に面する)サイド、身体に面するサイド、一組のサイドエッジ、一組のウエストエッジを有する。吸収性コア28は、多種多様なサイズ及び形状(例えば、長四角、漏刻、“T”字形、非対称形など)で製造され、また使い捨ておむつや一般的にエアフェルトと呼ばれている粉砕木材パルプのようなその他の衣類に通常使用されている多種多様な液体吸収性素材から製造してもよい。他の好適な衣類の例としては、縮みセルロース詰め物、コフォームを含むメルトブローポリマー、化学的に堅固化され、変性又は架橋されたセルロースファイバー、ティッシュラップとティッシュラミネートを含むティッシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル材料、あるいはいかなる同等の材料又は材料の組み合わせが挙げられる。
【0020】
吸収性コア28の構成配置と構造は、様々である(例えば、吸収性コアは、様々なキャリパーゾーンや、親水性勾配、超吸収性勾配、又はより低い平均密度、より低い平均坪量吸収帯を有していてもよく、あるいは、一つ以上の層又は構造を含んでいてもよい)。更に、吸収性コア28のサイズと吸収容量は、幼児から大人までの着用者に適するように様々に変化させてよい。しかしながら吸収性コア28の合計吸収容量は、設計負荷とおむつ20の意図した用途に対応すべきである。
おむつ20の好ましい実施態様は、前部腰部区域に耳部を有するが、一般的に後部腰部区域が長四角形状の、非対称で、変形T字型吸収性コア28である。広範囲に受け入れられ、商業的に成功している本発明の吸収性コア28として使用する代表的な吸収剤の構造は、1986年9月9日にワイズマン(Weisman)らに発行された「高密度吸収剤の構造(High Density Absorbent Structures)」と題する米国特許第4,610,678号;1987年6月16日にワイズマンらに発行された「二重層のコア吸収製品(Absorbent Articles With Dual Layered Cores)」と題する米国特許第4,673,402号;1989年12月19日にアングスタット(Angstadt)に発行された、「粉化層を備えた吸収性コア(Absorbent Core Having A Dusting Layer)」と題する米国特許第4,888,231号;及び1989年3月30日にアリマニー(Alemany)らに発行された、「低密度及び低坪量吸収帯を有する高密度吸収剤部材(High Density Absorbent Members Having Lower Density and Lower Basis Weight Acquisition Zones)」と題する米国特許第4,834,735号に記述されている。
【0021】
吸収性コアは更に、吸収剤保存コア上に、化学的に堅固化された繊維の吸収/分散コアを配置し、それにより二重のコアシステムを形成する、二重コアシステムを含んでもよい。好ましい実施態様において、化学的に堅固化された繊維は親水性の化学的に堅固化されたセルロース繊維である。本明細書において、「化学的に堅固化された繊維」は、乾燥及び水性の両条件のもとで繊維の剛性を向上させる化学的手段によって堅固化されたいかなる繊維を指す。このような手段は、たとえば、繊維のコーティング及び/又は含浸などの化学的硬化剤の添加を包含する。このような手段はまた、例えば、ポリマー鎖を架橋することによって繊維それ自体の化学構造を変化させて繊維を堅固化することも包含する。たとえば、架橋剤を繊維に適用し、次に繊維内架橋接合を形成することができる。これらの架橋接合は繊維の剛性を向上させる。化学的に繊維を堅固化するためには繊維内架橋接合の活用が好ましいが、繊維の化学的な堅固化のために、他種の反応の排除を意味するものではない。
【0022】
更に好ましい堅固化された繊維においては、化学的な加工処理は、繊維が相対的に脱水され、離解され(つまり、個別化され)、撚り合わされ、縮らした状態にある間に、架橋剤を用いた繊維内架橋を包含する。好適な化学的硬化剤には、架橋溶液を形成するために用いることが可能な、酸性機能を有するC2〜8ジアルデヒド、及びC2〜8モノアルデヒドを含むモノマー架橋剤を包含するが、これらに限定されない。これらの化合物は、単一セルロース鎖又は単一繊維内の近接位置の複数セルロース鎖の少なくとも2つのヒドロキシル基と反応可能である。
本明細書において堅固化されたセルロース繊維を用意するために有用な好ましい架橋剤には、グルタールアルデヒド、グリオキサール、ホルムアルデヒド、グリオキシル酸、クエン酸などのポリカルボキシレート類を包含するが、これらに限定されない。ポリカルボン硬化剤及びそれらから堅固化された繊維を製造する工程は、1993年3月2日にヘロン(Herron)に発行された「個別化されたポリカルボン酸架橋繊維を準備するための工程(Process for Preparing Individualized, Polycarboxylic Acid crosslinked Fibers)」と題する米国特許第5,190,563号に記載されている。これらの条件の下での架橋の効果は、堅固化された、並びに本明細書の使い捨て衣類の使用している間、撚り合わされ、縮らせた構成配置を維持しやすい繊維を形成することである。
【0023】
好ましい二重コアシステムは、1993年8月10日にアリマニー(Alemany)らに発行された「弾性的なウエスト構造部分を有し吸収性を向上させた吸収性の製品(Absorbent Article With Elastic Waist Feature and Enhanced Absorbency)」と題する米国特許第5,234,423号;及び1992年9月15日にヤング(Young)らに発行された「失禁管理用高効率吸収製品(High Efficiency Absorbent Articles for Incontinence Management)」と題する米国特許第5,147,345に開示されている。好ましい実施態様における吸収及び/又は分散コアは、化学的に処理された堅固化されたセルロース性の繊維素材を包含し、これは、「CMC」という商品表記でワイヤハウゼカンパニー(Weyerhaeuser Co.)(米国)から入手可能である。好ましくは、吸収及び/又は分散コアは、約40g/m2〜約400g/m2の坪量、更に好ましくは、約75g/m2〜約300g/m2の坪量を有する。
トップシート24は好ましくは、吸収性コア28の内部表面に隣接して配置し、好ましくは(表示されていないが)公知の技術のような取り付け手段によって吸収性コア28及びバックシート26へ接合する。好適な取り付け手段については、バックシート26の吸収性コア28への接合に関連して説明される。本発明の1つの好ましい実施態様においてトップシート24及びバックシート26は、おむつの周囲において互いに直接接合され、またいかなる好適な取り付け手段によって、それらを吸収性コア28へ直接接合することにより、間接的に接合される。
【0024】
トップシート24は、柔軟で、柔らかい感触を有し、着用者の皮膚を刺激しないことが好ましい。更に、トップシート24は、好ましくは液体(例:尿)をその厚み全体にわたって直ちに浸透させる液体浸透性である。好適なトップシート24は、織布材及び不織布材;孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルム等の高分子材料;多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;及び熱可塑性スクリム等の広範囲の材料から製造してもよい。好適な織物材料及び不織布材は、自然繊維(例;木又は綿繊維)、合成繊維(例:ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン繊維等の高分子繊維)、あるいは自然繊維及び合成繊維の組み合わせを含むことができる。
トップシート24は、トップシート24を通過して吸収性コア28内に含まれる液体から着用者の皮膚を隔離する(すなわち、再湿化を防止する)ために疎水性材料から作られるのが好ましい。トップシートが疎水性材料から作られている場合、少なくともトップシートの上面が親水性になるように処理されており、その結果、液体がより早くトップシートを通って移動される。これにより、体からの滲出物はトップシートから外へ流出する前に、トップシートを通して引き寄せられ、吸収性コアにより吸収される可能性が高くなる。
【0025】
トップシート24は、界面活性剤で処理することによって親水性にすることができる。界面活性剤でトップシートを処理する適切な工程には、トップシート材に界面活性剤を噴霧する工程、及びその材料を界面活性剤中に浸漬する工程を包含する。そのような処理と親水性のより詳細な議論は、1991年1月29日にレイジング(Reising)らに発行された「多層吸収層を有する吸収製品(Absorbent Articles with Multiple Layer Absorbent Layers)」と題する米国特許第4,988,344号、及び1991年1月29日にレイジング(Reising)に発行された「急速に吸収する吸収性コアを有する吸収製品(Absorbent Articles with Rapid Acquiring Absorbent Cores)」と題する米国特許第4,988,345号に記載されている。或いは、トップシート24は、親水性の仕上げオイルで処理された繊維によって形成される、カードされた不織布材であってもよい。
別の好ましいトップシートは、1枚の孔あき成形フィルムを含む。孔あき成形フィルムは、体からの滲出物を透過させるが非吸収性であるため、液体が逆戻りして着用者の皮膚を再び濡らす傾向を減少させる理由から、トップシートとして好ましい。そのため、体と接触する成形フィルムの表面は乾いた状態を保ち、体の汚れを少なくし、着用者により快適な着用感を与える。
【0026】
好適な成形フィルムについては、1975年12月30日にトンプソン(Thompson)に発行された「先が細くなったキャピラリーを備えた吸収構造(Absorptive Structures Having Tapered Capillaries)」と題する米国特許第3,929,135号;1982年4月月13日にムラン(Mullane)らに発行された「耐汚れ性のトップシートを備えた使い捨て吸収性の製品(Disposable Absorbent Article Having A Stain Resistant Topsheet)」と題する米国特許第4,324,246号;1982年8月3日にラデル(Radel)らに発行された「繊維のような性質を示す弾力的なプラスチックウェブ」と題する米国特許第4,342,314号;1983年7月31日にアー(Ahr)らに発行された「光沢のない可視表面及び布のような感触を備えた巨視的に伸張された三次元プラスチックウェブ(Macroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glossy Visible Surface and Cloth-Like Tactile Impression)」と題する米国特許第4,463,045号;及び1991年4月9日にベアド(Baird)に発行された「多層ポリマー被膜(Multilayer Polymeric Film)」と題する米国特許第5,006,394号に記載されている。
おむつ20は、更に好ましくは液体やその他の身体滲出物の収容性の改良を得るために、弾性脚部カフ32を含む。弾性脚部カフ32は、脚部領域内での体からの滲出物の漏れを減少させるために幾つかの異なった実施態様を含んでもよい。レッグカフは、脚部バンド、サイドフラップ、バリアカフ、伸縮性カフ、又はガスケットカフと呼ばれることも多い。
【0027】
1975年1月14日にブエル(Buell)に発行された「使い捨ておむつ用収縮性側部(Contractable Side Portions for Disposable Diaper)」と題する米国特許第3,860,003号には、サイドフラップと一つ以上の伸縮性のある部材を有し、弾性脚部カフを提供する、収縮性の脚部開口部を備える使い捨ておむつについて記載している。1990年3月20日にアジズ(Aziz)らに発行された「伸縮性のあるフラップを有する使い捨て吸収製品(Disposable AbsorbentArticle Having Elasticized Flaps)」と題する米国特許第4,909,803号に、脚部区域の収容方法を改良する「直立」する伸縮性のあるフラップ(バリアカフ)を有する使い捨ておむつが記載されている。1987年9月22日にローソン(Lawson)に発行された「二重カフを備える吸収性の製品(Absorbent Article Having Dual cuffs)」と題する米国特許第4,695,278号及び1989年1月3日にドラグー(Dragoo)に発行された「漏れ耐性二重カフスを有する吸収性の製品(Absorbent Article Having Leakage-Resistant Dual Cuffs)」と題する米国特許第4,795,454号に、ガスケットカフ及びバリアカフを包含する二重カフを有する使い捨ておむつについて記載している。1987年11月3日にブエル(Buell)に発行された「使い捨てウエスト収容衣類(Disposable Waist Containment Garment)」と題する米国特許第4,704,115号には、衣類の中に遊離液体を閉じ込めるために構成配置された横漏れガードガターを有する使い捨ておむつ又は失禁衣類を開示している。好ましい実施態様において、このようなバリアカフ又は「直立」伸縮性フラップは、本発明の不織布層によって形成される。
【0028】
図2は、トップシート24;トップシートに接合された液体不透過性バックシート26;及びトップシート24とバックシート26の間に配置した吸収性コア28を含むおむつ20の構造をより明瞭に示す、おむつ20の拡大断面図である。
弾性脚部カフはそれぞれ、脚部バンド、サイドフラップ、バリアカフあるいは上記説明の伸縮性カフと類似のものとなるように構成してもよいが、一つ以上の伸縮性ストランド65を備えるガスケットカフ63を包含する弾性脚部カフ32が好ましい。これらについては、前述の米国特許第4,695,278号及び第4,795,454号に記載されている。それぞれの弾性脚部カフは更に、上記米国特許第4,795,454号に記載されている内部バリアカフ35も包含することが好ましい。
おむつ20は、更に、適合性と収容性を改善するために伸縮性ウエストバンド34を包含する。伸縮性ウエストバンド34は、着用者のウエストに動的に適合させるために弾性的に膨張及び収縮することを目的としたプルオンおむつ20の部分もしくは領域である。伸縮性ウエストバンドは、好ましくはおむつのウエストエッジから吸収性コアのウエストエッジに向かって長手外方向に伸長している。好ましくは、おむつは2つの伸縮性ウエストバンドを有し、一つは後部区域に、他の1つは前部区域に配置する。伸縮性ウエストバンドは、1985年5月7日にキービット(Kievit)らに発行された「弾性的に収縮可能なウエストバンドを有する使い捨ておむつ(Disposable Diapers with Elastically ContractibleWaistbands)」と題する米国特許第4,515,595号及び先に参照した米国特許第5,151,092号に記載されている構成を含む多数の異なった構成に形成されてもよい。
【0029】
試験方法
耐水性値、空気透過率、透湿度及び引張り強度の測定は、次の日本工業規格の方法(JIS)を使用して実施する。
【0030】
【表1】
【0031】
ウェブ弾性率
試験ウェブのウェブ弾性率は以下のようにして測定する。
1.ウェブの引張り応力の測定
(サンプルの準備)
1.試験ウェブを機械方向(MD)に長さ610mm、幅150mmの試験試験片100に切り、この試験片を平らなテーブルに置き、伸ばして平らにする。(図6)
2.直径9.5mmの鉄鋼の棒102の横断方向(CD)での位置が試験片100の長手方向側部104から約1/3(約50mm)離れた位置になるように、鉄鋼の棒102を縦断方向に試験片100の上に置く。棒102は、後から取り出しやすくするため、試験片から約2.5cm突き出しておく。(図6)
3.試験片100の長手方向側部104の側部を棒102に沿って棒102の上に折り畳み、平らにならす(図7)。次に、矢印106に示すように試験片100を棒102の形状にそって横断方向に押さえ(図8)、試験片100を巻きつける。(図9及び10)
4.できるだけ試験片100に皺ができないように注意し、棒を試験片100の長手方向側に平行に保つ。巻いた試験片100の、棒102が存在していないほうの第一の末端部エッジ108を平らにならす。平らにした第一の末端部エッジ108を試験片100の複数の層を貫通させて数回止め金で止め(第一の末端部エッジ108を止め金で止めることは図9の参照番号112で指定されている)、これらの層が試験中にずれることのないように接合する。
5.試験片を巻き戻さないように注意して第二の末端部エッジ110から棒を引き出す。第二の末端部エッジ110が第一の末端部エッジ108と同じ平面で平らになるように平坦にし、第一の末端部エッジ108の止め金と第二の末端部エッジ110の止め金との間の距離が、以下の引張試験機のゲージ長さ(508mm)に対して十分な長さとなる約560mmとなるように第二の末端部110を数回止め金で止める(第二の末端部エッジ108を止め金で止める部分は図11の参照番号114として示されている)。このように試験サンプルを準備する。
【0032】
(測定装置の設定)
以下の条件下で試験サンプルを引張るように測定装置(引張試験機:Instron5564/MTS Testworks Ver.3.06)を設定する。
マスターメソッド 引張
ロードセル 100N
ゲージ長さ 508mm
クロスヘッド速度 254mm/分
応力読み取り点 歪み1%及び5%点
(測定)
測定は以下の手順で実施する。
1.引張試験機の上顎部分に試験サンプルの片方の末端部エッジを挿入し、上顎部分を閉じる。
2.上下の顎の間にストリップを整える。
3.たるまない程度に十分な引張をかけた状態で、試験サンプルの他方の末端部エッジを下顎に置く。
4.引張試験機のクロスヘッド(負荷メーター)の引張力をリセットする。
5.負荷メーターが5.0g以上を示さないことを確認しながら、下顎を閉じる。
6.特定テスタを起動する。
上記の測定から、試験サンプルの1%及び5%歪みでの引張応力が測定される。
【0033】
2.ウェブ弾性率の計算
1%及び5%歪みでの引張応力が上記の試験方法で測定される。1単位幅辺りのこれらの引張応力の差を計算し、次にこの差を5%と1%の差分を指す、0.04で割る。この値は各試料のウェブ弾性率として報告される。
ウェブ弾性率(gf/mm)=
(5%歪みでの引張応力(gf)−1%歪みでの引張応力(gf))/((0.05−0.01)・150(mm))
ここで、150(mm)は、試験片の幅である。
白さの値(W)
白さは、日本の日本電色工業株式会社製作の分光分析装置「NF777」を使用して測定する。W(ASTM E313)を白さの値として使用する。材質の白さは測定のCIE(Commission Internationale de I'Eclairage-国際照明学委員会)三刺激XYZ値から計算する。この値が高ければ高いほどサンプルの白さも増す。各サンプルの一つの層を日本電色が用意した白いプレート上に置き、分光分析装置で測定する。
W=4B−3G
(G:Y値と同値、B=測定した各サンプルの0.847Z)
漏れ試験
1.1psiの圧力下で
漏れを測定するには、図5に示す装置を使用する。重り台18(大阪のダイシンセイサクショ製)はポリオレフィンフィルムでラップして調整する。
【0034】
コア材12(エアフェルト+ティッシュ素材でラップしたAGM)及び60mm×30mmの大きさの濾紙14(Ahlstrom濾過939)を準備する。重り台の上の濾紙、試験ウェブサンプル10、及び最上部にあるコア材を順に重り台の上に置く。エアフェルトは、60mm×30mmの大きさで重さが約0.6であり、フォーリーフラフという名称で米国のベッキーセルロースコーポレーションから取得できる。AGMは、重さ約0.4gで、L−76lfの名称で日本の株式会社日本触媒から取得できる。ティッシュの坪量は、15g/m2で、これはミニコアカバーティシュという名称で、日本の株式会社ハヴィックス(Havix)から取得できる。重り台に三つの素材を設定した後、水溶性の青い染料を含む5mlの合成尿をコア材に注ぎ、180分間(3時間)1psiの圧力をかける。1psiで3時間置いた後、「青い」尿が試験ウェブを通して濾紙に含浸したかどうかを濾紙の色で調べる。濾紙の色が青に変わっている場合は、試験ウェブを通してコア材から染み出た合成尿を吸収した濾紙の重量を測定する。
2.10psiの圧力下で、
30分間10psiの圧力をかけることを除き、上記説明の手順を使用する。屈曲力値(BFV)
加藤テック株式会社(Kato Tech. Co Ltd.)製作の屈曲テスタ、KES−FB2を使用する。変形モードは、曲率K=−2.5cm-1〜2.5cm-1の純粋屈曲である。測定の有効寸法は、長さが20cm、幅が1.0cm(長四角)である。試料は図3A及び3Bに示すように曲げられる。屈曲速度は0.5cm-1/秒である。結果として、測定から図4に示す曲げヒステリシス曲線が得られる。横軸は、曲率Kcm-1を、たて軸は、モーメントM(gf・cm/cmを示す。BFVは次のように計算する。
BFV=(Bf+Bb)/2 (1)
ここで、Bf及びBbはそれぞれ、K=0.5cm-1と1.5cm-1の間、及びK=−0.5cm-1と−1.5cm-1の間のヒステリシス曲線の勾配である。
測定は、同一ウェブ試料の縦断方向及び横断方向で実施する。平均BFVは、試料の機械方向及び横断方向の測定値から得られた上記BFVの平均値である。
【実施例】
【0035】
以下の実施例は、本発明の範囲内の実施態様を更に記載し、説明するものである。これらの実施例は単に説明の目的だけで示されており、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の多数の改変が可能であり、本発明を限定するものではない。
本発明のメルトブロウン不織布ウェブは以下のように調整する。性質は表Iに記載する。
【0036】
実施例I
エンボス加工パターンを備えず、坪量が15g/m2のメルトブロウン不織布ウェブ、PC0015Gを調整する。不織布ウェブはポリプロピレン(PP)のファインファイバーでできている。ファインファイバーは、約3μm〜約5μmの厚みを有する。
この不織布ウェブは、防水性値が650mmH2O、空気透過率が38.9cm3/cm2/秒及び最大引張り強度値1.65kgfを有する。エンボス加工率(エンボス加工ロール)は3.3%である。不織布ウェブのウェブ弾性率371gf/mmである。白さ(W)の値は88である。
【0037】
実施例II
エンボス加工パターンを備えた、坪量が15g/m2のメルトブロウン不織布ウェブ、PC0015EMを調整する。不織布ウェブはポリプロピレン(PP)のファインファイバーから成る。ファインファイバーは、約3μm〜約5μmの厚みを有する。
この不織布ウェブは、耐水性値が680mmH2O、空気透過率が24.5cm3/cm2/秒及び最大引張り強度値2.06kgfを有する。エンボス加工率(エンボス加工ロール)は3.3%である。不織布ウェブのウェブ弾性率493gf/mmである。白さ(W)の値は88である。
【0038】
実施例III
エンボス加工パターンを備えた、坪量が50g/m2のメルトブロウン不織布ウェブ、PC0050Aを調整する。不織布ウェブはポリプロピレン(PP)のファインファイバーでできている。ファインファイバーは、約3μm〜約5μmの厚みを有する。
【0039】
この不織布ウェブは、耐水性値が520mmH2O、空気透過率が23.1cm3/cm2/秒及び最大引張り強度値2.73kgfを有する。エンボス加工率(エンボス加工ロール)は3.3%である。不織布ウェブのウェブ弾性率596gf/mmである。白さ(W)の値は90である。
【0040】
【表2】
【0041】
表2に示すように、本発明のメルトブロウン不織布ウェブは所望の性質を提供する。たとえば、本発明の不織布ウェブは、液体の漏れを防止する一方で、高い透湿度及び空気透過率、高い静水頭部値を示す。
【0042】
ここに記載する望ましい実施例及び実施態様は、単に説明を目的として提示したものであり、かつ本発明の範疇から逸脱することなくそれを変更又は変形することは当業者に予想されるであろうということが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】一部切りとって下層構造を露呈した、本発明の使い捨て衣類の1つの実施態様の平面図であり、衣類の内側表面が手前に向いている。
【図2】バックシートを含む使い捨て衣類の1つの好ましい実施態様の拡大された横断面図である。
【図3A】曲げ特性の測定を説明する概略図である。
【図3B】曲げ特性の測定を説明する概略図である。
【図4】不織サンプルの曲げ特性を示すグラフである。
【図5】漏れ試験の装置を説明する概略図である。
【図6】引張り応力測定時の最初の状態の概略図である。
【図7】引張り応力測定時の第2の状態の概略図である。
【図8】図7に示した線VII−VIIに沿って切られた断面図である。
【図9】引張り応力測定時の第3の状態の概略図である。
【図10】図9に示した線IX−IXに沿って切られた断面図である。
【図11】引張り応力測定時の第4の状態の概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は使い捨て衣類に関する。より詳細には、本発明はメルトブロウン不織布バックシートを有する使い捨て衣類に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
幼児や他の失禁に悩む個人は、尿や他の身体からの滲出物を収容して保持するために、おむつ等の使い捨て衣類を着用する。使い捨て衣類は、排出物を保持する機能、及び着用者の体及び着用者の衣類や寝具類から排出物を隔離する機能のいずれか、あるいは両方の機能を持つ。基本設計が異なる多くの使い捨て衣類が当業者業界では周知である。使い捨て衣類の例としては、プルオンおむつやトレーニングパンツなどの使い捨ておむつ(大人用及び子供用)、使い捨て下着、及び使い捨て吸収パッドなどがある。
また、吸収した液体が使い捨て衣類を貫通したり、近接する衣類、寝具類などを汚すことを防止する為に、使い捨て衣類の外側が可撓性の液体不透過性シートで覆われても良い事も周知である。このような液体不透過性シートは、ポリエチレンフィルムなどで構成されることが多い。このシートにより液体が使い捨て衣類を貫通することが防止される一方で、このようなプラスチックフィルムは着用者及び又はユーザーにとって不快なものとなりやすい。プラスチックフィルムは、透湿度が不充分であり、空気透過率がほとんどなく、そのため、着用者の皮膚に望ましくない刺激が生じる場合がある。
【0003】
十分な透湿度を提供するアプローチの1つは、ミクロ孔質ポリフィルムを使用することである。しかしながら、この方法は着用者に限られた透湿度しか提供せず、必要なレベルの50%未満の場合もある。しかも空気透過率は全くあるいはほとんどない。
もう一つのアプローチは不織布材を使用することである。旭化成工業が1990年2月16日に出版した、平均直径が0.5〜2.5μmのファインファイバーでできた、メルトブロウン不織の液体不浸透性シートを含む衛生用品を開示した、日本公開公報第H03−240151号を参照されたい。このような小さな繊維を含むシートは、衣類の中に液体を保持する可能性があるが、このようなシートは孔が小さすぎるため、必要なレベルの空気透過率を持たない。また、このシートは引張り強度が低い傾向がある。
前述の内容に基づき、使い捨て衣類とするために必要な透湿度、必要な空気透過率、及び十分な引張り強度を提供できる、メルトブローイングで形成した不織布バックシートを具備した使い捨て衣類に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、メルトブロウン不織布ウェブを含むバックシートを備えた使い捨て衣類に関する。メルトブロウンウェブは、平均繊維直径が約3μm〜約10μmのファインファイバーから成る。バックシートは坪量が約3g/m2〜約60g/m2で、空気透過率値が少なくとも約15cm3/cm2/秒である。
別の観点では、本発明はメルトブロウン不織布ウェブを含むバックシートを備えた使い捨て衣類に関する。メルトブロウン不織布ウェブは、約3μm〜10μmの平均繊維直径を有するファインファイバーから成る。不織布ウェブは230gf/mm〜650gf/mmのウェブ弾性率を有する。バックシートは、約15cm3/cm2/秒の空気透過率を有する。
本発明はまた、液体透過性トップシート、トップシートと組合された液体不透過性バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に置かれる吸収性コアを含む使い捨て衣類にも関する。バックシートはメルトブロウン不織布ウェブを含む。メルトブロウン不織布ウェブは、約3g/m2〜約60g/m2までの範囲の坪量を有する。メルトブロウン不織布ウェブは、約3μm〜10μmの平均繊維直径を有するポリオレフィンのファインファイバーから製造されており、少なくとも約15cm3/cm2/秒の空気透過率を有する。
【0005】
本発明のこれら及び他の性質、観点及び利点は、本開示を読むことにより当業者にとって明らかとなるであろう。
本明細書は、本発明の特徴を示し、発明を明確に主張する請求項を記述するが、発明は添付図面との関連で示される好ましい実施態様の以下の説明により、より良く理解されるであろうと考えられており、図面においては、実質的に同じ要素を示すために同様の表記が使用されている。
全ての引例は、全体を参照し、本明細書に組み入れている。いかなる参照の引用も、特許請求した発明に対する従来技術の可用性についての決定を容認するものではない。本明細書の図は、必ずしも一定の比率の縮尺で描かれていない。
【0006】
ここで、「含む」という用語は、最終結果に影響を与えない他の構成要素や工程を付加できることを意味する。この用語は、用語「から成る」及び「から本質的に成る」を包含する。
ここで、「使い捨て」という用語は、洗濯されない、又は、衣類としての復元や再使用を目的としていない衣類を意味している(すなわち、それらは、一度使用した後、廃棄されるか、好ましくは、リサイクル、堆肥化、あるいは環境上適切な方法で廃棄されるように作られている)。
ここで、「使い捨て衣類」という用語は、プルオンおむつやトレーニングパンツなどの使い捨ておむつ(大人用及び子供用)、使い捨ての下着、及び使い捨て吸収パッドを包含する物品を指す。
【0007】
本発明には、液体不透性及び透湿度/空気透過率の両方を備えるバックシートを必要とする、各種使い捨て衣類を包含することができる。本発明のバックシートは、、少なくとも約15cm3/cm2/秒の空気透過率値と組み合せた約3g/m2〜約60g/m2の範囲の坪量を有する不織布ウェブを含む。これらの組合せた特性を有する不織布ウェブは、衣類に使用した場合に望ましい液体不透性及び透湿度/空気透過率、ならびに柔軟性や可撓性などのその他の顕著な利点を提供する。
本明細書における不織布ウェブは、メルトブローイング工程により、平均繊維直径が約3μm〜約10μmのポリオレフィンのファインファイバーから製造される。メルトブローイング工程で製造された不織布ウェブは、柔らかい感触を提供するが、これらのウェブの強度は他の工程で製造されたウェブより劣ることは既知である。これらのメルトブロウンシートは、衣類の製造工程で簡単に破壊されやすい。小さな繊維で製造されたウェブも簡単に破壊されると考えられている。
更に、メルトブローイング工程で製造されたウェブは、たとえば、マルチカラー登録されたグラフィックなどの望ましい印刷ができ、外観を良くして消費者に受け入れやすくすることができると考えられる。これは、このようなウェブはポリフィルムやその他の種類の不織品よりも高いウェブ弾性率を有しているためであり、これにより引張り制御が簡単に行え、容易にグラフィックスを予定位置に調整することができる。メルトブロウン不織布ウェブを製造する工程の非制限的な例としては、1976年8月31日にバンティン(Buntin)らに発行された米国特許第3,978,185号、1986年11月11日にマッカミッシユ(McAmish)らに発行された米国特許第4,622,259号に開示されている。このようなウェブは一般的に単一層のウェブである。
【0008】
好ましくは、本明細書におけるファインファイバーでできた不織布ウェブは、ポリオレフィンファインファイバー、スチレン系熱可塑性エラストアーファインファイバー、及びこれらの混合物などの合成ファインファイバーから成る群から選択され、より好ましくは、合成ファインファイバーは、ポリプロピレン(PP)ファインファイバー、ポリエチレン(PE)ファインファイバー、及びエチレン/プロピレンのランダムなコポリマーから形成されたファインファイバーから成る群から選択され、更により好ましくは、合成ファインファイバーがポリプロピレン(PP)ファインファイバーである。
好ましくは、本明細書において有用なポリオレフィンファインファイバーは、平均繊維直径が約3μm〜約5μmである。理論によって限定するものではないが、このようなファインファイバーでできた不織布ウェブは、望ましい液体不透性及び/又は布のような感触を提供し、且つ必要な透湿度も保持すると考えられている。一つの好ましい実施態様において、不織布ウェブは50質量%を超えるポリプロピレンファインファイバーを含む。
好ましくは、本明細書で有用な不織布ウェブは、坪量が約10g/m2〜約30g/m2で、更に好ましくは、約15g/m2〜25g/m2である。
【0009】
更に、本発明の不織布ウェブは少なくとも約15cm3/cm2/秒の空気透過率値であり、より好ましくは、少なくとも約20cm3/cm2/秒である。空気透過率値は、日本工業規格番号L1096の6.27節、「空気透過率」において説明されているフレーザータイプのテスタを使用して決定する。空気透過率値は、上記の方法に従って測定され、試料を通過する空気量(単位:cm3/cm2/秒)として得られる。
一つの実施態様においては、本明細書で使用されている不織布ウェブは、少なくとも7,000g/m2/24時間、好ましくは少なくとも9,000g/m2/24時間の透湿度を有する。透湿度は、日本工業規格番号L1099に説明されている試験により決定する。
別の実施態様では、本発明の不織布ウェブは好ましくは少なくとも約1.0kgf、より好ましくは少なくとも約1.3kgの最大引張り強度値がある。最大引張り強度値は、日本工業規格番号L1085の5.4節「引張り強度と伸張率」に従って測定され決定される。試料は長さ30cm、幅5cmである。測定試料の保持距離(つまり、2つの保持グリップ間の距離)は20cmである。引張り速度は20cm/分である。最大引張り強度値は、試料が完全に破壊される前に測定された引張り強度値(Kgf)の最高値と説明されている。
【0010】
本発明の不織布ウェブは、好ましくは230gf/mm〜650gf/mmのウェブ弾性率、更に好ましくは300gf/mm〜550gf/mmのウェブ弾性率を有する。本明細書で使用する時、「ウェブ弾性率」とは、材料の応力/ひずみ曲線で1%のひずみと5%のひずみの間を結ぶ直線の斜度として定義された機械的性質を指す。ウェブ弾性率は本明細書において後述する方法によって測定できる。上記のウェブ弾性率を有する不織布ウェブは、不織布ウェブにおいて顕著なひずみのバラツキを起こさない、あるいは少なくとも、処理中張力がかかっている間、ひずみのバラツキを少なくする。そのため、このような不織布ウェブによって、不織布ウェブの処理操作を容易にすることができる。
また別の実施態様では、本発明の不織布ウェブの平均防水性値は少なくとも250mmH2O、好ましくは、少なくとも400mmH2O、更に好ましくは、少なくとも500mmH2Oである。防水性値は、日本工業規格番号L1092の「繊維製品の防水性試験方法」と題する節に説明された「静水圧試験法」によって決定する。防水性値は、上記の方法に従って測定した静水頭部値の平均値(単位:mmH2O)として得られる。
【0011】
本発明の不織布ウェブは、バックシートとして使用される場合は好ましくは単一層ウェブである。ここで、「単一層」とは一つの層を含み、化学的あるいは物理的な手段によって接合されていないウェブを指す。
本発明の別の実施態様においては、本発明の不織布バックシートは、単一層ウェブの二層構造として使用してもよい。ここで、「二層構造」とは2つの単一層ウェブの少なくとも一部が接合されている構造を指す。このような二層構造は、好ましくは、単一層ウェブの少なくとも一部を折り畳むことによって形成される。第二の層は、スパンボンディングあるいはカーディング工程などの従来の工程で製造されるファブリックとすることもできる。
本発明の不織布ウェブは、更に多数の個別結合スポットあるいはエリアで形成されるパターンでエンボス加工することができる。本明細書において「エンボス加工」とは、本発明の使い捨て吸収性製品に形成する前に、加圧及び/又は加熱したウェブの一部を指す。ここで、「パターン」とは、エンボス加工したウェブの部分に予定された配列があることを指す。エンボス加工したパターンは、スポット、格子、斜線、破線、その他の公知の技術でのあらゆるパターンが可能である。公知の技術のいかなるエンボス加工工程も、このようなエンボスパターンなどの形成に使用できる。
【0012】
当業者には周知の通り、エンボス加工は、成分繊維をまとめて保持し、不織布ウェブ又は不織布層内に成分繊維を結合することによって不織布ウェブあるいは層に完全性を付与する。エンボス加工パターンは、着用中にウェブと衣類あるいは寝具との間に発生する摩擦に対するウェブの強度を高めると考えられている。このような摩擦に対するウェブの強度の向上はマーチンデール(Martindale)摩擦試験によって確認できる。
好ましくは、エンボス加工パターンは、不織布シート面積の少なくとも約0.5%のエンボス加工面積(又は結合面積)を形成する。更に好ましくは、エンボス加工面積は、不織布シート面積の約1.0%〜10%である。
好ましい実施態様において、不織布ウェブは、更に更にメルティングなどの物理的手段によって接合され、ウェブの外側を覆う、1つ以上の他のウェブを含むことができる。他のウェブと接合した場合、接合した表面には、好ましくはエンボス加工は含まない。
【0013】
更に本発明の不織布ウェブは、平均屈曲力値(“BFV”)が約80mgcm2/cm未満であり、好ましくは約50mgcm2/cm未満であり、更に好ましくは、約20mgcm2/cm未満である。BFV測定の手順は以下に記載の方法で測定する。
本発明の不織布ウェブは、好ましくは鮮やかで明瞭な色を出しやすく、グラフィックス背景として効果的な、高度なレベルの白さを有する。不織布の白さ(W)の値は好ましくは85以上である。白(W)の値は本明細書に記載の方法によって測定する。
本発明の不織布ウェブは、インクを使用してグラフィックスを印刷しても良い。グラフィックスはグラビア、オフセット、及びフレキソグラフィックスなどの、既知の方法で印刷してもよい。フレキソグラフィックスが好ましい。印刷に使用可能なインクの例としては、FPOTやP−BEST(製造元:大阪印刷インク製造株式会社)及びXS−787(製造元:大日本インク化学工業株式会社)などがある。不織布ウェブの空気透過率及び/又は透湿度を保持するためには、好ましくはインクの坪量が20g/m2より少なく、更に好ましくは0.3g/m2〜5g/m2の間とする。
【0014】
好ましい実施態様において、本発明の使い捨て衣類は図1に示されているように一体型使い捨ておむつ20である。本明細書において「一体型」とは、個々のホルダーやライナーのような、個別で扱われるパーツを必要としない、調整された実体を形成するよう、一体化した個別パーツで形成された衣類を指す。本明細書において、「おむつ」とは、一般的に幼児や失禁に悩む人々が着用する衣類であって、着用者の胴体下部に着用するものを指す。しかしながら、本発明は、失禁用パンツ、失禁用下着、おむつのホルダー及びライナー、トレーニングパンツ等の、その他の使い捨て衣類にも適用可能であることが理解される。
【0015】
図1は、おむつ20の構造を明確に示すため、表面を一部切りとり、おむつ20の一部を着用者に向け、内側表面40を手前に向けた、平らな、非収縮状態(つまり、弾性を生み出す収縮部分を引き出した状態)でのおむつ20の平面図である。図1に示すように、おむつ20は、好ましくは液体透過性トップシート24;トップシートと接合した液体不透過性バックシート26:及びトップシート24とバックシート26との間に置かれた吸収性コア28を含む封じ込み組み立て22を含んでいる。吸収性コア28は、向かい合う長手方向縁部60一組、内側表面及び外側表面を有する。好ましくは、おむつは更にサイドパネル30;伸縮性レッグカフス32;伸縮性ウエストバンド34;及び好ましくは一組の固定部材37とランディング部材38を備えた締着装置36を含む。バックシート26は、吸収性コア28により吸収され、収容された滲出物によりベッドシーツや下着など、おむつ20と接触する物品が濡れることを防止する。
おむつ20は、内側表面40(図1では、手前向き)、内側表面40と向かい合う外側表面42、後部腰部区域44、後部腰部区域44と向かい合う前部腰部区域46、後部腰部区域44と前部腰部区域46との間に配置された股領域48、及び、側部エッジを50、末端部エッジを52とする、おむつ20の外周あるいは末端部によって画定される周囲を有する。おむつ20の内側表面40は、おむつ20の使用中着用者の体に近接する位置を占める部分、(つまり、内側表面40は一般的に少なくともトップシート24とトップシート24に接合されたその他の構成部分で形成される)を含む。
【0016】
外側表面42は、着用者の体から離れて配置された部分(つまり、一般的に外側表面42は、少なくともバックシート26と、バックシート26に接合されたその他の構成部分で形成される)を含む。本明細書において「接合された」とは、要素を他の要素に直接固着することによって要素が別の要素に直接固定されるような構成配置、及び要素を中間体に固着し、次に中間体を別の要素に固着することによって間接的に要素を別の要素に固定される構成配置を含む。後部腰部区域44及び前部腰部区域46は、周囲の末端部エッジ52から股領域48へと広がる。
おむつ20は、長手方向中心線100と横断方向中心線110の2本の中心線も有する。本明細書において、「長手方向」とは、おむつ20の平面における直線、軸あるいは方向を指し、これは、一般的におむつ20を着用している場合に、立っている着用者を左右に二分する垂直な平面に揃う(つまり、概ね平行である)。本明細書において、「横断方向」とは、一般的に長手方向と垂直であるおむつの平面内にある置換え可能な直線、軸あるいは方向を指し、着用者はこれによって前後に二分される。
【0017】
トップシート24及びバックシート26の長さ及び幅は、一般的に吸収性コア28の長さ及び幅よりも大きい。トップシート24及びバックシート26は、吸収性コア28のエッジを超えて広がり、おむつ20の外周を形成する。トップシート24、バックシート26、吸収性コア28は、各種の周知構成配置に組み上げて良いが、代表的な収容アセンブリ構成配置は、一般に1975年1月14日にブエル(Buell)に発行された、「使い捨ておむつ用収縮可能なサイド部分(Contractible Side Portions for Disposable Diaper)」と題する、米国特許第3,860,003号;及び1992年9月29日にブエル(Buell)らに発行された、「予備配列された弾力的な可撓性ヒンジを有する動的に弾性的なウエスト構造部分を含む吸収性の製品(Absorbent Article With Dynamic Elastic Feature Having A Predisposed Resilient Flexural Hinge)」と題する米国特許第5,151,092号に説明されている。
本発明のバックシート26は、吸収性コア28の外側表面に近接して配置され、好ましくは公知の技術のいかなる好適な取り付け手段を使用して外側表面に接合される。たとえば、バックシート26は、1枚の連続した接着剤の層、パターン配列された接着剤層あるいは個別の線、螺旋、又はスポットの接着剤の配列により吸収性コア28に固定されてもよい。基準を満たした接着剤はミネソタ州、セントポールのH.B.ヒューラーカンパニーにより製造されており、HL−1258として販売されている。
【0018】
好適な接着手段の例には、接着剤フィラメントの開放パターン網が包含される。1986年3月4日にミネトラ(Minetola)らに発行された「使い捨て排泄物―収容衣類(Disposable Waste Containment Garment)」と題する米国特許第4,573,986号を参照のこと。渦巻きパターンに巻かれる接着剤フィラメントの線を幾つか備えた、別の適切な取り付け手段は、以下の特許に示される装置と工程により図示される。すなわち、1975年10月7日にスプラーグJr.
(Sprague, Jr.)に発行された米国特許第3,911,173号、1978年11月22日にジーカー(Ziecker)らに発行された米国特許第4,785,996号、及び1989年6月27日にウェレニック(Werenicz)に発行された米国特許第4,842,666号である。
或いは、取り付け手段は、加熱接着、圧力接着、超音波接合、動的機械的接着、又は当業者に周知であるような他の好適な取り付け手段、又はこれらの取り付け手段の組合せを含んでもよい。
【0019】
吸収性コア28は、着用者の皮膚に対して一般に圧縮性があり、形状合致で、着用者の皮膚に刺激がなく、また尿及び他の特定の体からの滲出物のような液体を吸収かつ保持できる部材でもよい。図1に示すように、吸収性コア28は、外側に面する(又は衣類に面する)サイド、身体に面するサイド、一組のサイドエッジ、一組のウエストエッジを有する。吸収性コア28は、多種多様なサイズ及び形状(例えば、長四角、漏刻、“T”字形、非対称形など)で製造され、また使い捨ておむつや一般的にエアフェルトと呼ばれている粉砕木材パルプのようなその他の衣類に通常使用されている多種多様な液体吸収性素材から製造してもよい。他の好適な衣類の例としては、縮みセルロース詰め物、コフォームを含むメルトブローポリマー、化学的に堅固化され、変性又は架橋されたセルロースファイバー、ティッシュラップとティッシュラミネートを含むティッシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル材料、あるいはいかなる同等の材料又は材料の組み合わせが挙げられる。
【0020】
吸収性コア28の構成配置と構造は、様々である(例えば、吸収性コアは、様々なキャリパーゾーンや、親水性勾配、超吸収性勾配、又はより低い平均密度、より低い平均坪量吸収帯を有していてもよく、あるいは、一つ以上の層又は構造を含んでいてもよい)。更に、吸収性コア28のサイズと吸収容量は、幼児から大人までの着用者に適するように様々に変化させてよい。しかしながら吸収性コア28の合計吸収容量は、設計負荷とおむつ20の意図した用途に対応すべきである。
おむつ20の好ましい実施態様は、前部腰部区域に耳部を有するが、一般的に後部腰部区域が長四角形状の、非対称で、変形T字型吸収性コア28である。広範囲に受け入れられ、商業的に成功している本発明の吸収性コア28として使用する代表的な吸収剤の構造は、1986年9月9日にワイズマン(Weisman)らに発行された「高密度吸収剤の構造(High Density Absorbent Structures)」と題する米国特許第4,610,678号;1987年6月16日にワイズマンらに発行された「二重層のコア吸収製品(Absorbent Articles With Dual Layered Cores)」と題する米国特許第4,673,402号;1989年12月19日にアングスタット(Angstadt)に発行された、「粉化層を備えた吸収性コア(Absorbent Core Having A Dusting Layer)」と題する米国特許第4,888,231号;及び1989年3月30日にアリマニー(Alemany)らに発行された、「低密度及び低坪量吸収帯を有する高密度吸収剤部材(High Density Absorbent Members Having Lower Density and Lower Basis Weight Acquisition Zones)」と題する米国特許第4,834,735号に記述されている。
【0021】
吸収性コアは更に、吸収剤保存コア上に、化学的に堅固化された繊維の吸収/分散コアを配置し、それにより二重のコアシステムを形成する、二重コアシステムを含んでもよい。好ましい実施態様において、化学的に堅固化された繊維は親水性の化学的に堅固化されたセルロース繊維である。本明細書において、「化学的に堅固化された繊維」は、乾燥及び水性の両条件のもとで繊維の剛性を向上させる化学的手段によって堅固化されたいかなる繊維を指す。このような手段は、たとえば、繊維のコーティング及び/又は含浸などの化学的硬化剤の添加を包含する。このような手段はまた、例えば、ポリマー鎖を架橋することによって繊維それ自体の化学構造を変化させて繊維を堅固化することも包含する。たとえば、架橋剤を繊維に適用し、次に繊維内架橋接合を形成することができる。これらの架橋接合は繊維の剛性を向上させる。化学的に繊維を堅固化するためには繊維内架橋接合の活用が好ましいが、繊維の化学的な堅固化のために、他種の反応の排除を意味するものではない。
【0022】
更に好ましい堅固化された繊維においては、化学的な加工処理は、繊維が相対的に脱水され、離解され(つまり、個別化され)、撚り合わされ、縮らした状態にある間に、架橋剤を用いた繊維内架橋を包含する。好適な化学的硬化剤には、架橋溶液を形成するために用いることが可能な、酸性機能を有するC2〜8ジアルデヒド、及びC2〜8モノアルデヒドを含むモノマー架橋剤を包含するが、これらに限定されない。これらの化合物は、単一セルロース鎖又は単一繊維内の近接位置の複数セルロース鎖の少なくとも2つのヒドロキシル基と反応可能である。
本明細書において堅固化されたセルロース繊維を用意するために有用な好ましい架橋剤には、グルタールアルデヒド、グリオキサール、ホルムアルデヒド、グリオキシル酸、クエン酸などのポリカルボキシレート類を包含するが、これらに限定されない。ポリカルボン硬化剤及びそれらから堅固化された繊維を製造する工程は、1993年3月2日にヘロン(Herron)に発行された「個別化されたポリカルボン酸架橋繊維を準備するための工程(Process for Preparing Individualized, Polycarboxylic Acid crosslinked Fibers)」と題する米国特許第5,190,563号に記載されている。これらの条件の下での架橋の効果は、堅固化された、並びに本明細書の使い捨て衣類の使用している間、撚り合わされ、縮らせた構成配置を維持しやすい繊維を形成することである。
【0023】
好ましい二重コアシステムは、1993年8月10日にアリマニー(Alemany)らに発行された「弾性的なウエスト構造部分を有し吸収性を向上させた吸収性の製品(Absorbent Article With Elastic Waist Feature and Enhanced Absorbency)」と題する米国特許第5,234,423号;及び1992年9月15日にヤング(Young)らに発行された「失禁管理用高効率吸収製品(High Efficiency Absorbent Articles for Incontinence Management)」と題する米国特許第5,147,345に開示されている。好ましい実施態様における吸収及び/又は分散コアは、化学的に処理された堅固化されたセルロース性の繊維素材を包含し、これは、「CMC」という商品表記でワイヤハウゼカンパニー(Weyerhaeuser Co.)(米国)から入手可能である。好ましくは、吸収及び/又は分散コアは、約40g/m2〜約400g/m2の坪量、更に好ましくは、約75g/m2〜約300g/m2の坪量を有する。
トップシート24は好ましくは、吸収性コア28の内部表面に隣接して配置し、好ましくは(表示されていないが)公知の技術のような取り付け手段によって吸収性コア28及びバックシート26へ接合する。好適な取り付け手段については、バックシート26の吸収性コア28への接合に関連して説明される。本発明の1つの好ましい実施態様においてトップシート24及びバックシート26は、おむつの周囲において互いに直接接合され、またいかなる好適な取り付け手段によって、それらを吸収性コア28へ直接接合することにより、間接的に接合される。
【0024】
トップシート24は、柔軟で、柔らかい感触を有し、着用者の皮膚を刺激しないことが好ましい。更に、トップシート24は、好ましくは液体(例:尿)をその厚み全体にわたって直ちに浸透させる液体浸透性である。好適なトップシート24は、織布材及び不織布材;孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルム等の高分子材料;多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;及び熱可塑性スクリム等の広範囲の材料から製造してもよい。好適な織物材料及び不織布材は、自然繊維(例;木又は綿繊維)、合成繊維(例:ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン繊維等の高分子繊維)、あるいは自然繊維及び合成繊維の組み合わせを含むことができる。
トップシート24は、トップシート24を通過して吸収性コア28内に含まれる液体から着用者の皮膚を隔離する(すなわち、再湿化を防止する)ために疎水性材料から作られるのが好ましい。トップシートが疎水性材料から作られている場合、少なくともトップシートの上面が親水性になるように処理されており、その結果、液体がより早くトップシートを通って移動される。これにより、体からの滲出物はトップシートから外へ流出する前に、トップシートを通して引き寄せられ、吸収性コアにより吸収される可能性が高くなる。
【0025】
トップシート24は、界面活性剤で処理することによって親水性にすることができる。界面活性剤でトップシートを処理する適切な工程には、トップシート材に界面活性剤を噴霧する工程、及びその材料を界面活性剤中に浸漬する工程を包含する。そのような処理と親水性のより詳細な議論は、1991年1月29日にレイジング(Reising)らに発行された「多層吸収層を有する吸収製品(Absorbent Articles with Multiple Layer Absorbent Layers)」と題する米国特許第4,988,344号、及び1991年1月29日にレイジング(Reising)に発行された「急速に吸収する吸収性コアを有する吸収製品(Absorbent Articles with Rapid Acquiring Absorbent Cores)」と題する米国特許第4,988,345号に記載されている。或いは、トップシート24は、親水性の仕上げオイルで処理された繊維によって形成される、カードされた不織布材であってもよい。
別の好ましいトップシートは、1枚の孔あき成形フィルムを含む。孔あき成形フィルムは、体からの滲出物を透過させるが非吸収性であるため、液体が逆戻りして着用者の皮膚を再び濡らす傾向を減少させる理由から、トップシートとして好ましい。そのため、体と接触する成形フィルムの表面は乾いた状態を保ち、体の汚れを少なくし、着用者により快適な着用感を与える。
【0026】
好適な成形フィルムについては、1975年12月30日にトンプソン(Thompson)に発行された「先が細くなったキャピラリーを備えた吸収構造(Absorptive Structures Having Tapered Capillaries)」と題する米国特許第3,929,135号;1982年4月月13日にムラン(Mullane)らに発行された「耐汚れ性のトップシートを備えた使い捨て吸収性の製品(Disposable Absorbent Article Having A Stain Resistant Topsheet)」と題する米国特許第4,324,246号;1982年8月3日にラデル(Radel)らに発行された「繊維のような性質を示す弾力的なプラスチックウェブ」と題する米国特許第4,342,314号;1983年7月31日にアー(Ahr)らに発行された「光沢のない可視表面及び布のような感触を備えた巨視的に伸張された三次元プラスチックウェブ(Macroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glossy Visible Surface and Cloth-Like Tactile Impression)」と題する米国特許第4,463,045号;及び1991年4月9日にベアド(Baird)に発行された「多層ポリマー被膜(Multilayer Polymeric Film)」と題する米国特許第5,006,394号に記載されている。
おむつ20は、更に好ましくは液体やその他の身体滲出物の収容性の改良を得るために、弾性脚部カフ32を含む。弾性脚部カフ32は、脚部領域内での体からの滲出物の漏れを減少させるために幾つかの異なった実施態様を含んでもよい。レッグカフは、脚部バンド、サイドフラップ、バリアカフ、伸縮性カフ、又はガスケットカフと呼ばれることも多い。
【0027】
1975年1月14日にブエル(Buell)に発行された「使い捨ておむつ用収縮性側部(Contractable Side Portions for Disposable Diaper)」と題する米国特許第3,860,003号には、サイドフラップと一つ以上の伸縮性のある部材を有し、弾性脚部カフを提供する、収縮性の脚部開口部を備える使い捨ておむつについて記載している。1990年3月20日にアジズ(Aziz)らに発行された「伸縮性のあるフラップを有する使い捨て吸収製品(Disposable AbsorbentArticle Having Elasticized Flaps)」と題する米国特許第4,909,803号に、脚部区域の収容方法を改良する「直立」する伸縮性のあるフラップ(バリアカフ)を有する使い捨ておむつが記載されている。1987年9月22日にローソン(Lawson)に発行された「二重カフを備える吸収性の製品(Absorbent Article Having Dual cuffs)」と題する米国特許第4,695,278号及び1989年1月3日にドラグー(Dragoo)に発行された「漏れ耐性二重カフスを有する吸収性の製品(Absorbent Article Having Leakage-Resistant Dual Cuffs)」と題する米国特許第4,795,454号に、ガスケットカフ及びバリアカフを包含する二重カフを有する使い捨ておむつについて記載している。1987年11月3日にブエル(Buell)に発行された「使い捨てウエスト収容衣類(Disposable Waist Containment Garment)」と題する米国特許第4,704,115号には、衣類の中に遊離液体を閉じ込めるために構成配置された横漏れガードガターを有する使い捨ておむつ又は失禁衣類を開示している。好ましい実施態様において、このようなバリアカフ又は「直立」伸縮性フラップは、本発明の不織布層によって形成される。
【0028】
図2は、トップシート24;トップシートに接合された液体不透過性バックシート26;及びトップシート24とバックシート26の間に配置した吸収性コア28を含むおむつ20の構造をより明瞭に示す、おむつ20の拡大断面図である。
弾性脚部カフはそれぞれ、脚部バンド、サイドフラップ、バリアカフあるいは上記説明の伸縮性カフと類似のものとなるように構成してもよいが、一つ以上の伸縮性ストランド65を備えるガスケットカフ63を包含する弾性脚部カフ32が好ましい。これらについては、前述の米国特許第4,695,278号及び第4,795,454号に記載されている。それぞれの弾性脚部カフは更に、上記米国特許第4,795,454号に記載されている内部バリアカフ35も包含することが好ましい。
おむつ20は、更に、適合性と収容性を改善するために伸縮性ウエストバンド34を包含する。伸縮性ウエストバンド34は、着用者のウエストに動的に適合させるために弾性的に膨張及び収縮することを目的としたプルオンおむつ20の部分もしくは領域である。伸縮性ウエストバンドは、好ましくはおむつのウエストエッジから吸収性コアのウエストエッジに向かって長手外方向に伸長している。好ましくは、おむつは2つの伸縮性ウエストバンドを有し、一つは後部区域に、他の1つは前部区域に配置する。伸縮性ウエストバンドは、1985年5月7日にキービット(Kievit)らに発行された「弾性的に収縮可能なウエストバンドを有する使い捨ておむつ(Disposable Diapers with Elastically ContractibleWaistbands)」と題する米国特許第4,515,595号及び先に参照した米国特許第5,151,092号に記載されている構成を含む多数の異なった構成に形成されてもよい。
【0029】
試験方法
耐水性値、空気透過率、透湿度及び引張り強度の測定は、次の日本工業規格の方法(JIS)を使用して実施する。
【0030】
【表1】
【0031】
ウェブ弾性率
試験ウェブのウェブ弾性率は以下のようにして測定する。
1.ウェブの引張り応力の測定
(サンプルの準備)
1.試験ウェブを機械方向(MD)に長さ610mm、幅150mmの試験試験片100に切り、この試験片を平らなテーブルに置き、伸ばして平らにする。(図6)
2.直径9.5mmの鉄鋼の棒102の横断方向(CD)での位置が試験片100の長手方向側部104から約1/3(約50mm)離れた位置になるように、鉄鋼の棒102を縦断方向に試験片100の上に置く。棒102は、後から取り出しやすくするため、試験片から約2.5cm突き出しておく。(図6)
3.試験片100の長手方向側部104の側部を棒102に沿って棒102の上に折り畳み、平らにならす(図7)。次に、矢印106に示すように試験片100を棒102の形状にそって横断方向に押さえ(図8)、試験片100を巻きつける。(図9及び10)
4.できるだけ試験片100に皺ができないように注意し、棒を試験片100の長手方向側に平行に保つ。巻いた試験片100の、棒102が存在していないほうの第一の末端部エッジ108を平らにならす。平らにした第一の末端部エッジ108を試験片100の複数の層を貫通させて数回止め金で止め(第一の末端部エッジ108を止め金で止めることは図9の参照番号112で指定されている)、これらの層が試験中にずれることのないように接合する。
5.試験片を巻き戻さないように注意して第二の末端部エッジ110から棒を引き出す。第二の末端部エッジ110が第一の末端部エッジ108と同じ平面で平らになるように平坦にし、第一の末端部エッジ108の止め金と第二の末端部エッジ110の止め金との間の距離が、以下の引張試験機のゲージ長さ(508mm)に対して十分な長さとなる約560mmとなるように第二の末端部110を数回止め金で止める(第二の末端部エッジ108を止め金で止める部分は図11の参照番号114として示されている)。このように試験サンプルを準備する。
【0032】
(測定装置の設定)
以下の条件下で試験サンプルを引張るように測定装置(引張試験機:Instron5564/MTS Testworks Ver.3.06)を設定する。
マスターメソッド 引張
ロードセル 100N
ゲージ長さ 508mm
クロスヘッド速度 254mm/分
応力読み取り点 歪み1%及び5%点
(測定)
測定は以下の手順で実施する。
1.引張試験機の上顎部分に試験サンプルの片方の末端部エッジを挿入し、上顎部分を閉じる。
2.上下の顎の間にストリップを整える。
3.たるまない程度に十分な引張をかけた状態で、試験サンプルの他方の末端部エッジを下顎に置く。
4.引張試験機のクロスヘッド(負荷メーター)の引張力をリセットする。
5.負荷メーターが5.0g以上を示さないことを確認しながら、下顎を閉じる。
6.特定テスタを起動する。
上記の測定から、試験サンプルの1%及び5%歪みでの引張応力が測定される。
【0033】
2.ウェブ弾性率の計算
1%及び5%歪みでの引張応力が上記の試験方法で測定される。1単位幅辺りのこれらの引張応力の差を計算し、次にこの差を5%と1%の差分を指す、0.04で割る。この値は各試料のウェブ弾性率として報告される。
ウェブ弾性率(gf/mm)=
(5%歪みでの引張応力(gf)−1%歪みでの引張応力(gf))/((0.05−0.01)・150(mm))
ここで、150(mm)は、試験片の幅である。
白さの値(W)
白さは、日本の日本電色工業株式会社製作の分光分析装置「NF777」を使用して測定する。W(ASTM E313)を白さの値として使用する。材質の白さは測定のCIE(Commission Internationale de I'Eclairage-国際照明学委員会)三刺激XYZ値から計算する。この値が高ければ高いほどサンプルの白さも増す。各サンプルの一つの層を日本電色が用意した白いプレート上に置き、分光分析装置で測定する。
W=4B−3G
(G:Y値と同値、B=測定した各サンプルの0.847Z)
漏れ試験
1.1psiの圧力下で
漏れを測定するには、図5に示す装置を使用する。重り台18(大阪のダイシンセイサクショ製)はポリオレフィンフィルムでラップして調整する。
【0034】
コア材12(エアフェルト+ティッシュ素材でラップしたAGM)及び60mm×30mmの大きさの濾紙14(Ahlstrom濾過939)を準備する。重り台の上の濾紙、試験ウェブサンプル10、及び最上部にあるコア材を順に重り台の上に置く。エアフェルトは、60mm×30mmの大きさで重さが約0.6であり、フォーリーフラフという名称で米国のベッキーセルロースコーポレーションから取得できる。AGMは、重さ約0.4gで、L−76lfの名称で日本の株式会社日本触媒から取得できる。ティッシュの坪量は、15g/m2で、これはミニコアカバーティシュという名称で、日本の株式会社ハヴィックス(Havix)から取得できる。重り台に三つの素材を設定した後、水溶性の青い染料を含む5mlの合成尿をコア材に注ぎ、180分間(3時間)1psiの圧力をかける。1psiで3時間置いた後、「青い」尿が試験ウェブを通して濾紙に含浸したかどうかを濾紙の色で調べる。濾紙の色が青に変わっている場合は、試験ウェブを通してコア材から染み出た合成尿を吸収した濾紙の重量を測定する。
2.10psiの圧力下で、
30分間10psiの圧力をかけることを除き、上記説明の手順を使用する。屈曲力値(BFV)
加藤テック株式会社(Kato Tech. Co Ltd.)製作の屈曲テスタ、KES−FB2を使用する。変形モードは、曲率K=−2.5cm-1〜2.5cm-1の純粋屈曲である。測定の有効寸法は、長さが20cm、幅が1.0cm(長四角)である。試料は図3A及び3Bに示すように曲げられる。屈曲速度は0.5cm-1/秒である。結果として、測定から図4に示す曲げヒステリシス曲線が得られる。横軸は、曲率Kcm-1を、たて軸は、モーメントM(gf・cm/cmを示す。BFVは次のように計算する。
BFV=(Bf+Bb)/2 (1)
ここで、Bf及びBbはそれぞれ、K=0.5cm-1と1.5cm-1の間、及びK=−0.5cm-1と−1.5cm-1の間のヒステリシス曲線の勾配である。
測定は、同一ウェブ試料の縦断方向及び横断方向で実施する。平均BFVは、試料の機械方向及び横断方向の測定値から得られた上記BFVの平均値である。
【実施例】
【0035】
以下の実施例は、本発明の範囲内の実施態様を更に記載し、説明するものである。これらの実施例は単に説明の目的だけで示されており、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の多数の改変が可能であり、本発明を限定するものではない。
本発明のメルトブロウン不織布ウェブは以下のように調整する。性質は表Iに記載する。
【0036】
実施例I
エンボス加工パターンを備えず、坪量が15g/m2のメルトブロウン不織布ウェブ、PC0015Gを調整する。不織布ウェブはポリプロピレン(PP)のファインファイバーでできている。ファインファイバーは、約3μm〜約5μmの厚みを有する。
この不織布ウェブは、防水性値が650mmH2O、空気透過率が38.9cm3/cm2/秒及び最大引張り強度値1.65kgfを有する。エンボス加工率(エンボス加工ロール)は3.3%である。不織布ウェブのウェブ弾性率371gf/mmである。白さ(W)の値は88である。
【0037】
実施例II
エンボス加工パターンを備えた、坪量が15g/m2のメルトブロウン不織布ウェブ、PC0015EMを調整する。不織布ウェブはポリプロピレン(PP)のファインファイバーから成る。ファインファイバーは、約3μm〜約5μmの厚みを有する。
この不織布ウェブは、耐水性値が680mmH2O、空気透過率が24.5cm3/cm2/秒及び最大引張り強度値2.06kgfを有する。エンボス加工率(エンボス加工ロール)は3.3%である。不織布ウェブのウェブ弾性率493gf/mmである。白さ(W)の値は88である。
【0038】
実施例III
エンボス加工パターンを備えた、坪量が50g/m2のメルトブロウン不織布ウェブ、PC0050Aを調整する。不織布ウェブはポリプロピレン(PP)のファインファイバーでできている。ファインファイバーは、約3μm〜約5μmの厚みを有する。
【0039】
この不織布ウェブは、耐水性値が520mmH2O、空気透過率が23.1cm3/cm2/秒及び最大引張り強度値2.73kgfを有する。エンボス加工率(エンボス加工ロール)は3.3%である。不織布ウェブのウェブ弾性率596gf/mmである。白さ(W)の値は90である。
【0040】
【表2】
【0041】
表2に示すように、本発明のメルトブロウン不織布ウェブは所望の性質を提供する。たとえば、本発明の不織布ウェブは、液体の漏れを防止する一方で、高い透湿度及び空気透過率、高い静水頭部値を示す。
【0042】
ここに記載する望ましい実施例及び実施態様は、単に説明を目的として提示したものであり、かつ本発明の範疇から逸脱することなくそれを変更又は変形することは当業者に予想されるであろうということが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】一部切りとって下層構造を露呈した、本発明の使い捨て衣類の1つの実施態様の平面図であり、衣類の内側表面が手前に向いている。
【図2】バックシートを含む使い捨て衣類の1つの好ましい実施態様の拡大された横断面図である。
【図3A】曲げ特性の測定を説明する概略図である。
【図3B】曲げ特性の測定を説明する概略図である。
【図4】不織サンプルの曲げ特性を示すグラフである。
【図5】漏れ試験の装置を説明する概略図である。
【図6】引張り応力測定時の最初の状態の概略図である。
【図7】引張り応力測定時の第2の状態の概略図である。
【図8】図7に示した線VII−VIIに沿って切られた断面図である。
【図9】引張り応力測定時の第3の状態の概略図である。
【図10】図9に示した線IX−IXに沿って切られた断面図である。
【図11】引張り応力測定時の第4の状態の概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体透過性のトップシートと、前記トップシートに組み合わされた液体不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収性コアと、弾性レッグカフと、を備え、
前記弾性レッグカフは不織布ウェブからなり、前記不織布ウエブは第一の層と第二の層とを含み、前記第一の層は約3μmから約10μmの平均繊維直径を有するファインファイバーからなり、前記不織布ウエブは約3g/m2から約60g/m2の坪量、少なくとも約15cm3/cm2/秒の空気透過率値、及び少なくとも7、000g/m2/24時間の透湿度を有する、使い捨て衣類。
【請求項2】
前記第一の層が約3μmから約5μmの平均繊維直径を有するポリオレフィンファインファイバーを含む、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項3】
前記不織布ウエブが少なくとも約0.7kgfの最大引張り強度値を有する、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項4】
前記ポリオレフィンがポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンのランダムコポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の使い捨て衣類。
【請求項5】
前記第一の層が50質量%を超えるポリプロピレンファインファイバーを含む、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項6】
前記不織布ウエブが少なくとも約250mmH2Oの耐水性値を有する、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項7】
前記不織布ウエブが85以上の白さ値を有する、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項8】
10psiの圧力下で漏出のない請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項9】
前記不織布ウエブが230gf/mmから650gf/mmの間のウエブ弾性率を示す請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項10】
前記不織布ウエブが約80mg・cm2/cmより小さい平均曲げ力値を示す、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項11】
前記第二の層がスパンボンディングにより形成された布からなる、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項12】
前記第一の層と前記第二の層とが2つの単体層として接合されている、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項13】
前記第一の層と前記第二の層とが単一の不織布層を形成している、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項1】
液体透過性のトップシートと、前記トップシートに組み合わされた液体不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収性コアと、弾性レッグカフと、を備え、
前記弾性レッグカフは不織布ウェブからなり、前記不織布ウエブは第一の層と第二の層とを含み、前記第一の層は約3μmから約10μmの平均繊維直径を有するファインファイバーからなり、前記不織布ウエブは約3g/m2から約60g/m2の坪量、少なくとも約15cm3/cm2/秒の空気透過率値、及び少なくとも7、000g/m2/24時間の透湿度を有する、使い捨て衣類。
【請求項2】
前記第一の層が約3μmから約5μmの平均繊維直径を有するポリオレフィンファインファイバーを含む、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項3】
前記不織布ウエブが少なくとも約0.7kgfの最大引張り強度値を有する、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項4】
前記ポリオレフィンがポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンのランダムコポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の使い捨て衣類。
【請求項5】
前記第一の層が50質量%を超えるポリプロピレンファインファイバーを含む、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項6】
前記不織布ウエブが少なくとも約250mmH2Oの耐水性値を有する、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項7】
前記不織布ウエブが85以上の白さ値を有する、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項8】
10psiの圧力下で漏出のない請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項9】
前記不織布ウエブが230gf/mmから650gf/mmの間のウエブ弾性率を示す請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項10】
前記不織布ウエブが約80mg・cm2/cmより小さい平均曲げ力値を示す、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項11】
前記第二の層がスパンボンディングにより形成された布からなる、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項12】
前記第一の層と前記第二の層とが2つの単体層として接合されている、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【請求項13】
前記第一の層と前記第二の層とが単一の不織布層を形成している、請求項1に記載の使い捨て衣類。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−177549(P2011−177549A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109624(P2011−109624)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【分割の表示】特願2001−546359(P2001−546359)の分割
【原出願日】平成12年12月20日(2000.12.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【分割の表示】特願2001−546359(P2001−546359)の分割
【原出願日】平成12年12月20日(2000.12.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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