説明

メールシステム、メール開封確認方法、メールサーバー、及びメール開封確認プログラム

【課題】開封確認メールによりメールの受信件数が増加することを抑制でき、開封状態を効率的に管理できるようにする。
【解決手段】発信元の携帯端末装置11は、開封確認要求を示す情報を含むメールを送信し、メールサーバー16は、開封確認が必要なメールを受信すると、開封確認メール保存領域222に保存エリアを確保して、送信先の携帯端末装置12a〜12cにメールを転送する。送信先の携帯端末装置12a〜12cは、開封確認が必要なメールを受信すると、メールの閲覧の後に開封結果をメールで通知し、メールサーバー16は、送信先の携帯端末装置12a〜12cからの開封結果のメールを受信すると、開封結果を開封確認メール保存領域222に蓄積すると共に、送信先の携帯端末装置12a〜12cからの開封結果を纏めて所定のタイミングで発信元の携帯端末装置11に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開封通知機能を有するメールシステム、メール開封確認方法、メールサーバー、及びメール開封確認プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
送信したメールが開封されたかどうかを確認するために、発信元からのメールが送信先に届き、送信先のユーザがメールを開封すると、送信先から発信元に開封通知が返送されるような、開封通知機能を有するメールシステムが知られている。このような開封通知機能では、通常、開封確認要求のメールを送信する際に、発信元は、そのメールのヘッダ部やアタッチ部に、開封確認要求の制御コードを記述してメールを送信し、送信先は、メールを受信すると、この制御コードにより開封確認要求のメールであるかどうかを判定し、開封確認要求のメールの場合には、メールが閲覧された後に、送信先から発信元に開封通知のメールが返信される。
【0003】
また、特許文献1には、メールサーバーで、通常の電子メールと開封通知とを別々に管理し、ユーザからの要求により、メールサーバーから発信元に、電子メールの開封通知を送信するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−169755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、通常のメール開封通知機能では、開封確認要求のメールを送信すると、メールの閲覧後に、送信先から開封通知のメールが発信元に返送される。このため、多数の送信先に開封確認要求のメールを送信したような場合には、各送信先でメールが閲覧される毎に、開封確認のメールが発信元に返送されてくることになり、受信メールの数が増加し、メールの確認が煩わしくなる。更に、携帯端末装置を使ってメールを送受信する場合、多数の開封確認メールが返送されてくると、メールの受信件数が増加し、CPUの稼働率が上昇し、バッテリーの消費が早くなるという問題が生じる。
【0006】
また、特許文献1に示されるものでは、メールサーバーで通常の電子メールと開封通知とを別々に管理し、ユーザからの要求により、メールサーバーから発信元に、電子メールの開封通知を送信している。この場合、メールサーバーで複数の送信先からの開封通知の一覧を作成して発信元に送信することができるため、各送信先から多数の開封確認メールが返送されてくることを抑制できる。しかしながら、特許文献1に示されるものは、ユーザからの要求により、メールサーバーから発信元に開封通知を送信するものであり、発信元からメールサーバーに取得要求を送信しなければ、メールの開封を確認することができない。
【0007】
上述の課題を鑑み、本発明は、開封確認メールによりメールの受信件数が増加することを抑制でき、開封状態を効率的に管理できるようにしたメールシステム、メール開封確認方法、メールサーバー、及びメール開封確認プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明に係るメールシステムは、発信元の端末装置と送信先の端末装置との間で、メールサーバーを介してメールを転送するメールシステムであって、発信元の端末装置は、送信先の端末装置に開封確認が必要なメールを送信する際に、開封確認要求を示す情報を含むメールを送信する手段を有し、メールサーバーは、発信元の端末装置からのメールを受信すると、発信元の端末装置からのメールを送信先の端末装置に転送する手段と、送信先の端末装置からの開封結果を示すメールを受信すると、送信先の端末装置からの開封結果を蓄積する手段と、送信先の端末装置からの開封結果を纏めて発信元の端末装置に所定のタイミングで通知する手段を有し、送信先の端末装置は、メールを受信すると、開封確認が必要であるかどうかを判定する手段と、開封確認が必要であると判定すると、メールの閲覧後に開封結果を示すメールを返信する手段を有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係るメール確認方法は、発信元の端末装置と送信先の端末装置との間で、メールサーバーを介してメールを転送するメールシステムのメール開封確認方法であって、発信元の端末装置は、送信先の端末装置に開封確認が必要なメールを送信する際に、開封確認要求を示す情報を含むメールを送信し、メールサーバーは、発信元の端末装置からのメールを受信すると、発信元の端末装置からのメールを送信先の端末装置に転送し、送信先の端末装置は、メールを受信すると、開封確認が必要であるかどうかを判定し、開封確認が必要であると判定すると、メールの閲覧後に開封結果を示すメールを返信し、メールサーバーは、送信先の端末装置からの開封結果を示すメールを受信すると、送信先の端末装置からの開封結果を蓄積し、送信先の端末装置からの開封結果を纏めて発信元の端末装置に所定のタイミングで通知することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るメールサーバーは、発信元の端末装置と送信先の端末装置との間でメールを転送するメールサーバーであって、発信元の端末装置からのメールを受信すると、発信元の端末装置からのメールを送信先の端末装置に転送する手段と、送信先の端末装置からの開封結果を示すメールを受信すると、送信先の端末装置からの開封結果を蓄積する手段と、送信先の端末装置からの開封結果を纏めて発信元の端末装置に所定のタイミングで通知する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るメール確認プログラムは、発信元の端末装置と送信先の端末装置との間でメールを転送するメールサーバーのメール開封確認プログラムであって、発信元の端末装置からのメールを受信すると、発信元の端末装置からのメールを送信先の端末装置に転送するステップと、送信先の端末装置からの開封結果を示すメールを受信すると、送信先の端末装置からの開封結果を蓄積するステップと、送信先の端末装置からの開封結果を纏めて発信元の端末装置に所定のタイミングで通知するステップとを前記メールサーバーのコンピュータに実行させるメール開封確認プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、メールサーバーは、送信先からの開封結果のメールを受信すると、この送信先からの開封結果を蓄積し、この送信先からの開封結果を纏めて所定のタイミングで発信元に通知している。このため、発信元は複数のメールを見ながら状況を把握する煩わしさが解消される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るメールシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るメールシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るメールシステムで使用されるメールサーバーの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態での開封確認メールの転送処理を説明図である。
【図5】発信元の携帯端末装置でメールを作成する際の処理を示すフローチャートである。
【図6】メールサーバーが発信元の携帯端末装置又は送信先の携帯端末装置からのメールを受信した際の処理を示すフローチャートである。
【図7】開封状態通知処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】開封状況を定期的に報告するためのタイマがタイムアウトした際の処理を示すフローチャートである。
【図9】送信先の携帯端末装置が開封通知の必要なメールを受信した際の処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態における開封状況を定期的に報告するためのタイマがタイムアウトした際の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るメールシステムの構成を示すブロック図である。図1において、携帯端末装置11はメールの発信元の端末であり、携帯端末装置12a、12b、12cはメールの送信先の端末である。携帯端末装置11及び携帯端末装置12a〜12cは、基地局13及び基地局14a〜14cと無線で通信を行い、移動通信網15を介して、音声やデータ通信を行うことができる。
【0015】
メールサーバー16は、携帯端末装置11及び携帯端末装置12a〜12cの間のメール転送を行う。なお、メールサーバー16は、インターネット網とゲートウェイを行って、インターネット網のメールの転送を行うことも可能である。
【0016】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るメールシステムで使用される携帯端末装置11、12a〜12cの構成を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係るメールシステムで使用される携帯端末装置11、12a〜12cは、無線部101と、アンテナ102と、制御部103と、記憶部104と、キー操作部105と、表示部106とを備えている。
【0018】
無線部101は、アンテナ102を介して、基地局13及び基地局14a〜14cとの間で、無線でデータを送受信する。制御部103からの送信データは無線部101に送られ、無線部101で変調され、アンテナ102を介して、基地局13及び基地局14a〜14cに送信される。基地局13及び基地局14a〜14cから送信された信号は、アンテナ102で受信され、無線部101で復調され、制御部103に送られる。なお、無線部101での通信方式には各種の方式のものがあるが、本発明では、どのような通信方式を用いても良い。
【0019】
制御部103は、CPU(Central Processing Unit)111からなり、制御プログラム112に基づいて、各部の処理を行う。制御プログラム112としては、メールの送信及び受信を行うメーラプログラムを含んでいる。
【0020】
記憶部104は、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等から構成される。記憶部104には、装置の状態やデータ編集時の一時的な作業エリア121と、送受信メールを保存するためのデータ保存エリア122とを含んでいる。
【0021】
キー操作部105は、各種の入力を受け付けるもので、キー操作部105としては、メールを作成するときの文字入力ボタン、メール送信ボタン、メール返信ボタン、開封確認ボタン等を含んでいる。表示部106は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなり、各種の情報を表示する。
【0022】
図3は、本発明の第1の実施形態に係るメールシステムで使用されるメールサーバー16の構成を示すブロック図である。
【0023】
図3に示すように、本発明の第1の実施形態に係るメールシステムで使用されるメールサーバー16は、制御部201と、記憶部202とを備えている。
【0024】
制御部201は、CPU211を有し、制御プログラム212に基づいて、受信したメールデータを解析し、記憶部202に格納する。制御プログラム212としては、通常のメール転送機能の他に、表題に開封確認が必要であることを示す特定の文字列を含めることで開封確認を行う機能を含んでいる。
【0025】
記憶部202は、ROM又はRAMや、HDD(Hard Disk Drive)等を使用して構成される。記憶部202は、開封確認を必要としない通常メール保存領域221と、開封確認を必要とする開封確認メール保存領域222とを有している。開封確認メール保存領域222には、管理番号に対応して、送信先のメールアドレスと、開封結果と、メッセージとが記載される。また、開封確認メール保存領域222に対して、送信先からの開封通知が全て受け取れていない間、定期的に発信元へ状況を報告するための定期報告タイマが設けられる。
【0026】
本発明の第1の実施形態では、発信元の携帯端末装置11から送信先の携帯端末装置12a〜12cにメールを送信する際に、開封確認が必要な場合、表題に例えば「開封確認」や「開封」といった開封確認が必要であることを示す特定の文字列を記載してメールを送信する。このように、本発明の第1の実施形態では、表題に開封確認が必要であることを示す特定の文字列を含めることで、発信元の携帯端末装置11に、定期的に送信先の携帯端末装置12a〜12cの開封状況が纏めて送信される。
【0027】
つまり、図4は、本発明の第1の実施形態での開封確認メールの転送処理を説明図である。
【0028】
図4において、発信元の携帯端末装置11では、送信先の携帯端末装置12a〜12cに、開封確認が必要なメールを送信する場合には、表題に例えば「開封確認」や「開封」といった開封確認が必要であることを示す特定の文字列を記載してメールを送信する(処理PRC101)。
【0029】
メールサーバー16は、メールを受信し、表題の文字列から開封確認が必要であると判定すると、管理番号を付加し、開封確認メール保存領域222に、管理番号に対応させて、送信先からの開封結果を格納するエリアを確保する(処理PRC102)。このエリアは、管理番号に対応して、送信先のメールアドレスと、開封結果と、メッセージとを記載する。そして、メールサーバー16は、指定されているメールアドレスに従って、送信先の携帯端末装置12a、12b、12cに、管理番号を付加してメールを送信する(処理PRC103a〜PRC103c)。
【0030】
送信先の携帯端末装置12a、12b、12cは、メールサーバー16からメールを受信し、メールを開封すると、表題に開封確認が必要であることを示す特定の文字列が含まれているかどうかを判定する。そして、送信先の携帯端末装置12a、12b、12cは、特定の文字列が含まれている場合には、メール閲覧後、閲覧中の画面を閉じると、開封結果をメールで通知する。このとき、送信先の携帯端末装置12a、12b、12cは、メッセージを付加することができる。この例では、携帯端末装置12aはメールを開封し、その開封結果をメールサーバー16に通知している(処理PRC104a)。携帯端末装置12bはメールを未開封である。携帯端末装置12cは、メールを開封し、「了解」のメッセージを付加して、その開封結果をメールサーバー16に通知している(処理PRC104c)。
【0031】
メールサーバー16は、送信先の携帯端末装置12a、12b、12cからの開封通知を待ち、表題の管理番号と開封確認メール保存領域の管理番号とを照合し、管理番号が一致する開封確認メール保存領域中のエリアを特定し、管理番号が一致するエリアが特定できたら、開封通知を送信したメールアドレスを開封確認メール保存領域222の送信先メールアドレスから特定し、特定できた送信先について、開封結果の欄に、メールが開封されたことを示す情報を記録する。この例では、送信先の携帯端末装置12a、12b、12cのうち、携帯端末装置12aからは開封結果のメールを受信したので、開封結果に丸印を付加し(処理PRC105a)、携帯端末装置12cからはメッセージ付きの開封結果のメールを受信したので、開封結果に二重丸を付加している(処理PRC105c)。携帯端末装置12bからは開封結果のメールを受信していないので、開封結果は無印としている。
【0032】
メールサーバー16は、全ての送信先の携帯端末装置12a、12b、12cから開封通知を受信したところで、もしくは一定時間が経過したところで、発信元の携帯端末装置11に開封通知結果をメールで通知する(処理PRC106)。このとき、メールサーバー16は、携帯端末装置12a〜12cの開封通知結果を纏めてメールで送信できる。
【0033】
発信元の携帯端末装置11では、メールサーバー16からの開封通知結果を受信することで、送信先の携帯端末装置12a〜12cの開封状態が判断できる。
【0034】
このように、本発明の第1の実施形態では、表題に開封確認が必要であることを示す特定の文字列を含めることで、発信元の携帯端末装置11に、定期的に送信先の携帯端末装置12a〜12cからの開封状況が知らされ、これにより、メールの開封状況を確認できる。また、本発明の第1の実施形態では、表題に特定の文字列を含めるだけで開封確認ができるので、システムの負荷を軽減できると共に、本文に特定の文字列を含める必要はないので、メールの本文の記載には制約を与えることがない。また、本発明の第1の実施形態では、メールサーバー16の開封確認メール保存領域222に、送信先からの開封結果を格納するエリアを確保しているので、複数の送信先の携帯端末装置12a〜12cからの開封通知を纏めて発信元の携帯端末装置11にメール通知できる。このため、発信元の携帯端末装置11は複数のメールを見ながら状況を把握する煩わしさが解消される。また、本発明の第1の実施形態では、発信元の携帯端末装置11には、全ての送信先の携帯端末装置12a、12b、12cから開封通知を受信したタイミングで、もしくは一定時間が経過したタイミングで、メールサーバー16から開封通知結果が定期的にメールで通知されており、ユーザがメールサーバー16に開封通知の要求を送信する必要がない。
【0035】
次に、本発明の第1の実施形態に係るメールシステムの処理について、図5〜図9のフローチャートを参照しながら説明する。
【0036】
図5は、発信元の携帯端末装置11でメールを作成する際の処理を示すフローチャートである。
【0037】
なお、発信元の携帯端末装置11のユーザは、開封確認のメールを送信する場合には、例えば「開封確認」や「開封」といった特定の文字列を表題に入力する。この開封確認が必要であることを示す特定の文字列は、文字入力により入力していく以外に、ハードウェアに開封確認ボタンを用意するか、別の用途で使用しているボタンをメール閲覧状態のときのみ一時的に割り当て、1回のボタン押下で入力することも可能である。この例では、発信元の携帯端末装置11には、開封確認ボタンが用意されているものとする。
【0038】
図5において、発信元の携帯端末装置11の制御部103は、メール作成時にボタンが押下された場合、開封確認ボタンが押下されたか判定する(ステップS101)。
【0039】
ステップS101で、開封確認ボタンが押下されたと判定されると(ステップS101 Yes)、発信元の携帯端末装置11の制御部103は、表題の文字列を検索し、開封確認が必要であることを示す特定の文字列が入力済みかどうかを判定する(ステップS102)。
【0040】
ステップS102で、表題に開封確認が必要であることを示す特定の文字列が既に入力されていると判定された場合(ステップS102 Yes)、発信元の携帯端末装置11の制御部103は、ステップS101に処理をリターンし、次のボタン入力を待つ。
【0041】
ステップS102で、表題に開封確認が必要であることを示す特定の文字列が入力されていないと判定された場合(ステップS102 No)、発信元の携帯端末装置11の制御部103は、表題に開封確認が必要であることを示す特定の文字列を追加し(ステップS103)、ステップS101にリターンし、その後、次のボタン入力を待つ。
【0042】
ステップS101で、開封確認ボタン以外が押下された場合(ステップS101 No)、発信元の携帯端末装置11の制御部103は、メール送信ボタンが押下されたかどうかを判定する(ステップS104)。ここで、メール送信ボタンが押下されたと判定された場合(ステップS104 Yes)、発信元の携帯端末装置11の制御部103は、作成していたメールを発信する(ステップS105)。押下されたボタンがメール送信ボタンではないと判定された場合(ステップS104 No)、発信元の携帯端末装置11の制御部103は、メール作成を継続し(ステップS106)、ステップS101にリターンする。
【0043】
以上の処理により、発信元の携帯端末装置11では、開封確認が必要なメールの場合には、表題に、例えば「開封確認」や「開封」といった、開封確認が必要であることを示す特定の文字列が記載されたメールを送信する処理が行われる。
【0044】
図6は、メールサーバー16が発信元の携帯端末装置11又は送信先の携帯端末装置12a〜12cからのメールを受信した際の処理を示すフローチャートである。
【0045】
図6において、メールサーバー16の制御部201は、メールを受信すると、受信したメールの表題の文字列を解析する(ステップS201)。そして、メールサーバー16の制御部201は、表題の中に、例えば「開封確認」や「開封」といった開封確認が必要であることを示す特定の文字列があるかどうかにより判別し、開封通知が必要なメールかどうかを判定する(ステップS202)。
【0046】
ステップS202で、表題の文字列に開封通知を必要としている特定の文字列があると判定された場合(ステップS202 Yes)、メールサーバー16の制御部201は、表題の文字列に、管理番号が付加されているかどうかを判定する(ステップS203)。
【0047】
ステップS203で、管理番号が付加されていないと判定されると(ステップS203 No)、メールサーバー16の制御部201は、発信元の携帯端末装置11から開封通知が必要なメールを受信したと判定し、管理番号を表題に付加する(ステップS204)。そして、メールサーバー16の制御部201は、管理番号に対応させて、メールサーバーの記憶部202内に開封情報を保存するエリアを確保し、受信したメールを開封確認メール保存領域222に格納する(ステップS205)。そして、メールサーバー16の制御部201は、送信先からの開封通知が全て受け取れていない間、定期的に発信元へ状況を報告するための定期報告タイマを発行し(ステップS206)、送信先の携帯端末装置12a、12b、12cへメールを送信する(ステップS207)。
【0048】
ステップS203で、表題に管理番号が付加されている場合(ステップS203 Yes)、メールサーバー16の制御部201は、送信先の携帯端末装置12a〜12cから、開封通知のメールを受信したと判定し、開封状態通知処理を実行する(ステップS208)。ステップS208の開封状態通知処理の詳細については、後に図7を参照して説明する。
【0049】
ステップS202で、表題に開封通知が必要な文字列が含まれていない場合(ステップS202 No)、制御部201は、通常メールとして、メールを通常メール保存領域221に格納し(ステップS209)、送信先へメールを送信する(ステップS210)。
【0050】
図7は、上述のステップS208での開封状態通知処理を示すフローチャートである。
【0051】
前述したように、メールサーバー16が管理番号が付与されたメールを受信すると、ステップS208での開封状態通知処理となる。この場合、メールサーバー16は、送信先の携帯端末装置12a〜12cから開封通知のメールを受信したと判定できる。このときのメールは、開封確認メール保存領域222に保存されており、また、開封確認メール保存領域222には、管理番号に対応させて、送信先のメールアドレスと、送信先の各メールアドレスの開封結果と、メッセージとを記載するエリアが確保されている。
【0052】
図7において、メールサーバー16の制御部201は、管理番号が付与されたメールを受信すると、表題に記されている管理番号と開封確認メール保存領域222とを照合し、管理番号が一致する開封確認メール保存領域222のエリアを特定する(ステップS301)。
【0053】
管理番号が一致するエリアが特定できたら、メールサーバー16の制御部201は、開封通知を送信したメールアドレスと開封確認メール保存領域222の送信先メールアドレスとを照合して、開封通知を送信したメールアドレスを特定し(ステップS302)、開封通知を送信したメールアドレスが特定できたら、特定できた送信先について、開封結果の欄に、メールが開封されたことを示す情報を記録する(ステップS303)。
【0054】
メールサーバー16の制御部201は、該当メールは全ての送信先で開封済みかどうかを判定し(ステップS304)、該当メールは全て開封済みであると判定された場合(ステップS304 Yes)、定期報告タイマを停止する(ステップS305)。そして、メールサーバー16の制御部201は、発信元の携帯端末装置11に、送信先の携帯端末装置12a〜12cの開封結果を纏めてプッシュ送信にて通知する(ステップS306)。プッシュ送信とは、携帯端末装置11からの要求無しに自律的に情報を送信することである。ステップS304で、全ての送信先で開封済みでない場合(ステップS304 No)、メールサーバー16の制御部201は、処理を終了する。
【0055】
図7に示す処理により、開封確認メール保存領域222に、送信先の携帯端末装置12a〜12cの開封結果が記載される。そして、メールサーバー16が定期報告タイマがタイムアウトする前に全ての送信先の携帯端末装置12a〜12cから開封確認通知のメールを受信すれば、送信先の携帯端末装置12a〜12cの開封結果が発信元の携帯端末装置11に纏めてプッシュ送信にて通知される。
【0056】
ここで、送信先の全ての携帯端末装置12a〜12cからの開封結果が所定時間を過ぎても受信できない場合には、定期報告タイマがタイムアウトとなる。図8は開封状況を定期的に報告するためのタイマがタイムアウトした際の処理を示すフローチャートである。
【0057】
図8において、定期報告タイマがタイムアウトしたら、メールサーバー16の制御部201は、タイムアウトしたメールの管理番号と、メールサーバー16の開封確認メール保存領域222の管理番号とを照合して、どの送信先のメールのタイマがタイムアウトしたのか特定する(ステップS401)。次に、メールサーバー16の制御部201は、発信元の携帯端末装置11に開封状況のメールをプッシュ送信することで通知し(ステップS402)、定期報告タイマを再発行する(ステップS403)。これにより、送信先の携帯端末装置12a〜12cからの開封通知が全て受け取れていない間、発信元の携帯端末装置11に定期的に、携帯端末装置12a〜12cの開封状況を報告することができる。
【0058】
図9は、送信先の携帯端末装置12a〜12cが開封通知の必要なメールを受信した際の処理を示すフローチャートである。
【0059】
図9において、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、受信したメールを表示中かどうかを判定する(ステップS501)。表示中でなければ(ステップS501 No)、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、本処理を終了する。メールの表示中の場合(ステップS501 Yes)、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、表示中の画面を閉じるかどうかを確認し(ステップS502)、画面を閉じる操作が行われるまで、その状態を保持する。
【0060】
ステップS502で、画面を閉じる操作をしたと判定されたら(ステップS502 Yes)、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、表示中の受信メールの表題に、開封確認が必要であることを示す特定の文字列が含まれているかどうかにより、開封通知が必要かどうかを判定する(ステップS503)。ステップS503で、開封通知が不要であった場合(ステップS503 No)、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、何もせず本処理を終了する。
【0061】
ステップS503で、開封通知が必要であると判定された場合(ステップS503 Yes)、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、該当メールはそれまで未開封だったかどうかを判定する(ステップS504)。既に開封済みのメールであれば(ステップS504 No)、何もせず本処理を終了する。
【0062】
ステップS504で、該当メールが未開封であった場合(ステップS504 Yes)、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、開封通知が必要な旨のメッセージを表示部106に表示する(ステップS505)。そして、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、開封通知にメッセージを付加するかどうかを判断するための画面を表示部106に表示する(ステップS506)。
【0063】
メッセージを付加するかどうかを判断するための画面を表示部106に表示した後、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、ユーザがメッセージ付きの開封通知を選択したかどうかを判定する(ステップS507)。
【0064】
ステップS507で、メッセージ付きの開封通知を選択した場合(ステップS507 Yes)、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、発信元へ通知するメッセージが入力できるように文字入力画面に状態を遷移させる(ステップS508)。そして、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、文字入力が完了したか判定し(ステップS509)、文字入力が完了していない場合(ステップS509 No)、完了するまでその状態を維持する。文字入力が完了した場合(ステップS509 Yes)、制御部103は、開封確認通知のメールを送信する(ステップS510)。
【0065】
ステップS507で、メッセージ付きの開封通知を選択しない場合(ステップS507 No)、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、メッセージを付加せずに、開封確認通知のメールを送信する(ステップS510)。
【0066】
ステップS510で開封確認通知のメール送信後、送信先の携帯端末装置12a〜12cの制御部103は、該当メールに対して開封済みであることを設定する(ステップS511)。
【0067】
以上の処理により、送信先の携帯端末装置12a〜12cでは、メールサーバー16から、表題に例えば「開封確認」や「開封」といった開封確認が必要であることを示す特定の文字列が記載されたメールを受信し、このメールが閲覧されると、閲覧中の画面を閉じるときに、開封確認通知のメールを送信する処理が行われる。また、この開封確認通知のメールを送信する際に、メッセージを付加することが可能になる。
【0068】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、その基本的構成は、前述の第1の実施形態と同様であるが、図10では、図8の定期報告タイマのタイムアウト処理に対して、一定時間に開封されなかったメール受信者にはメールを再送する処理を追加している。
【0069】
図10は、本発明の第2の実施形態における開封状況を定期的に報告するためのタイマがタイムアウトした際の処理を示すフローチャートである。
【0070】
図10において、定期報告タイマがタイムアウトしたら、メールサーバー16の制御部201は、タイムアウトしたメールの管理番号と、メールサーバー16の開封確認メール保存領域222の管理番号とを照合して、どのメールのタイマがタイムアウトしたのか特定する(ステップS601)。
【0071】
次に、メールサーバー16の制御部201は、該当メールの開封状況をメール発行元の携帯端末装置11にプッシュ送信にて通知し(ステップS602)、定期報告タイマのタイムアウト回数を更新する(ステップS603)。そして、メールサーバー16の制御部201は、定期報告タイマのタイムアウト回数がメールを再送するか判定するための閾値を超えたか判定する(ステップS604)。
【0072】
ステップS604で、定期報告タイマのタイムアウト回数がメールを再送するか判定するための閾値を超えていた場合(ステップS604 Yes)、メールサーバー16の制御部201は、未開封のメールアドレスに対してメールを再送する(ステップS605)。その後、メールサーバー16の制御部201は、定期報告タイマのタイムアウト回数を初期化し(ステップS606)、定期報告タイマを再発行する(ステップS607)。
【0073】
ステップS604で、定期報告タイマのタイムアウト回数がメールを再送するか判定するための閾値以下であった場合(ステップS604 No)、定期報告タイマを再発行する(ステップS607)。
【0074】
このように、本発明の第2の実施形態では、開封状況を定期的に監視し、一定時間に開封されない場合はメールを再送するので、メール受信者が見逃していても気づくことができるという効果が得られる。
【0075】
なお、上述の実施形態では、開封確認が必要な場合、表題に開封確認が必要であることを示す特定の文字列を含めてメールを送信しているが、本発明は、開封確認が必要であることを示す特定の文字列を、メールの本文中に含めるようにしても良い。また、本発明は、メールのヘッダ部やアタッチ部に、開封確認要求の制御コードを含めるようにしても良い。
【0076】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0077】
11:発信元の 携帯端末装置
12a〜12c:送信先の携帯端末装置
13、14a〜14c:基地局
15:移動通信網
16;メールサーバー
101:無線部
102:アンテナ
103:制御部
104:記憶部
105:キー操作部
106:表示部
111:CPU
112:制御プログラム
121:作業エリア
122:データ保存エリア
201:制御部
202:記憶部
212:制御プログラム
221:通常メール保存領域
222:開封確認メール保存領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信元の端末装置と送信先の端末装置との間で、メールサーバーを介してメールを転送するメールシステムであって、
前記発信元の端末装置は、前記送信先の端末装置に開封確認が必要なメールを送信する際に、開封確認要求を示す情報を含むメールを送信する手段を有し、
前記メールサーバーは、前記発信元の端末装置からのメールを受信すると、前記発信元の端末装置からのメールを前記送信先の端末装置に転送する手段と、前記送信先の端末装置からの開封結果を示すメールを受信すると、前記送信先の端末装置からの開封結果を蓄積する手段と、前記送信先の端末装置からの開封結果を纏めて前記発信元の端末装置に所定のタイミングで通知する手段を有し、
前記送信先の端末装置は、メールを受信すると、開封確認が必要であるかどうかを判定する手段と、前記開封確認が必要であると判定すると、メールの閲覧後に開封結果を示すメールを返信する手段を有する
ことを特徴とするメールシステム。
【請求項2】
前記所定のタイミングは、予め定められた一定時間毎であることを特徴とする請求項1に記載のメールシステム。
【請求項3】
前記所定のタイミングは、全ての送信先の端末装置からの開封結果を受信したタイミングであることを特徴とする請求項1又は2に記載のメールシステム。
【請求項4】
前記メールサーバーは、一定時間以内に開封結果を受信できなかった端末装置に対して、メールを再送する機能を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のメールシステム。
【請求項5】
発信元の端末装置と送信先の端末装置との間で、メールサーバーを介してメールを転送するメールシステムのメール開封確認方法であって、
前記発信元の端末装置は、前記送信先の端末装置に開封確認が必要なメールを送信する際に、開封確認要求を示す情報を含むメールを送信し、
前記メールサーバーは、前記発信元の端末装置からのメールを受信すると、前記発信元の端末装置からのメールを前記送信先の端末装置に転送し、
前記送信先の端末装置は、メールを受信すると、開封確認が必要であるかどうかを判定し、前記開封確認が必要であると判定すると、メールの閲覧後に開封結果を示すメールを返信し、
前記メールサーバーは、前記送信先の端末装置からの開封結果を示すメールを受信すると、前記送信先の端末装置からの開封結果を蓄積し、前記送信先の端末装置からの開封結果を纏めて前記発信元の端末装置に所定のタイミングで通知する
ことを特徴とするメール開封確認方法。
【請求項6】
発信元の端末装置と送信先の端末装置との間でメールを転送するメールサーバーであって、
前記発信元の端末装置からのメールを受信すると、前記発信元の端末装置からのメールを前記送信先の端末装置に転送する手段と、
前記送信先の端末装置からの開封結果を示すメールを受信すると、前記送信先の端末装置からの開封結果を蓄積する手段と、
前記送信先の端末装置からの開封結果を纏めて前記発信元の端末装置に所定のタイミングで通知する手段と
を備えることを特徴とするメールサーバー。
【請求項7】
発信元の端末装置と送信先の端末装置との間でメールを転送するメールサーバーのメール開封確認プログラムであって、
前記発信元の端末装置からのメールを受信すると、前記発信元の端末装置からのメールを前記送信先の端末装置に転送するステップと、
前記送信先の端末装置からの開封結果を示すメールを受信すると、前記送信先の端末装置からの開封結果を蓄積するステップと、
前記送信先の端末装置からの開封結果を纏めて前記発信元の端末装置に所定のタイミングで通知するステップと
を前記メールサーバーのコンピュータに実行させるメール開封確認プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−54556(P2013−54556A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192699(P2011−192699)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】