説明

モジュール式傷手当てシステム

小さな傷の手当てをするための製品を片手で分配するための複数の個々のモジュールで形成されたカスタム化可能なシステム(100)を提供する。モジュールは、手早く且つ効率的に接近できる様々な大きさの一体化した分配装置を提供するため、取り付け及び互いからの取り外しが容易である。本システムは、上壁(111)、下壁(112)、前壁(113)、後壁(114)、右側壁(115)、及び左側壁(116)を含む一つ又はそれ以上の使い捨て包帯モジュール(110)を含む。これらの壁は、互いに永久的に接合され、内部キャビティ(118)を持つ本体(117)を形成する。包帯モジュールは、前壁に開口部(119)を有し、開口部内に切断縁部(120)を有し、一つ又はそれ以上のモジュール接合用取り付け具(121)を前記側壁(115)及び(116)に有する。本システムは、一つ又はそれ以上のアクセサリモジュールを含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として分配装置に関し、更に詳細には、複数の分配モジュールを持つ救急用品分配システムに関する。
【背景技術】
【0002】
絆創膏等の包帯及び抗菌クリームを含む救急用供給品が、家庭、学校、及び仕事場で小さな切り傷、刺し傷、及び擦過傷の治療に広く使用されている。これらの供給品は、代表的には、様々なパッケージに入っており、引出し、キャビネット、又は棚に置かれ、多くの場合、使用者は適切な救急用品を提供するために幾つかのパッケージを探す必要がある。
【0003】
代表的には、一群の、例えば20枚乃至30枚の個別包装された絆創膏が、紙箱又は蓋がヒンジ止めされた金属製のボックスに収容されている。多くの場合、様々な大きさの絆創膏が一つのボックスに一緒にパッケージされている。絆創膏の従来の収容方法及びパッケージ方法には多くの欠点がある。従来の容器から所望の絆創膏ストリップを見つけて選びだすのは困難である。これは、これらのストリップが時間が経つに従ってごちゃごちゃになってしまうためである。ボックス全体を空にすることなく特定の大きさの絆創膏を補充する必要があるかどうかを決定するのは困難である。一揃いの絆創膏のうちの比較的一般的な種類の絆創膏ストリップを切らしてしまう傾向があり、これによって、余り多く使用されない種類の絆創膏ストリップの余分が残ってしまう。更に、絆創膏ストリップの従来の容器は、置き忘れたり引っ繰り返してしまったりすることが起きやすい。
【0004】
多くの場合、絆創膏は、抗菌クリーム又はゲルとともに使用される。これらのクリーム又はゲルは、一般的には、絞り出しチューブに入れられており、引出し、キャビネット、又は棚に置かれる。これらのチューブは、立てておくのが困難であり、そのため、キャビネット内や棚の上でごちゃごちゃになっているように見える。更に、チューブは、絆創膏のボックスの隣にきちんと積み重ねられず、そのため多くの場合、絆創膏とは異なる位置に収容される。
【0005】
多くの場合、傷は、切ったところに圧力を直接加え、片手をそこに残したまま救急用絆創膏及び関連した適用の準備を行う必要がある。片手でチューブのキャップを外してその中身を絞り出し、チューブにキャップを再び取り付けるのは困難である。更に、片手で絆創膏のボックスを置き、正しい大きさの絆創膏をそれから取り出し、保護パッケージを取り外し、絆創膏を適用するのは困難である。
【0006】
健康ケアの専門家では、切り傷や擦過傷は、感染症の恐れを少なくするため、絆創膏を適用する前に洗浄にしなければならないということが広く推奨されている。流し台に容易にアクセスできない場合には、洗浄用拭き取りシート(cleansing wipes)を使用する。これらの拭き取りシートは、多くの場合、乾燥を防ぐため、予めパッケージされた小袋で販売されている。これらのパッケージは片手で開けるのが困難であり、そのためパッケージが無駄になってしまったり、場合によっては、棚の上で又は引出しの中で又はキャビネットの中でごちゃごちゃになっているように見える。
【0007】
救急用製品で、数百ものアイテムが使用されている。鎮痛剤の錠剤やカプセル、痒み止めクリーム、ガーゼ、及び綿球がこれらのアイテムの例である。救急用品として使用することが好まれるアイテムの組み合わせは人によって異なる。使用される救急用品アイテムの様々な組み合わせに拘わらず、救急用製品を使用すると、多くの場合、幾らかのごみが出る。こうしたごみには、古い絆創膏を取り出すことやパッケージを個々にラップされた製品から取り出すことが含まれる。
【0008】
緊急で手当てを行う上で使用するため、様々な救急用品キットが設計されてきた。これらのキットは、絆創膏、クリーム及びゲル、及び洗浄用拭き取りシートを含む救急処置と関連した多くのアイテムを入れておくボックスを含む。救急用品キットは、代表的には、収納を容易にできるようにコンパクトであり、使用者が様々な状況で救急用品キットを持ち運ぶことができるようにポータブルである。従来の救急用品キットには多くの欠点があった。これらのキットはすぐにごちゃごちゃになってしまい、キットの多くを出さないと必要な製品を見つけるのが困難になってしまう。更に、多くの救急用品キットでは、特定の製品がいつ消費し終えたのを明らかに示すものがなく、そのため、使用者は緊急時に探したときにしか、製品がなくなったことに気づかない。救急用品キットのアイテムの補充は、絆創膏のボックス等の救急用製品を購入し、パッケージからそのうちの幾つかを取り出してキットに入れた後、ボックスの残りをどこかにしまうことによって行われる。更に、キット及びその中身は、片手ではアクセスが困難である。最後に、救急用品キットがポータブルであるため、置き忘れたり、緊急時にその収納されている場所から取り出すのに時間がかかったりする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の一つの特徴は、包帯及び他の救急用供給品を収容し分配するための分配システムである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本分配システムは、複数の包帯、及び一つ又はそれ以上の一回使用使い捨て包帯モジュールであって、互いに接合されて実質的にシールされた本体を形成する複数の壁を各々有し、本体は、複数の包帯を受け入れるための内部キャビティを有し、壁の一つに開口部が設けられ、この開口部を通して包帯をキャビティから分配でき、壁は、壁を損傷することなくキャビティに包帯を出し入れすることができないように形成されており且つ互いに接合されている、包帯モジュールを含む。
【0011】
本発明の別の特徴は、包帯を収容し分配するための一回使用使い捨てモジュールである。このモジュールは、互いに永久的に連結され、複数の包帯を受け入れるための内部キャビティを持つ実質的にシールされた本体を形成する複数の壁、及びこれらの複数の壁のうちの少なくとも一つに形成された開口部であって、この開口部を通して複数の包帯をキャビティから分配できる、開口部を含み、このモジュールには、複数の壁のうちの一つ又はそれ以上を損傷しないとモジュールを再充填できないように、複数の包帯が製造時に予備充填される。
【0012】
本発明の更に別の特徴は、表面に取り付けるための救急用品分配システムを形成する方法である。この方法は、少なくとも二つの一回使用型の再充填不能の使い捨て包帯モジュールを得る工程、少なくとも二つのモジュールを互いに連結する工程、及びモジュールを表面上に位置決めする工程を含む。
【0013】
本発明の他の特徴は、包帯を分配するための表面取り付け式分配システムである。このシステムは、一つ又はそれ以上の一回使用使い捨て包帯モジュールであって、互いに接合されて実質的にシールされた本体を形成する複数の壁を各々有し、本体は、複数の包帯を受け入れるための内部キャビティを有し、壁の一つに開口部が設けられ、この開口部を通して包帯をキャビティから分配でき、壁は、壁を損傷することなくキャビティにアクセスすることができないように形成されており且つ互いに接合されている、包帯モジュール、モジュールを互いに解放自在に接合するための手段、及びモジュールを表面に解放自在に取り付けるための手段を含む。
【0014】
本発明の様々な実施例のこの他の特徴、使用、及び利点は、添付図面に示す本発明の実施例の以下の更に詳細な説明から明らかになるであろう。
本発明を例示する目的で、添付図面は、本発明の現在の好ましい形態を示す。しかしながら、本発明は、添付図面に示す正確な構成及び手段に限定されないということは理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、救急用品が入った個々のモジュールでできた注文に応じて制作できる、すなわちカスタム化可能な、モジュール式救急用品分配システムである。モジュールは互いに連結されており、表面上に取り付けられている。分配モジュールは、片手又は両手で手早く且つ効率的にアクセスできる様々な大きさの一体化した分配装置を提供するため、互いに取り付けたり取り外したりすることを容易に行うことができる。モジュールは、元々入っていた供給品を使い果たしたときに廃棄されてもよく、これによって、いずれの製品が残っている(モジュールで示される)のか、及び補充が必要なのかを明瞭に示す。予め充填されたモジュールには、ロール状の又はスタック状の最小包装の包帯、ローション、クリーム、及びゲル、拭き取りシート(wipe)、及びガーゼパッド等の様々な救急用製品が入っている。システムは、更に、使用者が決めたモジュールを含んでもよく、使用者は、所望の救急用製品で充填できる。システムは、更に、廃棄物を入れておくためのごみ箱モジュールを含んでいてもよい。
【0016】
開示の発明の一例を図1乃至図5に示すが、本発明はこの(又は任意の他の)特定の実施例に限定されず、むしろ、添付の特許請求の範囲の広い範囲に含まれる任意の分配モジュール又はモジュールアッセンブリを含むということは理解されるべきである。添付図面では、同様の要素には同様の参照番号が付してある。
【0017】
次に添付図面を参照すると、図1Aは、本発明の一実施例による注文に応じて制作できるすなわちカスタム化可能な、救急用品分配システム100を示す。救急用品分配システム100は、上壁111、下壁112、前壁113、後壁114(図1B参照)、右側壁115、左側壁116を持つ使い捨て包帯モジュール110を含む。これらの壁は互いに永久的に接合され、実質的にシールされた内部キャビティ118を持つ本体117を形成する。モジュール110の壁は、接着剤、ステープル、溶接継ぎ目、テープ、隅部コネクタ、折り畳み、等の永久的接合材料又は方法を使用して永久的に接合される。ひとたび接合されると、隣接した壁は、各壁を損傷することなく外すことはできず、追加の接合材料を使用しないで再接合したり修復したりすることはできない。
【0018】
開口部119以外の開口部がないという意味でキャビティ118が実質的にシールされているため、包帯例えば絆創膏は、代表的には、モジュール110の製造中にキャビティ118に入れられる。更に、当業者には理解されるように、開口部は、一枚の例えば絆創膏の取り出しを容易にするのに十分であるだけであるため、キャビティ118を絆創膏又は他の救急用品材料の新たな供給品で効率的に再充填するには使用できない。一般的には、キャビティ118内の無菌性のレベルを更に維持するため、開口部119の大きさを小さくするのが好ましい。かくして、再充填を行うためにキャビティ118に出し入れするのが容易でないため、代表的には、空のモジュール110を廃棄し、新たな一杯に充填されたモジュールと交換する。
【0019】
一実施例では、開口部119は、モジュール110の前壁113に位置決めされ、切断縁部120が開口部内に位置決めされ、一つ又はそれ以上のモジュール接合用取り付け具121が前記左右の側壁115及び116の夫々に位置決めされる。以下に詳細に説明するように、システム100は、様々な救急用供給品が入った複数の他のモジュールを含んでいてもよい。代表的には、これらのモジュールの各々は、モジュール110と実質的に同じ構造形体を含む。更に、モジュールの特定の寸法は、一般的には、収容される特定の救急用供給品の特定の寸法に従って選択される。
【0020】
モジュール110は、折り畳んだ細長い絆創膏スタック又は折り畳んでない個々の絆創膏スタックのいずれかの状態で収容された絆創膏を分配するように設計されている。開口部119及び切断縁部120の大きさは、分配される絆創膏に従って定められる。開口部119は、モジュール110の様々な場所に位置決めできる。使用にあたっては、絆創膏のストランドの前縁を、絆創膏全体が出るまで開口部119から引っ張った後、ストランドを切断縁部120に当てて引っ張り、ミシン目線を完全に切る。次いで、絆創膏を保護ラップ即ち保護外被から取り出し、傷に当てる。勿論、場合によっては、絆創膏は保護外被を含まなくてもよく、絆創膏を開口部119から引っ張った直後に傷に当ててもよいということは当業者には理解されよう。絆創膏をモジュール110から引き出すとき、将来使用するためにアクセスできるように、次に続く絆創膏を開口部119を通して部分的に引っ張る。
【0021】
本明細書中に記載したモジュール110並びに他のモジュールは、代表的には、救急用製品を入れて販売される個々の容器である。これらの容器は、救急用品分配システム100に魅力的な外観を提供するため、厚紙、プラスチック、又は金属等の任意の適当な材料で形成される。例えば、モジュール110は、絆創膏を入れて販売されている、開口部119及び切断縁部120といった追加の特徴を備えた標準的な金属製のボックスで形成されていてもよい。
【0022】
本明細書中に記載したモジュール110並びに他のモジュールは、透明なプラスチックや不透明な材料で形成されていてもよい。図1のAでは、モジュール110及び122は、夫々の中身を目で見て確認できるように透明な又は半透明な材料で形成されている。勿論、本明細書中に説明した全てのモジュールは、モジュールの中身を明瞭にラベル表示できるように、金属、板紙、又はプラスチック等の不透明材料で形成されていてもよい。
【0023】
本明細書中に記載したモジュール110並びに他のモジュールの設計は、分配される製品の種類を反映する。例えば、比較的重い物品を分配するには、特定のモジュールを丈夫な材料で形成する必要がある。別の態様では、比較的重い物品の分配を容易にするため、釣合い重りを備えていてもよい。
【0024】
上文中に言及したように、救急用品分配システム100は、モジュール接合用取り付け具121によって隣接したモジュールに取り付けられていてもよい。モジュール接合用取り付け具121は、モジュール110、122、130、140、及び150の取り付け及び取り外しを容易にする、タブ−スロット閉鎖体(例えば「シリアルの箱」の閉鎖体)、軽い一時的接着剤、ストリップファスナ(例えばベルクロ(ベルクロ(Velcro)は登録商標である)商標のフック−ループ型ファスナ)、アンカーペグ及びキー穴機構、噛み合う溝−軌道機構、又は雄−雌スナップ機構等の任意の従来の保持手段であってもよい。取り付け具121は、本明細書中に記載したモジュール110並びに他のモジュールの両側に設けられている。取り付け具121は、モジュールの形成に使用された材料の種類に適した可変の機構である。救急用品分配システム100に設けられた任意の露呈された取り付け具121は、美観上の目的で取り付け具が見えないように隠すための端ピースで覆われていてもよい。
【0025】
救急用品分配システム100は、モジュール122を更に含み、このモジュールは、開口部123、切断縁部124、及び両側(図示せず)に設けられたモジュール接合用取り付け具を含む。モジュール122は、絆創膏のロールを分配するためのモジュールである。開口部123及び切断縁部124の大きさは、分配される絆創膏に従って定められる。開口部123は、モジュール122の様々な場所に位置決めできる。使用に当たっては、絆創膏のストランドの前縁を、絆創膏全体が露呈されるまで開口部123から引っ張った後、ストランドを切断縁部124に当て、ミシン目線を切り離す。次いで、余分なラップから絆創膏を取り出し、傷に当てる。絆創膏をモジュール122から引き出すとき、将来使用するためにアクセスできるように、次に続く絆創膏を開口部123を通して部分的に引っ張る。
【0026】
救急用品分配システム100は、更に、一つ又はそれ以上のアクセサリモジュール129を含む。フェイシャルティッシュボックス内のシートのように層をなして積み重ねられた複数の濡れたクリーニング用拭き取りシートを、開口部132を持つディスペンサモジュール130を通して分配してもよい。このディスペンサモジュール130には、モジュール接合用取り付け具121が両側(図示せず)に設けられている。開口部132の大きさは、分配される拭き取りシートに従って定められる。開口部132は、モジュール130の様々な位置に設けることができる。一番上の拭き取りシートを開口部132から引出すと、拭き取りシートの折り目は、その下にある拭き取りシートを、将来アクセスするため、開口部132から部分的に引き出すのに役立つ。
【0027】
システム100の別のアクセサリモジュール129は、フリップ−トップ142を含み且つ両側(図示せず)にモジュール接合アタッチメント121が設けられたフリップ−トップ汎用モジュール140である。モジュール140の中身は、フリップ−トップ142を通して分配される。使用者は、システム100に含まれるべき傷用製品の種類に関して個人的な好みに基づいてモジュール140の中身を決めてもよい。モジュール140は、本明細書中に説明した他のモジュールのうちの任意のモジュールの形体及び機能を備えていてもよい。
【0028】
システム100の更に別のアクセサリモジュール129は、ローションや流体等を分配するためのノズル152、従来の液体又は半液体分配機構154、及び両側(図示せず)に設けられたモジュール接合用取り付け具121を備えた、抗菌クリームやゲル等の半液体救急用製品を分配するためのローションディスペンサモジュール150である。ノズル152及び機構154は、モジュール150の様々な位置に設けられている。機構154は、レバー、ボタン、又は他の装置を含んでいてもよく、ノズル152を通して分配を行うことができるように半液体製品に圧力を加える。
【0029】
図1Aは、5個の異なる個々の分配モジュールを含む救急用品分配システム100を示す。しかしながら、救急用品分配システム100は5個の分配モジュールに限定されず、一つ又は任意の数の同じ又は異なる種類の分配モジュールを含んでいてもよい。分配モジュールは、製品の様々な幅に合わせて幅が異なっていてもよい。モジュール110、122、130、140、及び150は、モジュールへの接近が手早く且つ効率的に行われる種々の大きさの一体化した自立分配装置を提供するため、任意の順序又は組み合わせで取り付けることができる。
【0030】
図1Bは、救急用品分配システム100を後方から見た斜視図である。モジュール110、122、130、140、及び150は、壁又は他の表面に取り付けるための複数のモジュール取り付けアタッチメント160を各々含む。これらの取り付け具160は、モジュール110、122、130、140、及び150の表面への取り付け及び取り外しを容易にする軽い一時的接着剤又はストリップファスナ(例えばベルクロ商標のフック−ループ型ファスナ)等の任意の従来の保持手段であってもよい。取り付け具160は、モジュール110、122、130、140、及び150の後側(即ち壁側)に設けられる。取り付け具160は、モジュール110、122、130、140、及び150の形成に使用された材料の種類について適した変更可能な機構である。勿論、変形例では、モジュール110、122、130、140、及び150は、取り付け具160を含まなくてもよい。例えば、モジュール110、122、130、140、及び150は、取り付け具160を必要としない棚又は何らかの他の取り付け機構に配置されてもよい。
【0031】
変形例では、一体化した分配装置は、錠剤、ローション、シャンプー、医薬品や化粧品のクリーム、テープ、リボン、ストリング、又は分配に適した任意の他の製品等の他の製品を保持していてもよい。例えば、モジュール110、122、130、140、及び150は、5つの異なる色のリボン又は5つの異なる種類のストリングの収集物を分配できる。
【0032】
図2は、モジュール110、122、130、140、及び150を取り外し自在に取り付けることができる取り付け用の後プレート200を示す。この後プレート200は、壁又は適当な取り付け面を持つ他の対象物に取り付けられるようになっている。後プレート200は、複数のモジュール保持取り付け具210を含む。これらのモジュール保持取り付け具により、後プレート200はモジュール110、122、130、140、及び150の後側に設けられた取り付け具160に取り付けられる。後プレート200は、特定の数の分配モジュールを受け入れるため、大きさが定められている。救急用品分配システム100の容量を増やすため、追加の後プレート200及びモジュールを使用してもよい。後プレート200は、接着剤パッド、ストリップファスナ(例えばベルクロ商標のフック−ループ型ファスナ)を備えた接着剤パッド、摺動取り付け又はスナップ嵌め機構を備えた接着剤パッド、又は後プレート200を表面に取り外し自在に取り付けることができる磁石等の任意の適当な周知の取り付け手段によって壁等の表面に取り付けられる。変形例では、後プレート200は、壁やキャビネット等の垂直平面にねじで永久的に取り付けられる。別の変形例では、救急用品分配システム100は、後プレートを含まなくてもよい。むしろ、上文中に論じたように、モジュール110、122、130、140、及び150は、棚に載せてもよいし、何らかの他の機構によって保持されていてもよい。
【0033】
本発明の別の特徴は、表面に取り付けるための救急用品分配システムを形成する方法を提供することである。使用者は、取り付け用後プレート200を壁等の表面に取り付ける。次に、使用者は、モジュール110、122、130、140、及び150等の救急用製品の様々な箱を購入し、これらをモジュール接合用取り付け具121で所望の構成で、後プレート200のモジュール保持取り付け具210に取り付け、救急用品分配システム100を形成する。モジュールは一回使用であり、使い捨てである。例えば、使用者は、絆創膏をモジュール110から開口部119を通して分配し、又は上文中に説明したように、他の救急用製品を他のモジュールから分配する。モジュール110の場合には、最後の絆創膏が分配された後、空のモジュールを他のモジュール及び後プレート200から取り外すことによって、空のモジュールを救急用品分配システム100から取り外す。交換物を購入し、これを取り付け具121及び160の夫々を使用して他のモジュール及び後プレートに連結することによって救急用品分配システム100に挿入する。
【0034】
図3のA、B、及びCは、本発明の別の実施例を示す。救急用品分配システム300はカバー装置302を含む。カバー装置302は、連結部322を介してモジュール取り付けケース320に接合されている。連結部は、ヒンジ又は他の適当なコネクタであってもよい。カバー装置302は、モジュール122及びごみ箱モジュール330を保持するモジュール取り付けケース320を覆って固定閉鎖体を形成する。モジュール取り付けケース320の後面340には、モジュール取り付けケース320を表面352に取り付ける複数のアタッチメント350が設けられている。モジュール110、130、140、及び150は、救急用品分配システム300に取り付けられていてもよい。モジュール取り付けケース320は、プラスチック、金属、又は材料の組み合わせでできていてもよいということは当業者には理解されよう。
【0035】
後プレート200と同様の組成の後面340は、取り付け具350によって、キャビネット、冷蔵庫、又は壁等の垂直面352に、救急用品分配システム300を中央に位置決めできるように取り付けられる。取り付け具350は、接着剤パッド、ストリップファスナ(例えばベルクロ商標のフック−ループ型ファスナ)を備えた接着剤パッド、摺動取り付け又はスナップ嵌め機構を備えた接着剤パッド、又は後プレート340を表面352に取り外し自在に取り付けることができる磁石等の任意の適当な周知の取り付け手段であってもよい。変形例では、後面340は、壁やキャビネット等の表面にねじで永久的に取り付けられる。
【0036】
別の変形例では、救急用品分配システム300は、ストリップファスナ(例えばベルクロ商標のフック−ループ型ファスナ)を備えた接着剤パッド、摺動取り付け又はスナップ嵌め機構を備えた接着剤パッド、磁石、等の適当な取り外し自在の取り付け機構、又はねじ等の適当な永久取り付け機構を提供する底プレート(図示せず)を介してカウンタトップやテーブル等の水平面に取り付けられる。
【0037】
救急用品分配システム300の作動は、救急用製品の分配前に使用者がカバー310を開かなければならないこと以外は、救急用品分配システム100と同様である。カバー310は、片手で開けられ、閉じるまで開いたままであるように設計されている。
【0038】
図4は、本発明の変形例による救急用品分配システム500を示す。救急用品分配システム500は、注文に応じて制作されるモジュール、例えば、互いに固定されており且つ垂直面(図示せず)に取り付けられた取り付け用後プレート200に取り付けられたモジュール110、122、130、140、及び150を含んでいてもよい。更に、救急用品分配システム500は、一つ又はそれ以上の従来のコネクタ512、例えばヒンジで後プレート200に取り付けられた蓋510を含む。この蓋は、モジュール110、122、130、140、及び150を覆う。代表的には、蓋510は、透明な又は不透明なプラスチック又は金属で形成される。蓋510は、更に、救急用品分配システム500の中身を塵埃から保護し、装置を互いに視覚的に結び付ける均等な外観を形成する。様々な数のモジュールを収容するため、様々な大きさの幾つかの蓋510を製造してもよい。一例として、図5は、モジュール110、122、130、140、及び150を含む5個のモジュール及び蓋510を示す。
【0039】
次に図5を参照すると、本発明の更に別の実施例では、救急用品分配システム600は、システムの使用者にぺーパータオルを供給するためのぺーパータオル取り付けモジュール620を備えたラック装置610を含む。このラック装置610は、棚部分630及び取り付け用後プレート200を含む。複数のモジュール、即ち110、122、130、及び150が取り付け用後プレート200に取り付けられており且つ棚部分630によって支持体されている。取り付け用後プレート200は、壁等の垂直面に取り付けられてもよい。
【0040】
本発明のこの救急用品分配支持体は注文に応じて制作可能であり、互いに連結されており且つ表面上に取り付けられてモジュール式システムを形成する救急用製品の個々のパッケージを含む。分配モジュールは、片手又は両手で手早く且つ効率的にアクセスできる一体の様々な大きさの分配システムを提供するため、モジュール接合用取り付け具によって互いに容易に取り付けられ互いから分離される。分配モジュールは、空になったときに廃棄され、これによっていずれの製品を持ち合わせているか(モジュールによって示される)、いずれが補充の必要があるのかを明瞭に示す。中身が予め入れてあるモジュールには、小さく包装されたロール又はスタックの形態の包帯及び絆創膏、ローション、クリーム、及びゲル、拭き取りシート及びガーゼパッド、及び他の救急用製品を含む様々な救急用製品が入っている。モジュールが、中身が予め入れてあって再充填不能であるように設計されているため、包帯が収容されている環境の無菌性のレベルが良好に維持される。
【0041】
システムは、使用者が任意の所望の救急用製品を充填する、使用者により決定されるモジュール、及びごみを入れておくごみ箱モジュールを含んでいてもよい。
本発明を特定の実施例と関連して説明したが、本発明はこれに限定されないということは理解されよう。逆に、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲内の全ての変形、変更、及び等価物を含もうとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1A】本発明の一実施例によるカスタム化可能な救急用品分配システムを前方から見た斜視図である。
【図1B】本発明の一実施例によるカスタム化可能な救急用品分配システムを後方から見た斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による取り付け用後プレートを前方から見た斜視図である。
【図3A】カバーが閉鎖位置にある本発明の一実施例によるカスタム化可能な救急用品分配システムを前方から見た斜視図である。
【図3B】カバーが開放位置にある図3のAのカスタム化可能な救急用品分配システムを前方から見た斜視図である。
【図3C】図3のA及びBのカスタム化可能な救急用品分配システムを後方から見た斜視図である。
【図4】蓋を持つ、本発明の一実施例によるカスタム化可能な救急用品分配システムを前方から見た斜視図である。
【図5】ぺーパータオル取り付けモジュールを持つ、本発明の一実施例によるカスタム化可能な救急用品分配システムを前方から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
100 救急用品分配システム 110 モジュール
111 上壁 112 下壁
113 前壁 114 後壁
115 右側壁 116 左側壁
117 本体 118 内部キャビティ
119 開口部 120 切断縁部
121 モジュール接合用取り付け具 122 モジュール
122、130、140、150 モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包帯及び他の救急用供給品を収容し分配するための分配システムにおいて、
複数の包帯、及び
一つ又はそれ以上の一回使用使い捨て包帯モジュールであって、互いに接合されて実質的にシールされた本体を形成する複数の壁を各々有し、前記本体は、前記複数の包帯を受け入れるための内部キャビティを有し、前記壁の一つに開口部が設けられ、この開口部を通して前記包帯を前記キャビティから分配でき、前記壁は、前記壁を損傷することなく前記キャビティに出し入れすることができないように形成されており且つ互いに接合されている、包帯モジュールを含む、分配システム。
【請求項2】
請求項1に記載の分配システムにおいて、前記モジュールを互いに解放自在に接合するための接合用取り付け具を更に含み、この接合用取り付け具は、前記壁の少なくとも一つに取り付けられている、分配システム。
【請求項3】
請求項1に記載の分配システムにおいて、前記モジュールを取り付け用の後プレートで解放自在に接合するためのモジュール取り付け具を更に含み、このモジュール取り付け具は、前記壁の少なくとも一つに取り付けられており、前記取り付け用の後プレートは、前記モジュール取り付け具を解放自在に保持するためのモジュール保持取り付け具を含む、分配システム。
【請求項4】
請求項1に記載の分配システムにおいて、ローションディスペンサモジュール、拭き取りシートディスペンサモジュール、フリップ−トップ汎用モジュール、及びごみ箱モジュールからなる群から選択された一つ又はそれ以上のアクセサリモジュールを更に含む、分配システム。
【請求項5】
請求項1に記載の分配システムにおいて、前記本体の少なくとも一部分が透明である、分配システム。
【請求項6】
請求項1に記載の分配システムにおいて、前記モジュールの一つの前記複数の包帯の各々は、大きさが同じである、分配システム。
【請求項7】
請求項1に記載の分配システムにおいて、前記複数の包帯は、個々の包帯のスタックである、分配システム。
【請求項8】
請求項1に記載の分配システムにおいて、前記複数の包帯は、包帯の連続したロールである、分配システム。
【請求項9】
請求項1に記載の分配システムにおいて、前記開口部と近接した切断縁部を更に含む、分配システム。
【請求項10】
請求項1に記載の分配システムにおいて、取り付けケース及びカバーを持つカバー装置を更に含み、前記カバーは、開放位置と閉鎖位置との間で移動自在であるように前記取り付けケースに枢着されている、分配システム。
【請求項11】
請求項1に記載の分配システムにおいて、閉鎖位置にあるときに前記モジュールの少なくとも前記開口部を覆う大きさの蓋を更に含む、分配システム。
【請求項12】
請求項1に記載の分配システムにおいて、前記複数の壁は、上壁、下壁、前壁、後壁、左側壁、及び右側壁を含む、分配システム。
【請求項13】
請求項12に記載の分配システムにおいて、前記開口部は、前記前壁及び前記下壁のうちの一方に位置決めされている、分配システム。
【請求項14】
請求項12に記載の分配システムにおいて、前記接合用取り付け具は前記側壁に位置決めされている、分配システム。
【請求項15】
請求項12に記載の分配システムにおいて、前記取り付け具は前記後壁に位置決めされている、分配システム。
【請求項16】
請求項12に記載の分配システムにおいて、ぺーパータオルホルダ取り付けモジュールを更に含む、分配システム。
【請求項17】
包帯を収容し分配するための一回使用使い捨てモジュールにおいて、
a.互いに永久的に連結され、複数の包帯を受け入れるための内部キャビティを持つ実質的にシールされた本体を形成する複数の壁、
b.前記複数の壁のうちの少なくとも一つに形成された開口部であって、この開口部を通して前記複数の包帯を前記キャビティから分配できる、開口部、及び
c.前記モジュールには、前記複数の壁のうちの一つ又はそれ以上を損傷しないと前記モジュールを再充填できないように、前記複数の包帯が製造時に予備充填される、一回使用使い捨てモジュール。
【請求項18】
請求項17に記載の一回使用使い捨てモジュールにおいて、前記本体は透明である、一回使用使い捨てモジュール。
【請求項19】
請求項17に記載の一回使用使い捨てモジュールにおいて、前記複数の包帯は、各々が同じ大きさである、一回使用使い捨てモジュール。
【請求項20】
請求項17に記載の一回使用使い捨てモジュールにおいて、前記複数の包帯は、個々の包帯のスタックである、一回使用使い捨てモジュール。
【請求項21】
請求項17に記載の一回使用使い捨てモジュールにおいて、前記複数の包帯は、包帯の連続したロールである、一回使用使い捨てモジュール。
【請求項22】
請求項17に記載の一回使用使い捨てモジュールにおいて、前記開口部と近接した切断縁部を更に含む、一回使用使い捨てモジュール。
【請求項23】
請求項17に記載の一回使用使い捨てモジュールにおいて、前記複数の壁は、上壁、下壁、前壁、後壁、左側壁、及び右側壁を含む、一回使用使い捨てモジュール。
【請求項24】
請求項23に記載の一回使用使い捨てモジュールにおいて、前記開口部は、前記前壁及び前記下壁のうちの一方に位置決めされている、一回使用使い捨てモジュール。
【請求項25】
請求項17に記載の一回使用使い捨てモジュールにおいて、前記モジュールを互いに解放自在に接合するための接合用取り付け具を更に含み、この接合用取り付け具は、前記壁の少なくとも一つに取り付けられている、一回使用使い捨てモジュール。
【請求項26】
表面に取り付けるための救急用品分配システムを形成する方法において、
a.少なくとも二つの一回使用型の再充填不能の使い捨て包帯モジュールを得る工程、
b.前記少なくとも二つのモジュールを互いに連結する工程、及び
c.前記モジュールを表面上に位置決めする工程を含む、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、ローションディスペンサモジュール、拭き取りシートディスペンサモジュール、フリップ−トップ汎用モジュール、及びごみ箱モジュールからなる群から選択された一つ又はそれ以上のアクセサリモジュールを得る工程、及びこれらのアクセサリモジュールを前記少なくとも二つのモジュールと近接して取り付ける工程を更に含む、方法。
【請求項28】
請求項26に記載の方法において、前記得る工程の前記使い捨て包帯モジュールは透明な本体を含む、方法。
【請求項29】
請求項26に記載の方法において、使用済の前記包帯モジュールを新たな一回使用型の再充填不能の使い捨て包帯モジュールと交換する工程を更に含む、方法。
【請求項30】
包帯を分配するための表面取り付け式分配システムにおいて、
a.一つ又はそれ以上の一回使用使い捨て包帯モジュールであって、互いに接合されて実質的にシールされた本体を形成する複数の壁を各々有し、前記本体は、前記複数の包帯を受け入れるための内部キャビティを有し、前記壁の一つに開口部が設けられ、この開口部を通して前記包帯を前記キャビティから分配でき、前記壁は、前記壁を損傷することなく前記キャビティに出し入れすることができないように形成されており且つ互いに接合されている、包帯モジュール、
b.前記モジュールを互いに解放自在に接合するための手段、及び
c.前記モジュールを表面に解放自在に取り付けるための手段を含む、表面取り付け式分配システム。
【請求項31】
請求項30に記載の表面取り付け式分配システムにおいて、前記モジュールを互いに解放自在に接合するための前記手段は、タブ−スロット閉鎖体、軽い一時的接着剤、ストリップファスナ、アンカーペグ及びキー穴機構、かみ合い溝−軌道機構、又は雄−雌スナップ機構の少なくとも一方を含む、表面取り付け式分配システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−516812(P2007−516812A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547601(P2006−547601)
【出願日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/044079
【国際公開番号】WO2005/062996
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(506217519)
【出願人】(506217508)