説明

モニタ支持具及びこのモニタ支持具付モニタ

【課題】 車両内に設置されるモニタを簡単に見やすく設置することができるモニタ支持具及びこのモニタ支持具付モニタを提供する。
【解決手段】 このモニタ支持具1では、固定部7に取り付けられたモニタ100を、回転軸部51を操作して第2取付部62が脚部3に対して回転可能な状態にすると、モニタ100の前後方向に回転させて位置決めして固定することができる。またこのモニタ支持具1では、固定部7が第1取付部61に対して回転可能な方向にモニタ100を回転するよう力を入れると回転し、その力を抜くと回転後の状態で固定される。従って、このモニタ支持具1を用いると、回転軸部51の操作と、モニタ100を回転させるだけの簡単な操作で、車両内に設置されるモニタ100を簡単に見やすく設置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタを支持するモニタ支持具と、このモニタ支持具が取り付けられたモニタ支持具付モニタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両には、レーダ探知機やカーナビゲーションシステムで用いられるモニタなど、各種のモニタが搭載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、車両内は狭いため、モニタが取り付けられる場所や位置が制限されている。そのため、モニタは、必ずしも乗員が見やすい位置に設置できるものではなかった。またモニタを見やすい位置に配置するには、モニタの設置位置を新たに設けるなど、設置が困難である場合があった。
【0004】
そこで本発明では、車両内に設置されるモニタを簡単に見やすく設置することができるモニタ支持具及びこのモニタ支持具付モニタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した問題を解決するためになされた発明である請求項1記載のモニタ支持具は、土台部と、土台部から立設された一対の脚部と、モニタに固定される固定部と、この固定部が取り付けられる第1取付部、及び、前記脚部が取り付けられる第2取付部を備える基体部と、前記一方の脚部の面であって、前記他方の脚部に対向する側の面に少なくとも設けられた孔部に嵌挿可能な中間体部と、長手方向の一端につまみ部を備え、長手方向の他端に螺合溝が形成された回転軸部とを備え、前記中間体部及び前記孔部は、前記中間体部が前記孔部に挿入される挿入方向を軸とする軸周りには回転不能な形状に形成され、前記回転軸部は、前記挿入方向に沿って前記他方の脚部から前記第2取付部に通され、前記中間体部に螺入されることによって、前記第2取付部を前記脚部に対して回転可能に取り付けるとともに、前記回転軸部の前記中間体部への螺入量を可変することによって、前記中間体部を前記第2取付部に対し当接あるいは離間するように摺動させ、前記第2取付部が前記中間体部に対向する面、及び、前記中間体部が前記第2取付部に対向する面には、前記中間体部を前記第2取付部に当接させると、前記第2取付部が前記回転軸部の軸周りに回転する回転方向に沿ったいずれかの回転位置で噛み合う第1ギア部が形成され、前記固定部は、前記回転軸部に平行な回転面に沿って回転可能に前記第1取付部に取り付けられるとともに、前記第1取付部に対し前記回転面に垂直な方向に移動可能に取り付けられ、前記第1取付部が前記固定部に対向する面、及び、前記固定部が前記第1取付部に対向する面には、前記固定部を前記第1取付部に当接させると、前記第1取付部が前記回転面に沿って回転するいずれかの回転位置で噛み合う第2ギア部が形成され、前記固定部が前記第1取付部に対して移動して離間することによって噛み合いが外れた前記第2ギア部が噛み合う方向に前記固定部を付勢する付勢手段を備えることを特徴とする。
【0006】
このモニタ支持具では、土台部に一対の脚部が立設され、そのうちの一方の脚部の面であって他方の脚部に対向する側の面で少なくとも開口する孔部が設けられている。またこのモニタ支持具では、この孔部に中間体部が嵌挿され、回転軸部が、他方の脚部から第2取付部に通され、中間体部に螺入される。そのため、このモニタ支持具では、基体部が脚部に対し回転軸部を支点に回転可能に取り付けられる。
【0007】
また、このモニタ支持具では、孔部及び中間体部は、中間体部が孔部に挿入される挿入方向には摺動可能に形成されているが、この挿入方向を軸とする軸周りには回転不能な形状に形成されている。そして、このモニタ支持具では、回転軸部が、中間体部の孔部への挿入方向に沿って他方の脚部から第2取付部に通されて中間体部に螺合され、回転軸部の中間体部への螺入量を可変することによって、中間体部が孔部内を摺動して、中間体部が第2取付部に対し当接あるいは離間する。さらにこのモニタ支持具では、第2取付部が中間体部に対向する面、及び、中間体部が第2取付部に対向する面には、中間体部を第2取付部に当接させると、第2取付部が回転軸部の軸周りに回転する回転方向に沿ったいずれかの回転位置で噛み合う第1ギア部が形成されている。そのため、このモニタ支持具では、回転軸部を操作して中間体部を第2取付部に当接させると、第1ギア部が互いに勘合して、第2取付部が回転軸部周りに回転することを阻止し、回転軸部を操作して中間体部を第2取付部から離間させると、第1ギア部の噛み合いが解けて、基体部が回転軸部周りに回転する。つまり、このモニタ支持具では、回転軸部を操作することによって、第2取付部を回転可能な状態にしたり、脚部に固定された状態にすることができる。
【0008】
一方、このモニタ支持具では、モニタに固定される固定部は、回転軸部に平行な回転面に沿って回転可能に第1取付部に取り付けられ、加えて、第1取付部に対し回転面に垂直な方向に移動可能に取り付けられている。また、このモニタ支持具では、第1取付部が固定部に対向する面、及び、固定部が第1取付部に対向する面に、固定部を第1取付部に当接させると、第1取付部が回転面に沿って回転するいずれかの回転位置で噛み合う第2ギア部が形成されている。さらに、このモニタ支持具は、固定部を第1取付部に当接する方向に付勢する付勢手段を備えている。そのため固定部を、第1取付部に対し回転する方向に力を入れて操作すると、固定部の第2ギア部の山の斜面と、この山がかみ合っている第1取付部の第2ギアの谷の各斜面が擦れ合って、固定部が第1取付部から離間する方向に移動するとともに、固定部が第1取付部に対し回転する。そして、その操作を続けて、固定部の第2ギアの山の頂点が、第1取付部の第2ギアの谷を出て、隣の谷に移ると、付勢手段によって固定部が第1取付部に引き寄せられるとともにさらに回転して、固定部の第2ギアの山は、第1取付部の第2ギアの隣の谷に噛み合う。そのため、このモニタ支持具では、第1取付部に対して回転可能な方向に力を入れて固定部を回転させると、固定部が回転し、操作をしないと、付勢手段が第2ギア部を噛合せて、固定部が第1取付部に固定された状態が維持される。
【0009】
そのため、このモニタ支持具を用いると、固定部に取り付けられたモニタを、回転軸部を操作して第2取付部が脚部に対して回転可能な状態にすると、モニタの前後方向に回転させて位置決めすることができ、その位置決めした位置で回転軸部を操作して第2取付部を脚部に対して固定すると、その位置決めした位置で固定できる。
【0010】
またこのモニタ支持具を用いると、固定部が第1取付部に対して回転可能な方向にモニタを回転するよう力を入れると回転し、その力を抜くと回転後の状態で固定される。
従って、このモニタ支持具を用いると、回転軸部の操作と、モニタを回転させるだけの簡単な操作で、車両内に設置されるモニタを簡単に見やすく設置することができる。
【0011】
尚、請求項2に記載したように、固定部は、モニタを着脱可能に構成してもよいことはもちろんである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1〜4のいずれかに記載されたモニタ支持具と、前記モニタとを備えたモニタ支持具付モニタであって、前記モニタ支持具の固定部は、前記固定部が前記モニタに対向する対向面に突設された鉤状の引掛部と、この引掛部に引掛けられた前記モニタが前記対向面上で移動することを防止する移動防止突起を先端に備え、この移動防止突起が前記対向面から突出した状態に付勢するとともに、前記移動防止突起が前記対向面から突出しない位置まで移動可能に取り付けられた取外操作部と、を備え、前記モニタの筐体の裏面には、前記引掛部を挿入可能に形成され、前記引掛部が挿入されて前記モニタが前記対向面に当接した状態で前記対向面に沿って当該モニタが移動されると、挿入された前記引掛部が、前記引掛部を挿入した方向とは逆の方向には前記引掛部が抜けない状態で嵌合する形状に形成された引掛孔部と、前記引掛部が前記引掛孔部に嵌合したとき、前記移動防止突起を嵌挿可能な位置に設けられた突起嵌合孔部とが形成されていることを特徴とする。
【0012】
このモニタ支持具付モニタでは、引掛部を、モニタの裏面に設けられた引掛孔部に挿入して引掛孔部に嵌合させると、モニタが固定部の対向面に当接した状態で、引掛部が、引掛部を挿入した方向とは逆の方向には抜けないように嵌合する。そして引掛部が引掛孔部に嵌合されると、移動防止突起が突起嵌合孔部に嵌合し、引掛部が嵌合の解ける方向に移動することを防止する。そのため、モニタが固定部に確実に固定される。一方、移動防止突起は、取外操作部の付勢力に逆らって移動させると、突起嵌合孔部からはずれ、引掛部が嵌合の解ける方向に移動することが可能となるので、引掛部と引掛孔部との嵌合を解けば、モニタを固定部から外すことができる。
【0013】
従って、このモニタ支持具付モニタでは、モニタをモニタ支持具に対して自由に着脱することができ、しかも、モニタをモニタ支持具に確実に固定することができる。
尚、請求項4に記載のモニタ支持具付モニタのように、モニタの筐体に、モニタを上向きの状態で引掛部を引掛孔部に嵌合させたときに、取外操作部に嵌合する突起嵌合孔部である第1孔部と、モニタを下向きの状態で引掛部を引掛孔部に嵌合させたときに、取外操作部に嵌合する突起嵌合孔部である第2孔部とを形成してもよい。
【0014】
このように形成すると、モニタを通常の設置状態と、モニタの画面に沿った方向に180度回転させた状態でも取り付けることができる。そのため、モニタ支持具が取り付けられる土台部がモニタより上になるなどしても、モニタの取付方向を180度変えれば、モニタを通常の設置状態で設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態のモニタ支持具の説明図で、(a)は分解斜視図、(b)は背面斜視図、(c)は正面斜視図である。図2は、本実施形態のモニタ支持具を構成する中間体ナット8の斜視図である。図3は、本実施形態のモニタ支持具を構成する基体部3の斜視図である。図4は、本実施形態のモニタ支持具に取り付けられるモニタの裏面図で、(a)は、モニタが正位置にあるときの裏面図、(b)は、モニタが上下反転させた逆位置にあるときの裏面図である。図5は、本実施形態のモニタ支持具にモニタを取り付けた様子を説明するための説明図で、モニタ支持具の背面斜視図である。
【0016】
尚、モニタ支持具は、土台部をインパネ等に固定して、固定部に固定されたモニタをインパネ等の上方に設置するものであるが、そのような設置状態において、固定部から見て土台部が配置される方向を下方、土台部から見て固定部が配置される方向を上方として説明する。
【0017】
本実施形態のモニタ支持具1は、図1に示すように、土台部2、脚部3、中間体ナット4、つまみ付ネジ5、基体部6、固定部7、鶴巻バネ8、カバー部9を備えている。以下各構成について説明する。
【0018】
土台部2は、薄い板状に形成され、厚み方向に垂直な上面及び接地面は、略長方形状に形成されている。
脚部3は一対備えられ、各脚部30,31は土台部2の上面から立設されている。これら脚部30,31は、土台部2の上面の長尺な一辺に沿って所定間隔離れた位置に配置されている。このうち一方の脚部31には、他方の脚部30に対向する側の面から、反対側にかけて貫通する孔部32が形成されている。この孔部32は、中間体ナット4を嵌挿可能に構成されている。また、他方の脚部30には、ツマミ付ネジ5の後述する回転軸部51を挿通可能な挿通孔33が形成されている。
【0019】
中間体ナット4は、図2に示すように、ツマミ付ネジ5の回転軸部51を挿通可能な挿通孔40が形成されている。また、中間体ナット4は、その外周面のうち挿通孔40の軸周りの側面41の形状が挿通孔40の軸方向に垂直な断面で見て略六角形の形状となるように形成されている。またこの中間体ナット4は、挿通孔40が開口する面のうち一方の面上には、その開口42の周囲に、挿通孔40の開口42を囲む円に沿って、この開口42と同軸状に歯部が並ぶように形成された第1ギア部43が形成されている。また、この中間体ナット4は、挿通孔40が開口する面のうち第1ギア部43が設けられた側とは反対側の面側に設けられ、六角形状に形成された側面より大径状のフランジ部44が形成されている。またこの中間体ナット4には、図1(a)に示すように、挿通孔40が開口する面のうち第1ギア部43が設けられた側とは反対側の図示しない面側に、ナット45が嵌挿して固定される。このナット45は、挿通孔40を通ってナット45に達したツマミ付ネジ5の回転軸部50の先端に螺合する。
【0020】
そして、脚部31の孔部32は、中間体ナット4の外周面のうち挿通孔40の軸周りの側面41の形状と相似な略六角形状に穿孔されている。そのため、中間体ナット4を脚部31の孔部32に嵌挿すると、中間体ナット4を孔部32に挿入した挿入方向には摺動して移動することはできるが、中間体ナット4が孔部32に挿入される挿入方向を軸とする軸周りには回転することはできない状態で、中間体ナット4は孔部32に嵌挿される。
【0021】
ツマミ付ネジ5は、つまみ部50と、回転軸部51とを備えている。このうちつまみ部50は、回転軸部51の長手方向の一端に備えられている。また、回転軸部51は、その長手方向の他端からつまみ部50が形成されたところまで螺合溝が形成されている。このツマミ付ネジ5の回転軸部51は、中間体ナット4を孔部32に挿入した挿入方向に沿って他方の脚部30の孔部33から基体部6の第2取付部62に通される。そして、回転軸部51は、中間体ナット4の挿通孔40に挿通させて、中間体ナット4に固定されたナット45に螺入する。すると、第2取付部62が脚部3に対して回転可能に取り付けられる。また、このツマミ付ネジ5は、つまみ部50を操作して、回転軸部51の中間体ナット4への螺入量を可変すると、中間体ナット4を第2取付部62に対し当接あるいは離間するように摺動させることができる。
【0022】
基体部6は、固定部7が取り付けられる第1取付部61、脚部3が取り付けられる第2取付部62、及び、この第1取付部61と第2取付部62とを一体的に連結するアーム部63からなる。
【0023】
第2取付部62は、図3に示すように、回転軸部51を挿通する挿通孔620が形成され、この挿通孔620の中心軸と同軸な略円筒状に形成されている。そして、この挿通孔620が開口する面に対向する位置に脚部30,31が配置されるように、この第2取付部62は脚部30,31の間に配置される。この第2取付部62の挿通孔620が開口する面のうち、脚部31に嵌挿された中間体ナット4と対向する側の面621上には、挿通孔620の開口の周囲に、挿通孔620の開口を囲む円に沿って、この開口と同軸状に歯部が並ぶように形成された第1ギア部622が形成されている。この第1ギア部622は、中間体ナット4に形成された第1ギア部43と対をなすギア部で、これら第1ギア部は43、622は、同じ大きさに形成されている。そして、第2取付部62を脚部30,31の間に配置すると、中間体ナット4の第1ギア部43も第2取付部62の第1ギア部622に対向する面側に第1ギア部43が形成されているので、ツマミ部50を操作して中間体ナット4を第2取付部62に当接させれば、第2取付部62が回転軸部51の軸周りに回転する回転方向に沿ったいずれかの回転位置で噛み合う。
【0024】
アーム部63は、第2取付部62の外周面上に立設され、第2取付部62の挿通孔620の中心軸に対して垂直な方向に向かって立設されている。
第1取付部61は、図3に示すように、固定部7が取り付けられる側には、回転軸部51に平行な回転面に沿った円盤状の取付面610が形成されている。そして、この取付面610の円盤中心には、後述する回転軸筒71と同軸状にこの回転軸筒71を挿通可能な挿通孔611が穿孔されている。また、この挿通孔611の開口の周囲に、挿通孔611の開口を囲む円に沿って、この開口と同軸状に歯部が並ぶように形成された第2ギア部612が形成されている。また、この第1取付部61の取付面610の縁部からは、固定部7が取り付けられる側とは反対側に向かって立設された側面壁部613が形成されている。
【0025】
またこの第1取付部61は、図1に示すように、固定部7が取り付けられる側とは反対側に、鶴巻バネ8を収納可能な大きさに形成され、取付面610と同軸な円筒状に形成された収納部614を備えている。前述した挿通孔611はこの収納部614内で開口している。
【0026】
固定部7は、モニタに固定されるもので、図1(a)に示すように、固定基盤70と、回転軸筒71と、回転枠72と、取外操作部73と、引掛溝部74と、第2ギア部75と、図1(c)に示すように、引掛部76とを備えている。
【0027】
固定基盤70は円盤状に形成されている。尚、以下では、回転軸筒71が取り付けられる側の面を固定面70a、その反対側のモニタに対向する側の面を対向面70bと呼ぶ。
回転軸筒71は、固定面70a上から固定基盤70と同軸状に立設されている。また、回転軸筒71は、先端側からその円筒中心にネジ部を螺入可能に形成されている。この回転軸筒71は、固定部7が基体部6に取り付けられるとき、挿通孔611に挿通される。すると、固定部7は、回転軸筒71に垂直な回転面に沿って回転可能に第1取付部61に取り付けられるとともに、第1取付部61に対し回転面に垂直な方向に移動可能に取り付けられる。
【0028】
第2ギア部75は、回転軸筒71の周囲に、回転軸筒71を囲む円に沿って、この回転軸筒71と同軸状に歯部が並ぶように形成されている。この第2ギア部75は、基体部6に形成された第2ギア部612と対をなすギア部で、これら第2ギア部は75、612は、同じ大きさに形成されており、回転軸筒71を挿通孔611に挿通させて固定部7を基体部6の第1取付部に当接させると、固定部7が回転軸筒71の軸周りに回転する回転方向に沿ったいずれかの回転位置で噛み合う。
【0029】
回転枠72は、固定基盤70の縁部から、その縁部に沿って基体部6に取り付けられる側に向かって突設されている。回転軸筒71が挿通孔611に挿通されることによって固定部7が基体部6に取り付けられると、この回転枠72は、第1取付部61の側面壁部613を囲み、固定部7を基体部6に対して回転させると側面壁部613上を摺動する。
【0030】
取外操作部73は、固定基盤70の縁部から、基体部6に取り付けられる側に向かって突設されている。また、この操作部73は、対向面70b上に突設された移動防止突起730(図1(c)参照)を備えている。この操作部73は、基体部6が取り付けられる側に向かって引く事ができるように構成され、このように操作すると移動防止突起730が対向面70bから突出しない位置まで移動する。またこの操作部73は、非操作状態のとき、移動防止突起730が対向面70bから突出した状態になるよう付勢されている。そのため、操作された操作部73を非操作状態にすると、付勢力により、移動防止突起730が対向面70b上に突設された状態になる。この移動防止突起730は、モニタ100の裏面に設けられた後述する突起嵌合孔部に嵌合すると、引掛部76に引掛けられたモニタ100が対向面70b上で移動することを防止する。
【0031】
引掛溝部74は、カバー部9のアーム部90を引掛ける部分であり、固定面70aの中心軸を挟んだ左右両側に形成されている。
引掛部76は、図1(c)に示すように、固定基盤70の対向面70b上に突設され、固定基盤70の回転中心を挟んだ左右両側にそれぞれ取り付けられている。この引掛部76は、鉤状に形成され、その先端の折れ曲がった部分は、対になる引掛部76側にそれぞれ向いた状態に形成されている。
【0032】
カバー部9は、基体部6の第1取付部61の収納部614が取り付けられる側を覆う大きさに形成され、基体部6の第1取付部61に取り付けられた固定部7の引掛溝部74に掛合可能な一対のアーム部90を備えている。
【0033】
以上説明したモニタ支持具1は、次のように組み立てる。
まず、中間体ナット4を脚部31の孔部32に嵌挿する。そして基体部6の第1取付部62を脚部30,31の間に配置し、ツマミ付ネジ5の回転軸部51を脚部30の挿通孔33、第1取付部62の挿通孔620、中間体ナット4の挿通孔40に通し、つまみ部50を回転させて、回転軸部51の先端をナット45に螺号させる。
【0034】
次に、固定部7の回転軸筒71を、基体部6の第1取付部61の挿通孔611に通し、鶴巻バネ8を収納部614に挿入する。そして、鶴巻バネ8の中を通って固定部7とは反対側に抜けた回転軸筒71に、ワッシャ80を介してネジ81を螺号させる。すると鶴巻バネ8はワッシャ80を第1取付部61から遠ざける方向に付勢するので、ワッシャ80を介してワッシャ80を止めているネジ81もその方向に付勢され、結果として回転軸筒71もその方向に付勢する。そして、回転軸筒71がその方向に付勢されることによって、鶴巻バネ8は固定部7を基体部6に当接する方向に付勢する。
【0035】
そして、カバー9を、基体部6を挟んで固定部7に取り付ける。
次に、以上のようにして組み立てられたモニタ支持具1に取り付けられるモニタ100について説明する。
【0036】
モニタ100は、図4に示すように、裏面側に引掛孔部101と、突起嵌合孔部102とが形成されている。
引掛孔部101は、引掛部76を挿入可能に形成され、引掛部76が挿入されてモニタ100が対向面70bに当接した状態で対向面70bに沿ってモニタ100を移動すると、挿入された引掛部76が、引掛部76を挿入した方向とは逆の方向に抜けない状態で嵌合する形状に形成されている。
【0037】
突起嵌合孔部102は、引掛部76が引掛孔部101に嵌合したとき、移動防止突起730を嵌挿可能な位置に設けられている。
そのため、モニタ100は、引掛孔部101に引掛部76を引掛けて嵌合させ、突起嵌合孔部102に移動防止突起730を嵌合させれば、図5に示すように、固定部7に固定される。
【0038】
また、操作部73を操作し、移動防止突起730を固定面70b側から突出しない状態とすれば、移動防止突起730は突起嵌合部102からはずれるので、そのときにモニタ100を移動して引掛孔部101と引掛部76との嵌合を解いて、引掛部76を引掛孔部101から抜けば、モニタ100をモニタ支持具1からはずすことができる。
【0039】
また、モニタ100は、突起嵌合孔部102を、引掛孔部101の上下に一つずつ備えているので、モニタ100を上下反転させて、モニタ支持具1に取り付けることができる。
[作用効果]
このモニタ支持具1では、土台部2に一対の脚部30,31が立設され、そのうちの一方の脚部31には孔部32が設けられている。またこのモニタ支持具1では、この孔部32に中間体ナット4が嵌挿され、回転軸部51が、他方の脚部30から第2取付部62に通され、中間体ナット4のナット45に螺入される。そのため、このモニタ支持具1では、基体部6が脚部3に対し回転軸部51を支点に回転可能に取り付けられる。
【0040】
また、このモニタ支持具1では、孔部32及び中間体ナット4は、中間体ナット4が孔部32に挿入される挿入方向には摺動可能に形成されているが、この挿入方向を軸とする軸周りには回転不能な形状に形成されている。そして、このモニタ支持具1では、回転軸部51が、中間体ナット4の孔部32への挿入方向に沿って他方の脚部30から第2取付部62に通されて中間体ナット4に螺合され、回転軸部51の中間体ナット41への螺入量を可変することによって、中間体ナット41が孔部32内を摺動して、中間体ナット41が第2取付部62に対し当接あるいは離間する。さらにこのモニタ支持具1では、第2取付部62が中間体ナット41に対向する面、及び、中間体ナット41が第2取付部62に対向する面には、中間体ナット4を第2取付部62に当接させると、第2取付部62が回転軸部51の軸周りに回転する回転方向に沿ったいずれかの回転位置で噛み合う第1ギア部43、622が形成されている。そのため、このモニタ支持具1では、回転軸部51を操作して中間体ナット4を第2取付部62に当接させると、第1ギア部43,622が互いに噛み合い、第2取付部62が回転軸部51周りに回転することを阻止し、回転軸部51を操作して中間体ナット4を第2取付部62から離間させると、第1ギア部43,622の噛み合いが解けて、基体部6が回転軸部51周りに回転する。つまり、このモニタ支持具1では、回転軸部51を操作することによって、第2取付部62を回転可能な状態にしたり、脚部3に固定された状態にすることができる。
【0041】
一方、このモニタ支持具1では、モニタ100に固定される固定部7は、回転軸部51に平行な回転面に沿って回転可能に第1取付部61に取り付けられ、加えて、第1取付部61に対し回転面に垂直な方向に移動可能に取り付けられている。また、このモニタ支持具1では、第1取付部61が固定部7に対向する取付面610、及び、固定部7が第1取付部61に対向する対向面70aには、固定部7を第1取付部61に当接させると、第1取付部61が回転面に沿って回転するいずれかの回転位置で噛み合う第2ギア部75、612が形成されている。さらに、このモニタ支持具1は、固定部7を第1取付部61に当接する方向に付勢する鶴巻バネ8を備えている。そのため固定部7を、第1取付部61に対し回転する方向に力を入れて操作すると、固定部7の第2ギア部75の山の斜面と、この山がかみ合っている第1取付部61の第2ギア部612の谷の各斜面が擦れ合って、固定部7が第1取付部61から離間する方向に移動するとともに、固定部7が第1取付部61に対し回転する。そして、その操作を続けて、固定部7の第2ギア部612の山の頂点が、第1取付部61の第2ギア部612の谷を出て、隣の谷に移ると、鶴巻バネ8によって固定部7が第1取付部61に引き寄せられるとともにさらに回転して、固定部7の第2ギア部75の山は、第1取付部61の第2ギア部612の隣の谷に噛み合う。そのため、このモニタ支持具1では、第1取付部61に対して回転可能な方向に力を入れて固定部7を回転させると固定部7が回転し、操作をしないと、鶴巻バネ8が第2ギア部75,612が噛み合わされて、固定部7が第1取付部61に固定された状態が維持される。
【0042】
そのため、このモニタ支持具1を用いると、固定部7に取り付けられたモニタ100を、回転軸部51を操作して第2取付部62が脚部3に対して回転可能な状態にすると、モニタ100の前後方向に回転させて位置決めすることができ、その位置決めした位置で回転軸部51を操作して第2取付部62を脚部3に対して固定すると、その位置決めした位置で固定できる。
【0043】
またこのモニタ支持具1を用いると、本実施形態では、固定部7が基体部6に対して回転する面が平板状に形成されたモニタ100の画面に平行なので、モニタ100をその画面に平行な平面内で回転するよう力を入れると回転し、その力を抜くと回転後の状態で固定される。
【0044】
従って、このモニタ支持具1を用いると、回転軸部51の操作と、モニタ100を回転させるだけの簡単な操作で、車両内に設置されるモニタ100を簡単に見やすく設置することができる。
【0045】
ところで、モニタ支持具1では、引掛部76を、モニタ100の裏面に設けられた引掛孔部101に挿入して引掛孔部101に嵌合させると、モニタ100が固定部7の対向面70bに当接した状態で、引掛部76が、引掛部76を挿入した方向とは逆の方向には抜けないように嵌合する。そして引掛部76が引掛孔部101に嵌合されると、移動防止突起730が突起嵌合孔部102に嵌合し、引掛部76と引掛孔部101との嵌合の解ける方向にモニタ100が移動することを防止する。そのため、モニタ100が固定部7に確実に固定される。一方、移動防止突起730は、取外操作部73の付勢力に逆らって移動させると、突起嵌合孔部102からはずれ、引掛部76が嵌合の解ける方向に移動することが可能となるので、引掛部76と引掛孔部101との嵌合を解けば、モニタ100を固定部7から外すことができる。
【0046】
従って、このモニタ支持具1を用いれば、モニタをモニタ支持具に対して自由に着脱することができ、しかも、モニタ100をモニタ支持具1に確実に固定することができる。
また、このモニタ支持具1は、二つ設けられた突起嵌合穴部102を利用すると、モニタ100を通常の設置状態と、モニタ100の画面に沿った方向に180度回転させた状態でも取り付けることができる。そのため、土台部7を上にしてモニタ100を固定部7に取り付けるなどしても、モニタ100の取付方向を180度変えれば、モニタ100を通常の設置状態で設置することができる。
【0047】
尚、本実施形態の鶴巻バネ8は本発明の付勢手段に相当し、二つ設けられた突起嵌合孔部102は、一方が本発明の第1孔部に相当し、他方が第2孔部に相当する。
以上本発明の一実施形態ついて説明したが、本発明はこの実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0048】
尚、上記実施形態では、脚部31には、この脚部31を貫通する孔部32を設けたが、このような大きな孔ではなく、他方の脚部30に対向する側の面に少なくとも設けられていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態のモニタ支持具の説明図で、(a)は分解斜視図、(b)は背面斜視図、(c)は正面斜視図である。
【図2】本実施形態のモニタ支持具を構成する中間体ナットの斜視図である。
【図3】本実施形態のモニタ支持具を構成する基体部の斜視図である。
【図4】本実施形態のモニタ支持具に取り付けられるモニタの裏面図で、(a)は、モニタが正位置にあるときの裏面図、(b)はモニタが上下反転させた逆位置にあるときの裏面図である。
【図5】本実施形態のモニタ支持具にモニタを取り付けた様子を説明するための説明図で、モニタ支持具の背面斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1…モニタ支持具、2…土台部、3(30,31)…脚部、4…中間体ナット、5…ツマミ付ネジ、6…基体部、7…固定部、8…鶴巻バネ、9…カバー、32…孔部、33…挿通孔、40…挿通孔、41…側面、42…開口、43…第1ギア部、44…フランジ部、45…ナット、50…ツマミ部、51…回転軸部、61…第1取付部、62…第2取付部、63…アーム部、70…固定基盤、70a…固定面、70b…対向面、71…回転軸筒、72…回転枠、73…取外操作部、74…引掛溝部、75…第2ギア部、76…引掛部、80…ワッシャ−、81…ネジ、610…取付面、611…挿通孔、612…第2ギア部、613…側面壁部、614…収納部、620…挿通孔、622…第1ギア部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土台部と、
土台部から立設された一対の脚部と、
モニタに固定される固定部と、
この固定部が取り付けられる第1取付部、及び、前記脚部が取り付けられる第2取付部を備える基体部と、
前記一方の脚部の面であって、前記他方の脚部に対向する側の面に少なくとも設けられた孔部に嵌挿可能な中間体部と、
長手方向の一端につまみ部を備え、長手方向の他端に螺合溝が形成された回転軸部と
を備え、
前記中間体部及び前記孔部は、
前記中間体部が前記孔部に挿入される挿入方向を軸とする軸周りには回転不能な形状に形成され、
前記回転軸部は、
前記挿入方向に沿って前記他方の脚部から前記第2取付部に通され、前記中間体部に螺入されることによって、前記第2取付部を前記脚部に対して回転可能に取り付けるとともに、前記回転軸部の前記中間体部への螺入量を可変することによって、前記中間体部を前記第2取付部に対し当接あるいは離間するように摺動させ、
前記第2取付部が前記中間体部に対向する面、及び、前記中間体部が前記第2取付部に対向する面には、
前記中間体部を前記第2取付部に当接させると、前記第2取付部が前記回転軸部の軸周りに回転する回転方向に沿ったいずれかの回転位置で噛み合う第1ギア部が形成され、
前記固定部は、
前記回転軸部に平行な回転面に沿って回転可能に前記第1取付部に取り付けられるとともに、前記第1取付部に対し前記回転面に垂直な方向に移動可能に取り付けられ、
前記第1取付部が前記固定部に対向する面、及び、前記固定部が前記第1取付部に対向する面には、
前記固定部を前記第1取付部に当接させると、前記第1取付部が前記回転面に沿って回転するいずれかの回転位置で噛み合う第2ギア部が形成され、
前記固定部が前記第1取付部に対して移動して離間することによって噛み合いが外れた前記第2ギア部が噛み合う方向に前記固定部を付勢する付勢手段を備えることを特徴とするモニタ支持具。
【請求項2】
請求項1記載のモニタ支持具において、
前記固定部は、前記モニタを着脱可能に構成に構成されていることを特徴とするモニタ支持具。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれかに記載されたモニタ支持具と、
前記モニタと
を備えたモニタ支持具付モニタであって、
前記モニタ支持具の固定部は、
前記固定部が前記モニタに対向する対向面に突設された鉤状の引掛部と、
この引掛部に引掛けられた前記モニタが前記対向面上で移動することを防止する移動防止突起を先端に備え、この移動防止突起が前記対向面から突出した状態に付勢するとともに、前記移動防止突起が前記対向面から突出しない位置まで移動可能に取り付けられた取外操作部と、
を備え、
前記モニタの筐体の裏面には、
前記引掛部を挿入可能に形成され、前記引掛部が挿入されて前記モニタが前記対向面に当接した状態で前記対向面に沿って当該モニタが移動されると、挿入された前記引掛部が、前記引掛部を挿入した方向とは逆の方向には前記引掛部が抜けない状態で嵌合する形状に形成された引掛孔部と、
前記引掛部が前記引掛孔部に嵌合したとき、前記移動防止突起を嵌挿可能な位置に設けられた突起嵌合孔部と
が形成されていることを特徴とするモニタ支持具付モニタ。
【請求項4】
請求項3記載のモニタ支持具付モニタにおいて、
前記モニタの筐体は、
前記モニタを上向きの状態で前記引掛部を前記引掛孔部に嵌合させたときに、前記取外操作部に嵌合する前記突起嵌合孔部である第1孔部と、
前記モニタを下向きの状態で前記引掛部を前記引掛孔部に嵌合させたときに、前記取外操作部に嵌合する前記突起嵌合孔部である第2孔部と、
を少なくとも備えることを特徴とするモニタ支持具付モニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−285441(P2007−285441A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114618(P2006−114618)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(391019681)株式会社コムテック (11)