説明

モノリシックなセラミックカラーコンバーターを有する放電ランプ

本発明は、光放射デバイス、特に内部電極又は外部電極又は無電極の放電ランプに関し、モノリシックなセラミック発光コンバーターを用いることにより、赤の光の放射が向上する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、光放射デバイス、特に内部若しくは外部電極を有する又は無電極の放電ランプの分野に関する。
【0002】
(発明の背景)
放電ランプは、通常、ガス放電及び1又はいくつかのカラーコンバーターを含み、該コンバーターは、光及び/又はガスにより放射された放射の一部を転換する。ある場合において、これらカラーコンバーターは、三価の希土類金属でドープされ、それはこれらが効果的なラインエミッター(line emitter)であることが知られるためである。しかしながら、やや弱い吸収係数を有する固有のf-f遷移を介した励起は、低い光出力をもたらし(言い換えれば、量子収量が吸収により増加する)、それによりこれらカラーコンバーターの励起は、通常、ホスト格子のバンドギャップ又は電荷移動状態を介して起こる。結果として、該放電の放射は、電磁スペクトルのUV-B/UV-Cの領域におけるものであり、所望の転換の最小値を達成しなければならず、これは、大きなストークスシフトが、全体的効率を制限する最終的な放電ランプ中の高い粒子損失を暗示することを意味する。
【0003】
(発明の概要)
従って、本発明の目的は、より高い効率で入ってきた光を転換できるカラーコンバーターを含む、放電ランプを提供することである。
従って、光放射デバイス、特に内部若しくは外部電極を有する又は無電極の放電ランプが提供され、該ランプは、ドープされた材料MI2O3:MII(式中、MIはY、La、Gd、Lu及びSc又はこれらの混合物を含む群より選択され、MIIはCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Bi、Sb又はこれらの混合物を含む群より選択される)から実質的に製造された少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターを含み、該ドーピングレベルは0.01以上かつ15%以下である。
本発明で定義するようなモノリシックなセラミック発光コンバーターを選択することにより、カラーコンバーターによる入射した光の吸収を、大幅に高めることができる。
入射光線の光学距離が散乱に起因してせいぜい数μmに限定される通常の粉末蛍光体と対照的に、この光学距離は、本発明のモノリシックなセラミック発光コンバーターにより、桁違いに増加し得る。吸収は、光学距離及び吸収種の吸収係数の積であるが、これは、吸収材料を伝播する光子の間隔に対応して所定の吸収体を(所定の濃度で)向上する。
【0004】
本発明のモノリシックなセラミック発光コンバーターは、特に以下の特徴の1以上を採用する材料である:肉眼で見える横寸法(macroscopic lateral dimension)(すなわち、50μm以上かつ100mm以下のセラミック体の最も短い横寸法)、低い表面領域、1m2/g以下かつ10-7m2/g以上、理論密度の95%以上かつ100%以下の密度、肉眼的に均質な、0%以上かつ10%以下の汚染物質(組成式に属しない元素のモル比率における含量)、相純度、90%以上かつ100%以下の相純度、透明又は半透明。
MIは、Y、La、Gd、Lu及びSc又はこれらの混合物を含む群から選択される。これら元素の酸化物が、本発明中で使用するために最も適切なキャリアー材料であることを示した。
MIIはCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Bi、Sb又はこれらの混合物を含む群より選択される。これら材料が、固有のf-f遷移を介して光を放射し、又はこの種の放射に感受性である能力に起因して、本発明に対して適切であることが示された。
【0005】
MIに関連するホスト格子における活性化剤(MII)のモル量であるドーピングレベルは、0.01以上かつ15%以下である。好ましくは、該ドーピングレベルは、0.1以上かつ12%以下、より好ましくは1以上かつ10%以下、さらに好ましくは2以上かつ9%以下、最も好ましくは3以上かつ8%以下である。
本発明において、用語“実質的に製造された”は、90以上、好ましくは95以上、より好ましくは98以上、さらに好ましくは99以上かつ100以下のwt%含量を意味する。
本発明の好ましい態様に従って、少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターは、半透明及び/又は透明である。
本発明における半透明は、特に、該材料により吸収することができない波長の入射光線の、50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上かつ100%以下が、試料を介して(任意角で)放射される事を意味する。この波長は、好ましくは、400nm以上かつ1000nm以下、好ましくは450nm以上かつ900nm以下、より好ましくは500nm以上かつ700nm以下の領域におけるものである。
【0006】
本発明における透明は、特に、入射光ビームが、透明物体に入った場合、±5°以下と同じ角度に基づいて平行な面を有する該透明物体を去る事、すなわち、該サンプル中に非常に少ない散乱中心が存在することを意味する。
透明なモノリシックなセラミックカラーコンバーターの適用により、より弱い吸収転位でさえ発光中心の励起に代用しても良いと言う態様で、光学距離を増加することが可能である。平均粒子径が5μmである粒子から成る蛍光照明のための典型的な蛍光体層は、約20μmの厚さを有し、これはおよそ40μmの光学距離をもたらし、1mm厚さの透明又は半透明のセラミックは、少なくとも25の因数までこの値を向上する。可視における放電の放射の場合における付加的な利点は、吸収されない光の透過率が、粉末相に対するおよそ30%から、半透明又は透明のセラミックに対する50%以上まで増加する事である。
【0007】
本発明の好ましい態様に従って、少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターの最も短い横寸法は、50μm以上かつ100mm以下である。好ましくは、少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターの最も短い横寸法は、100μm以上かつ10mm以下、より好ましくは150μm以上かつ5mm以下、さらに好ましくは200μm以上かつ2mm以下、最も好ましくは250μm以上かつ1mm以下である。
モノリシックなセラミック発光コンバーターに関する最も短い横寸法を選択することにより、発光コンバーター内部の光の経路が十分に長く、適切な吸収効率をもたらすことを確実にする。
本発明の好ましい態様に従って、モノリシックなセラミック発光コンバーターの厚さ(mm)とドーピングレベル(%)の積は、0.02mm以上かつ0.5mm以下である。好ましくは、少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターの厚さとドーピングレベルの積は、0.04mm以上かつ0.4mm以下、より好ましくは0.05mm以上かつ0.3mm以下、さらに好ましくは0.075mm以上かつ0.25mm以下、最も好ましくは0.1mm以上かつ0.2mm以下である。
【0008】
厚さ及びドーピングレベルを同時に調整することにより、再現性の高い吸収性を有する材料を得ることが可能となる。該試料の厚さの微調整(例えば研磨による)は、影響を及ぼす吸収(次いで同様に光の出力)を、粉末の蛍光体で見込まれる吸収よりもより高い程度にすることを可能にするであろう。
本発明の好ましい態様に従って、少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターは、理論密度の95%以上かつ100%以下の密度を有する。
本発明の好ましい態様に従って、少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターは、90%以上かつ100%以下の相純度を有する。
本発明の好ましい態様に従って、モノリシックなセラミック発光コンバーターの入ってきた光に対する入射表面の表面粗さRMS(表面の平面性の崩壊;最も高い表面特徴と最も深い表面特徴の間の差異の相乗平均として測定される)は、0.001μm以上かつ100μm以下である。好ましくは、少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターの入射表面の表面粗さは、0.01μm以上かつ10μm以下、より好ましくは0.1μm以上かつ5μm以下、さらに好ましくは0.15μm以上かつ3μm以下、及び最も好ましくは0.2μm以上かつ2μm以下である。そうすることにより、入ってきた光が、適切に該発光コンバーターに入り、さらにより高い放射割合をもたらすことを確実にする。
【0009】
本発明の好ましい態様に従って、少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターの外側表面は、外部結合層で構築され又は該層で被覆され、該層は好ましくは粉末層により形成される。最も好ましいのは、モノリシックなセラミック発光コンバーターにより転換されていない光を可視光にさらに転換する、外部結合蛍光体粉末層である。好ましくは、この蛍光体粉末は、ユーロピウムでドープしたバリウムマグネシウムアルミネートBaMgAl10O17:Eu、ユーロピウムでドープしたバリウムストロンチウムオキソニトリドアルモシリケート(Ba,Sr)Si6-xAlxN8-xOx+y:Eu(0≦y≦1)、セリウムでドープしたイットリウムガドリニウムアルミニウムガーネット(Y,Gd)3Al5O12:Ce、ユーロピウムでドープしたバリウムストロンチウムオルトシリケート(Ba,Sr)2SiO4:Eu、ユーロピウムでドープしたストロンチウムバリウムオキソニトリドシリケート(Sr,Ba)Si2N2O2:Eu又はこれらの混合物の群より選択される材料から実質的に製造される。
本発明の好ましい態様に従って、モノリシックなセラミック発光コンバーターの比表面積は、10-7m2/g以上かつ1m2/g以下である。減少した比表面積は、化学的及び物理的攻撃に対するモノリシックなセラミック発光コンバーターの安定性を増加する。例えば放電又は強いUV放射に対するこれら構造の不活性は、表面領域及びこの材料の特性に対する釣り合いの作用である。
【0010】
本発明の好ましい態様に従って、光放射デバイスは放電ガスを含み、該デバイスは平均波長120nm以上かつ1000nm以下の光を放射する。
本発明において、用語“平均波長”は、特に以下のように定義される:
測定された放射スペクトルから、該波長当たりのスペクトル強度(spectral power)を、光子の数Nphotから決定する〔h:プランク定数、c:光の速さ〕
【数1】

【0011】
放射される合計屈折力Ptotは、波長の範囲における積分P(λ)により得られる。この力を使用して、平均の放射波長λmeanを定義できる:
【数2】

【0012】
好ましくは、該放電は、平均波長200nm以上かつ900nm以下、より好ましくは250nm以上かつ800nm以下、さらに好ましくは275nm以上かつ750nm以下、最も好ましくは280nm以上かつ700nm以下の光を放射する。このようにすることにより、ランプ成分に対する放射の損害を最小限にし、さらに蛍光体転換に対する粒子の損失を削減して、該ランプのより高い発光効率をもたらす。
本発明の好ましい態様に従って、該光放射デバイスは反射体を含み、該反射体は、120nm以上かつ10μm以下の波長を有する光を反射する材料で製造される。これは、以下に記載するように、開口部の形態で少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターを有する光放射デバイスを構築することを可能にする。
本発明の光放射デバイスは、内部若しくは外部電極を適用し又は無電極でも良い。しかしながら、いくつかの適用に対して、内部ランプ電極を有しない(言い換えれば無電極)ランプの操作は、内部ランプ電極による放射に対する遮蔽が全く存在しない事実に起因して有利である。
【0013】
本発明の光放射デバイスは、操作において白色又は着色された光を提供しても良い。放電により放射される光のいくつかは、モノリシックなセラミック発光コンバーターを励起して、該コンバーターに異なる波長の光を放射させる。しかしながら、放電により放射されたUVから青の光を、カラーコンバーターを介して放射して、それにより放射された光と混合する可能性も存在する。観察者は、この光の混合を、白色又は着色された光として観察する。従って、例えば付加的な3つの色、例えば青、緑及び赤により、色の量及び割合に起因して、多色性の白色の光を形成することが可能である。着色された光源の形成は、カラーコンバーターの数及び量の適切な選択により、同じく可能である。
本発明の光放射デバイスは、以下の1以上の幅広いシステム及び/又は用途において使用するものであって良い:オフィス照明システム、家庭適用システム、店舗照明システム、家庭照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバー適用システム、投射システム、自己照明(self-lit)ディスプレーシステム、画素化したディスプレーシステム、セグメント化したディスプレーシステム、危険信号システム、医療照明用途システム、標識表示システム、及び飾り照明システム、携帯システム、自動車用途、グリーンハウス照明システム。
【0014】
本発明は、以下の工程を含む、上記のようなモノリシックなセラミック発光コンバーターの調製方法にも関する:
MIの塩、好ましくはハロゲン化物、スルフェート、ニトラート、ペルクロレート又はこれらの混合物を含む群より選択される塩を脱イオン水中へ混合すること、MIIの塩、好ましくはハロゲン化物、スルフェート、ニトラート、ペルクロレート又はこれらの混合物を含む群から選択される塩を添加すること、任意工程として尿素、オキサロ酸、アンモニウムカーボネート及びこれらの混合物を含む群より選択されるカーボネート又はヒドロキシド源を添加すること、任意に加熱してもよく、均一な混合物が得られるまで攪拌すること、沈殿物を取得すること、その乾燥、該沈殿物の焼成、任意工程として結合剤と前駆体を混合すること、好ましくはスリップキャスティング及び/又は射出成形により該前駆体材料を所望の形状にすること、セラミック技術、例えば真空焼結、熱間等静圧圧縮成型又は熱一軸圧縮(hot uniaxial pressing)によりモノリシックなセラミック発光コンバーターを形成すること。
【0015】
この方法は、本発明の光放射デバイスに対する必須のものとしてのモノリシックなセラミック発光コンバーターを得る適切な方法であることが証明された。
前記成分、請求項に記載された成分及び所望の態様における本発明で使用すべき成分は、それらのサイズ、形状、材料の選択及び関係する分野において知られた選択基準を、制限を伴うことなく適用できるような技術概念との関係で、いかなる特別な例外に制約されない。
本発明の目的の追加の詳細、特徴及び利点は、サブクレーム、図及び図に関する以下の記載並びに例において開示され、これらは例示の形態として、本発明の光放射デバイスのいくつかの好ましい態様を示す。
【0016】
(詳細な説明)
図1は、本発明の第1の態様の光放射デバイスの断面図を示す。該光放射デバイス1は、内部電極又は外部電極を備え又は無電極のガス放電ランプであり、第1の内部エンベロープ20内にガス10を含む。このエンベロープは、ガラスから製造され、該ガラスは放電を含む内壁蛍光体粉末コーティングを含む。該第一の内部エンベロープ20は、本発明の第1のモノリシックなセラミックコンバーター層30(例えばY2O3:Er(8%)、厚さ3mm)により取り囲まれ、該第一の層自身は、本発明の第2のモノリシックなセラミックコンバーター層40(例えばY2O3:Eu(8%)、厚さ1mm)により取り囲まれている。
該層30及び40が半透明であるため、該層40の周囲、又はその両方の間に配置された、エンベロープ20を有することが可能であることに注目すべきである。該層20、30及び40の順序は変更可能であり、これは本発明のさらなる利点である。
【0017】
図2は、本発明の第二の態様の光放射デバイスの断面図を示す。この光放射デバイス1'も、内部電極又は外部電極を備え又は無電極のガス放電ランプである。第一及び第二の態様の間の差異は、この態様において反射層50が使用されることであり、該反射層は内側を被覆するか又は反射材料からなり、少なくとも放電により放射された光、言い換えればUV-A光を反射する。該反射層は、通常、変動できるさらなる層70により取り囲まれている。ほとんどの適用において、該層70は、単にガラスでできているであろう。
本発明のモノリシックなセラミック発光コンバーターを形成して、開口60の内部に取り付ける。該放電により放射された光は、反射層50に起因して、この開口を介してランプから放射される。このような配置は、先行技術、例えば参照により本明細書に取り込まれるEP04104722.6において知られている原理である。本発明の第二の態様のような配置は、光の出口領域を制御できる利点を有する;さらに、モノリシックなセラミック発光コンバーターは、いかにいくつかの適用に対して有利であるかもしれないが、前記配置におけるものよりもより単純に、コンパクトに及びより小さく製造できる。
【0018】
本発明のモノリシックなセラミック発光コンバーター及びその製造方法は、単に例示的な形態で、以下の実施例によりさらに説明される:
実施例I:
40Lのガラスラインド容器(glass lined vessel)中に、1.35L の0.5M YCl3溶液(脱イオン水で)、33.46gのEu(NO3)3*6H2O及び1.4625kgの尿素を、激しく攪拌しながら水に溶解する。さらに、水を、最終的に容積30L まで添加する。該溶液を沸点(100℃)まで加熱して、次いで該第一の濁度を生じた後、さらに2時間加熱する。該沈殿物をブフナー漏斗で回収し、洗浄して塩化物を取り除く。次いでこれを乾燥して、次いで800℃で2時間焼成する。
得られた前駆体粉末は、250nmの平均粒径を有する球形の粒子から成る。これを公知のセラミック技術により、素地に加工する。該粉末をメノウ乳鉢で、10%w/wの結合剤(5%ポリビニルアルコール水溶液)と共にすりつぶす。これを500μmのふるいに通し、粉末圧縮用具を用い、次いで3.2MPa(3200bar)で冷熱間等静圧圧縮成型することにより素地に圧縮する。該素地を透明なモノリシックなセラミックになるまで真空下、1700℃で焼結する。
【0019】
比較例I
40Lのガラスラインド容器(glass lined vessel)中に、1.35L の0.5M YCl3溶液(脱イオン水で)、33.46gのEu(NO3)3*6H2O及び1.4625kgの尿素を、激しく攪拌しながら水に溶解する。さらに、水を、最終的に容積30L まで添加する。該溶液を沸点(100℃)まで加熱して、次いで該第一の濁度を生じた後、さらに2時間加熱する。該沈殿物をブフナー漏斗で回収し、洗浄して塩化物を取り除く。次いでこれを乾燥して、次いで800℃で2時間焼成する。
結果得られた前駆体粉末は、250nmの平均粒径を有する球形の粒子から成る。
図3は、本発明の範囲である実施例I(“励起セラミック”として示す)の構造の励起スペクトルと、比較例I(“励起粉末”として示す)の発光コンバーターの励起スペクトルの図式を示す。図4は、本発明の範囲である実施例I(“励起セラミック”として示す)の構造の反射スペクトルと、比較例I(“励起粉末”として示す)の発光コンバーターの反射スペクトルの図式を示す。
UVA及び青色スペクトル領域における該セラミックの励起及び吸収が、通常の粉末蛍光体と比較して大幅に向上することが見いだせる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の第1の態様の光放射デバイスの断面図を示す。
【図2】図2は、本発明の第2の態様の光放射デバイスの断面図を示す。
【図3】図3は、本発明中で適用されるものとしてのモノリシックなセラミック発光コンバーターの励起スペクトルと、比較例の発光コンバーターの励起スペクトルの図式を示す。
【図4】図4は、本発明中で適用されるものとしてのモノリシックなセラミック発光コンバーターの反射スペクトルと、比較例の発光コンバーターの反射スペクトルの図式を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光放射デバイス、特に放電ランプであって、ドーピングレベルが0.01以上かつ15%以下であるドープされた材料MI2O3:MII(式中、MIはY、La、Gd、Lu及びSc又はこれらの混合物を含む群より選択され、MIIはCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Bi、Sb又はこれらの混合物を含む群より選択される)から実質的に製造された少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターを含む、内部若しくは外部電極を有する又は無電極の光放射デバイス。
【請求項2】
少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターが、半透明及び/又は透明である、請求項1に記載の光放射デバイス。
【請求項3】
少なくとも1つのモノリシックなセラミック発光コンバーターの最も短い横寸法が、50μm以上かつ100mm以下である、請求項1又は2に記載する光放射デバイス。
【請求項4】
モノリシックなセラミック発光コンバーターの厚さとドーピングレベルの積が、0.02mm以上かつ0.5mm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光放射デバイス。
【請求項5】
モノリシックなセラミック発光コンバーターの励起光の入射表面の表面粗さが、0.001μm以上かつ100μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光放射デバイス。
【請求項6】
モノリシックなセラミック発光コンバーターの比表面積が、10-7m2/g以上かつ1m2/g以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光放射デバイス。
【請求項7】
さらに放電ガスを含み、120nm以上かつ1000nm以下の平均波長を有する光を放射する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光放射デバイス。
【請求項8】
さらに反射体を含み、該反射体が120nm以上かつ10μm以下の波長を有する光を反射する材料でできている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光放射デバイス。
【請求項9】
以下の工程を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光放射デバイスのモノリシックなセラミック発光コンバーターの調製方法:
MIの塩、好ましくはハロゲン化物、スルフェート、ニトラート、ペルクロレート又はこれらの混合物を含む群より選択される塩を脱イオン水中へ混合すること、MIIの塩、好ましくはハロゲン化物、スルフェート、ニトラート、ペルクロレート又はこれらの混合物を含む群から選択される塩を添加すること、任意工程として尿素、オキサロ酸、アンモニウムカーボネート及びこれらの混合物を含む群より選択されるカーボネート又はヒドロキシド源を添加すること、任意に加熱してもよく、均一な混合物が得られるまで攪拌すること、沈殿物を取得すること、その乾燥、該沈殿物の焼成、任意工程として結合剤と前駆体を混合すること、好ましくはスリップキャスティング及び/又は射出成形により該前駆体材料を所望の形状にすること、セラミック技術、例えば真空焼結、熱間等静圧圧縮成型又は熱一軸圧縮によりモノリシックなセラミック発光コンバーターを形成すること。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−505329(P2009−505329A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510694(P2008−510694)
【出願日】平成18年5月3日(2006.5.3)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051391
【国際公開番号】WO2006/120613
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】