説明

ユーザ管理システム

【課題】携帯型の通信端末を使用して、場所を問わず、美容室等の店舗または施設について簡易に予約等の顧客管理を行うことのできる顧客管理システムを得ること。
【解決手段】顧客115は美容室107に最初に出かけたとき特定の個人情報を知らせ、自己の携帯電話機118を用いて特定の宛先に所定のデータが格納された電子メールを送信するように指示される。電子メール送信の後、美容室107から送られてきたURLにアクセスすると、通知した個人情報の入力によってセキュリティの確保された認証を簡単に行うことができ、来店の予約等の処理をスムーズに行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ管理システムに係わり、特に美容室等の店舗または施設で電子メールを使用して顧客管理等のユーザ管理を行う際に好適なユーザ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末やインターネットに接続可能なパーソナルコンピュータの普及は目覚しく、多くの人が個人的な電子メールのアドレスを所有している。このような状況の下で、電子メールを使用して顧客管理あるいはユーザ管理を行うことが提案されている。
【0003】
たとえば美容室では、従来では顧客が直接、美容室を訪れるか電話を掛けることで、予約を行うようになっていた。美容室では、予約の要請があると、予約表にスタイリストごとの予定を書き込むことで予約の管理を行っていた。このような顧客管理システムでは、予約が集中するような時期あるいは時間に、複数の者が時間的に並行して電話で予約を取ったような場合、重複した予約が発生する場合があった。また、予約表への記入ミスが発生することもあった。更に、夜間や早朝のように美容室が開いていてない場合には、予約を取ろうとしても取ることができないという問題もあった。
【0004】
そこで、顧客がインターネット等のデータ通信手段を介して予約の要求を送信すると、美容室側が顧客に対して識別符号の入力を要求し、識別符号が入力された場合には、スタイリストの選択と日時の予約を行わせるようにすることが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−05626号公報(第0017、第0023段落、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この提案の顧客管理システムでは、インターネット等の一般の者に広く開放された通信手段を使用することを前提としている。したがって、この提案の顧客管理システムでは、通信手段を使用したことによる、いたずらによる予約を防止しており、来店確率の高い予約のみを受け付けることを目的としている。このため、美容室の予約に際しては、顧客に識別符号を入力することを要求している。そして、識別符号を伴わない予約の要求に対しては顧客の連絡先を入力することを要求している。また、識別符号は、美容室側が他人の真似しにくい独自の符号を顧客に与えるようにしている。
【0006】
このため、顧客は美容室から送られてきた識別符号を保存しておいて、予約のたびにこの識別符号を使用する必要がある。家庭等に設置されたパーソナルコンピュータから美容室を予約する場合には、識別符号を所定の記憶領域にメモとして記憶しておけば、予約を行う場合にはこれを呼び出すことができる。したがって、この呼び出した識別符号を識別符号の入力欄にコピーすることで、予約の際に比較的簡単にその識別符号の入力処理を行うことができる。
【0007】
しかしながら、携帯電話機やPHSといった携帯型の通信端末の場合には、操作用のキーの数が限定されているだけでなく、各種のデータ処理の機能が限定されている。したがって、顧客が識別符号を通信端末内のデータ処理で簡易に入力することは一般的に困難であり、そのたびに顧客自身の操作によって直接入力しなければならない場合が多い。ところが、識別符号は第三者のいたずらを防止するために美容室側が独自に与えたものであるだけでなく、美容室へのアクセスは日常的に行われるものではないので、アクセスを必要とするときに識別符号を思い出すことができない場合も多い。もちろん、識別符号をメモ用紙に書き込んでおいて、これを取り出して入力することも可能であるが、常にそのメモ用紙を携行する手間が生じだけでなく、識別符号を構成する文字数が多かったり、文字種が複数となってセキュリティが高くなるほど、その入力が面倒となる。
【0008】
また、識別符号が思い出せなかったり、識別符号を書いたメモ用紙が見当たらないような場合には、識別符号を伴わない予約を行うことになる。この提案によればこの際に顧客は自己の連絡先として、携帯電話のメールアドレス等のデータ通信が可能な連絡先を入力することにしている。ところがメールアドレスを連絡先として用いた場合、美容室側はその予約がいたずらであるかどうかを確認するためにそのメールアドレスに確認のメールを出す必要がある。この場合、確認のメールに対する返事にある程度の時間を必要とするので、予約を迅速に行えないことになる。
【0009】
以上のような考察から明らかなように、この提案による顧客管理システムは、携帯電話機やPHSといった携帯型の通信端末に使用しづらいシステムとなっている。したがって、実際にはパーソナルコンピュータのような高度のデータ処理を迅速に行える通信端末が実際の使用対象に限定される。このため、自宅や仕事場から離れた場所でも簡易に美容室等の施設に予約を行おうとすると、この提案の顧客管理システムは非常に使い勝手が悪いという問題がある。
【0010】
そこで本発明の目的は、携帯型の通信端末を使用して、場所を問わず、美容室等の店舗または施設について簡易に予約等のユーザ管理を行うことのできるユーザ管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明では、(イ)所定の通信ネットワークにアクセスする通信端末を所持するユーザの個人情報をユーザ単位で記憶する個人情報記憶手段と、(ロ)この個人情報記憶手段に記憶した各ユーザのそれぞれに各ユーザ専用のホームページのアドレスを通知するアドレス通知手段と、(ハ)このアドレス通知手段によって通知されたアドレスにアクセスした通信端末に対して認証用データの入力を要求する認証用データ入力要求手段と、(ニ)この通信端末から入力された認証用データが個人情報記憶手段に記憶されたそのユーザの個人情報と一致するか否かを比較する比較手段と、(ホ)この比較手段がそのユーザの個人情報と一致したときのみ認証を許可する認証許可手段とをユーザ管理システムに具備させる。
【0012】
すなわち請求項1記載の発明では、認証を行う側では、通信ネットワークにアクセスする通信端末を所持するユーザの個人情報をユーザ単位で個人情報記憶手段にあらかじめ記憶しているので、これらのユーザそれぞれにユニークなホームページのアドレスを通知すると、これらのアドレスに正規のユーザあるいは第三者がアクセスした時点でそのアドレスに対応するユーザの個人情報を個人情報記憶手段から引き出すことができる。したがって、アクセスした通信端末から入力される認証用データがこの個人情報と一致するか否かをチェックすることによってセキュリティが十分確保された認証を行うことができ、予約やショッピング等のユーザ管理を安全に行うことができる。
【0013】
請求項2記載の発明では、(イ)インターネットにアクセスできる通信端末を個人的に所持するユーザの個人情報をユーザ単位で記憶する個人情報記憶手段と、(ロ)この個人情報記憶手段に個人情報を記憶したユーザのそれぞれに対して、特定のサーバのコンテンツを表わすURLにユーザ固有の識別情報を付加したそのユーザの固有アドレスを通知する固有アドレス通知手段と、(ハ)個人情報記憶手段に個人情報を記憶したユーザのいずれかがこの固有アドレス通知手段によって通知されたそのユーザの固有アドレスを宛先として使用してそのユーザの通信端末からインターネットにアクセスしたときその通信端末に個人認証を求める画面を表示させるための情報を送出する個人認証画面情報送出手段と、(ニ)この個人認証画面情報送出手段によってそのユーザの通信端末に個人認証を求める画面が表示されたとき、その通信端末から入力される認証用情報を受信する認証用情報受信手段と、(ホ)この認証用情報受信手段が受信した認証用情報が個人情報記憶手段に記憶されたそのユーザの個人情報と一致するか否かを比較する比較手段と、(へ)この比較手段がそのユーザの個人情報と一致したときのみ認証を許可する認証許可手段とをユーザ管理システムに具備させる。
【0014】
すなわち請求項2記載の発明では、請求項1における一般的な通信ネットワークをインターネットに具体化すると共に、ユーザがそのユーザの固有アドレスを宛先として使用してそのユーザの通信端末からインターネットにアクセスしたときその通信端末に個人認証を求める画面を表示させるようにしている。このときユーザ側はあらかじめ個人情報記憶手段に記憶させておいて個人情報を入力すればよいので、パスワードとIDの入力といった面倒な手続きを必要とせずに十分なセキュリティを確保することができる。
【0015】
請求項3記載の発明では、(イ)インターネットにアクセスできる通信端末を個人的に所持するユーザの個人情報をユーザ単位で記憶する個人情報記憶手段と、(ロ)ユーザの通信端末にユーザ固有の識別情報を記し宛先をユーザの管理を行う管理会社とした電子メールのデータを入力する電子メールデータ入力手段と、(ハ)この電子メールデータ入力手段によって入力された電子メールのデータに基づいて管理会社に電子メールが送られてきたとき、その管理会社の特定のサーバのコンテンツを表わすURLにユーザ固有の識別情報を記したサーバにおけるそのユーザ固有の固有アドレスをその電子メールに返信する形で通知する固有アドレス通知手段と、(ニ)この固有アドレス通知手段によって通知されたそのユーザの固有アドレスを使用してインターネットにアクセスした通信端末に対して個人認証を求める画面を表示させるための情報を送出する個人認証画面情報送出手段と、(ホ)この個人認証画面情報送出手段によってその通信端末に個人認証を求める画面が表示されたとき、その通信端末から入力される認証用情報を受信する認証用情報受信手段と、(ヘ)この認証用情報受信手段が受信した認証用情報がそのユーザの個人情報と一致するか否かを比較する比較手段と、(ト)この比較手段がそのユーザの個人情報と一致したときのみ認証を許可する認証許可手段とをユーザ管理システムに具備させる。
【0016】
すなわち請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明に加える形で、ユーザが個人的に所持する携帯電話機等の通信端末を使用してユーザ固有の識別情報を記し宛先をユーザの管理を行う管理会社とした電子メールのデータを入力することにし、これによって入力された電子メールのデータに基づいて管理会社に電子メールが送られてきたとき、その管理会社の特定のサーバのコンテンツを表わすURLにユーザ固有の識別情報を記したサーバにおけるそのユーザ固有の固有アドレスをその電子メールに返信する形で通知することにしたので、認証のための情報の一層の安全性を確保することができる。しかも、ユーザにとって認証準備のための手続きは極めて簡素化されており、認証の際のデータ入力の容易化と併せて極めて実用的な認証処理を使用したユーザ管理を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザがあらかじめ認証先に通知した個人情報を入力するだけで、セキュリティの確保された認証処理を行うことができるので、携帯電話機のような小型の通信端末でも入力操作に手間取ることがなく、認証の必要な各種の処理を簡易に行うことができる。また、覚えにくいパスワード等の認証用データの入力を認証の際に要求しないので、ユーザが認証用データを忘れた場合の問い合わせや認証用データの新規発行という手続きが少なくなり、これらに対する設備あるいは人件費の節約を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の一実施例におけるユーザ管理システムの一形態としての顧客管理システムの概要を表わしたものである。この顧客管理システム100は、インターネット101と携帯電話網102を通信網として利用するようになっている。インターネット101には、顧客管理を行う管理会社103の管理する管理サーバ104が接続されている。管理サーバ104には、管理用データベース105が接続されている。インターネット101には、美容室107が管理するパーソナルコンピュータ111(以下、美容室パソコン111と略称する。)が常時、あるいは随時接続されるようになっている。美容室107は複数存在しうるが、図示および説明を簡略化するために1つのみ示している。美容室パソコン111は、各種携帯電話機のスロットに挿入できるデータ転送用カード112と、顧客用ディスプレイ113および赤外線送信機114を備えている。インターネット101には、顧客115が家庭や仕事先で使用するパーソナルコンピュータ116(以下、顧客パソコン116と略称する。)が常時、あるいは随時接続されるようになっている。顧客パソコン116は複数存在しうるが、図示および説明を簡略化するために1つのみ示している。
【0020】
携帯電話網102は基地局117と接続されている。顧客115は、携帯電話機118を使用して基地局117と無線通信を行うことで、インターネット102にアクセスして管理会社103あるいは美容室107のホームページを閲覧したり、美容室107との間で電子メールの送受信を行うことができる。顧客115、携帯電話機118および基地局117は複数存在するが、図示および説明を簡略化するためにそれぞれ1つのみ示している。携帯電話網102についても同様である。
【0021】
ところで、美容室107に備えられた美容室パソコン111は、CPU(Central Processing Unit)と、OS(Operating System)やアプリケーションプログラムを格納する磁気ディスク等の記憶媒体を備えた通常のパーソナルコンピュータである。アプリケーションプログラムとしては、管理会社103に掲載した自己の美容室107のホームページを閲覧するためのブラウザや、美容室107の顧客管理用のソフトウェアおよびこの顧客管理用のソフトウェアで作成されたデータを基にして各顧客の会員番号を暗号化したものをデータ転送用カード112を介して顧客の携帯電話機118に書き込んだり、その暗号化したデータを二次元バーコードとして、顧客115のアクセスできる場所に配置した顧客用ディスプレイ113に表示するソフトウェアを挙げることができる。もちろん、顧客用ディスプレイ113は、美容室パソコン111にその操作のために備えられたディスプレイ111Aを代用してもよい。また、図示しないプリンタに2次元コードを印字して、これを顧客115の携帯電話機118の図示しない内蔵カメラあるいは外付けのスキャナで読み取るようにしてもよい。
【0022】
<会員登録処理>
【0023】
図2は、顧客が美容室に最初に訪れたときの新規顧客処理の流れを示したものである。顧客115は、美容室107のホームページを見たり、知人の紹介等によってその美容室107を訪れる。美容室107では、顧客115の名前と生年月日あるいは誕生の月日を聞いて、予め自動採番した会員番号に対応付け、顧客データとして内蔵の図示しない磁気ディスク等の記憶媒体に格納する(ステップS201)。このとき、初回に担当したスタイリストの名前も会員番号に対応させて入力して記憶媒体の該当箇所に格納する。もちろん、住所、電話番号、会員になった年月日等のその他のデータを会員番号に対応して追加的に入力して記憶媒体の該当箇所に格納してもよい。
【0024】
美容室パソコン111は、新たに会員となったこの顧客の会員番号をメール本文中に記した所定の電子メールの書式を作成する(ステップS202)。
【0025】
図3は、ステップS202で作成された電子メールの書式の一例を表わしたものである。電子メールの書式121における送信元(from)は、空欄になっており、送信先(to)は、管理会社103のドメインにおける該当の美容室107を示す電子メールのアドレスとなっている。美容室107の名称が「ベストサロン」(Best Salon)であり、管理会社103が「kanri.co.jp」というドメイン名を取得しているものとする。この場合の電子メールのアドレスは、たとえば「bestsalonreg」となる。ここで末尾の文字「reg」は会員登録を行う専用のアドレスであることを示している。この電子メールの書式の本文には、該当する新規の顧客115の会員番号が記されている。
【0026】
図2に戻って説明を続ける。美容室パソコン111は、図3に示した電子メールの書式121を作成したら、付属のディスプレイ111Aにこれを転送する方式を選択するための画面表示を行う(ステップS203)。この段階で美容室パソコン111の図示しない操作者は顧客115の所持する携帯電話機118を見せてもらい、そのスロットにデータ転送用のカードが挿入できるタイプのものか、2次元コードの読み取りに対応できるものか、あるいは赤外線による携帯電話機間での無線通信が行えるものであるかをチェックする。そして、そのスロットにデータ転送用のカードが挿入できるタイプのものである場合には(ステップS204:Y)、図1に示したデータ転送用カード112を携帯電話機118のスロットに挿入して、電子メールの書式121をこれに転送する(ステップS205)。
【0027】
また、内蔵のカメラあるいは携帯電話機118側に接続されている図示しないスキャナによって2次元コードを読み取る機能を備えている場合でステップS204でデータ転送用のカードが使用されなかった場合には(ステップS206:Y)、顧客115の近くに配置された顧客用ディスプレイ113に電子メールの書式121を表わした2次元コードを表示させて(ステップS207)、これを携帯電話機118で読み取らせる。この代わりに、図示しないプリンタに2次元コードを印刷したものを読み取らせるようにしてもよい。
【0028】
その携帯電話機118が赤外線等のデータ通信機能を備えていて、ステップS204あるいはステップS206によるデータ転送を採用しなかった場合には(ステップS208:Y)、顧客115の携帯電話機118に対して赤外線送信機114を使用して電子メールの書式121を転送する(ステップS209)。
【0029】
以上、電子メールの書式121の転送の処理をデータ転送用のカード(ステップS204)、2次元コード(ステップS206)および赤外線等のデータ通信機能(ステップS208)の順序で選択することにしたが、選択の順序はこれに限るものではない。また、以上のいずれの方法でも電子メールの書式121の転送ができない場合には、その会員の電子メールのアドレスを聞いて、これに電子メールの書式121を電子メールで転送したり、美容室107における担当したスタイリストが顧客115の了承を得て、この電子メールの書式121をその顧客115の携帯電話機118に直接入力するようにしてもよい。また、通信ケーブル等の有線を用いて、携帯電話機118に電子メールの書式121を転送できる場合には、これに拠ってもよいことはもちろんである。
【0030】
以上のようにして顧客115の携帯電話機118に電子メールの書式121が転送されたら、美容室パソコン111はその顧客データをインターネット101を介して管理サーバ104に転送する(ステップS210)。
【0031】
以上の処理が終了したら、美容室107はその顧客115に転送した電子メールの書式121を使用して、次回の来店までに電子メールを送信することを顧客115に依頼する。次回の来店時を待たずに、美容室107で直接、この送信処理を直ちに行えることはもちろんである。この送信処理が行われたときには、美容室107が有料で提供するクレンジング等の所定のサービスが無料になるチケットを顧客115にプレゼントしたり、会員登録の記念品をプレゼントするようにしてもよい。
【0032】
図4は、管理サーバによる会員登録処理の流れを表わしたものである。管理サーバ104は、美容室107のいずれかから顧客データが送信されてくるか(ステップS221)、あるいは新規の会員から会員登録用の電子メールが送られてくるか(ステップS222)を待機している。図2のステップS210で美容室107が顧客データをインターネット101経由で送信してきた場合には(ステップS221:Y)、その顧客データを図1に示す管理用データベース105の該当箇所(以下、該当美容室会員データベースという。)に登録する(ステップS223)。
【0033】
これに対して、図3に示した電子メールの書式121による電子メールが会員登録用に送られてきた場合には(ステップS222:Y)、その本文に記された会員番号を抽出する(ステップS224)。そして、該当美容室会員データベースを検索して、同一の会員番号についてすでに会員登録の処理が行われているか、すなわち受信した電子メールが新規会員のものであるかをチェックする(ステップS225)。新規会員のものであれば(Y)、管理サーバ104は会員番号を暗号化して(ステップS226)、暗号化後の会員番号をその美容室107のURL(Uniform Resource Locator)の末尾にスラッシュ「/」を追加し、更にその後に暗号化後の会員番号を追加して、その会員専用のホームページの宛先(URL)を作成する(ステップS227)。
【0034】
図5は、この会員専用のホームページの宛先の作成処理を原理的に示したものである。同図(a)は、本実施例で説明している美容室107のドメイン名である「bestsalon.co.jp」である。同図(b)は、この場合における美容室107のURLを示している。この例では「http://www.」の後に、ドメイン名「bestsalon.co.jp」が連結された形となっている。
【0035】
同図(c)は、該当する新規の顧客115の会員番号「○○○○」を暗号化した後の会員番号「××××××」を示している。この場合、ステップS227で作られるその顧客115専用のURLは、図5(d)に示すように「http://www.bestsalon.co.jp」の後にスラッシュ「/」で挟んだ形の暗号化後の会員番号「××××××」となる。この部分は、ウエブ上の実際のアドレスを示すものではなく、管理サーバ104側で自由に識別情報として特定できるデータ領域なので、本実施例ではこれを暗号化後の会員番号「××××××」と対応させることにしている。すなわち、管理サーバ104は、「http://www.bestsalon.co.jp/××××××/」というURLを受信すれば、予めプログラムされた処理に基づいて「××××××」を抜き出して、これを復号化して会員番号を判別することができる。
【0036】
再び図4に戻って説明を続ける。ステップS227でホームページの宛先を作成したら、管理サーバ104はこのホームページの宛先を本文に記した電子メールをその新規の顧客115に送信する(ステップS228)。
【0037】
図6は、ステップS228で送信した電子メールの本文の一例の要部を示したものである。図1に示した携帯電話機118の表示画面131には、次回の来店をホームページから予約可能であることが記されている。顧客115の名前「△△」は、該当する会員番号の美容室会員データベースから検索して得られたものである。
【0038】
ところで、図4のステップS225で同一の会員番号についてすでに会員登録の処理が行われていると判別された場合には(N)、図3に示した電子メールの書式121の電子メールの送信元が、会員登録の処理を行った者と同一の電子メールのアドレスであるかどうかのチェックが行われる(ステップS229)。この結果、両送信元が同一であると判別された場合には(Y)、今回受信した会員登録用メール自体を無視して一連の処理を終了する(エンド)。これは、同一の顧客115が間違って新規登録用に複数回、同一の電子メールを送信したものであるので、2回目以降の登録処理を無効とするためである。
【0039】
これに対して、異なった送信元から同一の会員番号で会員登録のための電子メールが送られてきた場合には(ステップS229:N)、今回、電子メールを送信してきた送信元に対して、間違った電子メールが送られてきた旨を返信する(ステップS230)。この際の電子メールは、実際には管理会社103あるいは管理サーバ104から送られるが、該当の美容室107を送信元とする方が顧客115側にとって自然である。
【0040】
図7は、ステップS230で異なった送信元に対して送信される電子メールの一例の要部を示したものである。本実施例の顧客管理システムでは、暗号化された会員番号を含むURLを他人が本人よりも前にいたずらで送信する可能性は極めて少ない。しかしながら、本人が会員登録を行う前に何らかの理由で第三者が本人に成りすまして会員登録を行う場合が皆無ではない。そこで、会員登録を本人以外の者が行った場合に本人からその旨の通知を受けることができるようにするために、専用の部署に本人から電子メールを送信できるようにしている。この際の電子メールの宛先は美容室107の委託を受けている管理会社103であってもよいが、本実施例では該当の美容室107の管理者宛に電子メールが送られるようにしている。これは、該当の美容室107が顧客115と電子メールを交わしたり、電話で直接話をする方が登録の誤りの事実を確認しやすいと考えられるからである。
【0041】
もちろん、システムによってはこのような登録に関する苦情処理を管理会社103側が引き受けるようにしてもよい。この場合には、図7に示した電子メールの宛先に送られてくる電子メールを管理会社103の担当部署に転送するようにすればよい。これにより、該当の美容室107はこのような雑務から開放されることになる。
【0042】
以上のようにして会員登録の処理が正常に終了したら、それぞれの顧客115の携帯電話機118に対して、美容室107に関する自分専用のURLが、管理サーバ104から電子メールによって送信されたことになる。したがって、顧客115はその自分専用のURLをブラウザのブックマークに登録しておくことで、携帯電話機118を使用して次回の美容室107の予約をインターネット101をアクセスしていつでも行うことができるようになる。
【0043】
<来店予約処理>
【0044】
図8は、顧客が美容室の予約を行う際の携帯電話機側の処理の流れの前半を表わしたものである。なお、この予約は顧客115がたとえば自宅で顧客パソコン116を使用して行うこともできるが、ここでは携帯電話機118を使用して行うものとして説明する。顧客115はまず図6に示した自己宛の電子メールに記されたURLである「http://www.bestsalon.co.jp/××××××/」をブックマークから選択してインターネット101にアクセスする(ステップS241)。すでに受信した電子メールの本文に記された美容室107の自分専用のURLを指定することで、直接、インターネット101へのアクセスを起動させてもよい。そして、図1に示す管理サーバ104から予約システム画面のデータが送られてくるのを待機する(ステップS242)。
【0045】
図9は、管理サーバによる予約処理の流れの前半を表わしたものである。管理サーバ104は、管理会社103に管理を依頼した美容室107(実施例の特定の美容室以外の美容室も含む)のURLの受信を待機している(ステップS261)。美容室107のURLを受信すると(Y)、図5(d)で説明した暗号化後の会員番号「××××××」を解読して(ステップS262)、該当美容室会員データベース(管理用データベース105)から判別した会員番号に対応する会員名とその会員の誕生の月日を検索する(ステップS263)。なお、該当美容室会員データベースに各会員のURLを登録している場合には、その暗号化後の会員番号をキーワードとして直接検索することができ、この場合には暗号化後の会員番号を復号化する必要はない。
【0046】
管理サーバ104は、取得した会員名を使用して、予約システム画面を編集して(ステップS264)、これを該当する顧客115の携帯電話機118に送信する(ステップS265)。これにより、該当する顧客115の携帯電話機118に、図8のステップS242で説明した予約システム画面が受信され(Y)、そのディスプレイに予約システム画面の表示が行われる(図8ステップS243)。
【0047】
図10は、予約システム画面の一例を表わしたものである。携帯電話機の表示画面131には、美容室の名称、顧客115の氏名が記されており、本人確認のために誕生の月日が個人情報として入力されるようになっている。従来の個人認証は、ID(IDentification)とパスワードによって行われる。本実施例の場合には、携帯電話機118が個人個人の所持する通信端末であるという特殊性と本人の覚えやすい情報をパスワードに設定するという利点から誕生の月日を認証のために使用するようにしている。「年月日」としなかったのは、年齢が推測できる個人情報では、顧客115が入力に躊躇するという点を配慮している。また、電話番号をパスワードに設定しなかったのは、電話番号の方が「誕生の月日」よりも他人が入手しやすく、セキュリティが甘いからである。住所の番地部分をパスワードに設定した場合も、誕生の月日よりもセキュリティ上で不利である。
【0048】
図8に戻って説明を続ける。ステップS243で予約システム画面が携帯電話機118のディスプレイに表示されたら、顧客115は誕生の月日を入力して、「予約へ」ボタンを選択する(ステップS244:Y)。これにより、携帯電話機118は入力された月日に関するデータあるいは予約システム画面の全体を管理サーバ104に送信する(ステップS245)。
【0049】
管理サーバ104では、図9に示すように、誕生の月日を受信すると(ステップS266:Y)、それが該当する顧客115の誕生の月日と一致するか否かを判別する(ステップS267)。一致しなかった場合には(N)、予約を行った顧客115本人が入力ミスを行ったか、第三者が虚偽の予約を行ったことになる。そこで、本人認証が行えなかった旨の通知を行うエラー処理画面を編集し(ステップS268)、そのエラー処理画面を送信元に送信する(ステップS269)。このエラー処理については、誕生の月日の再入力を所定回数まで許す等の公知の手法を採用することができる。したがって、これについての詳細な説明は省略する。
【0050】
これに対して、顧客115の誕生の月日が一致した場合(ステップS267:Y)、管理サーバ104は次のステップに進んで、予約内容を設定するための予約選択画面の編集を行う(ステップS270)。そして編集された予約選択画面を該当の携帯電話機118に送信する(ステップS271)。
【0051】
図11は、予約選択画面の一例を表わしたものである。携帯電話機の表示画面131には、「希望日」、「希望時間帯」、「メニュー」および指名するスタイリストとしての「スタイリスト指名」の各項目がそれぞれプルダウン式のメニュー画面から選択できるようになっている。ここで、「希望日」は、美容室107を前回訪れた月日から、そのときのメニューの内容から想定される次に訪れる平均の月日を割り出したものが表示されるようになっている。顧客115は、これを参考にして月日を入力する。「希望時間帯」については、前回希望した時間帯が表示される。顧客115は、これを参考にして希望時間帯を入力する。「メニュー」については、同様に前回選択したメニューが優先的に表示される。「スタイリスト指名」についても同様である。したがって、顧客115の多くは、前回と同一の条件を選択する場合には、それぞれの項目についてのプルダウン式のメニューを開いて希望時間帯等をいちいち選択する必要がない。
【0052】
再び図8に戻って説明を続ける。携帯電話機118側では、予約選択画面あるいはエラー処理画面の送られてくるのを待機している(ステップS246、S247)。エラー処理画面が送られてきた場合には(ステップS247:Y)、前記したように所定のエラー処理が行われる(ステップS248)。これに対して、予約選択画面が受信された場合には(ステップS246:Y)、予約選択画面が表示される(ステップS249)。
【0053】
図11に示す予約選択画面について表示された各項目が希望するものとなったら、顧客115は「検索」ボタンを選択する(ステップS250:Y)。これに対して、一度設定しようとした内容を基の初期状態に戻すときには「リセット」ボタンを選択する(ステップS251:Y)。検索ボタンが押された場合には(ステップS250:Y)、顧客115が予約について設定した「予約の月日」および「希望時間帯」に「スタイリスト指名」で指定したスタイリストが指名できるかどうかの検索を行うための検索データが管理サーバ104に送信される(ステップS252)。
【0054】
これに対して、顧客115が「リセット」ボタンを選択した場合には(ステップS251:Y)、予約選択画面が初期化され(ステップS253)、ステップS246で受信した状態に戻される。したがって、顧客115は、美容室107に前回訪れた内容に一度戻して、予約内容の再設定を行うことができる。もちろん、システムによっては「リセット」ボタンを押したときには、すべての項目が一般の顧客115で想定されるデフォルト値に設定されるようになっていてもよい。
【0055】
図12は、管理サーバによる予約処理の流れの後半を表わしたものである。管理サーバ104は、携帯電話機118から検索データを受信すると(ステップS281:Y)、スタイリスト単位の予定表を検索する(ステップS282)。予定表は、図1に示す管理用データベース105に設けられており、各スタイリストごとのスケジュールがこれによって管理されている。予定表の検索を行った結果、予約で指定した日時で指定したスタイリストの予約が可能であった場合(ステップS283:Y)、管理サーバ104は予約事項を記入した予約確認画面の編集を行う(ステップS284)。そして、予約確認画面を予約を行った携帯電話機118に送信する(ステップS285)。
【0056】
これに対して、ステップS283で予約が不可能であるとされた場合には(N)、それ以外の日時における空き状況画面を編集して(ステップS286)、その空き状況画面を予約を行った携帯電話機118に送信する(ステップS287)。
【0057】
図13は、携帯電話機による予約処理の流れの後半を表わしたものである。携帯電話機118は、図8のステップS252で検索データの送信を行った後、管理サーバ104から予約確認画面を受信するか空き状況画面を受信するかを待機している(ステップS301、S302)。予約確認画面を受信した場合には(ステップS301:Y)、そのディスプレイ(表示画面131)に予約確認画面を表示する(ステップS303)。
【0058】
図14は、予約確認画面の一例を表わしたものである。携帯電話機の表示画面131には、予約日、予約時間帯、メニューおよびスタイリスト指名についての予約状況が表示されている。この状態で、顧客115が予約を確定するための「予約」ボタンを押すか、予約の変更を行うための「変更」ボタンを押すかが待機されている(ステップS304、S305)。顧客115が「予約」ボタンを押すと(ステップS304:Y)、予約を確定するための送信が行われる(ステップS306)。
【0059】
これに対して顧客115が「変更」ボタンを押した場合には(ステップS305:Y)、ステップS249(図8)に戻って、すでに受信した予約選択画面を再表示する。そして、顧客115が再度、予約選択画面を変更できるようにしている。
【0060】
一方、ステップS302で空き状況画面が受信された場合には(Y)、空き状況画面が携帯電話機の表示画面131に表示される(ステップS307)。
【0061】
図15は、空き状況画面の一例を表わしたものである。携帯電話機の表示画面131には、現在の空き状況が表示される。ここでは、予約が取れなかったので、その旨が表示され、再度予約が行われるように「選択画面へ戻る」ボタンが備えられている。
【0062】
図13に戻って説明を行う。顧客115が「選択画面へ戻る」ボタンを押すと(ステップS308:Y)、ステップS305で「変更」ボタンを押した場合と同様に、ステップS249(図8)に戻って、すでに受信した予約選択画面を再表示する。そして、顧客115が再度、予約を行えるようにしている。
【0063】
図12に戻って管理サーバ104の処理の続きを説明する。管理サーバ104はステップS288で「予約」ボタンが押されるのを待機しており、図13のステップS304で顧客115が「予約」ボタンを押すと(ステップS288:Y)、予約が成立したことを示す予約成立画面を編集し(ステップS289)、予約成立画面を送信する(ステップS290)。
【0064】
図13に戻って説明を行う。ステップS306で予約送信を行った後に予約成立画面を受信したら(ステップS309:Y)、携帯電話機の表示画面131には予約成立画面が表示される(ステップS310)。
【0065】
図16は、予約成立画面の一例を表わしたものである。携帯電話機の表示画面131には、予約が成立した旨と、キャンセルを行う場合の手順の案内が記されている。
【0066】
図12に戻って管理サーバ104の処理の続きを説明する。管理サーバ104は、ステップS290で予約成立画面を送信したら、続いて予約成立電子メールの送信を行って(ステップS291)、一連の予約処理を終了させる(図8エンド)。電子メールを送信することにしたのは、ステップS290の処理がディスプレイによる一時的な表示処理しかもたらさないため、予約の成立を文書として残すようにするためである。
【0067】
図17は、携帯電話機の受信した予約完了の電子メールの一例を表わしたものである。顧客115は同様の内容を、図1に示したパーソナルコンピュータ116その他の電子メール受信手段によって取得することができ、必要に応じてその内容をプリントアウトすることが可能である。
【0068】
<顧客に対する案内サービス>
【0069】
次に、本実施例の顧客管理システムで顧客115に対する各種の案内サービスについて説明する。
【0070】
図18は、予約した来店の日が近づいたときこれを通知する御来店案内通知サービスを行うための管理サーバの処理の流れを表わしたものである。管理サーバ104は、たとえば次の日が稼働日となる日のあらかじめ定めたt1時が到来すると(ステップS321:Y)、会員番号を示すパラメータnを“1”に初期化する(ステップS322)。そして、第nの会員番号の顧客が予約を行っているかどうかを、図1に示す管理用データベース105の該当の美容室107についての図示しない予約状況表を見てチェックする(ステップS323)。予約を行っていれば(Y)、それが予約を行った日の1日前であるかどうかをチェックして(ステップS324)、そうであれば(Y)、ご来店案内の編集を行う(ステップS325)。そして、編集後のご来店案内をその第nの会員番号のメールアドレスに送信する(ステップS326)。
【0071】
図19は、このご来店案内の一例を示したものである。図1に示した携帯電話機118の表示画面131には、明日の来店についての予約の内容が記されている。これにより、顧客は美容室107の予約を再確認することができる。
【0072】
管理サーバ104は、ステップS326による電子メールの送信処理が終了したら、会員番号を示すパラメータnを“1”だけカウントアップする(ステップS327)。そして、その後のパラメータnがその時点の会員番号の最大値mより大きくなっていなければ(ステップS328:N)、ステップS323に戻って次の会員番号の顧客の予約を確認することになる。
【0073】
これに対して、先のステップS323で、第nの会員番号の顧客の予約がないと判別された場合には(N)、ご来店案内の通知を行う必要がないので、ステップS327に処理が進むことになる。該当の顧客が予約を行っていても(ステップS323:Y)、それが1日前でなければ(ステップS324:N)、同様にステップS327に進んで次の会員番号の顧客についての処理に進むことになる。以上のようにして1人ずつご来店案内の検討が行われ、該当する顧客に対してご来店案内の電子メールが送信される。最後の会員番号の顧客まで処理が終了したら(ステップS328:Y)、その日におけるご来店案内の通知処理が終了する(エンド)。
【0074】
なお、図18で示した処理の他に、管理用データベース105から明日の予約を行っている全顧客を一括して抽出し、これらの顧客についての予約の内容を順次読み出して、ステップS325で示したご来店案内の編集と、ステップS326で示したご来店案内の送信を行うようにしてもよい。
【0075】
図20は、御来店案内通知サービスの1つとして行われるアフターフォロー案内通知についての管理サーバの処理の流れを表わしたものである。管理サーバ104は、たとえば美容室107の稼働日のあらかじめ定めたt2時になると(ステップS341:Y)、会員番号を示すパラメータnを“1”に初期化する(ステップS342)。そして、第nの会員番号の顧客についてのフォローフラグがオンになっているかどうかを、図1に示す管理用データベース105の該当の美容室107についての図示しない予約状況表の「フォローフラグ」欄を見て判別する(ステップS343)。
【0076】
ここで「フォローフラグ」欄とは、来店した顧客に対するアフターフォローを保証している場合に、アフターフォローの期間内であるか否かを示すフラグであり、期間内であれば来店による決済時にオンとなり、アフターフォロー案内の電子メールを送信したらオフとなるようになっている。管理サーバ104は、まず第1の会員番号の顧客についてフォローフラグがオンになっていれば(ステップS343:Y)、来店から1週間目であるかどうかをチェックして(ステップS344)、そうであれば(Y)、アフターフォロー案内を編集する(ステップS345)。そして、該当する第1の会員番号の顧客にアフターフォロー案内を電子メールで送信し、フォローフラグをオフにする(ステップS346)。
【0077】
図21は、アフターフォロー案内通知の電子メールについて表示画面の一例を示したものである。図1に示した携帯電話機118の表示画面131には、不具合があればアフターフォローが行われることが示されている。これにより、顧客に対するその美容室107の信頼性が高められる。
【0078】
図20に戻って説明を続ける。ステップS346でアフターフォロー案内を電子メールで送信したら、パラメータnが“1”だけカウントアップされ(ステップS347)、その結果、最後の会員番号の顧客まで処理が進行していない場合には(ステップS348:N)、ステップS343に戻って今度は第2の会員番号の顧客について同様の処理が行われることになる。
【0079】
一方、ステップS343で該当する会員番号のフォローフラグがオフとなっていれば(N)、アフターフォロー期間を経過しているので、直ちにステップS347に進むことになる。ステップS344で来店から1週間目でない場合も同様である。以上のようにして1人ずつ来店から1週間目であるかどうかの検討が行われ、該当する顧客に対してアフターフォローを案内する電子メールが送信される。最後の会員番号の顧客まで処理が終了したら(ステップS348:Y)、その日におけるアフターフォローの案内の通知処理が終了する(エンド)。
【0080】
なお、図20で示した処理の他に、管理用データベース105から当日が来店から1週間目となる全顧客を一括して抽出し、これらの顧客について、ステップS345で示したアフターフォローの案内の編集と、ステップS346で示したアフターフォロー案内の送信を行うようにしてもよい。
【0081】
図22は、御来店案内通知サービスの1つとして行われる誕生日に対するお祝いメールの配信サービスの処理の流れを表わしたものである。管理サーバ104は、あらかじめ定めたt3時になると(ステップS361:Y)、該当の美容室107についての該当美容室会員データベースから全会員を対象に、当日が誕生日の会員を抽出する(ステップS362)。そして、これらの会員に対して、誕生日のお祝いメール文を編集し(ステップS363)、それぞれのアドレスに電子メールで送信する(ステップS364)。
【0082】
図23は、誕生日のお祝いメールの表示画面の一例を示したものである。図1に示した携帯電話機118の表示画面131には、該当する会員の氏名と誕生日のメッセージが記されている。誕生日から一定期間内の割引サービスの案内が記されていてもよい。また、美容室の名称だけでなく、担当のスタイリストの名前が記されていてもよい。
【0083】
次に、顧客115に対する来店を薦めるサービスについて説明する。このサービスは、顧客115が予約を行おうとする時期あるいはこれより若干早い時期に美容室107から来店を薦める電子メールを出すものである。このために、本実施例では電子的なカレンダに、電子メールを出すタイミングや電子メールの基となる顧客115のデータを書き込む処理を行うようになっている。そこでカレンダに対する書込処理に関連する処理をまず説明し、続いて来店を薦めるサービスについて説明を行う。
【0084】
図24は、顧客が美容室でサービスを受けた後、決済を行った際における管理サーバ側の処理の流れを表わしたものである。図1に示した美容室107では顧客115がメニューに示すサービスを受けた後、決済を済ませると、美容室パソコン111に表示している当美容室の会員リストから決済の終了した会員番号をクリックする。これにより、管理会社103側の管理サーバ104は、その顧客115の会員番号とメニューおよび決済が終了したことを示すデータを受信する(ステップS381:Y)。管理サーバ104は、これを基にして、前記したように会員番号の顧客についてのフォローフラグをオンにする(ステップS382)。次に管理サーバ104は、該当美容室会員データベースに格納されているその会員番号の顧客の履歴データが存在するかどうかをチェックする(ステップS383)。図2のステップS210で顧客データを管理サーバ104が受け取ってから最初の決済の場合のようにその顧客115が最初の来店の場合には履歴データが存在しない。
【0085】
このような新規の顧客115の場合、あるいはその他の理由で履歴データが存在しない場合には(N)、そのときのメニューから一般に予測される次回の来店の平均予測月日を統計上で算出し、その10日前の電子的なカレンダの位置(日時)にその会員番号を記入する(ステップS384)。
【0086】
一方、ステップS383でその顧客115の履歴データが存在する場合には(Y)、過去の来店周期から次回の来店月日および時間帯を予測する(ステップS385)。十分長い履歴データが存在する場合には、季節や曜日による周期変動(たとえば年末独自の予測や祝日を含めた休日等との関係を配慮した予測等)を考慮する。次に、過去に担当したスタイリストの関係から次回の担当スタイリストを予測する(ステップS386)。最近担当したスタイリストに重みを付けたり、スタイリストの人事異動があったときはこれを考慮して最適のスタイリストに変更することはもちろんである。
【0087】
次に管理サーバ104は、予測した月日やスタイリストを仮予約を行う必要があるかどうかを判別する(ステップS387)。ここで仮予約とは、顧客115の予約を確実にするために店舗側が仮に特定の日時やスタイリストを確保するサービスをいう。一般には来店の履歴の内容(来店の回数等)が基準値よりも長い顧客はグレードが高い客として仮予約の対象となる。
【0088】
仮予約が必要と判別された顧客115については、次回の来店の際の日時および担当するスタイリストを、顧客のグレードに合わせた時間幅で仮予約する(ステップS388)。たとえば上得意客については日時を十分な幅で一時的に確保する。そして、仮予約した日時の幅の中で最短となる月日から10日前の前記したカレンダの位置に、会員番号や担当するスタイリスト等のデータを記入する(ステップS389)。
【0089】
一方、ステップS387で仮予約が必要ないとされた顧客115に対しては(N)、次回の来店の予測月日を1通りだけに特定すると共に、その10日前のカレンダの位置に会員番号を記入する(ステップS390)。
【0090】
図25は、来店を薦めるサービスに関する管理サーバの処理を表わしたものである。あらかじめ定めたt4時になると(ステップS401:Y)、パラメータnを“1”に初期化した後(ステップS402)、前記した電子的なカレンダの当日(ただし、翌日がその美容室107の休日となる日を含む)に記入されている第1の顧客115のデータを読み出す(ステップS403)。そのようなデータが該当日に存在しなければ(ステップS404:Y)、何もすることなく処理を終了させる(エンド)。
【0091】
第1の顧客115についてのデータが存在した場合には(ステップS404:N)、その顧客115について書き込まれたデータを基にして、来店お薦めメールを編集する(ステップS405)。たとえば図24のステップS384で説明した新規の顧客115の場合やステップS390で説明した仮予約を行わない通常の顧客115の場合には、会員番号から会員の氏名を検索して得られた氏名を記入して、来店の予約を薦める電子メールを編集する。
【0092】
図26は、来店の予約を薦める電子メールの表示画面の一例を示したものである。図1に示した携帯電話機118の表示画面131には、顧客115の氏名だけでなく、特定の割引期間が存在することが記載されており、予約を薦める文章構成となっている。顧客115は、表示画面131の下側の「予約システムへ」と記されたボタンを押すことで専用の予約画面にアクセスできるようになっている。
【0093】
一方、ステップS405の処理が図24のステップS389で説明した仮予約を行った顧客115に対して行われるときには、担当のスタイリストについて所定の月日および時間帯について仮予約を行っていることと、仮予約の保障される期限を明示した店お薦めメールが編集される。
【0094】
図27は、仮予約を行った旨と予約を薦める電子メールの表示画面の一例を示したものである。図1に示した携帯電話機118の表示画面131には、顧客115の氏名だけでなく、担当のスタイリストの氏名が記されており、仮予約した幾つかの月日(曜日)および開始時間が記されている。したがって、仮予約の電子メールを受けた顧客115は、他の顧客に優先して所望のスタイリストとサービスを受ける月日および時間帯を確保することができる。
【0095】
以上、実施例では美容室を例に挙げて説明したが、予約を伴う各種サービスに本発明を同様に適用することができることは当然である。また、実施例では個人の認証のために携帯電話機を用いると共に個人情報としてその者の誕生の月日を入力することにしたが、個人情報で本人がよく認識しているデータをこれに代えて用いるようにしてもよい。特に、左右の目の視力や、実家の電話番号のような数値化できるデータが好ましい。
【0096】
また、実施例では携帯電話機を例に挙げたが、PHS等の他の携帯型の通信端末であってもよいことは当然である。
【0097】
更に実施例では顧客の誕生日にお祝いの電子メールを送信することにしたが、結婚記念日等の顧客が通知した個人情報で判別できる情報を基にして他のお祝いの電子メールを顧客に対して送信してもよいことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の一実施例における顧客管理システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図2】本実施例で美容室パソコンによる新規顧客処理を示した流れ図である。
【図3】本実施例でステップS202で作成された電子メールの書式の一例を表わした説明図である。
【図4】本実施例で管理サーバによる会員登録処理の流れを表わした流れ図である。
【図5】本実施例で会員専用のホームページの宛先の作成処理を示す原理図である。
【図6】ステップS228で送信した電子メールの本文の表示画面の要部平面図である。
【図7】ステップS230で送信元に対して送信される電子メール本文の表示画面の要部平面図である。
【図8】本実施例で美容室の予約を行う際の携帯電話機側の処理を示した流れ図である。
【図9】本実施例で管理サーバによる予約処理の流れの前半を表わした流れ図である。
【図10】本実施例で予約システム画面の一例を示す平面図である。
【図11】本実施例で予約選択画面の一例を示す表示画面の平面図である。
【図12】本実施例で管理サーバによる予約処理の流れの後半を表わした流れ図である。
【図13】本実施例で携帯電話機による予約処理の流れの後半を表わした流れ図である。
【図14】本実施例で予約確認画面の一例を表わした表示画面の平面図である。
【図15】本実施例で空き状況画面の一例を表わした表示画面の平面図である。
【図16】本実施例で予約成立画面の一例を表わした表示画面の平面図である。
【図17】本実施例で携帯電話機の受信した予約完了の電子メールの一例を表わした表示画面の平面図である。
【図18】本実施例で御来店案内通知サービスを行うための管理サーバの処理を示した流れ図である。
【図19】本実施例でご来店案内の一例を示した電子メールの表示画面の平面図である。
【図20】本実施例でアフターフォロー案内通知についての管理サーバの処理を表わした流れ図である。
【図21】本実施例でアフターフォロー案内通知の電子メールの表示画面の一例を示した平面図である。
【図22】本実施例で誕生日に対するお祝いメールの配信サービスの処理を示した流れ図である。
【図23】本実施例で誕生日のお祝いメールの一例を表わした電子メールの表示画面の平面図である。
【図24】本実施例で顧客が美容室で決済を行った際における管理サーバ側の処理を表わした流れ図である。
【図25】本実施例で来店を薦めるサービスに関する管理サーバの処理を表わした流れ図である。
【図26】本実施例で来店の予約を薦める電子メールの表示画面の一例を示した平面図である。
【図27】本実施例で仮予約を行った旨と予約を薦める電子メールの表示画面の一例を示した平面図である。
【符号の説明】
【0099】
100 顧客管理システム
101 インターネット
102 携帯電話網
103 管理会社
104 管理サーバ
105 管理用データベース
107 美容室
111 パーソナルコンピュータ(美容室パソコン)
112 データ転送用カード
113 顧客用ディスプレイ
114 赤外線送信機
115 顧客
118 携帯電話機
121 電子メールの書式
131 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信ネットワークにアクセスする通信端末を所持するユーザの個人情報をユーザ単位で記憶する個人情報記憶手段と、
この個人情報記憶手段に個人情報を記憶した各ユーザのそれぞれに各ユーザ専用のホームページのアドレスを通知するアドレス通知手段と、
このアドレス通知手段によって通知されたアドレスにアクセスした通信端末に対して認証用データの入力を要求する認証用データ入力要求手段と、
この通信端末から入力された認証用データが前記個人情報記憶手段に記憶されたそのユーザの個人情報と一致するか否かを比較する比較手段と、
この比較手段がそのユーザの個人情報と一致したときのみ認証を許可する認証許可手段
とを具備することを特徴とするユーザ管理システム。
【請求項2】
インターネットにアクセスできる通信端末を個人的に所持するユーザの個人情報をユーザ単位で記憶する個人情報記憶手段と、
この個人情報記憶手段に個人情報を記憶したユーザのそれぞれに対して、特定のサーバのコンテンツを表わすURLにユーザ固有の識別情報を付加したそのユーザの固有アドレスを通知する固有アドレス通知手段と、
前記個人情報記憶手段に個人情報を記憶したユーザのいずれかがこの固有アドレス通知手段によって通知されたそのユーザの固有アドレスを宛先として使用してそのユーザの通信端末からインターネットにアクセスしたときその通信端末に個人認証を求める画面を表示させるための情報を送出する個人認証画面情報送出手段と、
この個人認証画面情報送出手段によってそのユーザの前記通信端末に個人認証を求める画面が表示されたとき、その通信端末から入力される認証用情報を受信する認証用情報受信手段と、
この認証用情報受信手段が受信した認証用情報が前記個人情報記憶手段に記憶されたそのユーザの個人情報と一致するか否かを比較する比較手段と、
この比較手段がそのユーザの個人情報と一致したときのみ認証を許可する認証許可手段
とを具備することを特徴とするユーザ管理システム。
【請求項3】
インターネットにアクセスできる通信端末を個人的に所持するユーザの個人情報をユーザ単位で記憶する個人情報記憶手段と、
前記ユーザの前記通信端末にユーザ固有の識別情報を記し宛先をユーザの管理を行う管理会社とした電子メールのデータを入力する電子メールデータ入力手段と、
この電子メールデータ入力手段によって入力された電子メールのデータに基づいて前記管理会社に電子メールが送られてきたとき、その管理会社の特定のサーバのコンテンツを表わすURLに前記ユーザ固有の識別情報を記した前記サーバにおけるそのユーザ固有の固有アドレスをその電子メールに返信する形で通知する固有アドレス通知手段と、
この固有アドレス通知手段によって通知されたそのユーザの固有アドレスを使用してインターネットにアクセスした通信端末に対して個人認証を求める画面を表示させるための情報を送出する個人認証画面情報送出手段と、
この個人認証画面情報送出手段によってその通信端末に個人認証を求める画面が表示されたとき、その通信端末から入力される認証用情報を受信する認証用情報受信手段と、
この認証用情報受信手段が受信した認証用情報がそのユーザの個人情報と一致するか否かを比較する比較手段と、
この比較手段がそのユーザの個人情報と一致したときのみ認証を許可する認証許可手段
とを具備することを特徴とするユーザ管理システム。
【請求項4】
前記個人情報は、そのユーザの誕生の月日であることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載のユーザ管理システム。
【請求項5】
前記ユーザ固有の識別情報はユーザの会員番号を暗号化したものであることを特徴とする請求項3記載のユーザ管理システム。
【請求項6】
前記ユーザ固有の識別情報のうち前記ユーザの固有アドレスはユーザの会員番号を暗号化したものであることを特徴とする請求項3記載のユーザ管理システム。
【請求項7】
個人認証が成功したときその通信端末から所定の店舗における特定のサービスの予約を受け付ける予約受付手段を具備することを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載のユーザ管理システム。
【請求項8】
ユーザが前記所定の店舗における特定のサービスを定期的に受けるとき特定のサービスを受ける次回の時期を判別する時期判別手段と、
この時期判別手段の判別した時期に合わせて予約を薦める電子メールをユーザのメールアドレスに対して送信する予約用電子メール送信手段
とを更に具備することを特徴とする請求項7記載のユーザ管理システム。
【請求項9】
前記予約受付手段が予約を受け付けた個々のユーザの予約を行った時期をチェックする時期チェック手段と、
この時期チェック手段によって予約された時期が到来あるいは近接したと判別されたときそのユーザのメールアドレスに来店時期の確認のための電子メールを送信する来店時期確認用電子メール送信手段
とを更に具備することを特徴とする請求項7記載のユーザ管理システム。
【請求項10】
前記個人情報記憶手段に記憶された各ユーザの個人情報からユーザにお祝いの電子メールを送信する時期を判別するお祝い時期判別手段と、
このお祝い時期判別手段によって判別されたそれぞれの時期にユーザに対してお祝いの電子メールを送信するお祝い電子メール送信手段
とを具備することを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載のユーザ管理システム。
【請求項11】
前記ユーザに対して前記特定のサービスが行われたときでそのサービスに対する保証期間が定められているとき、保証期間内の所定の時期に前記特定のサービスのアフターフォローが行われる旨の電子メールを送信するアフターフォロー通知電子メール送信手段
を具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載のユーザ管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2006−146443(P2006−146443A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333762(P2004−333762)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(300089002)株式会社コスモデザイン (1)