説明

ユーザ間の関係性とコンテンツ所有者が設定した公開範囲に応じたコンテンツ閲覧及びフィード配信の制御を行うSNSサーバ

【課題】SNSにおける他のユーザとの関係性構築のハードルを下げ、一方的関係性に立脚したSNSにおけるコンテンツの公開範囲設定及びフィード受配信設定を最適化することが可能なSNSサーバを提供すること。
【解決手段】SNSサーバ10に記録されるユーザ間の関係性情報には、一のユーザが他のユーザに対して形成する一方的関係性に関する情報が含まれ、トップページ情報生成手段は、フィード記憶手段に記録されたフィードのうち、他のユーザによりアクティビティ毎及びコンテンツ毎に設定された公開範囲情報、及びユーザ間の関係性情報に基づいて抽出されるフィードを含むトップページ情報を生成する。またコンテンツページ情報生成手段は、前記他のユーザからの指示に基づいてコンテンツ毎に設定されたコンテンツ公開範囲情報に基づいてコンテンツページ情報を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)において、ユーザ間の関係性及びコンテンツ所有者が設定した公開範囲に応じて、コンテンツ閲覧、及びフィード配信の制御を行うサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という。)と呼ばれる、人と人とのつながりを促進・サポートするコミュニティ型のサービスが知られている。SNSでは、自分のプロフィールや写真を会員に公開する機能や、特定の友人のみに公開範囲を制限し、或いは制限なく、日々の出来事を公開できる日記機能、趣味や地域などテーマを決めて掲示板などで交流できるコミュニティ機能等のサービスがインターネット上で利用できる点に特色がある。こうしたSNSの一つとして非特許文献1に開示されるウェブサイトが知られている。
【0003】
同サービスにおいて会員が利用できるサービスの具体的なコンテンツとして、「日記」「ボイス」「カレンダー(予定)」「フォト」「動画」のように、会員自身が投稿し、また関係性を有する他の会員の投稿を閲覧することができるものが挙げられる。
【0004】
例えば「日記」コンテンツにおいては、一の会員は、例えば自らが体験した出来事をテキスト、又は画像等別のデータを付したテキストを投稿することができ、投稿されるとその会員と特定の関係性を有している別の会員のトップページにフィードがリンク付きで表示される。当該別の会員は当該リンクを開くことにより一の会員の日記の内容を閲覧することができる。
【0005】
或いは、「ボイス」コンテンツにおいては、ある会員が日常のふとした出来事を気の趣くままに短い文章で投稿すると、それが「ボイス(=つぶやき)」として当該会員と特定の関係性を有する他の会員のトップページにフィードとして表示される。その他のコンテンツ(「フォト」「動画」など)においても同様に、新たな投稿がなされると、その旨のフィードがリンク付きで特定の関係性を有する他の会員のトップページに表示される。
【0006】
ここで、各コンテンツを投稿する際、ユーザはその公開範囲を適宜設定することができる。非特許文献1に開示されているウェブサイトの場合、例えば「全体に公開」「友人の友人まで公開」「友人まで公開」「特定の友人まで公開」のように、公開対象とする他のユーザをコンテンツ毎に設定することができる。
【0007】
上記した、SNSにおける「特定の関係性」は、通常双方的関係性である。すなわち、一のユーザが他のユーザと特定の関係性を成立させることを望む場合、一のユーザは他のユーザに対して特定の関係性を構築したい旨申請する。当該申請に対して他のユーザが承諾することにより初めて両者間には特定の関係性が成立する。
【0008】
しかし、こうした「特定の関係性」の成立プロセスは、往々にしてユーザの積極的なコミュニケーションを阻害することがある。すなわち、必ずしも社交的ないし積極的とはいえない性格のユーザにとって、こうした申請を行うことには心理的障害がある。それは、現実世界における知己であればまだ小さいものであっても、当該サービスを介して知己となった場合、常に申請という行為を躊躇なく行うことができるユーザばかりではない。
【0009】
SNSにおいては、新たなコミュニケーションが発生すること自体が、ユーザに便益が供与されることにつながり、またより多くのユーザが集まることとなり、商業的価値も高まる。
【0010】
そうした意味で、他のユーザとの関係性を発生させる手法として、上述の双方的関係性によらず、一方的関係性によることも考えられる。一方的関係性により特定の関係性を構築していくコミュニケーション・サービスが現実に提供されている例もある。そうしたサービスにおいては、一のユーザが他のユーザに対して興味を持ち特定の関係性を構築することを希望した際には、「フォローする」旨設定を行う。これにより、当該他のユーザのエントリがフィードとして自己のメインページに表示される。
【0011】
しかし、こうした一方的関係性に基づいて関係性を構築するコミュニケーション・サービスにおいては、コンテンツの投稿者はコンテンツ毎に公開範囲を設定することができない。個々のユーザ毎にブロックする、という対人的対応は可能であるものの、個別のコンテンツベースでの公開管理は行うことができないという問題点がある。
【0012】
SNSにおいて一方的関係性を考慮した公開ないしフィードの設定については、特許文献1にて言及されている。しかしそれはあくまで双方的関係性を確立するに至る前段階についてのものであり、あくまで過渡的な構成に過ぎない。またあくまで二ユーザ間の関係性に関する管理に言及しているに過ぎず、三ユーザ間の関係性については言及されていない。
【0013】
更には、投稿したコンテンツの公開範囲設定について、非特許文献1に開示されているサービスでは双方的関係性に基づく公開対象の設定が開示されている他、特許文献2においては友達関係が設定された他の会員に対して友達レベルを設定し、その設定された友達レベルに該当するデータを公開する構成が開示されている。しかしこれらはいずれも双方的関係性に立脚した公開範囲の設定であり、一方的関係性を導入したSNSにおける公開範囲設定、更にはフィード受配信の設定については言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2009−245220号公報
【特許文献2】特開2008−146246号公報
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】「ソーシャル・ネットワーキング サービス[mixi(ミクシィ)]」、[online]、[平成23年4月1日検索]、インターネット<URL:http://mixi.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
そこで本発明は、一方的関係性に立脚したSNSにおけるコンテンツの公開範囲設定及びフィード受配信設定を最適化することが可能なSNSサーバを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決すべく、本発明は以下の構成を有する。
【0018】
(1)ユーザの属性情報をユーザ毎に記録するユーザ情報記憶手段と、一のユーザの、他のユーザとの関係性情報を記録する関係性情報記憶手段と、ユーザからの指示に基づいて生成されたコンテンツを記録するコンテンツ記憶手段と、ユーザのアクティビティを記録するアクティビティ記憶手段と、前記コンテンツ記憶手段又は前記アクティビティ記憶手段へのデータエントリを契機にフィードを生成するフィード生成手段と、前記生成されたフィードを記録するフィード記憶手段と、前記一のユーザからの指示に基づいてトップページ情報を生成するトップページ情報生成手段と、前記一のユーザからの指示に基づいて他のユーザのコンテンツに関するページ情報を生成するコンテンツページ情報生成手段と、を少なくとも具備する、ネットワークを通じてSNS(Social Networking Service)を提供するSNSサーバにおいて、前記関係性情報は、一のユーザが他のユーザに対して形成する一方的関係性に関する情報を少なくとも含み、前記トップページ情報生成手段は、前記フィード記憶手段に記録されたフィードのうち、前記他のユーザからの指示に基づいてアクティビティ毎及びコンテンツ毎に設定された公開範囲情報、及び前記関係性情報に基づいて抽出されるフィードを少なくとも含んだトップページ情報を生成し、前記コンテンツページ情報生成手段は、前記他のユーザからの指示に基づいてコンテンツ毎に設定されたコンテンツ公開範囲情報に基づいてコンテンツページ情報を生成する
ことを特徴とするSNSサーバ(請求項1)。
【0019】
(2)また上述の関係性情報としては、
(a)一のユーザが他のユーザをグループのメンバーに定義している関係
(b)一のユーザが他のユーザと相互に一方的関係を形成している関係
(c)一のユーザが他のユーザに対してのみ一方的関係を形成している関係
(d)一のユーザに対して他のユーザのみが一方的関係を形成している関係
(e)一のユーザと他のユーザとの間に直接形成されている一方的関係はないが、第三のユーザを介して一方的関係が連続的に形成されている関係
(f)直接/間接問わず一方的関係が形成されておらずグループメンバーにも定義されていない関係の各カテゴリの一又は複数が記録されるよう構成することができる(請求項2)。
【0020】
(3)また、公開範囲情報としては、
(a)個々のユーザ指定
(b)個々のグループ指定
(c)当該アクティビティ発信者又はコンテンツ所有者たるユーザが一方的関係を形成しているユーザ
(d)当該アクティビティ発信者又はコンテンツ所有者たるユーザから第三者を介して一方的関係が形成されているユーザ
(e)全ユーザ
の各カテゴリのいずれかとして記録されることを特徴とすることができる(請求項3)。
【0021】
(4)更に、本発明に係るSNSサーバは、前記一のユーザが他のユーザに対して一方的関係性を形成していることを条件として、前記公開範囲情報及び前記関係性情報に基づく抽出にかかわらず、当該他のユーザからの指示に基づいて当該他のユーザのトップページ情報を生成する際、当該一のユーザが他のユーザに対して自己のアクティビティに基づいて生成され前記フィード記憶手段に記録されたフィードを含めてトップページ情報を生成する強制フィード配信手段を有することを特徴とすることができる(請求項4)。
【発明の効果】
【0022】
上記(1)の発明によれば、一方的関係性に基づいて関係性を構築しつつ、コンテンツの公開範囲及びフィードが配信される範囲を定義することができるため、SNSにおいて他のユーザと特定の関係性を構築することへの心理的抵抗が従来よりも小さくなることが期待できる。これにより、ユーザ間の関係性構築が促進され、サービス自体の使用頻度の向上が期待されるから、必然的にトラフィックも増し、広告出稿対象としての優位性が増す。
【0023】
また、SNSにおいて一方的関係性に基づいて関係性を構築していくことをベースとすると、二者間のユーザ間の関係性のみでは親密度の濃淡が適切に表現されない。そこで、関係性を有するユーザが関係性を有する他のユーザまで、換言すれば第三者を介した他のユーザとの関係においてまでの関係性を把握しつつフィード配信或いはコンテンツ閲覧の可否の決定要因とすることにより、よりユーザが所望する自己の情報のコントロールが可能となる。或いは、関係性の構築有無を問わず、自己から見た他のユーザをグループ分けし、これと前述の一方的関係性とを重畳的にフィルタリングすることにより、一層きめ細やかなフィード配信及び自己のコンテンツ開示のコントロールが可能となる。
【0024】
更には、個々のアクティビティ或いはコンテンツに応じて公開範囲を多段階に設定できるようにすることで、自己のコンテンツ開示のコントロールの精密化が図れる。
【0025】
一方で、上述のような一方的関係性においては、一のユーザは所望する他のユーザのフィードを受信することを自らのコントロールで行うことができるが、その逆、つまり一のユーザから他のユーザへのフィード配信についてはサポートされていない。そこで(4)記載の発明により、他のユーザのトップページに当該一のユーザのフィード配信を行うことを可能とすることができる。これにより、当該他のユーザからも当該一のユーザに対して一方的関係性を構築する契機が生まれ、ユーザ間の関係性構築が促進されることが期待できる。
【0026】
なお本発明において、
(1)「SNS」とは、一般的定義とされる「人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型の会員制のサービス」ないし当該サービスが提供されているWeb上の環境を意味するが、これに限られず、特定の運営主体がサービスとして提供しているものでなくとも良く、例えばコメントやトラックバックなどのコミュニケーション機能を有しているブログも含まれうる。
【0027】
(2)「フィード」とは、SNSのユーザが行ったコンテンツ生成に基づいて生じる通知情報であり、ユーザは、他のユーザがコンテンツ生成を行った旨をフィードにより知り得る。或いは生成されたコンテンツ自体がフィードとして表示されうる。
【0028】
(3)「一方的関係性」とは、SNSにおいて一のユーザが特定の他のユーザに対し当該他のユーザの承諾を要することなく構築可能な関係性を意味する。一方的関係性が構築されることにより、当該一のユーザは当該特定の他のユーザが全体公開に設定しているアクティビティ等に関するフィードを受信することが可能となる。また、当該一のユーザが投稿したコンテンツのうち、コンテンツの公開範囲として積極的に設定されかつ消極的に設定されていないコンテンツにつき、当該特定の他のユーザが閲覧要求をおこなうと閲覧することができる。
【0029】
(4)「コンテンツ」とは、サービス内においてユーザが投稿する日記、写真、動画、つぶやき等をいう。ユーザは、これらのコンテンツを投稿するに際して、コンテンツ毎にその公開範囲を設定することが可能である。もちろん所定の公開範囲(例えば「一方的関係を構築しているユーザのみに公開」)を当該ユーザのデフォルトの公開範囲として設定しておき、個々の投稿の都度設定を求めないように構成することもできる。なお、各ユーザにおいて設定されるユーザ属性情報もここでいうコンテンツに含まれる。
【0030】
(5)「アクティビティ」とは、上記コンテンツの投稿以外でのユーザのサービス上での特定の活動をいい、例えば「他のユーザのコンテンツを閲覧しコメントを付す」「サービス内の任意のアプリケーションをダウンロードする」、「他のユーザと一方的関係性を構築する」といった活動が含まれるほか、「他のユーザのコンテンツやアクティビティに対し好意的であることを示すフラグを設定する(例えば上記非特許文献1記載のSNSにおいては「イイネ!」の入力)」も含まれる。かかるフラグの設定は、積極的な文字情報の投稿を行うまでの動機は持ちえなかった場合でも好意的であることを示す簡易コメントとして活用され得る。
【0031】
(6)「グループ」とは、一のユーザから見た他のユーザのカテゴリ分別をいい、所望の目的に応じたグルーピングが可能である。例えば「部活の仲間」「高校の同級生」「野球好き」といった積極的なグループの設定のみならず、「自己のフィードを配信しない」「フィードの受信を行わない」といった消極的なグループの設定も可能である。これは、SNSを利用していくにつれ、ユーザにとって交流することが好ましくないと感じる他のユーザも生じうることから、こうしたユーザとの接触をサービス上除外するために設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の表示序列制御システムを含んだSNSサーバ及び端末装置を含むSNS環境の例を示す図である。
【図2】SNSサーバ10を機能の側面から記した機能構成図である。
【図3】ユーザ属性DB121に記録されている情報の概念図である。
【図4】一のユーザのユーザ端末のトップページのスクリーンショットの一例を示す図である。
【図5】一のユーザが特定の他のユーザと一方的関係性を構築する旨の入力を行った際に送信される情報の概念図である。
【図6】関係性情報DBの記録内容を示す概念図である。
【図7】ユーザ端末の表示手段に表示される画面の一例を示す図である。
【図8】コンテンツDB123に記録されているコンテンツに関する情報の概念図である。
【図9】A,B,C3者の総合の一方的関係の構築状況に応じたA−C間の関係性認定に関する判定表である。
【図10】コンテンツが投稿された際の各ノードないし処理部間の情報の授受を示すタイミングチャートである。
【図11】アクティビティDB124に記録されているアクティビティ情報を示す概念図である。
【図12】アクティビティが記録されこれに基づくフィードが生成されるまでの各ノードないし処理部間の情報の授受を示すタイミングチャートである。
【図13】生成フィードDB125に記録されたフィードを示す概念図である。
【図14】一のユーザが自己のトップページ表示を要求した際の各ノードないし処理部間の情報の授受の動きを示すタイミングチャートである。
【図15】フィード抽出の流れを示すフロー図である。
【図16】一のユーザが他のユーザのコンテンツ表示要求を行った際のノードないし処理部間の情報の授受の流れを示すタイミングチャートである。
【図17】表示コンテンツ情報が抽出生成される流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の具体的な実施態様につき、図面を参照しつつ説明する。
【0034】
図1は、本発明の表示序列制御システムを含んだSNSサーバ及び端末装置を含むSNS環境の例を示す図である。SNSサーバ10と各ユーザ端末30とは、インターネットなどのネットワーク20を介して互いに接続可能となっている。ここで各ユーザ端末30は、例えばPC31であると携帯電話32であるとタブレット端末33であると特に種別は問わず、SNSサーバ10にログイン可能な機能(インターネットに接続する機能及びWebブラウザ)を有していれば良い。
【0035】
SNSサーバ10は、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、HDDなどの記憶手段10d、ディスプレイ、キーボード等の入出力手段10e、その他種々のハードウェアによって構成される。
【0036】
ROM10bまたは記憶手段10dには、図2に示す入力情報処理部111、フィード生成部112、フィード配信判定部113、トップページ情報生成部114、コンテンツページ情報生成部115、表示制御部14、ユーザインタフェース13などの機能を実現するためのプログラム及びデータが格納されている。また記憶手段10dには、図2に示すDB群12記載の各DB(ユーザ属性DB121、関係性情報DB122、コンテンツDB123、アクティビティDB124、生成フィードDB125)のデータが格納される。これらのプログラム及びデータは必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによってプログラムが実行され、演算処理が行われる。
【0037】
SNSサーバ10として、ワークステーション又はいわゆるサーバ機などが用いられる。図2の各構成が複数台の装置に分散されるようにSNSシステム10を構成しても良い。
【0038】
図2は、上記のSNSサーバ10を機能の側面から記した機能構成図である。SNSサーバ10は、その機能に基づき、SNSコア11、DB群12、ユーザインターフェース13、表示制御部14に分別して認識可能である。
【0039】
SNSコア11は、ユーザのコンテンツ投稿やアクティビティなどを処理しDB群12にデータを蓄積する入力情報処理部111、前記DB群へのデータ蓄積をトリガとして対応するフィードを生成するフィード生成部112、ユーザ端末30からのトップページ閲覧指示に基づいて生成フィードDB125(詳細について後述する)に蓄積されたフィードから配信すべきフィードを判定するフィード配信判定部113、前記フィード配信判定部113と連動し、ユーザ端末30からのトップページ閲覧指示に基づきその情報を生成するトップページ情報生成部114、ユーザ端末30から他のユーザのコンテンツ情報の閲覧指示に基づき表示するコンテンツ情報を生成するコンテンツページ情報生成部115、の各機能を有する。各々の機能については、サービス内における各活動の説明において順次説明する。
【0040】
DB群12は、ユーザ端末30から入力されるユーザ属性を記録するユーザ属性DB121、ユーザの他のユーザとの関係性をユーザごとに記録する関係性情報DB122、日記や動画などのコンテンツに関する情報を記録するコンテンツDB123、サービス内におけるユーザの行動履歴を記録するアクティビティDB124、及び各コンテンツ入力或いはアクティビティの発生に応じて生成されたフィードを逐次保存する生成フィードDB125を含み、相互に関連性を有しつつ記録されている。各々のデータ構造については後述する。
【0041】
本サービスのユーザは、ユーザ端末30からネットワーク20を介してSNSサーバ10にアクセスする。ユーザ端末30としてはPC、携帯電話、タブレット端末、スマートフォン等適宜用いることができる。ユーザインタフェース13は、各ユーザ端末の種別に応じたデータ形式を選択しユーザ端末30とSNSサーバ10との送受信を行う。表示制御部14は、閲覧要求があった各ページの情報を、当該要求を行ったユーザ端末の端末種別に応じた表示態様に制御を行う。
【0042】
以下、SNSサーバ10において各ユーザが行い得る行動の例につき説明しつつ、各機能部及びDBの説明を行う。
【0043】
一のユーザが初めてSNSサーバ10を利用する際は、ユーザ登録を行う。ユーザ登録においては、ユーザ属性情報としてユーザ名(ニックネーム)、ログインID(例えば固有のメールアドレス)、ログインパスワード、その他居住地、誕生日、出身地、趣味、自己紹介文等の各種属性情報を入力する。また既に登録している自己の情報を編集することもできる。これらの情報はユーザ属性DB121に格納される。図3はユーザ属性DB121に記録されている情報の概念図である。個々のユーザには主キーとしてユーザIDが付与されており、これに各入力したユーザ名、居住地等の属性情報が紐付けられて記録されている。
【0044】
ユーザ登録を行ったユーザは、サービスを利用するにあたってログインを行う。ログイン画面(図示しない)において、ユーザは、ユーザ端末30から登録したログインID及びログインパスワードを入力し認証を行う。当然ながらユーザ端末は個々のログインIDに固有である必要はなく、ネットワーク20に接続可能な環境下にある端末であればいずれを問わずログインを行うことができる。認証を経ると、当該ユーザのユーザIDに応じたトップページ表示要求が行われる(後述する)。
【0045】
ユーザは、サービス内において任意に検索を行い、或いは受信したフィードに付与されたリンクを介して、自身にとって閲覧制限がかけられていない他のユーザのコンテンツを閲覧することができる。
【0046】
ユーザは、例えばコンテンツを閲覧し興味を持った他のユーザとの関係性を構築することができる。すなわち、当該他のユーザとの一方的関係性を構築することができる。一のユーザは、特定の他のユーザと一方的関係性を構築する旨ユーザ端末30から入力を行う。入力は、特定の他のユーザのコンテンツ画面表示上に示される「つながる」ボタンをクリックする(図4参照:ボタン41)ことで入力可能であるが、入力方法はこれに限られることは無く、例えば所定条件で検索を行った結果得られる他のユーザ一覧から所望の他のユーザを選択するようにしても良い。当該入力情報はネットワーク20を介してSNSサーバ10に送信される。
【0047】
図5は、一のユーザが特定の他のユーザと一方的関係性を構築する旨の入力を行った際に送信される情報の概念図である。データの正当性担保のためのチェックデジット51の他、入力された日時52、入力したユーザのユーザIDデータ53、選択されたユーザのユーザIDデータ54が紐付けられて送信される。
【0048】
入力情報処理部111は当該情報を処理し、関係性情報DB122に記録する。図6は関係性情報DBの記録内容を示す概念図である。関係性情報は、(1)一のユーザが構築する一方的関係性に関する情報、(2)一のユーザが他のユーザを所定の属性を有するとして振り分けるグループに関する情報、の2つに大別される。ここでは前者につき説明する。一のユーザが構築した一方的関係性に関する情報は、図6上段に示されるとおり、各ユーザIDごとに格納される。格納される際、関連ユーザID、すなわち「つながられる」側のユーザにおける一方的関係性の構築状況が確認され、相互に一方的関係(つまり双方的関係)が構築されている場合、「相互」のフラグが成立する。
【0049】
次に、グループの設定につき説明する。ユーザは、サービス内における他のユーザを、さまざまな共通項に基づいてグループ分けすることができる。一のユーザは、他のユーザのコンテンツを閲覧した結果、自己と共通する嗜好(例えば釣りや手芸といった趣味、特定のアーティストのファンであることといったような現実世界における共通項も含まれる)を有する他のユーザを選択して、グループ登録することができる。登録できるグループの種類は種々設定することができるが、例えば「属性1 共通の趣味を持つユーザ」「属性2 一方的関係性を構築されたくないユーザ」のように、プラス、マイナスいずれにおいてもグループを形成することができる。
【0050】
ユーザ端末30からグループ設定に関する情報が送信されると、入力情報処理部111において同様に処理され、関係性情報DB122に格納される。図6の下段はその格納された情報の概念図である。各ユーザ毎にグループID、対象ユーザID、グループの属性が記録される。
【0051】
次に、コンテンツの投稿につき説明する。SNSサーバ10に対して、ユーザは種々のコンテンツを投稿することができる。例えば図7には一のユーザのユーザ端末30の表示手段(図示しない)において表示される画面の一例が示されているが、その上部(破線囲み部)に表示されているように、「カレンダー」「チェック」「日記」「フォト」など、さまざまなメディアのコンテンツを投稿することができる。なおこれらのコンテンツを投稿する際、閲覧許可するユーザの範囲を制限することができる。これにより、ユーザは自己の任意のコントロールのもと、自己に関する情報をシステム内にて開示することができる。
【0052】
図8は、ユーザが投稿しコンテンツDB123に記録されているコンテンツに関する情報の概念図である。ユーザは、投稿するコンテンツの種別及びその公開範囲を選択することができる。コンテンツの種別は、図7における各メニュータグから選択することができる。例えば日記であれば、入力欄(図示しない)に直接テキストデータを入力することができる。また画像や映像データであれば、自己のユーザ端末30に予め保存されているものをアップロードすることができる。公開範囲は、(1)公開するユーザを個々に指定する、(2)公開するグループを個々に指定する、(3)一方的関係を構築したユーザ、(4)第三者を介して一方的関係が形成されているユーザ、(5)サービス内の全ユーザ、からいずれかを選択することができる。これらの公開範囲設定に応じて、他のユーザが当該ユーザのトップページにアクセスした場合に、当該他のユーザとの関係性に基づいてコンテンツごとに表示の有無が制御される。
【0053】
なお、コンテンツを投稿したことに起因して、その旨のフィードが生成されるが、公開範囲を「(5)サービス内の全ユーザ」と設定していても、当該フィードは全ユーザには配信されず、所定の関係性を構築した他のユーザ、例えば、双方向に関係が構築されている他のユーザ、にのみフィードが配信されるよう構成することが適切である。そのように構成しないと、フルアクセスのコンテンツが投稿されるたびに全ユーザに対してフィードが配信され煩雑だからである。
【0054】
ここで「第三者を介して一方的関係が形成されているユーザ」(以下及び図内において「友人の友人」と称することがある。)について、図9を示しつつ詳説する。図9は、A、B、C3者の相互の一方的関係の構築状況に応じたA−C間の関係性認定に関する判定表である。なおA−C間にはいずれの方向においても直接には一方的関係が構築されていないものとする。
【0055】
例えば番号1においては、A−Bは相互に一方的関係を構築し、B−Cも同様である。このような場合、A−C間の関係性としては、相互に信頼するBを介して関係性を擬制することができる。そこでA−Cの間においても、「友人の友人」という関係性を認め、コンテンツの公開が行われる。
【0056】
また、例えば番号4においては、BからAに向かって矢印が記されている。これはBがAと一方的関係を構築していることを意味する。この場合、Aを信頼しているBの友人Cである為、AからCに対しては「友人の友人」扱いだが、AはBに対する信用がない為、CからAに対しては何らの関係性も擬制されず、「他人」扱いとなる。
【0057】
図10は、一のユーザがコンテンツを投稿した際の各ノードないし処理部間の情報の授受を示すタイミングチャートである。ユーザがネットワーク20を介してコンテンツ(例えば「日記」)を投稿すると(ステップS1001)、当該コンテンツデータは入力情報処理部に送信される(ステップS1002)。SNSコア11の入力情報処理部111は当該コンテンツの処理を行う。具体的には、ユーザID、コンテンツの種別、コンテンツが表示されるURL等を紐付ける処理を行う。コンテンツデータは公開範囲に関する情報とともに、コンテンツDB123に送信される(ステップS1004)。これと併せて、当該コンテンツが投稿された旨のフィードを生成すべく、フィード生成部112に当該情報が送られる(ステップS1005)。これらの内部処理を終えると、SNSコア11は再びネットワーク20を介して、コンテンツ投稿のあったユーザ端末30に対しコンテンツ投稿が完了した旨の情報を送信する(ステップS1006)。コンテンツDB123は受信したコンテンツデータの格納を行う(ステップS1007)。フィード生成部は当該コンテンツの種別及び公開範囲が紐づいたフィード情報の生成を行う(ステップS1008)。
【0058】
次に、一のユーザがサービス内でアクティビティを行う場合につき説明する。
ユーザは、コンテンツの投稿以外に、サービス内で種々の活動を行うことができる。例えば他のユーザが投稿したコンテンツに対してコメントを付す、他のユーザと一方的関係を構築する、などである。図11は、アクティビティDB124に記録されているアクティビティ情報を示す概念図である。アクティビティの種類によっては所定のコンテンツと紐づいて管理され得る。すなわち、「コメントを付す」というアクティビティの場合、コメントを付したコンテンツと関係性をもってアクティビティは記録される。個々のコンテンツ及びアクティビティにはIDが付され、当該アクティビティを行ったユーザのID、及び当該アクティビティの公開範囲指定と関係づけられて格納される。ここで公開範囲のカテゴリは、基本的にはコンテンツ投稿の場面において述べたのと同様、(1)個々のユーザ指定、(2)個々のグループ指定、(3)当該ユーザが一方的関係を形成しているユーザ、(4)当該ユーザから第三者を介して一方的関係が形成されているユーザ、のいずれかである。なお、本件公開範囲設定は、当該アクティビティに起因したフィードの送信範囲を規定するものであるため、「(5)全ユーザ」のカテゴリは存在しない。なお、コンテンツと紐付けられないアクティビティ(例えばSNS上で所定のニュース記事をチェックした旨)も存在し得、その場合特定のコンテンツとは関係性をもたずに記録され得る。
【0059】
図12は、一のユーザが行ったアクティビティが記録されこれに基づくフィードが生成されるまでの、各ノードないし処理部間の情報の授受を示すタイミングチャートである。ユーザ端末30からアクティビティ(例えば、他のユーザの日記へのコメント)が行われると(ステップS1201)、当該情報はネットワーク20を介してSNSコア11の入力情報処理部111に送信される(ステップS1202)。入力情報処理部111は、受信したアクティビティ情報の処理を行う(ステップS1203)。アクティビティデータは、アクティビティDB124に送られ(ステップS1204)、これと同時にフィード生成部112にも当該アクティビティを受信した旨の情報が送られる(ステップS1205)。アクティビティDB124は受信したアクティビティ情報を、元となるコンテンツ毎に格納する(ステップS1206)。またフィード生成部112は、受信したアクティビティデータのユーザID及び公開範囲が紐付けられたフィードを生成し(ステップS1207)、生成フィードDB125へ送る(ステップS1208)。生成フィードDB125は当該生成されたフィードを格納する(ステップS1209)。
【0060】
なお、他のユーザのコンテンツ等に対するリアクションとして、積極的にコメントを付すだけでなく、コメントに代えてコンテンツ等に対し好意的であることを示すフラグ設定を行う事ができる。他のユーザが投稿するコメント或いは好意的であることを示すフラグに基づいても、図12に示すのと同様にフィードが生成される。
【0061】
図13は、生成フィードDB125に記録されたフィードを示す概念図である。各フィード情報は個別のフィードIDが付され、その発生トリガのID(コンテンツID又はアクティビティID)、ユーザID、種別、及び公開範囲が関連付けられて記録されている。なお、通常これらのフィードは、一のユーザが他のユーザと一方的関係を構築した場合、当該他のユーザのフィードについて当該一のユーザが受信するよう構成されているが、一のユーザに対して当該他のユーザが一方的関係を構築していない場合でも、フィード生成の際に強制のフラグを付することにより、フィード配信を所望する任意の他のユーザに対してもフィードを配信することができる。もっとも、本来的には自らが望んでフィードを受信する旨登録したものだけがくるはずのところ、かかる行為を乱用しフィードを配信し続けることは、本サービス内における当該ユーザの評判を下げることにつながり、「フィードを受け取らない」グループに入れられてしまう可能性がある。
【0062】
次に、一のユーザが自己のトップページの閲覧を要求したときの処理の流れについて説明する。
図14は、一のユーザが自己のトップページ表示を要求した際の各ノードないし処理部間の情報の授受の動きを示すタイミングチャートである。
【0063】
ユーザ端末30においてトップページ要求が指示されると(ステップS1401)、当該要求情報はネットワーク20を介してSNSコア11の入力情報処理部に送信される(ステップS1402)。入力情報処理部111では当該要求ユーザID等の正当性を確認するなどの初期処理を行い(ステップS1403)、トップページ情報生成部114に表示要求を行ったユーザIDとともに要求情報を送る(ステップS1404)。併せて、各DBから必要なデータの読み出しを行う。すなわちトップページにおいて表示されるべき当該ユーザのユーザ属性情報のユーザ属性DB121からの読み出し要求(ステップS1405)、配信(表示)すべきフィードの抽出に必要な関係性情報の関係性情報DB122からの読み出し要求(ステップS1406)が行われる。またトップページ情報生成部114からは受信した表示すべきユーザIDと関連付けられたコンテンツデータのコンテンツDB123からの読み出しを行う。読みだされた関連性情報はフィード配信判定部112に送られる。フィード配信判定部112生成フィードDB125に記録されたフィードから、当該トップページ表示要求に対応して表示すべきフィードの抽出を行う。
【0064】
図15は、フィード抽出の流れを示すフロー図である。以下順に、図13の概念図も交えつつ説明する。表示フィードの抽出処理は、蓄積されている各フィードについて逐次行われる。まず当該フィードに強制フラグが付されているか否かが判定される(ステップS1501)。強制フラグとは図13に関する説明において既述の通り、一のユーザが自らが一方的関係性を構築した他のユーザに対してフィードを配信することを希望する場合に付するフラグをいう。強制フラグが付されたフィードである場合(ステップS1501:Yes)、次に、トップページ閲覧を要求しているユーザが、当該フィードのフィード主、つまりフィードが生成される行動(コンテンツの投稿、又はアクティビティの実行)を行ったユーザ、が一方的関係を構築しているユーザか否かを判別する(ステップS1502)。当該判別は、図6における関係性DB122の「ユーザID」の項目が当該フィードを生成させる行動を行ったユーザであり、「関連ユーザID」の項目が当該閲覧要求を行っているユーザであるか否かにより行われる。該当する場合(ステップS1502:Yes)、更に当該他のユーザにおいて当該一のユーザからの強制フラグのフィードの受信拒否が設定されていないかが判別される(ステップS1503)。この強制フラグの受信拒否設定は、当該他のユーザが受信拒否を設定することにより、例えば図6の「強制拒否」のフラグが設定され、当該一のユーザの関係性情報の該当情報に紐付けて保存されるよう構成することができる。
【0065】
受信拒否が設定されていない場合(ステップS1503:Yes)、更に抽出対象にあたるかがチェックされる。該当しない場合(ステップS1502:No)、当該フィードは抽出対象にあたらないものとして処理が終了され、他のフィードの判別に移行する。
【0066】
強制フラグが付されていない場合(ステップS1501:No)、フィード配信判定部112は、当該フィードが閲覧要求しているユーザが一方的関係性を構築しているユーザのフィードか否かを判別する(ステップS1504)。当該判別は、図6における関係性DB122の「ユーザID」の項目が当該閲覧要求を行っているユーザであり、「関連ユーザID」の項目が当該フィードを生成させる行動を行ったユーザであるか否かにより行われる。該当しない場合(ステップS1504:No)、当該フィードは抽出対象にあたらないものとして処理が終了され、他のフィードの判別に移行する。
【0067】
強制フラグが付されておりかつ閲覧要求しているユーザが当該フィード主が一方的関係性を構築したユーザであり、強制フラグのフィード受信拒否が設定されていない場合(ステップS1503:Yes)、又は、強制フラグが付されておらず当該フィードが閲覧要求しているユーザが一方的関係性を構築したユーザのフィードである場合(ステップS1504:Yes)、次に当該フィードの公開範囲に当該閲覧要求しているユーザが含まれるかが判別される(ステップS1505)。この判別は、図13に示すように、生成フィードDBに格納された当該フィードに関する情報の「公開範囲」のフラグにより行われる。
公開範囲に該当する場合(ステップS1505:Yes)、当該フィードは表示フィードとして抽出され(ステップS1506)、該当しない場合(ステップS1505:No)は抽出されないものとして処理が終了され、他のフィードの判別に移行する。
【0068】
図14に戻り、抽出された表示フィードに関する情報は、トップページ情報生成部114に送られ(ステップS1410)、トップページを構成する他の情報(例えば、閲覧要求しているユーザ自身の属性情報、及び閲覧要求しているユーザ自身のコンテンツ情報)とともにトップページ情報として生成され(ステップS1411)、表示制御部14により端末に応じた適切な表示情報に構成され、ユーザ端末に送信される(ステップS1412)。その際抽出されたフィードは、例えば図7の二点鎖線で囲ったように、所定の序列制御を経てコンテンツ別や時系列に応じて表示される(ステップS1413)。
【0069】
次に、一のユーザが他のユーザのコンテンツの表示要求を行った際に行われる、コンテンツ表示制御につき説明する。図16は、一のユーザが他のユーザのコンテンツ表示要求を行った際のノードないし処理部間の情報の授受の流れを示すタイミングチャートである。一のユーザが他のユーザのコンテンツページの表示を要求すると(ステップS1601)、当該要求情報はネットワーク20を介して入力情報処理部111に送信される(ステップS1602)。入力情報処理部111は受信した表示要求情報の正当性(要求するユーザIDの正当性等)の確認を行うなどの要求情報の処理を行う(ステップS1603)。その上で、当該要求情報はコンテンツページ情報生成部に送られる(ステップS1604)。一方、ユーザ属性DB121、関係性情報DB122から所定情報の読み出し要求が行われる(ステップS1605、ステップS1606)。またコンテンツDBから要求されたコンテンツデータの読み出し要求が行われる(ステップS1607)。これらの情報はコンテンツページ情報生成部115において処理され、表示コンテンツ情報が抽出生成される(ステップS1608)。
【0070】
図17は、表示コンテンツ情報が抽出生成される流れを表すフロー図である。コンテンツページ情報生成部115は、読み出しを行ったユーザ属性DB121及び関係性情報DB122からの情報に基づき、コンテンツページ表示要求を行っているユーザが、コンテンツ投稿ユーザから見て関係性(直接的な一方的関係性、又は第三者を介して構築される一方的関係性)を構築されているか否かを判別する(ステップS1701)。該当しない場合(ステップS1701:No)、次に当該コンテンツが全員公開のコンテンツか否かを判別する(ステップS1702)。該当しない場合、表示対象でないものとして処理が終了される。
【0071】
一方、関係性が構築されている場合(ステップS1701:Yes)、公開範囲を満たすかが判別される(ステップS1703)。公開範囲を満たせば(ステップS1703:Yes)、表示コンテンツとして生成され(ステップS1704)、満たさない場合そのまま処理が終了する。
【0072】
表示コンテンツ情報が生成されると、当該情報はネットワーク20を介してユーザ端末30に送信され(ステップS1609)、コンテンツ情報がユーザ端末30の表示手段において表示される(ステップS1610)。
【産業上の利用可能性】
【0073】
このように、本発明のSNSサーバによれば、一方的関係性に基づいて関係性を構築しつつ、コンテンツの公開範囲及びフィードが配信される範囲を定義することができるため、SNSにおいて他のユーザと特定の関係性を構築することへの心理的抵抗が従来よりも小さくなることが期待できる。これにより、ユーザ間の関係性構築が促進され、サービス自体の使用頻度の向上が期待されるから、必然的にトラフィックも増し、広告出稿対象としての優位性が増す。
【0074】
また、SNSにおいて一方的関係性に基づいて関係性を構築していくことをベースとすると、二者間のユーザ間の関係性のみでは親密度の濃淡が適切に表現されない。そこで、関係性を有するユーザが関係性を有する他のユーザまで、換言すれば第三者を介した他のユーザとの関係においてまでの関係性を把握しつつフィード配信或いはコンテンツ閲覧の可否の決定要因とすることにより、よりユーザが所望する自己の情報のコントロールが可能となる。或いは、関係性の構築有無を問わず、自己から見た他のユーザをグループ分けし、これと前述の一方的関係性とを重畳的にフィルタリングすることにより、一層きめ細やかなフィード配信及び自己のコンテンツ開示のコントロールが可能となる。
【0075】
更には、個々のアクティビティ或いはコンテンツに応じて公開範囲を多段階に設定できるようにすることで、自己のコンテンツ開示のコントロールの精密化が図れる。
【0076】
一方で、上述のような一方的関係性においては、一のユーザは所望する他のユーザのフィードを受信することを自らのコントロールで行うことができるが、その逆、つまり一のユーザから他のユーザへのフィード配信についてはサポートされていない。そこで、他のユーザのトップページに当該一のユーザのフィード配信を行うことを可能とすることができる。これにより、当該他のユーザからも当該一のユーザに対して一方的関係性を構築する契機が生まれ、ユーザ間の関係性構築が促進されることが期待できる。

【符号の説明】
【0077】
1 SNS環境
10 SNSサーバ
10a CPU
10b RAM
10c ROM
10d 記憶手段
10e 入出力手段
11 SNSコア
111 入力情報処理部
112 フィード生成部
113 フィード配信判定部
114 トップページ情報生成部
115 コンテンツページ情報生成部
12 DB群
121 ユーザ属性DB
122 関係性情報DB
123 コンテンツDB
124 アクティビティDB
125 生成フィードDB
13 ユーザインターフェース
14 表示制御部
20 ネットワーク
30 ユーザ端末(31 PC、32 携帯電話、33 タブレット端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
※メインクレーム(サーバ)
ユーザの属性情報をユーザ毎に記録するユーザ情報記憶手段と、
一のユーザの、他のユーザとの関係性情報を記録する関係性情報記憶手段と、
ユーザからの指示に基づいて生成されたコンテンツを記録するコンテンツ記憶手段と、
ユーザのアクティビティを記録するアクティビティ記憶手段と、
前記コンテンツ記憶手段又は前記アクティビティ記憶手段へのデータエントリを契機にフィードを生成するフィード生成手段と、
前記生成されたフィードを記録するフィード記憶手段と、
前記一のユーザからの指示に基づいてトップページ情報を生成するトップページ情報生成手段と、
前記一のユーザからの指示に基づいて他のユーザのコンテンツに関するページ情報を生成するコンテンツページ情報生成手段と、
を少なくとも具備する、ネットワークを通じてSNS(Social Networking Service)を提供するSNSサーバにおいて、
前記関係性情報は、一のユーザが他のユーザに対して形成する一方的関係性に関する情報を少なくとも含み、
前記トップページ情報生成手段は、前記フィード記憶手段に記録されたフィードのうち、前記他のユーザからの指示に基づいてアクティビティ毎及びコンテンツ毎に設定された公開範囲情報、及び前記関係性情報に基づいて抽出されるフィードを少なくとも含んだトップページ情報を生成し、
前記コンテンツページ情報生成手段は、前記他のユーザからの指示に基づいてコンテンツ毎に設定されたコンテンツ公開範囲情報に基づいてコンテンツページ情報を生成する
ことを特徴とするSNSサーバ。

【請求項2】
※関係性情報の具体化
前記関係性情報は、
(a)一のユーザが他のユーザをグループのメンバーに定義している関係
(b)一のユーザが他のユーザと相互に一方的関係を形成している関係
(c)一のユーザが他のユーザに対してのみ一方的関係を形成している関係
(d)一のユーザに対して他のユーザのみが一方的関係を形成している関係
(e)一のユーザと他のユーザとの間に直接形成されている一方的関係はないが、第三のユーザを介して一方的関係が連続的に形成されている関係
(f)直接/間接問わず一方的関係が形成されておらずグループメンバーにも定義されていない関係
の各カテゴリの一又は複数として記録されることを特徴とする、請求項1に記載のSNSサーバ。

【請求項3】
※公開範囲の具体化
前記公開範囲情報は、
(a)個々のユーザ指定
(b)個々のグループ指定
(c)当該アクティビティ発信者又はコンテンツ所有者たるユーザが一方的関係を形成しているユーザ
(d)当該アクティビティ発信者又はコンテンツ所有者たるユーザから第三者を介して一方的関係が形成されているユーザ
(e)全ユーザ
の各カテゴリのいずれかとして記録されることを特徴とする、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のSNSサーバ。
【請求項4】
※Push型のフィード配信
前記一のユーザが他のユーザに対して一方的関係性を形成していることを条件として、前記関係性情報に基づく抽出にかかわらず、当該他のユーザからの指示に基づいて当該他のユーザのトップページ情報を生成する際、当該一のユーザが他のユーザに対して自己のアクティビティに基づいて生成され前記フィード記憶手段に記録されたフィードを含めてトップページ情報を生成するようフィード配信する、強制フィード配信手段を更に有することを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のSNSサーバ。
【請求項5】
※Push型のフィード配信拒否手段
当該他のユーザのトップページ情報を生成する際に、前記強制フィード配信手段により配信されるべきフィードを表示しない、強制フィード受信拒否手段を更に有することを特徴とする、請求項4に記載のSNSサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−15980(P2013−15980A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147766(P2011−147766)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(500033117)株式会社ミクシィ (13)
【Fターム(参考)】