説明

ライタプラグ

【課題】大幅な部品点数の削減が可能で、組立性に優れたシガレットライタ用のライタプラグを提供する。
【解決手段】一端側に発熱体部が設けられた円筒形状で、ライタ受容部にスライドリング230及びアッシュガード240を介してスライド可能に挿入されて装着されるプラグボディ220と、プラグボディ220の他端側に設けられて固定されるノブ210と、スライドリング230とノブ210を離間させる方向に付勢力を付与する弾性部材であるスプリング222と、を有してライタプラグ200を構成する。プラグボディ220は、円筒形状の円筒面の一部に形成された固定用切欠部220cを有し、固定用切欠部220cのノブ210の方向への塑性変形によりノブ210に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シガレットライタに関し、特に、シガレットライタ用のライタプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
シガレットライタは、その基本構成としては従来長く使用されてきており、例えば、発熱体、ノブ、プラグボディ、スライドリング、アッシュガード等から構成されるライタプラグと、挿入されたライタプラグを保持するソケットボディと発熱体に通電すると共にライタプラグを保持するバイメタル等から構成されて自動車のインストルメントパネル等に設けられるライタ受容部とから構成されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のシガレットライタは、ノブにノブメタルが固定され、プラグボディを構成する軸部及びフランジ形状のキャップが軸部とノブメタルの螺合により固定されて一体化されている。このプラグボディは、軸部がスライド可能に嵌合している。このような構成により、つぎのようなライタ操作が可能である。すなわち、ライタプラグをソケットボディにスライドして装着し、ノブを押し込むと、ライタプラグはバネ付勢力に抗して奥部へスライドして、バイメタルに保持される。バイメタルに保持された状態では、プラス端子からバイメタルを介して発熱体に通電路が形成される。発熱体に通電されると温度が上昇してバイメタルが外方に変形し、所定の温度に達するとバイメタルに保持されていたライタプラグが解放されてライタ本体がバネ付勢力により操作者側に突出移動する。操作者は、ライタ受容部から前方に突出したノブを引っ張ることにより、ライタプラグをライタ受容部から取り出して、ライタプラグの発熱体により煙草に火を付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−152895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の構成によるシガレットライタ用のライタプラグは、ノブにノブメタルを固定し、プラグボディを軸部のネジによりノブ側に固定していたため、緩むこともあり、ねじロック等が必要な場合があった。また、部品点数、組立て工数も多く、組立性に改善の余地もあった。
【0006】
従って、本発明の目的は、大幅な部品点数の削減が可能で、組立性に優れたシガレットライタ用のライタプラグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明は、上記目的を達成するため、一端側に発熱体部が設けられた円筒形状で、ライタ受容部にスライドリング及びアッシュガードを介してスライド可能に挿入されて装着されるプラグボディと、前記プラグボディの他端側に設けられて固定されるノブと、前記スライドリングと前記ノブを離間させる方向に付勢力を付与する弾性部材と、を有し、前記プラグボディは、前記円筒形状の円筒面の一部に形成された固定用切欠部を有し、前記固定用切欠部の前記ノブの方向への塑性変形により前記ノブと固定されていることを特徴とするシガレットライタ用のライタプラグを提供する。
【0008】
[2]前記弾性部材は、小径部及び大径部を有するテーパ形状のコイルバネであることを特徴とする上記[1]に記載のシガレットライタ用のライタプラグであってもよい。
【0009】
[3]また、前記固定用切欠部は、前記プラグボディと前記ノブの固定前において、前記コイルバネの一端を係止する方向に突出して形成されていることを特徴とする上記[1]に記載のシガレットライタ用のライタプラグであってもよい。
【0010】
[4]また、前記コイルバネの前記一端は、前記小径部であることを特徴とする上記[3]に記載のシガレットライタ用のライタプラグであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、大幅な部品点数の削減が可能で、組立性に優れたシガレットライタ用のライタプラグを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1(a)は、(b)図のA−Aで示す本発明の実施の形態に係るシガレットライタのA−A縦断面図であり、図1(b)は、図1(a)の右側面図である。
【図2】図2(a)は、(b)図のB−Bで示す本発明の実施の形態に係るシガレットライタのB−B縦断面図であり、図2(a)は、図2(a)の右側面図である。尚、図2(a)は、図1(a)と直交する断面を示している。
【図3】図3(a)は、図1におけるプラグボディの詳細断面図、図3(b)は、図3(a)のCから見た上平面図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、ノブとプラグボディの組立てを工程ごとに示す、図1(a)相当の縦断面図である。
【図5】図5は、図2(a)におけるライタプラグを押込んだ状態を示す、図2(a)相当の縦断面図である。 なお、断面図において、断面の奥にある線は、図示しない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(本発明の実施の形態)
本発明の実施の形態に係るシガレットライタ用のライタプラグは、ライタ受容部100とライタプラグ200を有してシガレットライタ10を概略構成する。
【0014】
ライタ受容部100は、ソケットボディ110、コネクタハウジング120、バイメタル130、ボルト140、ソケットインシュレータ150、取付部材160、ナット170、プラス端子180、マイナス端子185等から概略構成されている。
【0015】
ライタプラグ200は、一端側に発熱体部が設けられた円筒形状で、ライタ受容部にスライドリング230及びアッシュガード240を介してスライド可能に挿入されて装着されるプラグボディ220と、プラグボディ220の他端側に設けられて固定されるノブ210と、スライドリング230とノブ210を離間させる方向に付勢力を付与する弾性部材であるスプリング222と、を有して構成されている。プラグボディ220は、円筒形状の円筒面の一部に形成された固定用切欠部220cを有し、固定用切欠部220cのノブ210の方向への塑性変形によりノブ210に固定されている。
【0016】
図1、2に示すように、車両の運転席前方に設けられたインストルメントパネル400には円形の取付穴401が形成されており、取付穴401にソケットボディ110が嵌合されている。このソケットボディ110は、図示しない取付けリングに形成された爪部等によりインストルメントパネル400に係止され、ライタ受容部100が取付け固定されている。
【0017】
(ライタ受容部100)
ライタ受容部100は、挿入されたライタプラグ200をアッシュガード240とスライド可能な状態で嵌合し、ライタプラグ200が挿入される方向と反対の方向に向って片持ちばりの形状で形成されているソケット爪112でアッシュガード240に形成された凹部に係合してライタプラグ200を係止するソケットボディ110と、プラス電極142から発熱体部としてのヒータエレメント250に供給される電流の供給状態に応じてヒータエレメント250の温度が変化してライタプラグ200を保持または開放するバイメタル130と、を備えて構成されている。
【0018】
ソケットボディ110は、図1、2にその縦断面形状を示すように、有底の円筒形状であり、例えば、絞り用鋼板SPCDを用いて絞り加工およびプレス加工により形成される。後述するライタプラグ200が挿入される側にはフランジ部110aを有する開口部が形成され、反対の有底側にはボルト140が挿入される底部110cが形成されている。
【0019】
図2(a)に示すように、円筒面110hには、ソケット爪112が形成されている。このソケット爪112は、アッシュガード240の先端係合部と係止可能なようにアッシュガード240側に突出して湾曲する係合凸部112cが形成されている。
【0020】
上記示したソケットボディ110は、図1、2に示すように、ボルト140とナット170により、ソケットインシュレータ150、ソケットボディ110の底部110c、取付部材160が共締めにより一体的に固定されている。
【0021】
ボルト140は、導電性の材料で形成され、プラス電極端子として機能する。このボルト140の頭部はプラス電極142であって、車両用電源ソケットとして使用する場合は、アクセサリ用品プラグのプラス端子320が接触することによりプラス電圧を供給する。図1、2に示すように、ボルト140にはバイメタル130がカシメ加工により固定され、このボルト140を介してバイメタル130にプラス電圧が印加される構成とされている。
【0022】
ソケットインシュレータ150は、ボルト140とソケットボディ110の間を絶縁する。すなわち、プラス電圧が印加されるボルト140とマイナス側のソケットボディ110との間を絶縁する。
【0023】
取付部材160は、共締めによりソケットボディ110に一体的に固定されると共に、取付部材160に形成された係止用爪部161によりコネクタハウジング120を係止して固定する。これにより、ソケットボディ110とコネクタハウジング120が一体化したライタ受容部100を構成できる。
【0024】
ボルト140の先端部には所定の形状に湾曲して形成された感熱動作部材としてのバイメタル130がカシメにより固定されている。ここで、バイメタル130は、図2に示すように、バイメタル130が後述するヒータケース252を係止する形状、例えば、ヒータケース252側に向ってR形状等の凸状の係合部132が形成され、後述する発熱体部との係合領域を構成する。この係合部132を両端部に備え、図2に示すような全体としてコ字形状に形成されて、ボルト140にカシメ加工により固定されている。
【0025】
バイメタル130は、鉄とニッケルの合金に、マンガン、クロム、銅などを添加して2種類の熱膨張率の異なる金属板を作り、冷間圧延で貼り合わせたもので、温度の変化によって曲がり方が変化し、本実施の形態では、温度上昇に伴い外方に変形するようになっている。バイメタル130は、ボルト140のプラス電極142からプラス電圧が印加されると共に、ヒータケース252、ヒータエレメント250、ヒータリベット254、プラグボディ220、スライドリング230、アッシュガード240を介してソケットボディ110へ電気的に接続される。一方、ソケットボディ110はマイナス端子185に接続されているので、ヒータエレメント250がバイメタル130に保持されている状態では、ヒータエレメント250に電源が供給されることになる。
【0026】
コネクタハウジング120は、樹脂で形成され、その内部にプラス端子180、マイナス端子185が取り付けられている。プラス端子180は、ボルト140に電気的に接続され、一方、マイナス端子185は電気的にソケットボディ110に接続されている。尚、例えば、マイナス端子185とソケットボディ110の間に所定の温度上昇で断線する温度ヒューズを接続する構成としてもよい。
【0027】
(ライタプラグ200)
一方、ライタプラグ200は、ノブ210、プラグボディ220、スプリング222、スライドリング230、アッシュガード240、ヒータエレメント250等により構成されている。スライドリング230とアッシュガード240は、一体的にソケットボディ110に挿入されて嵌合し、ノブ210、プラグボディ220、ヒータエレメント250等は、スプリング222に抗してさらに奥に押し込むことにより着火動作を行なう構成とされている。
【0028】
図3(a)は、図1におけるプラグボディの詳細断面図、図3(b)は、図3(a)のCから見た上平面図である。プラグボディ220は、鍔つきの有底の円筒形状であり、例えば、絞り用鋼板SPCDを用いて絞り加工およびプレス加工により形成される。円筒部220bの円筒面の円周方向に3箇所、固定用切欠部220cが形成されている。この固定用切欠部220cは、周囲が穴部220fとして抜き加工され、製造後の組み立て前の状態(部品単体)では、図3(a)に示すように、外周方向に突出して形成されている。これは、後述する、スプリング222の一端を係止する方向である。
【0029】
開口部側の鍔部220aはプラグボディ220に当て付けられ、円筒部220bが取付ボス部210bに嵌合して、固定用切欠部220cをノブ210側へ塑性変形させる(カシメる)ことによりノブ210に一体的に固定される。
【0030】
円筒部220bは、スライドリング230の内環部230aとスライド可能に嵌合する。また、ノブ210の外周部210aとスライドリング230の外環部230bは、スライド可能に嵌合する。したがって、ノブ210及びプラグボディ220は、一体としてスライドリング230に対してスライド可能とされている。また、プラグボディ220の底部220dには、リベット取付け穴220eが形成されている。
【0031】
スライドリング230は、プラグボディ220の円筒部220bとスライド可能に嵌合する内環部230aと、アッシュガード240とスライド可能に嵌合する外環部230bを有する円筒形状とされている。外環部230bには、後述するノブ210との組み立て工程において、カシメ治具500を挿入するための穴部230cがプラグボディ220の固定用切欠部220cに対応して形成されている。
【0032】
図1、2に示すように、ノブ210及びプラグボディ220とスライドリング230の間にはノブ210とスライドリング230が離間する方向に所定の付勢力を付与する状態でスプリング222が装着され、スライドリング230からの反力をノブ210及びプラグボディ220に作用させている。なお、図示は省略したが、ノブ210とスライドリング230が、図1、2に示す位置からさらに離間しないように、抜け止め部が互いに形成されている。
【0033】
ここで、スプリング222は、小径部222aから漸次外径が増大して大径部222bに至るテーパ形状のコイルバネである。小径部222aはノブ210側に、大径部222bはスライドリング230側に接する方向に配置される。なお、スプリング222は、弾性力を発生する弾性部材であればよく、バネ以外のゴム等も使用可能である。
【0034】
スライドリング230の外周部には、アッシュガード240が外嵌されている。アッシュガード240は、鍔部240aが形成された円筒状の部材であって、外周部にはソケット爪112の係合凸部112cが係止される係合凹部240bが1周に亘って形成されている。アッシュガード240とスライドリング230は一体としてソケットボディ110の内周部をスライドでき、鍔部240aがソケットボディ110のフランジ部110aに当接するまでライタプラグ200を押し込むことができる。また、この状態から、さらにノブ210、プラグボディ220、及びヒータエレメント250等を着火動作として押し込むことができる。
【0035】
プラグボディ220の底部220dのリベット取付け穴220eには、ヒータリベット254が立設され、プラグインシュレータ256を挟んでヒータケース252が固定されている。
【0036】
ヒータリベット254の先端部には発熱体部としてのヒータエレメント250等が取付けられている。ヒータエレメント250の外周部にはそれを覆うようにヒータケース252が取り付けられている。ヒータケース252の外周部は、着火動作のためにノブ210が奥に押し込まれたときにバイメタル130の凸状の係合部132が保持できるように突出形状とされている。また、ヒータエレメント250の一端はヒータケース252に電気的に接続されてプラス電圧が印加され、他端はヒータリベット254に電気的に接続されて、それぞれ金属で形成されたプラグボディ220、スライドリング230、アッシュガード240を介してソケットボディ110へ接続されてマイナス側へ電気的に接続される。
【0037】
(ノブ210及びプラグボディ220の組立て)
図4(a)〜(c)は、ノブとプラグボディの組立てを工程ごとに示す、図1(a)相当の縦断面図である。図4(a)において、ノブ210にプラグボディ220の鍔部220aを当て付け、取付ボス部210bにプラグボディ220の円筒部220bを嵌合させる。また、スライドリング230は、その内環部230aがプラグボディ220の円筒部220bと嵌合し、同時に、外環部230bがノブ210の外周部210aスライド可能に嵌合している。このとき、スプリング222は、小径部222aがノブ210側に、大径部222bがスライドリング230側に接する方向に配置されている。ここで、プラグボディ220は、組み立て前の状態(部品単体)では、図3(a)、図4(a)に示すように、固定用切欠部220cが外周方向に突出している。したがって、図4(a)に示すように、スプリング222の小径部222aは、固定用切欠部220cで係止され、プラグボディ220の鍔部220aには達していない。
【0038】
図4(b)は、固定用切欠部220cをノブ210側へ塑性変形させる(カシメる)工程を示す。上記したように、スプリング222の小径部222aはプラグボディ220の鍔部220aには達していないので、固定用切欠部220cをノブ210側へ塑性変形させるカシメ治具500が外周方向から穴部230cを通過して、固定用切欠部220cを直接押すことができる。
【0039】
図4(c)は、固定用切欠部220cがノブ210側へ塑性変形した(カシメられた)状態を示す。カシメ治具500により、固定用切欠部220cが塑性変形して凹部210cに埋入されて、プラグボディ220がノブ210に固定される。これにより、固定用切欠部220cはスプリング222の小径部222aを係止しない状態となるので、小径部222aは伸張して鍔部220aに当接する。
【0040】
なお、前述したように、ノブ210とスライドリング230がスプリング222の付勢力により、図1、2、又は図4に示す位置からさらに離間しないように、図示省略する抜け止め部により抜け止め処理がされる。
【0041】
(シガレットライタの使用動作)
ライタプラグ200をソケットボディ110に挿入すると、アッシュガード240の鍔部240aがソケットボディ110のフランジ部110aに当接するまでライタプラグ200を押し込むことができる。この状態では、図1に示すように、ソケットボディ110のソケット爪112の係合凸部112cがアッシュガード240の係合凹部240bと係合し、ライタプラグ200がライタ受容部100から容易には脱落しないようになっている。
【0042】
図5は、図2(a)におけるライタプラグを押込んだ状態を示す、図2(a)相当の縦断面図である。この押し込んだ状態では、図5に示すように、バイメタル130の凸状の係合部132がヒータケース252の外縁に係合してスプリング222の付勢力に抗してバイメタル130がヒータケース252を保持する。この状態では、コネクタハウジング120のプラス端子180からボルト140、バイメタル130を介してヒータエレメント250の一端にプラス電圧が印加される。一方、ヒータエレメント250の他端は、ヒータリベット254、プラグボディ220、スライドリング230、アッシュガード240、ソケットボディ110を介してマイナス端子185へ電気的に接続される。
【0043】
ヒータエレメント250に通電されると温度が上昇してバイメタル130が外方に変形し、所定の温度に達するとバイメタル130に保持されていたヒータケース252の係合が解除されてプラグボディ220等はスプリング222のバネ付勢力により操作者側に突出移動する。
【0044】
操作者は、ライタ受容部100から前方に突出したノブ210を引っ張ることにより、ライタプラグ200をライタ受容部100から取り出して、ライタプラグ200の発熱したヒータエレメント250により煙草に火を付けることができる。
【0045】
(本発明の実施の形態の効果)
本発明の実施の形態によれば、次のような効果を有する。
(1)本発明の実施の形態に係るライタプラグ200は、固定用切欠部220cを備えたプラグボディ220とノブ210を、固定用切欠部220cのノブ210側への塑性変形(カシメ)により固定して一体化させる構成としている。これにより、従来必要とされていたノブメタル等が不要となり、大幅な部品点数の削減が可能となった。
(2)また、スプリング222は、小径部222aから漸次外径が増大して大径部222bに至るテーパ形状のコイルバネである。小径部222aはノブ210側に、大径部222bはスライドリング230側に接する方向に配置されるので、スプリング222が固定用切欠部220cに確実に係止される。これにより、図4(b)に示したカシメ治具500による組み立て工程において、カシメ治具の進路を妨害せずカシメ工程の邪魔をせず、組み立て作業が容易となる。以上により、本発明の実施の形態により、大幅な部品点数の削減が可能で、組立性に優れたシガレットライタを提供することができる。
(3)また、上記のような大幅な部品点数の削減、組立性の向上と共に、従来必要とされていたネジによるプラグボディとノブを廃止したので、ねじロック等が不要となる。これらのことから、低コスト化が可能となる。
【0046】
以上、シガレットライタを上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
10…シガレットライタ
100…ライタ受容部、110…ソケットボディ、110a…フランジ部、110c…底部、110h…円筒面、112…ソケット爪、112c…係合凸部、120…コネクタハウジング、130…バイメタル、132…係合部、140…ボルト、142…プラス電極、150…ソケットインシュレータ、160…取付部材、161…係止用爪部、170…ナット、180…プラス端子、185…マイナス端子
200…ライタプラグ、210…ノブ、210a…外周部、210b…取付ボス部、210c…凹部、220…プラグボディ、220a…鍔部、220b…円筒部、220c…固定用切欠部、220d…底部、220e…リベット取付け穴、220f…穴部、222…スプリング、222a…小径部、222b…大径部、230…スライドリング、230a…内環部、230b…外環部、230c…穴部、240…アッシュガード、240a…鍔部、240b…係合凹部、250…ヒータエレメント、252…ヒータケース、254…ヒータリベット、256…プラグインシュレータ
400…インストルメントパネル、401…取付穴
500…カシメ治具


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に発熱体部が設けられた円筒形状で、ライタ受容部にスライドリング及びアッシュガードを介してスライド可能に挿入されて装着されるプラグボディと、
前記プラグボディの他端側に設けられて固定されるノブと、
前記スライドリングと前記ノブを離間させる方向に付勢力を付与する弾性部材と、を有し、
前記プラグボディは、前記円筒形状の円筒面の一部に形成された固定用切欠部を有し、前記固定用切欠部の前記ノブの方向への塑性変形により前記ノブと固定されていることを特徴とするシガレットライタ用のライタプラグ。
【請求項2】
前記弾性部材は、小径部及び大径部を有するテーパ形状のコイルバネであることを特徴とする請求項1に記載のシガレットライタ用のライタプラグ。
【請求項3】
前記固定用切欠部は、前記プラグボディと前記ノブの固定前において、前記コイルバネの一端を係止する方向に突出して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシガレットライタ用のライタプラグ。
【請求項4】
前記コイルバネの前記一端は、前記小径部であることを特徴とする請求項3に記載のシガレットライタ用のライタプラグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−86693(P2013−86693A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230348(P2011−230348)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】