説明

ラインストーン貼着器具

【課題】多種類のラインストーンを即座に付着捕獲し、対象物にラインストーンを貼りつける際に容易に器具先端から剥離することができるラインストーンの貼着器具を提供する。
【解決手段】それぞれ2つの短い金属線と長い金属線が熱収縮チューブにより圧着固定一体化され、熱収縮チューブより外に出た長い金属線の先端に、アクリル粘着剤付きポリエチレン樹脂が巻き固められ線状になった粘着芯が内包された極細の熱収縮チューブを装着することで粘着芯をはみ出させることにより、ラインストーンを付着捕獲する粘着部位を形成し、その粘着部位の先端をラインストーンに当てることでラインストーンを即座に確実に付着捕獲しラインストーンを貼着することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインストーンを対象物に貼りつける作業性を向上させるため、棒状の器具の先端に装着された粘着芯の粘着力でラインストーンを付着捕獲し、対象物に簡単に確実に貼着することができる取り扱い器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、ラインストーンを貼着するために、ピンセットを利用したり、真空吸引や粘着力もしくは樹脂製発泡材を利用した器具が知られている。利便性の高い器具としては粘着力を利用した方式が有用であるが、粘着力の保持力と強度に難点があったり、ラインストーンを付着捕獲し対象物に確実に貼着する際に作業効率が悪かったり、また高価なものであったりするなどの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−9742号公報
【特許文献2】特許3805780号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では動作のために電源の確保が必要となり、操作性の難しさがあり、特許文献2はラインストーンを貼着する器具としては高価すぎるところが課題として残っている。
【0005】
また、従来の器具では、棒状の基材の先端部分に粘着素材を塗布したものが多用されているが、粘着素材の粘着力が弱くなったり、粘着素材が剥がれやすかったりして、付着捕獲したラインストーンが作業中に落下して貼着に失敗する問題があった。
【0006】
また、粘着力を利用した貼着器具によっては、粘着力が落ちると粘着素材部品を交換するため、コストがかかったり、粘着素材を何度もこすりつけて付着させる必要があるなど、価格的にも作業効率的にも問題があった。
【0007】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、ラインストーンを器具の先端で安定的に付着捕獲すること、付着捕獲されたラインストーンが器具の先端から簡単に落ちないこと、ラインストーンを対象物に貼着した後はラインストーンが器具の先端から容易に剥がれることにより、操作性が簡単で、機能性が高く、またより安価なラインストーン貼着器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明では、熱収縮チューブ、金属線を規定の長さにカットし、図2の通りに熱収縮チューブ1の中に、長い金属線2と短い金属線3を挿入し、任意の時間加熱後熱収縮チューブ1を収縮させ、長い金属線2と短い金属線3を熱収縮チューブ1にて圧着固定一体化し、長い金属線2の先端は熱収縮チューブよりはみ出す構造とし、指先で握り易く、楽に操作でき、手のひらに収まる長さの操作しやすいラインストーン貼着器具を形成した。図3はその全体の図である。
【0009】
請求項2の発明では、ラインストーンを貼着器具の先端で安定的に付着捕獲するために、図4の5aのようにポリエチレン樹脂の両面にアクリルモノマーからなるアクリル粘着剤が積層された基材を使用することとした。
【0010】
請求項3の発明では、前記アクリル粘着剤付きポリエチレン樹脂5aを巻き固め線状にすることによって適度に弾力性と強じんさを備え、どの部分でも粘着剤を内包する粘着芯5bを形成し、それをラインストーンを付着捕獲する材料として使用する構成にした。
【0011】
請求項4の発明では、図6の通り、極細の熱収縮チューブ4aに、粘着芯5bを挿入し、任意の時間加熱後収縮圧着させた後、規定サイズにカットされた熱収縮チューブ4aに、長い金属線2の先端部分を該熱収縮チューブ4aの長さの半分ほど挿嵌することによって、図7の通り、該熱収縮チューブ4aの内側に圧着固定された粘着芯5bを外にはみ出させることにより、ラインストーンを付着捕獲し、貼着出来る部位を形成することができるようにした。
【発明の効果】
【0012】
本発明のラインストーン貼着器具は、先端部分のアクリル粘着剤を内包するポリエチレン樹脂から成る粘着芯が強度な粘着力を保持するため、数多くのラインストーンを連続的に付着捕獲し、対象物に即座に貼着できる性能効果を持つ。
【0013】
本発明のラインストーン貼着器具は、口径サイズや重さの違う多種類のラインストーンを容易に付着捕獲し、対象物に即座に貼着出来る効果がある。
【0014】
本発明のラインストーン貼着器具は、先端部分の粘着素材を内包するポリエチレン樹脂から成る粘着芯の先端の面積が極めて小さいため、ラインストーンを対象物に貼着する際に粘着芯の先端からラインストーンが剥がれ易い効果がある。
【0015】
本発明のラインストーン貼着器具は、アクリル粘着剤がポリエチレン樹脂の両面に積層されたものを巻き固め線状に形成され粘着芯を構成しているため、適度に弾力性と強じんさを備え、多くの使用頻度に耐えられる効果がある。
【0016】
本発明のラインストーン貼着器具は、先端部分の粘着素材を内包するポリエチレン樹脂から成る粘着芯の先端の面積が極めて小さいため、極めて小さい様々な微小物を貼着する便利さを持つ効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の貼着器具の側面図である。
【図2】前記貼着器具の内部構成を説明する図である。
【図3】前記貼着器具の熱収縮チューブ収縮後の側面図である。
【図4】アクリル粘着剤付きポリエチレン樹脂を巻き固め、粘着芯を形成する説明図である。
【図5】前記粘着芯を熱収縮チューブに装着することを示す図である。
【図6】前記粘着芯が内包された熱収縮チューブを部位にカットした図である。
【図7】貼着器具の長い金属棒の先端に前記部位を挿嵌する図である。
【図8】貼着器具の長い金属棒の先端に図6の部位を挿着した後を示す図である。
【図9】貼着器具でラインストーンを付着捕獲する時の外観図である。
【図10】粘着棒のカット部位と熱収縮チューブの接合部分のサイズを表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に従って一実施例を説明する。図1は本発明のラインストーン貼着器具の外観図である。
【0019】
図2は本発明のラインストーン貼着器具の断面を示した図であり、熱収縮チューブ1に先端部分がはみ出した状態の直径1mmの長い金属棒2と直径2mmの短い金属棒3を挿入した図である。この図2の状態で熱収縮チューブ1を加熱収縮させると図3のように、ラインストーン貼着器具の本体が出来あがる。
【0020】
発明のラインストーン貼着器具は、口径1mm、長さ80mmの長い金属線2と、口径2mm、長さ55mmの短い金属線3を内径2mm、長さ70mmの熱収縮チューブ1に挿入し、一端を揃えた上で100℃1分の条件下で熱収縮チューブ1を収縮させ、圧着一体化したものを図3が示すように本発明器具の本体とする。
【0021】
図4は、1cm巾で厚さ0.01mmのアクリル粘着剤付きポリエチレン樹脂5aを10cmの長さにカットし、長辺をなす一端から巻き込み、細い線状に巻き固めたもの5bを図5のように内径1.5mm、長さ10cmの熱収縮チューブ4に挿嵌し、100℃1分の条件下で熱収縮チューブ4を収縮させ、熱収縮チューブ内に挿嵌されたアクリル粘着剤付きポリエチレン樹脂5bを固定化し、さらにこれを冷却することによりポリエチレン樹脂5bを硬化させ図5のように長い粘着部材4を形成する。
【0022】
図6は、上記長い粘着部材4を5mmの長さにカットすることで、本体の長い金属線2の先端に挿嵌する短い粘着部材4aを形成する。図7は本体の長い金属線2を短い粘着部材4aに挿嵌し、粘着芯をはみ出させた形態である。
【0023】
図8のように、短い粘着部材4aに本体の長い金属線2を挿嵌し、粘着芯5bをはみ出させることにより、その際押し出されアクリル粘着剤付きポリエチレン樹脂からなる粘着芯5bの先端を図9のように、ラインストーンの表面に軽くあてることにより、ラインストーンを的確に付着捕獲することが出来、数多くのラインストーンを簡単に確実に対象物に貼着することができるものである。
【0024】
粘着芯と熱収縮チューブからなる長い粘着部材4の内径は収縮前は2mm、加熱収縮後は約1mmであり、粘着棒の口径は約1mmとなる。その先端がラインストーンに接触する面積は極めて小さいので、強力な粘着力で捕えられたラインストーンは対象物に貼りつけられる際には、本発明のラインストーン貼着器具から容易に剥離し、簡単で的確なラインストーンの貼着作業が可能である。
【0025】
本発明のラインストーン貼着器具本体の熱収縮チューブに内包される金属は、熱収縮チューブの口径に合い、強度のある材料であれ、材質やサイズは様々なものを使用することが可能である。
【0026】
本発明のラインストーン貼着器具本体の熱収縮チューブの外面と後端部分には樹脂塗装が施してあり、すべらないように取扱やすくなっている。
【0027】
本発明のラインストーン貼着器具本体の基材としては、口径2mmの熱収縮チューブが適当であり、熱収縮チューブに内包される長い金属棒は簡単に曲がらない材質で、口径1mm程度が適当である。
【0028】
本発明の一実施例は上記のような構成からなるものであるから、図8に示すように先端に挿嵌された短い粘着部材の粘着芯が強力な粘着力を持つ素材であることから、ラインストーンを簡単に付着捕獲が出来、またラインストーンに接触する面積が極めて小さいことから、対象物に貼りつける際に先端部位がラインストーンから剥がれ易いので、作業が非常に効率的にできる。
【符号の説明】
【0029】
1 加熱前の熱収縮チューブ
1a 加熱後の熱収縮チューブ
2 長い金属棒
3 短い金属棒
4 粘着芯
4a 粘着部材
5a アクリル粘着剤付きポリエチレン樹脂
5b アクリル粘着剤付きポリエチレン樹脂の粘着芯
6 樹脂塗布部
7 ラインストーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属線を、熱収縮チューブで熱収縮させ包みこむことにより圧着固定一体化し、該金属線の先端が熱収縮チューブよりはみ出している構造を有する貼着器具。
【請求項2】
粘着剤がアクリルモノマーからなる請求項1記載の貼着器具。
【請求項3】
アクリル粘着剤が熱可塑性樹脂シートの両面に積層され、線状に巻き固められた粘着芯からなる請求項1記載の貼着器具。
【請求項4】
金属線の先端に、粘着芯が内包された熱収縮チューブ部材を装着することによって粘着芯が一部外にはみ出る構造を有し、かつその粘着芯が小さな物体を付着捕獲する構造をもつことを特徴とする請求項1記載の貼着器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−72167(P2013−72167A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226240(P2011−226240)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(511247703)
【Fターム(参考)】