説明

ラウドスピーカの位置の推定

ラウドスピーカの位置の推定を決定するシステムは、ユーザが移動可能な装置について、ユーザが移動可能な装置の動きを特徴付ける動きデータを決定する動きセンサ201,203及び205を有する。ユーザ入力207,209は、ユーザが移動可能な装置の現在の位置及び組の少なくとも1つが、ユーザアクチベーションが受信されたときのラウドスピーカの位置と関連されることを示すユーザアクチベーションを受信する。たとえば、ユーザアクチベーションは、ユーザがボタンを押下すことから得られる。次いで、分析プロセッサ211は、動きデータ及びユーザアクチベーションに応答してラウドスピーカの位置の推定を生成する。本システムは、話者の位置の推定が、例えば話者に向けて指し示されるか又は位置されるリモートコントロールのような、ハンドヘルド装置に基づくことを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラウドスピーカの位置の推定に関するものであり、より詳細には、限定されるものではないが、民生のサラウンドサウンドシステムにおけるラウドスピーカの位置の推定に関する。
【背景技術】
【0002】
サウンドシステムは、益々進歩し、複雑化し、そして多様化している。たとえば、5又は7チャネルのホームシネマシステムのようなマルチチャネル空間オーディオシステムが普及してきている。しかし、係るシステムにおける音質、特に空間的なユーザエクスペリエンスは、聴いている位置とラウドスピーカの位置との間の関係に依存する。多くのシステムでは、音の再生は、前提とされる相対的なスピーカの位置に基づいており、システムは、スイートスポットとして知られる、比較的小さな領域において高品質の空間的な体験を提供するように典型的に設計されている。従って、このシステムは、スピーカが特定の名目上の聴いている位置でスイートスポットを提供するように配置されていることを前提としている。
【0003】
しかし、理想的なスピーカの位置の設定は、実際に適用される環境の制約のために、実際に再現されないことがある。確かに、ラウドスピーカが所望の設計の特性よりも必要であると考えられるとき、(個人の消費者のような)ユーザは、ラウドスピーカの数及び位置の選択において高い柔軟性を好む。たとえば、典型的なリビングルームにおいて、最適なパフォーマンスが得られる位置に多数のラウドスピーカを配置することができないか、配置することが望まれることがある。
【0004】
オーディオシステムのなかには、スピーカの位置を変えるために手動的な較正及び補正の機能を含むように開発されているものがある。たとえば、多くのホームシネマシステムは、(たとえばラウドスピーカへの距離を手動で示すことにより)それぞれのチャネルについて遅延及び相対的な信号レベルを手動的に設定する手段を含む。しかし、個々のパラメータの係る手動的な設定は、一般的なユーザにとって非常に面倒且つ実際的でない傾向がある。さらに、(多くの非専門家にとってなお紛らわしい一方で)設定することができるパラメータが比較的制限されるとき、最適なパフォーマンスを提供しない傾向にある。
【0005】
また、較正プロセスの間に聴いている位置に配置されるマイクロフォンに基づいて、半自動化されたプロセスを実行することが提案されている。オーディオシステムは、マイクロフォンの位置で最適化された音を提供するため、それぞれのチャネルについて信号経路の様々な特性を最適化する。係るプロセスは音声の品質を改善するが、最適化がマイクロフォンにより提供される情報にのみ基づいており、1つの聴いている位置に制限され、更にマイクロフォンにより捕捉される音に影響を及ぼすパラメータの適合に制限されるとき、比較的制限された柔軟性を提供する。たとえば、係るプロセスは、システムを最適化するために使用することができるダイレクトな空間情報を提供しない。
【0006】
オーディオシステムのなかには、聴いている位置又は領域に関して実際のスピーカの位置に基づいてオーディオ信号処理を最適化する機能を有するものがある。たとえば、ラウドスピーカの配置について最適化された空間的な音再生を消費者に提供する信号処理を自動的に最適化するシステムが提案されている。
【0007】
しかし、係る柔軟なシステムにおける音再生を最適化するため、ラウドスピーカの位置及び好ましくはユーザの聴いている位置及び向きが決定されることが必要である。
【0008】
ラウドスピーカの出力の音響測定に基づいて、スピーカの位置を自動的に決定することができることが提案されている。特に、ラウドスピーカの相対的な位置は、それぞれのラウドスピーカとマイクロフォンを同一位置に配置し、それぞれのスピーカにより、他のラウドスピーカのマイクロフォンにより取得されたキャリブレーション信号を順に再生することで決定されることが提案されている。捕捉された信号から、それぞれの個々のラウドスピーカから全ての他のラウドスピーカへの異なる伝播遅延を決定することで、スピーカの設置の幾何学的なレイアウトの推定を行うことができる。
【0009】
しかし、係るアプローチは、幾つかの関連する問題点を有する。たとえば、それぞれのラウドスピーカについて更なるハードウェア(マイクロフォン)を必要とし、これによりコストを増加させ、係るマイクロフォンがスピーカに設けられるシステムに使用が制限される。さらに、中央のユニットとラウドスピーカのそれぞれとの間の通信を必要とし、これにより複雑度とコストを更に増加させる。たとえば、ラウドスピーカからマイクロフォンまでのダイレクトパスをブロックしているラウドスピーカ又はオブジェクト以外の音源は、このアプローチを著しく低下させる。さらに、この方法は、キャリブレーション信号が再生されるのを必要とし、これは、キャリブレーションプロセスが注目に値するものであって、おそらくユーザを苛立たせることを意味する。また、聴いている位置を決定するため、聴いている位置で更なるマイクロフォンを配置することが必要である。
【0010】
提案されている別のアプローチは、RFID(Radio Frequency IDentification)及びUWB(Ultra-WideBand)のようなRF(無線周波数)に基づいた発見方法である。これらの方法は、発見されるべきオブジェクトに取り付けられたタグを使用する。タグは、複数の(>3)RFセンサにより検出される低電力RF信号を放出し、その後、三角形分割により相対的な位置が決定される。しかし、係るアプローチは、幾つかの関連される問題点を有する。特に、発見されるべきそれぞれのオブジェクトがタグ付けされる必要があり、複数のセンサが必要とされ、これらセンサは、部屋にわたって空間的に分散される必要があり、室内の精度は、比較的低いことがあり、スピーカの配置にオーディオシステムを適合するために不十分である。さらに、このアプローチは、関連される技術のコストが比較的高いので比較的高価である。
【0011】
さらに、大部分の現在提案されているアプローチにとって共通の問題は、スピーカの位置を決定することから、聴いている人の位置を決定することに容易に拡張されないことである。たとえば、聴いている位置でRFIDセンサを配置しなければならないことは不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、スピーカの位置を推定する改善されたシステムが望まれており、特に、増加された柔軟性、改善された音質、低減されたコスト、改善された空間認知及び/又は改善されたパフォーマンスを可能にするシステムが望まれている。
【0013】
本発明は、上述された問題のうちの1以上を単独で又は組み合わせて軽減又は解消するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の態様によれば、ラウドスピーカの位置の推定を行うシステムが提供され、本システムは、以下の構成要素を備える。ユーザが移動可能な装置の動きデータであって、ユーザが移動可能な装置の動きを特徴付ける動きデータを決定する手段。ユーザが移動可能な装置の現在の位置及び向きの少なくとも1つが、ユーザアクチベーションが受信されたときのラウドスピーカの位置と関連することを示すユーザアクチベーションを受信するユーザ入力。動きデータ及びユーザアクチベーションに応答して、ラウドスピーカの位置の推定値を生成する分析手段。
【0015】
本発明は、スピーカの位置の効果的な推定を可能にする。特に、非常に低い複雑度及び/又はユーザフレンドリなアプローチを維持しつつ、比較的高い精度が達成される。このアプローチは、多くの異なるシナリオで使用され、多くの異なるスピーカの設置及びオーディオ環境に適用可能である。
【0016】
このアプローチは、専門家でないユーザにより実行が容易であるシンプルな動作及び測定手順に基づいて、信頼性の高いスピーカの位置の決定が可能となるので、消費者のセグメントにとって特に適切である。
【0017】
本発明は、低コストのアプローチを可能にし、特に、全ての個々のスピーカと同一場所に配置されるか又は全ての個々のラウドスピーカに組み込まれる個別の測定機器の必要を回避する。確かに、このアプローチは、使用されている特定のスピーカに完全に独立している。確かに、スピーカの位置は、配置されているスピーカなしに推定され、アプローチは、たとえばスピーカの実際の設置前にシステムの前較正のために使用される。
【0018】
また、システムは、ラウドスピーカの何れかと推定機能との間の通信を必要としない。確かに、多くの実施の形態では、スピーカの位置の推定に関連するデータの通信は、ユーザが移動可能な装置からのデータの通信に限定される。
【0019】
このアプローチは、多くのシナリオにおいて、所与の聴いている位置について相対的なスピーカの位置に関する改善されたダイレクトな評価を提供し、たとえば三角形分割又は最小自乗推定アルゴリズムのような複雑、不正確、又は誤りが多い推定の間接的なアルゴリズムに依存しない。さらに、このアプローチは、ダイレクトな視線を必要とせず、無線干渉又はオーディオ干渉のような干渉に対して感度が低い。
【0020】
また、低コストの実現が達成され、特に、このアプローチは、スピーカの位置の推定が低コストのMEMS(Micro Electro-Mechanical System)動きセンサのような低コストの動きセンサの技術からのデータに基づくことを可能にする。
【0021】
移動可能な装置の向きは、移動可能な装置の相対的又は絶対的な向きの指示、及び/又は物理的な軸又は解析的な軸の周りの移動可能な装置の回転の指示を含む。ユーザが移動可能な装置の位置及び向きは、ユーザが移動可能な装置の相対的又は絶対的な位置、アライメント、方向、回転、角度又は姿勢の指示を含む。
【0022】
動きデータは、たとえばユーザが移動可能な装置における1以上の動きセンサにより生成される。幾つかの実施の形態では、動きデータを決定する手段は、ユーザが移動可能な装置に含まれる。幾つかの実施の形態では、ユーザ入力は、ユーザが移動可能な装置に含まれる。1実施の形態では、分析手段は、ユーザが移動可能な装置に部分的に又は完全に含まれる。
【0023】
ラウドスピーカの位置の推定は、ラウドスピーカの位置からの音のレンダリング又はプレゼンテーションの特性を変更するために使用される。たとえば、ラウドスピーカの位置は、サラウンドサウンドシステムのような、マルチチャネル空間サウンドシステムのラウドスピーカと関連される。ラウドスピーカの位置の推定は、マルチチャネル信号の個々のチャネルの信号を提示する空間チャネルのラウドスピーカに対応する。本システムは、推定されるラウドスピーカの位置に応答して、推定されるラウドスピーカに関連するラウドスピーカからマルチチャネル信号のプレゼンテーションの特性を変更する手段を含む。正確なラウドスピーカの位置の推定の使用は、マルチチャネル信号のプレゼンテーションを最適化するための非常に増加された柔軟性及び範囲を提供する。
【0024】
本発明の随意的な特徴によれば、分析手段は、動きデータにおけるユーザが移動可能な装置の向きを示す向きデータを決定する。
【0025】
これは、多くのシナリオにおいて改善された推定及び/又は容易にされた動作を提供する。方向は、ユーザが移動可能な装置の角度、向き及び/又は回転を含む。
【0026】
本発明の随意の特徴によれば、分析手段は、ユーザアクチベーションの方向データに応答して、複数のユーザアクチベーションのそれぞれについて、ある位置からラウドスピーカへの方向を推定し、この方向に応答してラウドスピーカの位置の推定を決定する。
【0027】
これは、多くのシナリオにおいて改善された推定及び/又は容易にされた動作を提供する。特に、方向は、ある基準方向に関するある角度により表現される。基準となる方向は、スピーカ設置の中央の対称点に向かう方向、及び/又は聴いている人の真正面の角度のような予め決定された空間音響の知覚角度に対応する。
【0028】
位置は、3次元、2次元又は1次元空間における任意の位置である。この位置は、多くの応用において、聴いている位置である。この位置は、ユーザアクチベーションの1以上を受信しているとき、ユーザが移動可能な装置の位置に対応する位置であるか、又は、たとえばこれらの位置から決定される場合がある(たとえば平均値)。
【0029】
本発明の随意の特徴によれば、分析手段は、前記位置からそれぞれのラウドスピーカの位置までの予め決定された距離の推定に応答して、ラウドスピーカの位置の推定を決定する。
【0030】
これは、多くのシナリオ、応答及びスピーカの設置について十分に正確である結果を提供しつつ、容易にされたラウドスピーカの位置の推定を可能にする。
【0031】
予め決定された距離は、全てのラウドスピーカについて同じであるか、又は異なるスピーカについて異なる場合がある。予め決定された距離は、たとえば設計段階で設定される固定された距離であるか、又はユーザにより手動で入力される。従って、予め決定された距離は、測定されていない距離である。
【0032】
本発明の随意の特徴によれば、分析手段は、動きデータに応答してユーザが移動可能な装置の位置を示す位置データを決定する。
【0033】
これは、多くのシナリオにおいて改善された推定及び/又は容易にされた動作を提供する。方向は、ユーザが移動可能な装置の角度、向き及び/又は回転を含む。位置データは、たとえば動きデータから生成される。たとえば、位置データを提供するために加速度データが2度積分される。ユーザアクチベーションに関連するユーザが移動可能な装置が決定される。位置は、絶対値としての位置として決定されるか、たとえば聴いている位置に関するといった、相対値としての位置として決定される。
【0034】
本発明の随意の特徴によれば、分析手段は、ユーザアクチベーションに関連する位置データに応答して、複数のユーザアクチベーションのそれぞれについて、ユーザが移動可能な装置の相対的な位置を推定し、相対的な位置に応答してラウドスピーカの位置の推定値を決定する。
【0035】
これは、提示される音の最適化に非常に適した推定を提供しつつ、低い複雑度の推定プロセスを提供する。
【0036】
本発明の随意の特徴によれば、ラウドスピーカの位置は、それぞれの相対的な位置がラウドスピーカの位置に対応することを想定して決定される。
【0037】
これは、多くのシナリオにおいて改善された推定及び/又は容易にされた動作を提供する。特に、推定された位置に位置されるラウドスピーカからの提示される音の改善された最適化が可能となる。
【0038】
本発明の随意の特徴によれば、ユーザ入力は、ユーザが移動可能な装置の現在の位置又は方向は、聴いている位置の基準に関連されることを示す基準となるユーザアクチベーションを受信し、分析手段は、基準となるユーザアクチベーションに応答して、基準の位置又は方向を決定し、基準の位置又は方向に応答してスピーカの位置の推定を決定する。
【0039】
これは、推定されたスピーカの位置からの音のレンダリングの改善された最適化を可能にし、特に、特定の、且つユーザが選択可能/定義可能な聴いている位置の最適化を可能にする。
【0040】
本発明の随意の特徴によれば、分析手段は、聴いている位置に関するスピーカの位置の推定を決定する。
【0041】
これは、推定されるスピーカの位置からの音のレンダリングの推定及び/又は最適化を容易及び/又は最適化する。
【0042】
本発明の随意の特徴によれば、ユーザ入力は、ラウドスピーカの位置が不使用にされることを示すユーザ入力を受信し、分析手段は、対応するスピーカの位置を不使用として指定する。
【0043】
これは、簡単且つユーザフレンドリなキャリブレーションプロセスを可能にしつつ、高い柔軟性及び/又は改善された適合性を提供する。特に、音のレンダリングは、使用されるルドスピーカの正確な数及び推定される位置に適合される。
【0044】
本発明の随意の特徴によれば、ユーザの移動可能な装置がハンドヘルド装置である。
【0045】
これは、高い柔軟性及びユーザフレンドリなアプローチを提供し、消費者のセグメントにおいて特に有利である。ハンドヘルド装置は、特に、リモートコントロールである場合がある。リモートコントロールは、ユーザ装置を制御可能なリモートコントロールである。特に、リモートコントロールは、推定されたラウドスピーカの位置に関連するラウドスピーカを駆動する(増幅器のような)ラウドスピーカ駆動装置のリモートコントロールである。従って、アプローチは、サウンドシステムを制御するために提供される標準的なリモートコントロールがスピーカの位置の正確なキャリブレーションのために使用されるのを可能にする。
【0046】
本発明の随意の特徴によれば、ユーザが移動可能な装置は、ユーザアクチベーションのときに、ユーザが移動可能な装置の位置の推定及び方向の推定の少なくとも1つを決定し、ユーザが移動可能な装置は、位置の推定と方向の推定の少なくとも1つをリモートユニットに伝達する手段を更に有する。
【0047】
これは、多くの実施の形態において効果的なアプローチを提供し、特に、ユーザが移動可能な装置から伝達されているデータを低減し、これによりバッテリ使用等を低減することができる。ユーザが移動可能な装置は、特に、未処理の動きデータ、又は個々のユーザアクチベーションを特徴付けるデータを伝達することが必要とされない。
【0048】
本発明の随意の特徴によれば、ユーザが移動可能な装置は、動き検出センサを備え、決定手段は、動き検出センサからのデータに応答して、動きデータを決定し、動き検出センサは、ジャイロスコープ、加速度計、磁気計の少なくとも1つを含む。
【0049】
これは、改善された及び/又は容易にされた動作、或いは複雑度/コストを提供する。
【0050】
本発明の随意の特徴によれば、システムは、音声信号が推定されるべき第一のラウドスピーカの位置から放出させる手段、及び、音の放出に関連する時間間隔において受信されるユーザアクチベーションを第一のラウドスピーカの位置に関連させる手段を更に備える。
【0051】
これは、正確なキャリブレーションの実行においてユーザを支援する。
【0052】
本発明の態様によれば、ラウドスピーカの位置の推定を決定する方法が提供され、本方法は、ユーザが移動可能な装置について、ユーザが移動可能な装置の動きを特徴付ける動きデータを決定するステップ、ユーザアクチベーションが受信されたときに、ユーザが移動可能な装置の現在の位置及び向きの少なくとも1つがラウドスピーカの位置に関連することを示すユーザアクチベーションを受信するステップ、並びに、動きデータ及びユーザアクチベーションに応答してラウドスピーカの位置を生成するステップを含む。
【0053】
本発明のこれらの態様、特徴及び利点、並びに他の態様、特徴及び利点は、以下に記載される実施の形態を参照して、明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
本発明の実施の形態は、添付図面を参照して、例示を通して記載される。
【図1】従来の5チャンネルサラウンドサウンドシステムにおけるスピーカシステムの設置を例示する図である。
【図2】本発明の幾つかの実施の形態に係る、スピーカの位置を推定するシステムのエレメントを例示する図である。
【図3】本発明の幾つかの実施の形態に係る、スピーカの位置を推定するシステムの構成要素を有するリモートコントロールを例示する図である。
【図4】本発明の幾つかの実施の形態に係る、スピーカの位置を推定するシステムの構成要素を含むリモートコントロールの使用を例示する図である。
【図5】本発明の幾つかの実施の形態に係る、スピーカの位置を推定するシステムの構成要素を含むリモートコントロールの使用を例示する図である。
【図6】本発明の幾つかの実施の形態に係る、スピーカの位置を推定するシステムの構成要素を含むリモートコントロールの使用を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下の記載は、ホームシネマのサラウンドサウンドシステムにおけるスピーカの位置の推定に適用可能な本発明の実施の形態に焦点を当てる。しかし、本発明は、この応用に限定されるものではなく、多くの他のサウンドシステムにおけるスピーカの位置の推定に適用される場合がある。
【0056】
図1は、ホームシネマシステムのような従来の5チャネルのサラウンドサウンドシステムにおけるスピーカシステムの設置を例示する。本システムは、中央のフロントチャネル、を提供する中央のスピーカ101、左のフロントチャネルを提供する左のフロントスピーカ103、右のフロントチャネルを提供する右のフロントスピーカ105、左のリアチャネルを提供する左のリアスピーカ107、右のリアチャネルを提供する右のリアスピーカ109を含む。5つのスピーカ101〜109は、聴いている位置111での空間の音の体験を提供し、この位置で聴いている人がサラウンド且つ実体験のように感じる音の体験を受けるのを可能にする。多くのホームシネマシステムでは、システムは、LFE(Low Frequency Effects)チャネルのサブウーファーを更に提供する。
【0057】
しかし、実際のシナリオでは、理想的な位置にラウドスピーカを配置することは可能ではないか又は便利ではないことがある。確かに実際のシステムでは、スピーカの実際の位置は、多種多様である。これは、聴いている位置での音知覚に大きな影響を有し、特に、空間認知に大きな影響を及ぼす。スピーカの変化を補償するため、サウンドシステムは、実際のスピーカの位置に特に適合される補償を含む。しかし、係るアプローチは、適切な補償を提供するために、スピーカの位置の正確な推定に依存する。
【0058】
図2は、本発明の幾つかの実施の形態に係る、ラウドスピーカの位置を推定するシステムを例示する。
【0059】
本システムは、動きデータを提供するため、ユーザが移動可能な装置において動きセンサを使用することに基づいている。さらに、本システムは、キーの押下のようなユーザアクチベーションを受信する。このユーザアクチベーションは、ユーザが移動可能な装置の現在の位置又は方向がスピーカの位置にリンクされることを示すものであり、すなわち、これらユーザアクチベーションは、スピーカの位置の指示を提供する。たとえば、ユーザが移動可能な装置がラウドスピーカのうちの1つを指しているとき、又はラウドスピーカのうちの1つの上にあるときに、ボタンが押下される。
【0060】
次いで、システムは、動きデータとユーザアクチベーションからスピーカの位置を計算する。たとえば、ユーザが移動可能な装置は、ユーザアクチベーションが受信されたとき、ラウドスピーカの位置に配置されるか、又はラウドスピーカの位置の方向を指す。ユーザが移動可能な装置の方向又は位置は、この瞬間でダイレクトに計算され、ラウドスピーカの位置の指示として使用される(又はスピーカの位置としてダイレクトに使用される)。
【0061】
特に、本システムにおいて、動きセンサが小型のハンドヘルド装置(たとえばホームシネマシステムのリモートコントロール)に統合され、これらのセンサは、ラウドスピーカの設置に関するユーザの方向と同様に、聴いている位置に関してラウドスピーカの位置を決定するために使用される。特に、ユーザは、彼の聴いている位置からラウドスピーカに向けてユーザの移動可能な装置を連続して指すように指示されるか、ラウドスピーカに隣接して又はラウドスピーカの上にユーザが移動可能な装置を配置するように指示される。これらの決定されたラウドスピーカの位置(及び随意に、聴いている位置及び/又はユーザの方向)は、たとえばオーディオ信号の適切なリマッピングを適用することで、ラウドスピーカシステムの空間的な音再生を最適化するために使用される。
【0062】
図2の例では、ユーザが移動可能な装置は、第一の動きセンサ装置201及び第二の動きセンサ装置203を有しており、これらのセンサ装置は、ユーザが移動可能な装置の動きを特徴付ける動きデータを生成する。他の実施の形態では、より少ないセンサ装置又はより多いセンサ装置が使用される場合がある。動きセンサ201,203は、特に、ジャイロ、加速度計、又は磁気計のような1以上のMEMSセンサを含む。
【0063】
様々なMEMS動きセンサが利用可能であり、小型、複雑度の低さ及び低コストとなる傾向にあり、これにより小型で低コストの携帯用装置を含む装置における使用に適したものとなる。また、係るセンサの精度は、比較的高く、継続して改善されている。
【0064】
以下を含む異なるタイプのMEMSセンサが存在する。
1,2又は3次元における直線加速度を測定する加速度計。
1,2又は3次元における変化の角速度を測定するジャイロスコープ。
磁北に関して角度方向を測定する磁気計。
【0065】
第一及び第二の動きセンサ装置201,203は、生成されたセンサデータを受信する動きプロセッサ205に結合される。動きプロセッサ205は、センサ装置201,203から導出又は受信された動きデータが供給される分析プロセッサに更に結合される。
【0066】
さらに、本システムは、ユーザからの入力を受けるユーザインタフェース207を有する。ユーザインタフェースは、たとえば、ユーザにより押下された1以上のキー又はボタンを含む。ユーザインタフェース207は、ユーザ入力が受信されたかを検出するユーザプロセッサ209に結合される。特に、ユーザプロセッサ209は、ユーザがキー又はボタンを押下したかを検出する。さらに、ユーザプロセッサ209は、分析プロセッサ211に結合され、分析プロセッサは、ユーザ入力が検出されたときは何時でもユーザアクチベーションの指示が供給される。特に、ユーザがキー又はボタンを押下したときは何時でも、ユーザプロセッサ209は、ユーザアクチベーションの指示を生成し、この指示を分析プロセッサ211に供給する。
【0067】
分析プロセッサ211は、受信された動きデータ及びユーザアクチベーションに基づいて1以上のスピーカの位置を推定する。たとえば、分析プロセッサ211は、ユーザアクチベーションが受信されたとき、ユーザが移動可能な装置の位置を連続して推定し、現在の位置を捕捉する。分析プロセッサは、この位置を推定されたスピーカの位置としてダイレクトに使用する。別の例として、分析プロセッサ211は、ユーザアクチベーションが受信されたとき、ユーザが移動可能な装置の方向を連続して検出し、現在の方向を捕捉する。分析プロセッサ211は、方向及び例えばスピーカ位置への予め決定された固定された想定される距離とに基づいて、(聴いている位置111であると想定される)ユーザの移動可能な装置の現在の位置に関するスピーカの位置を推定する。
【0068】
例において、分析プロセッサ211は、オーディオシステムコントローラ213に結合され、このコントローラは、スピーカの位置に関連するスピーカからのオーディオをレンダリングするオーディオシステムの動作を制御する。オーディオシステムは、たとえば、推定されるスピーカの位置に関連する(位置されると想定される)ラウドスピーカのセットを駆動しているホームシネマ増幅器である。オーディオシステムコントローラ213は、オーディオシステムのスピーカの特定の推定される位置に適合するように、オーディオシステムの動作を制御する。
【0069】
たとえば、それぞれのスピーカの遅延及び/又はレベルは、スピーカから聴いている位置までの推定される距離に依存して設定される。さらに、それぞれのスピーカについて正確な推定される位置が既知であるとき、より複雑且つ柔軟性の高い適合が使用される場合がある。たとえば、オーディオシステムコントローラ213は、1以上のラウドスピーカが空間経験を向上よりも低下させる可能性が高いことを判定し、これらが使用されるのを無効にする。次いで、オーディオシステムは、対応する期待されるスピーカの位置が使用されないシナリオについて最適化される。たとえば、サラウンドスピーカが聴いている位置に余りに近い場合、このサラウンドスピーカの機能が無効にされる。
【0070】
別の例として、推定されるスピーカの位置は、特定のスピーカに対して異なるオーディオチャネルの柔軟な分散を提供することで、向上された空間信号を提供するために使用される。たとえば、(例えば、聴いている位置が後壁に直面して位置されるソファに対応し、これにより後部のサラウンドスピーカを阻んでいるため)スピーカの位置の推定は、左のフロントスピーカ103及び右のフロントスピーカ105が中央のスピーカ101に非常に近くに配置されており、左のサラウンドスピーカ105及び右のサラウンドスピーカ107が聴いている人の背後ではなく、聞いている人の側に位置されることを示す。係る状況において、従来のサラウンドシステムは、比較的圧縮された空間体験を提供する。しかし、ラウドスピーカの位置の推定に基づいて、オーディオシステムコントローラ213は、ホームシネマ増幅器を制御して、左のフロントスピーカ103及び左のサラウンドスピーカ107の両者を通して左のフロントチャネルをレンダリングする。これは、左のフロントスピーカ103と左のサラウンドスピーカ107との間の左のフロントチャネルについて知覚された位置を提供し、この正確な位置は、2つのラウドスピーカを通して左のフロントチャネルの正確な分散により調節可能である。同じアプローチは、右のフロントチャネルに適用され、これにより改善された及び向上された空間体験が提供される。
【0071】
ラウドスピーカの位置の推定の使用は、オーディオシステムの動作の適合又は最適化に限定されるものではないことを理解されたい。たとえば、幾つかの実施の形態では、システムは、決定されたラウドスピーカの位置が適切な基準のセットを満たすかを判定し、満たさない場合にユーザの指示を提供する。たとえば、本システムは、聴いている位置に余りに近いと考えられるラウドスピーカを検出し、これらのスピーカがさらに離れて移動されることを示すか、又は例えば適切な空間的な音の体験を提供するために十分に対称的ではないスピーカの設置を検出し、スピーカが適切な空間的な音の体験を提供するために移動されるべきことを示す。
【0072】
図2の機能は、本システムにおいて自由に分散される場合がある。
典型的に、第一の動きセンサ装置201及び第二の動きセンサ装置203は、動きプロセッサ205である、ユーザが移動可能な装置に配置される。従って、基礎となる未処理の動きデータは、ユーザが移動可能な装置で生成される。
【0073】
ユーザインタフェース207及びユーザプロセッサ209は、多くの実施の形態では、多くのシナリオにおいて実際のユーザエクスペリエンスを提供するとき、ユーザが移動可能な装置に含まれる。たとえば、ユーザは、スピーカの位置を表すか又は示すように、ユーザが移動可能な装置を移動させ、次いで、ユーザが移動可能な装置のボタンを押下してこれを示す。しかし、幾つかの実施の形態では、ユーザインタフェース207及びユーザプロセッサ209は、ユーザが移動可能な装置の一部ではなく、別の装置の一部である場合がある。たとえば、幾つかの実施の形態では、ユーザインタフェース207及びユーザプロセッサ209は、たとえばホーシネマ増幅器の一部といった、ラウドスピーカを駆動するオーディオシステムに含まれる場合がある。
【0074】
分析プロセッサ211は、幾つかの実施の形態では、ユーザが移動可能な装置に完全に含まれ、他の実施の形態では、ユーザが移動可能な装置の完全に外部にある場合があり、更に他の実施の形態では、ユーザが移動可能な装置に部分的に実現される場合がある。
【0075】
たとえば、幾つかの実施の形態では、ユーザが移動可能な装置は、第一の動きセンサ装置201及び第二の動きセンサ装置203を含み、動きプロセッサ205は、たとえばオーディオ増幅器に未処理の動きデータを伝達する通信機能を有する。オーディオシステム増幅器は、未処理の動きデータを受信し、分析プロセッサ211と同様に、ユーザインタフェース207及びユーザプロセッサ209を有する。従って、ボタンがオーディオシステム増幅器で押下されたときは何時でも、ユーザが移動可能な装置について動きデータにより示されるように、対応するスピーカの位置のデータを判定する。係る実施の形態の利点は、非常に簡単且つ低い複雑度のユーザが移動可能な装置を可能にすることである。
【0076】
同様な実施の形態では、ユーザが移動可能な装置は、ユーザインタフェース207及びユーザプロセッサ209を備えるが、ユーザアクチベーションが受信された時はシンプルに通信する。従って、この例では、ユーザプロセッサ209は、例えばオーディオシステム増幅器にユーザの入力データを伝達する通信機能を有する。オーディオシステム増幅器は、分析プロセッサ211を実現し、この分析プロセッサは、未処理の動きデータ及びユーザアクチベーションに基づいてスピーカの位置の推定を決定する。係る実現の利点は、低い複雑度のユーザが移動可能な装置を得ることができ、特に、計算リソースがユーザが移動可能な装置で利用可能となることを必要としないことである。
【0077】
別の例では、分析プロセッサ211は、ユーザが移動可能な装置自身がスピーカの位置の推定を計算し、次いで計算されたスピーカの位置の推定は、例えばオーディオシステム増幅器に伝達されるように、ユーザが移動可能な装置で完全に実現される。これは、ユーザが移動可能な装置の通信の要件を低減し、ユーザが移動可能な装置が、例えば、特定のスピーカの位置にパフォーマンスを適合するが、位置を推定する機能をそれ自身は有さない既存の増幅器と使用されるのを可能にする。
【0078】
多くの他の実現及び変形が可能であることを理解されたい。例えば、幾つかのシナリオでは、ユーザが移動可能な装置は、それぞれのユーザアクチベーションに関連する向きを計算し、これをオーディオシステム増幅器に伝達し、次いで、オーディオシステム増幅器は、提供される向きに依存してスピーカの位置を決定する。従って、係る実現では、分析プロセッサ211は、ユーザが移動可能な装置とオーディオシステム増幅器にわたり分散される。係る例では、方向のみが伝達される必要があることを理解されたい(例えば、未処理の動きデータ又はユーザアクチベーションが伝達される必要はない)。従って、多くのシナリオでは、係る中間のアプローチは、例えば計算上のリソースの要件と通信上のリソースの要件との間の有利なトレードオフを提供する。同じアプローチは、ユーザが移動可能な装置のユーザアクチベーションに関連する位置について容易に使用することができることを理解されたい。
【0079】
以下では、ユーザが移動可能な装置がハンドヘルド装置であり、特にリモートコントロールである様々な例が提供される。リモートコントロールの使用は、例えばユーザインタフェース、通信機能及び計算リソースのような必要とされる機能の幾つかを既に含むときに、特に有利である。さらに、オーディオシステムを制御するために必要とされることがあり、従って更なるスピーカの位置の推定の機能を提供するコストは、非常に低く維持される。また、ユーザが余分の装置を必要としないが、既に提供された装置から更なる機能を簡単に提供されるときに、ユーザフレンドリである。リモートコントロールは、特に、オーディオシステム増幅器のリモートコントロールである。
【0080】
システムの動作の例として、ユーザアクチベーションが受信されたときに、推定は、動きデータからリモートコントロールの位置の決定に基づく。例えば、第一及び第二のセンサ201,203は、リモートコントロールの連続する位置の推定を提供するため、リモートコントロールにより連続して2度積分される動きデータを与える加速度計を含む。次いで、ユーザは、システムにおけるラウドスピーカの上にリモートコントロールを順次に配置し、次いでボタンを押すように指示される。ボタンが押されたときの位置は、捕捉され、推定されるスピーカの位置に対応すると考えられる。
【0081】
プロセスは、特に、聴いている位置に関して実行される。例えば、推定プロセスは、聴いている位置を占めており、ボタンを押しているユーザにより開始される。これは、計算された位置をリセットする。従って、聴いている位置は、スピーカの位置が決定される基準の位置である。次いで、ユーザは、第一のスピーカに動く。位置の変化は、加速度計により追跡され、この加速度計は、聴いている位置に関して位置の推定を提供するために、2度積分される加速度データを提供する。リモートコントロールが第一のスピーカの上に配置されるとき、ボタンが押下され、現在の計算された位置がそのスピーカについて捕捉される。次いで、ユーザは、次のスピーカに進み、ボタンを押し、これは、全てのスピーカについて繰り返される。従って、分析プロセッサ211は、ユーザアクチベーションの位置データに基づいて、それぞれのユーザアクチベーションについてリモートコントロールの相対的な位置を推定する。ラウドスピーカの位置の推定は、これらの想定的な位置から決定される。特に、位置の推定は、これらの位置としてダイレクトに決定され、すなわちそれぞれのユーザアクチベーション(キープレス)に関連する相対的な位置は、ラウドスピーカの位置にダイレクトに対応すると想定される。
【0082】
この例では、位置は、聴いている位置に関して決定される。この聴いている位置は、リモートコントロールが聴いている位置に配置されていることを示す基準となるユーザアクチベーションが受信されたときに、リモートコントロールの位置として決定される。この基準となるユーザアクチベーションは、例えば専用のキープレス(例えば専用のボタン)であるか、又は、例えばキャリブレーションプロセスの最初又は最後のユーザアクチベーションのような特定の時間でのユーザアクチベーションである。
【0083】
特定の例として、図3は、2つの方向x,yが定義されるリモートコントロールを例示する。リモートコントロールは、リモートコントロールのx-y平面における加速を測定する少なくとも1つの2軸加速度計の形態で動きセンサを含む。このシナリオでは、所望の聞いている位置に座っているユーザは、ユーザのデッドフロント(dead front)方向であるか、又は関連するディスプレイの方向である、基準の方向にリモートコントロールを指すように指示され、ボタンを押す。リモートコントロールは、この方向を基準の方向として設定する。さらに、リモートコントロールは、現在の位置を基準の位置に設定する(例えばx及びy軸の加速度計について積分器の値をリセットする)。
【0084】
特定の例では、全体の手順の間の同じ方向でユーザはリモートコントロールを保持することが想定され、すなわちユーザは、その軸の周りにリモートコントロールを回転しないように指示される。また、全てのラウドスピーカ及び聴いている位置は、同じ高さにあることが想定される。
【0085】
次いで、ユーザは、第一のラウドスピーカに向かってリモートコントロールと歩くように指示される。
【0086】
キャリブレーションのシーケンスを指定する指示マニュアル、又は例えば移動すべき次のスピーカを示すリモートコントロール上の表示により、どのラウドスピーカが最初に示されるかを指定するために異なるアプローチが使用される。
【0087】
特定の例として、システムは、現在推定されているラウドスピーカの位置でラウドスピーカから音声信号のみを放出する。次いで、この信号は、ユーザがこのラウドスピーカに向かって歩くべきであることを示す。次いで、システムは、音の放出に関連する時間間隔で受信されたユーザアクチベーションを、この特定のラウドスピーカの位置に関連付けする。たとえば、スピーカがテスト信号を放出している間にボタンが押された場合、このボタンの押下は、リモートコントロールがこのスピーカの上に位置されることを示す。次いで、システムは、このシーケンスにおいて次のスピーカから音を放出し始める。
【0088】
ユーザが推定するために次のラウドスピーカに向かって歩いている間、リモートコントロールの軌跡は、加速度計により追跡され、加速度データは、x−y面における現在の位置を提供するために2度積分される。ユーザがラウドスピーカの位置に到達したとき、彼は、ラウドスピーカ上にリモートコントロールを配置してボタンを押す。このユーザアクチベーションにより、現在の位置はそのラウドスピーカについて捕捉される。
【0089】
次いで、ユーザは、次のラウドスピーカに向かって歩き、このスピーカの上にリモートコントロールを配置し、ボタンを再び押すように指示される。この手順は、全てのラウドスピーカの位置が決定されるまで繰り返される。
【0090】
この手順の終わりで、聴いている位置及びユーザの向きと同様に、互いに関する全てのラウドスピーカの位置が捕捉される。
【0091】
リモートコントロールの動きの追跡及び位置の決定は、ボタンの押下の時間と共に、例えば全体の手順の間に時間の関数として記録されている未処理のセンサデータに基づく。リモートコントロールの物理的な軌跡の計算は、ラウドスピーカの位置と同様に、例えばリモートコントロールではない別の装置により、キャリブレーション手順が終了した後に計算される。別の例として、ラウドスピーカの位置は、キャリブレーション手順の間にセンサデータからダイレクトに決定され、決定された位置のみが記憶される。
【0092】
例において、未処理の加速度データからの軌跡の計算は、加速度データの2度の積分を含む。係るアプローチは、十分に正確である加速度計にとって有効である。しかし、多くの低コストのMEMSに基づく加速度計は、2度の積分により時間を通して不正確さが増大するというドリフトの問題に苦しむ。確かに、2度の積分は、比較的に迅速に増大する位置の推定の誤差となる。従って、幾つかの実施の形態では、このドリフトの補正が含まれる。特に、ボタンが押下されたときにリモートコントロールの速度がゼロである事実は、ドリフトの補償要素を決定及び利用するために使用される。従って、軌跡におけるラウドスピーカのマーカとして給仕することに加えて、ボタンが押された瞬間は、加速度計からの記録されたデータを補正する基準点として使用される。適切な補正要素を決定する特定の例は、たとえばYun等による文献“Self-contained position tracking of human movement using small inertial/magnetic sensor modules”(2007 IEEE International Conf. On Robotics and Automation, April 2007)に記載される。
【0093】
特定の例では、単一の2軸加速度計が使用され、リモートコントロールが手順の間に同じ方向で常に保持され、全てのラウドスピーカ及び聴いている位置が同じ高さであることを前提としている。しかし、この前提は、全ての実施の形態で適切ではない。従って、幾つかの実施の形態では、その軸の何れかに沿ったリモートコントロールの回転が許容され、異なる高さでラウドスピーカの正確なキャリブレーションを可能にするのと同様に、より自然な人間の動きが得られる。これは、1軸、2軸又は3軸のジャイロスコープ、x方向における加速度を測定する加速度計(又は、第一の実施の形態の2軸の加速度計を3軸の加速度計で置き換えることによる)、及び/又は磁気計のような適切なセンサを追加することで達成される。
【0094】
幾つかの実施の形態では、ユーザアクチベーションが受信されたが、係る時間でリモートコントロールの方向に基づくとき、スピーカの位置の推定は、リモートコントロールの位置に基づいていない。特に、スピーカの位置は、ユーザアクチベーションが受信されたときに、リモートコントロールの方向に基づいて推定される。
【0095】
特に、本システムは、ボタンが押下されたときに、ある位置からラウドスピーカに向かう方向を推定する。位置は、特に聴いている位置であり、方向は、リモートコントロールの適切な軸の方向である。たとえば、ユーザは、聴いている位置におり、リモートコントロールをラウドスピーカの方向に向ける。ユーザがボタンを押下したとき、リモートコントロールの現在の方向は、動きデータから決定される。例えば、リモートコントロールのX軸の方向は、基準となる方向に関して決定される。基準の方向は、所望の基準の方向(例えば真正面)にリモートコントロールを向け、基準の方向のボタンを押している聴取者により決定される。2つの方向の間のリモートコントロールの動きは、動きセンサにより追跡され、2つの状況における方向を決定するために使用される。特定の例として、ユーザアクチベーションが受信されたとき、リモートコントロールは、リモートコントロールの現在の方向と、基準のユーザアクチベーションが受信されたときの方向との間の相対的な角度の決定に進む。
【0096】
アプローチは、全てのラウドスピーカについて繰り返され、例えば、ユーザは、全てのラウドスピーカの方向でリモートコントロールを順次に指し、(同じ位置にとどまる間に)ボタンを押す。次いで、スピーカの位置は、たとえばラウドスピーカのそれぞれがリモートコントロールの方向であって、予め決定された距離(例えば、フロントスピーカについて3メートル、右フロントスピーカ及び左のフロントスピーカについて3.5メートル、及びサラウンドスピーカについて2メートル)で位置されることを前提とすることで、これらの方向から決定される。
【0097】
低い複雑度の例として、リモートコントロールは、(図3のX-Y平面に垂直である)垂直方向のz軸の周りのリモートコントロールの角速度を測定する1軸ジャイロスコープを有する。従って、水平面における角速度は、リモートコントロールがグランドプレーンに平行に向けられている場合に測定される。
【0098】
この例では、(おそらくユーザの組と同様に)ユーザに関して個々のラウドスピーカの角度のみが必要とされることが前提とされる。これは、キャリブレーションを行うときに、全てのラウドスピーカがリモートコントロールから既知又は十分に信頼できる推定又は想定される距離で位置されることが前提とされることを意味する。たとえば、スピーカはグランドプレーンに平行な平面における聴取者の位置から多かれ少なかれ等しい距離にあること、すなわち、スピーカは、聴いている位置の周りの円上に多かれ少なかれ配置されることが前提とされる。
【0099】
ユーザは、所望の聴いている位置に座っているとき、リモートコントロールを、典型的にはユーザのデッドフロント方向である基準の方向に指し、次いで、基準のユーザアクチベーションの指示を提供するためにボタンを押下するように指示される。これは、この方向を基準の方向として設定する。
【0100】
次いで、ユーザは、(例えばディスプレイ又はユーザマニュアルを通してユーザに供給される予め決定されたシーケンスに従って)リモートコントロールを第一のラウドスピーカに向けて指すように指示される。ユーザがリモートコントロールを移動して、ラウドスピーカを指している間、リモートコントロールの回転の動きは、ジャイロスコープにより追跡される。次いで、第一のラウドスピーカを指している間、ユーザは、ボタンを再び押下する。次いで、ユーザは、第二のラウドスピーカを指して、彼が第二のラウドスピーカを指している間にボタンを押下するように指示される。この手順は、全てのラウドスピーカの角度が決定されるまで繰り返される。
【0101】
この手順の終わりで、互いに関する全てのラウドスピーカの角度は、ユーザの向きと同様に既知である。次いで、位置は、前提とされる距離から決定される。代替的又は付加的に、ユーザは、スピーカへの距離を手動で入力するか、又は、距離を測定するための他の距離の測定技術が使用される場合がある。たとえば、それぞれのラウドスピーカへの距離を測定するため、リモートコントロールは、例えばマイクロフォンを有する場合がある。次いで、オーディオ信号は、それぞれのスピーカから放出されるか、(例えばオーディオ連ジング技術を使用して)スピーカへの距離を決定するために使用される。
【0102】
ジャイロスコープの使用とは代替的に、方位の追跡は、幾つかの距離(例えばリモートコントロールの上及び下のエッジ)により分離される2つの2軸(x-y)加速度計により達成される。単一の加速度計は回転を検出することはできないが、2つの2軸の加速度計の出力間の差を分析することで回転を決定することができる(リモートコントロールの純粋な並進運動について、2つの加速度計の出力は同じであり、2つの加速度計間でのある点の周りの回転について、それらの出力は両方の軸について反対の符号を有する)。
【0103】
非常に正確な位置の決定について、これらの例においてリモートコントロールの指示は、たとえばセンサの位置(又はセンサの中間点)が変化することなしにリモートコントロールが回転するように、聴いている位置にできるだけ近い固定された点の周りにリモートコントロールを純粋に回転させることで実行される。係る例は、図4に例示されている。しかし、純粋な回転が単一の基準点の周りで達成されるが、リモートコントロールがこの基準点にないシナリオにおいても当てはまる場合がある。たとえば、係る純粋な回転は、手順の間に伸ばして維持されるストレッチアウトアームにより保持されているリモートコントロールにより達成することができる。係る例は、図5において例示されており、図5は、固定された回転点が、アームがショルダーに接続する(従ってスピーカの位置がこの点に関して決定される)点であることを示している。
【0104】
しかし、純粋な回転が達成されない状況において、例えば、リモートコントロールが左−右又は前−後方向で移動する場合、又は聴いている位置からかなりの距離で自身のz軸の周りで回転される場合、決定される角度の変化は、正しい値から逸脱する。係る例は、図6に例示される。
【0105】
不正確さは、リモートコントロールの並進運動の量とリモートコントロールからラウドスピーカの距離とに依存する。さらに、リモートコントロール及び/又は磁気計の水平方向のx−y平面における加速度を測定する2軸の加速度計を追加することでエラーが除去又は緩和される。係るアプローチは、リモートコントロールの回転及び並進運動の両者が指し示す動作の間に追跡されるのを可能にし、決定された角度の精度及びロバスト性が増加する。
【0106】
リモートコントロールがフラットに保持されない(すなわち、グランドプレーンに平行ではない)が、リモートコントロールを指し示す手順の間にx軸の周りで回転される(巻かれる“rolled”)場合、不正確な結果が生じる。これは、ジャイロスコープ及び/又は加速度計からの出力は、基準のアース(及びラウドスピーカ)のフレームよりも基準のリモートコントロールのフレームに対するものであることによる。これは、リモートコントロールのx軸の周りの角速度を測定するジャイロスコープ、及び/又はリモートコントロールの垂直方向のz軸における加速度を測定する加速度計を追加することで対処される(後者の方法は、基準として常に存在する重力を使用する)。
【0107】
リモートコントロールがフラット(すなわちグランドプレーンに平行)に保持されないが、リモートコントロールを指し示す手順の間にy軸の周りに傾斜された場合、不正確な結果が生じる場合もある。これは、リモートコントロールのy軸の周りの角速度を測定するジャイロスコープ、及び/又はリモートコントロールの垂直方向における加速度を測定する加速度計を追加することで対処することができる。
【0108】
また、このアプローチは、ラウドスピーカが同じ水平面に位置されないシナリオに対処する。
【0109】
前の例では、リモートコントロールが水平方向に保持されない事実を考慮して、更なるシナリオが使用される。これを補正することができるため、ロール(roll)データ及び/又はチルト(tilt)データが連続して追跡され、軌跡の結果として得られる計算は、非常に複雑及び/又は不正確となる。別の可能性は、キャリブレーションプロセスの間にリモートコントロールを水平に保持するように指示し、軌跡を計算するときに当てはまることが想定される。任意に、更なるシナリオが含まれる場合があるが、リモートコントロールが所与の量を超えて傾斜及び/又は回転されるのを検出するためにのみ使用される。これがキャリブレーションプロセスの間に検出された場合、キャリブレーションが中止され、さもなければ、キャリブレーションプロセスは、十分に正確になるように考慮される。
【0110】
記載されるアプローチの利点は、ラウドスピーカのうちの1つがキャリブレーションプロセス後に異なる位置に移動されたとき、このラウドスピーカの位置のみが較正しなおされる必要があることである。同様に、好適な聴いている位置が変化したとき、較正し直される必要がある唯一のことは、聴いている位置である。たとえば、並進運動を測定する加速度計を含む実施の形態の1つでは、これは、古い聴取している位置から新たな聴取している位置に移動することからなるキャリブレーション手順を実行することで行われる。
【0111】
幾つかの実施の形態では、本システムは、ラウドスピーカの位置が使用されていないことを示すユーザ入力の提供を更に支援する。この場合、本システムは、対応するスピーカの位置を不使用として指定する。これは、存在しないこのスピーカを補償するようにオーディオシステムを適合する。たとえば、あるサラウンドスピーカが含まれない場合、サラウンドチャネルからのオーディオの幾つかは、フロントスピーカを通して供給される場合がある。
【0112】
従って、幾つかの実施の形態では、ユーザは、例えばユーザがこのラウドスピーカに向かって歩く/指すように求められたときに、「使用不許可“don’t use」ボタンを押すことで、彼が1以上のラウドスピーカを使用するのを望まないことを示すオプションを有する。従って、ユーザは、彼がスピーカのサブセットを使用するのを望むことを示すことができ、これにより、ユーザは、異なる目的のために選択されていないラウドスピーカを使用すること、又は例えば別の人物がラウドスピーカに非常に近くに座っている場合に、ラウドスピーカのうちの1つを一時的に不使用にするのを可能にする。
【0113】
明確さのために上記記載は、異なる機能ユニット及びプロセッサを参照して本発明の実施の形態が記載されたことを理解されたい。しかし、異なる機能ユニット又はプロセッサとの間の機能の適切な分散が本発明から逸脱することなしに使用される場合があることが明らかである。例えば、個別のプロセッサ又はコントローラにより実行されるように例示される機能は、同じプロセッサ又はコントローラにより実行される。従って、特定の機能ユニットの参照は、厳密に論理的又は物理的な構造又は組織を示すのではなく、記載される機能を提供する適切な手段の参照として見られるべきである。
【0114】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせを含む適切な形式で実現される。本発明は、1以上のデータプロセッサ及び/又はデジタルシグナルプロセッサで実行しているコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実現される場合がある。本発明の実施の形態の構成要素及びコンポーネントは、適切なやり方で物理的、機能的及び論理的に実現される場合がある。確かに、機能は、単一のユニットで、複数のユニットで、又は他の機能ユニットの一部として実現される場合がある。係るように、本発明は、単一のユニットで実現されるか、又は異なるユニットとプロセッサとの間で物理的及び機能的に分散される場合がある。
【0115】
本発明は幾つかの実施の形態と共に記載されたが、本実施の形態で述べた特定の形式に限定されるものではない。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ制限される。さらに、ある特徴は、特定の実施の形態と共に記載されるように見えるが、当業者であれば、記載される実施の形態の様々な特徴が本発明に従って結合されることを認識されるであろう。請求項において、用語「備える“comprising”」は、他の構成要素又はステップの存在を排除するものではない。
【0116】
さらに、個々に列挙されたが、複数の手段、構成要素又は方法ステップは、例えば単一のユニット又はプロセッサにより実現される場合がある。更に、個々の特徴が異なる請求項に含まれる場合があるが、これらは有利にも結合される場合があり、異なる請求項に含むことは、特徴の組み合わせが実施可能及び/有利ではないことを意味するものではない。また、請求項の1つのカテゴリにおいてある特徴を包むことは、このカテゴリに制限されることを意味するものではないが、この特徴が必要に応じて他の請求項のカテゴリにも同様に適用可能であることを示す。さらに、請求項における特徴の順序は、特徴が機能しなければならない特定の順序を意味するものではなく、特に、方法の請求項における個々のステップの順序は、ステップがこの順序で実行される必要があることを意味するものではない。むしろ、ステップは、適切な順序で実行される場合がある。さらに、単数の参照は、複数であることを排除しない。従って、“a”、“an”、“first”、“second”等は、複数であることを排除しない。例を明確にするために提供された請求項における参照符号は、請求項の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラウドスピーカの位置の推定値を決定するシステムであって、
当該システムは、
ユーザが移動可能な装置の動きデータであって、前記ユーザが移動可能な装置の動きを特徴付ける動きデータを決定する手段と、
前記ユーザが移動可能な装置の現在の位置及び向きの少なくとも1つが、ユーザアクチベーションが受信されたときのラウドスピーカの位置に関連することを示すユーザアクチベーションを受信するユーザ入力と、
前記動きデータ及び前記ユーザアクチベーションに応答して、ラウドスピーカの位置の推定値を生成する分析手段と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記分析手段は、前記動きデータに応答して前記ユーザが移動可能な装置の方向を示す方向データを生成する、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記分析手段は、前記ユーザアクチベーションの方向データに応答して、複数のユーザアクチベーションのそれぞれについて、ある位置からラウドスピーカの位置への方向を推定し、推定された方向に応じて前記ラウドスピーカの位置の推定値を決定する、
請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記分析手段は、前記位置からそれぞれのラウドスピーカの位置までの予め決定された距離の推定に応じて、前記ラウドスピーカの位置の推定値を決定する、
請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記分析手段は、前記動きデータに応じて前記ユーザが移動可能な装置の位置を示す位置データを生成する、
請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記分析手段は、前記ユーザアクチベーションに関連する前記位置データに応じて、複数のユーザアクチベーションのそれぞれについて、前記ユーザが移動可能な装置の相対的な位置を推定し、前記相対的な位置に応じて前記ラウドスピーカの位置の推定値を決定する、
請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記ラウドスピーカの位置の推定値は、それぞれの前記相対的な位置がラウドスピーカの位置に対応することに基づいて決定される、
請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記ユーザ入力は、前記ユーザが移動可能な装置の現在の位置又は向きが、聴いている位置の基準と関連することを示す基準のユーザアクチベーションを受信し、
前記分析手段は、前記基準のユーザアクチベーションに応じて基準の位置又は向きを決定し、決定された基準の位置又は向きに応じて話者の位置の推定値を決定する、
請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記分析手段は、前記聴いている位置と相対的な話者の位置の推定値を決定する、
請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記ユーザ入力は、ラウドスピーカの位置が不使用であることを示すユーザ入力を受信し、
前記分析手段は、対応するスピーカの位置を不使用として指定する、
請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記ユーザが移動可能な装置はハンドヘルド装置である、
請求項1記載のシステム。
【請求項12】
前記ユーザが移動可能な装置は、ユーザアクチベーションが受信されたときの前記ユーザが移動可能な装置の位置の推定値及び向きの推定値の少なくとも1つを決定し、
前記ユーザが移動可能な装置は、前記位置の推定値と前記向きの推定値の少なくとも1つをリモートユニットに送出する手段を備える、
請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記ユーザが移動可能な装置は、動き検出センサを有し、
前記決定手段は、前記動き検出センサからのデータに応答して前記動きデータを決定し、
前記動き検出センサは、ジャイロスポープ、加速度計及び磁気計の少なくとも1つを含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項14】
音声信号を推定されるべき第一のラウドスピーカから放出させる手段と、
前記音声信号の放出に関連する時間間隔で受信されたユーザアクチベーションを前記第一のラウドスピーカの位置に関連付けする手段と、
を更に備える、
請求項1記載のシステム。
【請求項15】
ラウドスピーカの位置の推定を決定する方法であって、
本方法は、
ユーザが移動可能な装置の動きデータであって、前記ユーザが移動可能な装置の動きを特徴付ける動きデータを決定するステップと、
前記ユーザが移動可能な装置の現在の位置及び向きの少なくとも1つが、ユーザアクチベーションが受信されたときのラウドスピーカの位置に関連することを示すユーザアクチベーションを受信するステップと、
前記動きデータ及び前記ユーザアクチベーションに応じて、ラウドスピーカの位置の推定値を生成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−529213(P2012−529213A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513702(P2012−513702)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052362
【国際公開番号】WO2010/140088
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】