説明

ラッピングバス

【課題】バスの構成部材をデザインの要素として活用したラッピングバスを提供する。
【解決手段】ラッピングバス1は、車輪11のタイヤ13及び車体3の側面における車輪周囲にカメラのカメラ筐体21のデザインラッピングが施され、車輪11中心部分のハブ部14にカメラのレンズに模したデザインが施され、車輪のホイール部15及びリム部16にカメラのレンズ鏡筒に模したデザインが施されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラッピングバスに関し、特にバスの構成部材をデザインの要素として活用したラッピングバスに関する。
【背景技術】
【0002】
ラッピングバスはバスの車体外面にラッピングフィルムを貼り付けた広告媒体である。ラッピングフィルムには、写真画像や絵、文字等が印刷してあり、ラッピングフィルムを車体の外面に貼り付けてバスが運行することにより、乗客の運搬と同時に広告宣伝を行うことができる。
【0003】
ラッピングバスを用いた広告方法としては、特許文献1に開示されている。又、段ボールなどの基材に印刷を施し、この印刷物を配送用トラックに着脱自在に取り付けて広告宣伝を行う広告方法としては、特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開2004−341403
【特許文献2】特開2003−216088
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のラッピングバスに用いるラッピングフィルムは、バスの構成部材と関係のない画像等が印刷されたものであり、このラッピングフィルムをバスの車体の略全面に貼り付けている。このようなラッピングバスでは、広告宣伝の内容とバスの車体とが遊離しており、車輪、ドアなどのバスの構成部材はラッピングフィルムとは無関係となっている。このため、ラッピングバスとしての表現力が乏しいばかりでなく興趣性に欠ける問題を有している。
【0005】
本発明はこのような従来の問題点を考慮してなされたものであり、バスの構成部材をラッピングフィルムのデザインの要素として活用することにより、バス自体の機能性が向上すると共に、豊かな表現力を備え、興趣性に富んだラッピングバスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のラッピングバスは、車輪のタイヤ及び車体の側面における車輪周囲にカメラのカメラ筐体のデザインラッピングが施され、車輪中心部分のハブ部にカメラのレンズに模したデザインが施され、車輪のホイール部及びリム部にカメラのレンズ鏡筒に模したデザインが施されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、車輪のホイール部及びリム部をレンズ鏡筒に模し、車輪のハブ部をレンズに模しており、さらに車輪のタイヤ及び車輪周囲にカメラ筐体のデザインラッピングが施されているため、車輪及びその周囲がカメラと有機的な関連性を有したものとなる。このためラッピングバスを一見したとき、一眼レフカメラを想起させることができ、大きな広告宣伝効果を有している。又、車輪がレンズやレンズ鏡筒に模しており、車輪がレンズやレンズ鏡筒として認識されるため、車輪として目立つことがない。このため、表現力が豊かで興趣性に富むものとすることができる。又、車輪をカメラの部品に模して活用しているため、バス自体の機能性も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施形態のラッピングバス1を示す。ラッピングバス1は図2に示すラッピング前のバス2の車体3に対してラッピングフィルムを貼り付けることにより形成される。車体3は来客の入口となる前方ドア5及び乗客の出口となる後方ドア6を一側の側面に有していると共に、複数の窓7が形成されている。8は運転席側のフロント窓である。
【0009】
ラッピングバス1は車輪が駆動回転することに前進走行あるいは後進走行する。この実施形態において、11aは前輪、11bは後輪であり、以下、単に車輪11と記載する。車輪11はディスクホイール12と、ディスクホイール12の外側のタイヤ13とを備えている。ディスクホイール12は中心部分のハブ部14と、ハブ部14の外周側のホイール部15と、ホイール部15の外周側のリム部16とを有している。ハブ部14は車軸が挿通して車軸の回転力が伝達される。リム部16の外側にはタイヤ13が装着される。ホイール部15はハブ部14とリム部16とを連結する。車輪11は車体3における車輪取付部位に配置され、最外周のタイヤ13と車体3との間にはある程度の間隔18が設けられ、車輪11が支障なく回転可能となっている。
【0010】
ラッピングフィルム4は窓7を除く車体3の側面の略全体を覆うように貼り付けられる。図示を省略するが、ラッピングフィルムは粘着層と粘着層上の加飾層とが積層されて形成されており、粘着層を車体の外側に貼り付ける。加飾層は絵、写真、画像、文字等が印刷されるものである。
【0011】
この実施形態において、タイヤ13、間隔18及び車体3の側面における車輪11の周囲に対してカメラ筐体がデザインされる。図1において、21は車体3に設けられたカメラ筐体の画像である。カメラ筐体の画像21はラッピングフィルム4における車輪11の周囲部分に対応するように印刷されるものであり、ラッピングフィルム4を車体3の側面に貼り付けることにより、車輪11の周囲にカメラ筐体の画像21が位置する。
【0012】
カメラ筐体の画像21は車体3の他の部分に対して異なった着色あるいは明暗色となるように印刷される。好ましくは、カメラ筐体の画像21は黒色を呈するように印刷される。タイヤ13が黒色であり、その周囲の間隔18も黒ずんだ色を呈するため、これに合わせるためである。これにより、一体感を表すことができる。これに限らず、タイヤ13、間隔18及びカメラ筐体の画像21を他の同じ色に着色しても良い。タイヤ13、間隔18、カメラ筐体の画像21を同じ色とすることにより、これらが一体化してカメラ筐体を表示するため、カメラ筐体がそこにあるように認識することができる。
【0013】
タイヤ13よりも内側の車輪部分(ディスクホイール12)には、カメラのレンズ鏡筒及びレンズに模したデザインが施される。ディスクホイール12の中心部分のハブ部14に対しては、カメラのレンズに模したデザインが施される。この実施形態においては、ハブ部14が白色や銀色、銀白色などの明色となるように処理される。この処理はハブ部14に明色のラッピングフィルムを貼り付ける、ハブ部14に明色の塗料を塗布する、ハブ部14を明色にメッキする、その他の適宜の手段で行うことができる。なお、ディスクホイール12自体が銀白色、白色等の明色であるときには処理は不要である。ハブ部14が円形であり、このハブ部14に対して明色へのデザインを行うことにより、ハブ部14がカメラのレンズを想起させるようになる。
【0014】
ハブ部14よりも外側のホイール部15及びリム部16に対しては、カメラのレンズ鏡筒に模したデザインが施される。ホイール部15はハブ部14とリム部16との間に位置しており、このホイール部15には、黒色、暗灰色等の暗色となるような処理がなされる。この処理は、ホイール部15に暗色のラッピングフィルムを貼り付けたり、暗色の塗料を塗布したり、暗色にメッキする等の手段で行うことができるが、ディスクホイール12自体が暗色の場合には不要である。なお、暗色は、金属光沢のない暗色であることが望ましい。
【0015】
リム部16はホイール部15の外周側に位置しており、このリム部16には銀白色、銀色などの金属光沢性の明色となるように処理される。金属光沢性の明色の処理は、ラッピングフィルムの貼着、塗布、メッキ等によって行うことができ、ディスクホイール12自体が金属光沢性の明色となっている場合には不要である。
【0016】
ホイール部15を暗色とし、その外周側のリム部16を明色とすることにより、ホイール部15が進退して被写体画像の拡縮を行うズーム機構を想起させ、リム部16がズーム機構を保持する保持機構を想起させる。そして、これらの中心部分にはレンズを想起させる明色のハブ部14が配置されているから、ホイール部15及びリム部16はカメラのレンズ鏡筒を想起させる。以上により、車輪11の周辺部分に車輪11をデザインの要素として活用した一眼レフカメラを模した絵が形成されるから、興趣性に富んだラッピングバスとすることができる。
【0017】
このような実施形態では、車輪11を構成するディスクホイール12をレンズやレンズ鏡筒に模したデザインとすると共に、タイヤ13及びタイヤ13周囲の車体部分にカメラ筐体に模したデザインを配置しているため、ラッピングバス1における車輪11及びその周囲がカメラと有機的な関連性を有したものとなり、カメラの広告宣伝とバスとを一体化したものとすることができる。又、バスの構成部材を活用しており、表現力が豊で意匠性も向上する。
【0018】
上記実施形態では、一眼レフカメラのデザインに適用しているが、本発明は一眼レフカメラ以外の他のカメラのデザインに適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態のラッピングバスを示す側面図である。
【図2】ラッピング前のバスを示す側面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 ラッピングバス
3 車体
11 車輪
12 ディスクホイール
13 タイヤ
14 ハブ部
15 ホイール部
16 リム部
21 カメラ筐体の画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪のタイヤ及び車体の側面における車輪周囲にカメラのカメラ筐体のデザインラッピングが施され、車輪中心部分のハブ部にカメラのレンズに模したデザインが施され、車輪のホイール部及びリム部にカメラのレンズ鏡筒に模したデザインが施されていることを特徴とするラッピングバス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−151110(P2009−151110A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329077(P2007−329077)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(500183607)