説明

ラベルシート

【課題】ラベルシートにおける粘着剤層のはみ出しを防ぐこと。
【解決手段】単片状の紙材1からなる下紙P1の表面側に、紙材1の周縁部に沿って接着剤層3を設け、接着剤層3で囲まれた領域内に剥離剤層4を形成した上から粘着剤層5を重ねて設けるとともに、この下紙P1と同じ大きさのラベル基材2からなる上紙P2に剥離剤層4よりも一回り小さなサイズに設定した分離片7を設け、この上紙P2を下紙P1の上に貼り合わせることで、紙材1とラベル基材2とを確実に接合して粘着剤層5を閉じ込めた状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、配送伝票として好適なラベルシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配送伝票に使用されるラベルシートとして、例えば、図8や図9に示す構造のものが知られている。
【0003】
図8のラベルシート80は、ラベル基材81の裏面に粘着剤層82を塗布形成したラベル原紙83と、紙材84の表面に剥離剤層85を塗布形成した剥離紙86とを貼り合わせた構造になっている。この構造によると、粘着剤層82がラベル基材81の裏面全域にわたって塗布形成されているため、プリンタで印刷を施した場合、ラベルシート80が搬送ローラ(図示せず)間を通過するときに、押圧された粘着剤層82がラベル原紙83の端部83aから外側へはみ出すことがある。すると、そのはみ出した粘着剤層82が印刷面に付着してブロッキングによる搬送ミスを引き起こすことや、粘着剤層82が印字ヘッドに付着してプリンタ汚損の原因となることが考えられる。
【0004】
また、図9のラベルシート90は、上記のような粘着剤のはみ出しを防ぐため、ラベル基材91の裏面の両端部を除く領域に粘着剤層92を塗布形成したラベル原紙93と、紙材94の表面に剥離剤層95を塗布形成した剥離紙96とを貼り合わせた構造を採用している。しかし、この構造の場合、ラベル原紙93の両端部93a、93aに粘着剤層92を塗布形成しておらず、ラベルシート90の端部において、ラベル原紙93と剥離紙96が貼り合わされていない状態になっている。そのため、ラベル原紙93と剥離紙96の間に空気が入り込み、NIP印刷時にラベルシート90がブカついてインキの定着ミスを招いたり、あるいは、貼り合わされていないラベル基材91の端部91aが折れ曲がり、プリントジャムが発生したりする恐れがある。
【0005】
一方、特許文献1にも、粘着剤層のはみ出しを防止する構造が開示されている。この構造の特徴は、ラベル基材の裏面全域に粘着剤層を塗布して剥離紙を貼り合わせ、ラベル基材の上に紫外線硬化型インキによる被覆層を塗布し、この被覆層の上から刃を入れてラベルを型抜きしたことである。ところが、この構造の場合、型抜き後のラベル連続体において、ラベルと剥離紙の間に段差が生じており、プリンタでの印刷時にその段差が原因で用紙が詰まったり、ラベルが剥がれたりする可能性がある。また、被覆層の上から型抜きする構造であるため、被覆層が剥離紙に完全に接着されていないことも考えられ、その場合には被覆層と剥離紙との間から粘着剤層が押し出されてしまい、上述したような搬送ミスやプリンタ汚損を確実に解消できるとは限らない。
【0006】
【特許文献1】特開2000−177031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、粘着剤層のはみ出しを確実に防止して、各種印刷トラブルを解消できるラベルシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るラベルシートは、上述した目的を達成するため、単片状の紙材からなる下紙と、下紙と同大同形状の単片状のラベル基材からなる上紙との間に、周縁部に沿って塗布形成された接着剤層と、接着剤層で囲まれた領域内の少なくとも一部に塗布形成された粘着剤層とが設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るラベルシートは、上述した目的を達成するため、長尺状の紙材からなる下紙と、下紙と同大同形状の長尺状のラベル基材からなる上紙との間に、長手方向両側部に沿って塗布形成された接着剤層と、接着剤層で挟まれた領域内の少なくとも一部に塗布形成された粘着剤層とが設けられていることを特徴とする。
【0010】
ここで、本発明において接着剤層とは、使用前には液体であり、貼り付けて乾燥させた後には常温で固体になる性質を備えた物質を意味し、例えば、次のような各種の接着剤を塗布して硬化させることで形成できる。
【0011】
(a)溶液型接着剤(ゴムあるいはアセチルセルロース等を有機溶剤の混合物に溶かしたもの)
(b)水溶液型接着剤(同じ溶液でも澱粉糊や膠のように水に溶かしたもの)
(c)エマルジョン型接着剤(酢酸ビニルのような水に溶けない高分子がコロイド状態で水と混合しているもの)
(d)液状反応型接着剤(多くの熱硬化性樹脂と同様に、はじめは低分子あるいは低分子量の重合物として流動性を持つもの)
(e)ホットメルト型接着剤(常温では固体であるが80〜110℃で軟化し、160〜180℃で接着に充分な流動性を持つようになる線状高分子の共重合物)
なお、上記各種接着剤に含まれる樹脂としては、ユリア系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、セルロース系、エチレン−酢酸ビニル系、エポキシ樹脂系等も使用できる。
【0012】
また、本発明において粘着剤層とは、常温で粘着性を有するとともに、軽い圧力で被着体に接着する物質を意味し、例えば、次のような各種のエラストマーに重合体および粘着付与剤を配合してなる粘着剤を塗布して乾燥させることで形成できる。
【0013】
(a)ゴム系(天然ゴム、SBR、ブチルゴム)
(b)アクリル系(溶剤タイプ、エマルジョンタイプ)
(c)ホットメルト系
(d)シリコーン系
なお、本発明のようなラベルシートに使用する粘着剤としては、特に、上記(b)のアクリル系粘着剤が望ましい。
【0014】
本発明において、上記構成のラベルシートについて、次のような変形例が考えられる。
【0015】
例えば、上記紙材上の一部領域に剥離剤層を塗布し、その剥離剤層に対応した上記ラベル基材の領域に切り離し可能な分離片を設定する構造を採用することができる。このような構造の場合、上紙と下紙が剥離剤層を介して剥がされる。そのため、上紙から切り離した分離片の裏面側に粘着剤層が残り、この分離片を貼付用ラベルとして貼り付けるような使用形態に好適である。
【0016】
また、上記粘着剤層を弱粘着剤で構成し、上記ラベル基材の一部領域に切り離し可能な分離片を設定することも可能である。ここで、弱粘着剤とは、上述した各種粘着剤の粘着力を弱めたものであり、粘着剤に含まれる成分は変えずに、その成分である粘着付与剤(例えば、ポリテルペン、ロジンエステル系樹脂等)の含有比率を少なくすることでその粘着力が調節される。このような構造によると、塗布した弱粘着剤が紙材に浸透し、紙材とそれに塗布され乾燥した弱粘着剤との接着力は、後から貼り合わせたラベル基材と弱粘着剤との接着力よりも強いため、弱粘着剤で構成された粘着剤層が下紙側に残され、ラベル基材のみが剥がされる。よって、上紙から切り離した分離片の裏面側に粘着剤層がなくなるので、この紙片を事後処理で光学読み取りを行うような使用形態に好適である。
【0017】
さらに、上記ラベル基材の一部領域に切り離し可能な分離片を設定し、その分離片を構成するラベル基材の裏面に剥離剤層を塗布する構造を採用しても良い。このような構造の場合、上紙と下紙が剥離剤層を介して剥がされるため、上紙から切り離した分離片の裏面側に剥離剤層が付いており、粘着剤層は下紙側に残される。よって、上記のような光学読み取りを行う場合に、分離片に粘着剤層が付着していることによるフィードトラブル等の不具合を確実に防止できるという利点がある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上紙を構成するラベル基材と下紙を構成する紙材とが、その周縁部や両側部において接着剤層で確実に接合されているため、このラベルシートにプリンタで印刷を施した場合、ラベルシートが搬送ローラ間を通過するときに、押圧された粘着剤層が接着剤層で堰止めされてラベルシートの端部から外側へはみ出すことがなく、粘着剤層のはみ出しが原因で生じる各種印刷トラブルを確実に防止できるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、添付した図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1に示すように、第1実施形態のラベルシートS1は、単片状に成形された紙材1からなる下紙P1と、この下紙P1と同大同形状の単片状に成形されたラベル基材2からなる上紙P2とで構成された単片帳票である。
【0021】
下紙P1は、図1bに示すように、その表面側に紙材1の周縁部に沿って接着剤を塗布して硬化させた接着剤層3が設けられている。接着剤層3で囲まれた領域内には、その略中央部分に剥離剤を塗布して乾燥させた剥離剤層4が形成されており、この剥離剤層4の上から粘着剤を重ねて塗布し、それを乾燥させた粘着剤層5が設けられている。なお、本実施形態では、接着剤層3として、エマルジョン型接着剤である「JHL−23−80(日本フーラー株式会社製、製品名)」を用いており、粘着剤層5として、エマルジョンタイプのアクリル系粘着剤である「SE7001(昭和高分子株式会社製、製品名)」を使用している。
【0022】
一方、上紙P2には、ラベル基材2の表面から裏面まで到達するハーフカット6を形成することで、切り離し可能な分離片7が設けられている。なお、この分離片7は下紙P1に塗布形成した剥離剤層4よりも一回り小さなサイズに設定される。
【0023】
上記構成からなる下紙P1の上に上紙P2を貼り合わせると、図1cに示した単片形態のラベルシートS1が完成する。すなわち、紙材1の周縁部に沿って設けられた接着剤層3を介して、下紙P1を構成する紙材1と上紙P2を構成するラベル基材2とが確実に接合され、接着剤層3によってその内側にある粘着剤層5が閉じ込められた状態になっている。そのため、このラベルシートS1にプリンタで印刷を施した場合、ラベルシートS1が搬送ローラ間を通過するときに、常温で流動性を有する粘着剤層5が押圧されても、この粘着剤層5は、常温で固体である接着剤層3により確実に堰止めされ、ラベルシートS1の端部から外側へはみ出すことが防止される。
【0024】
したがって、本実施形態によれば、粘着剤層5のはみ出しが原因で生じる各種印刷トラブル、具体的には、粘着剤層5のブロッキングによる搬送ミスや、粘着剤層5の付着によるプリンタ汚損等のトラブルを確実に防止できる。また、上紙P2と下紙P1の端部が接着剤層3で確実に接合されているため、図9で説明した従来例のように、ラベルシートS1がブカついてインキの定着ミスが生じたり、あるいは、上紙P2や下紙P1の端部が折れ曲がってプリントジャムが発生したりすることもない。
【0025】
さらに、本実施形態では、図2に示すように、ハーフカット6に従って上紙P2から切り離した分離片7を貼付用ラベルとして使用する場合に好適である。すなわち、分離片7を構成するラベル基材2と粘着剤層5との接着力は、粘着剤層5と剥離剤層4との接着力よりも強いため、図2bに示す通り、分離片7は粘着剤層5と剥離剤層4との貼付面Aを介して剥離される。そのため、分離片7の裏面側に粘着剤層5が付いたまま剥がされ、この分離片7を粘着剤層5の粘着力によって貼り付けることができる。
【0026】
なお、本実施形態では、下紙P1と上紙P2とを貼り合わせるために、接着剤層3と粘着剤層5を下紙P1の紙材1の表面側に塗布形成しているが、これとは逆に、上紙P2のラベル基材2の裏面側に塗布形成しても同様な効果が得られる。
【0027】
次に、他の実施形態を説明する。図3に示すように、第2実施形態のラベルシートS2は、単片状の紙材1からなる下紙P1の上に、単片状のラベル基材2からなる上紙P2を貼り合わせてなる単片帳票である点では上述した第1実施形態と同様の構成であるが、本実施形態では下紙P1の構成が異なっている。
【0028】
下紙P1は、図3bに示すように、その表面側に紙材1の周縁部に沿って接着剤を塗布して硬化させた接着剤層3が設けられ、この接着剤層3で囲まれた領域内に、弱粘着剤を塗布して乾燥させた弱粘着剤層8が設けられている。ここで、弱粘着剤とは、上述した各種粘着剤に含まれる成分であるエラストマー、重合体、および粘着付与剤のうち、粘着付与剤の含有比率を少なくすることで、通常の粘着剤層5に比べその粘着力を弱めたものである。
【0029】
上紙P2は、図1と同様に、ラベル基材2の表面から裏面まで到達するハーフカット6を形成することで、切り離し可能な分離片7が設けられている。その他の構成は図1と同様である。
【0030】
上記構成からなる下紙P1の上に上紙P2を貼り合わせると、図3cに示した単片形態のラベルシートS2が完成する。このラベルシートS2もまた、紙材1の周縁部に沿って設けられた接着剤層3によって、下紙P1の紙材1と上紙P2のラベル基材2とが確実に接合され、弱粘着剤層8が閉じ込められた状態になっている。そのため、上述した実施形態と同様に、常温で流動性を有する弱粘着剤層8がラベルシートS2の端部からはみ出すことがなく、上述した各種印刷トラブルを防止できる。
【0031】
また、本実施形態では、図4に示すように、ハーフカット6に従って上紙P2から切り離した分離片7を事後処理で光学読み取りする紙片として使用する場合に好適である。すなわち、下紙P2に塗布した弱粘着剤は紙材1に浸透しており、紙材1と弱粘着剤層8との接着力は、後から貼り合わせたラベル基材2と弱粘着剤層8との接着力よりも強く、かつ、弱粘着剤層8の粘着力自体も弱められている。そのため、図4bに示す通り、分離片7はラベル基材2と弱粘着剤層8との貼付面Bを介して剥離される。よって、図1のラベルシートS1と異なり、分離片7の裏面側に粘着剤が残ることなく剥がされるので、この分離片7を光学読み取り装置にセットしたときに、粘着剤の付着によるフィードトラブル等が発生することを防止できる。
【0032】
続いて、さらに別の実施形態を説明する。図5に示すように、第3実施形態のラベルシートS3は、単片状の紙材1からなる下紙P1の上に、単片状のラベル基材2からなる上紙P2を貼り合わせてなる単片帳票である点では上述した各実施形態と同様の構成であるが、本実施形態では上紙P2の構成が異なっている。
【0033】
上紙P2は、図5cに示すように、ラベル基材2の表面から裏面まで到達するハーフカット6を形成することで、切り離し可能な分離片7が設けられている。また、ラベル基材2の裏面には、分離片7の設定箇所に剥離剤を塗布して乾燥させた剥離剤層4が設けられており、この剥離剤層4は分離片7よりも一回り大きなサイズに設定されている。
【0034】
下紙P1は、図5bに示すように、その表面側に紙材1の周縁部に沿って接着剤を塗布して硬化させた接着剤層3が設けられ、この接着剤層3で囲まれた領域内に、粘着剤を塗布して乾燥させた粘着剤層5が設けられている。その他の構成は図1と同様である。
【0035】
上記構成からなる下紙P1の上に上紙P2を貼り合わせると、図5cに示した単片形態のラベルシートS3が完成する。このラベルシートS3もまた、紙材1の周縁部に沿って設けられた接着剤層3によって、下紙P1の紙材1と上紙P2のラベル基材2とが確実に接合され、粘着剤層5が閉じ込められた状態になっている。そのため、上述した各実施形態と同様に、常温で流動性を有する粘着剤層5がラベルシートS3の端部からはみ出すことがなく、上述した各種印刷トラブルを防止できる。
【0036】
また、本実施形態では、図6に示すように、ハーフカット6に従って上紙P2から切り離した分離片7を事後処理で光学読み取りする紙片として使用する場合に好適である。すなわち、下紙P1に塗布形成した粘着剤が紙材1に浸透しているため、紙材1と粘着剤層5との接着力は、剥離剤層4と粘着剤層5との接着力よりも強く、図6bに示す通り、分離片7は粘着剤層5と剥離剤層4との貼付面Cを介して剥離される。よって、分離片7の裏面側には剥離剤層4が付いていて粘着剤層5を下紙P1側に完全に残すことができるので、分離片7の粘着剤残りは全くなく、光学読み取り時、図4のラベルシートS2に比べ粘着剤の付着によるフィードトラブルをさらに確実に防止できる。
【0037】
ところで、上述した各実施形態においては、本発明を単片帳票に適用した例を説明したが、以下に説明するような連続帳票に適用することも可能である。
【0038】
図7に示すように、第4実施形態のラベルシートS4は、長尺状に成形された紙材1からなる下紙P1と、この下紙P1と同大同形状の長尺状に成形されたラベル基材2からなる上紙P2とで構成された連続帳票であり、貼り合わせ後の上紙P2の表面から下紙P1の裏面まで到達する横断ミシン目9により、各単片帳票に区画されている。
【0039】
下紙P1は、同図bに示すように、その表面側に紙材1の長手方向両側部に沿って接着剤を塗布して硬化させた接着剤層3、3が設けられている。両側の接着剤層3、3に挟まれた領域内には、その略中央部分に剥離剤を塗布して乾燥させた剥離剤層4、4、…が単片帳票毎に形成されており、この剥離剤層4、4、…の上から粘着剤を重ねて塗布し、それを乾燥させた粘着剤層5が設けられている。
【0040】
上紙P2には、各単片帳票において、ラベル基材2の表面から裏面まで到達するハーフカット6を形成することで、切り離し可能な分離片7が設けられている。分離片7は下紙P1に塗布形成した剥離剤層4よりも一回り小さなサイズに設定される。
【0041】
上記構成からなる下紙P1の上に上紙P2を貼り合わせると、連続形態のラベルシートS4が完成する。このラベルシートS4もまた、紙材1の両側部に沿って設けられた接着剤層3、3によって、紙材1とラベル基材2とが確実に接合され、その内側にある粘着剤層5が閉じ込められた状態になっている。そのため、上述した実施形態と同様に、常温で流動性を有する粘着剤層5がラベルシートS4の両端部からはみ出すことがなく、上述した各種印刷トラブルを防止できる。
【0042】
本実施形態のように、連続形態のラベルシートS4の場合、上述した単片形態の場合と異なり、接着剤層3は下紙P2の長手方向両側部にのみ設けられている。それは、連続形態のラベルシートS4は図中矢印で示す搬送方向に連続して繋がっており、粘着剤層5がラベルシートS4の両端部からはみ出すことを防ぐだけで良いためである。また、粘着剤層5はプリンタの搬送ローラに押圧されて流動することからして、上記構成に加え、搬送ローラに接触する箇所に沿って重点的に接着剤層3を塗布形成しても構わない。なお、図示しないが、本実施形態のような連続帳票においても、第2、第3実施形態で説明した構成を採用して、切り離した分離片7が粘着性を持たないような形態とすることは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態のラベルシートの構成を示す図。
【図2】図1において分離片を剥がすときの状態を示す説明図。
【図3】第2実施形態のラベルシートの構成を示す図。
【図4】図3において分離片を剥がすときの状態を示す説明図。
【図5】第3実施形態のラベルシートの構成を示す図。
【図6】図5において分離片を剥がすときの状態を示す説明図。
【図7】第4実施形態のラベルシートの構成を示す図。
【図8】従来のラベルシートの一例を示す図。
【図9】従来のラベルシートの他の例を示す図。
【符号の説明】
【0044】
S ラベルシート
P1 下紙
P2 上紙
1 紙材
2 ラベル基材
3 接着剤層
4 剥離剤層
5 粘着剤層
6 ハーフカット
7 分離片
8 弱粘着剤層
9 横断ミシン目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単片状の紙材からなる下紙と、下紙と同大同形状の単片状のラベル基材からなる上紙との間に、周縁部に沿って塗布形成された接着剤層と、接着剤層で囲まれた領域内の少なくとも一部に塗布形成された粘着剤層とが設けられていることを特徴とするラベルシート。
【請求項2】
長尺状の紙材からなる下紙と、下紙と同大同形状の長尺状のラベル基材からなる上紙との間に、長手方向両側部に沿って塗布形成された接着剤層と、接着剤層で挟まれた領域内の少なくとも一部に塗布形成された粘着剤層とが設けられていることを特徴とするラベルシート。
【請求項3】
請求項1または2に記載のラベルシートにおいて、上記紙材上の一部領域に剥離剤層が塗布形成されるとともに、剥離剤層に対応した上記ラベル基材の領域に切り離し可能な分離片が設定されていることを特徴とするラベルシート。
【請求項4】
請求項1または2に記載のラベルシートにおいて、上記粘着剤層が弱粘着剤で構成されるとともに、上記ラベル基材の一部領域に切り離し可能な分離片が設定されていることを特徴とするラベルシート。
【請求項5】
請求項1または2に記載のラベルシートにおいて、上記ラベル基材の一部領域に切り離し可能な分離片が設定されるとともに、分離片を構成するラベル基材の裏面に剥離剤層が塗布形成されていることを特徴とするラベルシート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−106268(P2006−106268A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291563(P2004−291563)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000186566)小林記録紙株式会社 (169)