説明

リガンド交換サーモクロミック(LETC)系

系の温度が可逆的に変化するとき電磁放射線の吸収の可逆的変化を示すサーモクロミックのリガンド交換、LETC系が記載されている。記載されているLETC系は、錯体化または遷移金属イオン(1つ以上)の周囲への配位の性質を帯びた熱的に誘発される変化を受け、それによってその系が、温度が変化したとき電磁放射線を吸収するその能力を変化させる1つまたは複数の遷移金属イオンを含む。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)Ni(II)と、
b)Ni(II)と共にLεMLCを形成する第1のリガンドと、
c)Ni(II)と共にHεMLCを形成する第2のリガンドと、
d)ポリマーと
を含むサーモクロミック系であって、固体または半固体層の形態をしており、前記系の温度が上昇するときに400nmから1400nmの範囲の光エネルギー吸収の可逆的純増加を示すサーモクロミック系。
【請求項2】
UV吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、熱安定剤、及び可塑剤の少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載のサーモクロミック系。
【請求項3】
可塑剤を含み、前記可塑剤が、以下の構造:
【化1】

(式中、Xは、NまたはPであり、R1、R2、R3及びR4は、独立して直鎖、分枝の置換または非置換アルキル;置換または非置換アリール;置換または非置換アラルキル及びそれらの組合せからなる群から選択される)を有するカチオンである、請求項1に記載のサーモクロミック系。
【請求項4】
固体または半固体層のヘイズレベルが5%より低い、請求項1に記載のサーモクロミック系。
【請求項5】
固体層のヘイズレベルが、温度80℃の黒いパネルを備えたチャンバー中のキセノンアーク灯から340nmで1平方メートル当たり0.55ワットへの500時間の暴露後、10%より低い、請求項4に記載のサーモクロミック系。
【請求項6】
第1のリガンドが、ポリマー、ジオール類、トリオール類、ポリオール類及びそれらの組合せからなる群から選択されたLεLを含む、請求項1に記載のサーモクロミック系。
【請求項7】
第1のリガンドが、ヒドロキシル基を含み、第2のリガンドの濃度対Ni(II)([HεLΤ]/[Ni(II)Τ])の濃度の比が4より大きい、請求項1に記載のサーモクロミック系。
【請求項8】
吸収増加が、400nmと640nmの間のλmaxをもつ吸収ピークのNi(II)のHεMLCの形成のためである、請求項1に記載のサーモクロミック系。
【請求項9】
Ni(II)の全体濃度が、ポリマー1キログラム当たり約0.04モルと0.4モルの間のNi(II)である、請求項1に記載のサーモクロミック系。
【請求項10】
ポリマー中にNi(II)を含むサーモクロミック系であって、前記系の温度が上昇するとき、Ni(II)の配位化合物中のNi(II)の配位の変化のために、400nmから1400nmの範囲において吸収するその能力の可逆的な純増加を有するサーモクロミック系。
【請求項11】
前記系が、ジオール、トリオールまたはポリオールをさらに含み、前記配位化合物が、前記Ni(II)に、窒素、リンまたは硫黄を介して配位しているリガンドを含む、請求項10に記載のサーモクロミック系。
【請求項12】
25℃の前記系の吸収度が、400nmから1400nmの範囲を通して約0.3未満である、請求項10に記載のサーモクロミック系。
【請求項13】
ホスフィンリガンドをさらに含み、前記系の温度が上昇するときに前記系の可視及びNIR範囲の光エネルギーを吸収する能力の可逆的な純増加が、温度が上昇するときの前記ホスフィンリガンドと前記Ni(II)との間の配位化合物の濃度の可逆的増加のためである、請求項10に記載のサーモクロミック系。
【請求項14】
ヨウ化物イオンをさらに含み、前記系の温度が上昇するときに前記系の可視及びNIR範囲の光エネルギーを吸収する能力の可逆的な純増加が、温度が上昇するときの前記ヨウ化物イオンと前記Ni(II)との間の配位化合物の濃度の可逆的増加のためである、請求項10に記載のサーモクロミック系。
【請求項15】
ホスフィン化合物をNi(II)イオンの濃度より低い濃度でさらに含む、請求項14に記載のサーモクロミック系。
【請求項16】
ホスフィンリガンド及びヨウ化物イオンをさらに含み、前記系の温度が上昇するときに前記系の400nmから1400nmの範囲の光エネルギーを吸収する能力の可逆的な純増加が、温度が上昇するときのNi(II)とヨウ化物及び前記ホスフィンリガンドの両方との間の配位化合物の濃度の可逆的増加のためである、請求項10に記載のサーモクロミック系。
【請求項17】
a)Ni(II)と、
b)ハライドがCl-、Br-、I-及びそれらの組合せからなる群から選択される擬ハライドまたはハライドを含む第1のリガンドと、
c)窒素含有リガンド、リン含有リガンドまたは硫黄含有リガンドを含む第2のリガンドと
を含むサーモクロミック系であって、前記系の温度が上昇するときに400nmから1400nmの範囲の光エネルギーを吸収するその能力の可逆的純増加を有するサーモクロミック系。
【請求項18】
前記吸収度の純増加が、Ni(II)、前記第1のリガンド及び前記第2のリガンドの間の配位化合物の濃度の増加によるものである、請求項17に記載のサーモクロミック系。
【請求項19】
a)Co(II)と、
b)ハライドがCl-、Br-、I-及びそれらの組合せからなる群から選択される擬ハライドまたはハライドを含む第1のリガンドと、
c)酸素含有リガンド、リン含有リガンドまたは硫黄含有リガンドを含む第2のリガンドであって、酸素、リンまたは硫黄を介して遷移金属イオンに配位することができる前記第2のリガンドと
を含むサーモクロミック系であって、前記系の温度が上昇するときに400nmから1400nmの範囲の光エネルギーを吸収するその能力の可逆的純増加を有するサーモクロミック系。
【請求項20】
a)Co(II)のHεMLCと、
b)ジオール類、トリオール類、ポリオール類及びそれらの組合せからなる群から選択される第1のリガンドと、
c)酸素原子または酸素アニオンを介してCo(II)に配位する第2のリガンドと
を含むサーモクロミック系であって、温度が上昇するときに配位の変化によって濃度の可逆的増加を示すサーモクロミック系。
【請求項21】
前記第2のリガンドが、ホスフィネートアニオンを含む、請求項20に記載のサーモクロミック系。
【請求項22】
前記ホスフィネートアニオンが、以下の構造のアニオン類及びそれらの混合物
【化2】

(式中、R及びR’は、独立して、場合によって置換されている直鎖及び分枝アルキル、アラルキル、アリール、置換アリール及びそれらの組合せからなる群から選択される)からなる群から選択される、請求項21に記載のサーモクロミック系。
【請求項23】
前記ホスフィネートアニオンが、アルカリ金属カチオン、第四級アンモニウムカチオンまたは第四級ホスホニウムカチオンの塩として提供される、請求項21に記載のサーモクロミック系。
【請求項24】
前記ホスフィネートアニオンが、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィネート、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィネート、メチルフェニルホスフィネート、ジフェニルホスフィネート、ジメチルホスフィネート及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項21に記載のサーモクロミック系。
【請求項25】
前記第2のリガンドが、カルボキシレートアニオンの一部である、請求項20に記載のサーモクロミック系。
【請求項26】
前記カルボキシレートアニオンが、アセテート、トリフルオロアセテート、ベンゾエート、2-メトキシベンゾエート、サリチレート、マロネート、スクシネート、フタレート及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項25に記載のサーモクロミック系。
【請求項27】
前記第2のリガンドが、ホスフィンオキシドの一部である、請求項20に記載のサーモクロミック系。
【請求項28】
前記ホスフィンオキシドが、ヘキサメチルホスホルアミド、トリブチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項27に記載のサーモクロミック系。
【請求項29】
前記第2のリガンドが、ニトレートアニオン、ピリジン-N-オキシドまたはフェノレートアニオンの一部である、請求項20に記載のサーモクロミック系。
【請求項30】
前記Co(II)のHεMLCが、ハライドアニオンを含むヘテロレプティック錯体を含む、請求項20に記載のサーモクロミック系。
【請求項31】
a)Co(II)と、
b)ヨウ化物と、
c)第1のリガンド、第2のリガンドのいずれかまたはその両方(前記第1のリガンドは、ジオール、トリオール、ポリオール、及びそれらの混合物からなる群から選択され、前記第2のリガンドが1つまたは複数のホスフィン化合物を含む)と
を含むサーモクロミック系であって、前記系の温度が上昇するときに400nmから1400nmの範囲の光エネルギーを吸収するその能力の可逆的純増加を示すサーモクロミック系。
【請求項32】
構造:
【化3】

(式中、R1、R2及びR3は、場合によって置換されているアルキル、場合によって置換されているシクロアルキル、場合によって置換されているアリール及びそれらの組合せからなる群から独立して選択される)を有するホスフィン化合物を含む前記第2のリガンドを含む、請求項31に記載のサーモクロミック系。
【請求項33】
Co(II)イオン類及びホスフィン化合物を含むサーモクロミック系であって、前記系の温度が上昇するとき、ホスフィン化合物のCo(II)イオン類との配位化合物の濃度の可逆的増加によって、太陽からの400nmから1400nmの電磁放射線のエネルギーを吸収する前記系の能力の可逆的純増加を示すサーモクロミック系。
【請求項34】
ヨウ化物イオン類をさらに含み、前記系の温度が上昇するときの、太陽からの400nmから1400nmの電磁放射線のエネルギーを吸収する前記系の能力の前記可逆的純増加が、前記ホスフィン化合物とCO(II)イオン類を含むヨウ化物イオン類の間のヘテロレプティック配位化合物の濃度の可逆的増加によるものである、請求項33に記載のサーモクロミック系。
【請求項35】
a)ポリマーと、
b)Co(II)イオン類と、
c)Co(II)とHεMLCを形成する第1のリガンドと、
d)Co(II)とLεMLCを形成する第2のリガンドであって、次の構造:
【化4】

(式中、Rは、H、アルキル、置換アルキル、分枝アルキル、アラルキル、アリール、アミノ、置換アミノ、ニトロ及びそれらの組合せからなる群から選択される)によって表される前記第2のリガンドと
を含むサーモクロミック系。
【請求項36】
前記第2のリガンドが、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、ジ-ペンタエリスリトール、トリメチロールニトロメタン、トリメチロールアミノメタン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項35に記載のサーモクロミック系。
【請求項37】
第1のリガンドが、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項35に記載のサーモクロミック系。
【請求項38】
ポリマー層ならびに
a)遷移金属イオンと、
b)遷移金属イオンとHεMLCを形成することができる第1のリガンドと、
c)次の構造:
【化5】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、直鎖、分枝の置換または非置換アルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アラルキル及びそれらの組合せからなる群から独立して選択され、但し、場合によって、R1、R2、R3、R4、R5及び/またはR6の2つ以上の任意の組合せが、結合して1つまたは複数の場合によって置換されている環系を形成することができる)によって表される第2のリガンドと
を含むサーモクロミック系。
【請求項39】
前記第2のリガンドが、1,3-シクロヘキサンジオール、1,1-ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロパン、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2-ジブチル-l,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-l,3-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、セリノール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-l,3-プロパンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-メチレンプロパン-l,3-ジオール、2-フェニル-l,3-プロパンジオール、シクロヘキス-3-エン-l,l-ジイルジメタノール、3-メチル-l,3-ブタンジオール、3-メチル-2,4-ヘプタンジオール、[2-(2-フェニルエチル)-l,3-ジオキサン-5,5-ジイル]ジメタノール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンアリルエーテル及びそれらの混合物からなる群から選択されるジオールリガンドである、請求項38に記載のサーモクロミック系。
【請求項40】
前記遷移金属イオンが、Fe(II)、Co(II)、Ni(II)、Cu(II)及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項38に記載のサーモクロミック系。
【請求項41】
前記第1のリガンドが、ヨウ化物である、請求項40に記載のサーモクロミック系。
【請求項42】
a)遷移金属イオンと、
b)前記遷移金属イオンとHεMLCを形成することができる第1のリガンドと、
c)次の構造:
【化6】

(式中、Rは、直鎖、分枝の置換または非置換アルキル;置換または非置換アリール;置換または非置換アラルキル;ニトロ基、置換または非置換アミノ基及びそれらの組合せからなる群から選択される)を有する第2のリガンドと
を含むポリマー層を含むサーモクロミック系。
【請求項43】
前記第2のリガンドが、2,2’-(プロパン-l,3-ジイルジイミノ)ビス[2-(ヒドロキシメチル)プロパン-l,3-ジオール]、2-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-l,3-ジオール、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、2-(ブロモメチル)-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール、2-(ヒドロキシメチル)-2-プロピルプロパン-l,3-ジオール、2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロパン-l,3-ジオール、2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール、2-(ヒドロキシメチル)-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、トリメチロールプロパン、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項42に記載のサーモクロミック系。
【請求項44】
ポリマー層ならびに
a)遷移金属イオンと、
b)前記遷移金属イオンとHεMLCを形成することができる第1のリガンドと、
c)LεMLCを形成することができる第2のリガンドであって、ジ(トリメチロールプロパン)、L-フコース、メソ-エリスリトール、N-プロピル-N-ピリジン-2-イルピリジン-2-アミン、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(ビニルピロリドン)、テトラヒドロフルフリルアルコール、テトラヒドロピラン-2-メタノール、トリエタノールアミン、1,2,4-ブタントリオール、1,2-フェニレンジメタノール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-プロパンジオール、cis,cis-l,3,5-シクロヘキサントリオール、1,3,5-ペンタントリオール、2,5-ビス(ヒドロキシメチル)-l,4-ジオキサン-2,5-ジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、18-クラウン-6、1-エチル-lH-ベンズイミダゾール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、2-フェニル-1,2-プロパンジオール、3-(ジエチルアミノ)-l,2-プロパンジオール、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)ブタン-l,4-ジオール、3,3-ジメチル-l,2-ブタンジオール、3-ヒドロキシプロピオニトリル、3-メチル-l,3,5-ペンタントリオール、3-フェノキシ-1,2-プロパンジオール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、3-フェニル-1-プロパノール、(5-メチル-l,3-ジオキサン-5-イル)メタノール、ビス(メチルスルフィニル)メタン、ブチルスルホキシド、ジエチレングリコール、ジエチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、3,3’-オキシジプロパン-l,2-ジオール、ジメチルスルホキシド、エタノール、エチレングリコール、グリセロール、グリコール酸、3-(2-メトキシフェノキシ)プロパン-l,2-ジオール、サリチル酸リチウム、トリフルオロ酢酸リチウム、N,N-ジメチルホルムアミド、1,1,3,3-テトラメチル尿素、2,2-ジメチルプロパン-l-オール、ペンタエチレングリコール、ペンタエリスリトールエトキシレート、テトラヒドロチオフェン1-オキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリメチロールプロパンエトキシレート、トリメチロールプロパンプロポキシレート、トリフェニルホスフィンオキシド及びそれらの混合物からなる群から選択される第2のリガンドと
を含むサーモクロミック系。
【請求項45】
前記ポリマーが、ポリ(ビニルアセタール)またはポリ(ビニルアセタール)コポリマーを含む、請求項44に記載のサーモクロミック系。
【請求項46】
前記ポリマーが、ポリ(ビニルブチラール-co-ビニルアルコール-co-ビニルアセテート)を含む、請求項45に記載のサーモクロミック系。
【請求項47】
a)遷移金属イオンと、
b)前記遷移金属イオンとHεMLCを形成することができるリガンドと
を含むポリマー層を含むサーモクロミック系であって、前記ポリマーが、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(l-グリセロールメタクリレート)、ヒドロキシアルキルセルロース、ウレタン類、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(エチレン-co-ビニルアルコール)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリアクリルアミド、ポリ(N,N-ジメチルアクリルアミド)、ポリビニルピリジン類、それらのコポリマー類及びそれらの混合物からなる群から選択されるサーモクロミック系。
【請求項48】
前記遷移金属イオンが、Fe(II)、Co(II)、Ni(II)、Cu(II)及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項47に記載のサーモクロミック系。
【請求項49】
前記リガンドが、ヨウ化物である、請求項48に記載のサーモクロミック系。
【請求項50】
次の構造:
【化7】

(式中、R1、R2及びR3は、アルキル、シクロアルキル、置換または非置換アリールから独立して選択される)を有するホスフィン化合物を含む、請求項49に記載のサーモクロミック系。
【請求項51】
調製された前記系が、次の構造:
【化8】

(式中、R1、R2及びR3は、アルキル、シクロアルキル、置換または非置換アリールから独立して選択される)を有するホスフィン化合物を含む、請求項49に記載のサーモクロミック系。
【請求項52】
遷移金属イオン及びリガンドを含み、前記リガンドが、窒素原子を介して前記遷移金属イオンと前記リガンドとの間で形成されているHεMLC中の遷移金属イオンに配位している窒素含有5員または6員複素環化合物を含むサーモクロミック系であって、前記系を25℃から85℃まで加熱するステップが、HεMLCの濃度の増加を引き起こすサーモクロミック系。
【請求項53】
前記リガンドが、次の構造:
【化9】

(式中、X1及びX3は、C、C-R、N、及びN-Rからなる群からそれぞれ独立して選択され;X2は、CまたはC-Rであり;X4は、C、C-R、N、N-R、O、SまたはSeであり;X5は、C、N、S、C-Rであり、各Rは、水素、置換または非置換の直鎖または分枝アルキル、置換または非置換アリール、アラルキル、及びそれらの組合せからなる群から独立して選択され、但し、場合によって、2つ以上のR基が、結合して1つまたは複数の置換または非置換の縮合した飽和または不飽和の環系を形成することができる)を有する、請求項52に記載のサーモクロミック系。
【請求項54】
前記リガンドが、置換または非置換イミダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ピラゾール、インダゾール、イミダゾピリジン、トリアゾール、チアゾール、オキサゾール、チアトリアゾール、ベンズイソオキサゾール、トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、ベンズイソオキサゾール、チアジアゾール、ベンゾチアジアゾール、インドレニン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項53に記載のサーモクロミック系。
【請求項55】
前記リガンドが、3個の窒素原子を介して配位している三座リガンドを含む、請求項52に記載のサーモクロミック系。
【請求項56】
前記三座リガンドが、次の構造:
【化10】

(式中、X及びYは、n=1〜3である(CH2)nから独立して選択され、Rは、置換または非置換の直鎖または分枝アルキル、置換または非置換アリール、アラルキル及びそれらの組合せからなる群から選択され、式中、各
【化11】

は、独立して窒素含有5員または6員環を表す)を有する、請求項55に記載のサーモクロミック系。
【請求項57】
ハライドをさらに含み、前記リガンドが、次の構造:
【化12】

(式中、X、Y及びZの1つまたは2つは、n=1〜2である(CH2)nであり、その他は直接結合であり、各
【化13】

は、独立して窒素含有5員または6員環を表す)を有し、前記系を25℃から85℃まで加熱するステップが、前記遷移金属イオン、前記ハライド及び前記リガンドの間で形成されるHεMLCの濃度の増加を引き起こす、請求項52に記載のサーモクロミック系。
【請求項58】
前記リガンドが、窒素原子及びリン原子を介して配位している二座リガンドを含み、
前記系を25℃から85℃まで加熱するステップが、前記遷移金属イオンと前記二座リガンドとの間で形成されるHεMLCの濃度の増加を引き起こす、請求項52に記載のサーモクロミック系。
【請求項59】
前記リガンドが、次の構造:
【化14】

(式中、Rは、ハライド、置換または非置換の直鎖または分枝アルキル、置換または非置換アリール、アラルキル及びそれらの組合せからなる群から選択される)を有するオルトヒンダードピリジン単座リガンドを含む、請求項52に記載のサーモクロミック系。
【請求項60】
前記リガンドが、アミンの窒素原子及びイミンの窒素原子を介して配位している二座リガンドを含む、請求項52に記載のサーモクロミック系。
【請求項61】
前記二座リガンドが、次の構造:
【化15】

(式中、Xは、n=1〜4である(CH2)n
【化16】

【化17】

からなる群から選択され、R、R1、R2は、水素、置換または非置換の直鎖または分枝アルキル、置換または非置換アリール、アラルキル及びそれらの組合せからなる群から独立して選択される)を有する、請求項60に記載のサーモクロミック系。
【請求項62】
a)遷移金属イオンと、
b)ハライドと、
c)前記ハライド及び前記遷移金属イオンによりHεMLCを形成することができるリガンドと、
を含むサーモクロミック系であって、前記リガンドが、次の構造:
【化18】

[但し、Xは、(CH2)n(nは1〜4である)、
【化19】

【化20】

(ここで、R、R1、R2は、水素、置換または非置換の直鎖または分枝アルキル、置換または非置換アリール、アラルキル及びそれらの組合せからなる群から独立して選択される)からなる群から選択され、

【化21】

は、独立して窒素含有5員または6員環を表す]を有するサーモクロミック系。
【請求項63】

【化22】

が、独立して、置換または非置換イミダゾール、ピリジン、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール類、インダゾール類、またはピラゾールを表す、請求項62に記載のサーモクロミック系。
【請求項64】
a)遷移金属イオンと、
b)次の構造:
【化23】

(式中、R1、R2及びR3は、置換または非置換の直鎖または分枝アルキル、シクロアルキル、置換または非置換アリール及びそれらの組合せからなる群から独立して選択される)のホスフィン化合物と
を含むサーモクロミック系であって、前記系を25℃から85℃まで加熱するステップが、前記遷移金属イオンと前記ホスフィン化合物との間で形成されるHεMLCの濃度の増加を引き起こすサーモクロミック系。
【請求項65】
ヨウ化物をさらに含む、請求項64に記載のサーモクロミック系。
【請求項66】
a)遷移金属イオンと、
b)1,4,8,11-テトラチアシクロテトラデカンまたはそのアルキル化誘導体類と
を含むサーモクロミック系であって、前記系を25℃から85℃まで加熱するステップが、前記遷移金属イオンと前記1,4,8,11-テトラチアシクロテトラデカンとの間で形成されるHεMLCの濃度の増加を引き起こすサーモクロミック系。
【請求項67】
a)遷移金属イオンと、
b)次の構造:
【化24】

(式中、Xは、N-R、O、S、及びSeからなる群から選択され、Rは、水素、直鎖または分枝の置換または非置換アルキル、置換または非置換アリール、アラルキル及びそれらの組合せを表す)によって表されるリガンドと
を含むサーモクロミック系であって、前記系を25℃から85℃まで加熱するステップが、前記遷移金属イオンと上記の構造を有する前記リガンドとの間で形成されるHεMLCの濃度の増加を引き起こすサーモクロミック系。
【請求項68】
第1の金属イオン及び第2の金属イオンならびに第1の金属イオンと錯体化してLεMLCを形成し、第2の金属イオンと錯体化してHεMLCを形成する少なくとも1つのリガンドを含むサーモクロミック系であって、前記系の温度が上昇するとき、前記リガンドが前記第1の金属イオンから前記第2の金属イオンに移動することを受けて、可視及び/またはNIR範囲の光エネルギーを吸収するその能力に可逆的純増加を示すサーモクロミック系。
【請求項69】
可視範囲の光エネルギーを吸収するその能力の可逆的純増加を示す、請求項68に記載のサーモクロミック系。
【請求項70】
NIR範囲の光エネルギーを吸収するその能力の可逆的純増加を示す、請求項68に記載のサーモクロミック系。
【請求項71】
前記第1の金属イオンがZn(II)またはMn(II)であり、前記第2の金属イオンが、Co(II)、Ni(II)またはCu(II)から選択される、請求項68に記載のサーモクロミック系。
【請求項72】
前記第1の金属イオンがNi(II)であり、前記第2の金属イオンがCu(II)である、請求項71に記載のサーモクロミック系。
【請求項73】
前記第1の金属イオンがZn(II)であり、前記第2の金属イオンがCu(II)またはCo(II)である、請求項71に記載のサーモクロミック系。
【請求項74】
前記リガンドが、ハライドまたは擬ハライドを含む、請求項73に記載のサーモクロミック系。
【請求項75】
前記第1の金属イオンがZn(II)であり、前記第2の金属イオンがCo(II)とNi(II)との組合せである、請求項71に記載のサーモクロミック系。
【請求項76】
前記リガンドが、ホスフィンオキシド、ホスフィネートまたはイミダゾールである、請求項71に記載のサーモクロミック系。
【請求項77】
前記リガンドが、塩化物、臭化物、ヨウ化物またはチオシアネートである、請求項71に記載のサーモクロミック系。
【請求項78】
第1及び第2のサーモクロミック層を含むサーモクロミック装置であって、
各サーモクロミック層が、それぞれ、ポリマー、少なくとも1つの遷移金属イオン、遷移金属イオンと共にHεMLCを形成することができる少なくとも1つのHεLリガンド、及び遷移金属イオンと共にLεMLCを形成することができる少なくとも1つのLεLリガンドを含有し、
各層が、前記層の温度が上昇するとき、可視及び/またはNIR範囲の光エネルギー吸収度の可逆的純増加を示し、上昇した温度において、可視及び/またはNIR範囲の部分に対する前記第1の層内のHεMLCの前記光エネルギー吸収度が、前記第2の層内のHεMLCの前記光エネルギー吸収度より大きいサーモクロミック装置。
【請求項79】
前記サーモクロミック層の少なくとも1つが、可視範囲内の光エネルギー吸収度の純増加を示す、請求項78に記載の装置。
【請求項80】
前記サーモクロミック層の少なくとも1つが、NIR範囲内の吸収度の純増加を示す、請求項78に記載の装置。
【請求項81】
前記第1と第2のサーモクロミック層の間に前記層の内容物の混合を防止するための分離帯を追加的に含む、請求項78に記載の装置。
【請求項82】
前記分離帯が、励起される1つまたは複数の面を有する、請求項81に記載の装置。
【請求項83】
25℃における前記装置の吸収度が、可視及びNIR範囲を通して約0.3未満であり、85℃における前記装置の吸収度が、可視またはNIR範囲内の或る波長で約0.8より大きい、請求項81に記載の装置。
【請求項84】
前記遷移金属イオンが、ポリマー1キログラム当たり約0.02モルと0.4モルの量で存在する、請求項83に記載の装置。
【請求項85】
前記サーモクロミック層が、25℃で約70%より大きく、85℃で約15%未満のYで、25から85℃の温度範囲を通して約25未満のc*を示す、請求項78に記載の装置。
【請求項86】
前記サーモクロミック層が、25から85℃の範囲を通して約20未満のc*及び25℃で約75%より大きく、85℃で約15%未満のYを示す、請求項78に記載の装置。
【請求項87】
第3のサーモクロミック層を含み、前記サーモクロミック層が、25から85℃の範囲を通して約15未満のc*及び25℃で約80%より大きく、85℃で約15%未満のYを示す、請求項78に記載の装置。
【請求項88】
前記サーモクロミック層が、25℃で、青、緑または青銅色の外観及び85℃で20未満のc*を有する、請求項78に記載の装置。
【請求項89】
前記サーモクロミック系が、400から700nmの範囲の各波長で、25℃において約0.2以下の吸収度及び85℃において約0.8以上の吸収度を示す、請求項78に記載の装置。
【請求項90】
前記サーモクロミック層の少なくとも1つが、2種類以上のHεLを含有し、その少なくとも1つが、ハライド、擬ハライド、ホスフィン、またはホスフィネートである、請求項78に記載の装置。
【請求項91】
前記サーモクロミック層の少なくとも1つが、ポリ(ビニルブチラール)の層中に、ジオール、トリオール、またはポリオールのLεLを含有し、前記層が、1重量%未満の水を含有する、請求項78に記載の装置。
【請求項92】
前記遷移金属イオンが、Ni(II)及び/またはCo(II)を含む、請求項78に記載の装置。
【請求項93】
NIR吸収度が、ヨウ化物とCo(II)イオンとの錯体によって提供され、サーモクロミック活性が、ヨウ化物とNi(II)イオンとの錯体の濃度の増加によって提供される、請求項78に記載の装置。
【請求項94】
前記分離帯層が、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エステル-テレフタレート)、ポリカーボネート、ポリ(4-メチル-l-ペンテン)、ポリ(ビニルプロピオネート)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(エチレンスクシネート)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、エチルセルロース、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(n-ブチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、イソタクチックポリプロピレン、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルメチルケトン)、ポリ(エチレングリコールジメタクリレート)、ポリ(イソブチレン)、及びポリエチレンから選択される、請求項78に記載の装置。
【請求項95】
前記ポリマーが、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(l-グリセロールメタクリレート)、ヒドロキシアルキルセルロース、ウレタン類、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(エチレン-co-ビニルアルコール)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルブチラール-co-ビニルアルコール-co-ビニルアセテート)、ポリアクリルアミド、ポリ(N,N-ジメチルアクリルアミド)、ポリビニルピリジン類及び前記ポリマー官能性を含むコポリマー類から選択される、請求項78に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【公表番号】特表2010−502789(P2010−502789A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526933(P2009−526933)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/077385
【国際公開番号】WO2008/028128
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(501154633)プレオティント エル エル シー (3)