説明

リグノセルロースから付加価値化学物質に変換するためのワンポット一段階加水分解法

本発明は、リグノセルロースを付加価値化学物質に変換するための一段階加水分解法を提供し、この加水分解法は、ゼオライト、Si/金属を伴うゼオライト、メソポーラスシリカ、酸化物及びホスフェート、粘土、イオン交換樹脂、ヘテロポリ酸、様々なサルフェート、ホスフェート、セレネート、結晶性物質及び非晶質物質を含む群から選択される少なくとも1種の不均一固体酸触媒によって触媒される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リグノセルロースを付加価値化学物質に変換するための一段階加水分解法に関する。特には、本発明は、不均一触媒によって触媒される、ヘミセルロース等の非可食性原料をアラビノース、キシロース等の付加価値化学物質に変換するための一段階加水分解法に関する。
【背景技術】
【0002】
リグノセルロースは豊富にあり、また約40〜50%のセルロース、25〜30%のヘミセルロース及び20〜25%のリグニンから成る再生可能資源である。セルロース、ヘミセルロース及びリグニンをそれぞれ分離する技術はそろっているため、原材料であるヘミセルロースは容易に入手可能である。
【0003】
炭水化物であるヘミセルロースは、世界中どこであっても大量且つ安価に入手可能であり、これが多くの国が自国の化学的なニーズに関して独立できる主な要因である。基本的に非可食性原料由来であるヘミセルロースは、化学物質へのその変換に関して、食糧危機及び地政学的な要因とは無関係であることから可食性原料より有利である。
【0004】
化石供給原料(原油、天然ガス、石炭等)を化学物質及びエネルギーに変換すると、地球温暖化を引き起こす大量の二酸化炭素が発生する。需要は増加しているのに供給には限りがあるミスマッチを背景とした原油価格の近年の指数関数的上昇は、世界経済を低迷させつつある。更に、地政学的要因及び地球上の限られた領域でしか手に入らない限りある埋蔵量もまた、現在の状況の一端を担う。燃料価格及び二酸化炭素レベルを一定に維持するために、バイオマス系燃料(バイオエタノール、バイオディーゼル)製造の分野において努力が続けられていて、これが状況をより複雑なものにしている。これらの燃料は主に、スターチ(コーンスターチ、ライススターチ等)及び植物油(種子油)等の、利用が増加している可食性原料の中から求められるため、食糧価格の上昇という論調から世界中で多くの批判があがっている。このため、化石供給原料及び可食性原料を化学物質の合成に使用することから生じる限界を、バイオリファイナリによる非可食性バイオマス資源の利用によって克服することが求められている。植物体は、光合成の過程においてその成長中に光エネルギー、水及び二酸化炭素を捕捉して炭水化物を生成する。炭水化物合成に欠かせないCO2の固定によって、植物由来バイオマスの利用が全体として「カーボンニュートラル」な工程となる。光合成の年間の正味収量は約1.3兆トンあり、これにより、植物体は入手可能な最多の再生可能資源となっており、この再生可能な非可食性資源の一部は、木材及び農業廃棄物等のリグノセルロース材料である。
【化1】

【0005】
木材の主成分はセルロースであり、セルロースは木質材料のほぼ40〜50%を構成し、木材のもう一方の主要構成要素(約25〜30%)であり植物由来の2番目に多い再生可能供給原料はヘミセルロースである。セルロースは、C6(ヘキソース)グルコース単位から成り、また結晶性の高い物質である。一方、ヘミセルロースは、本明細書の以下の図で開示されるように、原料に応じてキシロース、マンノース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、グルクロン酸、ウロン酸等の主にC5(D−ペントース)及びC6(D−ヘキソース)単糖から構成される複合不均一高分子である。軟木(softwood)のヘミセルロースは主に、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、グルクロン酸等から成り、硬木(hardwood)のヘミセルロースは主に、キシロース及びグルクロン酸から成る。上の議論の結論として、世界の研究団体を化学物質及び燃料を製造するための非可食性再生可能原料の研究に駆り立てている主な要因には4つある。すなわち、食糧安全保障、費用効率、気候変化、及び地政学的シナリオとは無関係の地域産業である。
【化2】

【0006】
リグノセルロース材料(セルロース、ヘミセルロース及びリグニン)を化学物質及び燃料に変換するためには、これらの多糖を対応する単糖に選択的に分解しなくてはならない。現在、多くの研究が、リグノセルロース材料の付加価値化学物質への加水分解(又は分解)に費やされている。バイオマスの加水分解のための既知の技術には、希酸加水分解、濃酸加水分解、アルカリ加水分解及び酵素加水分解が含まれる。加水分解工程においては、過剰量の水の存在下、多糖のケタール官能基を加水分解してヘミアセタールを生成することができ、これによってオリゴマーの生成を経てモノマーの形態の糖を遊離させ得る。水に不溶性であるため、セルロース及びヘミセルロースの加水分解は困難な作業であり、したがって特定の反応条件を必要とする。
【0007】
ヘミセルロースの酸加水分解(希釈又は濃縮HCl、H2SO4)は極めて長い間知られているが、キシロース分解の阻害における困難さ、腐食の危険、取扱いにおける問題、酸の保管及び中和廃棄物の発生により、その工業利用は妨げられる。かつては、温和な条件(100〜150℃)下で濃縮無機酸(H2SO4)を使用したが、酸の回収は極めて困難であり、また高コストであった。この問題を解決するために、後に希酸による加水分解が確立されたが、150〜200℃及び正圧等の過酷な条件を必要とした。
【0008】
リグノセルロース材料の加水分解に関する、もう一方の広く研究されている方法が酵素触媒反応である。ヘミセルロースを加水分解するために、エンド型、エキソ型キシラナーゼ及びβ−キシロシダーゼの混合物を、α−アラビノフラノシダーゼ及び幾つかのその他の酵素と共に追加で使用する。生成物の生成に極めて特異的な酵素加水分解は通常、低温(50〜80℃)だが範囲の限定されたpH(酸性)で行われる。この方法で知られている欠点は、活性の低さ、酵素が作用する特定のpHを維持し、系を腐食性にするための緩衝液の使用、及び費用効率の妨げとなる酵素の高いコストであり、また生成物と酵素との分離は、生成物も触媒も共に水溶性であることから困難である。
【0009】
熱化学的(>700℃)にリグノセルロース材料を分解することも可能である。ガス化工程において、リグノセルロース材料を、酸素制限下、高温で分解すると価値ある合成ガス(CO+H2)が得られる。このような工程は幾つか知られている。熱分解法においては、無酸素でリグノセルロース材料を高温で加熱するとオイル、タール及びチャーの混合物が生じる。これらの工程において、いずれか1つの化合物を高い選択性で得ることは困難である。通常の糖が不安定となり、また更に分解されてしまう極めて高い温度で行われるからである。もう一方の欠点は、チャー、タール及びオイルの生成である。これらの化合物は、その複雑な構造から市場価値があまり高くなく、そのため廃棄物と見なされる場合がある。最後に、これらの方法は極めて高いエネルギー入力を必要とするため、費用効果がよくない。
【0010】
高温且つ加圧下にある水(亜臨界水、超臨界水)を使用したリグノセルロース材料の加水分解も報告されている。この技法において、触媒の不在下、200〜380℃及び約22MPaでリグノセルロース材料を臨界水条件に短時間供すると加水分解物が生成される。(分解に向かって)更に反応が進むため任意の生成物に対しての高い選択性がないこと及び高いエネルギー入力を必要とすることから、その使用には限度がある。加えて、これらの条件下で水は超酸性となることから、反応器の材料を腐食する可能性があり、これによって工程全体の資本コストが上昇する。
【0011】
Young Mi Kim、Nathan Mosier、Rick Hendrickson及びMichael R.LadischがEnergy and Fuels2005(第19巻、2189〜2200頁)に「Plug−Flow reactor for continuous hydrolysis of Glucans and Xylans from pretreated corn fiber」の題名で発表した論文には、可溶性グルカン及びキシランの連続加水分解のための、130℃での固定床に充填された固体イオン交換樹脂(Amberlyst 35W樹脂ミクロ網状タイプ、Dowex 50WX2、SK104、SK110ゲルタイプ)の形態での固体強酸触媒の使用が開示されている。また、まず不溶性ヘミセルロースを、160℃において(under)、pH4〜7で可溶性の形態(オリゴ糖)に変換し、次にこれらの溶解したオリゴ糖を遠心分離で分離し、更にイオン交換樹脂に曝露することが開示されている。この反応は二段階法である。
【0012】
Atsushi Fukuoka及びParesh L.DhepeがAngewandte Chemie Int.Ed.(2006、45、5161〜5163)に「Catalytic conversion of cellulose into sugar alcohols」の題名で発表した別の論文は、ガンマ−Al23、HY(2.6)、HUSY(15)、HUSY(20)、HUSY(40)、HZSM−5 SiO2−Al23、SiO2、TiO2、ZrO2、FSM−16、H−ベータ、HMOR又は活性炭の群から選択される材料に担持させた金属触媒の使用による、セルロースからグルコースへの加水分解並びにグルコースからソルビトール及びマンニトールへの還元に関するものであった。
【0013】
「Catalyst for hydrolysis of cellulose and/or reduction of hydrolysis product thereof;and method for producing sugar alcohol from cellulose」と題された国際公開第2007/100052号A1パンフレットには、周期表の第8〜11族遷移金属(Pt、Ru、Pd、Rh、Ni、Ir)から選択される触媒の存在下でのセルロースの加水分解及び/又はその加水分解物の還元が開示されている。
【0014】
更に、欧州特許第0329923号明細書には、シリカ−アルミナ又は酸性ゼオライト(フォージャサイト型ゼオライト、HZSM−5、H−ベータ、H−モダナイト(Modernite)(modernite))の群の固体酸性触媒に担持させた金属を使用した、多糖(スターチ)からの多価アルコールの製造が開示されている。
【0015】
「Process for making Xylose」と題された米国特許第4075406号明細書には、ペント酸、好ましくはキシラン含有原材料からキシロースを回収する方法が記載されていて、この方法は、原材料を硫酸加水分解し、イオン排除及び色素除去によって加水分解産物を精製し、次に精製溶液をイオン交換樹脂カラムでのクロマトグラフ分別に供することによって高レベルのキシロースを含有する溶液を得る工程を含む。
【0016】
上で論じた技術及びそれらの限界を糸口として、固体酸で触媒するヘミセルロース加水分解についての研究が取り上げられた。固体酸を使用する主な利点は、触媒(固体)と生成物(水溶性)との分離が単純な濾過によって容易であること、また完全に地球に優しい環境(中和廃棄物が発生せず、水が反応媒体として使用されるため)において、腐食を起こすことなく中性条件下(酸性部位が固体に結合し、反応媒体中に遊離しないため)で作業が行われることである。
【0017】
上で開示の従来技術のいずれも、ヘミセルロースを加水分解する費用効果が高く耐食性のワンポット反応について教示も説明もしていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の主な目的は、非可食性原料(リグノセルロース等)を付加価値材料(キシロース、アラビノース、グルコース、マンノース、グルクロン酸、フルアルデヒド等)に変換する一段階法を提供することである。
【0019】
本発明の更に別の目的は、固体不均一酸触媒で触媒される、リグノセルロースからキシロース及びアラビノースへの一段階加水分解を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
したがって、本発明は、リグノセルロースを付加価値化学物質に変換するためのワンポット一段階加水分解法を提供し、本方法は、
(a)リグノセルロースを反応器に装入し、続いて溶媒及び少なくとも1種の不均一固体酸触媒を装入し、
(b)任意で反応器のフラッシングを不活性ガス又は空気で行い、
(c)攪拌下で反応器の圧力を1〜70バールに、及び温度を50〜250℃に調節し、
(d)要求された温度を安定させた後に撹拌速度を10〜2000rpmに上昇させ、
(e)上の反応を0.1〜96時間にわたって行うことによって所望の付加価値生成物を得る工程を含む。
【0021】
本発明の実施形態において、使用する不均一固体酸触媒は、ゼオライト、Si/金属を伴うゼオライト、メソポーラスシリカ、酸化物及びホスフェート、粘土、イオン交換樹脂、ヘテロポリ酸、様々なサルフェート、ホスフェート、セレネート(selenate)、結晶性物質及び非晶質物質を含む群から選択される。
【0022】
更に別の実施形態において、使用する触媒は、規則的な細孔構造及び細孔直径0.3〜1.5nmを有するSi/Al=1〜100のゼオライト触媒であり、ゼオライトは、例えばZSM−5、Y、X、ベータ及びMORであり、そのH形態又は酸性部位を生じさせるためにH形態に変換されるNa若しくはNH4形態である。
【0023】
更に別の実施形態において、使用するSi/金属を伴う触媒ゼオライトは、Si対金属比=1〜100(メタロシリケート)のゼオライトであり、金属はGa、Ti、Fe、Cr、Zn、P、B又はZrである。
【0024】
更に別の実施形態において、使用する触媒は、規則的な細孔構造及び>2nmの細孔直径を有するMCM−41、FSM−16、SBA−15、HMMタイプ及びカルボン酸、チオール、−SO3H等の官能基が結合したシリカから選択されるメソポーラスシリカ触媒である。
【0025】
更に別の実施形態において、使用するメソポーラスシリカ触媒は任意で、Ga、Al、Sb、In、Fe、Ti及びPから選択される金属を取り込む。
【0026】
更に別の実施形態において、使用するメソポーラスシリカ触媒は、Al−MCM−41、Al−SBA−15及びGa−MCM−41から選択される。
【0027】
更に別の実施形態において、使用する酸化物及びホスフェート触媒は、ニオブ酸(Nb25)、MoO3/ZrO2、WO3/ZrO2、リン酸ジルコニウム、リン酸ランタン、リン酸ニオブ、並びに単体で又は組み合わせてSiO2、Al23、SiO2−Al23、TiO2、C、金属酸化物、ポリマー及び担体に担持された又は混合されたMo、W、Nb、P、V、Si、Alから成る群から選択される。
【0028】
更に別の実施形態において、使用する粘土触媒は、アルミノシリケート、フィロシリケート、ピラードクレイ、カチオン交換粘土及び酸処理粘土から成る群から選択され、好ましくはモンモリロナイト(K10)タイプである。
【0029】
更に別の実施形態において、使用するイオン交換樹脂触媒は好ましくは、Amberlyst−15、Amberlyst−35、Amberlite、Amberjet、Aowex、Auolite、Nafionビーズ(NR50タイプ)及びNafion−シリカ複合材料(SAC−13タイプ)タイプから成る群から選択されるカチオン交換体である。
【0030】
更に別の実施形態において、使用するヘテロポリ酸触媒は、Kegginタイプ、Dawsonタイプ、Waughタイプ、Andersonタイプ及びSilvertonタイプから成る群から選択される。
【0031】
更に別の実施形態において、使用するヘテロポリ酸触媒は任意で、金属酸化物、炭素、樹脂、ポリマー及び/又はH+に置換する金属を含む基に担持されるリンタングステン酸、リンモリブデン酸、シリコタングステン酸、モリブドバナドリン酸ヘテロポリ酸又はこれらのアニオン、例えばCsx3-xPW1240(x=0〜3)及びCsx4-xSiW1240(x=0〜4)タイプである。置換金属は、Cs、Pd、Rh等であり得る。
【0032】
更に別の実施形態において、使用する不均一触媒は、サルフェート、ホスフェート及びセレネートから選択される。
【0033】
更に別の実施形態において、使用する担体は任意で、そのままの、又は酸処理で修飾して若しくは官能化によって酸性特性を付与した、Al23、ZrO2、SiO2、TiO2、オルガノシリケート、炭素、ポリマー、酸化物から成る群から選択される結晶又は非晶質である。
【0034】
更に別の実施形態において、工程bで使用する不活性ガスは、窒素、アルゴン、ヘリウム及び水素から選択される。
【0035】
更に別の実施形態において、使用する基質対溶媒比は、0.001〜0.5質量/質量の範囲である。
【0036】
更に別の実施形態において、使用する基質対触媒比は、0.2〜500質量/質量の範囲である。
【0037】
更に別の実施形態において、反応において使用する溶媒は、有機溶媒又は比が1:99〜99:1の水と有機溶媒との混合物であり、有機溶媒は、アルコール、エーテル、エステル、ヘキサン、酸、トルエン及びキシレンから成る群から選択される。
【0038】
更に別の実施形態において、使用する触媒は再循環可能であり、また再使用可能である。
【0039】
更に別の実施形態において、使用するヘミセルロースの原料は、軟木、硬木、リグノセルロース、草、農作物、使用済み農作物、樹木、植物、木質廃材、農業廃棄物、林地残材、パルプ、紙、パルプ及び紙廃棄物、都市廃棄物、食品加工廃棄物並びにこれらの副産物から成る群から選択される。
【0040】
本発明は、固体不均一酸触媒によって触媒される、リグノセルロースからキシロース及びアラビノースへの加水分解の一段階法に関する。ヘミセルロース(モデル基質はキシラン)は、スペルト麦(oat)又はカバ材由来であり、反応器に装入される。水及び触媒も装入され、次に反応器のフラッシングを窒素で行い、1〜70バールの最終圧力を室温で維持する。反応器を所望の温度(50〜250℃)にまでゆっくり撹拌しながら加熱する。一旦所望の温度に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。反応は、0.1〜96時間の様々な時間にわたって行われる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】触媒のヘミセルロースの加水分解への影響を示す。キシラン(スペルト麦):0.6g、触媒:0.3g、水:60g、N2圧力:室温で5MPa(50バール)、温度:130℃、反応時間:48時間、撹拌速度:500rpm
【図2】固体酸で触媒するヘミセルロースの加水分解を示す。キシラン(スペルト麦):0.6g、触媒:0.3g、水:60g、N2圧力:室温で5MPa(50バール)、温度:130℃、反応時間:48時間、撹拌速度:500rpm
【図3】温度のヘミセルロース加水分解への影響を示す。キシラン(スペルト麦):0.6g、HUSY(Si/Al=15):0.3g、水:60g、N2圧力:室温で5MPa(50バール)、撹拌速度:500rpm
【図4】圧力のヘミセルロース加水分解への影響を示す。キシラン(スペルト麦):0.6g、HUSY(Si/Al=15):0.3g、水:60g、温度:130℃、反応時間:24時間、撹拌速度:500rpm
【図5】ヘミセルロース原料の加水分解への影響を示す。キシラン(スペルト麦又はカバ材):0.6g、HUSY(Si/Al=15):0.3g、水:60g、N2圧力:室温で5MPa(50バール)、温度:130℃、反応時間:48時間、撹拌速度:500rpm
【発明を実施するための形態】
【0042】
本明細書で開示の本発明は、非可食性材料(リグノセルロース等)を付加価値材料(キシロース、アラビノース、グルコース、マンノース、ガラクトース、グルクロン酸等)に加水分解によって変換するための新規で、一段階の、環境に優しいプロセスについて記載しており、このような加水分解プロセスは、不均一固体酸触媒によって触媒される。本発明のリグノセルロース材料又はリグノセルロースは、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンである。
【0043】
反応のための基質は、任意の植物の細胞壁に埋め込まれたヘミセルロースであり、いずれの軟木又は硬木原料から得ることもでき、また非水溶性である。軟木ヘミセルロースは、マツ、トウヒ、ヒマラヤスギ、モミ、カラマツ、アメリカトガサワラ、ツガ、イトスギ、セコイア、イチイ、ヨーロッパアカマツ(red deal、yellow deal)、ベイスギ等の植物由来である。硬木ヘミセルロースは、ヨーロッパナラ、ブナ、トネリコ、ニレ、アメリカスズカケノキ、カバノキ、クルミノキ等の植物由来である。ヘミセルロースのその他の原料は、リグノセルロース、草、農作物、使用済み農作物、樹木、植物、木質廃材(製材廃材を含む)、農業廃棄物(コーンストーバー、バガスを含む)、林地残材、パルプ及び紙及びこれらの廃棄物、都市廃棄物、食品加工廃棄物並びに副産物等から選択することができる。
【0044】
反応は、様々な容量のオートクレーブ、ステンレススチール槽、テフロン(登録商標)槽、ガラス反応器又は平板プラズマタイプ反応器から選択される反応器タイプ中で行われる。
【0045】
反応は、50〜250℃の温度で、1〜70バールの不活性ガス(窒素、ヘリウム、アルゴン等)又は水素又は空気圧下で行われる。反応時間は、速度10〜2000rpmで0.1〜96時間であり、任意でフラッシングを行う。
【0046】
反応のための溶媒は、比1:99〜99:1の水と有機溶媒との組み合わせを含む群から選択される。有機溶媒は、アルコール、エーテル、ヘキサン、トルエン及びキシレン等の群を含む。
【0047】
基質:溶媒比は、0.001〜0.5質量/質量の範囲である。
【0048】
本発明の基質:触媒濃度は、0.2〜500質量/質量の範囲である。
【0049】
本発明の実施形態において、スペルト麦又はカバ材由来のヘミセルロース(モデル基質はキシラン)を反応器に装入する。水及び触媒も装入され、反応器のフラッシングを窒素で行い、0.1〜7MPa(1〜70バール)の最終圧力を室温で維持する。反応器を所望の温度(50〜250℃)にまでゆっくり撹拌しながら加熱する。撹拌速度を500rpmにまで上昇させ、反応を、0.1〜96時間にわたって行うことによってキシロース、アラビノース、グルコース及びキシリトールを得る。更に、反応混合物をHPLC/LC−MSで分析し、収率を求める。
【0050】
本発明の不均一触媒は、ゼオライト、Si/金属(メタロシリケート)を伴うゼオライト、メソポーラスシリカ、修飾メソポーラスシリカ、酸化物及びホスフェート、粘土、イオン交換樹脂、ヘテロポリ酸、様々なサルフェート、ホスフェート、セレネート、結晶性物質、非晶質物質等を含む固体酸触媒群から選択される。触媒は、酸性又は中性の担体として担持される希土類元素及びその化合物由来であり得るか、又はサルフェート若しくはその前駆体と組み合わされる。触媒は任意で、150℃又は550℃で1〜16時間にわたって空気中又は真空下で活性化される。更に、本発明の触媒を、本明細書において以下で例示するように再使用することができる。
【0051】
規則的な細孔構造及び細孔直径0.3〜1.5nmを有するSi/Al=1〜100のゼオライト(例えばZSM−5、Y、X、ベータ及びMOR等でそのH形態又は酸性部位を生じさせるために反応前にH形態に変換されるNa若しくはNH4形態のゼオライトを含む)が、本発明の触媒のゼオライト(zeloite)クラスである。
【0052】
Si/金属=1〜100(メタロシリケート)であるゼオライト(金属は、Ga、Ti、Fe、Cr、Zn、P、B又はZrである)もまた、ヘミセルロースの加水分解変換を触媒することができる。金属は、希土類金属でもあり得る。
【0053】
固体酸を、様々な混合金属、例えばシリカアルミノホスフェート(SAPO)、ALPO等から選択することもできる。
【0054】
メソポーラスシリカ触媒は、規則的な細孔構造及び>2nmの細孔直径を有するMCM−41、PSM−16、SBA−15、HMMタイプであり、カルボン酸、チオール、−SO3H等の官能基が結合した上記のシリカを含む。
【0055】
酸性度を上昇させるために金属を取り込んだメソポーラスシリカは、例えばAl−MCM−41、Ga−MCM−41、Al−SBA−15等である。ヘミセルロースの加水分解を触媒する酸化物及びホスフェート触媒は、ニオブ酸(Nb25)、MoO3/ZrO2、WO3/ZrO2、リン酸ジルコニウム、リン酸ランタン、リン酸ニオブ及びSiO2、Al23、SiO2−Al23等に担持されたMo、W、Nb酸化物である。本発明の粘土触媒は、アルミノシリケート、フィロシリケート、ピラードクレイ、カチオン交換粘土及び酸処理粘土から選択され、好ましくはモンモリロナイト(K10)タイプである。
【0056】
Amberlyst−15、Amberlyst−35、Amberlite、Amberjet、Dowex、Duolite、Nafionビーズ(NR50タイプ)及びNafion−シリカ複合材料(SAC−13タイプ)から選択されるイオン交換樹脂、好ましくはカチオン交換体は、本発明の反応を触媒することができる。
【0057】
ヘテロポリ酸は、Kegginタイプ、Dawsonタイプ、Waughタイプ、Andersonタイプ又はSilvertonタイプから選択される。ヘテロポリ酸は任意で、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、シリコタングステン酸、モリブドバナドリン酸ヘテロポリ酸又はこれらのアニオンである。これらは担持された触媒であり、その担体は、金属酸化物、炭素、樹脂及びポリマーから成る群から選択される。H+に置換する金属も含まれ、例えばCsx3-xPW1240(x=0〜3)である。
【0058】
本発明のその他の触媒は、様々なサルフェート、ホスフェート、セレネート及びそのままの若しくは酸処理で修飾したAl23、ZrO2、SiO2、TiO2、オルガノシリケート、炭素、硫酸化ジルコニア、ポリマー、酸化物から選択される、任意で結晶又は非晶質の様々な担体である。Cu/ZnO/Al23等の混合金属酸化物等。
【0059】
本発明の一実施形態において、本明細書に記載されるような一段階加水分解法は更に、セルロースを、キシロース、アラビノース、キシリトール、アラビトール、フルフラール、キシラル酸、グリコール及びヒドロキシフランから選択される付加価値誘導体生成物に変換することを含む。セルロースから付加価値誘導体生成物への変換の工程は、固体酸触媒及び担持された金属触媒によって触媒される。ヘミセルロース及びセルロースの付加価値誘導体生成物への変換の工程は、シングルポット工程である。
【0060】
図1で観察されるように、90%を超える変換率でのヘミセルロースからのキシロースの生成は触媒を必要とし、51%のキシロース収率が、図1に記載の反応条件でHベータ(Si/Al=19)触媒について得られる。キシロース生成に加えて、オリゴマー、例えばキシロペンタオース(互いに連結された5単位のキシロース)、キシロトリオース(互いに連結された3単位のキシロース)及びキシロビオース(互いに連結された2単位のキシロース)もそれぞれ6、10及び14%の収率で得られる。触媒がないと、50%のキシロペンタオース及び10%のキシロテトラオース(互いに連結された4単位のキシロース)の収率しか観察されず、キシロース生成は不可能であった。このことは、ヘミセルロース加水分解反応が触媒反応、すなわち酸触媒を必要とする反応である事実を明確に強調している。グルコースの生成は、分析におけるグルコース及びキシロースのピークの重複により観察されない。しかしながら、キシロース生成についての計算は、合計面積(グルコース+キシロース)並びに基質中に存在するキシロース及びグルコースの総量に基づく(すなわち、スペルト麦のモデル基質の場合、≧70%のキシロース及び≦15%のグルコースが存在する)。
【0061】
図2に見られるように、反応中、まずヘミセルロースがオリゴマーに熱分解され、今度はオリゴマーが更にモノマー(キシロース)に変換されることが観察される。また、HUSY(Si/Al=15)触媒の活性化後、キシロースの収率(40%)が、非活性化触媒の場合(26%)と比較して上昇することは興味深い。アラビノースの生成もまた、約70%の収率で見られた。キシロース及び/又はアラビノースの脱水素環化由来のフルアルデヒドの生成もまた、SO42-/ZrO2触媒について14%の収率で観察された。
【0062】
本発明の触媒反応への温度の影響が、図3に見られる。反応が温度に極めて大きく依存することがはっきりと見て取れる。100℃ではキシロースの生成が殆ど観察されないが、温度が100℃から200℃に上昇するにつれて、キシロースの生成量が増加し、時間は短くなる。120℃で13%のキシロース生成が72時間の反応時間後に観察され、130℃及び140℃ではそれぞれ40%及び47%のキシロースの生成がそれぞれ48時間及び22時間の反応時間後に観察される。温度を更に150℃、160℃及び170℃にまで上昇させると、キシロースの生成は、それぞれ10、6及び2.5時間後にそれぞれ45、41及び43%である。更に、温度を200℃にまで上昇させると、30分以内の反応時間で45%のキシロースが得られた。
【0063】
図4から、圧力0.1MPa(1atm)では、HUSY(Si/Al=15)触媒での24時間の反応後、18%のキシロースが生成されることが観察される。圧力が0.5MPa(5バール)以上に上昇すると、キシロース生成がほぼ一定になる(約30〜40%)。
【0064】
軟木及び硬木由来のヘミセルロースが異なるモルホロジーを有し、また重合度(DP)(すなわち、互いに連結してポリマーを形成する総キシロース単位数)が異なることはよく知られている。軟木ヘミセルロースの場合、DPが約100であり、硬木ヘミセルロースの場合、DPが約200であることが報告されている。このため硬木ヘミセルロースの分解が困難となる。或いは、恐らくは反応速度がより遅い。このことを考慮に入れてヘミセルロース原料についての研究を行った。結果を図5に示す。いずれのヘミセルロース基質でもほぼ同じキシロース生成が可能であることが観察される。
【0065】
固体酸触媒を使用して、ヘミセルロースが単糖(キシロース、グルコース、アラビノース、マンノース等)、オリゴマー(キシロペンタオース、キシロテトラオース、キシロトリオース、キシロビオース等)に加水分解され、また更にフルアルデヒド及び5−ヒドロキシメチルフルフルアルデヒド(HMF)に変換されていることが観察される。誘導されたキシロースを、様々な化学物質の化学的又は生化学的な合成のための原材料として広く使用することができる。キシロースからの−CHO基の水素化後のキシリトール製造がよく報告されている。更に、キシリトールは、食品、医薬品及び薄膜コーティング用途に幅広く使用される。キシリトールのより重要な用途は甘味料としての使用であり、また糖尿病患者が食べることができる砂糖不使用の菓子に使用される。キシロースはグリコール(エチレン、プロピレン等)に変換することもでき、またソルビトール基質に関して示されるように水素源として働くこともできる。キシロースをエタノール、2,3−ブタンジオール、乳酸及びその他多くの化学物質に変換することもできる。
【0066】
本発明の方法は、慣用の鉱酸(HCl、H2SO4)触媒法及び酵素触媒法と比較すると以下の利点を有する。
1.非腐食性の系である。
2.本方法では、固体触媒のため系を中性pHで扱い、また反応媒体として水を使用することから、中和廃棄物が発生しない。
3.触媒と生成物との分離が容易である。これは、触媒は固体であり且つ反応媒体に不溶性だが、生成される生成物(キシロース、アラビノース、グルコース、フルアルデヒド、オリゴマー等)は水溶性だからである。このため、反応媒体/生成物から触媒を分離する工程が全体としてコストの高いものにならず、また単純な濾過工程だけを利用することができる。
4.触媒の取り扱いが極めて容易であり、鉱酸の取り扱いに必要とされるような特別な用心を必要としない。
5.反応の工業的な応用が可能である。
【0067】
本発明の方法を、以下の実施例を参照しながら以下で説明する。実施例は説明のためのものに過ぎず、本発明の範囲をいかなる形でも限定すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0068】
実施例1
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を130℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である130℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させた。定期的にサンプルを採取し、48時間後に反応を停止させた。
【0069】
反応混合物の分析
反応混合物を、HPLC(Shimadzu社、日本)で分析する。水を溶出溶媒として使用する。紫外可視検出器及び屈折率検出器(refractive index detector:RID)を、化合物の検出に使用する。全ての化合物(キシロース、アラビノース、グルコース、5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)及びフルアルデヒド)の較正を分析に先立って行った。生成物の確認も、LC−MS分析によって行った。
【0070】
実施例2
オートクレーブ(バッチ反応器)に、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのCs2.50.5PW1240及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を130℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である130℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させた。定期的にサンプルを採取し、24時間後に反応を停止させると40%のキシロースが生成された。
【0071】
実施例3
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングをヘリウムガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)のヘリウムを反応器に充填する。反応器を130℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である130℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、48時間後に反応を停止させると38%のキシロースが生成される。
【0072】
実施例4
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのNb25及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、3時間後に反応を停止させると19%のキシロースが生成される。
【0073】
実施例5
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのAl23及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、3時間後に反応を停止させると20%のキシロースが生成される。
【0074】
実施例6
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのSO42-/ZrO2、60gの水及び5MPa(50バール)のアルゴンを装入する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。3時間後に反応を停止させると(フラッシングは行わない)11%のキシロースが生成された。
【0075】
実施例7
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのAl−MCM−41(Si/Al=50)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、3時間後に反応を停止させると14%のキシロースが生成される。
【0076】
実施例8
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのAl−SBA−15(Si/Al=50)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、3時間後に反応を停止させると4%のキシロースが生成される。
【0077】
実施例9
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのAmberlyst−15(使用前に触媒を水還流させ、温水で洗浄する)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を130℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である130℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、48時間後に反応を停止させると7%のキシロースが生成される。
【0078】
実施例10
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのSiO2−Al23(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を130℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である130℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、24時間後に反応を停止させると5%のキシロースが生成される。
【0079】
実施例11
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのGa−MCM−41(Si/Ga=10)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、3時間後に反応を停止させると9%のキシロースが生成される。
【0080】
実施例12
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.01gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を130℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である130℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、48時間後に反応を停止させると34%のキシロースが生成される。
【0081】
実施例13
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び20gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を130℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である130℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、24時間後に反応を停止させると36%のキシロースが生成される。
【0082】
実施例14
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの溶媒(40gのトルエン及び20gの水)を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を120℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である120℃に達したら、撹拌速度を1000rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、48時間後に反応を停止させると8%のキシロースが生成される。
【0083】
実施例15
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を130℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である130℃に達したら、撹拌速度を1000rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、48時間後に反応を停止させると42%のキシロースが生成される。
【0084】
実施例16
オートクレーブ(バッチ反応器)に、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器を130℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である130℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取する。48時間後に反応を停止させた。この反応において、不活性ガスは使用せず、また38%のキシロースが生成された。
【0085】
実施例17
オートクレーブ(バッチ反応器)に、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのスルホン化MCM−41(−SO3H基が結合したMCM−41)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行い、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を120℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である120℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、48時間後に反応を停止させると10%のキシロースが生成される。
【0086】
実施例18
オートクレーブに、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.3gのモンモリロナイトK10(粘土)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行い、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取した。3時間後に反応を停止させる。収率29%のキシロースが得られた。
【0087】
実施例19
オートクレーブ(バッチ反応器)に、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.6gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行い、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取した。3時間後に反応を停止させる。
【0088】
反応混合物をオートクレーブから取り出した後、反応混合物を遠心分離し、湿潤した粉末(触媒及び未反応のヘミセルロースを含有する)を取り出す。この湿潤した粉末を冷たい蒸留水で3回洗浄する。次に、この粉末を、次の反応のために装入物と共に以下のように0.6gのキシラン、未反応のヘミセルロースと共に回収されたHUSY(Si/Al=15)触媒(湿潤した粉末)及び60gの水として使用する。再循環実験のための反応条件は上記のものと同じである。定期的にサンプルを採取する。3時間後に反応を停止させると36%のキシロースが得られた。
【0089】
実施例20
テフロン(登録商標)反応器(バッチ反応器)に、0.4gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.2gのHUSY(Si/Al=15)及び40gの水を装入する。反応器を130℃にまで撹拌(rpmは測定されない)しながら加熱する。24時間後に反応を停止させると30%のキシロースが生成される。
【0090】
実施例21
オートクレーブ(バッチ反応器)に、0.6gのキシラン(軟木、スペルト麦由来のヘミセルロース)、0.24gのHUSY(Si/Al=15)、0.06gのSO4-2/ZrO2(触媒総量0.3g)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。次に、反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、3時間後に反応を停止させると収率33%のキシロースが得られる。
【0091】
実施例22
オートクレーブ(バッチ反応器)に、0.6gのキシラン(硬木、カバ材由来のヘミセルロース)、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。次に、反応器を130℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である130℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取する。48時間後に反応を停止させた。反応の結果は、36%のキシロース収率である。
【0092】
実施例23
オートクレーブに、0.6gのバガス、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、1.5時間後に反応を停止させると0.09gのキシロースが生成される。
【0093】
実施例24
オートクレーブに、0.6gのバガス、0.3gのモンモリロナイトK10(粘土)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、1.5時間後に反応を停止させると0.08gのキシロースが生成される。
【0094】
実施例25
オートクレーブに、0.6gのバガス、0.3gのHベータ(Si/Al=19)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、2時間後に反応を停止させると0.09gのキシロースが生成される。
【0095】
実施例26
オートクレーブに、0.6gのバガス、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を120℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である120℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、40時間後に反応を停止させると0.08gのキシロースが生成される。
【0096】
実施例27
オートクレーブに、0.6gのバガス、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を140℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である140℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、12時間後に反応を停止させると0.08gのキシロースが生成される。
【0097】
実施例28
オートクレーブに、0.6gのバガス、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、0.1MPa(1バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、1.5時間後に反応を停止させると0.08gのキシロースが生成される。
【0098】
実施例29
オートクレーブに、0.6gのバガス、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行う。この後、0.5MPa(5バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取し、1.5時間後に反応を停止させると0.09gのキシロースが生成される。
【0099】
実施例30
オートクレーブに、0.6gのバガス、0.3gのHUSY(Si/Al=15)及び60gの水を装入する。反応器のフラッシングを窒素ガスで3回行い、5MPa(50バール)の窒素を反応器に充填する。反応器を170℃にまで低速(100rpm)で撹拌しながら加熱する。所望の温度である170℃に達したら、撹拌速度を500rpmにまで上昇させる。定期的にサンプルを採取した。2時間後に反応を停止させると0.09gのキシロースが生成される。
【0100】
反応混合物をオートクレーブから取り出した後、反応混合物を遠心分離し、湿潤した粉末(触媒及び未反応のバガスを含有する)を取り出す。この湿潤した粉末を冷たい蒸留水で3回洗浄する。次に、この粉末を、次の反応のために装入物と共に以下のように0.6gのバガス、未反応のバガスと共に回収されたHUSY(Si/Al=15)触媒(湿潤した粉末)及び60gの水として使用する。再循環実験のための反応条件は上記のものと同じである。定期的にサンプルを採取する。2時間後に反応を停止させると0.08gのキシロースが得られた。
【0101】
実施例31
いかなる物理的及び/又は化学的前処理もしていないリグノセルロース材料(バガス)(0.6g)を、水(30g)、トルエン(30g)及び固体酸触媒(0.3g)とオートクレーブ内で混合した。170℃の反応温度を、N2圧力なしで維持した。5時間の反応時間後、HUSY(Si/Al=15)触媒で40%のフルフラール収率が観察された。
【0102】
実施例32
いかなる物理的及び/又は化学的前処理もしていないリグノセルロース材料(バガス)(0.6g)を、水(30g)、トルエン(30g)及び固体酸触媒(0.3g)とオートクレーブ内で混合した。170℃の反応温度を、N2圧力(0.5MPa(5バール))下で維持した。5時間の反応時間後、HUSY(Si/Al=15)触媒で40%のフルフラール収率が観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグノセルロース材料を付加価値誘導体生成物に変換するためのワンポット一段階加水分解法であって、
(a)リグノセルロース材料を反応器に装入し、続いて溶媒及び少なくとも1種の不均一固体酸触媒を装入し、
(b)任意に前記反応器を不活性ガス又は空気でフラッシングし、
(c)攪拌下で、前記反応器の圧力を0.1〜7MPa(1〜70バール)に、及び温度を50〜250℃に調節し、
(d)要求された温度を安定させた後に撹拌速度を10〜2000rpmに上昇させ、
(e)上記反応を0.1〜96時間にわたって行うことによって所望の付加価値生成物を得る、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
使用する前記不均一固体酸触媒が、ゼオライト、Si/金属を伴うゼオライト、メソポーラスシリカ、酸化物及びホスフェート、粘土、イオン交換樹脂、ヘテロポリ酸、様々なサルフェート、ホスフェート、セレネート、結晶性物質及び非晶質物質を含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ゼオライト触媒が、Si/Al=1〜100を伴い、規則的な細孔構造及び細孔直径0.3〜1.5nmを有し、前記ゼオライトが例えばZSM−5、Y、X、ベータ及びMORであり、そのH形態又は酸性部位を生じさせるためにH形態に変換されるNa若しくはNH4形態である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
Si/金属を伴う前記ゼオライトが、Si対金属比=1〜100(メタロシリケート)を有し、前記金属が、Ga、Ti、Fe、Cr、Zn、P、B又はZrである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記メソポーラスシリカ触媒が、規則的な細孔構造及び>2nmの細孔直径を有するMCM−41、FSM−16、SBA−15、HMMタイプ及びカルボン酸、チオール、−SO3H等の官能基が結合したシリカから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記メソポーラスシリカ触媒が、任意に、Ga、Al、Sb、In、Fe、Ti及びPから選択される金属を取り込み、例えばAl−MCM−41、Al−SBA−15及びGa−MCM−41である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記酸化物及びホスフェート触媒が、ニオブ酸(Nb25)、MoO3/ZrO2、WO3/ZrO2、リン酸ジルコニウム、リン酸ランタン、リン酸ニオブ、並びに単体で又は組み合わせてSiO2、Al23、SiO2−Al23、TiO2、C、金属酸化物、ポリマー及び担体に担持された又は混合されたMo、W、Nb、P、V、Si、Alを含む群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記粘土触媒が、アルミノシリケート、フィロシリケート、ピラードクレイ、カチオン交換粘土及び酸処理粘土を含む群から選択され、好ましくはモンモリロナイト(K10)タイプである、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記イオン交換樹脂触媒が好ましくは、Amberlyst−15、Amberlyst−35、Amberlite、Amberjet、Aowex、Auolite、Nafionビーズ(NR50タイプ)及びNafion−シリカ複合材料(SAC−13タイプ)タイプを含む群から選択されるカチオン交換体である、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記ヘテロポリ酸触媒が、Kegginタイプ、Dawsonタイプ、Waughタイプ、Andersonタイプ及びSilvertonタイプを含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ヘテロポリ酸触媒が任意に、金属酸化物、炭素、樹脂、ポリマー及び/又はH+に置換する金属を含む基に担持されるリンタングステン酸、リンモリブデン酸、シリコタングステン酸、モリブドバナドリン酸ヘテロポリ酸又はこれらのアニオン、例えばCsx3-xPW1240(x=0〜3)及びCsx4-xSiW1240(x=0〜4)タイプであり、前記置換金属がCs、Pd及びRhである、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記担体が任意に、そのままの、又は酸処理で修飾して若しくは官能化によって酸性特性を付与した、Al23、ZrO2、SiO2、TiO2、オルガノシリケート、炭素、ポリマー、酸化物を含む群から選択される結晶又は非晶質である、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
工程bの前記不活性ガスが、窒素、アルゴン、ヘリウム及び水素から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
リグノセルロース材料対溶媒比が、0.001〜0.5質量/質量の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
リグノセルロース材料対触媒比が、0.2〜500質量/質量の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
反応における前記溶媒が、任意に有機溶媒又は比が1:99〜99:1の水と有機溶媒との混合物であり、前記有機溶媒が、アルコール、エーテル、エステル、ヘキサン、酸、トルエン及びキシレンを含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記触媒が、再循環可能であり、また再使用可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記リグノセルロース材料の原料が、軟木、硬木、リグノセルロース、草、農作物、使用済み農作物、樹木、植物、木質廃材、農業廃棄物、林地残材、パルプ、紙、パルプ及び紙廃棄物、都市廃棄物、食品加工廃棄物並びにこれらの副産物を含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
先行の請求項のいずれかに記載の方法によって調製される付加価値誘導体生成物であって、キシロース、アラビノース、キシリトール、アラビトール、フルフラール、キシラル酸、グリコール及びヒドロキシフランである、付加価値誘導体生成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−517792(P2013−517792A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550571(P2012−550571)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/IN2010/000047
【国際公開番号】WO2011/092711
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(508176500)カウンシル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ (27)