説明

リスク評価票作成システム

【課題】 リスク評価票を、評価対象の実情に応じた項目群として作成することができるリスク評価票作成技術を提供する。
【解決手段】リスク評価を行うための複数の評価項目が列挙されたリスク評価票を作成するシステムを提供する。このシステムは、リスク評価票作成を行うサーバ100と、評価項目を構成するために予め用意された評価項目データであって、評価票に載せるかを示すフラグが設定された属性を含むデータを蓄積する項目データベース200と、サーバ100と接続して、リスク評価票の作成に際して入出力処理を行うためのリスク評価票作成用端末装置300と、事故に関するデータに基づいて算出されるリスクの程度を示す指標を更新しつつ蓄積する事故関連データベース400と、を備える。項目データベース200は、リスクの程度を示す指標に基づいてフラグの一部を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リスク評価を行うための評価項目が列挙されたリスク評価票の作成技術に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、リスク評価を行うやり方として、大別して、簡易リスク評価(質問アンケート型)とリスクサーベイ評価(現場調査型)の二つの方法がある。簡易リスク評価(質問アンケート型)は、アンケート(質問票)を用いて、アンケート項目への入力を行うことにより、評価に必要な情報を得る。一方、リスクサーベイ評価(現場調査型)は、チェックリストにより、評価に必要な情報を得る。いずれも一定の項目をもとに評価していく手法がとられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、リスクマネジメントシステムにおいて用いられるアンケート、ヒアリングのためのチェックリストが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−36634号公報(0023段落、0024段落、図2,図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1に開示されるリスクマネジメントにおけるリスク評価の入力にあっては、アンケート、チェックリストを用いている。これらのアンケート、チェックリストは、回答項目が固定的に設定されている。アンケート等の回答項目が固定的であると、その回答項目に適合した定型的な事例でのリスク評価には好都合である。
【0006】
しかし、現実のリスク評価の対象となる事例は、例えば、運送業務であっても、航空、陸上、海上では、評価項目がすべて共通ということは現実的ではない。例えば、一方にとって必要な項目が足りないことが生じ、他方にとって不必要な項目が存在するということが生じる。
【0007】
このような場合、従来の対応として、評価対象について生じている事情の変更、環境の変更等の状況変化に応じた項目の追加ができないため、その項目についての評価がないこととなる。一方、評価不要となっている項目については、削除ができないため、適当な定数値を入れることによって対応している。そのため、それらの項目による影響度に応じて、評価が歪むこととなる。
【0008】
本発明は、リスク評価のための評価項目が列挙されたリスク評価票を、評価対象の実情に応じた項目群として作成することができるリスク評価票作成技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、リスク評価を行うための複数の評価項目が列挙されたリスク評価票を作成するシステムを提供する。このシステムは、リスク評価票作成を行うサーバと、前記評価項目を構成するために予め用意された評価項目データを蓄積する項目データベースと、前記サーバと接続して、リスク評価票の作成に際して入出力処理を行うためのリスク評価票作成用端末装置と、事故に関するデータに基づいて算出されるリスクの程度を示す指標を更新しつつ蓄積する事故関連データベースと、を備える。
【0010】
ここで、項目データベースは、掲載されて評価票を構成するための、複数の評価項目データを、当該項目を評価票に載せるかを示す関係付け情報を含む属性とともに蓄積する記憶装置と、記憶装置において記憶されるデータの管理を行うデータ管理装置と、を備える。また、データ管理装置は、前記事故関連データベースから前記リスクの程度を示す指標を取得する手段と、前記取得したリスクの程度を示す指標に基づいて、前記記憶装置に記憶される各評価項目の属性における関係付け情報の設定更新処理を行う手段と、
前記サーバから送られる属性を指定した検索要求に応じて、前記指定された属性において、関係付け情報が関係付け有りに設定されている属性を有する評価項目について前記憶装置を検索し、索出された評価項目についてのデータを、前記検索要求元の前記サーバに送る、リスク係数の検索を行う手段と、を有する。
【0011】
さらに、前記サーバは、前記リスク評価票作成用端末装置からの属性の指定を受け付ける手段と、前記指定を受け付けた属性について、前記項目データベースに、評価票に載せるべき評価項目データの検索を指示する手段と、前記項目データベースから、前記指示した属性について該当する評価項目データを取得する手段と、取得した評価項目データに基づいてリスク評価票を作成し、前記端末装置に送る、リスク評価票を作成する手段と、を有する。
【0012】
リスク評価票作成用端末装置は、前記サーバと接続して、リスク評価票作成のための属性指定を受け付けて、属性を指定する情報を前記サーバに送ると共に、評価票の送信を要求する手段と、前記サーバから送られるリスク評価票を取得する手段と、前記取得したリスク評価票に対する入力処理を受け付けて、入力された事項を前記サーバに送る手段と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、リスクの大きさが絶えず変動する場合のリスク評価に用いる評価票の作成に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の実施形態では、物流において発生するリスクを評価する目的で、現場の環境、事情等の状況変化に応じて、評価すべき項目と、それらの項目についての、評価すべき内容と、それに対する評価を示す複数の選択肢とが記載されたリスク評価票を自動作成する場合を例として説明する。具体的には、評価者が保険会社であり、評価対象が保険の対象となる調査対象物(倉庫等)である場合を想定する。もちろん、本発明の適用対象は、物流に限定されるものではない。
【0015】
本実施形態におけるリスク評価票には、50項目から1,000項目程度の、質問に相当する評価項目と、それに対する回答に相当する複数の選択肢とが含まれる。このリスク評価票は、各項目についての評価を、それを要求した端末装置において入力可能な状態となる形態として、提供される。
【0016】
例えば、図16において模式的に示すように、質問票形式に構成される。図16に示す例では、各項目について、それが列挙された評価票において付与される項番3731と、項目を階層化して示す、中項目3732,小項目3733、および、当該項目における評価すべき内容を示す“内容”3734と、その項目の評価すべき内容に対する回答となる三つの選択肢として用意されている評価選択肢3736、3738および3740と、それぞれに重み付を行うウェイト(W1)3735、(W2)3737および(W3)3739が設定される。なお、選択肢の数は、三つに限定されるものではない。
【0017】
記録する領域は、複数のレコードが構成され、それらは、分類3742により区分されている。この分類は、前述した項目の大項目ということもできる。すなわち、分類3742、中項目3732、小項目3733および内容3734により、評価項目を構成する。また、評価項目には、それに対する回答となる選択肢が組み合わされる。従って、評価項目と、対応する選択肢とで、評価の一単位を構成する。
【0018】
本実施形態では、分類を記号により模式的に分類A、B、Cと表記している。実際には、分類の具体的な内容が表記される。例えば、物流のステージで区分する分類とする場合には、分類Aは“コンテナ入荷以前”、分類Bは“コンテナ入荷”、分類Cは“保管”等のように分類される。各分類された領域に、それぞれの分類に振り分けられた質問項目が配置される。図16に示す例では、分類Aでは1〜m、分類Bでは1からn、分類Cでは1からoまで配置されている。各分類での項目数は、属性によって異なる。例えば、m=50、n=70、o=100など、様々である。もちろん、きりのいい数字とは限らない。項番3731には、本実施形態では、それぞれの分類での評価項目の通し番号が付されている。
【0019】
また、それぞれの選択肢3736、3738および3740には、評価の際の評点としてX、Y、Zが設定されている。例えば、“X=3、Y=2、Z=1”のように、評点(ポイント)が設定されている。評価は、評価すべき内容(質問)への回答、すなわち、いずれかの選択肢を選択することにより行われる。選択肢が選択されると、その選択肢に予め与えられている評点が評価点として与えられる。また、それに重みWがある場合には、それが乗ぜられることになる。
【0020】
項目としては、一つの分類に複数種の中項目3732が配置される。中項目の例としては、例えば、“梱包”、“輸送状態”等が挙げられる。小項目としては、例えば、“梱包”をさらに展開したものとして、“段ボール箱”、“コーナープロテクタ”等が挙げられる。小項目対応に、評価すべき内容を示す、“内容3734”が設けられる。この“内容”には、例えば、“段ボール箱”として、二つの項目が異なる項番で定義されている。“構造・強度”と、“加工・仕上げ精度”とが、それぞれ“段ボール箱”に対応する各小項目の評価すべき内容として示されている。
【0021】
この評価票を用いる評価者は、端末装置300の表示装置370(図9参照)において表示される評価票の画像に基づいて、各項目について、評価選択肢3736、3738および3740のうち、いずれか一の選択肢を選択して、入力装置360(図9参照)を介して該当する領域を選択することにより、当該項目について評価を入力することができる。
【0022】
また、評価票の項目は、予め入力されて、後述する項目データベース(DB)200の記憶装置250に格納されている。項目については、図14に模式的に示す編集画面3750を使って、項目の追加、削除等の変更、記載されている事項の書換えなどの編集が可能である。編集された評価項目データは、評価項目現用ファイル255(図6参照)を更新することとなる。評価項目の編集は、図16に示す質問票が表示されている画面に、図示していない編集選択ボタンを設け、このボタンへの入力装置からの指示操作を受け付けることによって、図14に示す編集画面3750に切り替えることにより行われる。この編集画面3750の表示は、例えば、図9に示す端末装置300の表示装置370において行われる。
【0023】
図14に示す編集画面3750は、図16に示す質問票の一部を同一の形式により示す表が表示される。すなわち、質問票に表示されている項目3731から3740についての編集を受け付ける編集領域3751が表示される。また、編集事項について、項目の追加ボタン3752、削除ボタン3753、書換えボタン3754の編集項目キーと、編集を実行させる実行ボタン3755のキーとが表示されている。
【0024】
編集操作は、サーバ100を介して、端末装置300から遠隔的に行うことができる。また、サーバ100において項目DBへの編集操作を行うことができる。さらに、項目DB200自身において行うことも可能である。
【0025】
例えば、図9に示す入力装置360を介して、図示していないカーソルにより、編集領域3751中の所望の行について選択を受け付けると共に、追加ボタン3752への指示操作を受け付けると、すべての事項が空白のレコードが編集領域3751の選択した行の上に1行追加して表示する。この空白行に、入力装置360を介して、必要な事項の入力を受け付けることにより、新たな項目を追加することができる。また、入力装置360を介して、図示していないカーソルにより、編集領域3751中の目的とする行の選択を受け付けると共に、削除ボタン3753の指示操作を受け付けると、当該選択された行を削除する。同様に、入力装置360を介して、図示していないカーソルにより、編集領域3751中の目的とする行の選択を受け付けると共に、書換えボタン3754の指示操作を受け付けると、当該選択された行について入力可能とし、入力装置360により必要な事項の入力および不要な事項の削除を受け付ける。これらの処理の後、入力装置360を介して実行ボタン3755の指示操作を受け付けると、追加、削除、または、書換えのいずれかの編集が行われたデータに基づいて、記憶装置250に格納されている評価項目データ現用ファイル255を更新する処理を実行する。
【0026】
なお、追加する項目をいずれの分類に属するものとするかについては、後述する項目編集ルールファイル252(図6参照)における分類ルール2521を参照することができる。また、項目の記載事項を、書換えを行う代わりに、既存の、いずれかの項目を読み替える構成とすることもできる。その場合、いずれの項目の読替とするかについては、項目編集ルールファイル252の項目読替ルール2522を参照することができる。
【0027】
次に、本実施形態において用いられる、リスク評価を行うためのシステムの概要について、図1を参照して説明する。
【0028】
図1に示す、リスク評価を行うためのシステムは、リスク評価票の作成およびリスク評価を行うサーバ100と、リスク評価のための評価項目に関するデータを蓄積する項目データベース(項目DBと略記する)200と、サーバ100と接続して、リスク評価票の作成に際して入出力処理を行うための端末装置300と、種々の事故、社会不安に関する警告などのリスク要因となるデータ、および、リスクの程度を示すデータを含む事故関連データ、ならびに、リスク要因に対応して当該リスクの程度を示す指標を更新しつつ蓄積する事故関連データベース(事故DBと略記する)400と、当該事故DB400に事故関連データの入力を行う際に用いられる端末装置500と、を備える。これらの装置100から500は、ネットワーク900を介して接続される。指標としては、例えば、損害保険の立場からみると損害の大きさを示すリスク係数があげられる。また、発生した場合の危険度をある程度示されている警告情報に基づくリスク係数等があげられる。本実施形態では、リスクの程度を示す指標として、リスクの程度を係数の形で示すリスク係数を用いる場合について説明する。もちろん、係数に限定されない。また、係数と、他の形式の値を使うこともできる。
【0029】
なお、図1では、説明の便宜上、端末装置300および500を1台ずつ示している。本実施形態では、これらの装置は、それぞれ複数台接続されることを想定している。また、サーバ100についても、複数台設けることができる。この場合、リスク評価表を作成するサーバと、リスク評価を行うサーバとに分ける構成としてもよい。さらに、項目DB200および事故DB400については、それぞれ複数台を設置して多重系として構成し、データ保持の安全を図る構成とすることができる。
【0030】
リスク評価サーバ100は、コンピュータシステムにより構成される。例えば、図2に示すように、処理装置110と、外部記憶装置150と、入力装置160と、表示装置170と、印刷装置180と、を有するコンピュータシステムにより構成される。入力装置160は、例えば、キーボード、マウス等により構成される。また、表示装置170は、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0031】
外部記憶装置150は、例えば、ハードディスク装置等の書換え可能な不揮発性記憶装置により構成される。この外部記憶装置150には、図4に示すように、処理装置110において使用される、各種プログラム151が格納される。プログラム151として、例えば、本実施形態で使用する、リスク評価票の作成、評価票に関連する属性編集、項目編集等の一連の処理を行うためのリスク評価票作成プログラム1510、入力されたリスク評価票に基づいてリスク評価を行うリスク評価プログラム1511等が格納される。また、リスク評価票作成プログラム1510と共に、端末装置300に送り、当該端末装置300の表示装置370(図9参照)において表示される画面を構成するためのデータとして、当該画面に即して属性選択操作を受け付けるための属性選択画面データ152と、リスク評価票を構成するための各種リスクの属性を指定するための属性指定データ153と、リスク評価票を画面に表示する際に用いられる画像データであるリスク評価票表示データ154と、リスク評価票表示データ154により表示されるリスク評価票の項目について、端末装置300により入力された、その評価を含むリスク評価票データ155と、を記憶する。また、作成されたリスク評価票によるリスク評価の結果を示すリスク評価結果156、属性選択画面データ152としては、例えば、図11に示すプルダウンメニュー方式の選択画面3710と、図12に示すオプション入力画面3720とを有する。もちろん、これに限定されない。
【0032】
属性選択画面データ152は、例えば、図11に示すような属性選択画面3710を、端末装置300の表示装置370に表示させるデータである。図11に示す例では、属性aとして、“地域”が、属性2として“形態”が、それぞれ表示されている。これらの属性については、後述するように、予め設定されている事項が表示される。
【0033】
図11に示す画面3710では、“地域”3711について、予め用意されている選択肢が、プルダウン表示領域3712において、プルダウン形式によりメニュー表示される。具体的には、プルダウン指示ボタン3713を、入力装置360を介して指示されることに応じて、プルダウン表示領域3712が表示される。表示された選択肢から、いずれかを入力装置360を介して選ぶことができる。地域として、例えば、ある国のある地域、例えば、日本国横浜を選ぶことができる。また、外国の地、例えば、A国の、港が存在する地域Tを選ぶことができる。また、“形態”3714についても、同様に、プルダウン表示領域3715において、プルダウン指示ボタン3716の指示操作に応じて、選択肢をプルダウン形式により表示することができる。“形態”としては、本実施形態では、物流を例としているので、例えば、港湾施設、倉庫等の物流拠点が挙げられる。なお、プルダウン形式ではなく、リストを表示して選択させるようにしてもよい。
【0034】
図11において、必要な選択肢を選択した場合、実行ボタン3718を、入力装置360を介して操作することによって、選択された選択肢に応じて、CPU320は、次の処理に移行する。一方、図11の画面において、オプションボタン3717が操作された場合には、図12に示すオプション画面に移行する。
【0035】
図12に示す画面3720は、地域または形態のいずれか、または、双方について、適する選択肢が見当たらない場合に、新たな属性事項となる選択肢を入力するための画面である。図12に示す画面では、“地域”について入力する領域3722と、それを選択するチェックボックス3721と、“形態”について入力する領域3724と、それを選択するチェックボックス3723とが表示される。この画面で、必要な選択肢の入力後、入力装置360の操作により、実行ボタン3725への操作指示に応じて、CPU320は、新たな項目の編集処理に移行する。
【0036】
属性指定データ153は、前述した属性選択画面において選択肢として表示される属性を示すデータである。例えば、地域、形態等について、具体的に示すデータである。より具体的にいえば、“横浜”、“港湾施設”等を表す語が用意される。この属性指定データ153は、予め用意され、記憶されている。属性データは、後述するように、項目DB200において蓄積されている項目毎に設定され得るすべての属性が用意される(図17,図18参照)。ただし、予め用意されていない項目については、前述したように、入力装置360(図9参照)を介して手入力により追加することができる。具体的には、図17に示すように、項目毎にすべての属性データ2541aから2541nが関係付可能に用意される。
【0037】
属性と評価項目データの各評価項目との関係付けは、例えば、図17に示すように、関係付けのための関係付け情報2543aから2543nを設定することにより行う。具体的には、フラグ等の関係付け情報を設定することにより、関係付けの有無を示す。例えば、ある評価項目に関し、ある属性についてフラグが“1”に設定されている場合には、その属性が当該評価項目と関係づけが「関係付け有り」に設定されていることになる。従って、その属性が指定される場合には、当該属性について関係づけされているので、評価票に掲載されることとなる。以下の例では、関係付け情報としてフラグを用いる場合について説明する。
【0038】
各項目について、いずれの属性データを関係づけるかは、予め標準設定として関係付け情報(フラグ)2543aから2543nが設定される。例えば、図17に示す例では、ある項目については、属性a、属性cおよび属性dを関係付けることとして、該当するフラグ2543a、2543cおよび2543dを“1”にセットする。すなわち、関係付け情報が“関係付け有り”に設定されることとなる。他の属性b、eからnについては対応するフラグ2543b、2543eおよび2543nがセットされず、“0”の状態となる。すなわち、関係付け情報が“関係付けなし”に設定されることになる。
【0039】
これにより、関係付けが指された項目については、属性aと、属性cと、属性dとに、それぞれ関係づけられることとなる。従って、属性a、cおよびdのいずれかが属性指定されると、この項目は評価項目となり、評価票に載せられることとなる。一方、この評価項目については、他の属性b、および、属性eからnのいずれについて属性指定されても、それらの属性についての関係付がないため、評価項目に選ばれない。すなわち、評価票に載せられないことになる。従って、属性を新たに追加した場合、その属性について、いずれの項目において関係づけるかを示す関係付け情報としてフラグを設定する必要がある。
【0040】
属性の関係付において重要な点がある。属性と項目との関係づけを、環境、事情等の状況変化に応じて変更可能に設定することについてである。すなわち、その属性と対応する項目との関係において、その属性が指定された時、その属性に関係するリスクの大きさに応じて、評価票に載せるかが決定されるのか、リスクの大きさに依存せず、評価票に載せるか否かについて関係付け情報を固定的に設定するかを、決めておくことである。例えば、ある分類、ある中項目、ある小項目については、「評価票に載せる」、「評価票に載せない」、に対応する関係付け情報を固定設定とし、他の分類、中項目、小項目については、対応する関係付け情報を可変設定とすることができる。もちろん、これは一例に過ぎない。すべての項目または一部の項目について、すべての属性の関係付け情報を可変設定としてもよい。
【0041】
図17に示す例では、属性a2541aおよび属性c2541cに対応するフラグ2543aおよび2543cが固定設定として “1”に設定されている。属性d2541dに対応するフラグ2543dが可変設定として“1”に設定されている。一方、属性b2541bに対応するフラグ2543bが可変設定として“0”に設定されている。属性e2541eおよび属性n2541nに対応するフラグ2543eおよび2543nが固定設定として“0”に設定されている。その他の属性fから属性n−1については、図示を省略しているため不明であるが、固定設定、可変設定のいずれかとして、対応するフラグが“1”または“0”のいずれかに設定されることになる。なお、固定設定とするか、可変設定とするかについては、いずれも変更可能である。
【0042】
すなわち、可変設定とした属性については、初期設定として、ある項目についてある属性のフラグを“1”に設定したとしても、それは仮の設定ということになる。環境、事情等の状況が変化した場合、その属性について、評価票に載せない状態となることがある。逆に、ある項目について、初期設定では、フラグを“0”に設定していたとしても、環境、事情等の状況が変化した場合、その属性について、評価票に載せることになることがある。このような仕組みによって、評価票に載せられる項目が柔軟に変更されることになる。しかも、リスクの大きさの変化によって自動的に変更されることとなる。しかも、属性の一部については、固定設定とすることによって、評価票に、固定的に掲載または不掲載とすることができる。
【0043】
属性についてフラグを現実のリスクの大きさに合わせてどのような関係付けに設定とするかについては、後述するように、項目編集ルールファイル252(図6参照)に定める関係付け設定ルール2523を参照する必要がある。関係付け設定ルール2523には、例えば、それぞれの属性について、どの程度のリスクであれば、評価票に載せるのかについての閾値がルールとして設定されている。リスク係数を対応する閾値と比較して、関係付け情報の設定を行う。閾値は、属性ごとにそれぞれ対応するリスク係数の値の大きさに応じて設定することができる。また、リスク係数の大きさを規格化して、域値の大きさの範囲を、例えば、0から1の間とするように決めることもできる。
【0044】
リスク評価票表示データ154は、例えば、図16に示すような表形式のリスク評価票を、端末装置300の表示装置370の画面に表示させるための画像データである。この画像データにより、項目DB200から取得した項目データが、図16に示す形式により、表示装置370の画面上に表示される。また、印刷装置380により、同様のイメージで印刷出力することができる。
【0045】
処理装置110は、中央演算処理ユニット(CPU)120と、主記憶装置130とを有する。この処理装置110は、前述した外部記憶装置150からリスク評価票作成プログラム1510をロードして、CPU120が実行することにより、リスク評価票作成に必要な各種機能を実現する。具体的には、図3に示すように、リスク評価票作成用端末装置300からの属性の指定を受け付ける手段として機能する属性指定受付処理111と、指定を受け付けた属性について、評価票に載せるべき評価項目データの取得を項目DB200に指示する手段として機能するデータ取得処理112と、項目DB200から、指示した属性について該当する評価項目データを取得する手段として機能するリスク評価項目取得処理113と、取得したリスク評価項目データに基づいてリスク評価票を表示するためのデータを作成すると共に、属性の指定を行った端末装置300に、リスク評価票のデータを送信する手段として機能するリスク評価票作成・送信処理114と、を実行する。また、オプション入力された場合に、リスク評価項目を編集する手段として機能するリスク評価項目編集処理116と、属性設定について編集する手段として機能する属性設定編集処理117とを、実行する。
【0046】
また、前述した外部記憶装置150からリスク評価プログラム1511をロードして、CPU120がそのプログラムを実行することにより、リスク評価票に入力されたデータを端末装置300から受領して、リスク評価処理を行い、その結果を表示するための画面を構成する手段を実現するリスク評価処理115を実行する。
【0047】
次に、項目DB200について説明する。項目DB200は、図1に示すように、データを蓄積する記憶装置250と、記憶装置250に蓄積されているデータの入力、検索、出力、更新、保持等のデータについての管理を行うデータ管理装置210とを有する。記憶装置250は、掲載されて評価票を構成するための、複数の評価項目データを、当該項目を評価票に載せるかを示す関係付け情報を含む属性とともに蓄積する。データ管理装置210は、サーバ100と同様のコンピュータシステムにより構成される。従って、ここでは、ハードウェア資源についての説明は省略する。
【0048】
記憶装置250には、例えば、図6に示すような、プログラムおよびデータが記憶される。すなわち、プログラムとしては、データ管理装置210が、主記憶装置にロードして実行して、データ管理の各種機能を実現するデータ管理プログラム251が格納されている。また、追加される項目を、いずれの分類に配置するかを定める分類ルール2521と、既存の、いずれの項目の読替とするかの項目読替ルール2522と、後述する属性についてフラグをどのように設定するかについて定める関係付け設定ルール2523と、を格納する項目編集ルールファイル252と、予め用意された評価項目のデータを、それらについて、予め標準として設定した各種設定と共に格納する評価項目データ標準ファイル253と、この評価項目標準ファイル253を基にして、時々刻々変わる変動要素について、現在の状況を反映した項目データを格納する、現用のデータファイルである評価項目現用ファイル255と、を蓄積する。
【0049】
評価項目データ標準ファイル253は、例えば、図17に模式的に示すようなデータ構造を有する。すなわち、各項目を識別する項目識別子(ID)2530と、分類2531、中項目2532、小項目2533および内容2534と、重み(W1)2535および評価選択肢2536と、重み(W2)2537および評価選択肢2538と、重み(W3)2539および評価選択肢2540と、その評価項目についての属性2541とにより、一つの評価項目データが構成される。この評価項目データを構成する各要素は、それぞれ予め定義されて入力されている。もちろん、適宜編集して、改訂することができる。
【0050】
ここで、属性2541は、予め想定されるすべての属性が、各評価項目に共通して定義されている。図17に示す例では、属性a2541aから属性n2541nまで模式的に示されている。各属性には、例えば、前述したような、“地域”、“形態”等の上位概念と、それらを展開した中位乃至下位概念が予め定義されている。
【0051】
評価項目データ現用ファイル255は、例えば、図18に模式的に示すようなデータ構造を有する。すなわち、各項目を識別する項目識別子(ID)2550と、分類2551、中項目2552、小項目2553および内容2554と、重み(W1)2555および評価選択肢2556と、重み(W2)2557および評価選択肢2558と、重み(W3)2559および評価選択肢2560と、その評価項目についての属性2561とにより、一つの評価項目データが構成される。この評価項目データを構成する各要素は、前述した評価項目データ標準ファイル253に基づいて構成されている。
【0052】
この現用ファイル255は、現実の状況を反映して、いくつかの要素は、格納される事項自体、内容等が、変動できるようになっている。例えば、重み(W1)2555から(W3)2559と、属性2561については、必要に応じて更新処理がなされる。そのため、この現用ファイル255は、標準ファイル253とは、データ構造において共通するが、格納されている事項の内容が異なっている場合がある。本実施形態で、評価に用いるのは、現実を反映しているこの評価項目データ現用ファイル255である。例えば、図11において例示するプルダウン表示領域3712、3715に表示される選択肢に反映されるのは、この評価項目データ現用ファイル255に格納されている属性2561の定義である。
【0053】
属性2561aから2561nは、いずれかの属性が前述した図11において指定された場合に、それぞれの項目が評価項目として採用されるかを決定する。そのため、各評価項目について、当該評価項目が何れの属性について参照されるべきものであるかを示すフラグ2563aから2563nを該当する属性について設定しておく。フラグの設定のレベルは、前述した図11において例示するプルダウン表示領域3712、3715に表示される選択肢に相当する属性のレベルについて行われる。もちろん、関係付け情報は、フラグに限らず、他の指定の仕方でもよい。
【0054】
属性2561aから2561nのいずれの属性についてフラグ2563aから2563nをどのように設定するかは、前述した評価項目データ標準ファイル253において、予め設定しておく。しかし、後述するように、状況に応じて、リスク評価の対象とすること、逆に、対象から外すことという、フラグの設定を変更することが生じる。それを、このフラグの設定によって行う。フラグをどのように設定するかは、前述した図6に示す項目編集ルールファイル252に格納される関係付け設定ルール2523に基づいて行う。
【0055】
関係付け設定ルール2523は、本実施形態では、各属性について、それぞれが含まれる評価項目が、評価票に載せられる基準として予め定めておく。本実施形態では、この基準は、リスク係数が想定される大きさに達したかを判定する閾値として設定される。すなわち、フラグを“1”と設定することができる値が閾値として設定される。例えば、ある項目について、ある属性は、閾値が、リスク係数が0.4以上、ある属性は、リスク係数が0.5以上のように決められる。リスク係数は、後述する事故DB400から取得する。
【0056】
なお、一部の項目については、前述したように、リスク係数に依存せず、常に、評価票に載せるように、または、常に載せられないように、固定的に設定してもよい。載せられるようにする場合には、例えば、リスク係数の閾値を0に設定しておく。一方、載せられないようにするには、例えば、リスク係数の閾値を、リスク係数が取り得ない大きさの値に設定しておく。また、リスク係数は、属性毎に設定される。従って、その値の大きさの範囲についても、属性によって異なる。従って、1から0の範囲とは限らない。
【0057】
可変設定を使うことにより、評価項目を状況の変化に柔軟に対応させることができる。例えば、通常はリスク評価票に載せられないが、ハイリスクになった場合に載せられるようにすることができる。この場合には、基準となる閾値を大きくしておく。これにより、リスク係数が大きくなっている場合にのみ行われる対策項目、例えば、通常は取られない「厳重な警戒態勢」のような項目については、特定の地域について、強盗団が出没した等の事件が起こった時には、リスク係数が増大して、閾値を超えるため、載せられるようになる。一方、基準となる閾値としてリスク係数が小さい場合には、一般的に載せられることになる。
【0058】
この評価票の評価項目として表記されるかは、前述したように、現用ファイル255に格納される評価項目データにおいて、属性が指定されて、その属性について、前述した関係付け情報であるフラグがどのように設定されているかによる。すなわち、フラグが“1”である場合に、その属性がそれを含む評価項目と関係づけられていることになる。従って、関係付けられている評価項目が、評価票にリストアップされることとなる。
【0059】
データ管理装置210は、図6に示すデータ管理プログラム251を実行して構築される各種機能を実現する。すなわち、図5に示すように、リスクの程度を示す指標(リスク係数)を前記事故DB400から取得する手段として機能するリスク係数収録処理211と、各評価項目の属性における関係付け情報の設定更新処理を行う手段として機能する属性フラグ設定更新処理212と、前記サーバから送られる属性を指定した検索要求に応じて、前記評価項目蓄積手段を検索して、該当する属性において、関係付け情報が“関係付け有り”に設定されている属性を有する評価項目を検索し、索出された評価項目についてのデータを、前記検索要求元の前記サーバに送る手段として機能する評価項目データ現用ファイル検索処理213と、を実行する。また、評価項目データ標準ファイル253において蓄積される評価項目および対応する選択肢について、追加、変更、削除等の編集を行う手段として機能する蓄積項目編集処理214と、現用ファイルについて、蓄積される評価項目および対応する選択肢について、追加、変更、削除等の編集を行う手段として機能する評価項目データ現用ファイル編集処理215と、を実現する。
【0060】
リスク係数取得処理211は、本実施形態では、定期的に事故DB400にアクセスして、リスク係数データ455(図8参照)を検索して、各属性について、最新のリスク係数を取得する。リスク係数取得の間隔は、予め定めておく。例えば、24時間とすることができる。もちろん、手動で、必要に応じて、リスク係数を取得することを追加してもよい。
【0061】
属性フラグ設定更新処理212は、前述した関係付け設定ルールにしたがって、各評価項目における各属性について、それぞれに定められている閾値と比較して、リスク係数が閾値以上となったか、または、閾値未満となったかを判定する。リスク係数が閾値以上となった場合には、その属性についてフラグを“1”に設定する。一方、リスク係数が閾値未満になった時は、その属性についてフラグを“0”に設定する。これらのフラグの設定は、図18に示す、評価項目データ現用ファイルにおける評価項目の各レコードについて、それらの属性2561に含まれる属性aからnのうち、対応する属性について行われる。
【0062】
なお、同一の評価項目について、複数の属性に関するリスク係数についてフラグが“1”に設定される場合がある。この場合、その属性のいずれについて指定されても、評価票に載せられることとなる。ただし、複数の属性が共に指定された場合には、例えば、リスク係数の大きい、すなわち、閾値の高い属性に基づいて、その評価項目を採用する構成とすることができる。これにより、危険度の数値評価を行う場合に、危険性がより大きく反映されることとなる。
【0063】
このような構成とすることにより、現実の状況に基づいて、さまざまな属性に関係するリスクが変動すると、その変動を反映して、評価票に載せられる評価項目が変更されることとなる。従って、その時点での状況の変化によるリスク変動を反映した正確な評価を行うことが可能となる。また、無駄な評価をしなくてすむという利点もある。
【0064】
評価項目データ現用ファイル検索処理213では、サーバ100からの、属性指定情報を含む検索依頼を受け付けて、属性指定情報に基づいて、記憶装置250に格納される評価項目データ現用ファイル255を検索する。検索の結果、属性指定情報に含まれる属性についてのフラグが“1”に設定されている評価項目データを読み出して、要求元であるサーバ100に送る。
【0065】
次に、事故DB400について説明する。事故DB400は、リスク要因となるデータ、および、リスクの程度を示すデータを含む事故関連データ、ならびに、リスク要因に対応して当該リスクの程度を示す指標を、それぞれ更新しつつ蓄積する。例えば、図1に示すように、リスク要因に関するデータおよびリスクの程度を示すデータを含む事故関連データ、および、リスクの程度を示す指標を蓄積する記憶装置450と、事故関連データおよびこれに基づいて求められるリスクの程度を示す指標を更新しつつ蓄積管理するデータ管理装置410とを有する。事故関連データは、事故、事件等の実際に発生した事象、事故、事件等の発生の危険性が高くなっていることを警告する情報などのリスク要因に関係するリスク要因データと、リスクの大きさ等に影響を与える様々な情報に関するデータとを含む。データ管理装置410は、事故関連データについての入力、検索、出力、更新、保持等の管理を行う。事故に関する情報としては、典型的には、例えば、保険会社による保険金支払が生じるような保険事故が挙げられる。また、警告としては、例えば、外務省が発表する特定地域の危険に関する情報が挙げられる。
【0066】
なお、事故関連データには、保険事故のような統計データの一事象として扱われる性質のものと、警告などのように、警告が出されている期間、その警告の程度に応じたリスクが発生するものとがある。従って、リスク係数の算出も、リスクの性質に応じて異なる。
【0067】
記憶装置450には、例えば、図8に示すような、プログラムおよびデータが記憶される。すなわち、プログラムとしては、データ管理装置410が、主記憶装置にロードして実行し、データ管理の各種機能を実現するデータ管理プログラム451が格納されている。また、データとして、端末装置500に送り、当該端末装置500の表示装置(図9に示す端末装置300の表示装置370に相当)において表示される画面のデータと共に、当該画面に即して属性選択操作を受け付けるための属性選択画面データ452と、リスク評価票を構成するための各種リスクの属性を指定するための属性指定データ453と、事故に関するデータである事故関連データ454と、リスク係数が算出されるたびに更新されるリスク係数データ455と、を格納する。リスク係数データ455には、属性毎にリスク係数が対応づけられ、かつ、更新時刻(タイムスタンプ)を付して記憶される。従って、属性、または、タイムスタンプをキーとして、リスク係数を検索することができる。
【0068】
データ管理装置410は、サーバ100と同様のコンピュータシステムにより構成される。従って、ここでは、ハードウェア資源についての説明は省略する。
【0069】
データ管理装置410は、例えば、図7に示すように、記憶装置450に蓄積されている事故関連データの更新処理を行う手段として機能を実現する事故関連データ更新処理機能411と、リスクの要因ごとにリスクの大きさの程度を表すデータを基に、リスク係数を算出し、更新するリスク係数更新手段として機能するリスク係数更新処理414と、リスクの程度を示す指標の検索処理を行う手段として機能するリスク係数検索処理415とを実現する。
【0070】
事故関連データ更新処理機能411は、リスクの程度を示す指標を求め、蓄積されている指標を更新する処理を行う。本実施形態では、前述したように、リスクの程度を示す指標としてリスク係数を用いる。そのために、端末装置500において入力できるように、属性指定を受け付ける処理を行う属性指定処理412と、端末装置500からのリスク要因データおよびリスクの大きさの程度を表すデータのデータ入力を受け付けるデータ入力処理413と、を実現し、算出されたリスク係数は、属性に対応づけられ、かつ、更新時刻(タイムスタンプ)を付してリスク係数データ455に記憶される。
【0071】
リスク要因データとしては、例えば、盗難、火災、水害、地震、暴動、政情不安等があげられる。一方、リスクの大きさを示すデータとしては、損害を示す被害に対する支払い保険料、政府機関による事故に関する被害状況データ、政情不安等に対する警告のレベルなどがあげられる。
【0072】
リスク係数の算出は、前述したようにリスクの性質に応じて算出される。統計データに基づいて算出するものとしては、例えば、保険金の支払い額に関係して決定されるものがある。ある属性、例えば、一般の港湾倉庫における貨物の盗難事故について、保険会社の保有する事故データ(損害率等)を基にリスク係数を算出する場合について述べる。損害率は、収入保険料に対する支払った保険金の割合により求めることができる。この損害率を、各地域について求めることができる。すなわち、盗難事故の平均を地域ごとに求めることができる。一方、盗難事故の損害率を広域について求めることができる。地域の平均的損害率と、広域の損害率とに、有意差がない場合には、平均的な損害率をその地域の一般的な損害率とすることができる。この損害率が0.4である場合、それに基づいて、一般の港湾倉庫における貨物の盗難についてのリスク係数が0.4となる。これを、平時のリスク係数とする。
【0073】
一方、ある地域での港案倉庫における貨物の盗難が多発して、保険金の支払いが増えた場合、損害率が大きくなる。その結果、その地域での平均的損害率と、広域の損害率とに有意差が生じることになる。その場合には、地域による損害率をその地域のリスク係数とする。
【0074】
また、保険金支払額が増加しないまでも、事件の発生数についての統計データとして盗難件数の増加率に有意差が在る場合には、発生件数の増加率に基づいて、リスク係数の変更を行うこともできる。例えば、ある地域の盗難係数が平均より20%増加している場合、弊のリスク係数0.4に1.20を乗じて、リスク係数を0.48とする。また、さらに盗難件数が増え、被害額が増加した場合には、その地域での損害率の平均値を適用して、例えば、リスク係数を0.55とする。リスク係数の算出については、損害率の計算の他、様々な事情、例えば、上述した盗難係数の統計データ、外務省の危険情報等を考慮して決める場合がある。このため、予めルールを決めておき、ルールに当て嵌めて変更を行う。
【0075】
以上は、地域のミクロ的変動に基づくリスク係数の変動について述べた。リスク係数は、ミクロ的な要因の変動に限られない。例えば、環境変化によるマクロ的変動により変化がもたらされる場合をも想定している。一例を挙げると、地球温暖化による台風襲来頻度の増加によるリスクの増大が挙げられる。次にその例について述べる。
【0076】
平年(過去100年)、特定地区(例えば、静岡県)への年間台風来襲(直撃)頻度(確率)が5/100(1年間に日本に来襲する台風数のうちの静岡県に直撃する台風数)であることが統計的に分かっているとすると、これに応じて基本的なリスク係数(α)が決定される。しかし、温暖化の影響で最近5年間の静岡県の台風来襲頻度が8/100に高まっていることが判明した時点(多くは統計が取られ公表された時点、又は保険会社の社内データをとる場合には定期的/随時のデータ更新が行われた時点)で、リスク係数が、(8-5)/100=3%増えて、1.03αと設定しなおされることになる。即ち、危険の変化の割合(率、%)に応じて、リスク変数の値が自動的に読み替えられると考えてよい。リスク係数の変更時期は公表データを基礎にする場合はデータ公表時点で行うことになるし、随時データ更新が行われる保険会社社内データを使う場合は随時行われることになる。
【0077】
次に、リスク評価票作成用端末装置300について説明する。端末装置300は、評価票の作成、および、リスク評価票の編集を行うためのマンマシンインタフェースとして機能する。具体的には、評価票作成時には、リスク評価票の表示、入力等の処理を行うための装置である。例えば、図9に示すようなコンピュータシステムにより構成することができる。すなわち、処理装置310と、外部記憶装置350と、入力装置360と、表示装置370と、印刷装置380と、を有するコンピュータシステムにより構成される。入力装置360は、例えば、キーボード、マウス等により構成される。また、表示装置370は、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0078】
端末装置300は、処理装置310において、本実施形態において使用する処理として、サーバ100と接続して、リスク評価票の作成に際して入出力処理を行う。すなわち、サーバ100に対する閲覧・入力受付手段として機能するためのサーバ閲覧・入出力処理311を実現する。この処理311により、サーバ100から、リスク評価票の作成のための各種設定と、リスク評価の入力、リスク評価票の表示等に必要なデータを、随時受信して、表示装置370に対応する画像を表示すると共に、入力装置360を介して必要な入力の受付を行って、サーバにデータを送信することができる。
【0079】
サーバ100から送られる、画像データ等を含むプログラムにより、具体的な処理としては、図10に示すような機能が実現される。
【0080】
サーバ100にリスク評価票作成情報を要求する手段として機能する評価票作成情報要求処理312と、サーバ100から送られたリスク評価票作成情報に基づいて、評価の対象となる属性の指定を、入力装置360を介して受け付けて、サーバ100に、指定された属性に関係する評価票要求を行う手段として機能する属性指定・評価票要求処理313と、サーバ100から送られたリスク評価票を表示装置370上に表示させる手段として機能する評価票表示処理314と、入力装置360を介して、評価票に対する入力を受け付けて、入力された評価票に基づく評価要求をサーバ100に行う手段として機能する評価入力・評価要求処理315と、サーバ100から送られたリスク評価票を表示装置370に表示させる手段として機能するリスク評価票表示処理316と、を実現する。
【0081】
次に、端末装置500について説明する。端末装置500は、前述したように、事故等に関するデータを、事故DB400に入力して、リスク係数の算出を行わせるための装置として機能する。そのハードウェアシステムの構成は、基本的には、図9に示す端末装置300と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0082】
端末装置500は、図13に示すように、事故DB400に事故関連データの報告、すなわち、事故関連データの登録を行うための手段として機能する事故報告処理511を実行する。具体的には、事故DB400とネットワーク900を介して接続して、事故報告入力を開始するため手段として機能する事故報告入力開始処理512と、事故報告入力画面を図示しない表示装置に表示させる手段として機能する事故報告入力画面表示処理513と、事故報告の入力を受け付けて、事故DB400に送信して報告する手段として機能する事故報告入力処理514とを実行する。
【0083】
これを受けて、事故DB400のデータ管理装置410は、事故関連データ更新処理411を起動して、事故関連データの入力を受け付ける。具体的には、どの属性に関する事故関連データかを特定するために属性指定を受け付ける。その後、事故関連データの入力を受け付ける。具体的には,リスク要因データ、リスクの程度を示すデータ等について入力を受け付ける。
【0084】
事故関連データの入力が終わると、データ管理装置410は、リスク係数更新処理414を起動して、入力されたデータに基づいて、前述したリスク係数の算出処理を実行する。リスク係数更新処理414は、算出されたリスク係数を、それぞれ、属性と対応づけて、かつ、タイムスタンプを付して、リスク係数データ455として記憶装置450に格納する。
【0085】
なお、端末装置500において、図10に示す端末装置300と同様に、サーバ閲覧・入力受付処理を行うプログラムを記憶装置に記憶させて、図示していないサーバを介して事故関連データの入力を行うようにしてもよい。その場合、この目的のためのサーバとしてサーバ100を用いる構成とすることもできる。
【0086】
次に、図15を参照して、本実施形態のシステムの動作について説明する。図15は、本実施形態においてシステムを構成する各装置の処理の流れを相互の情報の授受と共に示すものである。
【0087】
まず、事故DB400と端末装置500とにおいて行われる情報の処理について説明する。事故DB400と端末装置500との間では、事故が起こるたびに、また、そのおそれが高まったとの情報が寄せられた時、その他、保険のリスクが変動するような事象が生じた場合に、随時、端末装置500において、事故関連データの入力処理が行われる(ステップ511)。一方、この処理とリンクして、事故DB400において、データ管理装置410が事故関連データ更新手段として機能し、事故関連データの入力受付処理と共に、事故関連データ454の更新処理を行う(ステップ411)。また、データ管理装置410が、入力された事故関連データが関係する属性についてのリスク係数の算出を行い、改めて算出されたリスク係数により、リスク係数データ455を更新する(ステップ414)。もちろん、全リスク係数について再計算して、算出結果により更新処理を行ってもよい。
【0088】
次に、事故DB400と項目DB200とにおいて行われる情報の処理について説明する。事故DB400では、記憶装置450に格納される、リスク係数データ455が、前述したように、随時、更新されている。項目DB200のデータ管理装置210は、定期的に、または、サーバ100を介して行われる端末装置300からの指示に応じて、リスク係数の取得処理を行う(ステップ211)。具体的には、前回リスク係数取得後に、更新されたリスク係数の検索を、事故DB400のデータ管理装置410に指示する。この際、前回のアクセス時のタイムスタンプに示された時刻情報を併せて送る。これを受けて、データ管理装置410は、リスク係数検索処理415を起動して、リスク係数データ455について、前回のアクセス時刻以降に更新された属性を、タイムスタンプをキーとして検索する。索出された属性とそれに対応するリスク係数とを項目DB200のデータ管理装置210に送る(ステップ415)。また、最後の検索処理した時刻を、データ管理装置410において記憶しておき、データ管理装置210からの指示を受けたとき、最後に検索処理した時刻より後のタイムスタンプを有するリスク係数を検索処理する構成としてもよい。
【0089】
項目DB200のデータ管理装置210は、評価項目データ現用ファイル編集処理215を起動して、受信したリスク係数に基づいて、項目編集ルールファイル252に格納されるルールを参照して、対応する属性について、リスク係数がルールに記述される閾値の範囲から外れることになった属性について、フラグの設定を変更する処理を行う(ステップ212)。例えば、ルールにおいて、リスク係数が0.5以上の場合、フラグを“1”に設定すると記述されている場合には、新たなリスク係数が0.55であれば、それまで設定されていなかったフラグを“1”に設定する。逆に、それまでリスク係数が0.5以上であったものが、閾値の0.5未満となる場合には、それまで“1”に設定されていたフラグを“0”とする処理を行う。もちろん、閾値との関係で変更されない場合もある。例えば、新たなリスク係数が0.48であれば、閾値である0.5以上となっていないので、フラグを“1”に設定することはない。図18に示す評価項目データ現用ファイル255の場合、“0”であった、属性b2541bのフラグ2543b(図17参照)が、属性b2561bのフラグ2563bでは“1”に変化している。この評価項目データ現用ファイル255のフラグは、前述したように可変設定されている属性については、変化する可能性がある。
【0090】
以上の処理を、項目DB200と、事故DB400との間で、定期的に行っている。また、指示に応じて随時行っている。
【0091】
次に、端末装置300とサーバ200とにおいて行われる処理について説明する。端末装置300では、サーバ100にネットワーク900を介して接続して、そのホームページ等を参照して、評価票作成情報の要求を行う(ステップ312)。これを受けて、サーバ100では、リスク評価票作成情報を端末装置300に送る(ステップ111)。端末装置300では、送られたリスク評価票作成情報に基づいて、図11に示す属性指定画面を表示し、属性の指定を受け付ける。図11の例では、地域と形態とについて、属性を選択することにより受け付ける。受け付けた属性、例えば、“横浜”、“港湾施設”等の属性と共に、評価票の表示要求をサーバ100に送る(ステップ313)。
【0092】
これを受けて、サーバ100では、指定された属性について、項目データの検索指示を項目DB200のデータ管理装置210に送る(ステップ112)。項目DB200では、データ管理装置210は、指定された属性について、フラグが“1”に設定されている項目を検索して、得られた項目についてのデータをサーバ100に送る(ステップ213)。
【0093】
サーバ100は、送られた項目データを取得して(ステップ113)、リスク評価票を作成し、端末装置300に送信する(ステップ114)。
【0094】
端末装置300では、評価票を受信して、表示装置370に表示する(ステップ314)。ついで、評価入力を受け付けて、評価要求をサーバ100に送る(ステップ315)。サーバ100は、リスク評価を行って、端末装置300に送る(ステップ115)。端末装置300は、受信した評価を表示する(ステップ316)。
【0095】
リスク評価は、各項目について、選択された評価選択肢の評価値に対応する重み付を乗じて評価値を算出することにより数値として示される。また、各項目について、グラフ化して示すこともできる。
【0096】
以上のようにして、端末装置300に、リスク評価票が表示される。ただし、表示される項目は、指定した属性について、リスク係数に基づくフラグ設定の更新が自動的に行われているため、事情の変化、環境の変化等の状況変化に対応した項目が選ばれて表示されることとなる。
【0097】
以上に述べた実施形態では、端末装置において利用できる形態でリスク評価票を提供する例について述べた。提供されたリスク評価票を、具体的にどのように使ってリスク評価をするかについては、利用者の自由に任される。例えば、図16に示すようなリスク評価票を作成して、評価者の担当者が端末装置において手入力することができるようにする。また、事情によっては、リスク評価票を印刷出力し、現場で手書き入力したものに基づいて、端末に入力するようにすることもできる。リスク評価は、リスク評価票についての入力がなされた後に、実行される。
【0098】
また、以上の実施形態では、リスクの程度を示す指標として、リスク係数を用いたが、リスクの程度を示すことができる形式であれば、係数に限られない。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るリスク評価票作成システムの概略を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態において、リスク評価に用いられるサーバのシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に用いられるサーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、サーバの外部記憶装置に記憶されるプログラムおよびデータの一例を示すブロック図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に用いられる項目DBのデータ管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、項目DBの記憶装置に記憶されるプログラムおよびデータの一例を示すブロックである。
【図7】図7は、本発明の実施形態に用いられる事故DBのデータ管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、事故DBの記憶装置に記憶されるプログラムおよびデータの一例を示すブロックである。
【図9】図9は、本発明の実施形態に用いられる端末装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図10】図10は、端末装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図11】図11は、端末装置において属性を選択する際に示される属性選択画面の一例を示す説明図である。
【図12】図12は、端末装置において属性を選択する際に、用意された属性とは異なる属性を入力するためのオプション入力画面例を示す説明図である。
【図13】図13は、端末装置500の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図14】図14は、評価項目を編集するための画面を模式的に示す説明図である。
【図15】図15は、本実施形態のシステムを構成する各装置の動作と情報の流れについて示す説明図である。
【図16】図16は、本発明の実施形態によって得られるリスク評価票の一例を模式的に示す説明図である。
【図17】図17は、本発明の実施形態において用いられるリスク評価票を構成するリスク評価項目の標準設定状態のデータ構造を模式的に示す説明図である。
【図18】図18は、本発明の実施形態において用いられるリスク評価票を構成するリスク評価項目の現用ファイルについてのデータ構造を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0100】
100…サーバ、110…処理装置、120…中央演算処理ユニット(CPU)、130…記憶装置、140…通信制御装置、150…外部記憶装置、160…入力装置、170…表示装置、
200…項目データベース(項目DB)、210…データ管理装置、250…記憶装置、
300…端末装置、310…処理装置、320…中央演算処理ユニット(CPU)、330…記憶装置、340…通信制御装置、350…外部記憶装置、360…入力装置、370…表示装置、
400…事故関連データベース(事故DB)、410…データ管理装置、450…記憶装置、
500…端末装置、
900…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リスク評価を行うための複数の評価項目が列挙されたリスク評価票を作成するシステムにおいて、
リスク評価票作成を行うサーバと、前記評価項目を構成するために予め用意された評価項目データを蓄積する項目データベースと、前記サーバと接続して、リスク評価票の作成に際して入出力処理を行うためのリスク評価票作成用端末装置と、事故に関するデータに基づいて算出されるリスクの程度を示す指標を更新しつつ蓄積する事故関連データベースと、を備え、
項目データベースは、
掲載されて評価票を構成するための、複数の評価項目データを、当該項目を評価票に載せるかを示す関係付け情報を含む属性とともに蓄積する記憶装置と、記憶装置において記憶されるデータの管理を行うデータ管理装置と、を備え、
前記データ管理装置は、
前記事故関連データベースから前記リスクの程度を示す指標を取得する手段と、
前記取得したリスクの程度を示す指標に基づいて、前記記憶装置に記憶される各評価項目の属性における関係付け情報の設定更新処理を行う手段と、
前記サーバから送られる属性を指定した検索要求に応じて、前記指定された属性において、関係付け情報が関係付け有りに設定されている属性を有する評価項目について前記憶装置を検索し、索出された評価項目についてのデータを、前記検索要求元の前記サーバに送る、リスク係数の検索を行う手段と、を有し、
前記サーバは、
前記リスク評価票作成用端末装置からの属性の指定を受け付ける手段と、
前記指定を受け付けた属性について、前記項目データベースに、評価票に載せるべき評価項目データの検索を指示する手段と、
前記項目データベースから、前記指示した属性について該当する評価項目データを取得する手段と、
取得した評価項目データに基づいてリスク評価票を作成し、前記端末装置に送る、リスク評価票を作成する手段と、を有し、
前記リスク評価票作成用端末装置は、
前記サーバと接続して、リスク評価票作成のための属性指定を受け付けて、属性を指定する情報を前記サーバに送ると共に、評価票の送信を要求する手段と、
前記サーバから送られるリスク評価票を取得する手段と、
前記取得したリスク評価票に対する入力処理を受け付けて、入力された事項を前記サーバに送る手段と、を有することを特徴とするリスク評価票を作成するシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記項目データベースの記憶装置に蓄積される関係付け情報は、少なくとも一部が関係付け有無の設定が可変であり、
前記関係付け情報の設定更新処理を行う手段は、各項目データの各属性における、前記関係付け有無の設定が可変の関係付け情報について、前記取得したリスクの程度を示す指標に基づいて、当該関係付け有無の更新を行うことを特徴とするリスク評価票を作成するシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムにおいて、
前記項目データベースの記憶装置に、各項目データについてそれぞれを評価票に載せるかについての閾値を含む関係付けルールが蓄積され、
前記関係付け情報の設定更新処理を行う手段は、前記各項目データの各属性における、前記関係付け有無の設定が可変の関係付け情報について、前記取得したリスクの程度を示す指標について前記閾値と比較して、当該関係付け有無の更新を行うことを特徴とするリスク評価票を作成するシステム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシステムにおいて、
前記項目データベースの記憶装置は、蓄積する前記複数の評価項目データが、前記関係付け情報として、属性対応に設定されるフラグを含み、
前記設定更新処理を行う手段は、関係付け情報を関係付け有りとして、前記フラグを“1”に設定することを特徴とするリスク評価票を作成するシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムにおいて、
前記リスク係数の検索を行う手段は、前記サーバから送られる属性を指定した検索要求に応じて、前記記憶装置を検索して、該当する属性において、前記フラグが“1”に設定されている属性を有する評価項目を検索することを特徴とするリスク評価票を作成するシステム。
【請求項6】
リスク評価票作成を行うサーバと、前記サーバと接続して、リスク評価票の作成に際して入出力処理を行うためのリスク評価票作成用端末装置と、事故に関するデータに基づいて算出されるリスクの程度を示す指標を更新しつつ蓄積する事故関連データベースと、共に、リスク評価を行うための複数の評価項目が列挙されたリスク評価票を作成するシステムを構成し、前記評価項目を構成するために予め用意された評価項目データを蓄積する項目データベースにおいて、
掲載されて評価票を構成するための、複数の評価項目データを、当該項目を評価票に載せるかを示す関係付け情報を含む属性とともに蓄積する記憶装置と、記憶装置において記憶されるデータの管理を行うデータ管理装置と、を備え、
前記データ管理装置は、
前記事故関連データベースから前記リスクの程度を示す指標を取得する手段と、
前記取得したリスクの程度を示す指標に基づいて、前記記憶装置に記憶される各評価項目の属性における関係付け情報の設定更新処理を行う手段と、
前記サーバから送られる属性を指定した検索要求に応じて、前記指定された属性において、関係付け情報が関係付け有りに設定されている属性を有する評価項目について前記憶装置を検索し、索出された評価項目についてのデータを、前記検索要求元の前記サーバに送る、リスク係数の検索を行う手段と、を有することを特徴とする項目データベース。
【請求項7】
請求項6に記載の項目データベースにおいて、
前記記憶装置に蓄積される関係付け情報は、少なくとも一部が関係付け有無の設定が可変であり、
前記関係付け情報の設定更新処理を行う手段は、各項目データの各属性における、前記関係付け有無の設定が可変の関係付け情報について、前記取得したリスクの程度を示す指標に基づいて、当該関係付け有無の更新を行うことを特徴とする項目データベース。
【請求項8】
請求項7に記載の項目データベースにおいて、
前記記憶装置に、各項目データについてそれぞれを評価票に載せるかについての閾値を含む関係付けルールが蓄積され、
前記関係付け情報の設定更新処理を行う手段は、前記各項目データの各属性における、前記関係付け有無の設定が可変の関係付け情報について、前記取得したリスクの程度を示す指標について前記閾値と比較して、当該関係付け有無の更新を行うことを特徴とするリスク評価票を作成する項目データベース。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれか一項に記載の項目データベースにおいて、
前記記憶装置は、蓄積する前記複数の評価項目データが、前記関係付け情報として、属性対応に設定されるフラグを含み、
前記設定更新処理を行う手段は、関係付け情報を関係付け有りとして、前記フラグを“1”に設定することを特徴とする項目データベース。
【請求項10】
請求項9に記載の項目データベースにおいて、
前記リスク係数の検索を行う手段は、前記サーバから送られる属性を指定した検索要求に応じて、前記記憶装置を検索して、該当する属性において、前記フラグが“1”に設定されている属性を有する評価項目を検索することを特徴とする項目データベース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−176058(P2009−176058A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14118(P2008−14118)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(595140170)東京海上日動火災保険株式会社 (13)