説明

リモートコントローラ付きイヤホンの接続機構

【目的】 リモートコントローラ無しイヤホンとリモートコントローラ付きイヤホンの使用変更作業の簡素化を図る。
【構成】 プレーヤ本体23にコントロール操作切換用のスイッチ30を付設し、このスイッチ30をコネクタソケット29に対するコネクタプラグ32の挿抜によって開閉するスイッチ接触子40をイヤホンユニット24に設けた。このため、コネクタプラグ32の挿抜動作のみによってリモートコントローラ無しイヤホンを使用する場合のコントロール操作可能状態とリモートコントローラ付きイヤホンを使用する場合のリモートコントロール操作可能状態に変更することができ、リモートコントローラ無しイヤホンとリモートコントローラ付きイヤホンの使用変更時の作業数を削減することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば携帯型カセットテーププレーヤ等の音響機器に使用して好適なリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば携帯型のカセットテーププレーヤには、テーププレーヤを遠隔操作するためのリモートコントローラ付きイヤホンを備えたプレーヤが知られている。
【0003】従来、この種のカセットテーププレーヤにおけるリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構は、例えば図3に示すようなものが採用されている。これを同図に基づいて説明すると、同図において、符号1で示すものは携帯型のカセットテーププレーヤで、テープカセット2を着脱可能なプレーヤ本体3と、このプレーヤ本体3に接続可能なリモートコントローラ付きのイヤホンユニット4とによって構成されている。
【0004】このテーププレーヤ1のプレーヤ本体3は、上方に開口する略有底箱状の筐体5と、この筐体5内に一部が臨むように装着され上方に開口する略有底箱状のシャーシ6と、このシャーシ6の開口部を開閉する略有底箱状の蓋体7とによって形成されている。また、このプレーヤ本体3には、動作モード選択用の操作ボタン8,誤操作防止用のスイッチ(ホールドスイッチ)9およびコントロール操作切換用のスライドスイッチ(図示せず)が付設されている。なお、このプレーヤ本体3には、前記筐体5外に開口し後述するコネクタプラグを接続可能なコネクタソケット(図示せず)が内蔵されている。
【0005】一方、イヤホンユニット4は、前記コネクタソケット(図示せず)に挿抜するコネクタプラグ10と、このコネクタプラグ10に第1コード11を介して接続されモード選択用ボタン等の操作ボタン12および誤操作防止用のスイッチ(図示せず)を有するリモートコントローラ13と、このリモートコントローラ13に第2コード14およびイヤホンコード15を介して接続されるイヤホン16とによって構成されている。
【0006】このように構成されたリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構においては、コントロール操作切換用のスライドスイッチ(図示せず)をリモートコントロールの操作方向に摺動させてスイッチONすると共に、イヤホンユニット4のコネクタプラグ10をコネクタソケット(図示せず)に接続することによりリモートコントロール操作を行うことができる。
【0007】なお、通常のイヤホン(リモートコントローラ無しのイヤホン)を使用するには、コントロール操作切換用のスライドスイッチ(図示せず)をリモートコントロールの操作方向と反対の方向に摺動させてスイッチOFFすると共に、イヤホンユニット(図示せず)のコネクタプラグ(図示せず)をコネクタソケット(図示せず)に接続することにより行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構においては、コントロール操作切換用のスライドスイッチ(図示せず)によってリモートコントローラ無しイヤホンを使用する場合のコントロール操作可能状態からリモートコントローラ付きイヤホンを使用する場合のリモートコントロール操作可能状態あるいはリモートコントローラ付きイヤホンを使用する場合のリモートコントロール操作可能状態からリモートコントローラ無しイヤホンを使用する場合のコントロール操作可能状態に変更するものであるため、これらイヤホンを使用変更する場合にコネクタソケット(図示せず)に対するコネクタプラグ10の挿入動作とスライドスイッチ(図示せず)の切換動作が必要であった。この結果、リモートコントローラ無しイヤホンとリモートコントローラ付きイヤホンの使用変更時の作業数が嵩み、イヤホンの使用変更作業を煩雑にするという問題があった。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、リモートコントローラ無しイヤホンとリモートコントローラ付きイヤホンの使用変更時の作業数を削減することができ、もってイヤホンの使用変更作業を簡単に行うことができるリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構は、コネクタプラグ接続用のコネクタソケットを有する音響機器本体と、この音響機器本体のコネクタソケットに挿抜するコネクタプラグおよびこのコネクタプラグに接続するリモートコントローラを有するイヤホンユニットとを備えたリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構において、音響機器本体にコントロール操作切換用のスイッチを付設し、このスイッチをコネクタプラグの挿抜によって開閉するスイッチ接触部をイヤホンユニットに設けたものである。
【0011】
【作用】本発明においては、コネクタソケットに対するコネクタプラグの挿抜動作のみによってリモートコントローラ無しイヤホンを使用する場合のコントロール操作可能状態からリモートコントローラ付きイヤホンを使用する場合のリモートコントロール操作可能状態あるいはリモートコントローラ付きイヤホンを使用する場合のリモートコントロール操作可能状態からリモートコントローラ無しイヤホンを使用する場合のコントロール操作可能状態に変更することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の構成等を図に示す実施例によって詳細に説明する。
【0013】図1は本発明に係るリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構を示す斜視図、図2(A)および(B)は同じくリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構におけるコネクタソケットに対するコネクタプラグの挿抜状態を示す断面図である。同図において、符号21で示すものは携帯型のテーププレーヤで、テープカセット22をその内部に着脱可能なプレーヤ本体23と、このプレーヤ本体23に接続可能なリモートコントローラ付きのイヤホンユニット24とによって構成されている。
【0014】このテーププレーヤ21のプレーヤ本体23は、上方に開口する略有底箱状の筐体25と、この筐体25の開口部を開閉する略有底箱状の蓋体26とによって形成されている。また、このプレーヤ本体23には動作モード選択用の操作ボタン27および誤操作防止用のスイッチ(ホールドスイッチ)28が付設されており、前記筐体25外に開口するコネクタプラグ接続用の例えば4極ミニジャック等のコネクタソケット29およびこのコネクタソケット29に所定の間隔をもって並列するコントロール操作切換用の例えば2mmストロークスイッチからなるスイッチ30が内蔵されている。
【0015】なお、プレーヤ本体23の筐体25には、前記コネクタソケット29の開口方向と同一方向に開口する差込孔25aが設けられており、この差込孔25aの内側開口部を閉塞する例えばゴム等からなる防水用のカバー31が取り付けられている。
【0016】一方、イヤホンユニット24は、前記コネクタソケット29に挿抜するコネクタ差込部32aを有する例えば4極ミニプラグ等のコネクタプラグ32と、このコネクタプラグ32に第1コード33を介して接続され動作モード選択用ボタン等の操作ボタン34および誤操作防止用のスイッチ35を有するリモートコントローラ36と、このリモートコントローラ36に第2コード37,イヤホンコード38を介して接続されるイヤホン39とによって構成されている。
【0017】40は前記差込孔25aに挿抜可能な円柱状のスイッチ接触子で、前記コネクタプラグ32に前記コネクタ差込部32aと所定の間隔をもって並列するように突設されており、前記コネクタソケット29に対する前記コネクタプラグ32を挿抜によって前記スイッチ30を開閉するように構成されている。なお、このスイッチ接触子40の軸線方向寸法は、前記コネクタ差込部32aの軸線方向寸法より小さい寸法に設定されている。
【0018】なお、41は前記コネクタソケット29を開閉する例えばゴム等のカバーである。また、42は前記筐体25に対する前記蓋体26のロック部材、43はプレーヤ操作者等に体する前記リモートコントローラ36の取付具である。
【0019】このように構成されたリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構においては、イヤホンユニット24のコネクタプラグ32をコネクタソケット29に接続することによりリモートコントロール操作を行うことができる。この場合、図2(B)に示すようにコネクタプラグ32をコネクタソケット29に挿入すると、スイッチ接触子40が差込孔25aに臨んでカバー31を介してスイッチ30を押圧しスイッチONする。
【0020】なお、通常のイヤホン(リモートコントローラ無しイヤホン)を使用するには、コネクタプラグ32とコネクタソケット29の接続状態を解除した後、コネクタソケット29にリモートコントローラ無しイヤホンのコネクタプラグ(図示せず)を接続することにより行うことができる。この場合、図2(A)に示すようにコネクタソケット29からコネクタプラグ32を引き抜くと、スイッチ接触子40とスイッチ30の押圧状態を解除してスイッチOFFする。
【0021】したがって、本実施例においては、コネクタソケット29に対するコネクタプラグ32の挿抜動作のみによってリモートコントローラ無しイヤホンを使用する場合のコントロール操作可能状態からリモートコントローラ付きイヤホンを使用する場合のリモートコントロール操作可能状態あるいはリモートコントローラ付きイヤホンを使用する場合のリモートコントロール操作可能状態からリモートコントローラ無しイヤホンを使用する場合のコントロール操作可能状態に変更することができるから、リモートコントローラ無しイヤホンとリモートコントローラ付きイヤホンの使用変更時の作業数を削減することができる。
【0022】なお、本実施例においては、コントロール操作切換用のスイッチ30をプレーヤ本体23に内蔵する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スイッチ30をプレーヤ本体23外に露呈させる構造であっても実施例と同様の効果を奏する。この場合、コネクタソケット29に対するコネクタプラグ32の挿抜によってコネクタプラグ32の一部がスイッチ30に押圧接触することになる。
【0023】また、本実施例においては、コネクタソケット29とスイッチ30が別体である構造を示したが、本発明はこれら両部材29,30を一体化する構造であっても何等差し支えない。
【0024】さらに、本実施例においては、カセットプレーヤ21に適用する例を示したが、本発明はこれに限定されず、ディスクプレーヤにも実施例と同様に適用可能である。
【0025】さらにまた、本発明におけるスイッチ接触子40の形状や大きさ等は、前述した実施例に限定されるものではない。
【0026】この他、本発明におけるリモートコントローラ付きイヤホンは、リモートコントローラ付きヘッドホン等の受音器を含むことは勿論である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば,、音響機器本体にコントロール操作切換用のスイッチを付設し、このスイッチをコネクタプラグの挿抜によって開閉するスイッチ接触部をイヤホンユニットに設けたので、コネクタソケットに対するコネクタプラグの挿抜動作のみによってリモートコントローラ無しイヤホンを使用する場合のコントロール操作可能状態からリモートコントローラ付きイヤホンを使用する場合のリモートコントロール操作可能状態あるいはリモートコントローラ付きイヤホンを使用する場合のリモートコントロール操作可能状態からリモートコントローラ無しイヤホンを使用する場合のコントロール操作可能状態に変更することができる。
【0028】したがって、リモートコントローラ無しイヤホンとリモートコントローラ付きイヤホンの使用変更時の作業数を削減することができるから、イヤホンの使用変更作業を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構を示す斜視図。
【図2】(A)および(B)は同じくリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構におけるコネクタソケットに対するコネクタプラグの挿抜状態を示す断面図。
【図3】従来のリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構を示す斜視図。
【符号の説明】
21…テーププレーヤ、23…プレーヤ本体、24…イヤホンユニット、29…コネクタソケット、30…コントロール操作切換用のスイッチ、32…コネクタプラグ、36…リモートコントローラ、39…イヤホン、40…スイッチ接触子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 コネクタプラグ接続用のコネクタソケットを有する音響機器本体と、この音響機器本体のコネクタソケットに挿抜するコネクタプラグおよびこのコネクタプラグに接続するリモートコントローラを有するイヤホンユニットとを備えたリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構において、前記音響機器本体にコントロール操作切換用のスイッチを付設し、このスイッチを前記コネクタプラグの挿抜によって開閉するスイッチ接触部を前記イヤホンユニットに設けたことを特徴とするリモートコントローラ付きイヤホンの接続機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開平5−14987
【公開日】平成5年(1993)1月22日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−164908
【出願日】平成3年(1991)7月5日
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)