リーフフィルタのジェット洗浄装置と方法
【課題】装置を分解することなく、かつ逆洗浄や化学洗浄によらずに、フィルタエレメントの目詰まりを洗浄することができ、かつベッセル上部の開放やフィルタネストの分解を支障なくできるリーフフィルタのジェット洗浄装置と方法を提供する。
【解決手段】各フィルタエレメント１の濾過面に向けて洗浄液Ｌを噴射する複数のジェットノズル１２と、各ジェットノズルにベッセル９の外部から洗浄液Ｌを供給する洗浄液供給装置１４とを備える。ジェットノズル１２及び洗浄液供給装置１４は、フィルタエレメント１の軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメントの外縁１ａとベッセル９の内面との間に位置し、或いは退避可能に構成されている。
【解決手段】各フィルタエレメント１の濾過面に向けて洗浄液Ｌを噴射する複数のジェットノズル１２と、各ジェットノズルにベッセル９の外部から洗浄液Ｌを供給する洗浄液供給装置１４とを備える。ジェットノズル１２及び洗浄液供給装置１４は、フィルタエレメント１の軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメントの外縁１ａとベッセル９の内面との間に位置し、或いは退避可能に構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、フィルタエレメントの目詰まりを洗浄するジェット洗浄装置と方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
図１は、従来のリーフフィルタの模式図である。リーフフィルタとは、表面に濾過面を有する円板状のフィルタエレメント１（フィルタリーフ又はフィルターディスクと呼ぶ）を用い、タンク内を原液で満たしてフィルタエレメント１の表面に原液中の固形物をケーキ層２として形成し、ケーキ層２により原液３を固形物４（ケーキ）と濾液５とに分離する固液分離装置である。
【０００３】
リーフフィルタは、ケーキを固形物（乾燥ケーキ）として排出するタイプと、ケーキをスラリーとして排出するタイプに大別される。
リーフフィルタにおいて、フィルタエレメント１の集合体、すなわち複数のフィルタエレメント１を鉛直な中空回転軸（フィルタシャフト６）に固定したものをフィルタネスト７と呼ぶ。ケーキの排出はその構造により回転、振動、掻き取り、逆洗などのさまざまな方法が取られている。図の例では、フィルタネスト７の回転駆動装置８を備えており、固液分離が完了した後、フィルタネスト７を高速回転させてケーキ層２を遠心力でフィルタエレメント１の外側に移動し、ベッセル９の下方に設けられた排出口９ａから排出して、１回の固液分離を終了するようになっている。
【０００４】
また、フィルタの洗浄手段として、ノズルから水蒸気又は熱水を噴射する例が、例えば特許文献１に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００４−３０５９０２号公報、「濾過機」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
リーフフィルタのフィルタエレメント１は、濾過工程において、原液中の固形物により徐々に目詰まりを起こし、濾過性能が低下する。そのため、リーフフィルタでは使用中に生じるフィルタエレメントの目詰まりを取り除く必要がある。
【０００７】
従来、フィルタエレメントの目詰まりの除去は次のようにしていた。
（１）定期的に装置を分解してフィルタエレメントを清掃する。
（２）装置の分解はせずに、フィルタエレメントを逆洗浄または化学洗浄していた。
【０００８】
しかし、分解・清掃は、手間とコストがかかる問題点があった。また、逆洗浄は、フィルタエレメントに通常とは逆方向の圧力がかかるため、フィルタエレメントが破損するおそれがあり、かつ大きな洗浄効果は見込めなかった。さらに、化学洗浄は、使用できる薬品とその廃液に大きな制約があった。
また、特許文献１のようにノズルから水蒸気又は熱水を噴射する手段は、リーフフィルタに適用した場合、ノズルやノズル用配管が干渉するため、ベッセル９の上部の開放や、フィルタネスト７の分解が困難になる、等の問題点があった。
【０００９】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、装置を分解することなく、かつ逆洗浄や化学洗浄によらずに、フィルタエレメントの目詰まりを洗浄することができ、かつベッセル上部の開放やフィルタネストの分解を支障なくできるリーフフィルタのジェット洗浄装置と方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明によれば、複数の円板状のフィルタエレメントと、該フィルタエレメントの中心部を鉛直方向に一定の間隔を隔てて保持し、鉛直軸を中心に回転可能な中空回転軸と、前記フィルタエレメント及び中空回転軸を格納するベッセルと、を有するリーフフィルタのジェット洗浄装置であって、
前記各フィルタエレメントの濾過面に向けて洗浄液を噴射する複数のジェットノズルと、
該各ジェットノズルにベッセルの外部から洗浄液を供給する洗浄液供給装置とを備え、
前記ジェットノズル及び洗浄液供給装置は、フィルタエレメントの軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置し、或いは退避可能に構成されている、ことを特徴とするリーフフィルタのジェット洗浄装置が提供される。
【００１１】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記洗浄液供給装置は、ベッセルの外部から内部まで貫通する供給管と、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間で鉛直に延び、前記供給管と連通する１又は複数の鉛直管とからなり、
前記複数のジェットノズルは、フィルタエレメント毎に前記鉛直管に取り付けられている。
【００１２】
また、前記各ジェットノズルは、噴射幅が対応するフィルタエレメントの半径分をカバーするように配置されている。
【００１３】
本発明の好ましい別の実施形態によれば、前記洗浄液供給装置は、ベッセルの外部から内部まで貫通する供給管と、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間で鉛直に延び、前記供給管と連通する１又は複数の鉛直管と、フィルタエレメント毎に前記鉛直管に取り付けられ、フィルタエレメント間の隙間に挿入可能な複数の分岐管とを有し、
前記複数のジェットノズルは、各分岐管に取り付けられており、
前記鉛直管は、その軸線を中心に、ジェットノズルが対応するフィルタエレメントの少なくとも半径分をカバーする洗浄位置と、分岐管及びジェットノズルがフィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置する退避位置との間で揺動可能に構成されている。
【００１４】
また本発明によれば、複数の円板状のフィルタエレメントと、該フィルタエレメントの中心部を鉛直方向に一定の間隔を隔てて保持し、鉛直軸を中心に回転可能な中空回転軸と、前記フィルタエレメント及び中空回転軸を格納するベッセルと、を有するリーフフィルタのジェット洗浄方法であって、
フィルタエレメントの軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置し、或いは非洗浄時に退避可能に構成されているジェットノズル及び洗浄液供給装置を用い、
洗浄液供給装置により各ジェットノズルにベッセルの外部から洗浄液を供給し、
複数のジェットノズルから各フィルタエレメントの濾過面に向けて洗浄液を噴射する、ことを特徴とするリーフフィルタのジェット洗浄方法が提供される。
【００１５】
本発明の好ましい実施形態によれば、各フィルタエレメントの全面積をカバーするように、各フィルタエレメントの周囲に複数のジェットノズルを配置し、
洗浄液を各ジェットノズルから噴射して全てのフィルタエレメントを同時に洗浄する。
【００１６】
また本発明の好ましい別の実施形態によれば、各フィルタエレメントの半径分をカバーするように、フィルタエレメント毎に少なくとも１つのジェットノズルを配置し、
洗浄液を各ジェットノズルから噴射するとともに、フィルタエレメントを回転駆動する。
【００１７】
また本発明の好ましい別の実施形態によれば、各フィルタエレメントの半径分をカバーし、かつ回転方向に駆動するように、フィルタエレメント毎に少なくとも１つのジェットノズルを配置し、
洗浄液を各ジェットノズルから噴射するとともに、フィルタエレメントに回転駆動力を与える。
【発明の効果】
【００１８】
上記本発明の装置及び方法によれば、ジェットノズル及び洗浄液供給装置が、フィルタエレメントの軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置し、或いは退避可能に構成されているので、ベッセル上部の開放やフィルタネストの分解を支障なくできる。
【００１９】
また、各フィルタエレメントの濾過面に向けて洗浄液を噴射する複数のジェットノズルと、各ジェットノズルにベッセルの外部から洗浄液を供給する洗浄液供給装置とを備えるので、洗浄液供給装置により各ジェットノズルにベッセルの外部から洗浄液を供給し、複数のジェットノズルから各フィルタエレメントの濾過面に向けて洗浄液を噴射することにより、装置を分解することなく、かつ逆洗浄や化学洗浄によらずに、フィルタエレメントの目詰まりを洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】従来のリーフフィルタの模式図である。
【図２】本発明による第１実施形態のジェット洗浄装置を備えたリーフフィルタの構造図である。
【図３】図２のジェット洗浄装置の模式的斜視図である。
【図４】本発明による第２実施形態のジェット洗浄装置を備えたリーフフィルタの構造図である。
【図５】図４のＡ−Ａ矢視図である。
【図６】図４の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【００２２】
図２は、本発明による第１実施形態のジェット洗浄装置を備えたリーフフィルタの構造図である。
この図において、リーフフィルタは、複数の円板状のフィルタエレメント１、中空回転軸６、及びベッセル９を有する。
中空回転軸６は、複数のフィルタエレメント１の中心部を鉛直方向に一定の間隔を隔てて保持する。また、中空回転軸６の上端部６ａは、ベッセル９の上部シール部を通して貫通し、図示しない回転駆動装置８（図１参照）により鉛直軸Ｚ−Ｚを中心に回転可能に構成されている。
ベッセル９は、フィルタエレメント１及び中空回転軸６を格納する気密容器である。
【００２３】
図３は、図２のジェット洗浄装置の模式的斜視図である。
図２及び図３において、本発明のジェット洗浄装置１０は、複数のジェットノズル１２と洗浄液供給装置１４を備える。
複数のジェットノズル１２は、各フィルタエレメント１の濾過面（図で上面）に向けて洗浄液Ｃを噴射する。ジェットノズル１２は、フィルタエレメント１の濾過面上に洗浄液Ｃを線状、円形又は楕円形等に噴射することが可能であるが、扁平な楕円形がより好ましい。
洗浄液Ｃは、例えば、水、洗浄水、各種の溶剤であり、原液及び濾液と混合しても悪影響がない限りで選択することができる。また、洗浄液Ｃの供給圧力は、各フィルタエレメント１の濾過面を洗浄できる圧力に設定する。
【００２４】
洗浄液供給装置１４は、各ジェットノズル１２にベッセル９の外部から洗浄液Ｃを供給する。
【００２５】
ジェットノズル１２及び洗浄液供給装置１４は、フィルタエレメント１の軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメント１の外縁とベッセル９の内面との間に位置している。
【００２６】
この例において、洗浄液供給装置１４は、供給管１４ａと１又は複数の鉛直管１４ｂとからなる。
供給管１４ａは、ベッセル９の貫通孔に気密に取付けられ、ベッセル９の外部から内部まで貫通する。鉛直管１４ｂは、この例では下端が供給管１４ａの内端に溶接等で気密に連結され、フィルタエレメント１の外縁とベッセル９の内面との間で鉛直に延び、供給管１４ａと連通する。
【００２７】
また、複数のジェットノズル１２は、各フィルタエレメント１毎に鉛直管１４ｂに取り付けられている。さらに各ジェットノズル１２は、噴射幅が対応するフィルタエレメント１の半径分（フィルタエレメントの内縁から外縁まで）をカバーするように配置されている。
【００２８】
図４は、本発明による第２実施形態のジェット洗浄装置を備えたリーフフィルタの構造図であり、図５は、図４のＡ−Ａ矢視図である。また図６は、図４の部分断面図であり、（Ａ）はＢ部断面図、（Ｂ）はＣ部断面図である。
【００２９】
この例において、洗浄液供給装置１４は、供給管１４ａ、１又は複数の鉛直管１４ｂ、及び複数の分岐管１４ｃを有する。
【００３０】
供給管１４ａは、ベッセル９の貫通孔に気密に取付けられ、ベッセル９の外部から内部まで貫通する。
１又は複数の鉛直管１４ｂは、この例では下端が供給管１４ａの内端に図６（Ｂ）に示すように、シール部材１５ａ（Ｏリング等）で回転可能かつ気密に連結され、フィルタエレメント１の外縁とベッセル９の内面との間で鉛直に延び、供給管１４ａと連通する。
さらに、図６（Ａ）に示すように、この例では、鉛直管１４ｂの上端部がシール部材１５ｂ（Ｏリング等）で回転可能かつ気密にベッセル９の上部を貫通し、貫通部の上端部１４ｄをスパナ等で回転できるようになっている。
【００３１】
図４において、複数の分岐管１４ｃは、各フィルタエレメント１毎に鉛直管１４ｂに取り付けられ、フィルタエレメント１間の隙間に挿入可能に構成されている。
また、複数のジェットノズル１２は、各分岐管１４ｃのこの例では内端に取り付けられている。
【００３２】
また、図５において、鉛直管１４ｂは、その軸線を中心に、上述した上端部１４ｄの回転により、各分岐管１４ｃを洗浄位置Ｄと退避位置Ｅとの間で揺動可能に構成されている。
ここで洗浄位置Ｄは、ジェットノズル１２が対応するフィルタエレメント１の少なくとも半径分をカバーする位置である。また、退避位置Ｅは、分岐管１４ｃ及びジェットノズル１２がフィルタエレメント１の外縁１ａとベッセル９の内面との間に位置する位置である。
【００３３】
上述した装置を用い、本発明のジェット洗浄方法は、
（Ａ）洗浄液供給装置１４により各ジェットノズル１２にベッセル９の外部から洗浄液Ｌを供給し、
（Ｂ）複数のジェットノズル１２から各フィルタエレメント１の濾過面に向けて洗浄液Ｌを噴射する。
【００３４】
上述した本発明の装置及び方法によれば、ジェットノズル１２及び洗浄液供給装置１４が、フィルタエレメント１の軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメント１の外縁１ａとベッセル９の内面との間に位置し、或いは退避可能に構成されているので、ベッセル上部の開放やフィルタネスト７の分解を支障なくできる。
【００３５】
また、洗浄液供給装置１４により各ジェットノズル１２にベッセル９の外部から洗浄液Ｌを供給し、複数のジェットノズル１２から各フィルタエレメント１の濾過面に向けて洗浄液Ｌを噴射することにより、装置を分解することなく、かつ逆洗浄や化学洗浄によらずに、フィルタエレメントの目詰まりを洗浄することができる。
【００３６】
また、上述した装置を用い、各フィルタエレメント１の全面積をカバーするように、各フィルタエレメント１の周囲に複数のジェットノズル１２を配置し、洗浄液Ｌを各ジェットノズル１２から噴射して全てのフィルタエレメント１を同時に洗浄することが好ましい。
この方法により、洗浄液Ｆを全てのジェットノズル１２から噴射することにより、全てのフィルタエレメント１を同時に短時間で洗浄することができる。
【００３７】
また、上述した装置を用い、各フィルタエレメント１の半径分をカバーするように、各フィルタエレメント１毎に少なくとも１つのジェットノズル１２を配置し、洗浄液Ｌを各ジェットノズル１２から噴射するとともに、フィルタエレメント１を回転駆動することが好ましい。
この方法により、各フィルタエレメント１毎に少なくとも１つのジェットノズル１２で、フィルタエレメント全面を洗浄することができる。
【００３８】
また、上述した装置を用い、各フィルタエレメント１の半径分をカバーし、かつフィルタエレメント１を回転方向に駆動するように、各フィルタエレメント１毎に少なくとも１つのジェットノズルを配置し、洗浄液Ｆを各ジェットノズル１２から噴射するとともに、フィルタエレメント１に回転駆動力を与えることが好ましい。
この方法により、フィルタエレメント１を洗浄液Ｆの圧力で自動的に回転し、同時に各フィルタエレメント１毎に少なくとも１つのジェットノズル１２で、フィルタエレメント全面を洗浄することができる。
なお、この方法において、ジェットノズル１２からの噴射による力だけでは弱い場合は、リーフフィルタの回転時に外部から回転駆動力を与えるのがよい。
【００３９】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
【符号の説明】
【００４０】
１ フィルタエレメント、１ａ 外縁、２ ケーキ層、３ 原液、
４ 固形物（ケーキ）、５ 濾液、
６ 中空回転軸（フィルタシャフト）、６ａ 上端部、
７ フィルタネスト、８ 回転駆動装置、９ ベッセル、
９ａ 排出口、
１０ ジェット洗浄装置、１２ ジェットノズル、
１４ 洗浄液供給装置、１４ａ 供給管、１４ｂ 鉛直管、
１４ｃ 分岐管、１４ｄ 上端部、
１５ａ，１５ｂ シール部材（Ｏリング）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、フィルタエレメントの目詰まりを洗浄するジェット洗浄装置と方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
図１は、従来のリーフフィルタの模式図である。リーフフィルタとは、表面に濾過面を有する円板状のフィルタエレメント１（フィルタリーフ又はフィルターディスクと呼ぶ）を用い、タンク内を原液で満たしてフィルタエレメント１の表面に原液中の固形物をケーキ層２として形成し、ケーキ層２により原液３を固形物４（ケーキ）と濾液５とに分離する固液分離装置である。
【０００３】
リーフフィルタは、ケーキを固形物（乾燥ケーキ）として排出するタイプと、ケーキをスラリーとして排出するタイプに大別される。
リーフフィルタにおいて、フィルタエレメント１の集合体、すなわち複数のフィルタエレメント１を鉛直な中空回転軸（フィルタシャフト６）に固定したものをフィルタネスト７と呼ぶ。ケーキの排出はその構造により回転、振動、掻き取り、逆洗などのさまざまな方法が取られている。図の例では、フィルタネスト７の回転駆動装置８を備えており、固液分離が完了した後、フィルタネスト７を高速回転させてケーキ層２を遠心力でフィルタエレメント１の外側に移動し、ベッセル９の下方に設けられた排出口９ａから排出して、１回の固液分離を終了するようになっている。
【０００４】
また、フィルタの洗浄手段として、ノズルから水蒸気又は熱水を噴射する例が、例えば特許文献１に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００４−３０５９０２号公報、「濾過機」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
リーフフィルタのフィルタエレメント１は、濾過工程において、原液中の固形物により徐々に目詰まりを起こし、濾過性能が低下する。そのため、リーフフィルタでは使用中に生じるフィルタエレメントの目詰まりを取り除く必要がある。
【０００７】
従来、フィルタエレメントの目詰まりの除去は次のようにしていた。
（１）定期的に装置を分解してフィルタエレメントを清掃する。
（２）装置の分解はせずに、フィルタエレメントを逆洗浄または化学洗浄していた。
【０００８】
しかし、分解・清掃は、手間とコストがかかる問題点があった。また、逆洗浄は、フィルタエレメントに通常とは逆方向の圧力がかかるため、フィルタエレメントが破損するおそれがあり、かつ大きな洗浄効果は見込めなかった。さらに、化学洗浄は、使用できる薬品とその廃液に大きな制約があった。
また、特許文献１のようにノズルから水蒸気又は熱水を噴射する手段は、リーフフィルタに適用した場合、ノズルやノズル用配管が干渉するため、ベッセル９の上部の開放や、フィルタネスト７の分解が困難になる、等の問題点があった。
【０００９】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、装置を分解することなく、かつ逆洗浄や化学洗浄によらずに、フィルタエレメントの目詰まりを洗浄することができ、かつベッセル上部の開放やフィルタネストの分解を支障なくできるリーフフィルタのジェット洗浄装置と方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明によれば、複数の円板状のフィルタエレメントと、該フィルタエレメントの中心部を鉛直方向に一定の間隔を隔てて保持し、鉛直軸を中心に回転可能な中空回転軸と、前記フィルタエレメント及び中空回転軸を格納するベッセルと、を有するリーフフィルタのジェット洗浄装置であって、
前記各フィルタエレメントの濾過面に向けて洗浄液を噴射する複数のジェットノズルと、
該各ジェットノズルにベッセルの外部から洗浄液を供給する洗浄液供給装置とを備え、
前記ジェットノズル及び洗浄液供給装置は、フィルタエレメントの軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置し、或いは退避可能に構成されている、ことを特徴とするリーフフィルタのジェット洗浄装置が提供される。
【００１１】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記洗浄液供給装置は、ベッセルの外部から内部まで貫通する供給管と、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間で鉛直に延び、前記供給管と連通する１又は複数の鉛直管とからなり、
前記複数のジェットノズルは、フィルタエレメント毎に前記鉛直管に取り付けられている。
【００１２】
また、前記各ジェットノズルは、噴射幅が対応するフィルタエレメントの半径分をカバーするように配置されている。
【００１３】
本発明の好ましい別の実施形態によれば、前記洗浄液供給装置は、ベッセルの外部から内部まで貫通する供給管と、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間で鉛直に延び、前記供給管と連通する１又は複数の鉛直管と、フィルタエレメント毎に前記鉛直管に取り付けられ、フィルタエレメント間の隙間に挿入可能な複数の分岐管とを有し、
前記複数のジェットノズルは、各分岐管に取り付けられており、
前記鉛直管は、その軸線を中心に、ジェットノズルが対応するフィルタエレメントの少なくとも半径分をカバーする洗浄位置と、分岐管及びジェットノズルがフィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置する退避位置との間で揺動可能に構成されている。
【００１４】
また本発明によれば、複数の円板状のフィルタエレメントと、該フィルタエレメントの中心部を鉛直方向に一定の間隔を隔てて保持し、鉛直軸を中心に回転可能な中空回転軸と、前記フィルタエレメント及び中空回転軸を格納するベッセルと、を有するリーフフィルタのジェット洗浄方法であって、
フィルタエレメントの軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置し、或いは非洗浄時に退避可能に構成されているジェットノズル及び洗浄液供給装置を用い、
洗浄液供給装置により各ジェットノズルにベッセルの外部から洗浄液を供給し、
複数のジェットノズルから各フィルタエレメントの濾過面に向けて洗浄液を噴射する、ことを特徴とするリーフフィルタのジェット洗浄方法が提供される。
【００１５】
本発明の好ましい実施形態によれば、各フィルタエレメントの全面積をカバーするように、各フィルタエレメントの周囲に複数のジェットノズルを配置し、
洗浄液を各ジェットノズルから噴射して全てのフィルタエレメントを同時に洗浄する。
【００１６】
また本発明の好ましい別の実施形態によれば、各フィルタエレメントの半径分をカバーするように、フィルタエレメント毎に少なくとも１つのジェットノズルを配置し、
洗浄液を各ジェットノズルから噴射するとともに、フィルタエレメントを回転駆動する。
【００１７】
また本発明の好ましい別の実施形態によれば、各フィルタエレメントの半径分をカバーし、かつ回転方向に駆動するように、フィルタエレメント毎に少なくとも１つのジェットノズルを配置し、
洗浄液を各ジェットノズルから噴射するとともに、フィルタエレメントに回転駆動力を与える。
【発明の効果】
【００１８】
上記本発明の装置及び方法によれば、ジェットノズル及び洗浄液供給装置が、フィルタエレメントの軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置し、或いは退避可能に構成されているので、ベッセル上部の開放やフィルタネストの分解を支障なくできる。
【００１９】
また、各フィルタエレメントの濾過面に向けて洗浄液を噴射する複数のジェットノズルと、各ジェットノズルにベッセルの外部から洗浄液を供給する洗浄液供給装置とを備えるので、洗浄液供給装置により各ジェットノズルにベッセルの外部から洗浄液を供給し、複数のジェットノズルから各フィルタエレメントの濾過面に向けて洗浄液を噴射することにより、装置を分解することなく、かつ逆洗浄や化学洗浄によらずに、フィルタエレメントの目詰まりを洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】従来のリーフフィルタの模式図である。
【図２】本発明による第１実施形態のジェット洗浄装置を備えたリーフフィルタの構造図である。
【図３】図２のジェット洗浄装置の模式的斜視図である。
【図４】本発明による第２実施形態のジェット洗浄装置を備えたリーフフィルタの構造図である。
【図５】図４のＡ−Ａ矢視図である。
【図６】図４の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【００２２】
図２は、本発明による第１実施形態のジェット洗浄装置を備えたリーフフィルタの構造図である。
この図において、リーフフィルタは、複数の円板状のフィルタエレメント１、中空回転軸６、及びベッセル９を有する。
中空回転軸６は、複数のフィルタエレメント１の中心部を鉛直方向に一定の間隔を隔てて保持する。また、中空回転軸６の上端部６ａは、ベッセル９の上部シール部を通して貫通し、図示しない回転駆動装置８（図１参照）により鉛直軸Ｚ−Ｚを中心に回転可能に構成されている。
ベッセル９は、フィルタエレメント１及び中空回転軸６を格納する気密容器である。
【００２３】
図３は、図２のジェット洗浄装置の模式的斜視図である。
図２及び図３において、本発明のジェット洗浄装置１０は、複数のジェットノズル１２と洗浄液供給装置１４を備える。
複数のジェットノズル１２は、各フィルタエレメント１の濾過面（図で上面）に向けて洗浄液Ｃを噴射する。ジェットノズル１２は、フィルタエレメント１の濾過面上に洗浄液Ｃを線状、円形又は楕円形等に噴射することが可能であるが、扁平な楕円形がより好ましい。
洗浄液Ｃは、例えば、水、洗浄水、各種の溶剤であり、原液及び濾液と混合しても悪影響がない限りで選択することができる。また、洗浄液Ｃの供給圧力は、各フィルタエレメント１の濾過面を洗浄できる圧力に設定する。
【００２４】
洗浄液供給装置１４は、各ジェットノズル１２にベッセル９の外部から洗浄液Ｃを供給する。
【００２５】
ジェットノズル１２及び洗浄液供給装置１４は、フィルタエレメント１の軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメント１の外縁とベッセル９の内面との間に位置している。
【００２６】
この例において、洗浄液供給装置１４は、供給管１４ａと１又は複数の鉛直管１４ｂとからなる。
供給管１４ａは、ベッセル９の貫通孔に気密に取付けられ、ベッセル９の外部から内部まで貫通する。鉛直管１４ｂは、この例では下端が供給管１４ａの内端に溶接等で気密に連結され、フィルタエレメント１の外縁とベッセル９の内面との間で鉛直に延び、供給管１４ａと連通する。
【００２７】
また、複数のジェットノズル１２は、各フィルタエレメント１毎に鉛直管１４ｂに取り付けられている。さらに各ジェットノズル１２は、噴射幅が対応するフィルタエレメント１の半径分（フィルタエレメントの内縁から外縁まで）をカバーするように配置されている。
【００２８】
図４は、本発明による第２実施形態のジェット洗浄装置を備えたリーフフィルタの構造図であり、図５は、図４のＡ−Ａ矢視図である。また図６は、図４の部分断面図であり、（Ａ）はＢ部断面図、（Ｂ）はＣ部断面図である。
【００２９】
この例において、洗浄液供給装置１４は、供給管１４ａ、１又は複数の鉛直管１４ｂ、及び複数の分岐管１４ｃを有する。
【００３０】
供給管１４ａは、ベッセル９の貫通孔に気密に取付けられ、ベッセル９の外部から内部まで貫通する。
１又は複数の鉛直管１４ｂは、この例では下端が供給管１４ａの内端に図６（Ｂ）に示すように、シール部材１５ａ（Ｏリング等）で回転可能かつ気密に連結され、フィルタエレメント１の外縁とベッセル９の内面との間で鉛直に延び、供給管１４ａと連通する。
さらに、図６（Ａ）に示すように、この例では、鉛直管１４ｂの上端部がシール部材１５ｂ（Ｏリング等）で回転可能かつ気密にベッセル９の上部を貫通し、貫通部の上端部１４ｄをスパナ等で回転できるようになっている。
【００３１】
図４において、複数の分岐管１４ｃは、各フィルタエレメント１毎に鉛直管１４ｂに取り付けられ、フィルタエレメント１間の隙間に挿入可能に構成されている。
また、複数のジェットノズル１２は、各分岐管１４ｃのこの例では内端に取り付けられている。
【００３２】
また、図５において、鉛直管１４ｂは、その軸線を中心に、上述した上端部１４ｄの回転により、各分岐管１４ｃを洗浄位置Ｄと退避位置Ｅとの間で揺動可能に構成されている。
ここで洗浄位置Ｄは、ジェットノズル１２が対応するフィルタエレメント１の少なくとも半径分をカバーする位置である。また、退避位置Ｅは、分岐管１４ｃ及びジェットノズル１２がフィルタエレメント１の外縁１ａとベッセル９の内面との間に位置する位置である。
【００３３】
上述した装置を用い、本発明のジェット洗浄方法は、
（Ａ）洗浄液供給装置１４により各ジェットノズル１２にベッセル９の外部から洗浄液Ｌを供給し、
（Ｂ）複数のジェットノズル１２から各フィルタエレメント１の濾過面に向けて洗浄液Ｌを噴射する。
【００３４】
上述した本発明の装置及び方法によれば、ジェットノズル１２及び洗浄液供給装置１４が、フィルタエレメント１の軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメント１の外縁１ａとベッセル９の内面との間に位置し、或いは退避可能に構成されているので、ベッセル上部の開放やフィルタネスト７の分解を支障なくできる。
【００３５】
また、洗浄液供給装置１４により各ジェットノズル１２にベッセル９の外部から洗浄液Ｌを供給し、複数のジェットノズル１２から各フィルタエレメント１の濾過面に向けて洗浄液Ｌを噴射することにより、装置を分解することなく、かつ逆洗浄や化学洗浄によらずに、フィルタエレメントの目詰まりを洗浄することができる。
【００３６】
また、上述した装置を用い、各フィルタエレメント１の全面積をカバーするように、各フィルタエレメント１の周囲に複数のジェットノズル１２を配置し、洗浄液Ｌを各ジェットノズル１２から噴射して全てのフィルタエレメント１を同時に洗浄することが好ましい。
この方法により、洗浄液Ｆを全てのジェットノズル１２から噴射することにより、全てのフィルタエレメント１を同時に短時間で洗浄することができる。
【００３７】
また、上述した装置を用い、各フィルタエレメント１の半径分をカバーするように、各フィルタエレメント１毎に少なくとも１つのジェットノズル１２を配置し、洗浄液Ｌを各ジェットノズル１２から噴射するとともに、フィルタエレメント１を回転駆動することが好ましい。
この方法により、各フィルタエレメント１毎に少なくとも１つのジェットノズル１２で、フィルタエレメント全面を洗浄することができる。
【００３８】
また、上述した装置を用い、各フィルタエレメント１の半径分をカバーし、かつフィルタエレメント１を回転方向に駆動するように、各フィルタエレメント１毎に少なくとも１つのジェットノズルを配置し、洗浄液Ｆを各ジェットノズル１２から噴射するとともに、フィルタエレメント１に回転駆動力を与えることが好ましい。
この方法により、フィルタエレメント１を洗浄液Ｆの圧力で自動的に回転し、同時に各フィルタエレメント１毎に少なくとも１つのジェットノズル１２で、フィルタエレメント全面を洗浄することができる。
なお、この方法において、ジェットノズル１２からの噴射による力だけでは弱い場合は、リーフフィルタの回転時に外部から回転駆動力を与えるのがよい。
【００３９】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
【符号の説明】
【００４０】
１ フィルタエレメント、１ａ 外縁、２ ケーキ層、３ 原液、
４ 固形物（ケーキ）、５ 濾液、
６ 中空回転軸（フィルタシャフト）、６ａ 上端部、
７ フィルタネスト、８ 回転駆動装置、９ ベッセル、
９ａ 排出口、
１０ ジェット洗浄装置、１２ ジェットノズル、
１４ 洗浄液供給装置、１４ａ 供給管、１４ｂ 鉛直管、
１４ｃ 分岐管、１４ｄ 上端部、
１５ａ，１５ｂ シール部材（Ｏリング）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数の円板状のフィルタエレメントと、該フィルタエレメントの中心部を鉛直方向に一定の間隔を隔てて保持し、鉛直軸を中心に回転可能な中空回転軸と、前記フィルタエレメント及び中空回転軸を格納するベッセルと、を有するリーフフィルタのジェット洗浄装置であって、
前記各フィルタエレメントの濾過面に向けて洗浄液を噴射する複数のジェットノズルと、
該各ジェットノズルにベッセルの外部から洗浄液を供給する洗浄液供給装置とを備え、
前記ジェットノズル及び洗浄液供給装置は、フィルタエレメントの軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置し、或いは退避可能に構成されている、ことを特徴とするリーフフィルタのジェット洗浄装置。
【請求項２】
前記洗浄液供給装置は、ベッセルの外部から内部まで貫通する供給管と、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間で鉛直に延び、前記供給管と連通する１又は複数の鉛直管とからなり、
前記複数のジェットノズルは、フィルタエレメント毎に前記鉛直管に取り付けられている、ことを特徴とする請求項１に記載のリーフフィルタのジェット洗浄装置。
【請求項３】
前記各ジェットノズルは、噴射幅が対応するフィルタエレメントの半径分をカバーするように配置されている、ことを特徴とする請求項２に記載のリーフフィルタのジェット洗浄装置。
【請求項４】
前記洗浄液供給装置は、ベッセルの外部から内部まで貫通する供給管と、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間で鉛直に延び、前記供給管と連通する１又は複数の鉛直管と、フィルタエレメント毎に前記鉛直管に取り付けられ、フィルタエレメント間の隙間に挿入可能な複数の分岐管とを有し、
前記複数のジェットノズルは、各分岐管に取り付けられており、
前記鉛直管は、その軸線を中心に、ジェットノズルが対応するフィルタエレメントの少なくとも半径分をカバーする洗浄位置と、分岐管及びジェットノズルがフィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置する退避位置との間で揺動可能に構成されている、ことを特徴とする請求項１に記載のリーフフィルタのジェット洗浄装置。
【請求項５】
複数の円板状のフィルタエレメントと、該フィルタエレメントの中心部を鉛直方向に一定の間隔を隔てて保持し、鉛直軸を中心に回転可能な中空回転軸と、前記フィルタエレメント及び中空回転軸を格納するベッセルと、を有するリーフフィルタのジェット洗浄方法であって、
フィルタエレメントの軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置し、或いは非洗浄時に退避可能に構成されているジェットノズル及び洗浄液供給装置を用い、
洗浄液供給装置により各ジェットノズルにベッセルの外部から洗浄液を供給し、
複数のジェットノズルから各フィルタエレメントの濾過面に向けて洗浄液を噴射する、ことを特徴とするリーフフィルタのジェット洗浄方法。
【請求項６】
各フィルタエレメントの全面積をカバーするように、各フィルタエレメントの周囲に複数のジェットノズルを配置し、
洗浄液を各ジェットノズルから噴射して全てのフィルタエレメントを同時に洗浄する、ことを特徴とする請求項５に記載のリーフフィルタのジェット洗浄方法。
【請求項７】
各フィルタエレメントの半径分をカバーするように、フィルタエレメント毎に少なくとも１つのジェットノズルを配置し、
洗浄液を各ジェットノズルから噴射するとともに、フィルタエレメントを回転駆動する、ことを特徴とする請求項５に記載のリーフフィルタのジェット洗浄方法。
【請求項８】
各フィルタエレメントの半径分をカバーし、かつ回転方向に駆動するように、フィルタエレメント毎に少なくとも１つのジェットノズルを配置し、
洗浄液を各ジェットノズルから噴射するとともに、フィルタエレメントに回転駆動力を与える、ことを特徴とする請求項５に記載のリーフフィルタのジェット洗浄方法。
【請求項１】
複数の円板状のフィルタエレメントと、該フィルタエレメントの中心部を鉛直方向に一定の間隔を隔てて保持し、鉛直軸を中心に回転可能な中空回転軸と、前記フィルタエレメント及び中空回転軸を格納するベッセルと、を有するリーフフィルタのジェット洗浄装置であって、
前記各フィルタエレメントの濾過面に向けて洗浄液を噴射する複数のジェットノズルと、
該各ジェットノズルにベッセルの外部から洗浄液を供給する洗浄液供給装置とを備え、
前記ジェットノズル及び洗浄液供給装置は、フィルタエレメントの軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置し、或いは退避可能に構成されている、ことを特徴とするリーフフィルタのジェット洗浄装置。
【請求項２】
前記洗浄液供給装置は、ベッセルの外部から内部まで貫通する供給管と、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間で鉛直に延び、前記供給管と連通する１又は複数の鉛直管とからなり、
前記複数のジェットノズルは、フィルタエレメント毎に前記鉛直管に取り付けられている、ことを特徴とする請求項１に記載のリーフフィルタのジェット洗浄装置。
【請求項３】
前記各ジェットノズルは、噴射幅が対応するフィルタエレメントの半径分をカバーするように配置されている、ことを特徴とする請求項２に記載のリーフフィルタのジェット洗浄装置。
【請求項４】
前記洗浄液供給装置は、ベッセルの外部から内部まで貫通する供給管と、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間で鉛直に延び、前記供給管と連通する１又は複数の鉛直管と、フィルタエレメント毎に前記鉛直管に取り付けられ、フィルタエレメント間の隙間に挿入可能な複数の分岐管とを有し、
前記複数のジェットノズルは、各分岐管に取り付けられており、
前記鉛直管は、その軸線を中心に、ジェットノズルが対応するフィルタエレメントの少なくとも半径分をカバーする洗浄位置と、分岐管及びジェットノズルがフィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置する退避位置との間で揺動可能に構成されている、ことを特徴とする請求項１に記載のリーフフィルタのジェット洗浄装置。
【請求項５】
複数の円板状のフィルタエレメントと、該フィルタエレメントの中心部を鉛直方向に一定の間隔を隔てて保持し、鉛直軸を中心に回転可能な中空回転軸と、前記フィルタエレメント及び中空回転軸を格納するベッセルと、を有するリーフフィルタのジェット洗浄方法であって、
フィルタエレメントの軸方向移動と干渉しないように、フィルタエレメントの外縁とベッセルの内面との間に位置し、或いは非洗浄時に退避可能に構成されているジェットノズル及び洗浄液供給装置を用い、
洗浄液供給装置により各ジェットノズルにベッセルの外部から洗浄液を供給し、
複数のジェットノズルから各フィルタエレメントの濾過面に向けて洗浄液を噴射する、ことを特徴とするリーフフィルタのジェット洗浄方法。
【請求項６】
各フィルタエレメントの全面積をカバーするように、各フィルタエレメントの周囲に複数のジェットノズルを配置し、
洗浄液を各ジェットノズルから噴射して全てのフィルタエレメントを同時に洗浄する、ことを特徴とする請求項５に記載のリーフフィルタのジェット洗浄方法。
【請求項７】
各フィルタエレメントの半径分をカバーするように、フィルタエレメント毎に少なくとも１つのジェットノズルを配置し、
洗浄液を各ジェットノズルから噴射するとともに、フィルタエレメントを回転駆動する、ことを特徴とする請求項５に記載のリーフフィルタのジェット洗浄方法。
【請求項８】
各フィルタエレメントの半径分をカバーし、かつ回転方向に駆動するように、フィルタエレメント毎に少なくとも１つのジェットノズルを配置し、
洗浄液を各ジェットノズルから噴射するとともに、フィルタエレメントに回転駆動力を与える、ことを特徴とする請求項５に記載のリーフフィルタのジェット洗浄方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１１−５６３５７（Ｐ２０１１−５６３５７Ａ）
【公開日】平成２３年３月２４日（２０１１．３．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２０７１０３（Ｐ２００９−２０７１０３）
【出願日】平成２１年９月８日（２００９．９．８）
【出願人】（０００００００９９）株式会社ＩＨＩ (5,014)
【公開日】平成２３年３月２４日（２０１１．３．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年９月８日（２００９．９．８）
【出願人】（０００００００９９）株式会社ＩＨＩ (5,014)
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