説明

リーフレットケース

【課題】 リーフレットを包装する包装材として使用できるとともに、リーフレットを体裁良く陳列するための陳列具としても使用することのできるリーフレットケースを提供する。
【解決手段】 リーフレットケースであって、一対の側壁を介して側端同士が接続された一対の壁部を有するとともに一端開口を閉塞した底部を有し、他端開口からリーフレットの出し入れが可能な本体と、一方の壁部の他端に折り曲げ自在に延設され、一方の面側に折り曲げることで他端開口を閉塞可能に構成された第一片部と、第一片部の先端に折り曲げ自在に延設された第二片部と、第二片部の先端に折り曲げ自在に延設された第三片部とを備え、本体は、第一片部を他方の面側に折り返した状態で本体側に折り曲げた第三片部を係止可能に構成され、第三片部を本体に係止させた状態で第二片部が先端側ほど一方の壁部から離間するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のリーフレットを収容するためのリーフレットケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、駅や店舗等で各種リーフレットが陳列されている。かかるリーフレットは、複数重ねて陳列されるのが一般的であるが、単に重ねて陳列すると散乱する可能性があり、また、陳列状態の体裁が悪い(視認性に欠ける)ことから、図5に示すようなリーフレット用の陳列具100を用いて陳列されるのが一般的である。
【0003】
かかるリーフレット用の陳列具100は、プラスチック樹脂で成型されたもので、上面から前面にかけてリーフレットLF…を出し入れする開口の形成された箱状の本体101と、該本体101の背面に延設された支持脚102とを備えており、設置したときに本体101が上端側ほど後方に向けて傾斜した姿勢になるように構成されている。これにより、上記構成の陳列具100は、リーフレットLF…の散乱を防止しつつも、収容したリーフレットLF…の内容を視認できる体裁の良い陳列が可能となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、リーフレットLF…には種々のサイズのものがあるが、上記構成の陳列具100は、本体101のサイズが一定であるため、リーフレットLF…に対応したサイズの本体101を有する陳列具100を保有しなければ、上述のような体裁の良い状態で陳列することができないといった問題がある。また、新規にリーフレットLF…を陳列する場合、その陳列場所に陳列具100が設置されていないのが通常であり、この場合においても、リーフレットLF…に対応したサイズの本体101を有する陳列具100を保有しなければ、上述のような体裁の良い状態で陳列することができないといった問題がある。
【0005】
そして、通常、リーフレットは、箱や包み紙等の包装材に所定数量ずつ包装された状態で駅や店舗等にまで運搬されてくるため、該リーフレットを陳列する際に包装材が廃棄されることになる。そのため、包装材は、リーフレットの運搬のみに使用されるだけで、無駄に廃棄されるといった問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、リーフレットを包装する包装材として使用できるとともに、リーフレットを体裁良く陳列するための陳列具としても使用することのできるリーフレットケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るリーフレットケースは、複数のリーフレットを収容するリーフレットケースであって、一対の側壁を介して側端同士が接続された一対の壁部を有するとともに、側壁及び壁部の一端で画定される一端開口を閉塞した底部を有し、側壁及び壁部の他端で画定される他端開口からリーフレットの出し入れが可能な本体と、一方の壁部の他端に折り曲げ自在に延設され、一方の面側に折り曲げることで前記他端開口を閉塞可能に構成された第一片部と、該第一片部の先端に折り曲げ自在に延設された第二片部と、該第二片部の先端に折り曲げ自在に延設された第三片部と、を備え、前記本体は、第一片部を他方の面側に折り返した状態で本体側に折り曲げた第三片部を係止可能に構成され、該第三片部を本体に係止させた状態で、第二片部が先端側ほど一方の壁部から離間して本体を一方の壁面側で支持可能になるように構成されていることを特徴とする。なお、ここで「リーフレット」とは、枚葉状の印刷物や冊子状の印刷物、折り畳まれた印刷物を意味し、宣伝用のチラシは勿論のこと、申し込みはがきや応募用はがき等を含むものである。
【0008】
上記構成のリーフレットケースによれば、リーフレットを収容する本体を構成する一方の壁部の他端に折り曲げ自在に延設され、一方の面側に折り曲げることで前記他端開口を閉塞可能に構成された第一片部と、該第一片部の先端に折り曲げ自在に延設された第二片部と、該第二片部の先端に折り曲げ自在に延設された第三片部とを備えているので、第一片部を一方の面側に折り曲げて本体の他端開口を閉塞し、第二片部及び第三片部を本体(少なくとも他方の壁部)に沿わせれば、本体の両端を閉塞してリーフレットを包装した状態にすることができる。
【0009】
さらに、上記構成のリーフレットケースは、前記本体が、第一片部を他方の面側に折り返した状態で本体側に折り曲げた第三片部を係止可能に構成され、該第三片部を本体に係止させた状態で、第二片部が先端側ほど一方の壁部から離間して本体を一方の壁面側で支持可能に構成されているので、第一片部を他方の面側に折り返した状態で第三片部を本体に係止させると、第二片部が本体の背面(一方の壁部)側を支持する支持脚として機能する。これにより、本体の他端開口を開放してリーフレットを出し入れ可能にした上で、第二片部が本体の背面(一方の壁部)側を支持し、該他端開口を上側にして本体を起立状態にして陳列することができる。
【0010】
本発明の一態様として、前記第二片部は、延出量が壁部の一端から他端までの長さよりも短く設定され、前記第三片部は、第一片部が他端開口を閉塞して第二片部が他方の壁部に重なった状態で、該第二片部とともに他方の壁部に重なる第一領域と、該第一領域に折り曲げ自在に連設され、底部に重なる第二領域と、第二領域に折り曲げ自在に連設され、一方の壁部に重なる第三領域とを備え、前記本体は、第一片部を他方の面側に折り返した状態で本体側に折り曲げた第三片部の第三領域を係止可能に構成されていることが好ましい。
【0011】
このようにすれば、第一片部で本体の他端開口を閉塞してリーフレットを包装する際、第二片部及び第三片部が本体の壁部及び底部に沿った状態、すなわち、当該リーフレットケースを完全な箱状にすることができる。そして、リーフレットを陳列するに際し、第三領域を本体に係止させることで、第三片部の第一領域及び第二領域が、第二片部の先端を一方の壁部から離間させた状態で維持させることになる。これにより、第二片部が本体を安定して支持することになる。
【0012】
この場合、前記第三片部は、第一片部を他方の面側に折り返して本体側に折り曲げた状態で、第三領域の全体又は先端側の一部が他方の壁部に重なるように折り曲げ可能に構成され、前記本体は、他方の壁部に第三領域の先端部を係止させる切り込みが設けられていることが好ましい。このようにすれば、リーフレットを陳列するに際し、第三片部の第三領域を他方の壁部の切り込みに差し込むだけで、該第三片部を本体に係止させることができる。
【0013】
また、前記第三領域は、第一片部を一方の面側に折り曲げて第二片部及び第一領域が他方の壁部に重なるとともに、第二領域が底部に重なった状態で、一方の壁部に重なるように折り曲げ可能に構成され、前記本体は、一方の壁部に第三領域の先端部を係止させる切り込みが設けられていることが好ましい。このようにすれば、リーフレットを包装するに際し、第三片部の第三領域を一方の壁部の切り込みに差し込むだけで、該第三片部を本体に係止させることができ、上述のようにリーフレットケースを完全な箱状で維持させることができる。
【0014】
そして、本発明の他態様として、前記第一片部は、両側端に折り曲げ自在な一対の突片が設けられ、一方の壁部は、第一片部を他方の面側に折り返した状態で、前記突片を係入させるための一対のスリットが両側端部に形成され、前記突片をスリットに係入した状態で第一片部が一方の壁部に沿って第二片部が第一片部との境界から先端に向けて一方の壁部から離間するように構成され、前記突片は、第一片部を一方の面側に折り曲げた状態で他端開口に挿入されるように構成されていることが好ましい。
【0015】
このようにすれば、リーフレットを包装した状態(第一片部で本体の他端開口を閉塞した状態)で、一対の突片が収容したリーフレットと側壁との間に入り込み、本体内への塵や埃等が入り込んでしまうのを防止することができる。これに対し、リーフレットを陳列するに際して、第一片部を他方の面側に折り返した状態で、前記突片をスリットに係入すると、第一片部が一方の壁部に沿った状態で維持し、この第一片部に延設された第二片部のみが先端側に向けて一方の壁部に対して傾斜(離間)した状態になる。従って、本体を支持する支持脚の途中に折り曲げ自在な部分がなくなり、第二片部で本体を確実に支持することができる。
【0016】
そして、他方の壁部には、本体に収容したリーフレットを露呈させるべく、他端から一端に向けて切り欠かれた表示部が形成されていることが好ましい。このようにすれば、本体に収容したリーフレットの内容を表示部から視認できる。
【0017】
そして、前記第二片部は、少なくとも何れか一方の側端部が折り曲げ可能に形成されていることが好ましい。このようにすれば、リーフレットの陳列時、すなわち、第二片部が支持脚として機能するときに、第二片部の側端部を折り曲げることで、該側端部が他の部分に対して交差方向に突出したリブのように機能する結果、第二片部を剛性の高めた支持脚とすることができ、本体をより安定して支持することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明に係るリーフレットケースによれば、リーフレットを包装する包装材として使用できるとともに、リーフレットを体裁良く陳列するための陳列具としても使用することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係るリーフレットケースについて、添付図面を参照しつつ説明する。なお、図1(a)は、本実施形態に係るリーフレットケースの斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示したリーフレットケースを反対側から見た斜視図である。そして、図2(a)は、本実施形態に係るリーフレットケースの正面図であり、図2(b)は、本実施形態に係るリーフレットケースの背面図であり、図2(c)は、本実施形態に係るリーフレットケースの側面図である。図3は、本実施形態に係るリーフレットケースを用いてリーフレットを陳列した状態の斜視図である。
【0020】
本実施形態に係るリーフレットケース1は、複数のリーフレットを収容するもので、所定形状に裁断された厚紙を曲げ加工して形成されている。なお、ここで「リーフレット」とは、枚葉状の印刷物や冊子状の印刷物、折り畳まれた印刷物を意味し、商品やキャンペーン等の宣伝用のチラシや、申し込み或いは応募用の各種はがき等が含まれる。
【0021】
本実施形態に係るリーフレットケース1は、図1及び図2に示す如く、一対の側壁11a,11bを介して側端同士が接続された一対の壁部12a,12bを有するとともに、側壁11a,11b及び壁部12a,12bの一端で画定される一端開口を閉塞した底部13を有し、側壁11a,11b及び壁部12a,12bの他端で画定される他端開口からリーフレットLF…の出し入れが可能な本体10と、一方の壁部12aの他端に折り曲げ自在に延設され、一方の面側に折り曲げることで前記他端開口を閉塞可能に構成された第一片部20と、該第一片部20の先端に折り曲げ自在に延設された第二片部30と、該第二片部30の先端に折り曲げ自在に延設された第三片部40とを備えている。なお、本実施形態において、一方の面側とは、本体10の内面となる一方の壁部12aの一方の面に連続する面側を意味し、他方の面側とは、本体10の外面となる一方の壁部12aの他方の面に連続する面側を意味する。
【0022】
前記本体10は、上述の如く、一対の側壁11a,11b、一対の壁部12a,12b、及び底部13によって有底角筒状に形成され、その他端開口からリーフレットLF…を出し入れできるようになっている。該本体5は、一対の壁部12a,12bの間隔が壁部12aの一端から他端までの長さの半分以下に設定されており、両端開口が横長な長方形状をなしている。前記一対の側壁11a,11bは、一対の壁部12a,12bの側端同士を接続し、該一対の壁部12a,12bの間隔を一定間隔で維持させるようになっている。
【0023】
前記一対の壁部12a,12bのうち、一方の壁部12aは、略長方形状に形成される一方、他方の壁部12bは、外形が一方の壁部12aと同一に設定され、長手方向の他端から一端側に大きく切り欠かれ、その切り欠きによって収容したリーフレットLF…を露呈させる表示部14が形成されている。これにより、表示部14(切り欠き)は、他端開口に連続して形成されている。すなわち、該本体10は、他端部から他方の壁部12bの途中位置にかけて開放されており、収容したリーフレットLF…の出し入れを容易にするとともに、該リーフレットLF…に記載された内容を表示部14から露呈させるように形成されている。なお、本実施形態に係る本体10は、壁部12a,12bの長手方向と直交する短手方向の両端(両側端)同士が側壁11a,11bを介して接続されるとともに、長手方向の一端側の開口(前記一端開口)が前記底部13によって閉塞されている。すなわち、本実施形態に係るリーフレットケース1は、後述する陳列状態(図3参照)において、長手方向の一端側が下方側に位置して本体10が縦長になるようになっている。
【0024】
前記本体10は、第一片部20を他方の面側に折り返した状態で本体10側に折り曲げた第三片部40を係止可能に構成されている。また、本実施形態において、該本体10は、第一片部20を一方の面側に折り曲げ、第二片部30を他方の壁部12bに沿わせた状態で、該第二片部30に延設された第三片部40を係止可能にも構成されている。
【0025】
具体的に説明すると、該本体10の一方の壁部12aには、一端側から第三片部40の先端部を係入させるための切り込み15,15が設けられている。すなわち、第一片部20を一方の面側に折り曲げるとともに、これに連続する第二片部30も同方向に折り曲げた状態で、他方の壁部12bの一端側から一方の壁部12a側に巻き込まれた(曲げられた)第三片部40(本実施形態では後述する第三領域)の先端両角部を係入させる一対の切り込み15,15が一方の壁部12aに設けられている。
【0026】
また、該本体10の他方の壁部12bには、一端側から第三片部40の先端両角部を係入させるための一対の切り込み16,16が設けられている。すなわち、第一片部20を他方の面(包装時に外面となる面)側に折り返した状態で、一方の壁部12aの一端側から他方の壁部12b側に巻き込まれた(曲げられた)第三片部40(本実施形態では後述する第三領域)の先端両角部を係入させる一対の切り込み16,16が他方の壁部12bに設けられている。
【0027】
また、本実施形態に係る本体10は、一方の壁部12aの他端側の両側端部に後述する突片21,21を係入させるためのスリット17,17が設けられている。
【0028】
本実施形態に係るリーフレットケース1は、未使用時に本体10を偏平状にできるようになっている。これに伴い、図示しないが、本実施形態に係る底部13は、一方の側壁11aの一端及び一方の壁部12aの一端に連続して接続された第一底片と、他方の側壁11bの一端及び他方の壁部12bの一端に連続して接続された第二底片とで構成されており、一対の側壁11a,11b及び一対の壁部12a,12bが角筒状になったときに第一底片と第二底片とが係合して一端開口を閉塞する一方、角筒状をなす一対の側壁11a,11b及び一対の壁部12a,12bを偏平状にしたときに、第一底片と第二底片との係合が解かれるようになっている。
【0029】
前記第一片部20は、本体10の他端開口の形状及びサイズに対応するように形成されている。本実施形態に係る第一片部20は、壁部12aからの延出量が壁部12aの一端から他端までの長さ(本実施形態においては長手方向の長さ)の半分以下に設定され、他端開口に対応して長方形状に形成されている。そして、該第一片部20は、長手方向(リーフレットケース1の幅方向)と直交する短手方向の一端が一方の壁部12aの他端に接続され、一方の壁部12aと第一片部20との境界には、折曲線(以下、第一折曲線という)L1が設けられている。
【0030】
これにより、第一片部20は、第一折曲線L1で一方の面側及び他方の面側に折り曲げ自在になっている。また、本実施形態に係る第一片部20の長手方向の両端(両側端)には、突片21,21が延設されている。第一片部20と突片21,21との境界には、折曲線(以下、第二折曲線という)L2が設けられており、突片21,21は、第一片部20の一方の面側及び他方の面側の両方に延出した態様になるように、第二折曲線L2で折り曲げ自在になっている。
【0031】
第一折曲線L1、第二折曲線L2、及び後述する各折曲線L3〜L8は、線状のプレス溝や、ライン状のハーフカット、ミシン目等で構成されている。すなわち、各折曲線L1〜L8は、線状の領域の強度を局部的に低下させるように形成されており、連設された各片部20,30,40…がその線状の領域で曲げられるようになっている。なお、図1及び図2において、各折曲線L1〜L8を一点鎖線で示している。
【0032】
前記第二片部30は、第一片部20と同一幅に形成されおり、該幅方向が短手となる長方形状に形成されている。該第二片部30は、延出量(長手方向の長さ)が壁部12a,12bの長手方向の長さ(壁部12a,12bの一端から他端までの長さ)よりも短く設定されている。より具体的に説明すると、該第二片部30は、第一片部20との合計延出量が一方の壁部12aの一端から他端までの長さ以下になるように第一片部20からの延出量が設定されている。
【0033】
該第二片部30は、幅方向の両側端部が折り曲げ可能に構成されている。具体的には、該第二片部30は、長手方向の一端の角部から他端の角部に向けて内側に突出した円弧状の折曲線(以下、第三折曲線という)L3が形成されている。本実施形態においては、上述の如く、第二片部30の両側端部を折り曲げ可能に形成すべく、短手方向の一端側、及び他端側に一対の第三折曲線L3が対称的に形成されている。
【0034】
そして、第一片部20と第二片部30との境界には、折曲線(以下、第四折曲線という)L4が設けられており、第二片部30は、第四折曲線L4で一方の面側及び他方の面側に折り曲げ自在になっている。
【0035】
前記第三片部40は、第一片部20と同一幅に形成されおり、該幅方向が短手となる長方形状に形成されている。そして、第二片部30と第三片部40との境界には、折曲線(以下、第五折曲線という)L5が設けられており、第三片部40は、第五折曲線L5で一方の面側及び他方の面側に折り曲げ自在になっている。
【0036】
本実施形態に係る該第三片部40は、第一片部20が他端開口を閉塞して第二片部30が他方の壁部12bに重なった状態で、該第二片部30とともに他方の壁部12bに重なる第一領域41と、該第一領域41に折り曲げ自在に連設され、底部13に重なる第二領域42と、第二領域42に折り曲げ自在に連設され、一方の壁部12aに重なる第三領域43とを備えている。すなわち、本実施形態に係る第三片部40は、長手方向で基端側から第一領域41、第二領域42、第三領域43の順に形成されている。
【0037】
そして、第一領域41及び第二領域42は、該第三片部40の幅方向が長手となる長方形状に形成されている。本実施形態において、第一領域41及び第二領域42は、略同一形状及び同一サイズに設定されている。そして、底部13に重なる第二領域42は、該底部13(本体10の一端開口)に対応するサイズ及び形状に設定されている。従って、本実施形態において、第一領域41についても、底部13に対応するサイズ及び形状に設定されているところ、第二片部30の長手方向の長さは、壁部12a,12bの長手方向の寸法から底部13の短手方向の寸法を差し引いた長さに設定されている。
【0038】
そして、第一領域41と第二領域42との境界には、折曲線(以下、第六折曲線という)L6が設けられており、第二領域42は、第六折曲線L6で一方の面側及び他方の面側に折り曲げ自在になっている。また、第二領域42と第三領域43との境界にも、折曲線(以下、第七折曲線という)L7が設けられており、第三領域43は、第七折曲線L7で一方の面側及び他方の面側に折り曲げ自在になっている。
【0039】
そして、第三片部40は、第一片部20を他方の面側に折り曲げて該第三片部40を本体10側に折り曲げた状態で、第三領域43の全体又は先端側の一部が他方の壁部12bに重なるように折り曲げ可能に構成されている。本実施形態において、前記第三領域43は、第二領域42側の基端領域43aと、該基端領域43aの先端に連設された先端領域43bとで構成されており、基端領域43aと先端領域43bとの境界にも、折曲線(以下、第八折曲線という)L8が設けられている。これにより、先端領域43bは、第八折曲線L8で一方の面側及び他方の面側に折り曲げ自在になっている。
【0040】
上記構成のリーフレットケース1は、本体10の他端開口から複数のリーフレットLF…を重ねた状態で収容し、一対の突片21,21を一方の面側に折り曲げ、該一対の突片21,21を本体10の他端開口内に挿入して第一片部20を第一折曲線L1で一方の面側に折り曲げる。さらに、第二片部30を第三折曲線L3で折り曲げ、該第二片部30及び第三片部40の一部(第一領域41)を他方の壁部12bに沿わせた上で、第三片部40を第六折曲線L6、及び第七折曲線L7で折り曲げ、第二領域42を底部13に沿わせるとともに、第三領域43を一方の壁部12aに沿わせる。そして、該第三領域43の先端部(先端領域43b)の両側角部を一方の壁部12aの切り込み15,15に係入させる。このようにすることで、本体10にリーフレットLF…を収容した状態で、他端開口及び表示部14を閉じるように第一乃至第三片部20,30,40で本体10を包み込んだ状態となり、複数のリーフレットLF…を包装することができる。
【0041】
これに対し、収容したリーフレットLF…を陳列する場合には、図3に示す如く、第三片部40の先端を一方の壁部12aの切り込み15,15から抜き、第一片部20を第一折曲線L1で他方の面側に折り返す。すなわち、第一片部20を一方の壁部12aに重なり合うように折り返す。この際、該第一片部20の側端に延設された一対の突片21,21を反対側に折り曲げておき、一方の壁部12aに形成されたスリット17,17に係入させ、第一片部20を一方の壁部12aに沿った状態にする。そして、第二片部30を第三折曲線L3で一方の面側に折り曲げるとともに、第三片部40を第五折曲線L5で他方の面側(本体10側)に折り曲げる。
【0042】
そして、第三片部40の先端側の一部、すなわち、先端領域43bを第八折曲線L8で他方の面側に折り曲げ、他方の壁部12bを一端側から巻き込むようにして該壁部12a,12bに沿わせ、該第三領域43の先端部(先端領域43b)の両側角部を他方の壁部12bの切り込み16,16に係入させる。そして、第二片部30の両側端部を第三折曲線L3で折り曲げてリブを形成する。
【0043】
このようにすることで、本体10の表示部14及び他端開口が露呈して、表示部14を介してリーフレットLFを前面から視認でき、且つ、他端開口からリーフレットLF…を出し入れできる状態になる。また、第二片部30が基端側(リーフレットケース1における上端側)から先端(リーフレットケース1における下端側)に向けて、対向する一方の壁部12aに対して離間し、該第二片部30が本体10の背面(一方の壁部12a)側を支持できる状態、すなわち、本体10を上端側ほど後方に傾斜した態様で支持することができる状態にもなる。
【0044】
該リーフレットケース1は、第一片部20の延出量(一対の壁部12a,12bの間隔)が壁部12aの一端から他端までの長さの半分以下になっているため、上述の如く、折り返した第一片部20の先端に延設された第二片部30の基端が、リーフレットLFを収容した本体10の重心位置よりも上方に位置する。これにより、上述の如く、本体10が傾斜した姿勢になるように第二片部30で支持されても、後方側に転倒してしまうことが防止される。
【0045】
そして、本実施形態に係るリーフレットケース1は、第三片部40の先端領域(先端側の一部)43bのみを他方の壁部12bに沿わせるようにしているため、第三領域43の残りの一部(基端領域43a)が第二片部30の先端側を壁部12aから離間させる(離間距離を長くする)ように機能し、その分、第二片部30の傾斜角度が大きくなる。これにより、本体10を上端側ほど後方に傾斜した態様で安定して支持できる。
【0046】
そして、第二片部30の両側部を折り曲げてリブを形成しているので、第二片部30は、収容したリーフレットLF…の荷重で座屈することなく確実に本体10を支持することになる。
【0047】
以上のように、本実施形態に係るリーフレットケース1は、リーフレットLF…を包装する包装材として使用できるとともに、廃棄することなくリーフレットLF…を体裁良く陳列するための陳列具としても使用することができるという優れた効果を奏し得る。
【0048】
尚、本発明のリーフレットケースは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0049】
上記実施形態において、陳列時に本体10が縦長になるリーフレットケース1について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図4(a)に示す如く、本体10の縦横比が略同一、すなわち、壁部12a,12bの外形が略正方形をなすように本体10を構成したものや、図4(b)に示す如く、本体10の縦横比が横の方が大きいもの、すなわち、壁部12a,12bの外形が長方形であって長手が幅方向に設定されたもの等であってもよい。この場合においても、上記実施形態と同様に、第一片部20、第二片部30、及び第三片部40の延出量を本体10のサイズを考慮して設定することで、上記実施形態と同様に、リーフレットLF…を包装可能としつつも該リーフレットLF…を陳列可能な構成となる。
【0050】
上記実施形態において、第三片部40を先端領域43bと基端領域43aとで構成し、陳列時において先端領域43bを他方の壁部12bに沿わせ、該壁部12bに係止させるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、陳列時において第三片部40全体を他方の壁部12bに沿わせて該壁部12bに係止させるようにしてもよい。すなわち、リーフレットLF…を収容した状態での重心バランスに応じて第二片部30の先端側を壁部12a,12bから離間させる必要があるため、第二片部30と壁部12aとの間隔を大きくする必要がある場合には、第三片部40の基端側の一部を、第二片部30を一方の壁部12aから離間させるように機能させればよい。
【0051】
上記実施形態において、リーフレットLF…の陳列時に第三片部40(全部又は一部)を他方の壁部12bに沿わせ、該壁部12bに係止させるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、底部13、又は、一方の壁部12aの一端部(下端部)に切り込みを設け、第三片部40の先端を該切り込みに係入させるようにしてもよい。このようにしても、第三片部40の存在で、第二片部30の下端側が一方の壁部12aから離間することになるので、本体10を安定して支持することができる。
【0052】
上記実施形態において、他方の壁部12bの他端側に切り欠きからなる表示部14を設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、他方の壁部12bを一方の壁部12aと同様の構成とし、本体10を完全な有底角筒状に形成したり、或いは、図5に示した従来の陳列具の本体101のように、他方の壁部12bを一方の壁部12aよりも短く構成したりしてもよい。
【0053】
上記実施形態において、第一片部20の両側端に突片21,21を設けるとともに、一方の壁部12aに突片21,21を係入するスリット17,17を設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、突片21,21及びスリット17,17を設けることなく、陳列時に第一片部20を一方の壁部12aに沿わせるように単に折り返すようにしてもよい。但し、一方の壁部12aに沿った姿勢で第一片部20を確実に維持させるには、上記実施形態と同様に構成することが好ましいことは言うまでもない。
【0054】
上記実施形態において、第二片部30の両側端部を折り曲げ可能に構成し、陳列時に第二片部30が支持脚として機能させる際にリブを形成できるようにしたが、これに限定されるものではなく、第二片部30が支持脚として機能するに際して強度が不足する場合に第二片部30の両側部を折り曲げ可能に構成すればよい。但し、第二片部30の剛性を高めて本体10を安定して支持するには、上記実施形態と同様にすることが好ましい。
【0055】
また、第二片部30の側端部を折り曲げ可能に構成する場合、両側端部を折り曲げ可能に構成したものに限定されず、何れか一方の側端部を折り曲げ可能に構成してもよい。但し、第二片部30の両側端部を折り曲げる方が第二片部30の強度が高くなるので、第二片部30の両側端部を折り曲げ可能にすることが好ましいことは言うまでもない。
【0056】
上記実施形態において、本体10の底部13を互いに係合可能な第一底片と第二底片とで構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、一方の壁部12a又は他方の壁部12bの一端に一端開口(角形の開口)に対応した底片を延設するとともに、その底片の先端に折曲片を延設し、該折曲片を本体10内部に差し込むことで、底片が一端開口を閉塞する一般的な構成であっても勿論よい。この場合、各側壁11a,11bの一端に舌片を延設し、該舌片を本体10内部側に折り曲げて底片で開口を閉塞するようにすることが好ましい。但し、底部13が抜けてしまう(一端開口が開放されてしまう)のを確実に防止するには、上記実施形態と同様に、互いに係合可能な第一底片と第二底片とで底部13を構成することが好ましい。
【0057】
上記実施形態において、リーフレットケース1を厚紙で構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、薄手のプラスチックシート(樹脂シート)を曲げ加工して作成するようにしてもよい。すなわち、折り曲げ加工が可能なシート材で作成されればよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態に係るリーフレットケースの斜視図であって、(a)は、一方の壁部及び一方の側壁側から見た斜視図を示し、(b)は、他方の壁部及び他方の側壁側から見た斜視図を示す。
【図2】同実施形態に係るリーフレットケースの説明図であって、(a)は、第一片部、第二片部、及び第三片部を真っ直ぐ延ばした(他端開口を開いた)状態の正面図を示し、(b)は、第一片部、第二片部、及び第三片部を真っ直ぐ延ばした(他端開口を開いた)状態の背面図を示し、(c)は、第一片部、第二片部、及び第三片部を真っ直ぐ延ばした(他端開口を開いた)状態の側面図を示す。
【図3】同実施形態に係るリーフレットケースの斜視図であって、リーフレットを陳列した状態を示す。
【図4】本発明の他実施形態に係るリーフレットケースでリーフレットを陳列した状態の斜視図であって、(a)は、本体の壁部が略正方形状に形成されたリーフレットケースの斜視図を示し、(b)は、本体の壁部が横長の長方形状に形成されたリーフレットケースの斜視図を示す。
【図5】従来のリーフレットケースの斜視図を示す。
【符号の説明】
【0059】
1…リーフレットケース、10…本体、11a,11b…側壁、12a,12b…壁部、13…底部、14…表示部、15,16…切り込み、17…スリット、20…第一片部、21…突片、30…第二片部、40…第三片部、41…第一領域、42…第二領域、43…第三領域、43a…基端領域、43b…先端領域、L1…第一折曲線、L2…第二折曲線、L3…第三折曲線、L4…第四折曲線、L5…第五折曲線、L6…第六折曲線、L7…第七折曲線、L8…第八折曲線、LF…リーフレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリーフレットを収容するリーフレットケースであって、一対の側壁を介して側端同士が接続された一対の壁部を有するとともに、側壁及び壁部の一端で画定される一端開口を閉塞した底部を有し、側壁及び壁部の他端で画定される他端開口からリーフレットの出し入れが可能な本体と、一方の壁部の他端に折り曲げ自在に延設され、一方の面側に折り曲げることで前記他端開口を閉塞可能に構成された第一片部と、該第一片部の先端に折り曲げ自在に延設された第二片部と、該第二片部の先端に折り曲げ自在に延設された第三片部と、を備え、前記本体は、第一片部を他方の面側に折り返した状態で本体側に折り曲げた第三片部を係止可能に構成され、該第三片部を本体に係止させた状態で、第二片部が先端側ほど一方の壁部から離間して本体を一方の壁面側で支持可能になるように構成されていることを特徴とするリーフレットケース。
【請求項2】
前記第二片部は、延出量が壁部の一端から他端までの長さよりも短く設定され、前記第三片部は、第一片部が他端開口を閉塞して第二片部が他方の壁部に重なった状態で、該第二片部とともに他方の壁部に重なる第一領域と、該第一領域に折り曲げ自在に連設され、底部に重なる第二領域と、該第二領域に折り曲げ自在に連設され、一方の壁部に重なる第三領域とを備え、前記本体は、第一片部を他方の面側に折り返した状態で本体側に折り曲げた第三片部の第三領域を係止可能に構成されている請求項1記載のリーフレットケース。
【請求項3】
前記第三片部は、第一片部を他方の面側に折り返して本体側に折り曲げた状態で、第三領域の全体又は先端側の一部が他方の壁部に重なるように折り曲げ可能に構成され、前記本体は、他方の壁部に第三領域の先端部を係止させる切り込みが設けられている請求項2記載のリーフレットケース。
【請求項4】
前記第三領域は、第一片部を一方の面側に折り曲げて第二片部及び第一領域が他方の壁部に重なるとともに、第二領域が底部に重なった状態で、一方の壁部に重なるように折り曲げ可能に構成され、前記本体は、一方の壁部に第三領域の先端部を係止させる切り込みが設けられている請求項2又は3記載のリーフレットケース。
【請求項5】
前記第一片部は、両側端に折り曲げ自在な一対の突片が設けられ、一方の壁部は、第一片部を他方の面側に折り返した状態で、前記突片を係入させるための一対のスリットが両側端部に形成され、前記突片をスリットに係入した状態で第一片部が一方の壁部に沿って第二片部が第一片部との境界から先端に向けて一方の壁部から離間するように構成され、前記突片は、第一片部を一方の面側に折り曲げた状態で他端開口に挿入されるように構成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載のリーフレットケース。
【請求項6】
他方の壁部には、本体に収容したリーフレットを露呈させるべく、他端から一端に向けて切り欠かれた表示部が形成されている請求項1乃至5の何れか1項に記載のリーフレットケース。
【請求項7】
前記第二片部は、少なくとも何れか一方の側端部が折り曲げ可能に形成されている請求項1乃至6の何れか1項に記載のリーフレットケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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