説明

ループのない固定システムを有する吸収製品

吸収製品は、トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に挟み込まれた吸収コアと、内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する後部ウェスト部分と、内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する前部ウェスト部分とを備えている。少なくとも1つのフック形留め具が、後部ウェスト部分の第1側端部及び第2側端部のそれぞれに配置されている。股部分が、後部ウェスト部分及び前記前部ウェスト部分を長手方向に連結している。前部ウェスト部分の外面の少なくとも一部分は、ウォータジェット処理及び穴加工の少なくとも一方を施された結合不織布からなり、少なくとも1つのフック形留め具は、前部ウェスト部分の外面の少なくとも一部分に着脱自在に取り付け可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は吸収製品に係り、特に、従来のループ形固定要素を必要としない固定システムを有する吸収製品に関する。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景」
複数の微小フック(非常に小さいフック)から成るフック形留め具要素が、多数の微小ループ(非常に小さいループ)から成るループ形留め具要素に係合するマジックテープ(登録商標)(登録商標)式(VELCRO)留め具アセンブリの登場以来、それらの便利さ、信頼性及び廉価のために、(おむつ、T字形ブリーフ及びプリフォーム形プルアップ品(preformed pull-ups)のような)使い捨て吸収製品の分野で、それらの使用がある程度普及してきた。それらの広範な使用を主として制限するものは、各微小フック形留め具要素が、係合するための、すなわち、微小フック形留め具要素用のループ形「ランディングゾーン(landing zone)」として機能するための、対応する微小ループ形留め具要素を有する必要があることである。
【0003】
したがって、別の製品又は製品部分の接面に沿ってどこにでも係合することのできる微小フック形留め具要素を設けた製品又は製品部分の代わりに、使用中に微小フック形留め具要素及び微小ループ形留め具要素が、互いに係合するために、互いに向き合わせて適当に位置付けられる(すなわち、並置される)ように、2つの製品又は製品部分を設計する必要があった。比較的大きい面積の微小ループ形留め具要素に係合するようにした比較的小さい面積の微小フック形留め具要素を使用して、各微小フック形留め具要素を各微小ループ形留め具要素のエリア内のいずれの所望場所にも位置付けることができるようにすることにより、留め具アセンブリのこの欠点は、ある程度は改善されてきた。(大きな微小ループ形留め具要素に関して小さな微小フック形留め具要素が、これとは反対の場合に比べて好ましいのは、微小ループ形留め具要素が比較的廉価であると共に比較的ソフトで刺激が少ない性質に基づいている。)したがって、従来の織布製品又は不織布製品は、その表面に一軸に沿って、対応する微小フック形留め具要素より長手方向の寸法が大きい微小ループ形留め具要素ストリップを取り付けて(たとえば、縫い付けて)、微小フック形留め具要素を微小ループ形留め具要素ストリップに沿って位置付けることに関する選択の自由をユーザに与えるようにしてきた。たとえば、米国特許第5,383,872号明細書と、米国特許第5,624,429号明細書と、米国特許第5,527,305号明細書とを参照されたい。このように、ストリップ用の材料及び製造コストの追加がありながらも、ユーザは、一軸に沿ったある程度の融通性又は選択性を与えられる。製品の一面全体を微小ループ形留め具要素で構成して、その表面の材料及び製造コストがさらに増大しながらも、ユーザに全面的な融通性及び選択性(すなわち、微小フック形留め具要素を製品表面上のどこにでも位置付ける可能性)を与えるようにすることさえ提案されてきた。たとえば、米国特許第5,019,065号明細書を参照されたい。
【0004】
以上に記載したタイプの使い捨て吸収製品では、たとえば、係合がウェスト周りまたは他の場所で行われるか、その固定力が追加の、おそらく異なった固定システムの力によって補われるかどうか等により、さまざまな係合の剥離強さ及びせん断強さに関する要件が異なる。一般的に、6.45平方センチメートル(1平方インチ)当たり少なくとも60グラムの剥離強さ、及び6.45平方センチメートル(1平方インチ)当たり少なくとも1300グラムのせん断強さが好ましい。
【0005】
ランディングゾーンとして、ストリップとして、又は全面として、微小ループ形留め具要素を設ける必要があることが、たとえば寸法の適応性を与えるため(特に、吸収製品が通常のウェストサイズの人及び通常のウェストサイズより細い人の両方に適応できるようにするため)、又は、得られる恩恵が、微小フック形留め具要素及び微小ループ形留め具要素を与える材料及び製造コストの追加を経済的に正当化しない状況での使用を可能にするため等の、有利であることが判明すると思われるさまざまな状況での微小フック形留め具要素の使用の発展を阻んできた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、フック形留め具要素とかみ合うループ形留め具要素を必要としない吸収製品用の固定システムが必要とされている。
【0007】
したがって、本発明の一つの目的は、少なくとも1つの好適な実施形態において、対応するループ形留め具要素を必要としないフック形留め具要素を備える留め具アセンブリを組み込んだ吸収製品を提供することである。
【0008】
別の目的は、少なくとも1つの実施形態において、向上したせん断強さ及び剥離強さを与える吸収製品用の留め具アセンブリを提供することである。
【0009】
さらなる目的は、少なくとも1つの実施形態において、広範囲の寸法にわたって容易に寸法調節が可能である吸収製品用の留め具アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[発明の概要]
本発明の例示的実施形態に係る固定システムは、少なくとも1つのフック形留め具と、ウォータジェット処理及び穴加工の少なくとも一方を施した結合不織布表面の少なくとも一部分とを備える。少なくとも1つのフック形留め具は、結合不織布表面の一部分に着脱自在に取り付け可能である。
【0011】
本発明の例示的実施形態に係る吸収製品は、トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に挟み込まれた吸収コアと、内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する後部ウェスト部分と、内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する前部ウェスト部分とを備える。少なくとも1つのフック形留め具が、後部ウェスト部分の第1側端部及び第2側端部のそれぞれに配置される。股部分が、後部ウェスト部分及び前部ウェスト部分を長手方向に連結する。前部ウェスト部分の外面の少なくとも一部分は、ウォータジェット処理及び穴加工の少なくとも一方を施された結合不織布からなり、少なくとも1つのフック形留め具は、前部ウェスト部分の外面の一部分に着脱自在に取り付け可能である。
【0012】
本発明の別の例示的実施形態に係る吸収製品は、トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に挟み込まれた吸収コアと、内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する後部ウェスト部分と、内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する前部ウェスト部分とを備える。第1ウィングが後部ウェスト部分の第1側端部から延び、第2ウィングが後部ウェスト部分の第2側端部から延びる。少なくとも1つのフック形留め具が、ウェスト部分の第1側端部及び第2側端部のそれぞれと、第1ウィング及び第2ウィングの一方の自由側端部とに配置される。股部分が、後部ウェスト部分及び前部ウェスト部分を長手方向に連結する。第1ウィング及び第2ウィングの少なくとも一方の外面の少なくとも一部分は、ウォータジェット処理及び穴加工の少なくとも一方を施された結合不織布からなる。フック形留め具は、結合不織布に着脱自在に取り付け可能である。
【0013】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、結合不織布は、ウォータジェット処理を施され、三次元浮き彫り構造パターンを有する。
【0014】
本発明の少なくとも1つの他の実施形態では、ウォータジェット処理を施され、三次元浮き彫り構造パターンを有し、穴加工を施されている。
【0015】
本発明のさまざまな例示的実施形態では、吸収製品は、T字形おむつ、従来の形状のおむつ、またはプルオン下着(pull-on undergarment)であってもよい。
【0016】
本発明の上記及び関連の目的、特徴及び利点は、本発明の、例示的ではありながら、現時点で好適な実施形態の詳細な説明を、以下で添付図面と組み合わせて参照することにより、より十分に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[好適な実施形態の詳細な説明]
本発明のさまざまな例示的実施形態において、吸収製品には、ループ形留め具要素を含まない固定システムが設けられている。その代わりに、フック形留め具を、ウォータジェット処理及び/又は穴加工(aperturing)を施した結合不織布表面にしっかり取り付けることができる。結合不織布には、ウォータジェット処理中に、あるパターンの三次元浮き彫り構造を設けることもでき、その結果、せん断強さ及び剥離強さがさらに向上する。吸収製品は、T字形おむつ又は従来形のおむつ、プルアップ下着(pull-up undergarment)、通気性おむつ、又は固定システムを組み込んだ任意の他の衣類であってもよい。
【0018】
図1は、本発明の例示的実施形態に係るT字形おむつの平面図である。本明細書で使用するとき、「おむつ」という用語は一般的に、乳児又は失禁する人の胴周りに着用させる吸収製品を表す。図1に示されるように、T字形おむつ10は、後部部分20と、前部部分22と、後部部分20を前部部分22に連結する股部分24とを有している。そのような構造では通常であるように、股部分24は、単独で、又は後部部分20及び前部部分22の一方又は両方との組み合わせで、着用者の脚部をぴったり受け入れるようにした脚部開口26を画定している。脚部開口26は、着用者の脚部に対してより良好且つ漏れ止め力を高めてフィットするように、伸縮性を有してもよい。
【0019】
T字形おむつ10のA−A’線に沿った断面図である図2に示されるように、T字形おむつ10は、トップシート30(身体側に面するシート、ライナー又はカバーシートとも呼ぶ)及びバックシート32(衣類側に面するシート又はバリアシートとも呼ぶ)をさらに有する。吸収コア34が、トップシート30とバックシート32との中間に配置されている。任意選択であるが、吸収コア34とトップシート30との中間に、収集/分散層36が配置される。
【0020】
トップシート30は、液体を透過させることのできる、現時点で当該技術分野において既知であるか、または後に見つけられる任意の適当な比較的透水性の高い材料で形成されてもよい。適当なトップシート材料の例には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステル及びこれらの材料のブレンドのスパンボンド不織布ウェブ若しくはけば立てられた不織布ウェブ、又は、穿孔されたフィルム、穴加工されたフィルム、又は網状フィルム等が含まれる。不織布材料は、液体を下側の収集/分散層36へ容易に通して吸収コア34へ通すことができるので、そのような材料は例示である。トップシート30は好ましくは、単層の不織布材料で形成される。不織布材料は、サーマルボンド、スパンボンド繊維、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンドウェブ、又は水流交絡された繊維からなっていてもよく、10〜30グラム/平方メートルの坪量を有すると共に人の皮膚と接触する用途においてトップシートとして使用するのに適当な強度及び柔らかさを有する。水分がトップシート30を通過しやすくなるように、トップシート30を界面活性剤で処理してそれを親水性にしてもよい。本発明は、トップシート24について、いずれかの特定の材料に制限しようとするものではなく、他のトップシート材料も、当業者には容易に明らかになるであろう。
【0021】
収集/分散層36は、合成材料又は天然材料あるいはその組み合わせからなる単一層又は多重層あるいは単一多層穴加工フィルムでもよい。収集/分散層36は、排出された体液を迅速に集めて、吸収コア34に分散させるのに役立つ。そのような流体は一般的に噴出するように排出されるので、吸収コア34の、流体排出点に近い領域は、排出率に負けて、漏れを生じる可能性がある。したがって、収集/分散層36は、流体を排出点からその表面全体に運搬しやすくして、流体をより容易に吸収することのできる吸収コア34の他の部分と接触させる。収集/分散層の使用は、当該技術分野では公知である。したがって、本発明のT字形おむつ10の収集/分散層36は、任意の公知の、又はまだ見つかっていない組成を有してもよい。
【0022】
吸収コア34は、一般的に圧縮可能であって着用者の身体の形に一致し、着用者の通常の運動を妨げず、また尿や一定の他の身体浸出物のような液体の吸収及び保持を行うことのできる任意の吸収材料でもよい。吸収コア34は、さまざまな寸法及び形状(たとえば、矩形、砂時計形、「T」字形、非対称形等)に、また、木材パルプや綿毛のような、使い捨ておむつ及び他の吸収製品に一般的に使用されるさまざまな液体吸収材料で製造してもよい。他の適当な吸収材料の例として、クレープセルロースワッディング、メルトブローンポリマー、化学的剛化セルロース繊維、変性セルロース繊維若しくは架橋セルロース繊維、ティッシュラップ及びティッシュラミネートを含むティッシュ、発泡吸収体、吸収スポンジ、超吸収ポリマー、吸収ゲル材料、又は任意の同等の材料若しくは組み合わせの材料が含まれる。吸収コア34の形状及び構造も変更してもよい(たとえば、吸収コアは、変動キャリパスゾーン、親水性勾配、吸収ゲル材料勾配、又は平均より低い密度及び平均より低い坪量の収集ゾーンを有してもよく、あるいは1つ又は複数の層又は構造体、すなわち、シート又はウェブを含む部材を有してもよい)。また、各部材は、単一の一体型材料片で形成される必要はないが、いくつかの小片又は構成要素を長手方向又は幅方向に互いに接合して形成してもよく、それらが互いに流体連通状態にありさえすればよい。しかしながら、吸収コア34の合計吸収能力は、設計処理量及びT字形紙おむつ10の使用目的に適合しなければならない。さらに、吸収コア34の寸法及び吸収能力は、乳児から大人までの着用者に合わせて変化させてもよい。
【0023】
バックシート32は、トップシートを選択した材料群と同一の材料群から選択することのできる液体及び/又は蒸気不透過材料で形成され、好ましくは、5〜45グラム/平方メートルの重量を有する。しかしながら、トップシート30とは異なって、バックシート32に使用される材料は好ましくは、トップシート30に関して上記した界面活性剤を省くことにより、疎水性を有している。バックシート32は、サーマルボンド、ケミカルボンド、スパンボンド及び水流交絡のような公知の方法によって製造してもよい。バックシート32は、フィルム及び少なくとも1つの不織布層を接着剤又は熱結合(heatbonding)によって互いにくっつけた複合物でもよい。フィルムは、蒸気及び空気を透過できるが、液体は透過しなくてもよい。フィルム層の幅を、外側の不織布層より狭くしてもよい。
【0024】
一対のウィング40が、T字形おむつ10の後部部分20のそれぞれの側縁部から側方に延びている。少なくとも1つのフック形留め具41が、ウィング40の一方の自由端部に配置されている。また、フック形留め具46及び48が、前部部分22のそれぞれの側端部分に配置されている。フック形留め具41は、ウィング40の一方の自由端部に永久的に取り付けられた第1部分42と、フック形材料44を有した第2部分43とを備えている。フック形留め具41の自由端部において、第2部分43に隣接してつまみ部分43aを設けることができる。T字形おむつ10を使用するとき、つまみ部分43aを使用して後部部分20の内面から第2部分43を剥離することにより、フック形材料44がウィング40の側縁部から延びて着用者の身体の方に向くように、フック形留め具41を開く。フック形留め具46及び48は、フック形留め具41と同一構造を有するので、ここでは説明しない。
【0025】
T字形おむつ10を最初に着用者に装着するとき、2つのウィング40の自由端部を着用者のウェストの側部及び前部に巻き付けて、着用者のウェストの前部周りで部分的に重ねて連結する。したがって、図3に示されるように、2つのウィング40を部分的に重ねて連結すると、それらは実際上、(後部部分20とともに)着用者のウェストを取り囲むベルト50を形成する。次に、前部部分22を着用者の脚部の間に通して、前部部分22に固定されたフック形留め具46及び48が、ベルト44の露出した外面に係合するまで、着用者の前方で持ち上がる。
【0026】
ウィング40は、弾性、非弾性、又は部分弾性でもよい。弾性ウィングは、2枚の不織布間、好ましくはスパンボンド間に弾性フィルムを積層した複合物で形成してもよい。ウィング40はまた、イリノイ州チューリッヒのトレッドガード(FABRILEX307又は305)や、サウスカロライナ州シンプソンヴィルのBBAファイバーウェブの子会社であるゴールデンフェニックス、やはりBBAファイバーウェブの子会社であるアドバンスドデザインコンセプトのような会社によって製造される弾性不織布で形成してもよい。
【0027】
本発明の好適な実施形態によるT字形おむつでは、(ウィング40を形成するために使用されることになっている)不織布を結合した後、それにウォータジェット処理を施す。たとえば、不織布は、サーマルボンド、超音波ボンド、熱風ボンド、ケミカルボンド、インライン水流交絡法、メカニカルボンド等によって結合され、その後にウォータジェット処理を行うことができる。米国特許第6,537,644号明細書及び米国特許第6,610,390号明細書(これらの特許は参照によって本明細書に援用される)のように、不織布を最初は非対称的に結合する(たとえば、直角方向に差を付けて結合する)こともできる。
【0028】
好適なウォータジェット処理では、結合不織布の少なくとも片面に、少なくとも1列のウォータジェットを当てる一方、結合不織布の反対面を真空によって成形表面又はスクリーンに吸い付ける。スクリーンは、単純なメッシュでもよい。成形表面は、結合不織布の表面上に三次元浮き彫り構造の反復パターンを形成するように、たとえば、小さい正方形、円形、矩形ドット又は任意の他の適当な形状から形成されたより細密なパターンを有してもよい。結合不織布上に形成されたそのような三次元浮き彫り構造パターンが、図4に示されている。具体的には、図4は、結合不織布300の表面301上に形成された複数の三次元浮き彫り構造302を有する結合不織布300の断面図を示している。図4に示されている三次元浮き彫り構造302は三角形であるが、上述したように、浮き彫り構造は、任意の適当な形状を有してもよい。三次元浮き彫り構造を有する不織布の表面は、そのような構造を備えない結合不織布と比べたとき、フック形留め具に係合する親和性(affinity)がより良好である。ウォータジェット処理で使用されるウォータジェット装置は、ドイツのフライシュナー有限会社及びスイスのリーターテクスタイルシステムズから入手できるような任意の適当な装置であることができる。ウォータジェット処理中、印加水圧は、好ましくは約8MPa(80バール)〜約30MPa(300バール)である。また、好ましくは25.4mm(1インチ)当たり約25〜約50の孔が、単一列のウォータジェットを形成する。各ウォータジェットのオリフィス直径は、好ましくは、約0.10〜約0.15μmである。ウェブの移動速度は、400m/分程度でもよい。
【0029】
代替として又は追加的に、本発明のさまざまな例示的実施形態によるT字形おむつでは、ウィング40を形成するために使用される結合不織布に穴加工を行い、結合不織布内に穴を形成することができる。好ましくは、穴は、結合不織布ウェブから材料をまったく除去しないで形成される。これは、結合不織布ウェブをニードリング装置に通し、そこでウェブを、たとえば6.45平方センチメートル(1平方インチ)当たり1〜1000ピン、好ましくは6.45平方センチメートル(1平方インチ)当たり約6〜約200ピンを有するロールと、同数の穴を有するアンビルロールとの間に、それらのロールを加熱することなく、通過させることによって行うことができる。本明細書でより詳細に説明するように、穴を有する結合不織布は、フック形留め具に係合する親和性が高い。ピンは、さかとげ(barb)のような特定構造を有してもよい。ニードリング装置は、たとえばマサチューセッツ州ブロックトンのパーカーエアから入手できる。例示的な穴加工プロセスでは、穴が不織布内にインライン又はオフラインで形成される。穴加工ステップは、不織布送りロールの後、且つウィングを折り曲げる折り曲げステーションの前で行ってもよい。穴は、結合不織布の片面に、又は結合不織布の両面に形成してもよい。結合不織布には、1ステップで、又は複数のステップで穴加工を行ってもよい。たとえば、穴の数が非常に多い場合、必要な数のピンを設けたロールを形成することが困難であろう。したがって、たとえば6.45平方センチメートル(1平方インチ)当たり300ピンを有する1つのローラを第1穴加工ステップで使用し、加えて、第2穴加工ステップで、6.45平方センチメートル(1平方インチ)当たり同数のピンを有する別のロールを使用して、6.45平方センチメートル(1平方インチ)当たり600穴の密度で不織布に穴を形成するようにしてもよい。実際に、ウォータジェット処理及び/又は穴加工は、不織布の柔軟性、嵩高及び可撓性をより高め、結果的にせん断強さ及び剥離強さを向上させる。
【0030】
T字形おむつ10のウィング40は、後でウォータジェット処理及び/又は穴加工を施される、スパンボンド不織布、ケミカルボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布又は水流交絡不織布のような任意の結合不織布で形成してもよい。本発明の好適な実施形態では、不織布は、スパンボンド不織布である。
【0031】
先行実施形態のT字形おむつを変更して、従来型おむつと同様に機能させてもよいことを理解されたい。たとえば、前部部分22のそれぞれの側端部のフック形留め具46及び48をなくして、フック形留め具41と同一の別の留め具をウィング40の自由端部に配置してもよい。この構造により、ウィング40の自由端部のフック形留め具を前部部分22に取り付けることができるように、T字形おむつの前部部分22の外面の少なくとも一部分をウォータジェット処理及び/又は穴加工した結合不織布で形成してもよい。
【0032】
以下の実施例1は、結合不織布をウォータジェット処理及び/又は穴加工して、固定システムのせん断強さ及び剥離強さを向上させるという本発明の概念によって与えられる利点を示す。
【実施例】
【0033】
[実施例1]
ASTM基準化試験手順の変更形(a modified version)を使用して、さまざまなフック形留め具サンプルのせん断強さ及び剥離強度を測定した。ドイツのバインダー有限会社及びニューハンプシャー州マンチェスタのベルクロによって提供されたフック形留め具サンプルのせん断強さ及び剥離強さを、33.9gsmのスパンボンド不織布、16ピン/平方インチの穴加工を施した同一不織布、及び32ピン/平方インチの穴加工を施した同一不織布について測定した。また、ウォータジェット処理を施した20gsmの不織布と、ウォータジェット処理及び16ピン/平方インチの穴加工の両方を施した同一不織布についても試験を行った。実験結果をまとめた表1に示されるように、ウォータジェット処理及び/又は穴加工を施したスパンボンド不織布は、いずれの変更も加えていない従来のスパンボンド不織布と比べて大幅に高い剥離強さ及びせん断強さを有する。たとえば、バインダー25445フックサンプルについて示されているように、16ピン/平方インチのピンローラを使用して形成された穴を有するスパンボンド不織布は、いずれの変更も加えていない同一のスパンボンド不織布と比べて大幅に高い剥離強さ及びせん断強さを有する。ピンの数を32ピン/平方インチまで増加させることにより、不織布の剥離及びせん断強度がさらにもっと増す。同様に、スパンボンド不織布にウォータジェット処理を施すことにより、剥離強さ及びせん断強さが大幅に増し、またウォータジェット処理と穿孔とを組み合わせることにより、結果的に剥離強さ及びせん断強さが最も劇的に改善される。
【0034】
【表1】

【0035】
(ベルト44を形成するための)ウィング40間の連結部の重なり度は、着用者のウェストの寸法とともに変わるであろう。ウェストの太い人では、フック形留め具46及び48がそれぞれのウィング40,40と接触するが、ウェストの細い人では、フック形留め具46及び48が、他方のウィング40にほぼ完全に重なった単一のウィング40だけと接触するであろう。従来のT字形ブリーフでは、T字形ブリーフをウェストの太い人及び細い人の両方に使用するのに適するようにすると、ループランディングゾーン(すなわち、従来の雌型留め具要素)を各ウィング40の衣類に面する表面に沿って適当に配置する際に問題を生じるであろう。ウィング40のウォータジェット処理及び/又は穴加工は、フック形留め具41、46及び48とかみ合うための対応するループ形ランディングゾーンの必要をなくす。ウォータジェット処理及び/又は穴加工した結合不織布のせん断強さ及び剥離強さの増大により、ウィング40の一方の自由端部のフック形留め具41を、他方のウィング40の外面に沿った任意点にしっかり固定させると共に、前部部分22上のフック形留め具46,68をいずれかのウィング40の外面に沿った任意点にしっかり固定させることができる。したがって、T字形おむつ10は、ウェストの太い人及び細い人の両方に適する。
【0036】
図5は、本発明の別の例示的実施形態によるT字形おむつの平面図である。この実施形態によるT字形おむつは、ウィング40が従来の結合不織布で形成され、少なくとも1つのパッチすなわちランディングゾーン52が、ウィング40の一方の少なくとも一部分を横切って横向きに延びることを除いて、先行の実施形態と同一である。ランディングゾーン52は、ウィング40を形成するために使用された結合不織布の少なくとも一部分にウォータジェット処理及び/又は穴加工を施すことによって形成することができる。したがって、先行の実施形態とは異なって、T字形おむつ10のウィング40の一定部分だけが、せん断強さ及び剥離強さの増大を示す。不織布の一部分だけにウォータジェット処理及び/又は穴加工を施すことによってランディングゾーン52を形成することは、本発明のT字形おむつの製造コストを低減させる。
【0037】
フック形留め具に係合する吸収製品の表面のせん断強さ及び剥離強さを高めるために、先行の実施形態に記載されているT字形おむつ10を使用して、吸収製品の一部分としてウォータジェット処理及び/又は穴加工した結合不織布を使用するという発明概念を説明する。ウォータジェット処理及び/又は穴加工を施した結合不織布が、従来型おむつ及びプルアップ吸収製品のような固定システムを有する任意の他のタイプの吸収製品に適用可能であることは、当業者には理解されるであろう。
【0038】
たとえば、図6は、せん断強さおよび剥離強さを増大させるために(三次元浮き彫り構造パターンを伴うか又は伴わない)ウォータジェット処理及び/又は穴加工を施した結合不織布材料を組み込んだ、本発明の例示的実施形態による使い捨ておむつの平面図である。おむつ100は、長手方向中心線Cによって定められた長手軸を有し、本明細書で使用する「長手」という表現は、長手方向中心線Cとほぼ整合した又はそれに平行であると共におむつ100の長さを画定する、おむつ100の平面上の線、軸又は方向を表す。横軸Bが、おむつ100を通って延びて、おむつ100の平面上で、通常、長手方向中心線Cとそのほぼ中点で直角に交わる。横軸Bは、おむつ10について横向きを画定し、おむつ10をそれぞれ前区域FS及び後区域RSに分割する。本明細書で使用するとき、「横」という用語は、長手方向に対してほぼ垂直であると共におむつ100の幅を画定する線、軸又は方向を表す。
【0039】
おむつ100の外周部は、バックシート130によって画定される。おむつ100は、3つの領域、すなわち、長手方向中心線Cに沿って対称的に延びた閉じ込めアセンブリ120と、長さに沿って横方向に可変に延びると共におむつの左側及び右側をそれぞれ画定する長手方向に配置された2つの部分130L及び130Rとに分割することができる。その好適な実施形態では、おむつ100のバックシート130は「砂時計」形であって、前区域FSと後区域RSとの間の横軸Bの位置で部分130L及び130Rが狭くなって股領域を形成している。
【0040】
閉じ込めアセンブリ120は好ましくは、トップシート122と、収集層124と、吸収コア126とを有する。弾性股バンド142及び/又は湿り表示器144を、閉じ込めアセンブリ120の構成要素の1つに加えてもよい。閉じ込めアセンブリ120がバックシート130に取り付けられて、おむつ100が形成される。図6に示されるように、閉じ込めアセンブリ120は好ましくは、長手方向中心線Cに沿って対称的にバックシート130に取り付けられている。閉じ込めアセンブリ120は、バックシート130の少なくとも幾つかの部分より必ず狭いと共に好ましくは短くなっているので、バックシート130の一部分には閉じ込めアセンブリ120が重ならない。好適な実施形態では、バックシート130が砂時計形である結果、長手部分130L及び130Rのそれぞれに、閉じ込めアセンブリ120が存在しない2つのウィングが生じる。ウィング131及び133は、おむつ100の前区域FSにあり、ウィング132及び134は、おむつ100の後区域RSにある。ウィング131及び133は、前部ウェスト部分の一部を形成し、ウィング132及び134は、後部ウェスト部分の一部を形成する。後部のウィング132及び134には、フック形留め具150a〜150dが設けられている。フック形留め具150a〜150dの構造は、本発明のT字形おむつについて上述したフック形留め具と同一であることができ、したがって、フック形留め具のさらなる説明はここでは省く。図6では、各ウィング132及び134に2つずつ、4つのフック形留め具が設けられているが、本発明のさまざまな例示的実施形態によるおむつと組み合わせて、任意の数及び形状のフック形留め具を使用することができる。
【0041】
ウィング131及び133それぞれの少なくとも一部分は、ウォータジェット処理及び/又は穴加工を施した不織布からなる。ウィング131及び133は、ピロー(pillows)があってもなくても、ウォータジェット処理が可能である。本発明の少なくとも一つの実施形態では、おむつ100を着用者に装着するときに、フック形留め具150a〜150dをウィング131及び133の任意部分にしっかり係合させることができるように、ウィング131及び133の外面全体がウォータジェット処理及び/又は穴加工した不織布で形成されている。したがって、おむつ100の前部部分へのフック形留め具150a〜150dの固定は、特定のランディングゾーンに制限されない。前述したT字形おむつのウィングと同様に、おむつ100のウィング131及び133は、たとえば、ケミカルボンド、サーマルボンド又は水流交絡を施した不織布であって、その後に(三次元浮き彫り構造を伴うか又は伴わない)ウォータジェット処理及び/又は穴加工を施した不織布のような、任意の単層又は多層結合不織布で形成することができる。表1を参照しながら説明したように、ウォータジェット処理及び/又は穴加工を施したスパンボンド不織布は、いずれの変更も加えない従来の結合不織布と比べて、大幅に高い剥離強さ及びせん断強さを有する。
【0042】
図7は、本発明の例示的実施形態によるプルアップ吸収製品の平面図であり、ウォータジェット処理及び/又は穴加工を施された結合不織布も組み込んでいる。図7に示されるように、プルアップ吸収製品200は、ウィングの側縁部に配置された側部シールを除いて、構造が前述の図6のおむつに似ている。おむつ100と同様に、プルアップ吸収製品200は、トップシート222と、バックシート230と、閉じ込めアセンブリ220とを有している。閉じ込めアセンブリ220は、収集/分散層224と吸収コア226とを有してもよい。バックシート230の一部分が閉じ込めアセンブリ220を越えて延びると共に閉じ込めアセンブリ220から離れたままで、砂時計形を形成し、その結果、長手部分230L及び230Rのそれぞれに2つのウィングが生じる。ウィング231及び233は、おむつ200の前区域FSにあり、ウィング232及び234は、おむつ100の後区域RSにある。後部のウィング232及び234には、フック形留め具250a〜250dが設けられている。フック形留め具250a〜250dの構造は、前述したフック形留め具と同一であることができるので、フック形留め具のさらなる説明はここでは省く。図7では、各ウィング232及び234に2つずつ、4つのフック形留め具が設けられているが、本発明のさまざまな例示的実施形態によるプルアップ吸収製品と組み合わせて、任意の数及び形状のフック形留め具を使用することができる。
【0043】
側部シール260、261、262及び263の1つが、ウィング231〜234のそれぞれの側端部に配置されている。側部シール260〜263は、たとえば接着剤で、対応するウィング231〜234に取り付けることができる。着用者が最初にプルアップ吸収製品200を着用するとき、側部シール262を側部シール260に連結すると共に、側部シール263を側部シール261に連結する。したがって、プルアップ吸収製品200を従来の下着と同様に着用することができるように、ウィング234の側端部がウィング233の側端部に連結されると共に、ウィング232の側端部がウィング231の側端部に連結される。側部シール260〜263は、緊急事態のためにプルアップ吸収製品200を迅速に取り外す必要があるときに、互いに容易に引き離すことができるように構成されている。
【0044】
従来のおむつ製品と同様に、フック形留め具250a〜250dを使用することにより、プルアップ吸収製品200を着用者に付け替えることができる。プルアップ吸収製品200の前区域FSのウィング231及び233それぞれの少なくとも一部分は、ウォータジェット処理及び/又は穴加工を施した結合不織布で形成される。ウォータジェットで処理する場合、結合不織布はピローとなることができる。本発明の少なくとも1つの実施形態では、プルアップ吸収製品200を着用者に装着するときに、フック形留め具250a〜250dをウィング231及び233の任意部分にしっかり係合させることができるように、ウィング231及び233の外面全体は、ウォータジェット処理及び/又は穴加工した結合不織布で形成される。したがって、プルアップ吸収製品200の前部部分へのフック形留め具250a〜250dの固定は、特定のランディングゾーンに制限されない。本発明の前述した実施形態と同様に、プルアップ吸収製品200のウィング231及び233は、たとえば、ケミカルボンド、サーマルボンド又は水流交絡を施した不織布であって、その後にウォータジェット処理及び/又は穴加工を施した不織布のような、任意の単層又は多層結合不織布で形成することができる。表1を参照しながら説明したように、ウォータジェット処理及び/又は穴加工を施したスパンボンド不織布は、いずれの変更も加えない従来の結合不織布と比べて、大幅に高い剥離強さ及びせん断強さを有する。
【0045】
おむつの構造は、従来型、又は本明細書に示したT字形及びプルアップ式吸収製品のいずれにおいても、単なる例示であり、本発明は、固定システムのせん断強さ及び剥離強さを高めるために、ウォータジェット処理及び/又は穴加工を施した結合不織布の発明概念を組み込んだ任意の他の適当な構造を有する吸収製品を包含すると言えることを理解されたい。たとえば、バックシートは、上記で特定された不織布にポリプロピレン又はポリエチレンフィルムを重ねて、又は複数の不織布の積層品若しくは同様の複合物として形成してもよいことを理解されたい。
【0046】
図8に示されるような別の例示的実施形態では、おむつ100には、前部ウェスト部分に少なくとも1つのステイアウェイゾーン(stay-away zone)160を設けることができる。ステイアウェイゾーン160は、たとえば、内側バッキングフィルム、又バックシート130の開口を通して露出したスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布に積層されたバッキングフィルムによって形成することができる。代替的には、ステイアウェイゾーン160を形成する前部ウェスト部分の一部分を除いて、前部ウェスト部分全体に(三次元浮き彫り構造を伴うか又は伴わない)ウォータジェット処理及び/又は穴加工を施すことができる。したがって、ウォータジェット処理及び/又は穴加工が施されていないステイアウェイゾーンは、前部ウェスト部分の残り部分と比べて、フック形留め具に対する親和性が低下するであろう。
【0047】
本明細書に記載したようなウォータジェット処理及び/又は穴加工を施した結合不織布は、フック形留め具を用いる吸収製品内又は任意の他の製品内に任意の形態で使用することができる。たとえば、ウォータジェット処理及び/又は穴加工を施した結合不織布は、靴/スニーカ、病院用ガウン等のランディングゾーンとして使用してもよい。
【0048】
本発明の好適な実施形態を示して詳細に説明してきたが、それらに対するさまざまな修正及び改良は、当業者には容易に明らかになるであろう。したがって、本発明の製品及び範囲は、幅広く解釈されるべきであって、以上の明細書ではなく、添付の特許請求の範囲のみによって制限されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の例示的実施形態による、広げた状態のT字形おむつの内面の平面図である。
【図2】図1のA−A’線に沿った断面図である。
【図3】図1のT字形おむつのウィング部分を重ねてベルトを形成したところを示す図である。
【図4】本発明の例示的実施形態による三次元浮き彫り構造を有する結合不織布の断面図である。
【図5】本発明の別の例示的実施形態による、広げた状態のT字形おむつの内面の平面図である。
【図6】本発明の例示的実施形態による、広げた状態の使い捨ておむつの内面の一部破断した平面図である。
【図7】本発明の例示的実施形態による、広げた状態のプルアップ吸収製品の内面の一部破断した平面図である。
【図8】本発明の別の例示的実施形態による使い捨ておむつを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのフック形留め具と、
ウォータジェット処理及び穴加工の少なくとも一方を施した結合不織布表面の少なくとも一部分であって、前記少なくとも1つのフック形留め具が着脱自在に取り付け可能であるような結合不織布表面の少なくとも一部分と
を備える固定システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの結合不織布表面は、ウォータジェット処理を施され、三次元浮き彫り構造パターンを有する、請求項1に記載の固定システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの結合不織布表面は、穴加工を施されている、請求項2に記載の固定システム。
【請求項4】
請求項1に記載の固定システムを備える吸収製品。
【請求項5】
内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する後部ウェスト部分と、
内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する前部ウェスト部分と、
前記後部ウェスト部分及び前記前部ウェスト部分を長手方向に連結する股部分と
をさらに備え、
前記少なくとも1つのフック形留め具は、複数のフック形留め具を備え、
該複数のフック形留め具のそれぞれは、前記後部ウェスト部分の前記第1側端部及び前記第2側端部のうちの対応する一方に配置され、
前記結合不織布表面は、前記前部ウェスト部分の前記外面である、請求項4に記載の吸収製品。
【請求項6】
内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する後部ウェスト部分と、
内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する前部ウェスト部分と、
前記後部ウェスト部分の前記第1側端部から延びる第1ウィングと、
前記後部ウェスト部分の前記第2側端部から延びる第2ウィングと、
前記後部ウェスト部分及び前記前部ウェスト部分を長手方向に連結する股部分と
をさらに備え、
前記少なくとも1つのフック形留め具は、複数のフック形留め具を備え、
該複数のフック形留め具のそれぞれは、前記前部ウェスト部分の前記第1側端部及び前記第2側端部のうちの対応する一方と、前記第1ウィング及び前記第2ウィングの一方の自由側端部とに配置され、
前記結合不織布表面は、前記第1ウィング及び前記第2ウィングの少なくとも一方の外面である、請求項4に記載の吸収製品。
【請求項7】
トップシートと、
バックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に挟み込まれた吸収コアと、
内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する後部ウェスト部分と、
内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する前部ウェスト部分と、
前記後部ウェスト部分の前記第1側端部及び前記第2側端部のそれぞれに配置された少なくとも1つのフック形留め具と、
前記後部ウェスト部分及び前記前部ウェスト部分を長手方向に連結する股部分と
を備え、
前記前部ウェスト部分の前記外面の少なくとも一部分は、ウォータジェット処理及び穴加工の少なくとも一方を施された結合不織布からなり、
前記少なくとも1つのフック形留め具は、前記前部ウェスト部分の前記外面の少なくとも一部分に着脱自在に取り付け可能である吸収製品。
【請求項8】
前記結合不織布は、ウォータジェット処理を施され、三次元浮き彫り構造パターンを有する、請求項7に記載の吸収製品。
【請求項9】
前記結合不織布は、穴加工を施されている、請求項8に記載の吸収製品。
【請求項10】
前記フック形留め具のそれぞれは、
前記後部ウェスト部分に取り付けられた第1端部分と、
前記後部ウェスト部分の前記第1側端部及び前記第2側端部のうちの対応する一方から延びる第2端部分と
を備え、
該第2端部分はフックストリップを有する、請求項7に記載の吸収製品。
【請求項11】
前記第1側端部及び前記第2側端部のそれぞれは、側部シールを備える、請求項7に記載の吸収製品。
【請求項12】
前記側部シールのそれぞれは、そのそれぞれの側端部に接着される、請求項11に記載の吸収製品。
【請求項13】
前記後部ウェスト部分及び前記前部ウェスト部分の少なくとも一方は伸縮性である、請求項7に記載の吸収製品。
【請求項14】
前記結合不織布は、スパンボンド不織布、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布又は水流交絡不織布である、請求項7に記載の吸収製品。
【請求項15】
前記前部ウェスト部分の一部分に形成されたステイアウェイゾーンをさらに備え、
該ステイアウェイゾーンは、前記前部ウェスト部分の残りの部分よりも、前記少なくとも1つのフック形留め具を受け入れる親和性が低い、請求項7に記載の吸収製品。
【請求項16】
前記ステイアウェイゾーンは、前記バックシートの、バッキングフィルムを露出させる開口によって形成される、請求項15に記載の吸収製品。
【請求項17】
前記前部ウェスト部分の外面全体は、前記ステイアウェイゾーンを除いて、ウォータジェット処理及び穴加工の少なくとも一方を施されている、請求項15に記載の吸収製品。
【請求項18】
トップシートと、
バックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に挟み込まれた吸収コアと、
内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する後部ウェスト部分と、
内面、外面、第1側端部及び第2側端部を有する前部ウェスト部分と、
前記後部ウェスト部分の前記第1側端部から延びる第1ウィングと、
前記後部ウェスト部分の前記第2側端部から延びる第2ウィングと、
前記前部ウェスト部分の前記第1側端部及び前記第2側端部のそれぞれと、前記第1ウィング及び前記第2ウィングの一方の自由側端部とに配置された少なくとも1つのフック形留め具と、
前記後部ウェスト部分及び前記前部ウェスト部分を長手方向に連結する股部分と
を備え、
前記第1ウィング及び前記第2ウィングの少なくとも一方の前記外面の少なくとも一部分は、ウォータジェット処理及び穴加工の少なくとも一方を施された結合不織布からなり、
前記フック形留め具は、前記結合不織布に着脱自在に取り付け可能である吸収製品。
【請求項19】
前記結合不織布は、ウォータジェット処理を施され、三次元浮き彫り構造パターンを有する、請求項18に記載の吸収製品。
【請求項20】
前記結合不織布は、穴加工を施されている、請求項19に記載の吸収製品。
【請求項21】
前記前部ウェスト部分の前記第1側端部及び前記第2側端部のそれぞれに配置された前記フック形留め具のそれぞれは、
前記前部ウェスト部分に取り付けられた第1端部分と、
前記前部ウェスト部分の前記第1側端部及び前記第2側端部のうちの対応する一方から延びる第2端部分と
を備え、
前記第2端部分はフックストリップを有する、請求項18に記載の吸収製品。
【請求項22】
前記第1ウィング及び前記第2ウィングの一方の前記自由側端部に配置された前記フック形留め具のそれぞれは、
前記第1ウィング及び前記第2ウィングの前記一方の自由側端部に取り付けられた第1端部分と、
前記第1ウィング及び前記第2ウィングの前記一方の自由側端部から延びる第2端部分と
を備え、
前記第2端部分はフックストリップを有する、請求項18に記載の吸収製品。
【請求項23】
前記後部ウェスト部分及び前記前部ウェスト部分の少なくとも一方は伸縮性である、請求項18に記載の吸収製品。
【請求項24】
前記結合不織布は、スパンボンド不織布、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布又は水流交絡不織布である、請求項18に記載の吸収製品。
【請求項25】
トップシートと、
後部ウェスト部分及び前部ウェスト部分を画定すると共に着用者に対する外面及び内面を有するバックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された閉じ込めアセンブリと、
前記後部ウェスト部分と前記前部ウェスト部分との間に長手方向に配置された股部分と、
前記後部ウェスト部分の各側端部に配置された少なくとも1つのフック形留め具と
を備え、
前記前部ウェスト部分における前記バックシートの前記外面の少なくとも一部分は、ウォータジェット処理及び穴加工の少なくとも一方を施された結合不織布からなり、
前記少なくとも1つのフック形留め具は、前記前部ウェスト部分における前記バックシートの前記外面の前記少なくとも一部分に着脱自在に取り付け可能である吸収製品。
【請求項26】
前記結合不織布は、ウォータジェット処理を施され、三次元浮き彫り構造パターンを有する、請求項25に記載の吸収製品。
【請求項27】
前記結合不織布は、穴加工を施されている、請求項26に記載の吸収製品。
【請求項28】
前記結合不織布は、スパンボンド不織布、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布又は水流交絡不織布である、請求項25に記載の吸収製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−512210(P2008−512210A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531396(P2007−531396)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/032267
【国際公開番号】WO2006/031670
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(506346967)ファースト・クオリティー・ノンウォーヴンズ・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】First Quality Nonwovens, Inc.
【住所又は居所原語表記】80 Cuttermill Road, Suite 500, Great Neck, NY 11021, United States of America
【Fターム(参考)】