説明

ループピン結合装置及びループピン打ち出し方法

【課題】ループピン結合装置上で当該ループピンシートに絡みが発生した場合に於いて、当該絡み部を積極的に解消させる絡み解消手段を有するループピン結合装置を提供する。
【解決手段】ループピン結合装置20に於いて、ソケット部15の打ち出し部位56の近傍或は挿入頭部13の打ち出し部位55の近傍の何れかの部位に於いて、ソケット部15若しくは挿入頭部13に近接する当該フィラメント部12の一部に、フィラメント部12の軸方向と交差する方向に向かう押圧力を印加するように構成されている絡み解消手段50が設けられているループピン結合装置20。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類品、靴下等を一つに束ねたり、商品にループピンの一端部を挿入してブランドラベル、値札、素材説明書、使用説明書等のタグを取付ける事ができるループピン結合装置及びループピン打ち出し方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ネクタイ、ワイシャツ等を含むあらゆる衣類品、日常小物、傘、サンダル、靴等を結束したり、当該商品にブランドラベル、値札等を効率的に取り付けるために、従来より種々のループピン及びループピン結合装置が用いられてきた。
かかる従来に於けるループピン10の一具体例の構成を図9乃至図13を参照して説明する。
【0003】
即ち、図9にかかるループピン10は、可撓性を有するフィラメント部12と、当該フィラメント部12の一方の端部に設けられた適宜の係合部16を有する挿通部13と、前記フィラメント部12の他方の端部に設けられている前記挿通部13を不可逆的に通す為の挿通穴14を有すると共、当該挿通穴14内に当該挿通部13の当該係合部16、16’と係合し合う一対のブレード部17、17’とが設けられているソケット部15が設けられているものであり、然も、上記した従来のループピン10は、当該挿通部13、当該ソケット部15及び当該フィラメント部12とが、通常ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂で一体成形されているのである。
【0004】
そして、上記したループピン10は、例えば、図10に示す様に、任意の商品例えば鞄200に於いて、当該フィラメント部12を当該ラベル類400に予め設けられた孔部410に通した後、例えば、把手300と鞄本体200との間に当該フィラメント部12をループ状に挿通し当該ラベル類400を保持する機能を有する当該ソケット部15の孔部14に当該挿通部13を貫通させる事によって、所定のラベル類400を、当該商品200に係止させる様にしたものである。
【0005】
処で、上記したループピン10は、例えば、図9に示す様に、当該ループピン10単独で使用する場合もあるが、多くの場合は、作業効率を向上する為に、図11に示す様なループピン10を複数個並列状に配置したループピンシート600を使用する。
【0006】
即ち、図11に示す個々のループピン10が複数個、当該フィラメント部12が互いに平行に隣接して配列されると共に、互いに近接して配置される当該複数個の挿通部13若しくはその近傍部と当該複数個のソケット部15若しくはその近傍部とは、それぞれ個別に設けられた接続バー部24、24’にそれぞれ接続せしめられている構造を有するものであって、当該挿通部近傍及びソケット部近傍部は、更に接続部11、11’によって当該接続バー部24、24’と相互に連結されている。
【0007】
上記したループピンシート600は、従来のループピンと同様に通常ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂で一体成形されている。
そして、当該ループピンシート600は、図12に示す様なループピン結合装置20に搭載されて、操作レバー22を操作する毎に当該ループピン10が一本ずつ打ち出されて商品にラベル類を取り付ける事が出来る。
【0008】
図12は、当該ループピン600を当該接続バー部24、24’と共に当該ループピン結合装置20の所定の打ち出し機構部近傍に挿入するようにして搭載した状態を示したものである。
【0009】
図13は、ループピン結合装置20の上部平面図であって、当該ループピン結合装置20には左右に当該ループピンシート600の接続バー24、24’が挿入される縦溝40、41が形成されている。
【0010】
又、当該縦溝40には、例えば、ループピンシート600を構成する個々のループピン10に於けるソケット部15を連結する接続バー24’が挿入され、縦溝41には、当該挿通部13を連結する接続バー24が挿入される。また、打ち出し装置であるループピン結合装置20には、図示するレバー22を操作によって駆動される第1の送り手段である第1の打ち出しピン42が縦溝41の側方に配設されており、挿通部13を接続バー24の連結部11’から切り離して、筒状の中空針21に沿って前方へ一個ずつ押し出す。
【0011】
一方、当該ソケット部15は、湾曲状の中空ガイド部を構成する案内管43に沿って適宜の第2の送り手段である、例えば第2の打ち出しピン或いはギヤ・ラック方式によるフレキシブルな押し出し手段25等を利用して押し出され、中空ガイド部43の先端部44に於いて上記した第1の打ち出しピン42によって中空針を構成する中空ガイド部21を介して押し出され挿通部13と嵌合する様に構成されている。
【0012】
然しながら、上記した従来のループピン結合装置20に於いては、図12に示す様に、当該ループピンシート600を湾曲させた状態で当該ループピン結合装置20に搭載し、当該ループピン10を、一個ずつ連続的に打ち出して特定の商品にタグ、ラベル或いは値札等と共に閉鎖状ループを形成する様にして取り付けるに際して、当該個々のループピン10に於ける当該フィラメント部12の中央部で、当該フィラメント部が大きく湾曲している部分は、相互に隣接して配置されている他のループピン10に於ける当該フィラメント部との間には当該各フィラメント部間を相互に接続したり、固定するものが全く存在していないので、いわばフリー状態、つまり当該各フィラメント部の当該中央部は任意に変位変形する事が可能な状態に置かれている。
【0013】
従って、係る状態に於いて、何らかの張力変動や何らかの異常な力が当該各フィラメント部12に印加された場合には、当該自由変動状態にある当該中央湾曲部分を含む当該フィラメント部12は、容易に変位或いは変形或いは位置ずれを発生し、その結果、当該1つのループピン10の湾曲状を呈しているフィラメント部12が隣接する他のループピン10の当該湾曲状を呈しているフィラメント部12と接触したり、絡み合う現象が発生することになる。
【0014】
その結果、隣接する当該ループピンの当該フィラメント部12同士が絡み合ったり接触固定された場合には、当該打ち出されたループピン10は完全に当該ソケット部15と当該挿通部13とが嵌合されず、その後当該ループピン10の結合が完了出来ない事が発生して、ラベルの取り付けが不成功に終わってしまったり、当該ループピン10の結合が完了出来なかった事を知らずに、次のループピン10を打ち出すと当該中空ガイド21或いは当該湾曲状ガイド部43内でジャムリが発生し、その取り出し操作に多くの時間が必要で、作業効率を大幅に低下させると言う問題が発生する他、当該ループピン結合装置20の故障の原因となり、ループピン結合装置20が使用不能となると言う問題も発生している。
【0015】
この事は、当該ループピン10及び当該ループピン結合装置20に対する信頼性の低下、不良品の発生、コスト上昇と言う弊害も発生している。
一方、当該ループピン結合装置20に関しては、機構上の問題、デザイン的な問題、或いは操作上のバランスを取る問題等から、従来に於いても、図12に示す様に、当該接続バー部24、24’が挿入される挿入スリット41、40が設けられている当該ループピン結合装置の上部前部の平面70に対して、当該ループピン結合装置の当該上部後方部の平面71が、当該前部の平面70の面より高い位置に形成される場合がある。
【0016】
更には、例えば、図7に示す様な、構造を有するループピン結合装置20が使用される場合がある。
係る構造のループピン結合装置20では、図7(B)に示す様に、当該ループピン結合装置20の幅を狭くしてループピン結合装置20の重量を減らし、操作性を向上させると同時に、当該ループピン結合装置20に当該ループピンシートを搭載する際の操作も容易化、効率化することが可能である様に構成されている。
【0017】
然しながら、この様な構造を持つループピン結合装置20に於いては、図7(A)に示す様に、当該前部平面70と当該後部平面71との境界部分に側壁部72が必然的に形成される事になる。
一方、ループピン10は、それが添着される商品によって、当該フィラメント部12の長さの異なるものが使用されるのが通常である。
【0018】
その場合、当該ループピンシートを当該ループピン結合装置20に搭載した際には、図8に示す様に、当該フィラメント部12の両端部近傍に設けられている当該接続バー部の24,24’の位置と中央部の湾曲状部との間の距離Mが当然の事ながら当該ループピンの品種毎に変化する。
【0019】
これに対し、当該ループピン結合装置20は、その構造が特定されているので、当該接続バー部の挿入スリット41、40の位置と当該壁部72との間の距離Lは特定の長さに固定されているので、当該ループピンシートを湾曲させて当該ループピン結合装置20に搭載させた場合に於ける上記距離Mが、当該距離Lよりも短い場合には、問題は無いが、当該ループピンに於ける上記距離Mが当該距離Lよりも長い場合には、当該側壁部が72邪魔となって搭載する際の操作が煩雑となると同時に、当該側壁部が72と当該ループピンシートを構成するそれぞれのループピン12の湾曲状先端部は当該側壁部が72と強く接触し、搭載操作でも当該側壁部が72と当該ループピン12の当該フィラメント部12の湾曲状先端部とが摩擦されたり、当該ループピン結合装置20の外側に押し出される様な力を常に受ける事になるので、当該それぞれのループピン10の当該フィラメント部12に形成されている当該湾曲状先端部が位置ずれを起こしたり、湾曲形状が変形した捩れを発生したりする事になり、その結果、隣接して配列されている複数の当該フィラメント部12の湾曲状先端部間で絡み合い状態が発生する。
【0020】
係るフィラメント部12同士の絡み合いが発生すると、当該それぞれのループピン10が打ち出される際に、当該絡み合った部分は、解消されない事が多く、従って、正式なループを形成することが出来ないと言う問題があった。
【0021】
更に、当該ループピン結合装置20のユーザーとしては、特定のフィラメント部長さを有するループピンに適合したループピン結合装置をそれぞれ別々に購入して使用する事は、使用操作上に不便であり、又コストアップに繋がるという問題が有った。
係る従来の問題点を解決する方法として、例えば、特開2005−206171号公報(特許文献1)に開示されている様な、技術が見られる。
【0022】
即ち、当該特許文献1によれば、図14及び図15に示す様に、ループピン結合装置20の本体部の一部表面に、湾曲状に搭載されているループピンシート600を構成する各々のループピン10の湾曲状に形成された各フィラメント部12の湾曲状先端部近傍に所定の方向の押圧を付与する押圧部材が配置されているループピン結合装置が示されており、その基本的な技術思想は、当該ループピンシート600に於ける各々のループピン10の湾曲状に形成されたフィラメント部分の極近傍に、当該各々のループピン10の湾曲状部分に当接して当該ループピン10のフィラメント部12の軸線方向と直交する方向に所定の押圧を付与する付与する為の押圧部材30を当該ループピン結合装置20の内壁平面上で当該各々のループピンの湾曲状に形成された部分の極近傍の部位に配置させるという構成を採用するものである。
【0023】
然しながら、係る特許文献1に開示された技術でも、問題が完全に解決されてはいなかった。
即ち、特許文献1の構成では、単にループピンのフィラメント部に於ける、当該湾曲状に形成されている先端部近傍にのみ押圧力を付与するものであるので、既に絡み合が生じている当該ループピンのフィラメント同士を完全に分離する事が困難であり、ジャムリングを完全に防止する事が出来なかった。
【0024】
その為、本願発明者は、当該ループピンのフィラメント部に於ける絡みの発生原因、及び当該絡み部分の解消方法に付いて鋭意検討した。
その結果、判明した事実としては、絡みの構造として、当該ループピン結合装置に搭載された状態に於いて、図2(A)に示される様に、複数本の当該ループピンを構成するフィラメント部の内、下側に位置するループピンのフィラメント部12Lのループ部が、その直上に位置するループピンのフィラメント部12Uのループ部の内側に入り込んで形成された内絡みタイプと、図2(B)に示される様に、複数本の当該ループピンを構成するフィラメント部の内、下側に位置するループピンのフィラメント部12Lのループ部内部に、その直上に位置するループピンのフィラメント部12Uのループ部が入り込んで形成された外絡みタイプと、図2(C)に示される様に、複数本の当該ループピンを構成するフィラメント部の内、下側に位置する2本のループピンのフィラメント部12L1及び12L2のループ部が同時に、その直上に位置するループピンのフィラメント部12Uのループ部の内側に入り込んで形成された二重内絡みタイプとが存在する事が判明した。
【0025】
そして、当該図2(A)に示される内絡みタイプによるフィラメント同士の絡みは、振動その他の押圧力により比較的容易に解消させる事が可能であるが、当該図2(B)に示される様な外絡みタイプタイプと、図2(C)に示される二重内絡みタイプとの絡みは、簡単には、解消させる事が困難である。
【0026】
又、当該内絡みタイプは、主に、当該ループピン結合装置上に搭載された状態での当該フィラメント部が湾曲状に形成された当該ループピンシートの上部を、振動或は揺動させるか、当該ループピンシートの下部を固定した状態でその上部を、当該湾曲上のループが形成されたフィラメント部が存在する方向に約90度折り曲げる事により発生する事が多く、係る状況は、当該ループピンシートを、包装用のケースから取り出す際にも発生し易い事が判明した。
【0027】
一方、当該外絡みタイプは、主に、当該ループピンシートの上部を固定した状態でその下部を、当該湾曲状のループが形成されたフィラメント部が存在する方向に約90度折り曲げる事により発生する事が多く、係る状況は、当該ループピンシートを、当該ループピン結合装置に搭載する操作の際、或は当該ループピン結合装置に搭載された当該ループピンシートが、打ち出し操作に応答して徐々に下方に移動する際に発生し易い事が判明した。
【0028】
又、当該外絡みタイプは、該ループピンシートを、包装用のケースに保管中或は当該ケースから取り出す際、及び当該ループピンシートを当該ループピン結合装置に搭載する操作を行っている間にも発生し易い事が判明した。
【0029】
一方、当該二重内絡みタイプは、特に、図7に示す様なタイプのループピン結合装置で、特に、側壁部72が形成されているループピン結合装置に当該湾曲状のループが形成されたフィラメント部が存在するループピンシートを搭載する際及び搭載後の当該ループピンシートの打ち出し操作中に発生する事が多い事が判明した。
【0030】
この理由は、当該湾曲状に形成されたループピンのフィラメント部の先端部が、当該側壁部72の存在下に、当該ループピン結合装置の側方向に水平に押し出される力を受ける当該ループ部にねじれが発生すると同時に、最下端部の当該湾曲状に形成されたループピンのフィラメント部の先端部が当該ループピン結合装置の庇部に300に当接して上方向のバイアス力を受ける等の要因が総合されて、均斉に配置形成されていた当該ループピンのフィラメント部が、整列配置を乱されることによって、当該二重内絡み構造が発生するものと考えられる。
【0031】
又、別の要因としては、一つのループピンシートに於いて、当該各フィラメント部に形成された湾曲状部の先端部が均一な湾曲形状を維持しておらず、一部は湾曲状形状で、或部分は例えばV字状に近い形状を有している場合には、上記した各絡み構造が発生しやすい事も判明し、その為には、当該ループピンシートを折り畳んで湾曲部を有するフィラメント部を形成する際に均一な湾曲部が形成されるようなプレス方法を採用する事も必要である事が判明した。
【特許文献1】特開2005−206171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
従って、本発明は、特に当該ループピン結合装置上で当該ループピンシートに上記した様な絡みが発生した場合に於いて、当該絡み部を積極的に解消させると同時に、当該ループピン結合装置上で当該絡み部を発生させない様な構造を当該ループピン結合装置に付与する事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は上記した目的を達成するため、基本的に以下に記載されたような構成を採用するものである。すなわち本発明の第1の態様は、基本的に以下に記載されたような構成を採用するものである。
【0034】
すなわち本発明の第1の態様は、可撓性を有するフィラメント部と、当該フィラメント部の一方の端部に設けられた適宜の係合部を有する挿通頭部と、当該フィラメント部の他方の端部に設けられている前記挿通頭部を不可逆的に通す為の穴部を有するソケット部とから構成されたループピンが複数本相互に平行に配列されるようにして形成されたループピンシートを、当該フィラメント部を湾曲状に屈曲させた状態で本体部の所定の部位に挿入搭載し、当該個々のループピンを順次に打ち出す様に構成されたループピン結合装置であって、当該ループピン結合装置は、当該挿通頭部を、当該ループピン結合装置の本体部の第1の部位から第1の送り手段を介して当該結合装置の前方に送り出すと共に、当該ソケット部を、当該結合装置に於ける当該第1の部位とは異なる第2の部位から第2の送り手段を介して当該結合装置の前方に送り出し、当該ループピン結合装置の前方でその双方を相互に嵌合せしめる様に構成されているループピン結合装置に於いて、少なくとも、当該ソケット部の打ち出し部位の近傍或は当該挿入頭部の打ち出し部位の近傍の何れかの部位に於いて、当該ソケット部若しくは当該挿入頭部に近接する当該フィラメント部の一部に、当該フィラメント部の軸方向と交差する方向に向かう押圧力を印加するように構成されている絡み解消手段が設けられていることを特徴とするループピン結合装置であり、又、本発明に於ける第2の態様としては、可撓性を有するフィラメント部と、当該フィラメント部の一方の端部に設けられた適宜の係合部を有する挿通頭部と、当該フィラメント部の他方の端部に設けられている前記挿通頭部を不可逆的に通す為の穴部を有するソケット部とから構成されたループピンが複数本相互に平行に配列されるようにして形成されたループピンシートを、当該フィラメント部を湾曲状に屈曲させた状態で本体部の所定の部位に挿入搭載し、当該個々のループピンを順次に打ち出す様に構成されたループピン結合装置であって、当該挿通頭部を、当該ループピン結合装置の本体部の第1の部位から第1の送り手段を介して当該結合装置の前方に送り出すに際して、と共に、当該ソケット部を、当該結合装置に於ける当該第1の部位とは異なる第2の部位から第2の送り手段を介して当該結合装置の前方に送り出し、当該ループピン結合装置の前方でその双方を相互に嵌合せしめる様に構成されているループピン結合装置を使用するに際して、少なくとも、当該ソケット部の打ち出し部位の近傍或は当該挿入頭部の打ち出し部位の近傍の何れか一方に於いて、当該ソケット部若しくは当該挿入頭部に近接する当該フィラメント部の一部に、当該フィラメント部の軸方向と交差する方向に向かう押圧力を印加するように構成されていることを特徴とするループピン打ち出し方法である。
【発明の効果】
【0035】
本発明は、上記した様な技術構成を採用しているので、従来頻発していたループピンのフィラメント部に於ける相互の絡みを有効に除去することにより、ジャムリの発生を事前に防止できるので、作業効率を大幅に向上させることが出来ると同時に、当該フィラメント部間の当該絡みの発生を事前に防止する事が可能となるループピン結合装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明に係る当該ループピン結合装置の具体例の構成を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
即ち、図1は本発明にかかる第1の態様の1具体例の構成の例を示す図であって、図中、可撓性を有するフィラメント部12と、当該フィラメント部12の一方の端部に設けられた適宜の係合部を有する挿通頭部13と、当該フィラメント部12の他方の端部に設けられている前記挿通頭部13を不可逆的に通す為の穴部を有するソケット部15とから構成されたループピン10が適宜の接続バー部24を介して、複数本相互に平行に配列されるようにして形成されたループピンシート600を、当該フィラメント部12を湾曲状に屈曲させた状態で本体部の所定の部位に挿入搭載し、当該個々のループピン10を順次に打ち出す様に構成されたループピン結合装置20であって、当該ループピン結合装置20は、当該挿通頭部13を、当該ループピン結合装置20の本体部の第1の部位55から第1の送り手段42を介して当該結合装置20の前方に送り出すと共に、当該ソケット部15を、当該結合装置20に於ける当該第1の部位55とは異なる第2の部位56から第2の送り手段25を介して当該結合装置20の前方に送り出し、当該ループピン結合装置20の前方でその双方を相互に嵌合せしめる様に構成されているループピン結合装置20に於いて、少なくとも、当該ソケット部15の打ち出し部位56の近傍或は当該挿入頭部13の打ち出し部位55の近傍の何れかの部位に於いて、当該ソケット部15若しくは当該挿入頭部13に近接する当該フィラメント部12の一部に、当該フィラメント部12の軸方向と交差する方向に向かう押圧力を印加するように構成されている絡み解消手段50が設けられているループピン結合装置20が示されている。
【0038】
本願発明者は、上記課題を解決する為に、鋭意検討した結果、湾曲状に折り曲げられたフィラメント部を有する複数本のループピンが並列的に配置されている当該ループピンシートを当該ループピン結合装置上に搭載した際に、当該各ループピンの何れかの端部で当該ループピン結合装置のループピン打ち出し位置の近傍に於いて、当該それぞれのループピンの当該フィラメント部に、当該フィラメント部の配列方向と略直交する方向に押圧力を印加すると共に、当該ループピンが打ち出される直前に当該押圧力を当該フィラメント部から解放する様に構成することが有効である事を知徳したものである。
【0039】
つまり、本願発明は、当該ループピン結合装置20の内部側壁部60、61に於ける、当該フィラメント部12の少なくとも一方の端部が打ち出される部位55、56の近傍に、当該それぞれのループピン10の当該フィラメント部12に、当該フィラメント部12の配列方向と略直交する方向に押圧力を印加すると共に、当該ループピン10が打ち出される直前に当該押圧力を当該フィラメント部12から解放する、つまり当該押圧力を当該フィラメント部から取り除く様に構成された絡み解消手段50を配置するものである。
【0040】
当該絡み解消手段50に於いては、当該フィラメント部12が印加される当該押圧力は、一定の或は固定された押圧力であっても良いが、望ましくは、当該押圧力は、当該それぞれのループピンが下降するに従って、その大きさが徐々に増大して行く様に構成されていることが望ましい。
【0041】
換言するならば、本発明に於ける当該絡み解消手段50によって、当該個々のループピン10が当該打ち出される部位55或は56に向けて上方から徐々に下降している間に、後述する図4に示す様に、当該それぞれのループピン10に於ける当該フィラメント部12の、当該ループピン結合装置20への挿入搭載時の配置位置Pから当該湾曲部内部に向けた変位の量Xが徐々に大きくなる様に構成されているのである。
【0042】
本願発明では、当該各フィラメント12に印加される当該押圧力により、当該各ループピンのフィラメント部の一部を、当該フィラメント部12の湾曲した形状部分の内部方向に向けて変位させる様に作動して、その配置状態を変化させ、一定の変位とねじれ或はよじれを予め与えておき、当該ループピンが打ち出される直前に当該印加された押圧力を除去する事によって、それまで故意に変形せしめられていた当該ループピン10の当該フィラメント部12が、その反動で元に戻る動作を実行する事になるので、当該反発力により、当該絡み部の構造を解消させる事が可能となる。
【0043】
つまり、上記した当該各フィラメント部12への押圧力の印加と当該押圧力の瞬間的な開放行為によって、隣接して且つ絡み合っている複数本のフィラメント12間の位置を変化させ、且つ当該ループ形状を若干拡張する事とが総合して、当該絡みが解消されるものと推定される。
【0044】
上記したとおり、本発明に於いては、当該絡み解消手段50は、当該ループピン結合装置20から打ち出される操作を受ける直前の状態にある当該ループピン10が当該絡み解消手段50の押圧力印加部材51から滑り落ち、当該押圧力が解放された際にも、後続する連続した複数本当該ループピン10の当該フィラメント部12は依然として当該押圧力印加部材51の傾斜面に依然として残存して、当該押圧力を受け続ける様に構成されている事様な状況を作り出す事が重要な技術構成である。
【0045】
本発明に係る当該絡み解消手段50は、図1(A)に示す様に、前記した図7に示す構造を有するループピン結合装置に使用されるものであっても良く、又、図1(B)に示す様な構造を有するループピン結合装置に使用されるものであっても良い。
【0046】
当該絡み解消手段50の、当該ループピン結合装置20に搭載されている当該ループピン10の当該フィラメント部12の軸方向に沿ってみた断面形状は、特に限定されるものではないが、例えば、3角形或は略3角形に近似した形状を有するものである事が望ましい。
【0047】
又、本発明に於いて使用される当該絡み解消手段50が、3角形の側面断面形状を有する場合には、当該ループピン結合装置20の内部側壁面60、61と接合する第3の縁部91と、当該第3の縁部91に対して所定の角度を介して形成された複数本の当該フィラメント部が同時に係合して摺動出来る傾斜部からなる押圧力印加部材51として機能する第1の縁部93と、当該第1の縁部93の端部から当該第3の縁部91に向けて形成された当該フィラメント部12を当該ループピン打ち出し部位55、56に向けて案内する急峻な傾斜部からなる押圧力開放部材52として機能する第2の縁部92とで構成されているものであっても良い。
【0048】
当該第1の縁部93は、凹凸直線状、凸状湾曲形状及び凹状湾曲形状から選択されたひとつの形状を有するものであることが好ましく、当該フィラメント部12が容易にその表面を摺動しえる形状及び構造である必要がある。
【0049】
更に、当該第1の縁部93の長さは、少なくとも連続して配列されている複数本の当該ループピン10を構成する当該フィラメント部12が同時に係合し得るような長さである必要がある。
【0050】
一方、当該第1の縁部93と当該第2の縁部92の交差部94の当該第3の縁部91からの高さHは、打ち出し操作を受ける直前の当該ループピン10の当該フィラメント部12が、当該押圧力が解放された際に受ける衝撃力を決定する事になるので、その高さHは、使用されるループピン10のフィラメント部12の太さ、材質、硬性等を参酌して決定する事が可能である。
【0051】
本発明に係る当該絡み解消手段50の一具体例の構成を、図3乃至図6を参照しながら更に詳細に説明する。
即ち、本発明に係る当該絡み解消手段50は、図3に示す様に、当該フィラメント部12の配列方向、つまり当該ループピン10の打ち出し方向から見た断面形状は、少なくとも、当該フィラメント部12の配列方向と略直交する方向に押圧力を印加する押圧力印加部材51と、当該ループピンが打ち出される直前に当該フィラメント部12から当該押圧力を解放或は除去する機能を有する押圧力解放部材52とから構成されているものである。
【0052】
より具体的に本願発明に係る当該絡み解消手段50の構成の具体例を説明するならば、図3又は図4に示す様に、当該絡み解消手段50の構成を当該フィラメント部12の軸方向から見た場合に、所定の角度と所定の長さを有する傾斜部から構成される当該フィラメント部12の押圧力印加部材51として機能する第1の縁部93と当該押圧力印加部材51の一方の端部から底辺部53に向けて急角度で落ち込む当該押圧力開放部材52として機能する第2の縁部92と、当該ループピン結合装置20の適宜の内部側壁部60、61に接合される底辺部53を構成する第3の縁部91とで構成された断面が略三角形をした形状を有するものである。
【0053】
尚、当該絡み解消手段50に於ける当該底辺部53は、当該ループピン結合装置の適宜の内部側壁部に接合固定される接合面を構成するものである。
一方、本発明に係る当該絡み解消手段50の厚み方向の形状は、図17に示す様に、厚みが均一な板状であってもよく、又図5(A)に示す様に、当該フィラメント部12の配列方向に対して直交する方向から見た形状が、例えば、末広がりの二等辺三角形を形成しているものであっても良い。
【0054】
勿論、本発明に係る当該絡み解消手段50の当該フィラメント部12の配列方向に対して直交する方向から見た形状は、当該二等辺三角形に限られるものではなく、如何なる形状のものでも使用出来る事は言うまでもない。
【0055】
更に、当該絡み解消手段50の、図5(A)に於ける、A−A線から見た断面は、図5(B)に示す様な三角形、台形、半円形等の断面形状を有するものであっても良い。
従って、本発明に係る当該絡み解消手段50の外観形状の一例としては、三角錐形状を有するものであっても良い。
【0056】
更に、本発明に於いては、係る絡み解消手段50は、図4及び図6に示す様に、当該ループピンシート600の各フィラメント部12に於ける当該挿通部13又は当該ソケット部15が打ち出される部位55、56の近傍部に形成されている当該ループピン結合装置の内部側壁部60、61の面上であって当該挿通部13若しくは当該ソケット部15が打ち出される部位の近傍部に配置するものであっても良い。
【0057】
当該図4及び図6に示す具体例では、当該絡み解消手段50を当該ソケット部15が打ち出される部位56の近傍部に形成される内部側壁面60に取り付けた例を示すものである。
【0058】
本発明に於ける当該絡み解消手段50の材質は特に限定されるものではなく、当該フィラメント部12との摺動を円滑に行える材料であれば如何なる公知の金属、合成樹脂、木質材料、複合材料等が使用でき、又、当該絡み解消手段50の当該ループピン結合装置の内部側壁部60或は61への接合は、適宜の接合手段を用いて固着したものであっても良く、或は、適宜の着脱自在手段を用いて着脱自在に取り付けるものであっても良い。
【0059】
更には、本発明に係る当該絡み解消手段50は、当該ループピン結合装置の内部側壁部60或は61と一体的に成形加工されたものであっても良い。
本発明に於ける当該絡み解消手段50に於ける各種のディメンジョンは、特に限定されるものではないが、使用されるループピンの材質、硬度、強度、反発性等を考慮して、当該押圧力印加部材51の長さ及びその傾斜角度、並びに当該押圧力開放部材52の高さH及びその傾斜角度等は、適宜設定する事が可能である。
【0060】
当該押圧力開放部材52の傾斜角度は、垂直であっても構わない。
より具体的には、図3に示す、当該絡み解消手段50の底部53、つまり第3の縁部91の長さL1は、12mmから16mm、当該絡み解消手段50の最大高さHは、7〜9mm、及び当該押圧力開放部材52の傾斜縁92により延展される当該底部53の長さL2は、0.5〜1.5mmであることが好ましい。
【0061】
一方、本発明に於ける当該絡み解消手段50の図5に示す最大幅W1は、8〜12mmである事が好ましい。
更に、当該絡み解消手段50に於ける、当該押圧力印加部材51の幅W2は、0.5〜2mmであることが望ましく、当該押圧力印加部材51の当該フィラメント部12との接触面は、平面であっても良く或は先鋭状端部で構成されているものであっても良く、さらには、R状の面取りが施されているものであっても良い。
【0062】
次に、本発明に於ける当該絡み解消手段50の当該ループピン結合装置に対する配置位置について説明する。
上記した通り、当該絡み解消手段50は、当該ループピン結合装置の当該内部側壁部60或は61の内で、当該ソケット部15若しくは当該挿通部13が打ち出される部位55、56の極く近傍に配置する事が望ましい。
【0063】
係る構成によって、当該フィラメント部12の湾曲状の先端部に発生している絡み部に対して、より強力でかつ大きなフィラメントへの変位力、ねじれ力、拡張力等が与えられる。
【0064】
より具体的には、図6に示す様に、当該絡み解消手段50を、当該ループピン結合装置の内部側壁部60に取り付ける場合には、当該ループピン10の当該ソケット部15が下降してくる溝部40の縁部48から当該絡み解消手段50の中心部57までの距離R1は、7〜8.5mmに設定される事が好ましく、又、当該絡み解消手段50の当該押圧力印加部材51の端部58から当該ループピン結合装置20の当該ソケット部15の打ち出し位置までの長さR2は、5.5〜7.0mmに設定される事が好ましい。
【0065】
尚、本発明に係る当該絡み解消手段50は、上記の様な構成を有しているので、当該湾曲状に折り曲げられた複数のフィラメント部12からなるループピン10を並列配置した当該ループピンシート600を当該ループピン結合装置20に搭載して、当該各ループピン10を徐々に下降させた場合でも、従来の様に、隣接する各ループピンのフィラメント部12同士が、絡み合う機会を消失させる事が可能である。
【0066】
つまり、本発明に於ける当該絡み解消手段50は、従来問題となっているフィラメント部間の絡みの発生を事前に防止する機能を有しているものである。
更に、本発明に於ける当該絡み解消手段50の他の具体例としては、図16に示す様に、当該第1の縁部93が、凹み状の緩い湾曲状面95を形成しているものである。
【0067】
係る構成にする事によって、当該湾曲状の第1の縁部93上面を当該フィラメント部12が効果的に下降しながら摺動すると同時に当該湾曲状の第1の縁部93の下端部96に於いて当該フィラメント部12が一旦確実に停止する様になる。
【0068】
これによって、当該フィラメント部12の移行摺動が効率的に実行されると同時に、当該フィラメント部12の当該打ち出し部位への供給時期と待機時期とを明確に設定する事が可能となり、作業効率を向上させることになる。
【0069】
又、本発明に係る当該絡み解消手段50が、急峻に変化している第2の縁部92を有する事によって、当該ループピンシート600を何らかの理由によって、途中で当該ループピン結合装置から取り外す操作が必要となった場合に、当該第2の縁部92に沿って当該フィラメント部12を引き上げることによって、容易に取り外し作業を実行する事が可能となる。
【0070】
次に、本発明に係る当該絡み解消手段50の更に別の具体例について説明するならば、図18に示す様に、当該絡み解消手段50をループピン結合装置20に着脱自在に取り付け可能なループピンシート600用の規制ガイド部材32の一部に固定或は着脱自在に取り付ける様に構成されているものであっても良い。
【0071】
つまり、例えば、本願出願人が特開2006―160367号公報で既に開示しているループピン結合装置20に着脱自在に取り付け可能なループピンシート用の規制ガイド部材を利用して、当該規制ガイド部材32を当該ループピン結合装置20の一部に着脱自在に固定するために使用される補助脚部33の一部に本発明に於ける当該絡み解消手段50を固定して配置したものを使用するものである。
【0072】
本発明の於ける、第2の態様としては、可撓性を有するフィラメント部と、当該フィラメント部の一方の端部に設けられた適宜の係合部を有する挿通頭部と、当該フィラメント部の他方の端部に設けられている前記挿通頭部を不可逆的に通す為の穴部を有するソケット部とから構成されたループピンが複数本相互に平行に配列されるようにして形成されたループピンシートを、当該フィラメント部を湾曲状に屈曲させた状態で本体部の所定の部位に挿入搭載し、当該個々のループピンを順次に打ち出す様に構成されたループピン結合装置であって、当該挿通頭部を、当該ループピン結合装置の本体部の第1の部位から第1の送り手段を介して当該結合装置の前方に送り出すに際して、と共に、当該ソケット部を、当該結合装置に於ける当該第1の部位とは異なる第2の部位から第2の送り手段を介して当該結合装置の前方に送り出し、当該ループピン結合装置の前方でその双方を相互に嵌合せしめる様に構成されているループピン結合装置を使用するに際して、少なくとも、当該ソケット部の打ち出し部位の近傍或は当該挿入頭部の打ち出し部位の近傍の何れか一方に於いて、当該ソケット部若しくは当該挿入頭部に近接する当該フィラメント部の一部に、当該フィラメント部の軸方向と交差する方向に向かう押圧力を印加するように構成されていることを特徴とするループピン打ち出し方法である。
【0073】
そして、本発明に於ける第2の態様に於いては、当該押圧力は、当該ループピンシートを構成する複数の当該ループピンの内、当該ループピンが打ち出し位置に接近しつつある連続した所定本数の当該ループピンの当該フィラメント部に印加される様に構成されている事が好ましく、更には、当該フィラメント部に印加される当該押圧力が、当該個々のループピンが当該打ち出される部位に向けて下降している間に徐々に大きくなる様に構成されている事も望ましい。
【0074】
又、当該本発明での第2の態様に於いては、当該個々のループピンの当該フィラメント部に印加されている当該押圧力が、当該ループピンが当該ループピン結合装置から打ち出される操作を受ける直前に解放される様に構成されている事も望ましい具体例の一つである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】図1は、本発明に於ける絡み解消手段50の配置位置を説明する図である。
【図2】図2は、本発明に係るループピン結合装置に於いて、ループピン同士が絡み合う状態を説明する図である。
【図3】図3は、本発明に於いて使用される絡み解消手段の構成の具体例を説明する図である。
【図4】図4は、本発明に係る絡み解消手段のループピン結合装置に対する取り付け位置の1具体例を示す図である。
【図5】図5は、本発明に於いて使用される絡み解消手段の構成の具体例を説明する図である。
【図6】図6は、本発明に係る絡み解消手段のループピン結合装置に対する取り付け位置の1具体例を示す図である。
【図7】図7は、従来のループピン結合装置の構成の一例を示す斜視図である。
【図8】図8は、湾曲状に屈曲されたループピンとループピン結合装置との係合関係を説明する図である。
【図9】図9は、本発明で使用されるループピンの構造を説明する側面図である。
【図10】図10は、本発明に係るループピンの使用状態を説明する図である。
【図11】図11は、本発明で使用されるループピンシートの一具体例の構成を説明する図である。
【図12】図12は、従来に於けるループピン結合装置の一具体例の構成及びその使用状態を説明する図である。
【図13】図13は、従来に於けるループピン結合装置の構成を示す上部平面図である。
【図14】図14は、従来に於けるループピン結合装置の構成の一例を示す斜視図である。
【図15】図15は、従来に於けるループピン結合装置の構成の一例を示す上部平面図である。
【図16】図16は、本発明に於けるループピン結合装置の他の具体例の構成を示す側面図である。
【図17】図17は、本発明に於けるループピン結合装置の他の具体例の構成を示す正面図である。
【図18】図18は、本発明に於けるループピン結合装置の更に別の具体例の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0076】
10 ループピン
11 連結部
12 フィラメント部
13 挿通部
14 孔部
15 ソケット部
16 係合部
17 ブレード部
20 ループピン結合装置
20 ループピン結合装置
21 中空針
22 レバー
24 接続バー部
25 第2の送り手段
40 接続バー部挿入溝部
41 縦溝部
42 第1の送り手段
43 湾曲状案内管
48 溝部40の縁部
50 絡み解消手段5
51 押圧力印加部材
52 押圧力開放部材
53 底面部、接合部
55 第1の打ち出し部位
56 第2の打ち出し部位
57 絡み解消手段の中心部
58 押圧力印加部材51の端部
60 ループピン結合装置の内部側壁部
61 ループピン結合装置の内部側壁部
91 第3の縁部
92 第2の縁部
93 第1の縁部
200 商品
300 商品の一部
400 ラベル、タグ部
600 ループピンシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するフィラメント部と、当該フィラメント部の一方の端部に設けられた適宜の係合部を有する挿通頭部と、当該フィラメント部の他方の端部に設けられている前記挿通頭部を不可逆的に通す為の穴部を有するソケット部とから構成されたループピンが複数本相互に平行に配列されるようにして形成されたループピンシートを、当該フィラメント部を湾曲状に屈曲させた状態で本体部の所定の部位に挿入搭載し、当該個々のループピンを順次に打ち出す様に構成されたループピン結合装置であって、当該ループピン結合装置は、当該挿通頭部を、当該ループピン結合装置の本体部の第1の部位から第1の送り手段を介して当該結合装置の前方に送り出すと共に、当該ソケット部を、当該結合装置に於ける当該第1の部位とは異なる第2の部位から第2の送り手段を介して当該結合装置の前方に送り出し、当該ループピン結合装置の前方でその双方を相互に嵌合せしめる様に構成されているループピン結合装置に於いて、少なくとも、当該ソケット部の打ち出し部位の近傍或は当該挿入頭部の打ち出し部位の近傍の何れかの部位に於いて、当該ソケット部若しくは当該挿入頭部に近接する当該フィラメント部の一部に、当該フィラメント部の軸方向と交差する方向に向かう押圧力を印加するように構成されている絡み解消手段が設けられていることを特徴とするループピン結合装置。
【請求項2】
当該絡み解消手段により、当該フィラメント部に付与される当該押圧力は、当該ループピンシートを構成する複数の当該ループピンの内、少なくとも当該ループピンの打ち出し部位に接近しつつある、連続した所定本の当該ループピンの当該フィラメント部に印加される様に構成されている事を特徴とする請求項1に記載のループピン結合装置。
【請求項3】
当該絡み解消手段により付与される当該押圧力は、当該ループピンの当該挿入頭部若しくは当該ソケット部に近接している当該フィラメント部の一部に印加され、当該フィラメント部の一部を当該フィラメント部の湾曲した形状部分の内部方向に向けて変位させる様に作動するものである事を特徴とする請求項1又は2に記載のループピン結合装置。
【請求項4】
当該絡み解消手段は、当該フィラメント部に印加される当該押圧力が、当該個々のループピンが当該打ち出される部位に向けて下降している間に徐々に大きくなる様に構成されている事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のループピン結合装置。
【請求項5】
当該絡み解消手段は、当該個々のループピンが当該打ち出される部位に向けて下降している間に、当該それぞれのループピンに於ける当該フィラメント部の、当該ループピン結合装置への挿入搭載時の配置位置から当該湾曲部内部に向けた変位の量が徐々に大きくなる様に構成されている事を特徴とする請求項3又は4に記載のループピン結合装置。
【請求項6】
当該押圧力は、当該フィラメント部に対して、当該フィラメント部の中心軸線に対して略直交する方向に印加される様に構成されている事を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のループピン結合装置。
【請求項7】
当該絡み解消手段は、当該個々のループピンの当該フィラメント部に印加されている当該押圧力を、当該ループピンが当該ループピン結合装置から打ち出される操作を受ける直前に当該フィラメント部から解放する様に構成されている事を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のループピン結合装置。
【請求項8】
当該絡み解消手段は、当該ループピン結合装置から打ち出される操作を受ける直前の状態にある当該ループピンから当該押圧力が解放された際にも、後続する連続した複数本当該ループピンの当該フィラメント部は依然として当該押圧力を受け続ける様に構成されている事を特徴とする請求項7に記載のループピン結合装置。
【請求項9】
当該絡み解消手段は、当該ループピン結合装置に搭載されている当該ループピンの当該フィラメント部の軸方向に沿ってみた断面形状は、3角形或は略3角形に近似した形状を有するものである事を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のループピン結合装置。
【請求項10】
当該絡み解消手段は、当該ループピン結合装置の内部側壁面と接合する第3の縁部と、当該第3の縁部に対して所定の角度を介して形成された複数本の当該フィラメント部が同時に係合して摺動出来る傾斜部を有する第1の縁部と、当該第1の縁部の端部から当該第3の縁部に向けて形成された当該フィラメント部を当該ループピン打ち出し部位に向けて案内する急峻な傾斜部からなる第2の縁部とで構成されている事を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のループピン結合装置。
【請求項11】
当該第1の縁部は、凹凸直線状、凸状湾曲形状及び凹状湾曲形状から選択されたひとつの形状である事を特徴とする請求項10に記載のループピン結合装置。
【請求項12】
当該第1の縁部の長さは、少なくとも連続して配列されている複数本の当該ループピンを構成する当該フィラメント部が同時に係合し得るような長さである事を特徴とする請求項10又は11に記載のループピン結合装置。
【請求項13】
当該第1の縁部と当該第2の縁部の交差部の当該第3の縁部からの高さは、打ち出し操作を受ける直前の当該ループピンの当該フィラメント部が、当該押圧力が解放された際に受ける衝撃力を決定する事を特徴とする請求項10乃至12の何れかに記載のループピン結合装置。
【請求項14】
当該第1の縁部が凹み条の湾曲部を形成している事を特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載のループピン結合装置。
【請求項15】
当該絡み解消手段は、当該ループピン結合装置に対して着脱自在に取り付けられるように構成されている事を特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載のループピン結合装置。
【請求項16】
可撓性を有するフィラメント部と、当該フィラメント部の一方の端部に設けられた適宜の係合部を有する挿通頭部と、当該フィラメント部の他方の端部に設けられている前記挿通頭部を不可逆的に通す為の穴部を有するソケット部とから構成されたループピンが複数本相互に平行に配列されるようにして形成されたループピンシートを、当該フィラメント部を湾曲状に屈曲させた状態で本体部の所定の部位に挿入搭載し、当該個々のループピンを順次に打ち出す様に構成されたループピン結合装置であって、当該挿通頭部を、当該ループピン結合装置の本体部の第1の部位から第1の送り手段を介して当該結合装置の前方に送り出すに際して、と共に、当該ソケット部を、当該結合装置に於ける当該第1の部位とは異なる第2の部位から第2の送り手段を介して当該結合装置の前方に送り出し、当該ループピン結合装置の前方でその双方を相互に嵌合せしめる様に構成されているループピン結合装置を使用するに際して、少なくとも、当該ソケット部の打ち出し部位の近傍或は当該挿入頭部の打ち出し部位の近傍の何れか一方に於いて、当該ソケット部若しくは当該挿入頭部に近接する当該フィラメント部の一部に、当該フィラメント部の軸方向と交差する方向に向かう押圧力を印加するように構成されていることを特徴とするループピン打ち出し方法。
【請求項17】
当該押圧力は、当該ループピンシートを構成する複数の当該ループピンの内、当該ループピンが打ち出し位置に接近しつつある連続した所定本数の当該ループピンの当該フィラメント部に印加される様に構成されている事を特徴とする請求項14に記載のループピン打ち出し方法。
【請求項18】
当該フィラメント部に印加される当該押圧力が、当該個々のループピンが当該打ち出される部位に向けて下降している間に徐々に大きくなる様に構成されている事を特徴とする請求項14又は15に記載のループピン打ち出し方法。
【請求項19】
当該個々のループピンの当該フィラメント部に印加されている当該押圧力が、当該ループピンが当該ループピン結合装置から打ち出される操作を受ける直前に解放される様に構成されている事を特徴とする請求項14乃至16の何れかに記載のループピン打ち出し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−126176(P2010−126176A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300629(P2008−300629)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(597063897)株式会社コーテックス (4)
【Fターム(参考)】