説明

レイアウトシート及びその使用方法並びにシートセット

【課題】備品群の位置確認を容易に行うことができるレイアウトシート及びその使用方法並びにシートセットを提供する。
【解決手段】建物の壁面に取り付けられる備品群の位置確認に用いられるレイアウトシート1であって、透明シート2の表面2aに、備品群を構成する各備品の原寸大画像10・20・30を特定の位置関係で配置して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レイアウトシート及びその使用方法並びにシートセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅等の建物内に設置される各種設備機器の備品群(リモコン・スイッチ類)は、設備機器が設置された部屋(又は隣接する部屋)の壁面に設置されている。例えば、浴室に隣接する洗面所においては、浴室出入り口近傍の壁面に、浴室用の照明器具、換気扇、浴室乾燥機等のスイッチが複数設置されることがある。
【0003】
近年においては、このような備品群を装着する配線金具に対応する孔開け位置を特定するための孔開用テンプレートに関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3009762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、リモコン・スイッチ類等の備品群のレイアウトについては、注文住宅の新築時や既存住宅のリフォーム時において、建築業者が事前に顧客と打合せを行い確認をとった上で決定するのが一般的である。
【0006】
しかし、備品群の実物がない状態で、例えばその外寸のみを説明しただけでは、顧客は操作部や表示部などの位置まで確認することができず、実際に取り付けられたものが顧客のイメージと異なり、使い勝手に支障を来たしたり、位置の修正作業が必要になったりするという問題があった。
【0007】
また、洗面所においては、比較的狭い空間に洗面化粧台、洗濯機、タオル掛け等多くの機器類が配備され、備品類が設置可能な壁面が限られてしまうことが多いので、事前に充分な納まりの検討がなされないことによって、当初の打合せ通りに(顧客の要望通りに)備品類がレイアウトができないという問題が発生することもあった。
【0008】
さらに、現場作業者にレイアウトに関する情報が正確に伝達されず、事前の打合せ内容と異なるレイアウトで設置されてしまう可能性もある。
【0009】
特許文献1に記載の孔開用テンプレートは、ボードの裏面に配置された配線金具に対応するボードの孔開け位置を特定するものであるが、これは予め配置された配線金具の位置に応じてボードに孔を設けるものであり、複数のスイッチ等の備品群のレイアウトを確認するためのものではない。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、備品群のレイアウトの顧客イメージとの食い違いや、打合せ通りの位置に物理的に或いは情報伝達のミスによりレイアウトできない、といった問題が発生せず、打合せもスムーズに行なうことができるレイアウトシート及びその使用方法並びにシートセットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、本発明に係るレイアウトシートは、建物の壁面に取り付けられる備品群の位置確認に用いられるレイアウトシートであって、透明シートの表面に備品群を構成する各備品の原寸大画像が特定の位置関係で配置され表示されてなるものである。
【0012】
かかる構成を採用すると、透明シートの表面に、壁面に取り付けられる各備品の原寸大画像が特定の位置関係(例えば各備品の使用性及び施工性を考慮して予め決定された位置関係)で配置・表示されて位置確認用のレイアウトシートが構成されている。従って、かかるレイアウトシートを壁面の所定位置に配置することによって、顧客は、事前に詳細な検討や確認を行うことができ、完成状態と事前のイメージとの食い違いを防止することができる。また、施工段階で打ち合わせ通りにレイアウトできないことが判明するといった問題を解消することができ、確認時に使用したレイアウトシートと同じレイアウトシートを参考に施工することで情報の伝達ミスを防ぎ、打ち合わせ内容とは異なるレイアウトで施工してしまうことを防止することもできる。
【0013】
前記レイアウトシートにおいて、透明シートの表面に、水平方向及び/又は鉛直方向に延在する配置基準線を表示することが好ましい。
【0014】
かかる構成を採用すると、透明シートの表面に水平方向や鉛直方向に延在する配置基準線が表示されているため、現場での位置合わせ作業が容易となり、情報伝達もより正確に行うことができる。
【0015】
また、前記レイアウトシートにおいて、透明シートの表面に特定の位置関係で配置された各備品の原寸大画像の裏面に、同一備品の原寸大画像を配置して表示することもできる。
【0016】
かかる構成を採用すると、レイアウトシートを裏返して左右反転したプランに対応することができる。従って、製作するシートの枚数や持ち運ぶシートの枚数を減らすことができる。
【0017】
また、前記レイアウトシートにおいて、各備品の取付け位置を壁面に転写するための罫書き用孔を透明シートに穿設することもできる。
【0018】
かかる構成を採用すると、確認作業を経て決定された各備品の位置を、罫書き用孔を用いて容易に壁面に転写することができるので、情報伝達の漏れや抜けが生じ難い。
【0019】
また、本発明に係るシートセットは、前記レイアウトシートを複数備えるものであって、各レイアウトシートは同一備品群の位置確認に用いられ、同一備品群を構成する各備品の原寸大画像はレイアウトシート毎に異なる位置関係で配置されてなるものである。
【0020】
かかる構成を採用すると、複数の推奨レイアウトを顧客に視覚的に説明することで顧客が複数のパターンを充分に比較検討することができ、満足度を向上させることができる。
【0021】
また、本発明に係るレイアウトシートの使用方法は、前記レイアウトシート(又は前記シートセットの中から選択されたレイアウトシート)を建物の壁面に当接させて備品群の位置確認を行う工程を含むものである。
【0022】
かかる方法を採用すると、壁面に取り付けられる各備品の原寸大画像が特定の位置関係で透明シートの表面に配置・表示されたレイアウトシートを壁面の所定位置に配置することにより、顧客は、事前に詳細な検討や確認を行うことができ、完成状態と事前のイメージとの食い違いを防止することができる。また、施工段階で打ち合わせ通りにレイアウトできないことが判明するといった問題を解消することができ、確認時に使用したレイアウトシートと同じレイアウトシートを参考に施工することで情報の伝達ミスを防ぎ、打ち合わせ内容とは異なるレイアウトで施工してしまうことを防止することもできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、備品群のレイアウトの顧客イメージとの食い違いや、打合せ通りの位置に物理的に或いは情報伝達のミスによりレイアウトできない、といった問題が発生せず、打合せもスムーズに行なうことができるレイアウトシート及びその使用方法並びにシートセットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係るレイアウトシートの平面図である。
【図2】図1に示すレイアウトシートの背面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るレイアウトシートの平面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係るレイアウトシートの平面図である。
【図5】(A)〜(C)の何れも本発明の第4実施形態に係るレイアウトシートの平面図である。
【図6】本発明の第5実施形態に係る使用方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0026】
<第1実施形態>
まず、図1及び図2を用いて、本発明の第1実施形態に係るレイアウトシート1について説明する。本実施形態に係るレイアウトシート1は、住宅等の建物を建築する際に建物の壁面に取り付けられて備品群の位置確認に用いられるものである。
【0027】
本実施形態に係るレイアウトシート1は、図1に示すように、1枚の透明シート2の表面2aに、建物に設置されるリモコン・スイッチ等の備品群の原寸大画像を特定の位置関係で配置して表示したものである。透明シート2の材料は特に限定されるものではなく、例えば可撓性を有する透明な合成樹脂等で構成することができる。
【0028】
本実施形態におけるレイアウトシート1は、建物の洗面所及び浴室に設置される各種設備機器(浴室暖房機や洗面所暖房機)の備品群の原寸大画像が配置されている。本実施形態においては、浴室暖房機用リモコンと、洗面所暖房機用リモコンと、浴室の照明器具用スイッチと、の3つの備品が採用されているため、これら各備品の正面原寸大画像(浴室暖房機用リモコン画像10、洗面所暖房機用リモコン画像20、照明器具用スイッチ画像30)が透明シート2の表面(何れか一方の面)2aに表示されている。
【0029】
浴室暖房機用リモコン画像(以下、「第一リモコン画像」という)10は、浴室天井に埋め込まれた換気、乾燥、暖房、涼風(送風)の4つの機能を備えた設備機器(浴室暖房機)用のリモコンの原寸大画像である。第一リモコン画像10は、図1に示すように、各機能の運転ボタンの画像(換気ボタン画像11、乾燥ボタン画像12、暖房ボタン画像13、涼風ボタン画像14)や停止ボタンの画像15を含む操作部の画像と、運転状況をランプの点灯や点滅で知らせる運転状況表示部の画像16と、予約運転の開始時刻と運転時間等を表示する時間表示部の画像17と、を有している。このように時間表示部の画像17を有する第一リモコン画像10は、レイアウトにおける優先順位が高くなっている。
【0030】
洗面所暖房機用リモコン画像(以下、「第二リモコン画像」という)20は、洗面所の壁に掛けられたヘアドライヤー、暖房、涼風の3つの機能を備えた設備機器(洗面所暖房機)用のリモコンの原寸大画像である。第二リモコン画像20は、図1に示すように、各機能の運転ボタンの画像(ドライヤーボタン画像21、暖房ボタン画像22、涼風ボタン画像23)や停止ボタンの画像24を含む操作部の画像と、運転状況をランプの点灯や点滅で知らせる運転状況表示部の画像25と、を有している。
【0031】
照明器具用スイッチ画像(以下、「スイッチ画像」という)30は、浴室に設置される照明器具用のオンオフスイッチの原寸大画像である。これら第一リモコン画像10、第二リモコン画像20及びスイッチ画像30は、各々、実物のデザイン(配列)を原寸大に忠実に再現したものであればよく、実写画像であっても図面であってもよい。
【0032】
本実施形態においては、目視確認が必要な時間表示部の画像17や比較的多数の操作部の画像を有する第一リモコン画像10を透明シート2の上段に配置し、比較的少数の操作部の画像を有する第二リモコン画像20やスイッチ画像30を透明シート2の下段に配置し、図1に示すように全体としてL字型を形成するようにしている。このようなレイアウトは、使用部材やおさまり寸法等が規格化された工業化住宅において、間仕切り壁や埋め込み部の構成、配線方法、寸法等を考慮して実際に問題なく施工できることが検証された特定の位置関係での配置である。
【0033】
また、本実施形態に係るレイアウトシート1においては、透明シート2の表面2aに、水平方向(図1における左右方向)及び鉛直方向(図1における上下方向)に延在する配置基準線が表示されている。
【0034】
具体的には、透明シート2の上段部には、第一リモコン画像10の高さ方向における中心位置を通り水平方向に延在する上段部配置基準線3が表示されている。また、透明シート2の下段部には、第二リモコン画像20及びスイッチ画像30の高さ方向における中心位置を通り水平方向に延在する下段部配置基準線4が表示されている。上段部配置基準線3は初期値(推奨値)として床面から1350mm高い位置に設定され、下段部配置基準線4は上段部配置基準線3より150mm低い位置に設定される。この位置は、一般(平均)的な成人が使用する際の使用性を考慮して設定されたものである。
【0035】
第一リモコン画像10の左側の辺とスイッチ画像30の左側の辺とは、図1に示すように一直線上に配置されており、これらの辺に沿って鉛直方向に延在する配置基準線5が表示されている。さらにその左側には、浴室ドア用の枠に沿って設置される手摺の位置を示す鉛直方向に延在する手摺用配置基準線6が表示されている。なお、手摺用配置基準線6に代えて、手摺の画像を透明シート2の表面2aに表示することもできる。
【0036】
また、本実施形態に係るレイアウトシート1においては、各備品の取付け位置を壁面に転写するための罫書き用孔が透明シート2に穿設されている。具体的に説明すると、各備品の正面画像(第一リモコン画像10、第二リモコン画像20、スイッチ画像30)には、一般的な壁埋め込み式のスイッチボックスを使用した場合の埋め込み部の外形を示す破線(18、26、31)が表示されており、その四隅に、筆記具や錐状の工具を挿通して壁面に位置を転写するための罫書き用孔(19、27、32)が穿設されている。
【0037】
また、本実施形態に係るレイアウトシート1においては、図2に示すように、透明シート2の裏面2b(表面2aの反対側の面)に同一備品の原寸大画像が配置され表示されている。すなわち、透明シート2の表面2aに表示された第一リモコン画像10、第二リモコン画像20、スイッチ画像30の裏側の位置に、第一リモコン画像10、第二リモコン画像20、スイッチ画像30が各々表示されている。本実施形態における3つの備品画像は全て左右対称な正面視矩形状であるため、透明シート2の表裏に配置しても画像同士の位置が一致する。このように表裏に同一備品の画像を表示しておくことにより、左右反転タイプの間取りに使用することができる。なお、透明シート2の裏面2bに配置基準線を表示することもできる。
【0038】
以上説明した実施形態に係るレイアウトシート1においては、透明シート2の表面2aに、壁面に取り付けられる各備品の原寸大画像10・20・30が特定の位置関係(各備品の使用性及び施工性を考慮して予め決定された位置関係)で配置・表示されている。従って、レイアウトシート1を壁面の所定位置に配置することによって、顧客は、事前に詳細な検討や確認を行うことができ、完成状態と事前のイメージとの食い違いを防止することができる。また、施工段階で打ち合わせ通りにレイアウトできないことが判明するといった問題を解消することができ、確認時に使用したレイアウトシート1と同じレイアウトシートを参考に施工することで情報の伝達ミスを防ぎ、打ち合わせ内容とは異なるレイアウトで施工してしまうことを防止することもできる。
【0039】
また、以上説明した実施形態に係るレイアウトシート1においては、透明シート2の表面2aに水平方向や鉛直方向に延在する配置基準線3・4・5・6が表示されているため、現場での位置合わせ作業が容易となり、情報伝達もより正確に行うことができる。
【0040】
また、以上説明した実施形態に係るレイアウトシート1においては、各備品の取付け位置を壁面に転写するための罫書き用孔19・27・32を透明シート2に穿設しているので、確認作業を経て決定された各備品の位置を容易に壁面に転写することができる。従って、情報伝達の漏れや抜けが生じ難い。
【0041】
また、以上説明した実施形態に係るレイアウトシート1においては、透明シート2の裏面2bに、表面2aと同一備品の原寸大画像10・20・30を配置して表示しているため、裏返して左右反転したプランに対応することができる。従って、製作するシートの枚数や持ち運ぶシートの枚数を減らすことができる。
【0042】
<第2実施形態>
次に、図3を用いて、本発明の第2実施形態に係るレイアウトシート1Aについて説明する。本実施形態に係るレイアウトシート1Aは、第1実施形態に係るレイアウトシート1の備品群画像の位置関係を変更したものであり、その他の構成については実質的に第1実施形態と共通である。このため、異なる構成を中心に説明することとし、共通する構成については第1実施形態と同様の符号を付して詳細な説明を省略することとする。
【0043】
本実施形態に係るレイアウトシート1Aは、図3に示すように、各備品の画像を縦方向に一直線状に配置したものである。具体的には、透明シート2の上段に第一リモコン画像10を、中断に第二リモコン画像20を、下段にスイッチ画像30を、各々配置して、各画像の左側の辺を一直線状に揃えている。本実施形態においても、時間表示部の画像17や多数の操作部の画像を有する第一リモコン画像10を透明シート2の上段に配置し、比較的少数の操作部の画像を有する第二リモコン画像20やスイッチ画像30を透明シート2の中断及び下段に配置している。
【0044】
本実施形態に係るレイアウトシート1Aは、第一実施形態に係るレイアウトシート1と同様に備品の事前位置確認に使用することができ、特に壁面の幅方向に制約がある場合や、顧客の個別希望がある場合(壁面に背の高い家具を置いたりタオル掛けを上下2段に取り付けたりする場合)に好適である。
【0045】
<第3実施形態>
次に、図4を用いて、本発明の第3実施形態に係るレイアウトシート1Bについて説明する。本実施形態に係るレイアウトシート1Bは、第1実施形態に係るレイアウトシート1の備品群画像の位置関係を変更したものであり、その他の構成については実質的に第1実施形態と共通である。
【0046】
本実施形態に係るレイアウトシート1Bは、図4に示すように、各備品の画像をL字型ではなく「品」字型に配置したものである。本実施形態においても、時間表示部の画像17や多数の操作部の画像を有する第一リモコン画像10を透明シート2の上段に配置し、比較的少数の操作部の画像を有する第二リモコン画像20やスイッチ画像30を透明シート2の下段に配置している。
【0047】
本実施形態に係るレイアウトシート1Aは、第一実施形態に係るレイアウトシート1と同様に備品の事前位置確認に使用することができ、特に顧客がL字型レイアウトよりも品字型レイアウトを好む場合に採用することができる。
【0048】
<第4実施形態>
次に、図5を用いて、本発明の第4実施形態に係るレイアウトシート1Cについて説明する。本実施形態に係るレイアウトシート1Cは、第1実施形態に係るレイアウトシート1の備品群画像の位置関係を変更したものであり、その他の構成については実質的に第1実施形態と共通である。
【0049】
本実施形態に係るレイアウトシート1Cは、図5(A)に示すように、各備品の画像を横方向に一直線状に配置したものである。具体的には、透明シート2の左側に第一リモコン画像10を、中央に第二リモコン画像20を、右側にスイッチ画像30を、各々配置して、各画像の上下の辺を一直線状に揃えている。
【0050】
本実施形態に係るレイアウトシート1Cは、第一実施形態に係るレイアウトシート1と同様に備品の事前位置確認に使用することができ、特に壁面の高さ方向に制約がある場合や、顧客の個別希望がある場合(壁面にタオル掛けを取り付けたり壁面に沿って大型の収納箱を置いたりする場合)に好適である。
【0051】
なお、備品群画像の配置態様は図5(A)に示したものに限られることはなく、例えば、図5(B)に示すように、透明シート2の中央に第一リモコン画像10を配置し、その左側に第二リモコン画像20を、その右側にスイッチ画像30を、各々配置することもできる。また、図5(C)に示すように、透明シート2の右側に第一リモコン画像10を、左側に第二リモコン画像20を、中央にスイッチ画像30を、各々配置してもよい。図5(A)〜(C)において、第二リモコン画像20とスイッチ画像30の位置を入れ替えることもできる。
【0052】
<第5実施形態>
次に、図6等を用いて、本発明の第5実施形態について説明する。
【0053】
本実施形態においては、前述した各実施形態に係るレイアウトシートを含むシートセットを構成する。シートセットに含まれるレイアウトシート1・1A・1B・1Cには、3つの備品画像(第一リモコン画像10、第二リモコン画像20、スイッチ画像)が表示されているが、これらの画像はシート毎に異なる位置関係で配置されている。本実施形態においては、このようなシートセットを用いて備品群の位置確認を行う。以下、図6のフローチャートを用いて、このような位置確認方法(レイアウトシートの使用方法)について説明する。
【0054】
建築業者は、新築工事において又は間仕切壁の造り替えを伴う改築工事においては新規の間仕切壁が立ち上った時点で(既存間仕切壁をそのまま使用して既存の浴室への設備機器の増設のみを行う場合は工事着手前に)、顧客の立会いのもとで以下のような検討・確認作業を行なう。
【0055】
まず、建築業者は、前述したシートセットの中から、建築される建物に適用可能なレイアウトシート群を抽出(物理的に適用不可能なレイアウトシートを予め除外)する(適用シート群抽出工程:S1)。次いで、建築業者は、抽出したレイアウトシート群の中の一つのレイアウトシートを建物の壁面(石膏ボードが貼られていない状態の場合はボードの下地となる桟材)の所定位置に配置する(シート仮配置工程:S2)。この際の高さは初期値とし、ピン等でレイアウトシートを仮固定してもよい。
【0056】
次いで、建築業者は、顧客とともに、シート仮配置工程S2で壁面に配置したレイアウトシートを用いた使用シミュレーション(操作部の模擬操作や表示部の目視)を行うことにより、備品群の位置確認を行う(備品群位置確認工程:S3)。なお、この段階で、設置予定の設備機器の機能を確認することも可能であり、まだ間に合うタイミングで手戻りなく他のグレードや他の商品に変更することも可能である。次いで、建築業者は、顧客の要望に基づいてレイアウトシートの高さを適宜変更する(高さ調整工程:S4)。
【0057】
続いて、建築業者は、顧客が他のレイアウトシートでの位置確認を希望するか否かを確認し(シート変更要否確認工程:S5)、顧客が他のレイアウトシートでの位置確認を希望した場合に、レイアウトシートを変更し(シート変更工程:S6)、シート仮配置工程S2、備品群位置確認工程S3及び高さ調整工程S4を繰り返し実施する。そして、最終的に採用するレイアウトシートを選択するとともにその高さの決定を行う(シート決定工程:S7)。
【0058】
その後、建築業者は、決定したレイアウトシートに穿設された罫書き用孔を利用して、壁面に備品類の取付け位置を転写する(備品位置転写工程:S8)。この際、ボードが貼られておらず壁面が存在しない場合は、シートの種類と配置基準線の位置を下地材等に記しておく。そして、建築業者は、転写した備品類の取付け位置を参照して備品類の設置作業を行なう(備品設置工程:S9)。
【0059】
以上説明した実施形態に係るシートセットを採用すると、複数の推奨レイアウトを顧客に視覚的に説明することで顧客が複数のパターンを充分に比較検討することができ、満足度を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明を壁設置型の備品の使用確認に広く適用することができる。例えば、トイレ内の紙巻器、手摺、タオル掛け、洗浄便座のリモコン等に適用することが可能であり、同様の作用・効果が期待できる。
【符号の説明】
【0061】
1・1A・1B・1C…レイアウトシート
2…透明シート
2a…(透明シートの)表面
2b…(透明シートの)裏面
3・4・5・6…配置基準線
10…第一リモコン画像(備品の原寸大画像)
19…罫書き用孔
20…第二リモコン画像(備品の原寸大画像)
27…罫書き用孔
30…スイッチ画像(備品の原寸大画像)
32…罫書き用孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の壁面に取り付けられる備品群の位置確認に用いられるレイアウトシートであって、
透明シートの表面に前記備品群を構成する各備品の原寸大画像が特定の位置関係で配置され表示されてなる、
レイアウトシート。
【請求項2】
前記特定の位置関係は、前記各備品の使用性及び施工性を考慮して予め決定された位置関係である、
請求項1に記載のレイアウトシート。
【請求項3】
前記透明シートの表面に、水平方向及び/又は鉛直方向に延在する配置基準線が表示されてなる、
請求項1又は2に記載のレイアウトシート。
【請求項4】
前記透明シートの表面に特定の位置関係で配置された前記各備品の原寸大画像の裏面に、同一備品の原寸大画像が配置され表示されてなる、
請求項1から3の何れか一項に記載のレイアウトシート。
【請求項5】
前記各備品の取付け位置を前記壁面に転写するための罫書き用孔が前記透明シートに穿設されてなる、
請求項1から4の何れか一項に記載のレイアウトシート。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載のレイアウトシートを複数備えるシートセットであって、
複数の前記レイアウトシートは、同一備品群の位置確認に用いられるものであって、
前記同一備品群を構成する各備品の原寸大画像は、前記レイアウトシート毎に異なる位置関係で配置されてなる、
シートセット。
【請求項7】
請求項1から5の何れか一項に記載のレイアウトシート又は請求項6に記載のシートセットの中から選択されたレイアウトシートを建物の壁面に当接させて備品群の位置確認を行う工程を含む、
レイアウトシートの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−236622(P2011−236622A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108424(P2010−108424)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)