説明

レコメンド装置、レコメンドシステム、レコメンド方法およびプログラム

【課題】情報提供に積極的なユーザには精度の高いレコメンド結果を出力するとともに、情報提供に消極的なユーザに対しても、レコメンド装置に記録されたユーザの履歴情報からレコメンド結果を出力する。
【解決手段】公開履歴情報DBまたは秘匿履歴情報DBから各ユーザの履歴情報を取得し、取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す。次いで、類似性情報を取得し、分類された履歴情報により類似性を算出して、算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する。そして、推測した類似性、算出した類似性および第1のステップにおいて取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出し、算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供に積極的なユーザには精度の高いレコメンド結果を出力するとともに、情報提供に消極的なユーザに対しても、レコメンド装置に記録されたユーザの履歴情報からレコメンド結果を出力するレコメンド装置、レコメンドシステム、レコメンド方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの履歴情報などを基にユーザの嗜好を推測し、ユーザの嗜好に適合すると推測されるコンテンツなどを自動的にレコメンドする「レコメンドサービス」が盛んに行われている。このようなレコメンドサービスにおいて利用されている代表的な技術が「協調フィルタリング」と呼ばれているものである。この協調フィルタリングは、購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を、各ユーザ間、あるいは各コンテンツ間で比較することでユーザ間の類似性を定義し、その類似性を元にユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する手法である。この協調フィルタリングについては、自動化や高速化等の改良技術が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−56120号公報
【0004】
【非特許文献1】P.Resnick, N.Iacovou, M.Suchak, P.Bergstrom, and J.Riedl. “GroupLens: Open Architecture for Collaborative Filtering of Netnews” In Conference on Computer Supported Cooperative Work, pp. 175−186 (1994)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、非特許文献1に記載の技術では、履歴情報を解析してレコメンド結果を生成するためには、ユーザの履歴情報を集中管理されるデータベースに蓄積する必要があった。しかしながら、ユーザはプライバシーの観点から、サーバへのデータ提供に拒否感を持っている人がおり、そのような履歴情報を提供しないユーザに対してレコメンドは提供できなかったという問題点があった。
【0006】
特許文献1に記載の技術では、ユーザの特定を困難にしつつ、ユーザの特定を可能とするよう、位置と時間に基づいて一意なIDを発行することで、匿名での情報のやりとりを可能にしつつ、当該ユーザの嗜好に基づくコンテンツ提供を可能とする。しかしながら、上記手法においても、ユーザは情報提供しなければいけないことには変わりは無く、情報提供という行為自体に拒否感を示すユーザに対しては有効な手法ではない。また、多くのレコメンドサービスは、ユーザの同定のためログインを必要とするため、ユーザ登録の作業のわずらわしさからサービスを利用してもらえないという問題もある。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、情報提供に積極的なユーザには精度の高いレコメンド結果を出力するとともに、情報提供に消極的なユーザに対しても、レコメンド装置に記録されたユーザの履歴情報からレコメンド結果を出力するレコメンド装置、レコメンドシステム、レコメンド方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0009】
(1)本発明は、購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、該定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置であって、前記購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納する公開履歴情報格納手段(例えば、図1の公開履歴情報データベース110に相当)と、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する秘匿履歴情報格納手段(例えば、図1の秘匿履歴情報データベース290に相当)と、該格納された公開履歴情報から類似性を算出し、該算出した類似性を格納する類似性格納手段(例えば、図1の類似性データベース130に相当)と、前記公開履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する履歴情報取得手段(例えば、図1の履歴情報取得部210に相当)と、該取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す履歴情報分類手段(例えば、図1の履歴情報分類部220に相当)と、前記類似性格納手段から類似性情報を取得する類似性情報取得手段(例えば、図1の類似性情報取得部240に相当)と、前記分類された履歴情報により類似性を算出する類似性算出手段(例えば、図1の第2の類似性算出部230に相当)と、該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する類似性推測手段(例えば、図1の類似性推測部250に相当)と、該推測した類似性、前記算出した類似性および前記履歴情報分類手段において取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する推薦度算出手段(例えば、図1の推薦度算出部260に相当)と、該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する表示手段(例えば、図1の表示部270に相当)と、を備えたことを特徴とするレコメンド装置を提案している。
【0010】
この発明によれば、公開履歴情報格納手段は、購買履歴や閲覧履歴等の情報公開を許可したユーザの履歴情報を格納する。一方、秘匿履歴情報格納手段は、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する。類似性格納手段は、格納された公開された履歴情報から類似性を算出し、算出した類似性を格納する。履歴情報取得手段は、履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する。ここで、履歴情報取得手段は、公開を許可したユーザについては、公開履歴情報格納手段より、公開を許可しないユーザについては、秘匿履歴情報格納手段より自己の履歴情報を取得する。履歴情報分類手段は、取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す。類似性情報取得手段は、類似性格納手段から類似性情報を取得する。類似性算出手段は、取得した履歴情報により類似性を算出する。類似性推測手段は、算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する。推薦度算出手段は、推測した類似性、算出した類似性および履歴情報取得手段において取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。表示手段は、算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する。したがって、情報提供に積極的なユーザについては、提供された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、類似性情報取得手段より得られる精度の高い類似性および取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、情報提供に消極的なユーザについては、公開履歴情報格納手段に格納されたユーザの履歴情報の一部および、秘匿履歴情報格納手段に格納された自己の履歴情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、類似性情報取得手段で得られた類似性より、前記類似性の算出を行っていない残りの他のユーザとの類似性を推測し、以上の算出および推測した類似性および取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、情報提供に消極的なユーザについてもレコメンド結果を提供することができる。
【0011】
(2)本発明は、購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、該定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置であって、前記購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納する公開履歴情報格納手段(例えば、図7の公開履歴情報データベース110に相当)と、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する秘匿履歴情報格納手段(例えば、図1の秘匿履歴情報データベース290に相当)と、該格納された公開履歴情報から類似性を算出し、該算出した類似性を格納する類似性格納手段(例えば、図7の類似性データベース130に相当)と、前記履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第1の履歴情報取得手段(例えば、図7の履歴情報取得部211に相当)と、該取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す履歴情報分類手段(例えば、図7の履歴情報分類部220に相当)と、前記類似性格納手段から類似性情報を取得する類似性情報取得手段(例えば、図7の類似性情報取得部240に相当)と、前記取得した履歴情報により類似性を算出する類似性算出手段(例えば、図7の第2の類似性算出部230に相当)と、該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する類似性推測手段(例えば、図7の類似性推測部250に相当)と、前記類似性算出手段および前記類似性推測手段において得られた類似性より、必要な履歴情報のみを前記履歴情報格納手段から取得する第2の履歴情報取得手段(例えば、図7の履歴情報取得部211に相当)と、該推測した類似性、前記算出した類似性および前記第2の履歴情報取得手段において取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する推薦度算出手段(例えば、図7の推薦度算出部260に相当)と、該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する表示手段(例えば、図7の表示部270に相当)と、を備えたことを特徴とするレコメンド装置を提案している。
【0012】
この発明によれば、公開履歴情報格納手段は、購買履歴や閲覧履歴等の情報公開を許可したユーザの履歴情報を格納する。一方、秘匿履歴情報格納手段は、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する。類似性格納手段は、格納された公開された履歴情報から類似性を算出し、算出した類似性を格納する。第1の履歴情報取得手段は、履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する。ここで、第一の履歴情報取得手段は、公開を許可したユーザについては、公開履歴情報格納手段より、公開を許可しないユーザについては、秘匿履歴情報格納手段より自己の履歴情報を取得する。履歴情報分類手段は、取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す。類似性情報取得手段は、類似性格納手段から類似性情報を取得する。類似性算出手段は、取得した履歴情報により類似性を算出する。類似性推測手段は、算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する。第2の履歴情報取得手段は、類似性算出手段および類似性推測手段において得られた類似性より、必要な履歴情報のみを公開履歴情報格納手段あるいは秘匿履歴情報格納手段から取得する。推薦度算出手段は、推測した類似性、算出した類似性および第2の履歴情報取得手段において取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。表示手段は、算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する。したがって、情報提供に積極的なユーザについては、提供された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、さらに、推薦度を算出するために必要な履歴情報のみを取得して、算出した類似性および取得した類似性が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、より精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、情報提供に消極的なユーザについても、公開履歴情報格納手段に格納されたユーザの履歴情報の一部、および秘匿履歴情報格納手段に格納された自己の履歴情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、類似性情報取得手段で得られた類似性より、前記類似性の算出を行っていない残りの他のユーザとの類似性を推測しさらに、推薦度を算出するために必要な履歴情報のみを取得して、算出した類似性および取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、情報提供に消極的なユーザについても、さらに精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、推薦度の算出の前に、その都度、履歴情報を取り直すため、メモリ容量の小さい電子機器においてもレコメンド処理を行うことができる。
【0013】
(3)本発明は、(2)のレコメンド装置について、前記第2の履歴情報取得手段は、類似性の高い上位のユーザの履歴情報を選択して取得することを特徴とするレコメンド装置を提案している。
【0014】
この発明によれば、第2の履歴情報取得手段は、類似性の高い上位のユーザの履歴情報を選択して取得する。したがって、類似性の高い上位のユーザの履歴情報に基づいて、推薦度を算出するため、より精度の高いレコメンド結果を提供することができる。
【0015】
(4)本発明は、前記請求項1から請求項3のレコメンド装置が内蔵された携帯端末を提案している。
【0016】
この発明によれば、レコメンド装置が携帯端末に内蔵されているため、ユーザの履歴情報を簡易に取得することができる。また、事前に類似性の算出を行うことにより、レコメンド処理における処理負荷を軽減することができる。
【0017】
(5)本発明は、前記請求項1から請求項3のレコメンド装置が内蔵されたセットトップボックス(STB)を提案している。
【0018】
この発明によれば、レコメンド装置がセットトップボックス(STB)に内蔵されているため、ユーザの履歴情報を簡易に取得することができる。また、事前に類似性の算出を行うことにより、レコメンド処理における処理負荷を軽減することができる。
【0019】
(6)本発明は、データ公開を許可しているユーザにおいて、購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を格納する履歴情報データベース(例えば、図9の公開履歴情報データベース111に相当)と、該購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、格納する類似性データベース(例えば、図9の類似性データベース131に相当)とを備えたデータサーバ(例えば、図9のサーバ100に相当)と、前記定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置(例えば、図9のレコメンド装置200に相当)とからなるレコメンドシステムであって、前記レコメンド装置が、自己の履歴情報を格納する履歴情報格納手段(例えば、図9のユーザ履歴情報格納部291に相当)と、該履歴情報格納手段から自己の履歴情報を取得する第1の履歴情報取得手段(例えば、図9の履歴情報取得部210に相当)と、前記履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第2の履歴情報取得手段(例えば、図9の履歴情報取得部210に相当)と、該取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す履歴情報分類手段(例えば、図9の履歴情報分類部220に相当)と、前記類似性データベースから類似性情報を取得する類似性情報取得手段(例えば、図9の類似性情報取得部240に相当)と、前記履歴情報分類手段から取得した履歴情報により類似性を算出する類似性算出手段(例えば、図9の第2の類似性算出部230に相当)と、該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する類似性推測手段(例えば、図9の類似性推測部250に相当)と、該推測した類似性、前記算出した類似性および前記履歴情報分類手段から取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する推薦度算出手段(例えば、図9の推薦度算出部260に相当)と、該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する表示手段(例えば、図9の表示部270に相当)と、を備えたことを特徴とするレコメンドシステムを提案している。
【0020】
この発明によれば、レコメンド装置の履歴情報格納手段は、自己の履歴情報を格納する。第1の履歴情報取得手段は、履歴情報格納手段から自己の履歴情報を取得する。第2の履歴情報取得手段は、前記履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する。履歴情報分類手段は、取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する、自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す。類似性情報取得手段は、類似性データベースから類似性情報を取得する。類似性算出手段は、履歴情報分類手段から取得した履歴情報により類似性を算出する。類似性推測手段は、算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する。推薦度算出手段は、推測した類似性、算出した類似性および取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。表示手段は、算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する。したがって、情報提供に積極的なユーザについては、提供された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、類似性情報取得手段より得られる精度の高い類似性および履歴情報分類手段から取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、情報提供に消極的なユーザについては、履歴情報データベースに格納された情報の一部および、履歴情報格納手段に格納された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、類似性情報取得手段で得られた類似性より、類似性の算出を行っていない残りの他のユーザとの類似性を推測し、以上の算出した類似性および取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、情報提供に消極的なユーザについてもレコメンド結果を提供することができる。
【0021】
(7)本発明は、データ公開を許可しているユーザにおいて、購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を格納する履歴情報データベース(例えば、図10の公開履歴情報データベース111に相当)と、該購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、格納する類似性データベース(例えば、図10の類似性データベース131に相当)とを備えたデータサーバ(例えば、図10のサーバ100に相当)と、前記定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置(例えば、図10のレコメンド装置200に相当)とからなるレコメンドシステムであって、前記レコメンド装置が、自己の履歴情報を格納する履歴情報格納手段(例えば、図10のユーザ履歴情報格納部291に相当)と、該履歴情報格納手段から自己の履歴情報を取得する第1の履歴情報取得手段(例えば、図10の履歴情報取得部211に相当)と、前記履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第2の履歴情報取得手段(例えば、図10の履歴情報取得部211に相当)と、該取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す履歴情報分類手段(例えば、図10の履歴情報分類部220に相当)と、前記類似性データベースから類似性情報を取得する類似性情報取得手段(例えば、図10の類似性情報取得部240に相当)と、前記履歴情報分類手段から取得した履歴情報により類似性を算出する類似性算出手段(例えば、図10の第2の類似性算出部230に相当)と、該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する類似性推測手段(例えば、図10の類似性推測部250に相当)と、前記類似性算出手段および前記類似性推測手段において得られた類似性より、必要な履歴情報のみを前記履歴情報データベースから取得する第3の履歴情報取得手段(例えば、図10の履歴情報取得部211に相当)と、該推測した類似性、前記算出した類似性および前記第3の履歴情報取得手段から取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する推薦度算出手段(例えば、図10の推薦度算出部260に相当)と、該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する表示手段(例えば、図10の表示部270に相当)と、を備えたことを特徴とするレコメンドシステムを提案している。
【0022】
この発明によれば、レコメンド装置の履歴情報格納手段は、自己の履歴情報を格納する。第1の履歴情報取得手段は、履歴情報格納手段から自己の履歴情報を取得する。第2の履歴情報取得手段は、履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する。履歴情報分類手段は、取得した情報の中から類似性を算出する、自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す。類似性情報取得手段は、類似性データベースから類似性情報を取得する。類似性算出手段は、履歴情報分類手段から取得した履歴情報により類似性を算出する。類似性推測手段は、算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する。第3の履歴情報取得手段は、類似性算出手段および類似性推測手段において得られた類似性より、必要な履歴情報のみを履歴情報データベースから取得する。推薦度算出手段は、推測した類似性、算出した類似性および第3の履歴情報取得手段から取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。表示手段は、算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する。したがって、情報提供に積極的なユーザについては、提供された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、さらに、推薦度を算出するために必要な履歴情報のみを取得して、算出した類似性および取得した類似性が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、より精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、情報提供に消極的なユーザについても、履歴情報データベースに格納されたユーザの履歴情報の一部、および履歴情報格納手段に格納された自己の履歴情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、類似性情報取得手段で得られた類似度より、前記類似性の算出を行っていない残りの他のユーザとの類似性を推測し、さらに、推薦度を算出するために必要な履歴情報のみを取得して、算出した類似性および取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、情報提供に消極的なユーザについても、さらに精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、推薦度の算出の前に、その都度、履歴情報を取り直すため、メモリ容量の小さい電子機器においてもレコメンド処理を行うことができる。
【0023】
(8)本発明は、(7)のレコメンドシステムについて、前記第3の履歴情報取得手段は、類似性の高い上位のユーザの履歴情報を選択して取得することを特徴とするレコメンドシステムを提案している。
【0024】
この発明によれば、第3の履歴情報取得手段は、類似性の高い上位のユーザの履歴情報を選択して取得する。したがって、類似性の高い上位のユーザの履歴情報に基づいて、推薦度を算出するため、より精度の高いレコメンド結果を提供することができる。
【0025】
(9)本発明は、(6)から(8)のレコメンドシステムについて、前記レコメンド装置が携帯端末であることを特徴とするレコメンドシステムを提案している。
【0026】
この発明によれば、レコメンド装置が携帯端末に内蔵されているため、ユーザの履歴情報を簡易に取得することができる。また、サーバ側で、事前に類似性の算出を行うことにより、レコメンド処理における処理負荷を軽減することができる。
【0027】
(10)本発明は、(6)から(8)のレコメンドシステムについて、前記レコメンド装置がセットトップボックス(STB)であることを特徴とするレコメンドシステムを提案している。
【0028】
この発明によれば、レコメンド装置がセットトップボックス(STB)に内蔵されているため、ユーザの履歴情報を簡易に取得することができる。また、サーバ側で、事前に類似性の算出を行うことにより、レコメンド処理における処理負荷を軽減することができる。
【0029】
(11)本発明は、購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、該定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置におけるレコメンド方法であって、前記レコメンド装置が、前記購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納する公開履歴情報格納手段(例えば、図1の公開履歴情報データベース110に相当)と、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する秘匿履歴情報格納手段(例えば、図1の秘匿履歴情報データベース290に相当)と、該格納された公開履歴情報から類似性を算出し、該算出した類似性を格納する類似性格納手段(例えば、図1の類似性データベース130に相当)とを備え、前記公開履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第1のステップ(例えば、図6のステップS101に相当)と、該取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す第2のステップ(例えば、図6のステップS102に相当)と、前記類似性格納手段から類似性情報を取得する第3のステップ(例えば、図6のステップS103に相当)と、前記分類された履歴情報により類似性を算出する第4のステップ(例えば、図6のステップS104に相当)と、該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する第5のステップ(例えば、図6のステップS105に相当)と、該推測した類似性、前記算出した類似性および前記第1のステップにおいて取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する第6のステップ(例えば、図6のステップS106に相当)と、該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する第7のステップ(例えば、図6のステップS107に相当)と、を備えたことを特徴とするレコメンド方法を提案している。
【0030】
この発明によれば、公開履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得し、取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す。次いで、類似性格納手段から類似性情報を取得し、分類された履歴情報により類似性を算出して、算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する。そして、推測した類似性、算出した類似性および第1のステップにおいて取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出し、算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する。したがって、情報提供に積極的なユーザについては、提供された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、第3のステップにより得られる精度の高い類似性および取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、情報提供に消極的なユーザについては、公開履歴情報格納手段に格納されたユーザの履歴情報の一部および、秘匿履歴情報格納手段に格納された自己の履歴情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、第3のステップで得られた類似性より、類似性の算出を行っていない残りの他のユーザとの類似性を推測し、以上の算出および推測した類似性および取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、情報提供に消極的なユーザについてもレコメンド結果を提供することができる。
【0031】
(12)本発明は、購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、該定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置におけるレコメンド方法であって、前記購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納する公開履歴情報格納手段(例えば、図7の公開履歴情報データベース110に相当)と、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する秘匿履歴情報格納手段(例えば、図1の秘匿履歴情報データベース290に相当)と、該格納された公開履歴情報から類似性を算出し、該算出した類似性を格納する類似性格納手段(例えば、図7の類似性データベース130に相当)とを備え、履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第1のステップ(例えば、図8のステップS201に相当)と、該取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す第2のステップ(例えば、図8のステップS202に相当)と、前記類似性格納手段から類似性情報を取得する第3のステップ(例えば、図8のステップS203に相当)と、前記取得した履歴情報により類似性を算出する第4のステップ(例えば、図8のステップS204に相当)と、該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する第5のステップ(例えば、図8のステップS205に相当)と、前記第4のステップおよび前記第5のステップにおいて得られた類似性より、必要な履歴情報のみを前記履歴情報格納手段から取得する第6のステップ(例えば、図8のステップS206に相当)と、該推測した類似性、前記算出した類似性および前記第6のステップにおいて取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する第7のステップ(例えば、図8のステップS207に相当)と、該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する第8のステップ(例えば、図8のステップS208に相当)と、を備えたことを特徴とするレコメンド方法を提案している。
【0032】
この発明によれば、履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得し、取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す。次いで、類似性格納手段から類似性情報を取得し、取得した履歴情報により類似性を算出し、算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する。そして、第4のステップおよび第5のステップにおいて得られた類似性より、必要な履歴情報のみを履歴情報格納手段から取得し、推測した類似性、算出した類似性および第6のステップにおいて取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出して、算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する。したがって、情報提供に積極的なユーザについては、提供された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、さらに、推薦度を算出するために必要な履歴情報のみを取得して、算出した類似性および取得した類似性が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、より精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、情報提供に消極的なユーザについても、公開履歴情報格納手段に格納されたユーザの履歴情報の一部、および秘匿履歴情報格納手段に格納された自己の履歴情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、第3のステップで得られた類似性より、類似性の算出を行っていない残りの他のユーザとの類似性を推測し、さらに、推薦度を算出するために必要な履歴情報のみを取得して、算出した類似性および取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、情報提供に消極的なユーザについても、さらに精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、推薦度の算出の前に、その都度、履歴情報を取り直すため、メモリ容量の小さい電子機器においてもレコメンド処理を行うことができる。
【0033】
(13)本発明は、購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、該定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置におけるレコメンド方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記レコメンド装置が、前記購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納する公開履歴情報格納手段(例えば、図1の公開履歴情報データベース110に相当)と、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する秘匿履歴情報格納手段(例えば、図1の秘匿履歴情報データベース290に相当)と、該格納された公開履歴情報から類似性を算出し、該算出した類似性を格納する類似性格納手段(例えば、図1の類似性データベース130に相当)とを備え、前記公開履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第1のステップ(例えば、図6のステップS101に相当)と、該取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す第2のステップ(例えば、図6のステップS102に相当)と、前記類似性格納手段から類似性情報を取得する第3のステップ(例えば、図6のステップS103に相当)と、前記分類された履歴情報により類似性を算出する第4のステップ(例えば、図6のステップS104に相当)と、該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する第5のステップ(例えば、図6のステップS105に相当)と、該推測した類似性、前記算出した類似性および前記第1のステップにおいて取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する第6のステップ(例えば、図6のステップS106に相当)と、該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する第7のステップ(例えば、図6のステップS107に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0034】
この発明によれば、公開履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得し、取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す。次いで、類似性格納手段から類似性情報を取得し、分類された履歴情報により類似性を算出して、算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する。そして、推測した類似性、算出した類似性および第1のステップにおいて取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出し、算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する。したがって、情報提供に積極的なユーザについては、提供された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、第3のステップにより得られる精度の高い類似性および取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、情報提供に消極的なユーザについては、公開履歴情報格納手段に格納されたユーザの履歴情報の一部および、秘匿履歴情報格納手段に格納された自己の履歴情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、第3のステップで得られた類似性より、類似性の算出を行っていない残りの他のユーザとの類似性を推測し、以上の算出および推測した類似性および取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、情報提供に消極的なユーザについてもレコメンド結果を提供することができる。
【0035】
(14)本発明は、購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、該定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置におけるレコメンド方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納する公開履歴情報格納手段(例えば、図7の公開履歴情報データベース110に相当)と、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する秘匿履歴情報格納手段(例えば、図1の秘匿履歴情報データベース290に相当)と、該格納された公開履歴情報から類似性を算出し、該算出した類似性を格納する類似性格納手段(例えば、図7の類似性データベース130に相当)とを備え、履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第1のステップ(例えば、図8のステップS201に相当)と、該取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す第2のステップ(例えば、図8のステップS202に相当)と、前記類似性格納手段から類似性情報を取得する第3のステップ(例えば、図8のステップS203に相当)と、前記取得した履歴情報により類似性を算出する第4のステップ(例えば、図8のステップS204に相当)と、該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する第5のステップ(例えば、図8のステップS205に相当)と、前記第4のステップおよび前記第5のステップにおいて得られた類似性より、必要な履歴情報のみを前記履歴情報格納手段から取得する第6のステップ(例えば、図8のステップS206に相当)と、該推測した類似性、前記算出した類似性および前記第6のステップにおいて取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する第7のステップ(例えば、図8のステップS207に相当)と、該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する第8のステップ(例えば、図8のステップS208に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0036】
この発明によれば、履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得し、取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す。次いで、類似性格納手段から類似性情報を取得し、取得した履歴情報により類似性を算出し、算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する。そして、第4のステップおよび第5のステップにおいて得られた類似性より、必要な履歴情報のみを履歴情報格納手段から取得し、推測した類似性、算出した類似性および第6のステップにおいて取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出して、算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する。したがって、情報提供に積極的なユーザについては、提供された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、さらに、推薦度を算出するために必要な履歴情報のみを取得して、算出した類似性および取得した類似性が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、より精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、情報提供に消極的なユーザについても、公開履歴情報格納手段に格納されたユーザの履歴情報の一部、および秘匿履歴情報格納手段に格納された自己の履歴情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、第3のステップで得られた類似性より、類似性の算出を行っていない残りの他のユーザとの類似性を推測し、さらに、推薦度を算出するために必要な履歴情報のみを取得して、算出した類似性および取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、情報提供に消極的なユーザについても、さらに精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、推薦度の算出の前に、その都度、履歴情報を取り直すため、メモリ容量の小さい電子機器においてもレコメンド処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、情報提供に積極的なユーザには精度の高いレコメンド結果を出力するとともに、情報提供に消極的なユーザに対しても、レコメンド装置に記録されたユーザの履歴情報からレコメンド結果を出力するという効果がある。また、類似性の演算をバッチ処理で行い、レコメンド装置では、レコメンド処理のみを行うため、処理能力が低い電子機器においても実現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るレコメンド装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るレコメンド装置における類似性の推測方法を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るレコメンド装置における類似性の推測方法を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るレコメンド装置における類似性の推測方法を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るレコメンド装置における類似性の推測方法を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るレコメンド装置の処理を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るレコメンド装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るレコメンド装置の処理を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るレコメンドシステムの構成を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るレコメンドシステムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0040】
<第1の実施形態>
図1から図6を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0041】
<レコメンド装置の構成>
図1を用いて、本実施形態に係るレコメンド装置の構成について説明する。なお、本実施形態に係るレコメンド装置は、携帯端末やSTB等に内蔵されるものである。
【0042】
本実施形態に係るレコメンド装置は、図1に示すように、公開履歴情報データベース110と、第1の類似性算出部120と、類似性データベース130と、履歴情報取得部210と、履歴情報分類部220と、第2の類似性算出部230と、類似性情報取得部240と、類似性推測部250と、推薦度算出部260と、表示部270と、秘匿履歴情報データベース290とから構成されている。
【0043】
公開履歴情報データベース110は、購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納し、格納された履歴情報は誰でもレコメンドへの利用が可能である。また、秘匿履歴情報データベース290は、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納し、格納された履歴情報は本人のみレコメンドへの利用が可能である。第1の類似性算出部120は、公開履歴情報データベース110に格納されている履歴情報に基づいて、ユーザ間の類似度を算出し、その算出結果を類似性データベース130に記憶する。
【0044】
履歴情報取得部210は、公開履歴情報データベース110または秘匿履歴情報データベース290から各ユーザの履歴情報を取得する。履歴情報分類部220は、取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す。第2の類似性算出部230は、分類された履歴情報により類似性を算出する。類似性情報取得部240は、類似性データベース130から類似性情報を取得する。
【0045】
類似性推測部250は、算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する。なお、処理の詳細については、後述する。推薦度算出部260は、推測した類似性、算出した類似性および履歴情報分類部220において取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。具体的には、第2の類似性算出部230の出力結果、あるいは類似性推測部250の出力結果である類似性、および履歴情報取得部210の出力結果である履歴情報により各コンテンツの推薦度を、例えば、各ユーザの類似性と当該コンテンツの履歴の有無を{1,0}に対応させ、その乗算和を推薦度と定義することで算出する。表示部270は、算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する。
【0046】
<類似性推測部の処理>
図2から図5を用いて、類似性推測部の処理について説明する。
【0047】
図2に示すように、ユーザAからユーザDを例にとり、説明する。ここで、ユーザAからユーザDは、履歴情報を公開しているユーザであり、第1の類似性算出部120が、バッチ処理により、フルメッシュで互いの類似性を計算し、その計算結果を類似性データベース130に記録している。図3は、類似性データベース130に格納されているデータの一例である。
【0048】
レコメンド装置では、履歴情報を公開していないユーザXに対するレコメンド処理を行う。今、ユーザXとユーザAからユーザDとの関係が図4のような場合、ユーザXとユーザAおよびユーザBについては、第2の類似性算出部230が直接、類似性の算出を行う。なお、自己の履歴情報を公開しているユーザにおいては、既に類似性データベース130にレコメンドに必要な類似性が得られているため、この処理および以下の類似性推測を行う必要がない。
【0049】
次に、図5に示すように、第2の類似性算出部230によるユーザXとユーザAおよびユーザBの類似性算出結果が、それぞれ、「0.3」、「0.7」である場合には、ユーザAとユーザCの類似性(「0.5」)、ユーザBとユーザCの類似性(「0.7」)およびユーザAとユーザDの類似性(「0.6」)、ユーザBとユーザDの類似性(「0.4」)を用いて、例えば、下記のような演算式で、ユーザXとユーザCおよびユーザDの類似性を推測する。
ユーザXとユーザCの類似性の推測値=(0.3*0.5+0.7*0.7)/2
=0.32
ユーザXとユーザCの類似性の推測値=(0.3*0.6+0.7*0.4)/2
=0.23
【0050】
<レコメンド装置の処理>
図6を用いて、本実施形態に係るレコメンド装置の処理について説明する。
【0051】
まず、公開履歴情報データベース110または秘匿履歴情報データベース290から各ユーザの履歴情報を取得し(ステップS101)、取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す(ステップS102)。次いで、類似性格納手段から類似性情報を取得し(ステップS103)、分類された履歴情報により類似性を算出する(ステップS104)。
【0052】
そして、算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測し(ステップS105)、推測した類似性、算出した類似性およびステップS101において取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出して(ステップS106)、算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する(ステップS107)。
【0053】
したがって、本実施形態によれば、情報提供に積極的なユーザについては、提供された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、算出した類似性および取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、情報提供に消極的なユーザについては、履歴情報格納手段に格納されたそのユーザの履歴情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、推測した類似性、算出した類似性および取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、情報提供に消極的なユーザについてもレコメンド結果を提供することができる。
【0054】
<第2の実施形態>
図7および図8を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0055】
<レコメンド装置の構成>
図7を用いて、本実施形態に係るレコメンド装置の構成について説明する。なお、本実施形態に係るレコメンド装置は、携帯端末やSTB等に内蔵されるものである。
【0056】
本実施形態に係るレコメンド装置は、図7に示すように、公開履歴情報データベース110と、第1の類似性算出部120と、類似性データベース130と、履歴情報取得部211と、履歴情報分類部220と、第2の類似性算出部230と、類似性情報取得部240と、類似性推測部250と、推薦度算出部260と、表示部270と、通知部280と、秘匿履歴情報データベース290とから構成されている。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0057】
通知部280は、第2の類似性算出部230および類似性推測部250において得られた類似性より、必要な履歴情報のみを公開履歴情報データベース110から取得するよう履歴情報取得部211に通知信号を送信する。履歴情報取得部211は、通知部280により指定された必要な履歴情報のみを公開履歴情報データベース110から取得する。
【0058】
<レコメンド装置の処理>
図8を用いて、本実施形態に係るレコメンド装置の処理について説明する。
【0059】
まず、公開履歴情報データベース110または秘匿履歴情報データベース290から各ユーザの履歴情報を取得し(ステップS201)、取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す(ステップS202)。次いで、類似性格納手段から類似性情報を取得し(ステップS203)、取得した履歴情報により類似性を算出する(ステップS204)。
【0060】
そして、算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測し(ステップS205)、ステップS204およびステップS205において得られた類似性より、必要な履歴情報のみを公開履歴情報データベース110から取得する(ステップS206)。
【0061】
そして、推測した類似性、算出した類似性およびステップS206において取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出し(ステップS207)、算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する(ステップS208)。
【0062】
したがって、本実施形態によれば、情報提供に積極的なユーザについては、提供された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、推測した結果にもとづいて、さらに、推薦度を算出するために必要な履歴情報のみを取得して、推測した類似性、算出した類似性および取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、より精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、情報提供に消極的なユーザについても、履歴情報格納手段に格納されたそのユーザの履歴情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、推測した結果にもとづいて、さらに、推薦度を算出するために必要な履歴情報のみを取得して、推測した類似性、算出した類似性および取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、情報提供に消極的なユーザについても、さらに精度の高いレコメンド結果を提供することができる。また、推薦度の算出の前に、その都度、履歴情報を取り直すため、メモリ容量の小さい電子機器においてもレコメンド処理を行うことができる。
【0063】
<第3の実施形態>
図9を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係るレコメンドシステムは、レコメンドに必要な履歴情報をユーザのレコメンド装置に提供するサーバ100と、提供された履歴情報に基づいてレコメンド処理を行うレコメンド装置とから構成されている。また、本実施形態に係るレコメンド装置は、携帯端末やSTB等に内蔵されるものである。
【0064】
<レコメンドシステムの構成>
図9を用いて、本実施形態に係るレコメンドシステムの構成について説明する。
【0065】
本実施形態に係るレコメンドシステムは、図9に示すように、サーバ100とレコメンド装置200とから構成されている。また、サーバ100は、公開履歴情報データベース111と、第1の類似性算出部121と、類似性データベース131とから構成され、レコメンド装置200は、履歴情報取得部210と、履歴情報分類部220と、第2の類似性算出部230と、類似性情報取得部240と、類似性推測部250と、推薦度算出部260と、表示部270と、ユーザ履歴情報格納部291とから構成されている。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0066】
公開履歴情報データベース111には、ユーザ自身を除く、各ユーザの履歴情報が格納されている。第1の類似性算出部121は、公開履歴情報データベース110に格納されている履歴情報に基づいて、ユーザ間の類似度を算出し、その算出結果を類似性データベース131に記憶する。ユーザ履歴情報格納部291は、ユーザの履歴情報を格納する。
【0067】
本実施形態については、第1の実施形態および第2の実施形態において、レコメンド装置が一括して行っていた処理をサーバとレコメンド装置とでシェアしている。そのため、レコメンド装置の処理負荷が軽くなり、メモリ容量も少なくて済むため、処理能力が低く、メモリ容量の少ない電子機器にレコメンド装置を内蔵することができる。また、情報提供に積極的なユーザについては、サーバから提供された類似性情報に基づいて、得られた類似性および履歴情報取得部から取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、精度の高い、また、レコメンド装置において処理負荷の少ないレコメンドを提供することができる。一方、情報提供に消極的なユーザについては、ユーザ履歴情報格納部に格納された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、推測した類似性、算出した類似性および取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、情報提供に消極的なユーザについてもレコメンド結果を提供することができる。
【0068】
<第4の実施形態>
図10を用いて、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係るレコメンドシステムは、レコメンドに必要な履歴情報をユーザのレコメンド装置に提供するサーバ100と、提供された履歴情報に基づいてレコメンド処理を行うレコメンド装置とから構成されている。また、本実施形態に係るレコメンド装置は、携帯端末やSTB等に内蔵されるものである。
【0069】
<レコメンドシステムの構成>
図10を用いて、本実施形態に係るレコメンドシステムの構成について説明する。
【0070】
本実施形態に係るレコメンドシステムは、図10に示すように、サーバ100とレコメンド装置200とから構成されている。また、サーバ100は、公開履歴情報データベース111と、第1の類似性算出部121と、類似性データベース131とから構成され、レコメンド装置200は、履歴情報取得部210と、履歴情報分類部220と、第2の類似性算出部230と、類似性情報取得部240と、類似性推測部250と、推薦度算出部260と、表示部270と、通知部280、ユーザ履歴情報格納部291とから構成されている。なお、第3の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0071】
本実施形態に係るレコメンドシステムは、第3の実施形態におけるレコメンドシステムにおけるレコメンド装置に第2の実施形態における機能を追加したものになっている。つまり、第1の実施形態および第2の実施形態において、レコメンド装置が一括して行っていた処理をサーバとレコメンド装置とでシェアしている。そのため、レコメンド装置の処理負荷が軽くなり、メモリ容量も少なくて済むため、処理能力が低く、メモリ容量の少ない電子機器にレコメンド装置を内蔵することができる。情報提供に積極的なユーザについては、サーバから提供された類似性情報に基づいて、さらに、推薦度を算出するために必要な履歴情報のみを取得して、得られた類似性および取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、より精度の高い、また、レコメンド装置において処理負荷の少ないレコメンドを提供することができる。また、情報提供に消極的なユーザについても、履歴情報格納手段に格納された情報に基づいて、他のユーザとの類似性を算出し、推測した結果にもとづいて、さらに、推薦度を算出するために必要な履歴情報のみを取得して、推測した類似性、算出した類似性および取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する。そのため、情報提供に消極的なユーザについても、さらに精度の高いレコメンド結果を提供することができる。
【0072】
なお、レコメンド装置あるいはレコメンドシステムの処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをレコメンド装置に読み込ませ、実行することによって本発明のレコメンド装置あるいはレコメンドシステムを実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0073】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されても良い。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0074】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0075】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、本発明では、ユーザ間の類似性に着目してレコメンド処理を行う例について説明したが、ここで示した方法をアイテム等にも利用することができる。
【0076】
また、本発明では、利用する履歴情報は、公開されたデータベースや例えば、端末内部のハードディスクあるいはメモリ等の記憶媒体より、履歴情報取得部および類似性データ取得部を用いてこれらを取得することを想定しているが、必ずしもこれに限るものではない。
【0077】
また、本発明によるレコメンド結果の提供方法は、当該ユーザに対する一つ一つのコンテンツの推薦度を記したリストを、外部のレコメンド提示手法へと提供することを想定しているが、必ずしもこの利用方法に限るものではない。
【0078】
また、履歴情報取得部において利用する履歴情報として、商品の購入履歴やウェブページの閲覧履歴を記録した、全データベースを用意するが、前記データベースは別途用意する以外に、本発明を利用せずにデータを公開してもかまわないとするユーザが提供する履歴情報によって構築することもできる。
【0079】
また、前記データベースの全データより、例えば、履歴が多数のユーザ上位数件を選びだす等の選別により、縮約されたデータを作成し、これを履歴情報取得部により取得することを想定しているが、この手法に限るものではない。
【0080】
さらに、前記データベースにおいて、全ユーザにおいて各コンテンツの履歴の有無を{1,0}と対応させたベクトルを作成し、各ユーザ間の類似性をそのベクトル間のコサイン係数として定義し、その数値を記録したデータベースを用意し、そのデータベースより類似性データ取得部により取得するようにしてもよい。ただし、各ユーザ間の類似性はこの定義に限るものではなく、類似性データの作成の時期もこれに限るものではない。
【符号の説明】
【0081】
100;サーバ
110;公開履歴情報データベース
111;公開履歴情報データベース
120;第1の類似性算出部
121;第1の類似性算出部
130;類似性データベース
131;類似性データベース
200;レコメンド装置
210;履歴情報取得部
211;履歴情報取得部
220;履歴情報分類部
230;第2の類似性算出部
240;類似性情報取得部
250;類似性推測部
260;推薦度算出部
270;表示部
280;通知部
290;秘匿履歴情報データベース
291;ユーザ履歴情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、該定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置であって、
前記購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納する公開履歴情報格納手段と、
公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する秘匿履歴情報格納手段と、
該格納された公開履歴情報から類似性を算出し、該算出した類似性を格納する類似性格納手段と、
前記公開履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する履歴情報取得手段と、
該取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す履歴情報分類手段と、
前記類似性格納手段から類似性情報を取得する類似性情報取得手段と、
前記分類された履歴情報により類似性を算出する類似性算出手段と、
該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する類似性推測手段と、
該推測した類似性、前記算出した類似性および前記履歴情報分類手段において取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する推薦度算出手段と、
該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするレコメンド装置。
【請求項2】
購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、該定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置であって、
前記購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納する公開履歴情報格納手段と、
公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する秘匿履歴情報格納手段と、
該格納された公開履歴情報から類似性を算出し、該算出した類似性を格納する類似性格納手段と、
前記履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第1の履歴情報取得手段と、
該取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す履歴情報分類手段と、
前記類似性格納手段から類似性情報を取得する類似性情報取得手段と、
前記取得した履歴情報により類似性を算出する類似性算出手段と、
該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する類似性推測手段と、
前記類似性算出手段および前記類似性推測手段において得られた類似性より、必要な履歴情報のみを前記履歴情報格納手段から取得する第2の履歴情報取得手段と、
該推測した類似性、前記算出した類似性および前記第2の履歴情報取得手段において取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する推薦度算出手段と、
該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするレコメンド装置。
【請求項3】
前記第2の履歴情報取得手段は、類似性の高い上位のユーザの履歴情報を選択して取得することを特徴とする請求項2に記載のレコメンド装置。
【請求項4】
前記請求項1から請求項3のレコメンド装置が内蔵された携帯端末。
【請求項5】
前記請求項1から請求項3のレコメンド装置が内蔵されたセットトップボックス(STB)。
【請求項6】
データ公開を許可しているユーザにおいて、購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を格納する履歴情報データベースと、該購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、格納する類似性データベースとを備えたデータサーバと、前記定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置とからなるレコメンドシステムであって、
前記レコメンド装置が、自己の履歴情報を格納する履歴情報格納手段と、
該履歴情報格納手段から自己の履歴情報を取得する第1の履歴情報取得手段と、
前記履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第2の履歴情報取得手段と、
該取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す履歴情報分類手段と、
前記類似性データベースから類似性情報を取得する類似性情報取得手段と、
前記履歴情報分類手段から取得した履歴情報により類似性を算出する類似性算出手段と、
該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する類似性推測手段と、
該推測した類似性、前記算出した類似性および前記履歴情報分類手段から取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する推薦度算出手段と、
該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするレコメンドシステム。
【請求項7】
データ公開を許可しているユーザにおいて、購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を格納する履歴情報データベースと、該購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、格納する類似性データベースとを備えたデータサーバと、前記定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置とからなるレコメンドシステムであって、
前記レコメンド装置が、自己の履歴情報を格納する履歴情報格納手段と、
該履歴情報格納手段から自己の履歴情報を取得する第1の履歴情報取得手段と、
前記履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第2の履歴情報取得手段と、
該取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す履歴情報分類手段と、
前記類似性データベースから類似性情報を取得する類似性情報取得手段と、
前記履歴情報分類手段から取得した履歴情報により類似性を算出する類似性算出手段と、
該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する類似性推測手段と、
前記類似性算出手段および前記類似性推測手段において得られた類似性より、必要な履歴情報のみを前記履歴情報データベースから取得する第3の履歴情報取得手段と、
該推測した類似性、前記算出した類似性および前記第3の履歴情報取得手段から取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する推薦度算出手段と、
該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするレコメンドシステム。
【請求項8】
前記第3の履歴情報取得手段は、類似性の高い上位のユーザの履歴情報を選択して取得することを特徴とする請求項7に記載のレコメンドシステム。
【請求項9】
前記レコメンド装置が携帯端末であることを特徴とする請求項6から請求項8に記載のレコメンドシステム。
【請求項10】
前記レコメンド装置がセットトップボックス(STB)であることを特徴とする請求項6から請求項8に記載のレコメンドシステム。
【請求項11】
購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、該定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置におけるレコメンド方法であって、
前記レコメンド装置が、前記購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納する公開履歴情報格納手段と、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する秘匿履歴情報格納手段と、該格納された公開履歴情報から類似性を算出し、該算出した類似性を格納する類似性格納手段とを備え、
前記公開履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第1のステップと、
該取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す第2のステップと、
前記類似性格納手段から類似性情報を取得する第3のステップと、
前記分類された履歴情報により類似性を算出する第4のステップと、
該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する第5のステップと、
該推測した類似性、前記算出した類似性および前記第1のステップにおいて取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する第6のステップと、
該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する第7のステップと、
を備えたことを特徴とするレコメンド方法。
【請求項12】
購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、該定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置におけるレコメンド方法であって、
前記購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納する公開履歴情報格納手段と、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する秘匿履歴情報格納手段と、該格納された公開履歴情報から類似性を算出し、該算出した類似性を格納する類似性格納手段とを備え、
履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第1のステップと、
該取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す第2のステップと、
前記類似性格納手段から類似性情報を取得する第3のステップと、
前記取得した履歴情報により類似性を算出する第4のステップと、
該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する第5のステップと、
前記第4のステップおよび前記第5のステップにおいて得られた類似性より、必要な履歴情報のみを前記履歴情報格納手段から取得する第6のステップと、
該推測した類似性、前記算出した類似性および前記第6のステップにおいて取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する第7のステップと、
該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する第8のステップと、
を備えたことを特徴とするレコメンド方法。
【請求項13】
購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、該定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置におけるレコメンド方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記レコメンド装置が、前記購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納する公開履歴情報格納手段と、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する秘匿履歴情報格納手段と、該格納された公開履歴情報から類似性を算出し、該算出した類似性を格納する類似性格納手段とを備え、
前記公開履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第1のステップと、
該取得した情報の中から類似性および推薦度を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す第2のステップと、
前記類似性格納手段から類似性情報を取得する第3のステップと、
前記分類された履歴情報により類似性を算出する第4のステップと、
該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する第5のステップと、
該推測した類似性、前記算出した類似性および前記第1のステップにおいて取得した履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する第6のステップと、
該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する第7のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
購買履歴や閲覧履歴等のユーザの履歴情報を元にユーザ間の類似性を定義し、該定義した類似性に基づいてユーザが興味を持つと予測されるコンテンツをレコメンド結果として出力する協調フィルタリング方法を用いるレコメンド装置におけるレコメンド方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記購買履歴や閲覧履歴等について、公開を許可したユーザの履歴情報を格納する公開履歴情報格納手段と、公開を許可しないユーザの履歴情報を格納する秘匿履歴情報格納手段と、該格納された公開履歴情報から類似性を算出し、該算出した類似性を格納する類似性格納手段とを備え、
履歴情報格納手段または秘匿履歴情報格納手段から各ユーザの履歴情報を取得する第1のステップと、
該取得した情報の中から類似性を算出する自己を含む一部のユーザの履歴情報、または、自己の履歴に含まれるコンテンツにひもづく履歴情報の一部を取り出す第2のステップと、
前記類似性格納手段から類似性情報を取得する第3のステップと、
前記取得した履歴情報により類似性を算出する第4のステップと、
該算出した類似性および取得した類似性情報により類似性を推測する第5のステップと、
前記第4のステップおよび前記第5のステップにおいて得られた類似性より、必要な履歴情報のみを前記履歴情報格納手段から取得する第6のステップと、
該推測した類似性、前記算出した類似性および前記第6のステップにおいて取得した類似性の推測値が高いユーザの履歴情報に基づいてコンテンツの推薦度を算出する第7のステップと、
該算出した推薦度に基づいてコンテンツを表示する第8のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−25325(P2013−25325A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156023(P2011−156023)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)