説明

レタスの養液栽培方法

【課題】代表的な養液栽培作物であるレタスを対象として、養液栽培に必要な栄養分を大幅に低減しながらも十分な収量を確保する。
【解決手段】培養液を用いてレタスを養液栽培する方法において、培養液を水で希釈してレタスの生育不良が生じ得る濃度に調整し、レタスの栽培開始前及び栽培中の少なくともいずれかのタイミングで培養液のリン濃度とカリウム濃度を調整して、栽培期間中の培養液のリン濃度とカリウム濃度をレタスの生育不良を回避し得る濃度以上に維持して養液栽培を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レタスの養液栽培方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、レタスを湛液式栽培法等の養液栽培法により栽培するのに好適な養液栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物工場等の施設園芸に関する研究は従来から各種行われている。例えば、本件出願人は、人工環境下での植物の栽培を可能とする植物工場に関する研究成果を非特許文献1において報告している。
【0003】
ところで、近年、産業活動における温室効果ガスの排出削減が求められており、農業の分野においてもそのための様々な取り組みがなされている。例えば、植物工場等の施設園芸においては、エネルギー消費効率の高い農業用ヒートポンプの普及の拡大や、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、蛍光灯などの人工光源のLEDへの代替等によって、温室効果ガスの排出削減が図られつつある。
【0004】
ところで、植物工場等の施設園芸における基幹技術として、作物を培養液により栽培する養液栽培方法が知られている。養液栽培方法を行う際には、病気の蔓延等を防ぐために、培養液を定期的にあるいは随意に廃棄している場合が多い。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】電力中央研究所報告 U93014(1993)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
養液栽培を行う場合には、作物の収量を十分に確保するために、栽培時に各種栄養分を添加した培養液を使用する必要がある。しかしながら、培養液に含まれる栄養分の生産には、温室効果ガスの排出を伴うことから、施設園芸において総合的に温室効果ガスの削減を達成するためには、作物の収量を確保しながらも、栽培時の栄養分を極力低減し得る知見の蓄積が望まれる。
【0007】
また、養液栽培において培養液を定期的にあるいは随意に廃棄している状況に鑑みれば、排水中に含まれる栄養分濃度をできるだけ低減して、環境への負荷をできる限り低減したり、排水処理にかかる手間等を出来る限り削減することが望まれる。
【0008】
そこで、本発明は、代表的な養液栽培作物であるレタスを対象として、養液栽培に必要な栄養分を大幅に低減しながらも十分な収量を確保することのできるレタスの養液栽培方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため、本願発明者は鋭意検討を行った。まず、単純に培養液を水で希釈して栽培時の培養液の使用量を減らすことによって、栄養分の使用量を減らすことについて検討した。その結果、培養液の濃度を大幅に低下させ過ぎると、レタスに生育不良が生じることを確認した。
【0010】
本願発明者は、レタスの生育不良が生じた要因について種々検討を行った結果、培養液の濃度を低下させることで、リンとカリウムが不足することによって、レタスの生育不良が生じていることを実験的に突き止めるに至った。
【0011】
そこで、本願発明者は、培養液の濃度をレタスに生育不良が生じ得る濃度に調整した後、この培養液のリン濃度とカリウム濃度を高めてレタスの栽培試験を実施したところ、レタスの生長不良が生じない濃度の培養液を用いてレタスの栽培試験を実施した場合と同様の結果が得られることを知見するに至り、さらに種々検討を重ねて本願発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明のレタスの養液栽培方法は、培養液を用いてレタスを養液栽培する方法において、培養液を水で希釈してレタスの生育不良が生じ得る濃度に調整し、レタスの栽培開始前及び栽培中の少なくともいずれかのタイミングで培養液のリン濃度とカリウム濃度を調整して、栽培期間中の培養液のリン濃度とカリウム濃度をレタスの生育不良を回避し得る濃度以上に維持して養液栽培を行うようにしている。
【発明の効果】
【0013】
本発明のレタスの養液栽培方法によれば、培養液の濃度をレタスに生育不良が生じ得る濃度まで低濃度化しても、培養液のリン濃度とカリウム濃度を高めるだけで、レタスの生育不良を回避して十分な収量を確保することができるので、培養液の使用量を従来よりも抑えて、各種栄養分、例えばアンモニア性窒素や硝酸性窒素などの窒素成分、硫酸などの硫黄成分、マグネシウム、カルシウム等の使用量を抑えることができる。また、リン酸などのリン成分やカリウム成分についても、培養液のリン濃度とカリウム濃度をレタスの生育不良を回避し得る濃度以上となるように添加すればよいので、従来よりも使用量を抑えることができる。したがって、レタスの養液培養における各種栄養分の使用量を総合的に低減して、温室効果ガス排出量を削減することが可能となる。
【0014】
また、本発明のレタスの養液栽培方法によれば、培養液の濃度をレタスに生育不良が生じ得る濃度まで低濃度化しているので、培養液の環境への流出による負荷を低減することが可能となる。または、排水処理にかかる手間等を削除ないしは低減することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の養液栽培方法により培養したレタスの生育状態を示す写真である。
【図2】実施例で使用した養液栽培装置の構成概略図である。
【図3】実施例1の栽培試験における生重量の経時変化を示す図である。
【図4】実施例1の栽培試験における吸水量の経時変化を示す図である。
【図5】実施例1の栽培試験における各試験区のレタスの収穫後生重量の比較図である。
【図6】実施例1の栽培試験における培養液の電気伝導度(EC)の経時変化を示す図である。
【図7】実施例1の栽培試験における培養液のK濃度の経時変化を示す図である。
【図8】実施例1の栽培試験における培養液のNO−N濃度の経時変化を示す図である。
【図9】実施例2の栽培試験における生重量の経時変化を示す図である。
【図10】実施例2の栽培試験における吸水量の経時変化を示す図である。
【図11】実施例2の栽培試験における各試験区のレタスの収穫後生重量の比較図である。
【図12】実施例2の栽培試験における培養液のpHの経時変化を示す図である。
【図13】実施例2の栽培試験における培養液の電気伝導度(EC)の経時変化を示す図である。
【図14】実施例2の栽培試験における培養液のCa2+濃度の経時変化を示す図である。
【図15】実施例2の栽培試験における培養液のMg2+濃度の経時変化を示す図である。
【図16】実施例2の栽培試験における培養液のSO2−−S濃度の経時変化を示す図である。
【図17】実施例2の栽培試験における培養液のNH−N濃度の経時変化を示す図である。
【図18】実施例2の栽培試験における培養液のNO−N濃度の経時変化を示す図である。
【図19】実施例2の栽培試験における培養液のK濃度の経時変化を示す図である。
【図20】実施例2の栽培試験における培養液のPO3−−P濃度の経時変化を示す図である。
【図21】実施例3の栽培試験における生重量の経時変化を示す図である。
【図22】実施例3の栽培試験における吸水量の経時変化を示す図である。
【図23】実施例3の栽培試験における各試験区のレタスの収穫後生重量の比較図である。
【図24】実施例3の栽培試験における培養液のPO3−−P濃度の経時変化を示す図である。
【図25】実施例3の栽培試験における培養液のK濃度の経時変化を示す図である。
【図26】実施例3の栽培試験における培養液のNH−N濃度の経時変化を示す図である。
【図27】実施例3の栽培試験における植物の培養液からのK吸収量の経時変化を示す図である。
【図28】実施例3の栽培試験における植物の培養液からのPO3−−P吸収量の経時変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
本発明のレタスの養液栽培方法は、培養液を用いてレタスを養液栽培する方法において、培養液を水で希釈してレタスの生育不良が生じ得る濃度に調整し、レタスの栽培開始前及び栽培中の少なくともいずれかのタイミングで培養液のリン濃度とカリウム濃度を調整して、栽培期間中の培養液のリン濃度とカリウム濃度をレタスの生育不良を回避し得る濃度以上に維持して養液栽培を行うようにしている。
【0018】
本発明の養液栽培方法の対象となるレタス(Lactuca sativa)は、例えば、ヘッドレタス、リーフレタス、立ちレタス、カッティングレタス、ステムレタス等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
また、本発明の養液栽培方法の対象となるレタスは、幼苗の段階で定植して本発明を養液栽培方法に供するのが好適であるが、この生長段階よりも前段階もしくは後段階から適用してもよい。
【0020】
養液栽培方法としては、例えば、湛液式栽培法、NFT式栽培法、ロックウール栽培法等が挙げられ、好適には湛液式栽培法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
培養液は、大塚A処方や大塚B処方等の園芸試験場標準処方準拠品や、片倉チッカリンなどの山崎処方準拠品等を用いることができ、好適には園芸試験場標準処方準拠品を用いることができるがこれらに限定されるものではない。例えば、園芸試験場標準処方準拠品や山崎処方準拠品等と同様に、アンモニア態窒素や硝酸態窒素等の窒素成分、リン酸等のリン成分、硫酸等の硫黄成分、カリウム、マグネシウム、カルシウム等を含む培養液を適宜用いることができる。また、培養液には大塚5号等の微量元素成分含有物等を添加して、微量元素不足を補うようにしてもよい。
【0022】
レタスの生育不良が生じ得る培養液濃度は、使用する培養液の組成、培養液の容量、培養液に対する栽培対象レタスの株数、栽培期間、栽培方式、栽培環境等に依存し得ることから、一概には規定できないが、使用する培養液のリン濃度とカリウム濃度が高濃度である程、培養液の容量が多い程、培養液に対する栽培対象レタスの株数が少ない程、栽培期間が短い程、レタスの生育不良が生じ得る培養液濃度は低くなる傾向にある。逆に、使用する培養液のリン濃度とカリウム濃度が低濃度である程、培養液の容量が少ない程、培養液に対する栽培対象レタスの株数が多い程、栽培期間が長い程、レタスの生育不良が生じ得る培養液濃度は高くなる傾向にある。
【0023】
レタスの生育不良が生じ得る培養液濃度は、実験的に導き出すことができる。例えば、
1種類の培養液を基本培養液として各種濃度に水で希釈し、培養液の容量、培養液に対する栽培対象レタスの株数、栽培期間、栽培方式を固定し、実際に養液栽培を行う環境に近づけた条件で栽培試験を行い、その生重量、葉の枚数、外観等が、レタスの生育不良が生じない濃度の培養液のそれらと有意差が認められるか否かを判断し、有意差が認められる培養液濃度をレタスの生育不良が生じ得る培養液濃度と決定することができる。
【0024】
一例を挙げると、園芸試験場標準処方準拠品である大塚化学B処方の培養液を用い、培養液の容量を18リットルとし、栽培対象レタスの株数を5株とし、栽培期間を24日間として、湛液方式により一般的な温室で栽培試験を行った場合、培養液を体積換算で1/5濃度以下とすると、レタスの生育不良が生じることが本願発明者の実験により確認されている。
【0025】
尚、培養液濃度は、レタスの生育不良が生じ得る濃度以下で尚かつレタスの生育が停止する濃度よりも高濃度とすることが好適である。レタスの生育が停止する濃度まで培養液を低濃度化すると、本発明の効果が得られなくなる場合がある。
【0026】
次に、本発明では、レタスの栽培開始前及び栽培中の少なくともいずれかのタイミングで培養液のリン濃度とカリウム濃度を調整して、栽培期間中の培養液のリン濃度とカリウム濃度をレタスの生育不良を回避し得る濃度以上に維持して養液栽培を行うようにしている。
【0027】
リン濃度とカリウム濃度の調整は、レタスの栽培開始前にのみ行うようにしてもよいし、レタスの栽培中にのみ行うようにしてもよい。あるいは、レタスの栽培開始前と栽培中の双方において行うようにしてもよい。また、リン濃度とカリウム濃度の調整を栽培中に行う場合には、濃度モニタ等によって測定した結果をフィードバックするように連続的に行うようにしてもよいし、定期的に行うようにしてもよいし、随意に1回ないしは2回以上調整するようにしてもよい。要は、栽培期間中の培養液のリン濃度とカリウム濃度をレタスの生育不良を回避し得る濃度以上に維持できるように、レタスの栽培開始前及び栽培中の少なくともいずれかのタイミングで、リン濃度とカリウム濃度の調整を行うようにすればよい。
【0028】
リン濃度の調整は、例えばリン含有物を添加することにより行うことができる。リン含有物としては、例えば、NH(HPO)等の各種リン酸アンモニウム、リン酸カルシウムなどの各種リン酸塩を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
カリウム濃度の調整は、例えばカリウム含有物を添加することにより行うことができる。カリウム含有物としては、例えば、硝酸カリウム等の各種カリウム化合物等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
また、リン濃度とカリウム濃度の調整は、リン濃度とカリウム濃度をレタスの生育不良を回避し得る濃度以上に調整済みの新たな培養液に更新(交換)することによっても行い得る。
【0031】
レタスの生育不良を回避し得るリン濃度とカリウム濃度は、使用する培養液の組成、栽培方式、栽培環境等に依存し得ることから、一概には規定できないが、実験的に導き出すことができる。例えば、上記により決定したレタスの生育不良が生じ得る濃度に希釈された培養液のリン濃度とカリウム濃度を各種濃度で変化させ、栽培方式を固定し、実際に養液栽培を行う環境に近づけた条件で栽培試験を行い、その生重量、葉の枚数、外観等が、レタスの生育不良が生じない濃度の培養液のそれらと有意差が認められるか否かを判断し、有意差が認められないリン濃度とカリウム濃度をレタスの生育不良を回避し得るリン濃度とカリウム濃度と決定することができる。尚、レタスの生育不良を回避し得る条件をリン濃度とカリウム濃度で規定しているので、培養液の容量の増減によるリンとカリウムの絶対量の増減、培養液に対する栽培対象レタスの株数の増減によるリンとカリウムの減少量の違い、栽培期間の長短によるリンとカリウムの減少量の違いを考慮して、あらゆる条件の培養液の容量、培養液に対する栽培対象レタスの株数、栽培期間に対して、培養液のリン濃度とカリウム濃度をレタスの生育不良を回避し得る濃度以上に容易に維持・調整することができる。
【0032】
一例を挙げると、園芸試験場標準処方準拠品である大塚化学B処方の培養液を1/5濃度以下に希釈し、湛液方式により一般的な温室で栽培試験を行う場合には、リン濃度を4mg/L以上に維持することでレタスの生育不良を回避し得るが、6mg/L以上に維持することが好適且つ確実であり、7mg/L以上に維持することがより好適且つ確実である。カリウム濃度は、13mg/L以上に維持することでレタスの生育不良を回避し得るが、27mg/L以上に維持することが好適且つ確実であり、28mg/L以上に維持することがより好適且つ確実である。
【0033】
上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、培養液には、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で、各種添加物を添加するようにしてもよい。例えば、pH調整剤等を添加してもよい。
【実施例】
【0034】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に限られるものではない。
【0035】
(実施例1)
養液栽培に用いる培養液の濃度がレタスの生育に及ぼす影響について検討した。
【0036】
(1)栽培対象植物
本実施例では、ヘッドレタス(バターヘッドタイプ)である岡山サラダ菜を栽培対象植物とし、この幼苗を養液栽培試験に供した。
【0037】
幼苗は、予め水になじませたウレタンキューブに岡山サラダ菜の種子(タキイ種苗)を一粒づつ播種し、ウレタンキューブをそのまま水に浸しトレイに入れて一週間温室に静置した後、水を1/2濃度の大塚A処方培養液(大塚化学)と交換して適宜水を補給しながらさらに一週間静置することにより得た。
【0038】
(2)栽培試験方法
本実施例では、培養液を溜めた水槽で栽培を行う養液栽培法である湛液式栽培法により栽培試験を実施した。具体的には、図2に示すように、プラスチック製の水槽(41.5cm×29.5cm×18cm)の上部に、5つの貫通孔を有する発泡スチロール製の板を載置し、貫通孔のそれぞれに幼苗を1株づつ定植し、幼苗定植日を0日目として栽培試験を実施した。
【0039】
栽培試験は、室内温度を22℃〜28℃に空調した温室で行った。また、夜はメタルハライドランプで補光をおこない、日長がおよそ12時間となるように調整した。試験期間中は培養液にチューブを介して空気を供給した。
【0040】
水槽には培養液を18L入れ、水位を予め水槽に記しておき、試験期間中に水位が下がったときには適宜水を補給した。
【0041】
(3)培養液
本実施例では、汎用性の高い園芸試験場標準処方(園試処方)と同等の大塚B処方培養液(大塚化学)を水で希釈して体積基準で1/2濃度にした溶液を基本培養液(×1.0)とし、この基本培養液を水で段階的に希釈した培養液(×0.2〜×0.8)を用いた。具体的には、以下の濃度の培養液を用いた。尚、この基本培養液はレタスの養液栽培における汎用性の高い培養液処方として一般的に用いられているものである。
(a)「×1.0」:1/2濃度培養液(基本培養液)
(b)「×0.8」:2/5濃度培養液
(c)「×0.6」:3/10濃度培養液
(d)「×0.4」:1/5濃度培養液
(e)「×0.2」:1/10濃度培養液
【0042】
また、微量元素不足に陥ることを防ぐため、全ての培養液に大塚ハウス5号(大塚化学、粉体)を×1.0となるように添加した。具体的には、培養液1リットルに対し、大塚ハウス5号を25mg添加した。
【0043】
培養液の希釈(濃度調整)及び水槽への水の補給には、以下の成分を含む水道水を使用した。
[水道水の含有成分]
・K :2.57mg/L
・Na:15.39mg/L
・P :0.01mg/L
・Ca:21.49mg/L
・Mn:0.00mg/L
・Fe:0.012mg/L
・Zn:0.009mg/L
・Cu:0.003mg/L
【0044】
培養液のpH調整には、1NのHClとNaOHを用いた。
【0045】
(4)測定項目及び測定方法
本実施例において、測定項目は以下の通りとした。
・培養液の電気伝導度(EC)
・培養液のpH
・培養液中のイオン濃度
・生重量
・吸水量
・収穫時の葉の枚数
・植物の元素含有量
【0046】
培養液の電気伝導度(EC)は、ハンディタイプの導電率計測器(横河電気 SC82)により測定した。
【0047】
培養液のpHは、ハンディタイプのpH計測器(Mettler社 MP125)により測定した。
【0048】
培養液中のイオン濃度の測定項目は、K、PO3−−P、NO−N、NH−N、Mg2+、Ca2+、SO2−−S、微量金属元素とした。
【0049】
PO3−−P、NH−N、Mg2+、Ca2+、SO2−−Sは、イオンクロマトグラフィー(DIONEX社 ICS 1500、AS12A(陰イオンカラム)、 CS16A(陽イオンカラム))を用いて測定した。
【0050】
、NO−Nは、堀場製作所製のCardy C−131、Twin NO meter B−343を用いて測定した。
【0051】
微量金属元素は、ICP(Perkin Elmer社 Optima 5300DV)で測定した。
【0052】
生重量は、栽培試験終了後だけでなく、栽培試験期間中にも測定した。栽培試験期間中のレタスの生重量は、レタスが植えられている発泡スチロールごと計量し、栽培終了後に発泡スチロールの重量を測定して、その値を差し引くことにより算出した。
【0053】
吸水量は、栽培試験期間中に水槽に記した水位が下がったときに補給した水の量を測定して得た。
【0054】
栽培試験終了後、レタスの地上部の生重量を測定し、葉の枚数を数えた。次いで、全量を通風乾燥し、乾燥重量を測定した。さらに、乾燥したレタスを粉砕し、定法によって元素抽出を行い、ICPにより植物の元素含有量を測定した。尚、ICP測定を行うための試料の調整方法は、(水耕栽培ホウレンソウの元素含有量におよぼす栽培条件の影響U89013 、河野吉久)に記載された方法に基づいて行った。
【0055】
(5)栽培試験結果
2009年9月10日に播種して幼苗を得、これを2009年9月25日に図2に示す養液栽培装置に5株定植し、各種培養液濃度で栽培試験を実施した。
【0056】
生重量の経時変化を図3に示す。いずれの培養液濃度においても、定植後9日目までは生重量の変化は殆ど見られなかったが、15日目以降では生重量が急激に増加した。また、15日目以降では、×0.6以上の濃度の培養液を用いた試験区と×0.4以下の培養液を用いた試験区とで、生重量に差が生じることが確認された。
【0057】
吸水量(積算吸水量)の経時変化を図4に示す。いずれの培養液濃度においても定植後13日目までは吸水量は緩やかに増加し、その後急激に吸水量が増加する傾向が見られた。また、生重量と同様、×0.6以上の濃度の培養液を用いた試験区と×0.4以下の培養液を用いた試験区とで、吸水量に明らかな差が生じることが確認された。
【0058】
定植後24日目に収穫したレタスの地上部の生重量を測定し、×1.0試験区と他の試験区の測定結果をt検定(P<0.05)した結果を図5に示す(N=5、エラーバーは標準偏差)。×0.6及び×0.8試験区と×1.0試験区との間には有意差が認められなかったが、×0.4及び×0.2試験区と×1.0試験区との間には有意差が認められた。
【0059】
また、×1.0試験区と他の試験区における1株当たりの平均の葉の枚数を調査した結果、×1.0区では23.5枚となり、t検定(P<0.05)すると、×0.4区の19.2枚と有意差が認められた。
【0060】
培養液の電気伝導度(EC)の経時変化を図6に示す。定植後14日目まではECにあまり変化が見られなかったが、それ以降は、いすれの濃度の培養液においてもECが減少した。尚、×0.2試験区については18日目に、×0.6試験区については21日目に、ECが初期値の2/3以下となったことから、培養液を更新した。
【0061】
培養液のK濃度の経時変化を図7に示す。ECと同様に定植後14日目以降に濃度減少速度が増加した。特に、×0.2試験区と×0.4試験区では、栽培試験終了時にはK濃度が低く(×0.4試験区についてはKの残存率は初期濃度に対して12%)、Kが殆ど植物に吸収されているものと考えられた。また、×0.6試験区についても、21日目時点では、×0.2試験区や×0.4試験区と同様なK濃度となっており、培養液を更新しなかったとすれば、栽培試験終了時にはKが殆ど植物に吸収されていたものと考えられた。
【0062】
培養液のNO−N濃度の経時変化を図8に示す。ECやK濃度と同様、定植後14日目以降に濃度減少速度が増加したが、その速度はK濃度の減少速度に比べれば緩やかであった。尚、×0.4試験区については、NO−Nの残存率は初期濃度に対して32%であった。
【0063】
以上の結果から、×0.4試験区及び×0.2試験区については、×1.0試験区よりも確実に生育状態が悪化していることが明らかとなった。但し、×0.4試験区及び×0.2試験区のいずれにおいても生育が完全に停止したわけではないことから、生育途中でいずれかの養分が不足した結果として、生育不良が生じたものと考えられた。
【0064】
(実施例2)
実施例1において×0.4試験区及び×0.2試験区で生育不良が生じた原因の究明を行った。
【0065】
(1)栽培試験
2009年10月15日に播種して幼苗を得、これを2009年10月29日に図2に示す養液栽培装置に4株定植し、×0.4試験区と×1.0試験区についてそれぞれ3区づつ栽培試験を実施した。栽培試験条件は実施例1と同様とした。
【0066】
(2)栽培試験結果
定植後6日目から3日毎に生重量を測定した結果を図9に示す(N=3、エラーバーは標準偏差)。定植後18日目までは培養液の違いによる生重量の差はあまり見られなかったが、21日目になるとその差が開いた。
【0067】
定植後6日目から3日毎に吸水量(積算吸水量)を測定した結果を図10に示す。培養液の違いによる吸水量の差はあまり見られなかったが、定植後18日目以降では、×1.0試験区の方が吸水量が多くなる傾向が見られた。
【0068】
定植後22日目に収穫したレタスの地上部の生重量を測定し、×1.0試験区と×0.4試験区の測定結果をt検定(P<0.05)した結果を図11に示す(N=12、エラーバーは標準偏差)。×1.0試験区と×0.4試験区で生重量に有意差が認められ、×0.4試験区の方が生重量が軽くなっていた。
【0069】
×1.0試験区と×0.4試験区における1株当たりの平均の葉の枚数を調査した結果、×1.0試験区では20.2枚、×0.4試験区では20.9枚となり、t検定(P<0.05)による有意差は認められなかった。
【0070】
培養液のpHの経時変化を図12に示す(N=3、エラーバーは標準偏差)。pHは定植後2日目からpH6前後で安定したが、9日目から徐々に値が低下したため、pH4.5以下になる場合には、pH6となるように調整した。そして、×0.4試験区では14日目以降、×1.0試験区では18日目以降において、pHが増加する傾向が見られた。
【0071】
培養液の電気伝導度(EC)の経時変化を図13に示す(N=3、エラーバーは標準偏差)。いずれの培養液においても、定植後12〜15日あたりからECが低下し始める傾向が見られた。
【0072】
培養液の各種イオン濃度の経時変化を図14〜図19(N=3、エラーバーは標準偏差)に示す。
【0073】
Ca2+(図14)、Mg2+(図15)、SO2−−S(図16)の濃度については、栽培試験期間を通して殆ど変化が見られなかった。
【0074】
NH−N(図17)の濃度は、6日目までは殆ど変化がないが、その後徐々に濃度が低下していき、12日以後は急激に濃度が低下した。そして、15日目以降では×0.4試験区ではNH−Nが殆ど検出されず、×1.0試験区についても収穫時(22日目)にはNH−Nは殆ど検出されなかった。
【0075】
NO−N(図18)の濃度は、9日目以後に濃度が徐々に低下していき、15日以後は低下する速度が増した。栽培試験終了時のNO−Nの残存率は、×1.0試験区では初期濃度に対して69.6%であり、×0.4試験区では32.6%であった。表1に×0.4試験区及び×1.0試験区の栽培試験前後での培養液の各種イオン濃度(mg/L)を示す。
【0076】
【表1】

【0077】
(図19)の濃度は、15日目までは若干低下し、その後急速に低下した。栽培試験終了時のKの残存率は、×1.0試験区では初期濃度に対して61.4%であり、×0.4試験区は18.4%であった。
【0078】
PO3−−P(図20)の濃度は、9日目まではほとんど変化はないが、その後徐々に低下し、×0.4試験区では21日以後急速に低下した。栽培試験終了時のPO3−−Pの残存率は、×1.0試験区では初期濃度に対して57.8%であり、×0.4試験区では16.1%であった。
【0079】
培養液の微量元素濃度(mg/L)の分析結果を表2に示す。Mn、Fe、Zn、Cuの濃度差は×1.0試験区と×0.4試験区の間にはほとんど認められなかった。
【0080】
【表2】

【0081】
栽培終了後に葉に含有する元素濃度を測定した結果を表3に示す。KとPの含有量は、×0.4試験区で栽培したレタスの葉では、×1.0試験区で栽培したレタスの葉より若干少ない傾向が見られた。しかし、他の金属元素は、逆に×0.4試験区で栽培したレタスの葉の方に多く含まれていた。
【0082】
【表3】

【0083】
実施例2で得られた実験結果を纏めると、図17〜図20に示される結果から、NH−N、NO−N、K、PO3−−Pの濃度は、栽培期間が長くなるにつれて強い減少傾向を示していることが明らかとなった。
【0084】
NH−Nの濃度の減少傾向について検討すると(図17及び表1参照)、×0.4試験区では15日目には残存率が初期濃度に対して約12%となり、×1.0試験区ではその3日後の18日目に約15%となった。その後、どちらの濃度区においても殆ど植物に吸収されていた。生重量と吸水量については、定植後15日目から×0.4試験区と×1.0試験区の間に差が出始めていた(図9及び図10参照)。このことから、両試験区の生長量の差に対して、NH−Nの減少が何らかの影響を与えた可能性が示唆された。
【0085】
また、×0.4試験区において、PO3−−PとKの残存率は、栽培試験期間中に初期濃度に対して20%を切っていた(図19、図20及び表1参照)。さらに、葉のPO3−−PとKの含有量は×0.4試験区の方が×1.0試験区よりも少なかった(表3参照)。このことから、両試験区の生長量の差に対して、PO3−−PとKの一方または双方が何らかの影響を与えた可能性も示唆された。
【0086】
その一方で、NO−Nの濃度の減少傾向は、×0.4試験区と×1.0試験区で、ほぼ同様であり、×0.4試験区における栽培試験終了時の残存率が初期濃度に対して約32%と比較的高かったことから(図18及び表1参照)、×0.4試験区の培養液中のNO−Nの濃度は、レタスの生育を阻害するほど低いものとは考え難かった。
【0087】
よって、実施例2に示される実験結果から、NH−N、PO3−−PおよびKの濃度のいずれか1つまたは2つ以上の減少がレタスの生育に悪影響を及ぼしているものと推察された。
【0088】
尚、Mg、Ca、SO2−−Sに関しては、×0.4試験区においても、あまり吸収されていなかったことから(図14〜図16)、減量できる可能性が示唆された。
【0089】
(実施例3)
実施例2の実験結果から推察された知見に基づき、レタスの生育に悪影響を及ぼすパラメータがNH−Nの減少、PO3−−Pの減少、Kの減少のいずれであるかを検討した。
【0090】
(1)栽培試験
2009年12月21日に播種して幼苗を得、これを2010年1月5日に図2に示す養液栽培装置に4株定植し、×0.4改良試験区と×1.0試験区についてそれぞれ3区づつ栽培試験を実施した。栽培試験条件は実施例1及び2と同様とした。
【0091】
×0.4改良試験区には、実施例2で使用した×0.4培養液の改良培養液(以下、×0.4改良培養液と呼ぶ)を用いた。×0.4改良培養液は、以下のように調整した。即ち、幼苗定植後22日目に×0.4培養液のPO3−−PとKの残存率が初期濃度に対しておよそ20%となるように予めPO(大塚7号 0.14g/18L NH(HPO))とK(大塚3号 0.729g/18L KNO))のみが×0.5培養液におけるPO3−−P濃度及びK濃度となるように調整した。×0.4改良培養液のイオン濃度は、計算上、以下のようになる。
・NH−N :0.75mg/L
・PO3−−P:3.99mg/L
・K :15.66mg/L
・NO−N :24.38mg/L
【0092】
栽培開始時の×0.4培改良培養液の実測値(単位:mg/L)を表4に示す。実施例2で使用した×0.4培養液の初期濃度(表1参照)に比べ、NH−NとPO3−−Pの濃度は7%、K濃度は12%増えていた。ECの平均値は、×1.0培養液では1399μS/cm、×0.4改良培養液では800μS/cmであった。
【0093】
【表4】

【0094】
(2)栽培試験結果
生重量の経時変化を図21に示す(N=3、エラーバーは標準偏差)。×0.4改良試験区と×1.0試験区で差は殆ど認められなかった。
【0095】
吸水量(積算吸水量)の経時変化を図22に示す。×0.4改良試験区と×1.0試験区で差は殆ど認められなかった。
【0096】
定植後22日目に収穫したレタスの地上部の生重量を測定し、×1.0試験区と×0.4改良試験区の測定結果をt検定(P<0.05)した結果を図23に示す(N=12、エラーバーは標準偏差)。×1.0試験区では39.3g、×0.4改良試験区では37.8gであり、両者の間に有意差は認められなかった。また、両者の葉の枚数についても有意差は認められなかった。
【0097】
定植後22日目のレタス外観(収穫直前の定植された状態)を撮影した写真を図1に示す。上段が×1.0試験区のレタスであり、下段が×0.4改良試験区のレタスである。両者は、外観上も全く差が見られなかった。
【0098】
培養液の各種イオン濃度の経時変化を図24〜図26(N=3、エラーバーは標準偏差)に示す。
【0099】
PO3−−P(図24)の濃度は、栽培日数の経過に伴って低下したものの、栽培期間終了時の残存率は初期濃度に対して20%以上を超えていた(表4参照)。
【0100】
(図25)の濃度も、PO3−−Pの濃度と同様に、栽培日数の経過に伴って低下したものの、栽培期間終了時の残存率は初期濃度に対して20%以上を超えていた(表4参照)。
【0101】
NH−N(図26)の濃度は、実施例2で得られた結果と同様に、×0.4改良試験区では18日目に、×1.0試験区では21日目には殆ど検出されなくなった。
【0102】
他のイオンの残存率については、実施例2とほぼ同様の結果となった。
【0103】
尚、本実施例では、NO−Nの残存量が高まったが、この理由は、Kの添加の際にKNOを用いたためと考えられた。
【0104】
以上の結果を纏めると、×0.4改良試験区と実施例2の×0.4試験区のイオン濃度の減少傾向の相違点は、PO3−−Pの濃度とKの濃度が栽培期間終了時に初期濃度の20%以上に維持されている点にあることが確かめられた。一方で、NH−Nの濃度の減少傾向は×0.4改良試験区と実施例2の×0.4試験区で差が見られなかった。そして、×0.4改良試験区と×1.0試験区では、生育状態に差が見られなかった。
【0105】
この結果から、レタスが生育不良に陥り得る濃度に希釈された培養液、例えば大塚B処方の1/5濃度培養液(×0.4培養液)を用いる場合に、リンとカリウムを添加して、その不足分を補うことによって、高希釈培養液を用いても生育不良を回避しながらレタスを栽培できることが明らかとなった。
【0106】
具体的には、×0.4培養液では、栽培終了後のPO3−−P濃度が3.52mg/Lであり、K濃度が12.576mg/Lであり、この場合にはレタスの生長不良が生じたことから、レタス栽培中の培養液のPO3−−P濃度は4mg/L以上とし、K濃度は13mg/L以上に維持しなければレタスの生長不良は回避できないものと考えられる。そして、×0.4改良培養液では、栽培終了後のPO3−−P濃度が6.508mg/Lであり、K濃度が27.251mg/Lであり、この場合にはレタスの生長不良が回避できたことから、レタス栽培中の培養液のPO3−−P濃度を6mg/L以上、好適には7mg/L以上とし、K濃度を27mg/L以上、好適には28mg/L以上に維持することで、レタスの生長不良を確実に回避できるものと考えられる。
【0107】
また、培養液の容量を18リットルとして、4株栽培する場合、×0.4培養液のリン濃度とカリウム濃度を×0.5培養液の濃度に調整した培養液を使用すれば、定植から22日間の栽培中にリン含有物やカリウム含有物を一切添加せずとも、栽培期間中の培養液のリン濃度とカリウム濃度は、レタスの生長不良を回避し得る濃度に維持されることが明らかとなった。つまり、大塚B処方培養液等の園芸試験場標準処方の培養液を水で希釈して体積換算で1/5濃度とした溶液を調製し、この溶液のリン濃度とカリウム濃度を体積換算で1/4濃度とした上記培養液の濃度以上に調整した改良培養液を用いることによって、培養液の容量を18リットルとして、4株栽培する場合に関しては、定植から22日間の栽培中にリン含有物やカリウム含有物を一切添加せずとも、レタスの生長不良を回避することが可能である。
【0108】
ここで、一般に、KやPO3−−Pの供給が多いと、ぜいたく吸収が起こりやすいとされている。ぜいたく吸収とは、養分の供給量が過剰となると植物の吸収量が増しても生育量の増加が鈍り、ついには生育が止まるようになることを指す。このような場合、養分吸収の増加がなんら生育量に役に立たない(三好洋、嶋田永生、石川昌男、伊達昇(編)土壌肥料用語辞典PP129.)。本実施例では、培養液のKとPO3−−Pの減少量を植物の吸収量とみなした場合、図27及び図28に示すように、×1.0試験区と×0.4改良試験区とでは殆ど差が見られなかった。したがって、この程度の低濃度では、ぜいたく吸収が起こっているとは考え難く、与えた養分が過不足なく吸収されたものと考えられた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養液を用いてレタス(Lactuca sativa)を養液栽培する方法において、
前記培養液を水で希釈してレタスの生育不良が生じ得る濃度に調整し、レタスの栽培開始前及び栽培中の少なくともいずれかのタイミングで前記培養液のリン濃度とカリウム濃度を調整して、栽培期間中の前記培養液のリン濃度とカリウム濃度をレタスの生育不良を回避し得る濃度以上に維持して養液栽培を行うことを特徴とするレタスの養液栽培方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図1】
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【図2】
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【図11】
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【図12】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−17(P2012−17A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135522(P2010−135522)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【Fターム(参考)】