説明

レビュー投稿制御装置、レビュー投稿制御方法、レビュー投稿制御プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】ユーザにとって有用でない不適切なレビューの投稿の増大を防止する。
【解決手段】レビュー投稿制御装置1は、投稿されたレビューに対する評価情報において所定の度合い以上の否定的な評価を受けたレビュー投稿者を選出し、当該レビューの投稿者による投稿に対する制限を否定的な評価の度合いに応じて設定する制限設定部15を備える。これにより、否定的な評価を受けたレビューの投稿者による投稿が制限される。従って、ユーザにとって有用でない不適切なレビューの投稿の増大が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レビュー投稿制御装置、レビュー投稿制御方法、レビュー投稿制御プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子商取引サイトでは、商品等に関する意見や感想等を含むレビューの投稿が受け付けられており、受け付けられたレビューは、ユーザに対して提示されている。例えば、下記特許文献1には、電子商取引サイトにおいて、商品に対する記事を投稿可能なシステムが記載されている。また、提示されたレビューに対する評価を受け付けるように構成されたサイトも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−167990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
あるユーザが商品の購入を検討するに際して、他のユーザにより投稿された当該商品に関するレビューは、参考情報として有用である。しかしながら、中には、商品の購入を検討するユーザにとって参考にならないレビューが投稿される場合がある。例えば、当該商品のメーカーを貶める意図により、当該商品を中傷する内容のレビューが投稿される場合がある。
【0005】
そこで本発明は、ユーザにとって有用でない不適切なレビューの投稿の増大を防止することが可能なレビュー投稿制御装置、レビュー投稿制御方法、レビュー投稿制御プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のレビュー投稿制御装置は、レビュー対象に対してレビュー投稿者から投稿されたレビューに対するレビュー評価者による肯定的又は否定的な評価を含む1以上の評価情報に基づき、所定の度合い以上の否定的な評価を受けたレビューを投稿したレビュー投稿者を選出する選出手段と、選出手段により選出されたレビュー投稿者に対して、レビューが受けた否定的な評価の度合いに応じた所定の投稿制限を加える投稿制限手段と、を備える。
【0007】
本発明のレビュー投稿制御方法は、レビュー投稿制御装置により実行されるレビュー投稿制御方法であって、レビュー対象に対してレビュー投稿者から投稿されたレビューに対するレビュー評価者による肯定的又は否定的な評価を含む1以上の評価情報に基づき、所定の度合い以上の否定的な評価を受けたレビューを投稿したレビュー投稿者を選出する選出ステップと、選出ステップにおいて選出されたレビュー投稿者に対して、レビューが受けた否定的な評価の度合いに応じた所定の投稿制限を加える投稿制限ステップと、を有する。
【0008】
本発明のレビュー投稿制御プログラムは、コンピュータを、レビュー投稿制御装置として機能させるためのレビュー投稿制御プログラムであって、コンピュータに、レビュー対象に対してレビュー投稿者から投稿されたレビューに対するレビュー評価者による肯定的又は否定的な評価を含む1以上の評価情報に基づき、所定の度合い以上の否定的な評価を受けたレビューを投稿したレビュー投稿者を選出する選出機能と、選出機能により選出されたレビュー投稿者に対して、レビューが受けた否定的な評価の度合いに応じた所定の投稿制限を加える投稿制限機能と、を実現させる。
【0009】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータをレビュー投稿制御装置として機能させるためのレビュー投稿制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、レビュー投稿制御プログラムがコンピュータに、レビュー対象に対してレビュー投稿者から投稿されたレビューに対するレビュー評価者による肯定的又は否定的な評価を含む1以上の評価情報に基づき、所定の度合い以上の否定的な評価を受けたレビューを投稿したレビュー投稿者を選出する選出機能と、選出機能により選出されたレビュー投稿者に対して、レビューが受けた否定的な評価の度合いに応じた所定の投稿制限を加える投稿制限機能と、を実現させる。
【0010】
否定的な評価を受けたレビューは、他のユーザにとって有用でないものである蓋然性が高い。本発明によれば、投稿されたレビューに対する評価情報において所定の度合い以上の評価を受けたレビュー投稿者が選出され、当該レビューの投稿者による投稿に対して否定的な評価の度合いに応じた制限が設定される。これにより、否定的な評価を受けたレビューの投稿者による投稿が制限される。従って、ユーザにとって有用でない不適切なレビューの投稿の増大が防止される。
【0011】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、所定の度合い以上の否定的な評価を含む評価情報が所定数以上である場合、又は1以上の評価情報における肯定的な評価の度合いを示す値の合計が所定値以下である場合に、レビューの投稿者による投稿処理及び投稿内容のうちの少なくとも一方に対する制限を所定の投稿制限として設定してもよい。
【0012】
この場合には、投稿に関する制限の設定のための、レビューに対する否定的な評価の度合いが適切に判定される。
【0013】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、所定の度合い以上の肯定的な評価を示す評価情報が所定数以上受け付けられた場合には、当該評価情報が所定数以上受け付けられなかった場合に比べて、制限の程度を低く設定してもよい。
【0014】
肯定的な評価がされたレビューは、他のユーザにとって有用なものである蓋然性が高い。この場合には、肯定的な評価を示す評価情報が受け付けられた場合に、肯定的な評価を受けたレビューの投稿者の投稿に対する制限の程度が低く設定されるので、その投稿者に対する投稿に関する制限が適切に調整される。
【0015】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、評価情報における、否定的な評価の度合いにおける一単位が制限の程度の増加に寄与する度合いが、肯定的な評価の度合いにおける一単位が制限の程度の低下に寄与する度合いより大きくなるように、制限を設定してもよい。
【0016】
この場合には、レビューの投稿者に対する投稿に関する制限がより適切に調整されるので、投稿されるレビューの質が向上する。
【0017】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、レビューの投稿者と、所定の度合い以上の肯定的な評価を評価情報において実施したレビュー評価者との相関の有無を評価情報に基づき判定し、相関が有ると判定された場合には、相関がないと判定された場合と比較して、レビュー評価者の肯定的な評価に基づく制限の程度における低下の度合いを小さく設定してもよい。
【0018】
レビュー投稿者と当該レビューに対して肯定的な評価をしたレビュー評価者との間に相関が有る場合には、そのレビュー評価者は、当該レビュー投稿者との結託に基づき、当該投稿者の投稿に対する制限の程度を低くさせることを目的として、肯定的な評価を実施した可能性が高い。上記構成によれば、レビュー投稿者との相関があると判定されたレビュー評価者による肯定的な評価は、制限の程度の低下に対する寄与が低くされる。従って、不当に制限の程度が低下されることが防止される。
【0019】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、一のレビュー投稿者からの複数のレビューの投稿のそれぞれに対する、同一のレビュー評価者からの評価情報の数に占める、肯定的な評価を示す評価情報の数が所定割合以上である場合に、一のレビュー投稿者とレビュー評価者との相関が有ると判定してもよい。
【0020】
この場合には、レビュー投稿者と肯定的な評価を実施したレビュー評価者との間の相関が精度良く適切に判定される。
【0021】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、一のレビュー投稿者からの複数のレビューの投稿のそれぞれに対する、同一のレビュー評価者からの肯定的な評価を示す評価情報の数が所定数以上であることを、一のレビュー投稿者とレビュー評価者との相関が有ると判定するための必要条件としてもよい。
【0022】
この場合には、レビュー投稿者と肯定的な評価を実施したレビュー評価者との間の相関が容易に判定される。
【0023】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、レビューの投稿者と、所定の度合い以上の否定的な評価を評価情報において実施したレビュー評価者との相関の有無を評価情報に基づき判定し、相関が有ると判定された場合には、相関がないと判定された場合と比較して、レビュー評価者の否定的な評価に基づく制限の設定において、制限の程度を小さく設定してもよい。
【0024】
レビュー投稿者と当該レビューに対して否定的な評価をしたレビュー評価者との間に相関が有る場合には、そのレビュー評価者は、当該レビュー投稿者に不利益を与えることを目的として、否定的な評価を実施した可能性が高い。レビューの内容が有用なものである場合に、かかる否定的な評価に基づき、このレビュー投稿者の投稿が不当に制限されることは好ましくない。上記構成によれば、否定的な評価を実施したレビュー評価者とレビュー投稿者との相関があると判定された場合には、当該レビュー評価者の評価に基づき設定される制限の程度が小さくされる。従って、レビュー投稿者に対する不当な制限が防止される。
【0025】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、一のレビュー投稿者からの複数のレビューの投稿のそれぞれに対する、同一のレビュー評価者からの評価情報の数に占める、否定的な評価を示す評価情報の数が所定割合以上であることを、一のレビュー投稿者とレビュー評価者との相関が有ると判定するための必要条件としてもよい。
【0026】
この場合には、レビュー投稿者と否定的な評価を実施したレビュー評価者との間の相関が精度良く適切に判定される。
【0027】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、一のレビュー投稿者からの複数のレビューの投稿のそれぞれに対する、同一のレビュー評価者からの否定的な評価を示す評価情報の数が所定数以上である場合に、一のレビュー投稿者とレビュー評価者との相関が有ると判定してもよい。
【0028】
この場合には、レビュー投稿者と否定的な評価を実施したレビュー評価者との間の相関が容易に判定される。
【0029】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、当該レビューに対する否定的な評価の度合いに応じて、レビューの投稿者がレビューを投稿することができない制限時間を、レビューの投稿者による投稿処理に対する制限として設定してもよい。
【0030】
この場合には、否定的な評価を受けたレビューの投稿者からの投稿が、一定時間禁止されるので、ユーザにとって有用でない不適切なレビューの投稿の増大が防止される。
【0031】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、制限時間の起点を当該レビュー投稿時に設定してもよい。
【0032】
この場合には、否定的な評価を受けたレビューの投稿時から、当該レビュー投稿者の投稿が禁止されるので、ユーザにとって有用でない不適切なレビューの連続投稿が防止される。
【0033】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、制限時間の起点を当該レビュー投稿の次のレビュー投稿時に設定してもよい。
【0034】
この場合には、否定的な評価を受けたレビューの投稿者が、当該レビューの投稿の次の投稿時から、当該レビュー投稿者の投稿が禁止されるので、両投稿間に制限時間が満了してしまうことが防止され、投稿の制限によるペナルティを確実に当該投稿者に与えることができる。
【0035】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、次のレビュー投稿を受け付けないように制御することとしてもよい。
【0036】
本発明のレビュー投稿制御装置では、投稿制限手段は、当該レビューに対する否定的な評価の度合いに応じて、レビューの内容における文字の上限数又は下限数を、レビューの投稿者による投稿内容に対する制限として設定してもよい。
【0037】
この場合には、ユーザにとって有用でない不適切なレビューが提示されることが防止される。
【0038】
本発明のレビュー投稿制御装置は、評価情報を受け付ける評価情報受付手段と、評価情報受付手段により受け付けられた評価情報を記憶する評価情報記憶手段をさらに備え、投稿制限手段は、評価情報記憶手段に記憶された評価情報を参照して、制限を設定することとしてもよい。この場合には、レビューに対する評価情報が確実に蓄積される。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、ユーザにとって有用でない不適切なレビューの投稿の増大を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】レビュー投稿制御装置を含むシステムの装置構成を示す図である。
【図2】レビュー投稿制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】レビュー投稿制御装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】レビュー履歴記憶部の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
【図5】端末において表示される、評価情報の入力を受け付けるための画面の例である。
【図6】制限時間の起算時の例を示す図である。
【図7】レビュー投稿制御装置における処理内容を示すフローチャートである。
【図8】レビュー投稿制御装置における処理内容を示すフローチャートである。
【図9】レビュー投稿制御プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0042】
図1は、本実施形態に係るレビュー投稿制御装置を含むシステム100の装置構成を示すブロック図である。システム100は、レビュー投稿制御装置1及び複数の端末Tを含む。レビュー投稿制御装置1は、レビュー対象に対するレビューの投稿を端末Tから受け付け、受け付けられたレビューを端末Tに対して提示する装置である。具体的には、レビュー投稿制御装置1は、例えば、電子商取引サイト等において提供される商品に関する意見及び感想等を含むレビューをユーザから受け付けて、受け付けたレビューを当該商品に対応付けてユーザに対して提示する。即ち、電子商取引サイト等における商品は、レビュー対象を構成するが、レビュー対象の概念は、商品に限定されない。例えば、映画や書籍といった作品に対するレビューを受け付けて、受け付けたレビューをユーザに提示するサイトでは、映画や書籍は、レビュー対象に該当する。
【0043】
レビュー投稿制御装置1及びユーザの端末Tは、インターネットや無線LAN、移動体通信網などで構成されている通信ネットワークNを介して互いに通信することが可能である。端末Tは、例えば、携帯端末、パーソナルコンピュータ等により構成される。なお、図1では端末Tを3台示しているが、システム100内に存在する端末の台数は任意である。
【0044】
図2は、本実施形態に係るレビュー投稿制御装置1の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、レビュー投稿制御装置1は、機能的には、レビュー投稿受付部11、レビュー履歴記憶部12(評価情報記憶手段)、レビュー提示部13、評価情報受付部14(評価情報受付手段)、制限設定部15(選択手段、投稿制限手段)及び投稿制御部16を備える。なお、本実施形態では、各機能部11〜16が1つの装置に構成されることとしているが、各機能部11〜16がそれぞれ互いに通信可能な別の装置に備えられることとしてもよい。例えば、レビュー投稿制御装置1は、制限設定部15のみにより構成可能である。
【0045】
図3は、レビュー投稿制御装置1のハードウェア構成図である。レビュー投稿制御装置1は、物理的には、図3に示すように、CPU101、RAM及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置102、ハードディスク等で構成される補助記憶装置103、ネットワークカード等で構成される通信制御装置104、入力デバイスであるキーボード、マウス等の入力装置105、ディスプレイ等の出力装置106などを含むコンピュータシステムとして構成されている。
【0046】
図2に示した各機能は、図3に示すCPU101、主記憶装置102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェア(レビュー投稿制御プログラム)を読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信制御装置104、入力装置105、出力装置106を動作させるとともに、主記憶装置102や補助記憶装置103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶装置102や補助記憶装置103内に格納される。
【0047】
レビュー投稿受付部11は、レビュー対象に対するレビューの投稿を、ネットワークNを介して端末Tから受け付ける部分である。レビューは、レビュー対象に関するユーザによる感想や意見を表すテキストデータ、及びレビュー対象の評価値を表す数値データを含むことができる。レビュー投稿受付部11は、受け付けたレビューをレビュー履歴記憶部12に記憶させる。
【0048】
レビュー履歴記憶部12は、レビュー投稿受付部11により受け付けられたレビューの内容等を記憶する部分である。図4は、レビュー履歴記憶部12の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。図4に示すように、レビュー履歴記憶部12は、レビュー投稿者を識別するユーザIDごとに、レビューID、商品ID、投稿時刻を対応付けて記憶している。例えば、レビューID「R1」により識別されるレビューは、ユーザID「AAA」に対応付けられると共に、当該レビューのレビュー対象の商品ID「M1」及び投稿時刻「TA1」に対応付けられている。また、レビュー履歴記憶部12は、レビューごとに、当該レビューに対する評価情報を記憶する。評価情報については後述する。
【0049】
レビュー提示部13は、レビュー投稿受付部11により受け付けられたレビューの内容を端末Tに提示する部分である。具体的には、レビュー提示部13は、例えば、Webページ等にレビューの内容を表示するためのデータを、ネットワークNを介して端末Tに送信する。
【0050】
評価情報受付部14は、評価情報をレビュー評価者の端末Tから受け付ける部分である。評価情報は、提示されたレビューに対するレビュー評価者による肯定的又は否定的な評価の度合いを示す情報である。
【0051】
図5は、端末Tにおいて表示される、評価情報の入力を受け付けるための画面の例である。図5に示す画面例では、レビュー提示部13から端末Tに送信されたレビューの内容が提示されると共に、レビューに対する肯定的な評価を入力するためのボタンB及び否定的な評価を入力するためのボタンBが設けられている。端末TにおいてボタンBが操作された場合には、評価情報受付部14は、肯定的な評価を含む評価情報を受け付ける。一方、端末TにおいてボタンBが操作された場合には、評価情報受付部14は、否定的な評価を含む評価情報を受け付ける。
【0052】
評価情報受付部14は、受け付けた評価情報を、当該評価情報の評価対象のレビューのレビューIDに対応付けて、レビュー履歴記憶部12に記憶させる。図4を再び参照すると、レビュー履歴記憶部12は、評価情報として、レビュー評価者のユーザID、評価内容及び評価時刻を記憶している。評価内容は、肯定的な評価を表すデータ(P)または否定的な評価を表すデータ(N)により示される。また、評価時刻Tは、評価情報受付部14により当該評価情報が受け付けられた時刻を示す。例えば、図4では、レビュー「R1」に対する評価情報として、レビュー評価者「BBB」、評価内容「P」及び評価時刻「TB1」といった情報を含む評価情報が記憶されている。なお、本実施形態における評価情報では、評価内容は、肯定的P又は否定的Nの2段階のいずれかの評価を示すものとしているが、これには限定されず、より多くの多段階の評価を示す情報であってもよい。例えば、評価内容は、肯定的な評価の度合いを示す5段階のスコア値であってもよい。本実施形態では、評価内容は、肯定的Pまたは否定的Nの2段階の評価のいずれかを示す情報として、以後の説明をする。
【0053】
制限設定部15は、レビュー対象に対してレビュー投稿者から投稿されたレビューに対するレビュー評価者による肯定的又は否定的な評価を含む1以上の評価情報に基づき、所定の度合い以上の否定的な評価を受けたレビューを投稿したレビュー投稿者を選出し、選出されたレビュー投稿者に対して、レビューが受けた否定的な評価の度合いに応じた所定の投稿制限を加える部分である。
【0054】
具体的には、制限設定部15は、例えば、評価情報受付部14により受け付けられた評価情報を参照し、一のレビュー投稿者のレビューに対する否定的な評価の度合いが所定の度合い以上である場合に、レビュー投稿に対して制限を加えるために当該レビュー投稿者を選出し、そのレビュー投稿に対して制限を設定する。否定的な評価の度合いの判定、及び制限の設定について以下に詳述する。
【0055】
例えば、制限設定部15は、評価情報受付部14により受け付けられた1以上の評価情報に基づき、レビューに対する否定的な評価の度合いが所定の度合い以上である場合に、レビューの投稿者による投稿処理及び投稿内容のうちの少なくとも一方に対する制限を設定する部分である。
【0056】
具体的には、例えば、制限設定部15は、所定の度合い以上の否定的な評価を含む評価情報が所定数以上である場合に、レビューの投稿に対する制限を設定する。より具体的には、制限設定部15は、図4に示したレビュー履歴記憶部12を参照し、一のレビューに対する否定的な評価(N)を示す評価情報の数が所定数以上である場合に、当該一のレビューの投稿者のレビューの投稿に対して、予め設定された所定の程度の制限を設定する。上記したような制限の設定では、投稿に関する制限の設定のための、レビューに対する否定的な評価の度合いが適切に判定される。
【0057】
図4に示す例を参照して、制限の設定を具体的に説明する。例えば、レビューの投稿に対する制限の設定を判定するための否定的な評価情報に関する所定数が2であるとする。ここで、図4に示すレビュー履歴記憶部12は、レビュー投稿者「AAA」のレビュー「R1」に対する否定的な評価情報を3件(レビュー評価者「DDD」、「FFF」、「GGG」)記憶しており、否定的な評価情報の数が所定数「2」以上である。従って、制限設定部15は、ユーザ「AAA」のレビュー投稿に対して所定の制限を設定する。
【0058】
また、例えば、評価内容が肯定的な評価の度合いを示す1〜5の5段階のスコア値で示される場合には、制限設定部15は、スコア値が1及び2の評価内容を否定的な評価とみなして、評価内容におけるスコア値が1または2の評価情報の数が所定数以上である場合に、当該一のレビューの投稿者によるレビューの投稿に対して、予め設定された所定の程度の制限を設定する。このように、評価内容が肯定的な評価の度合いを示す多段階のスコア値で示される場合には、制限設定部15は、所定値より小さいスコア値を有する評価情報を、否定的な評価とみなすことができる。
【0059】
また、制限設定部15は、1以上の評価情報における肯定的な評価の度合いを示す値の合計が所定値以下である場合に、レビューの投稿に対する制限を設定することとしてもよい。より具体的には、例えば、評価内容が肯定的な評価の度合いを示す多段階のスコア値で示される場合に、制限設定部15は、一のレビューに対する全ての評価情報におけるスコア値の合計を算出し、算出された合計値が所定値以下である場合に、当該一のレビューの投稿者によるレビューの投稿に対して、予め設定された所定の程度の制限を設定する。
【0060】
制限設定部15は、レビューの投稿者がレビューを投稿することができない制限時間を、レビューの投稿者による投稿処理に対する制限として設定する。具体的には、制限設定部15は、レビューに対する否定的な評価の度合いが所定の度合い以上である場合に、否定的な評価の度合いに応じた制限時間を設定する。設定される制限時間は、例えば、否定的な評価の度合いと設定される制限時間と間に予め設定された対応関係に基づき設定されることとしてもよい。制限設定部15により制限時間が設定されると、後述するように、レビュー投稿制御装置1は、所定の起算時から制限時間が経過するまで、当該レビューの投稿者からのレビューの投稿を受け付けないように制御を実施する。このように制限が実施されることにより、否定的な評価を受けたレビューの投稿者からの投稿が、一定時間禁止されるので、ユーザにとって有用でない不適切なレビューの投稿の増大が防止される。
【0061】
また、制限設定部15は、レビューの内容における文字の上限数又は下限数を、レビューの投稿者による投稿内容に対する制限として設定することとしてもよい。具体的には、制限設定部15は、レビュー投稿者のレビューに対する否定的な評価の度合いが所定の度合い以上である場合に、当該レビュー投稿者のレビューにおける文字数を、レビュー履歴記憶部12を参照して集計する。
【0062】
制限設定部15は、当該レビュー投稿者のレビューの文字数の平均が所定の閾値以上であったり、全てのレビューの文字数を母集団としたときの当該レビュー投稿者のレビューの文字数の偏差値が所定値以上であったりした場合には、レビューの文字数が多すぎることに起因して否定的な評価をされているものと判断することができる。この場合には、制限設定部15は、否定的な評価の度合いに応じた文字の上限数を設定する。ここで、否定的な評価の原因を判断するための、レビューの文字数の平均に関する所定の閾値及び偏差値はそれぞれ、例えば200字及び70とすることができるが、この字数及び偏差値には限定されない。
【0063】
一方、制限設定部15は、当該レビュー投稿者のレビューの文字数の平均が所定の閾値以下であったり、全てのレビューの文字数を母集団としたときの当該レビュー投稿者のレビューの文字数の偏差値が所定値以下であったりした場合には、レビューの文字数が少なすぎることに起因して否定的な評価をされているものと判断することができる。この場合には、制限設定部15は、否定的な評価の度合いに応じた文字の下限数を設定する。ここで、否定的な評価の原因を判断するための、レビューの文字数の平均に関する所定の閾値及び偏差値はそれぞれ、例えば10字及び30とすることができるが、この字数及び偏差値には限定されない。
【0064】
設定される上限数及び下限数は、例えば、否定的な評価の度合いと設定される上限数及び下限数との間に予め設定された対応関係に基づき設定されることとしてもよい。制限設定部15により文字の上限数又は下限数が設定されると、後述するように、レビュー投稿制御装置1は、当該レビューの投稿者からの当該上限数を超える文字数の投稿を受け付けないように制御を実施する。このように制限が実施されることにより、ユーザにとって有用でない不適切なレビューが提示されることが防止される。
【0065】
制限設定部15は、所定の度合い以上の肯定的な評価を示す評価情報が所定数以上受け付けられた場合には、当該評価情報が所定数以上受け付けられなかった場合に比べて、制限の程度を低く設定してもよい。
【0066】
具体的には、例えば、制限設定部15は、図4に示したレビュー履歴記憶部12を参照し、一のレビューに対する肯定的な評価(P)を示す評価情報の数が所定数以上である場合に、上述した方法により当該レビューの投稿者に設定された投稿に関する制限の程度を予め設定された所定程度低くする。制限の程度の低下の度合いは、肯定的な評価を示す評価情報の数、肯定的な評価の度合いに応じて、予め設定されていることとしてもよい。ここで、レビューの投稿に対する制限の程度を設定するための肯定的な評価情報に関する所定数は、例えば「3」とすることができるが、この数には限定されない。
【0067】
また、例えば、評価内容が肯定的な評価の度合いを示す1〜5の5段階のスコア値で示される場合には、制限設定部15は、スコア値が4及び5の評価内容を肯定的な評価とみなして、評価内容におけるスコア値が4または5の評価情報の数が所定数以上である場合に、当該一のレビューの投稿者のレビューの投稿に対して設定された制限の程度を低下させることとしてもよい。このように、評価内容が肯定的な評価の度合いを示す多段階のスコア値で示される場合には、制限設定部15は、所定値「3」より大きいスコア値を有する評価情報を、肯定的な評価とみなすことができる。
【0068】
肯定的な評価がされたレビューは、他のユーザにとって有用なものである蓋然性が高い。上述したように、肯定的な評価を示す評価情報が受け付けられた場合に、肯定的な評価を受けたレビューの投稿者の投稿に対する制限の程度が低く設定されることにより、その投稿者に対する投稿に関する制限が適切に調整される。
【0069】
なお、制限設定部15は、評価情報における、否定的な評価の度合いにおける一単位が制限の上昇の増加に寄与する度合いが、肯定的な評価の度合いにおける一単位が制限の程度の低下に寄与する度合いより大きくなるように、制限を設定することとしてもよい。具体的には、例えば、制限設定部15は、1件の否定的な評価を示す評価情報が制限の上昇の増加に寄与する度合いが、1件の肯定的な評価を示す評価情報が制限の程度の低下に寄与する度合いより大きくなるように、制限を設定することとしてもよい。
【0070】
例えば、レビューに対する評価内容が否定的な評価を表すデータ(N)または肯定的な評価を表すデータ(P)により示される場合には、1件の否定的な評価を示す評価情報及び1件の肯定的な評価を示す評価情報の各々が、レビューの投稿者に対して設定される制限の程度の上昇及び低下に寄与していると考えられる。このような場合に、制限設定部15は、1件の否定的な評価を示す評価情報が制限の程度の上昇に寄与する度合いが、1件の肯定的な評価を示す評価情報が制限の程度の低下に寄与する度合いより大きくなるように、制限を設定する。また、制限設定部15は、制限の設定を実施するために要する否定的な評価情報の最小限の数より、制限の程度の低下を実施するために要する肯定的な評価情報の最小限の数を少なく設定することができる。このように制限の程度を調整することにより、レビューの投稿者に対する投稿に関する制限がより適切に調整されるので、投稿されるレビューの質が向上する。
【0071】
また、評価情報における否定的又は肯定的な評価の度合いが点数により示される場合には、制限設定部15は、否定的な評価を示す評価情報における1点が制限の上昇の増加に寄与する度合いが、肯定的な評価を示す評価情報における1点が制限の程度の低下に寄与する度合いより大きくなるように、制限を設定することとしてもよい。
【0072】
制限設定部15は、レビューの投稿者と、所定の度合い以上の肯定的な評価を評価情報において実施したレビュー評価者との相関の有無を評価情報に基づき判定し、相関が有ると判定された場合には、相関がないと判定された場合と比較して、当該レビュー評価者の肯定的な評価に基づく制限の程度における低下の度合いを小さく設定することとしてもよい。
【0073】
レビュー投稿者と当該レビューに対して肯定的な評価をしたレビュー評価者との間に相関が有る場合には、そのレビュー評価者は、当該レビュー投稿者との結託に基づき、当該投稿者の投稿に対する制限の程度を低くさせることを目的として、肯定的な評価を実施した可能性が高い。従って、かかるレビュー評価者による評価に基づき当該レビュー投稿者の制限の程度を低下させることは、レビューの質を高める観点から好ましくない。
【0074】
レビュー投稿者とレビュー評価者との相関の有無は、レビュー履歴記憶部12に記憶された情報に基づき、種々の方法により判定できる。例えば、制限設定部15は、一のレビュー投稿者からの複数のレビューの投稿のそれぞれに対する、同一のレビュー評価者からの評価情報の数に占める、肯定的な評価を示す評価情報の数が所定割合以上である場合に、一のレビュー投稿者とレビュー評価者との相関が有ると判定することができる。
【0075】
図4に示す例を参照して、相関の有無の判定を具体的に説明する。例えば、相関の有無の判定のための、同一のレビュー評価者からの肯定的な評価情報に関する所定割合が80%であるとする。図4に示すレビュー履歴記憶部12は、レビュー投稿者「AAA」のレビューに対するレビュー評価者「BBB」からの評価を3件(レビューID「R1」、「R2」、「R3」)記憶しており、その3件に占める肯定的な評価は3件である。従って、レビュー投稿者「AAA」のレビューに対するレビュー評価者「BBB」からの評価情報に占める肯定的な評価情報の割合は100%であって、所定割合「80%」以上であるので、制限設定部15は、レビュー投稿者「AAA」とレビュー評価者「BBB」との間に相関が有ると判定する。これにより、レビュー投稿者と肯定的な評価を実施したレビュー評価者との間の相関が精度良く適切に判定される。
【0076】
また、制限設定部15は、一のレビュー投稿者からの複数のレビューの投稿のそれぞれに対する、同一のレビュー評価者からの肯定的な評価を示す評価情報の数が所定数以上である場合に、一のレビュー投稿者とレビュー評価者との相関が有ると判定することができる。
【0077】
図4に示す例を参照して、相関の有無の判定を具体的に説明する。例えば、相関の有無の判定のための、同一のレビュー評価者からの肯定的な評価情報に関する所定数が2であるとする。図4に示すレビュー履歴記憶部12は、レビュー投稿者「AAA」のレビューに対するレビュー評価者「BBB」からの肯定的な評価を3件(レビューID「R1」、「R2」、「R3」)記憶している。従って、同一のレビュー評価者からの肯定的な評価を示す評価情報の数は「3」であって、所定数「2」以上であるので、制限設定部15は、レビュー投稿者「AAA」とレビュー評価者「BBB」との間に相関が有ると判定する。なお、ユーザ「BBB」のレビュー投稿に対するユーザ「AAA」による肯定的な評価情報の数を、相関の有無の判定のための肯定的な評価情報の数として併せてカウントすることとしてもよい。
【0078】
相関が有ると判定されると、制限設定部15は、レビュー評価者「BBB」の肯定的な評価に基づく制限の程度の低下の度合いを、相関がないと判定された場合に比べて小さく設定したり、レビュー評価者「BBB」の肯定的な評価を制限の設定に用いないようにしたりする。このように、肯定的な評価をしたレビュー評価者とレビュー投稿者との間に相関があった場合に、その肯定的な評価の制限の緩和に対する寄与度合いが低くされるので、当該レビュー投稿者に対する制限の程度が、不当に低く設定されることが防止される。
【0079】
制限設定部15は、レビューの投稿者と、所定の度合い以上の否定的な評価を評価情報において実施したレビュー評価者との相関の有無を評価情報に基づき判定し、相関が有ると判定された場合には、相関がないと判定された場合と比較して、レビュー評価者の否定的な評価に基づく制限の設定において、制限の程度を小さく設定することとしてもよい。
【0080】
レビュー投稿者と当該レビューに対して否定的な評価をしたレビュー評価者との間に相関が有る場合には、そのレビュー評価者は、当該レビュー投稿者に不利益を与えることを目的として、否定的な評価を実施した可能性が高い。従って、従って、かかるレビュー評価者による評価に基づき当該レビュー投稿者の制限の程度を上昇させることは、レビュー投稿者に対して不当な不利益が与えられることを防止するといった観点から好ましくない。
【0081】
レビュー投稿者とレビュー評価者との相関の有無は、レビュー履歴記憶部12に記憶された情報に基づき、種々の方法により判定できる。例えば、制限設定部15は、一のレビュー投稿者からの複数のレビューの投稿のそれぞれに対する、同一のレビュー評価者からの評価情報の数に占める、否定的な評価を示す評価情報の数が所定割合以上である場合に、一のレビュー投稿者とレビュー評価者との相関が有ると判定することができる。これにより、レビュー投稿者と否定的な評価を実施したレビュー評価者との間の相関が精度良く適切に判定される。
【0082】
図4に示す例を参照して、相関の有無の判定を具体的に説明する。例えば、相関の有無の判定のための、同一のレビュー評価者からの否定的な評価情報に関する所定割合が80%であるとする。図4に示すレビュー履歴記憶部12は、レビュー投稿者「AAA」のレビューに対するレビュー評価者「GGG」からの評価を3件(レビューID「R1」、「R2」、「R3」)記憶しており、その3件に占める否定的な評価は3件である。従って、レビュー投稿者「AAA」のレビューに対するレビュー評価者「GGG」からの評価情報に占める否定的な評価情報の割合は100%であって、所定割合「80%」以上であるので、制限設定部15は、レビュー投稿者「AAA」とレビュー評価者「GGG」との間に相関が有ると判定する。
【0083】
また、制限設定部15は、一のレビュー投稿者からの複数のレビューの投稿のそれぞれに対する、同一のレビュー評価者からの否定的な評価を示す評価情報の数が所定数以上である場合に、一のレビュー投稿者とレビュー評価者との相関が有ると判定することができる。
【0084】
図4に示す例を参照して、相関の有無の判定を具体的に説明する。例えば、相関の有無の判定のための、同一のレビュー評価者からの否定的な評価情報に関する所定数が2であるとする。図4に示すレビュー履歴記憶部12は、レビュー投稿者「AAA」のレビューに対するレビュー評価者「GGG」からの否定的な評価を3件(レビューID「R1」、「R2」、「R3」)記憶している。従って、同一のレビュー評価者からの否定的な評価を示す評価情報の数は「3」であって、所定数「2」以上であるので、制限設定部15は、レビュー投稿者「AAA」とレビュー評価者「GGG」との間に相関が有ると判定する。
【0085】
相関が有ると判定されると、制限設定部15は、レビュー投稿者「AAA」の投稿に関する、レビュー評価者「GGG」の否定的な評価に基づく制限の程度の上昇の度合いを、相関がないと判定された場合に比べて小さく設定したり、レビュー評価者「GGG」の否定的な評価を制限の設定に用いないようにしたりする。このように、レビュー投稿者とレビュー評価者との相関の有無が考慮されるので、レビュー投稿者に対する不当な制限が防止される。
【0086】
次に、図6を参照して、レビューの投稿者による投稿処理に対する制限として投稿不可能な時間として制限時間が設定される場合における、制限時間の起算時について説明する。制限設定部15は、制限時間の起点を当該レビュー投稿時に設定することができる。具体的には、図6(a)に示すように、レビュー投稿時TA10に投稿されたレビューに対して制限時間TP1が設定された場合に、制限設定部15は、制限時間TP1の起算点を時刻TA10に設定する。この場合には、制限時間は、時刻TE1に満了する。なお、制限時間の設定のための設定処理がレビュー投稿時TA10ではなく時刻Tに行われた場合には、実質的な制限時間は、時間TP11となる。このように制限時間を設定することにより、否定的な評価を受けたレビューの投稿時から、当該レビュー投稿者の投稿が禁止されるので、ユーザにとって有用でない不適切なレビューの連続投稿が防止される。
【0087】
また、制限設定部15は、制限時間の起点を制限の設定の根拠となった当該レビュー投稿の次のレビュー投稿時に設定することとしてもよい。そして、制限設定部15は、当該次のレビュー投稿を受け付けないように制御することとしてもよい。具体的には、図6(b)に示すように、レビュー投稿時TA20に投稿されたレビューに対して制限時間TP2が設定された場合に、制限設定部15は、制限時間TP2の起算点を、当該投稿者による次のレビュー投稿時TA21に設定する。この場合には、制限時間は、時刻TE2に満了する。そして、制限設定部15は、時刻TA21に実施されたレビュー投稿を受け付けないように制御する。この場合には、否定的な評価を受けたレビューの投稿者が、当該レビューの投稿の次の投稿時から、当該レビュー投稿者の投稿が禁止されるので、両投稿間に制限時間が満了してしまうことが防止され、投稿の制限によるペナルティを確実に当該投稿者に与えることができる。
【0088】
投稿制御部16は、制限設定部15により設定された制限に基づき、当該レビューの投稿者からの投稿に対する制限を実施する部分である。例えば、レビューの投稿処理に対する制限として制限時間が設定された場合には、投稿制御部16は、制限設定部15により設定された制限時間に基づき、投稿者からの投稿を受け付けないように制御する。具体的には、投稿制御部16は、制限時間の起算時から満了時に至るまでの間にレビュー投稿受付部11に当該投稿者からのレビューの投稿を受け付けさせないように制御する。制限時間内にレビュー投稿者がレビューを投稿すると、レビューの投稿者のユーザIDが制限の対象のユーザに該当するか否かがレビュー投稿受付部11により判断され、制限対象のレビュー投稿者に該当する場合には、そのレビューの投稿が制限される。
【0089】
また、レビューの投稿内容に対する制限として、レビュー内容における文字の上限数又は下限数が設定された場合には、投稿制御部16は、制限設定部15により設定された文字の上限数又は下限数に基づき、投稿者からのレビューにおける文字数を制限するように制御する。具体的には、投稿制御部16は、当該投稿者からのレビュー内容における文字数が、設定された上限数を超えていた場合又は下限数未満であって場合に、レビュー投稿受付部11に当該レビューの投稿を受け付けさせないように制御する。
【0090】
なお、本実施形態における投稿制御部16は、レビュー投稿制御装置1に設けられているが、レビュー投稿制御装置1と通信可能な他の装置に設けられていてもよい。
【0091】
続いて、図7を参照して、本実施形態のレビュー投稿制御装置1の動作について説明する。図2は、レビュー投稿制御装置1において実施されるレビュー評価方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0092】
まず、評価情報受付部14は、評価情報をレビュー評価者の端末Tから受け付ける(S1)。受け付けた評価情報は、レビュー履歴記憶部12に蓄積される。次に、制限設定部15は、レビュー履歴記憶部12に記憶されたレビュー履歴を参照すると共に、評価情報を取得する(S2)。
【0093】
続いて、制限設定部15は、評価情報受付部14により受け付けられた1以上の評価情報に基づき、レビューに対する否定的な評価の度合いが所定の度合い以上であるか否かを判定する(S3)。レビューに対する否定的な評価の度合いが所定の度合い以上であると判定された場合には、処理手順はステップS4に進められる。一方、レビューに対する否定的な評価の度合いが所定の度合い以上であると判定されなかった場合には、処理手順は終了する。
【0094】
ステップS4において、制限設定部15は、評価情報における否定的な評価の度合いに基づきレビュー投稿者の投稿に対する制限を設定する(S4)。ここで、上述したように、制限設定部15は、投稿者と評価者との相関を判定し、制限の度合いを調整することとしてもよい。そして、投稿制御部16は、制限設定部15により設定された制限に基づき、当該レビューの投稿者からの投稿に対する制限を実施する。
【0095】
なお、制限設定部15は、1件のレビュー投稿ごとに、上記したような制限の設定のための処理を実行できる。また、制限設定部15は、所定の時刻になる度に、レビュー履歴記憶部12を参照して、ユーザごとに制限の設定処理(バッチ処理)を実行することとしてもよい。この場合に参照されるレビュー投稿の履歴は、現在時刻から直近の1件又は複数のレビュー投稿に関するものとすることができる。複数のレビュー投稿に関する履歴が参照された場合には、制限設定部15は、各レビュー投稿に関して設定された制限時間の合計時間を制限として設定することができる。なお、ここに述べた制限設定部15による処理の契機は、図8に示すフローチャートにおいても適用できる。
【0096】
次に、図8を参照して、本実施形態のレビュー投稿制御装置1において実施される処理内容の他の例を説明する。
【0097】
まず、評価情報受付部14は、評価情報をレビュー評価者の端末Tから受け付ける(S11)。受け付けた評価情報は、レビュー履歴記憶部12に蓄積される。次に、制限設定部15は、レビュー履歴記憶部12に記憶されたレビュー履歴を参照すると共に、評価情報を取得する(S12)。
【0098】
続いて、制限設定部15は、評価情報受付部14により受け付けられた1以上の評価情報に基づき、レビューに対する否定的な評価の度合いが所定の度合い以上であるか否かを判定する(S13)。レビューに対する否定的な評価の度合いが所定の度合い以上であると判定された場合には、処理手順はステップS14に進められる。一方、レビューに対する否定的な評価の度合いが所定の度合い以上であると判定されなかった場合には、処理手順は終了する。
【0099】
ステップS14において、制限設定部15は、評価情報受付部14により受け付けられた評価情報に基づき、レビューに対する肯定的な評価の度合いが所定の度合い以上であるか否かを判定する(S14)。レビューに対する肯定的な評価の度合いが所定の度合い以上であると判定された場合には、処理手順はステップS16に進められる。一方、レビューに対する肯定的な評価の度合いが所定の度合い以上であると判定されなかった場合には、処理手順はステップS15に進められる。
【0100】
ステップS15において、制限設定部15は、評価情報における否定的な評価の度合いに基づきレビュー投稿者の投稿に対する制限を設定する(S15)。一方、ステップS16において、制限設定部15は、評価情報における否定的な評価の度合い及び肯定的な評価の度合いに基づきレビュー投稿者の投稿に対する制限を設定する(S16)。ステップS15及びS16において、上述したように、制限設定部15は、投稿者と評価者との相関を判定し、制限の度合いを調整することとしてもよい。そして、投稿制御部16は、制限設定部15により設定された制限に基づき、当該レビューの投稿者からの投稿に対する制限を実施する。
【0101】
次に、図9を参照して、コンピュータをレビュー投稿制御装置1として機能させるためのレビュー投稿制御プログラムを説明する。
【0102】
レビュー投稿制御プログラムP1は、メインモジュールP10、レビュー投稿受付モジュールP11、レビュー履歴記憶モジュールP12、レビュー提示モジュールP13、評価情報受付モジュールP14、制限設定モジュールP15及び投稿制御モジュールP16を備える。
【0103】
メインモジュールP10は、レビュー提供処理を統括的に制御する部分である。レビュー投稿受付モジュールP11、レビュー履歴記憶モジュールP12、レビュー提示モジュールP13、評価情報受付モジュールP14、制限設定モジュールP15及び投稿制御モジュールP16を実行することにより実現される機能はそれぞれ、図2に示されるレビュー投稿制御装置1のレビュー投稿受付部11、レビュー履歴記憶部12、レビュー提示部13、評価情報受付部14、制限設定部15及び投稿制御部16の機能と同様である。
【0104】
レビュー投稿制御プログラムP1は、例えば、CD−ROMやDVD、ROM等の記憶媒体D1または半導体メモリによって提供される。また、レビュー投稿制御プログラムP1は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0105】
以上説明した本実施形態のレビュー投稿制御装置1、レビュー投稿制御方法、レビュー投稿制御プログラムP1によれば、投稿されたレビューに対する評価情報が評価情報受付部14により受け付けられ、評価情報において否定的な評価の度合いが所定の度合い以上である場合に、当該レビューの投稿者による投稿に対する制限が制限設定部15により設定される。これにより、否定的な評価を受けたレビューの投稿者による投稿処理及び投稿内容のうちの少なくとも一方が制限される。従って、ユーザにとって有用でない不適切なレビューの投稿の増大が防止される。
【0106】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0107】
1…レビュー投稿制御装置、11…レビュー投稿受付部、12…レビュー履歴記憶部、13…レビュー提示部、14…評価情報受付部、15…制限設定部、16…投稿制御部、P1…レビュー投稿制御プログラム、P10…メインモジュール、P11…レビュー投稿受付モジュール、P12…レビュー履歴記憶モジュール、P13…レビュー提示モジュール、P14…評価情報受付モジュール、P15…制限設定モジュール、P16…投稿制御モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レビュー対象に対してレビュー投稿者から投稿されたレビューに対するレビュー評価者による肯定的又は否定的な評価を含む1以上の評価情報に基づき、所定の度合い以上の否定的な評価を受けたレビューを投稿したレビュー投稿者を選出する選出手段と、
前記選出手段により選出されたレビュー投稿者に対して、前記レビューが受けた否定的な評価の度合いに応じた所定の投稿制限を加える投稿制限手段と、
を備えるレビュー投稿制御装置。
【請求項2】
前記投稿制限手段は、
所定の度合い以上の否定的な評価を含む評価情報が所定数以上である場合、又は1以上の評価情報における肯定的な評価の度合いを示す値の合計が所定値以下である場合に、前記レビューの投稿者による投稿処理及び投稿内容のうちの少なくとも一方に対する制限を前記所定の投稿制限として設定する、
請求項1に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項3】
前記投稿制限手段は、
所定の度合い以上の肯定的な評価を示す評価情報が所定数以上受け付けられた場合には、当該評価情報が所定数以上受け付けられなかった場合に比べて、前記制限の程度を低く設定する、
請求項1または2に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項4】
前記投稿制限手段は、
前記評価情報における、否定的な評価の度合いにおける一単位が制限の程度の増加に寄与する度合いが、肯定的な評価の度合いにおける一単位が制限の程度の低下に寄与する度合いより大きくなるように、制限を設定する、
請求項3に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項5】
前記投稿制限手段は、
前記レビューの投稿者と、所定の度合い以上の肯定的な評価を前記評価情報において実施したレビュー評価者との相関の有無を前記評価情報に基づき判定し、
相関が有ると判定された場合には、相関がないと判定された場合と比較して、前記レビュー評価者の肯定的な評価に基づく制限の程度における低下の度合いを小さく設定する、
請求項3または4に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項6】
前記投稿制限手段は、
一のレビュー投稿者からの複数のレビューの投稿のそれぞれに対する、同一のレビュー評価者からの評価情報の数に占める、肯定的な評価を示す評価情報の数が所定割合以上である場合に、前記一のレビュー投稿者と前記レビュー評価者との相関が有ると判定する、
請求項5に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項7】
前記投稿制限手段は、
一のレビュー投稿者からの複数のレビューの投稿のそれぞれに対する、同一のレビュー評価者からの肯定的な評価を示す評価情報の数が所定数以上であることを、前記一のレビュー投稿者と前記レビュー評価者との相関が有ると判定するための必要条件とする、
請求項5または6に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項8】
前記投稿制限手段は、
前記レビューの投稿者と、所定の度合い以上の否定的な評価を前記評価情報において実施したレビュー評価者との相関の有無を前記評価情報に基づき判定し、
相関が有ると判定された場合には、相関がないと判定された場合と比較して、前記レビュー評価者の否定的な評価に基づく制限の設定において、制限の程度を小さく設定する、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項9】
前記投稿制限手段は、
一のレビュー投稿者からの複数のレビューの投稿のそれぞれに対する、同一のレビュー評価者からの評価情報の数に占める、否定的な評価を示す評価情報の数が所定割合以上である場合に、前記一のレビュー投稿者と前記レビュー評価者との相関が有ると判定する、
請求項8に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項10】
前記投稿制限手段は、
一のレビュー投稿者からの複数のレビューの投稿のそれぞれに対する、同一のレビュー評価者からの否定的な評価を示す評価情報の数が所定数以上であることを、前記一のレビュー投稿者と前記レビュー評価者との相関が有ると判定するための必要条件とする、
請求項8または9に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項11】
前記投稿制限手段は、当該レビューに対する否定的な評価の度合いに応じて、前記レビューの投稿者がレビューを投稿することができない制限時間を、レビューの投稿者による投稿処理に対する制限として設定する、
請求項1〜10のいずれか1項に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項12】
前記投稿制限手段は、前記制限時間の起点を当該レビュー投稿時に設定する、
請求項11に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項13】
前記投稿制限手段は、前記制限時間の起点を当該レビュー投稿の次のレビュー投稿時に設定する、
請求項11に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項14】
前記投稿制限手段は、前記次のレビュー投稿を受け付けないように制限を設定する、
請求項13に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項15】
前記投稿制限手段は、当該レビューに対する否定的な評価の度合いに応じて、前記レビューの内容における文字の上限数又は下限数を、レビューの投稿者による投稿内容に対する制限として設定する、
請求項1〜14のいずれか1項に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項16】
前記評価情報を受け付ける評価情報受付手段と、
前記評価情報受付手段により受け付けられた評価情報を記憶する評価情報記憶手段をさらに備え、
前記投稿制限手段は、前記評価情報記憶手段に記憶された評価情報を参照して、前記制限を設定する、
請求項1〜15のいずれか1項に記載のレビュー投稿制御装置。
【請求項17】
レビュー投稿制御装置により実行されるレビュー投稿制御方法であって、
レビュー対象に対してレビュー投稿者から投稿されたレビューに対するレビュー評価者による肯定的又は否定的な評価を含む1以上の評価情報に基づき、所定の度合い以上の否定的な評価を受けたレビューを投稿したレビュー投稿者を選出する選出ステップと、
前記選出ステップにおいて選出されたレビュー投稿者に対して、前記レビューが受けた否定的な評価の度合いに応じた所定の投稿制限を加える投稿制限ステップと、
を有するレビュー投稿制御方法。
【請求項18】
コンピュータを、レビュー投稿制御装置として機能させるためのレビュー投稿制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
レビュー対象に対してレビュー投稿者から投稿されたレビューに対するレビュー評価者による肯定的又は否定的な評価を含む1以上の評価情報に基づき、所定の度合い以上の否定的な評価を受けたレビューを投稿したレビュー投稿者を選出する選出機能と、
前記選出機能により選出されたレビュー投稿者に対して、前記レビューが受けた否定的な評価の度合いに応じた所定の投稿制限を加える投稿制限機能と、
を実現させるレビュー投稿制御プログラム。
【請求項19】
コンピュータをレビュー投稿制御装置として機能させるためのレビュー投稿制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記レビュー投稿制御プログラムが前記コンピュータに、
レビュー対象に対してレビュー投稿者から投稿されたレビューに対するレビュー評価者による肯定的又は否定的な評価を含む1以上の評価情報に基づき、所定の度合い以上の否定的な評価を受けたレビューを投稿したレビュー投稿者を選出する選出機能と、
前記選出機能により選出されたレビュー投稿者に対して、前記レビューが受けた否定的な評価の度合いに応じた所定の投稿制限を加える投稿制限機能と、
を実現させるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−12152(P2013−12152A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145902(P2011−145902)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)